JP5990895B2 - ロータとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機におけるロータとその製造方法に関し、特にロータに永久磁石を内蔵した永久磁石埋め込み型同期モータ等におけるロータとその製造方法に関する。
この種のロータの構造として、例えば特許文献1に記載されているように、電磁鋼板等の鋼板積層体からなるロータコアにその軸心方向に貫通するスロット部をロータコアの円周方向に沿って所定のピッチで複数個形成し、それらのスロット部に個々に永久磁石を挿入して、樹脂材料にて位置決め固定したものが知られている。
そして、永久磁石をバランス良く確実に固定することを目的として、特許文献1には、ロータコアに貫通形成されて永久磁石が挿入されることになる磁石用穴部よりも軸心寄りの位置に、ロータコアの軸心方向に貫通する注入用穴部を形成するとともに、それらの磁石用穴部と注入用穴部とを径方向に延在する複数のスリット部にて連通させ、上記注入用穴部から充填された樹脂材料をスリット部を介して磁石用穴部と永久磁石との間に充填するようにした技術が開示されている。
特開2001−157394号公報
特許文献1に記載されたロータの構造においては、磁石用穴部よりも軸心寄りの位置に形成される注入用穴部は、ロータの磁気回路に影響を及ぼさない位置に設定しないとトルク低下等の二次的不具合を招くことから、注入用穴部は磁石用穴部から径方向内側に十分に離れた位置に配置する必要がある。そのため、必然的に注入用穴部と磁石用穴部とを連通させる流路であるところのスリット部の長さを大きくする必要がある。スリット部の長さが大きくなることは、ロータコアの内部においてスリット部として打ち抜かれて径方向に延在する空隙部(樹脂で埋められてはいる。)が存在することを意味し、結果としてロータコアの遠心力に対する強度が大きく低下し、高速回転仕様のモータには適用が困難という問題があった。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、とりわけ磁石を確実に固定することができて、ロータコアの遠心力に対する強度低下を抑制しながら永久磁石をバランス良く確実に固定することが可能なロータコアとその製造方法を提供するものである。
本発明は、いわゆる永久磁石埋め込み型の鋼板積層体からなるロータの構造として、それぞれの鋼板には、スロット部となるべき磁石穴と、当該磁石穴よりもロータコアの反外周面寄りに位置する小穴と、磁石穴と小穴との間にあって且つ所定枚数ごとにロータコアの径方向でオフセットしつつ一部が隣り合う鋼板側のものとオーバーラップする中間穴とが形成されている
そして、上記磁石穴同士が積層方向で合致してロータコアの軸心方向に延びる上記スロット部が形成され、同様に上記小穴同士が積層方向で合致してロータコアの軸心方向に延びる樹脂注入穴が形成され上記中間穴同士が積層方向およびロータコアの径方向でそれぞれ連通して、上記スロット部と上記樹脂注入穴とを連通させる放射状の連通穴が形成されさらに、上記磁石が挿入される上記スロット部とともに上記樹脂注入穴および上記連通穴のそれぞれに充填された樹脂材料を備えている。
本発明によれば、それぞれの鋼板に形成された小穴は隣り合う鋼板側の小穴とオーバーラップすることで径方向および鋼板積層方向に連通することになるので、小穴の形状としては単純穴形状のもので良く、径方向に延在するスリット形状のものとする必要がない。そのため、個々の鋼板の径方向における強度低下は殆ど生じず、ロータコア全体としても遠心力に対する強度低下を抑制できる。また、スロット部に挿入される磁石は、スロット部のうちロータコアの外周面寄りの内壁面に押し付けるようにして固定されるので、それぞれの磁石の位置精度が安定化し、ロータ全体としての回転バランスも良好なものとなる。
