JP6458506B2 - 樹脂充填方法及び樹脂充填装置 - Google Patents
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上記積層鉄心には、上記積層鉄心の上記軸線方向に沿った樹脂穴と、該樹脂穴と上記磁石配置穴を連通する連通路とが設けられており、
上記積層鉄心を、上記樹脂穴の内壁面を摺動するプランジャーが移動可能に設けられた上型と、下型との間に挟持し、
上記積層鉄心の第1端面から上記樹脂穴に挿入される上記プランジャーによって、該プランジャーの先端よりも、上記第1端面とは反対側の第2端面の側に位置する、上記樹脂穴に溜められた溶融状態の樹脂を、上記連通路を介して上記充填用隙間へ押し出し、該充填用隙間に充填することを特徴とする樹脂充填方法にある。
上記積層鉄心には、上記積層鉄心の上記軸線方向に沿った樹脂穴と、該樹脂穴と上記磁石配置穴を連通する連通路とが設けられており、
上記積層鉄心が載置される下型と、
上記樹脂穴の内壁面を摺動するプランジャーが移動可能に設けられ、上記下型との間に上記積層鉄心を挟持する上型と、を備え、
上記積層鉄心を、上記上型と上記下型との間に挟持し、上記積層鉄心の第1端面から上記樹脂穴に挿入される上記プランジャーによって、該プランジャーの先端よりも、上記第1端面とは反対側の第2端面の側に位置する、上記樹脂穴に溜められた溶融状態の樹脂を、上記連通路を介して上記充填用隙間へ押し出し、該充填用隙間に充填するよう構成されていることを特徴とする樹脂充填装置にある。
次いで、積層鉄心を、上型と下型との間に挟持し、積層鉄心の第1端面から樹脂穴に、上型におけるプランジャーを挿入する。そして、プランジャーによって、樹脂穴に溜められた溶融状態の樹脂を加圧する。このとき、樹脂穴内の樹脂は、連通路を介して充填用隙間へ押し出され、充填用隙間に充填される。
また、樹脂の充填を行う際に用いる型に、プランジャーによって加圧される樹脂を溜める部分や樹脂の流路(ランナー、ゲート等)を設ける必要がなく、型の構造を簡単にすることができる。そして、型内に不要な樹脂の部分が残らず、この不要な樹脂の部分を除去する手間が省ける。
また、上記樹脂充填装置によっても、上記樹脂充填方法の場合と同様に、型の構造を簡単にすることができるとともに、不要な樹脂の部分を除去する手間を省くことができる。
上記樹脂充填方法においては、上記磁石配置穴は、上記積層鉄心の上記軸線方向に積層された複数の電磁鋼板の全体を貫通する状態で形成されており、上記樹脂穴は、上記積層鉄心の上記軸線方向に積層された複数の電磁鋼板のうち、上記第1端面とは反対側の第2端面に位置する最端電磁鋼板を除く、残りの電磁鋼板に形成されており、上記連通路は、上記最端電磁鋼板に隣接して積層された所定枚の電磁鋼板に形成されており、上記磁石配置穴における、上記第1端面側の開口端は、上記上型によって塞がれ、上記磁石配置穴における、上記第2端面側の開口端は、上記下型又は該下型に着脱可能な搬送パレットによって塞がれてもよい。
また、樹脂穴及び連通路のそれぞれの第2端面側の開口端が最端電磁鋼板によって塞がれることにより、充填用隙間への樹脂の充填後に、樹脂穴及び連通路に残される樹脂が、積層鉄心の第2端面に出ないようにすることができる。
連通路を形成する所定枚の電磁鋼板は、上記と同様に、最端電磁鋼板に隣接して積層された2〜5枚の電磁鋼板とすることができる。
これにより、磁石配置穴における充填用隙間への樹脂の充填を容易に行うことができる。