本発明を実施するためのより具体的な第1の形態を示し、永久磁石埋め込み型同期モータにおけるロータの主要素であるロータコアの要部分解斜視図。 図1における単一の鋼板の正面図。 図2に示した2枚の鋼板2を円周方向で互いに45°ずらせて重ね合わせた状態を示す分解斜視図。 図1に示したロータコアの組み立て手順を示す工程説明図。 図4における磁石挿入・樹脂注入工程の概略説明図。 本発明を実施するための第2の形態を示す図で、ロータコアを形成することになる単一の鋼板の正面図。 図6の鋼板を積層した状態での図1と同等部位の要部分解斜視図。 図7の積層状態でのロータコアの正面図。
図1〜5は本発明を実施するためのより具体的な第1の形態を示していて、特に図1は例えば永久磁石埋め込み型同期モータにおけるロータの主要素であるロータコアの要部斜視図を、図2は図1における単一の鋼板の正面図をそれぞれ示している。
図1に示すように、ロータコア1は、薄板状の電磁鋼板、より具体的には珪素鋼板等の円板状の鋼板2を多段に積層した鋼板積層体をもって形成されていて、そのロータコア1の円周方向の等分位置に磁石収納のための穴部として偏平矩形状の複数のスロット部3を形成してある。ここでは、ロータコア1の円周方向の8等分位置であって且つそれ自体の外周面寄りの位置にスロット部3を形成してある。なお、それぞれの鋼板2同士は、板厚方向に半抜きした図示外のダボ部同士を凹凸嵌合させることで、従来公知のいわゆるダボかしめ方式にて機械的に結合される。また、それぞれの鋼板2は全て同一サイズで同一形状のものが使用される。
それぞれのスロット部3はロータコア1をその軸心方向に貫通してロータコア1の両端面に開口していて、スロット部3には当該スロット部3の形状よりも一回り小さな板状またはバー状の永久磁石4がそれぞれに挿入される。そして、各永久磁石4はスロット部3と永久磁石4との隙間に注入または充填される図示外のエポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂材料にていわゆる樹脂モールドのかたちで位置決め固定される。樹脂材料はスロット部3と永久磁石4との間の四周に介装される。
なお、ロータコア1の中心の軸穴5には図示外の回転軸が挿入固定されるほか、ロータコア1の両端面に円板状のエンドプレート(端板)を積層配置することもある。さらに、熱硬化性の樹脂材料に代えて熱硬化性の接着剤を用いることもある。
図2は鋼板積層体をもって形成されたロータコア1の鋼板素片であるところの一枚の鋼板2の詳細を示している。図2から明らかなように、鋼板2の中心位置には図1のような積層状態で、不図示の回転軸が挿入される軸穴5となるべき円形穴5aを、鋼板2の8等分位置には図2のような積層状態でスロット部3となるべき偏平矩形状の同一サイズの磁石穴3aをそれぞれ形成してあるほか、磁石穴3aよりも円形穴5a寄り(反外周面寄り、すなわちロータコア1の径方向で内側寄り)の位置であって且つ磁石穴3aと同じ等分位置にはそれぞれに同一サイズの円形の小穴6を形成してある。これらの複数の小穴6はそれぞれに1:1の関係をもって外周側の磁石穴3aに個別に対応しているとともに、全ての小穴6が円形穴5aと軸心を同じくする同心円上に形成されている。
さらに、鋼板2の径方向(ロータコア1の径方向に相当)において各磁石穴3aとそれに対応する小穴6との間の位置には、正方形の中間穴7a〜7hをそれぞれに形成してある。これらの複数の中間穴7a〜7hもそれぞれに1:1の関係をもって外周側の磁石穴3aおよび内周側の小穴6に個別に対応しているとともに、これらの複数の中間穴7a〜7hの配置は複数の小穴6のそれとは異なっている。
ここでは、それぞれの中間穴7a〜7hの位置は鋼板2の径方向で微妙に異なっていて、各中間穴7a〜7hごとに個別に対応する磁石穴3aおよび小穴6までの距離を段階的に変化させてある。より具体的には、合計8個の中間穴7a〜7hのうち磁石穴3aに最も近い中間穴7aは、それに対応する磁石穴3aに実質的に連続するものとして一体的に形成してあるのに対して、磁石穴3aから最も遠い中間穴7hは、逆にそれに対応する小穴6に実質的に連続するものとして一体的に形成してある。