本例の樹脂充填方法においては、図1〜図3に示すように、樹脂充填装置1を用いて、回転電機用ロータの積層鉄心4の軸線方向Lに沿って設けられた磁石配置穴41に、磁石6が配置されて形成される充填用隙間42へ樹脂7を充填する。積層鉄心4には、積層鉄心4の軸線方向Lに沿った樹脂穴43と、樹脂穴43と磁石配置穴41を連通する連通路44とが設けられている。樹脂充填方法においては、積層鉄心4を、プランジャー32が移動可能に設けられた上型3と、下型2との間に挟持する。次いで、積層鉄心4の第1端面401から樹脂穴43に挿入されるプランジャー32によって、樹脂穴43に溜められた溶融状態の樹脂7を、連通路44を介して充填用隙間42へ押し出し、充填用隙間42に充填する。
図5、図6に示すように、本例の回転電機用ロータは、ステータの内周側に配置されるインナーロータである。ロータは、積層鉄心4の磁石配置穴41に樹脂7によって磁石(永久磁石)6が固定され、積層鉄心4の中心部に回転軸が取り付けられて形成される。積層鉄心4は、その軸線方向Lに複数の電磁鋼板51〜54を積層して形成されており、磁石配置穴41は、各電磁鋼板51〜54に設けられた穴部が連結されて形成されている。磁石配置穴41は、磁石配置穴41に配置される磁石6がステータにおける各コイルと対向して磁気回路が形成されるよう、積層鉄心4の周方向Cに複数並んで配列されている。また、積層鉄心4においては、互いに隣り合う2つの磁石配置穴41が磁石配置穴組410を構成しており、この磁石配置穴組410が、積層鉄心4の中心の回りの周方向Cに並んで、放射状に複数組形成されている。
樹脂穴43は、積層鉄心4内に一時的に樹脂7を配置するために設けられた穴であり、充填用隙間42に樹脂7が充填された後には不要となる捨て穴である。
また、樹脂7は、熱硬化性樹脂であり、加熱することによって溶融し、その後さらに加熱されて硬化するものである。なお、樹脂7は、熱可塑性樹脂とすることもできる。
図1に示すように、樹脂充填装置1は、積層鉄心4が載置される下型2と、下型2に対して下降する上型3と、上型3に対して相対的に下降可能に設けられた複数のプランジャー32とを備えている。
下型2内には、伝熱によって積層鉄心4を加熱するためのヒータ21が埋設されている。下型2の上面には、積層鉄心4が載置された搬送パレット22が着脱可能である。搬送パレット22の上面221には、積層鉄心4の中心部に設けられた中心穴45に嵌入されて、搬送パレット22に対する積層鉄心4の位置決めを行う中心ガイド222が設けられている。積層鉄心4は、搬送パレット22に載置された状態で搬送され、磁石配置穴41に配置される磁石6は搬送パレット22によって受け止められる。
また、図3に示すように、上型3が下型2に対して下降したときには、上型3の下面301と、搬送パレット22の上面221との間に、積層鉄心4が軸線方向Lに圧縮される。
まず、図1に示すように、複数の電磁鋼板51〜54が積層された積層鉄心4を搬送パレット22上に載置し、積層鉄心4の磁石配置穴41に磁石6を配置する。また、下型2をヒータ21によって加熱する。また、搬送パレット22を下型2に載置するとともに、積層鉄心4の樹脂穴43に固形状の樹脂7を配置する。このとき、搬送パレット22及び積層鉄心4は、下型2におけるヒータ21及び上型3におけるヒータ33によって加熱され、固形状の樹脂7が溶融する。この固形状の樹脂7は、一つの塊としての固体とすることができ、複数のペレット又は粒子等とすることもできる。
連通路44が2枚目電磁鋼板52及び3枚目電磁鋼板53に形成されていることにより、充填用隙間42内においては、樹脂7が、第2端面402の側から順に第1端面401の側に向かって流動することができる。これにより、充填用隙間42への樹脂7の充填を円滑に行うことができる。