そして、図2から明らかなように、鋼板2の円周方向(ロータコア1の回転方向であって、図2の時計回り方向)において、磁石穴3aに対して最短距離の位置にある中間穴7aから磁石穴3aに対して最長距離の位置にある中間穴7hに向かうにしたがって、それぞれの中間穴7a〜7hの位置を鋼板2の径方向で段階的に変化させてある。つまり、鋼板2の等分位置に45°位相で形成された合計8個の中間穴7a〜7hのうち中間穴7aから中間穴7hに向かうにしたがって、対応する磁石穴3aまでの距離が段階的に大きくなるように変化させ、且つ対応する小穴6までの距離が段階的に小さくなるように変化させてある。その上で、対応する磁石穴3aに最も近い位置の中間穴7aと、対応する磁石穴3aから最も遠い位置の中間穴7hとの位置的関係を除き、それ以外の隣り合う中間穴7b〜7g同士の位置的関係に着目した場合に、鋼板2の径方向での中間穴7b〜7g同士の位置的変化量は、鋼板2の径方向での各中間穴7a〜7hの占有長さ未満、すなわち各中間穴7a〜7hの一辺の長さ未満の大きさのものとなるように予め設定してある。
図3は図2に示した鋼板2を2枚用意した上で円周方向で互いに45°ずらせて重ね合わせた状態を示していて、それぞれの鋼板2の円形穴5a同士、8個の小穴6同士および磁石穴3a同士は鋼板2の積層方向で位置的に完全一致して互いに合致することになるとともに、双方の鋼板2の中間穴7a〜7h同士は鋼板2の積層方向で位置的に完全一致しないまでも一部がオーバーラップするかたちで互いに連通するかたちとなる。したがって、図3の関係をもって合計8枚の鋼板2を45°ずつ位相をずらせて積層するならば、先に述べたように積層方向で各中間穴7a〜7hが互いにオーバーラップしながら連通するかたちとなるので、後述するように積層方向でそれぞれの磁石穴3aが合致することで形成されるスロット部3と、それに対応するそれぞれの小穴6が積層方向で合致することで形成される樹脂注入穴16とが、各中間穴7a〜7hが互いにオーバーラップしながら連通することによって形成された連通穴を介して鋼板積層体の径方向で互いに連通することになる。
先に説明した図1は、結果として図2,3に示した鋼板2を8枚用意した上でそれらを円周方向で互いに45°ずつずらせて重ね合わせた状態を示していて、それぞれの鋼板2の円形穴5a同士、8個の小穴6同士および磁石穴3a同士は鋼板2の積層方向で位置的に完全一致して互いに合致することになる。そして、円形穴5aはロータコア1となるべき鋼板積層体の軸心方向に貫通する軸穴5を、小穴6は同様に鋼板積層体の軸心方向に貫通する細穴状の樹脂注入穴16を、磁石穴3aは同じく鋼板積層体の軸心方向に貫通して永久磁石4が挿入されることになるスロット部3をそれぞれ形成することになる。さらに、それぞれの鋼板2に形成された中間穴7a〜7hは、積層方向で一部がオーバーラップしながら径方向および積層方向で互いに連通して放射状で且つ斜めの連通穴17を形成することになるので、図1に示したように8枚の鋼板2を円周方向で互いに45°ずつずらせて重ね合わせた状態では、連通穴17をもって樹脂注入穴16とスロット部3とが連通することになる。
ここで、図1の関係は、図3から明らかなように、例えばスロット部3となるべき特定の磁石穴3aと当該磁石穴3aに対応しつつ樹脂注入穴16となるべき小穴6とを連通させる連通穴17を形成するにあたって、8枚の鋼板2に位置を異ならせて形成した合計8個の中間穴7a〜7hを鋼板2の径方向および積層方向で互いにオーバーラップさせながら連通させることで初めて連通穴17が形成されることを意味する。すなわち、単一のロータコア1における鋼板2の総積層枚数をmの整数倍とした場合に、m枚の鋼板2の積層体をもって、中間穴7a〜7h同士が積層方向およびロータコア1の径方向でそれぞれ連通して、スロット部3と樹脂注入穴16とを連通させる放射状の連通穴17を形成していることになる。
したがって、図1に示した8枚の鋼板2の積層状態では、完全なる連通穴17として形成されるものはただ一つのみであり、それ以外の連通穴17は特定のスロット部3とそれに対応する注入穴16とを連通させるまでには至らない不完全なものであり、図1の8枚の鋼板2の積層体にさらに45°ずらせた一枚の鋼板2を追加する毎に、その都度、別の一つの連通穴17が完成することになる。
なお、図1,3ではそれぞれの鋼板2の板厚を誇張して描いてあり、図1に示したような8枚の鋼板2の積層体を単位要素として、この鋼板積層体を複数組積層することで初めてロータコア1として組み立てられることになる。
このような鋼板積層体からなるロータコア1は、大まかには図4に示すように、プレス成形工程と、回転積層工程と、磁石挿入・樹脂注入工程の各工程を経て組み立てられる。
プレス成形工程では、帯状の鋼板母材であるフープ材に対し順送りプレス成形法のもとで数工程に分けて必要な穴あけ加工等を施し、最終的には図2のような円板状の鋼板2をフープ材から順次打ち抜き成形することになる。プレス成形工程に続く回転積層工程では、プレス成形直後の鋼板2をその都度プレス型から一枚ずつ取り出した上で、積層すべき一枚の鋼板2または鋼板積層体側を45°回転させながらロータコア1に必要な所定枚数だけ積層することになる。その際に、隣り合う鋼板2同士は先にも述べたようにいわゆるダボかしめ方式にて機械的に結合されることになる。
磁石挿入・樹脂注入工程では、図5に示すように、鋼板積層体からなるロータコア1の各スロット部3に永久磁石4を挿入した上で、予備加熱されている上型8と下型9とでロータコア1を軸心方向に加圧拘束し、いわゆるトランスファー成形法の原理にて上型8側のポット部10に樹脂材料のペレットPを挿入して軟化・溶融させた上で、プランジャ11にてロータコア1内に充填・注入する。
この場合、ロータコア1側の樹脂注入穴16がポット部10に臨んでいることから、溶融状態の樹脂材料は樹脂注入穴16から放射状の複数の連通穴17を経て各スロット部3に注入される。すなわち、各スロット部3と永久磁石4との隙間のほか、複数の樹脂注入穴16および複数の連通穴17のそれぞれに樹脂材料が充満することになる。
また、各スロット部3に注入された樹脂材料はスロット部3とそのスロット部3に予め挿入されている永久磁石4との隙間に充満することになるものの、スロット部3よりもロータコア1の中心寄りの樹脂注入穴16側からの注入圧力を受けて樹脂材料が注入されるため、各スロット部3内の永久磁石4はスロット部3のうちでもロータコア1の外周面寄りの内壁面に押し付られることになる。それ故に、各スロット部3内での永久磁石4の位置が安定化するとともに、ロータコア1の回転時のアンバランスも小さいものとなる。
ここで、上記第1の形態では、同一形状の一枚ずつの鋼板2をその都度45°ずつ回転させて位相をずらしながら積層するようにしているが、回転方向位相をずらしていない同一形状の鋼板を例えば2枚あるいは3枚重ねとし、これらの2枚あるいは3枚重ねとした鋼板2をその都度45°ずつ回転させて位相をずらしながら積層するようにしても良い。
また、上記第1の形態では、各鋼板2毎の複数の磁石穴3a、小穴6および中間穴7a〜7hは円周方向において8等分位置に形成してあり、隣り合う鋼板2同士を円周方向で45°(360°/8)ずつ回転させて積層しているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、各鋼板2毎に複数の磁石穴3a、小穴6および中間穴7a〜7hを円周方向においてn等分位置に形成してある場合に、隣り合う鋼板2同士を円周方向で360°/nずつ回転させて積層するようにすれば所期の目的を達成できる。
このように本実施の形態によれば、樹脂注入穴16とスロット部3とを連通している連通穴17は、各鋼板2に形成された単純穴形状の中間穴7a〜7hを鋼板2の径方向および積層方向でオーバーラップさせながら連通させることで形成されているので、それぞれの鋼板2に比較的大きな穴やスリット部を形成する必要がない。そのため、個々の鋼板2の強度が高いだけでなくロータコア1全体の遠心力に対する強度が向上することになる。さらに、先にも述べたように、各スロット部3に挿入される永久磁石4は、スロット部3のうちロータコア1の外周面寄りの内壁面に押し付けるようにして固定されるので、それぞれの永久磁石4の位置精度が安定化し、ロータコア1全体としての回転バランスも良好なものとなる。
また、同一サイズで同一形状の鋼板をプレス成形して積層するだけで良いので、工数的にもコスト的にも有利となる。
その上、ロータコア1内に放射状に且つ斜めに形成された複数の連通路17も樹脂注入穴16とともに樹脂で埋められることになるので、いわゆるアンカー効果を期待でき、ロータコア1の剛性が一段と高いものとなる。
図6〜8は本発明を実施するためのより具体的な第2の形態を示していて、特に図6は鋼板積層体をもってロータコア1を形成している一枚の鋼板22の正面図を示している。
図6に示すように、鋼板22には円周方向の等分位置に鋼板積層時に磁石収納のための複数のスロット部23,33となるべき磁石穴23a,33aを形成してある。なお、スロット部23,33は後述する図8に描かれている。ここでは、鋼板22の円周方向の八等分位置であって且つそれ自体の外周面寄りの位置には外周面側の磁石穴23aが形成されているとともに、それぞれの外周面側の磁石穴23aの内側、より具体的にはそれぞれの外周面側の磁石穴23aよりも軸穴となるべき円形穴5a寄りの位置にはくの字状をなす内周側の磁石穴33aが形成されている。
そして、図6に示した鋼板22の図8のような積層状態をもってロータコア1を形成した場合には、それぞれの磁石穴23a,33aはロータコア1を軸心方向に貫通するスロット部23,33を形成することになり、外側の磁石穴23aの積層をもって形成されるスロット部23には、当該スロット部23の形状よりも一回り小さな板状またはバー状の永久磁石24が外側磁石としてそれぞれに挿入される。同様に内側の磁石穴33aの積層をもって形成されるスロット部33には、当該スロット部33の形状よりも一回り小さな板状またはバー状の永久磁石34が二つで一組の内側磁石としてそれぞれに挿入される。そして、各永久磁石24,34は、スロット部23または33と永久磁石24または34との隙間に注入または充填される図示外のエポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂材料にていわゆる樹脂モールドのかたちで位置決め固定される。
図6に示した鋼板22のうち内周側のくの字状の磁石穴33a同士の間にはそれぞれに円形状の同一サイズの小穴26を形成してあり、各小穴26は鋼板の八等分位置に形成されていることになる。これらの複数の小穴26は、円形穴5aと軸心を同じく同心円上に形成してあるとともに、各小穴26は隣り合うくの字状の磁石穴33aの一辺部同士が共有するかたちとなっている。
また、図6に示した鋼板22のうち内周側のくの字状の磁石穴33aと外周側の磁石穴23aとの間には、それらの内外周の磁石穴23a,33aに個別に対応する同一サイズの正方形の第1の中間穴27a〜27hをそれぞれに形成してあり、それぞれの第1の中間穴27a〜27hは鋼板22の八等分位置に形成されていることになる。これらの第1の中間穴27a〜27hは、図2に示した中間穴7a〜7h同士の関係と全く同様に、それぞれの第1の中間穴27a〜27hの位置は鋼板22の径方向で微妙に異なっていて、各第1の中間穴27a〜27hごとに個別に対応する内外周の磁石穴23a,33aまでの距離(鋼板22の径方向での位置)を段階的に変化させてある。
さらに、それぞれの小穴26と当該小穴26が共有している左右のくの字状の磁石穴33aの一辺部同士の間には、二つで一組の同一サイズの正方形の第2の中間穴37a〜37hを形成してある。そして、これらの第2の中間穴37a〜37hは、図2に示した中間穴7a〜7h同士の関係と全く同様に、それぞれの第2の中間穴37a〜37hの位置は鋼板22の径方向および円周方向で微妙に異なっていて、各小穴26から当該小穴26が共有している左右のくの字状の磁石穴33aの一辺部に向けて垂線を引いたと仮定した場合に、その垂線上において二つで一組の第2の中間穴37a〜37hの位置を段階的に変化させてある。
ここで、図6において、外周側の磁石穴23aと内周側のくの字状をなす磁石穴33aの屈曲部との間に、第1の中間穴27a〜27hのいずれかが形成されているので、外周側の磁石穴23aと内周側のくの字状をなす磁石穴33aの屈曲部との相対位置関係を、図2の小穴6と磁石穴3aとの関係に置き換えるならば、図6における内周側のくの字状をなす磁石穴33aの屈曲部が上記小穴6二相当することになる。そして、後述する図7に示すように、内周側のくの字状をなす磁石穴33aには永久磁石が34が挿入されることになるものの、上記屈曲部には永久磁石34が及ぶことはなく空隙部として残されて、当該屈曲部には後から樹脂材料が注入されて埋められることになる。
図7は図1と同様の図で、図6に示した鋼板22を45°ずつ回転位相をずらせながら8枚積層した要部の状態を示していて、図8は図7の積層状態の正面図を示している。
したがって、図6に示した鋼板22を45°ずつ回転位相をずらせながら多段に積層した場合には、先の第1の形態と同様に、外周側の磁石穴23a同士が積層方向で重なり合ってロータコア1を軸心方向に貫通する外周側のスロット部23が形成され、同時に内周側のくの字状の磁石穴33a同士が積層方向で重なり合ってロータコア1の軸心方向に貫通する内周側のスロット部33が形成される。さらに、小穴26同士が積層方向で重なり合ってロータコア1を軸心方向に貫通する図7の樹脂注入穴36が形成されることになる。
その一方、外周側のスロット部23と内周側のスロット部33との間において各鋼板22に形成されている第1の中間穴27a〜27h同士についても、先の第1の形態の中間穴7a〜7hと同様に、図7,8に示すように、径方向および積層方向で一部が互いにオーバーラップしながら連通して、外周側のスロット部23と内周側のスロット部33の中央部の屈曲部とを連通させる第1の連通穴47を形成することになる。
これらのことは、図7,8において、小穴26同士の積層・合致をもって形成される樹脂注入穴36と内周側の磁石穴33a同士の積層・合致をもって形成される内周側のスロット部33との間に形成されている二つ一組の第2の中間穴37a〜37hについても同様であって、第2の中間穴37a〜37h同士が径方向および積層方向で一部が互いにオーバーラップしながら連通して、各樹脂注入穴36から当該樹脂注入穴36が共有している左右の内周側のスロット部33の一辺部とを連通させる第2の連通穴57を形成することになる。
つまり、図7に示すように、ロータコア1に必要な所定枚数の鋼板22を積層した場合、図8に矢印で示すように、樹脂注入穴36から樹脂材料を注入すれば、それらの樹脂材料は第2の連通穴57を経て内周側のスロット部33に充満し、さらにその内周側のスロット部33の中央部の屈曲部から第1の連通穴47を経由して外周側のスロット部23に充満することになる。
したがって、この第2の形態においても、先の第1の形態と全く同様の効果が得られることになる。
1…ロータコア
2…鋼板
3…スロット部
3a…磁石穴
4…永久磁石
6…小穴
7a〜7h…中間穴
16…樹脂注入穴
17…連通穴
22…鋼板
23…スロット部
23a…磁石穴
24…永久磁石
26…小穴
27a〜27h…第1の中間穴
33…スロット部
33a…磁石穴
34…永久磁石
37a〜37h…第2の中間穴
47…第1の連通穴
57…第2の連通穴

Claims (6)

  1. 多数の鋼板が積層されたロータコアと、該ロータコアの軸心方向に延び、円周方向に沿って複数個形成されたスロット部と、それぞれのスロット部に樹脂材料とともに挿入された磁石とを備え、各磁石が樹脂材料にて位置決め固定されている電動機のロータであって、
    それぞれの鋼板には、スロット部となるべき磁石穴と、当該磁石穴よりもロータコアの径方向内側寄りに位置する小穴と、ロータコアの径方向において磁石穴と小穴との間の位置にあって且つ所定枚数ごとにロータコアの径方向でオフセットしつつ一部が隣り合う鋼板側のものとオーバーラップする中間穴とが形成されていて
    上記磁石穴同士が積層方向で合致してロータコアの軸心方向に延びる上記スロット部が形成され、同様に上記小穴同士が積層方向で合致してロータコアの軸心方向に延びる樹脂注入穴が形成され上記中間穴同士が積層方向およびロータコアの径方向でそれぞれ連通して、上記スロット部と上記樹脂注入穴とを連通させる放射状の連通穴が形成され
    さらに、上記磁石が挿入される上記スロット部とともに上記樹脂注入穴および上記連通穴のそれぞれに充填された樹脂材料を備えたことを特徴とするロータ。
  2. それぞれの上記鋼板はいずれも同一形状のものであり、
    共に複数の上記磁石穴および上記小穴は上記鋼板の円周方向においてn等分位置に形成してあるとともに、それぞれの上記中間穴は径方向で段階的に所定量ずつオフセットしていて、
    隣り合う上記鋼板同士円周方向で360°/nずつ回転された状態で積層され上記中間穴同士が積層方向および上記ロータコアの径方向でそれぞれ連通して上記スロット部と上記樹脂注入穴とを連通させる放射状の上記連通穴が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 上記ロータコアにおける上記鋼板の総積層枚数をmの整数倍とした場合に、m枚の上記鋼板の積層体により上記中間穴同士が積層方向および上記ロータコアの径方向でそれぞれ連通して上記スロット部と上記樹脂注入穴とを連通させる放射状の上記連通穴が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のロータ。
  4. 請求項1に記載のロータを製造する方法であって、
    それぞれの鋼板はいずれも同一形状のものであり、
    共に複数の磁石穴および小穴は鋼板の円周方向においてn等分位置に形成してあるとともに、それぞれの中間穴は径方向で段階的に所定量ずつオフセットしていて、
    隣り合う鋼板同士を円周方向で360°/nずつ回転させて積層することにより、中間穴同士を積層方向およびロータコアの径方向でそれぞれ連通させて、スロット部と樹脂注入穴とを連通させる放射状の連通穴を形成することを特徴とするロータの製造方法。
  5. それぞれの鋼板を同一形状のものとして打ち抜き成形する工程と、
    それぞれの鋼板を所定枚数だけ積層する工程と、
    スロット部に磁石を挿入した上で樹脂注入穴から溶融樹脂材料を注入する工程と、
    を含んでいて、
    上記積層工程では、隣り合う鋼板同士を円周方向で360°/nずつ回転させて積層することにより、中間穴同士を積層方向およびロータコアの径方向でそれぞれ連通させて、スロット部と樹脂注入穴とを連通させる放射状の連通穴を形成することを特徴とする請求項4に記載のロータの製造方法。
  6. 上記樹脂材料の注入工程では、樹脂注入穴から充填された溶融樹脂材料を連通穴を経由して予め磁石が挿入されているスロット部に導き、スロット部のうちロータコアの外周面寄りの内壁面に磁石を押し付けるようにして当該スロット部に溶融樹脂材料を注入することを特徴とする請求項5に記載のロータの製造方法。
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