また、樹脂7の充填を行う際に用いる下型2、上型3及び搬送パレット22に、プランジャー32によって加圧される樹脂7を溜める部分や樹脂7の流路(ランナー、ゲート等)を設ける必要がなく、下型2、上型3及び搬送パレット22の構造を簡単にすることができる。そして、下型2内、上型3内及び搬送パレット22内に不要な樹脂7の部分が残らず、この不要な樹脂7の部分を除去する手間が省ける。
また、最端電磁鋼板51における樹脂穴43の部分は、樹脂7が固化した後にパンチを用いて打ち抜くことができる。この場合には、樹脂穴43が積層鉄心4の全長に亘って形成されることになり、積層鉄心4を用いて構成されるロータの質量バランスが良くなる。
2 下型
22 搬送パレット
3 上型
31 プランジャーベース
32 プランジャー
4 積層鉄心
401 第1端面
402 第2端面
41 磁石配置穴
42 充填用隙間
43 樹脂穴
44 連通路
51 最端電磁鋼板
52 2枚目電磁鋼板
53 3枚目電磁鋼板
54 残りの電磁鋼板
6 磁石
7 樹脂
Claims (5)
- 回転電機用ロータの積層鉄心の軸線方向に沿って設けられた磁石配置穴に磁石が配置されて形成される充填用隙間へ樹脂を充填する樹脂充填方法であって、
上記積層鉄心には、上記積層鉄心の上記軸線方向に沿った樹脂穴と、該樹脂穴と上記磁石配置穴を連通する連通路とが設けられており、
上記積層鉄心を、上記樹脂穴の内壁面を摺動するプランジャーが移動可能に設けられた上型と、下型との間に挟持し、
上記積層鉄心の第1端面から上記樹脂穴に挿入される上記プランジャーによって、該プランジャーの先端よりも、上記第1端面とは反対側の第2端面の側に位置する、上記樹脂穴に溜められた溶融状態の樹脂を、上記連通路を介して上記充填用隙間へ押し出し、該充填用隙間に充填することを特徴とする樹脂充填方法。 - 上記磁石配置穴は、上記積層鉄心の上記軸線方向に積層された複数の電磁鋼板の全体を貫通する状態で形成されており、
上記樹脂穴は、上記積層鉄心の上記軸線方向に積層された複数の電磁鋼板のうち、上記第2端面に位置する最端電磁鋼板を除く、残りの電磁鋼板に形成されており、
上記連通路は、上記最端電磁鋼板に隣接して積層された所定枚の電磁鋼板に形成されており、
上記磁石配置穴における、上記第1端面側の開口端は、上記上型によって塞がれ、
上記磁石配置穴における、上記第2端面側の開口端は、上記下型又は該下型に着脱可能な搬送パレットによって塞がれることを特徴とする請求項1に記載の樹脂充填方法。 - 上記磁石配置穴及び上記樹脂穴は、上記積層鉄心の上記軸線方向に積層された複数の電磁鋼板のうち、上記第1端面とは反対側の第2端面に位置する最端電磁鋼板を除く、残りの電磁鋼板に形成されており、
上記連通路は、上記最端電磁鋼板に隣接して積層された所定枚の電磁鋼板に形成されており、
上記磁石配置穴における、上記第1端面側の開口端は、上記上型によって塞がれることを特徴とする請求項1に記載の樹脂充填方法。 - 上記樹脂穴には、固形状の樹脂を配置し、
上記積層鉄心を加熱することによって上記固形状の樹脂を溶融させた後、該樹脂を上記プランジャーによって、上記連通路を介して上記充填用隙間へ押し出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂充填方法。 - 回転電機用ロータの積層鉄心の軸線方向に沿って設けられた磁石配置穴に磁石が配置されて形成される充填用隙間へ樹脂を充填する樹脂充填装置であって、
上記積層鉄心には、上記積層鉄心の上記軸線方向に沿った樹脂穴と、該樹脂穴と上記磁石配置穴を連通する連通路とが設けられており、
上記積層鉄心が載置される下型と、
上記樹脂穴の内壁面を摺動するプランジャーが移動可能に設けられ、上記下型との間に上記積層鉄心を挟持する上型と、を備え、
上記積層鉄心を、上記上型と上記下型との間に挟持し、上記積層鉄心の第1端面から上記樹脂穴に挿入される上記プランジャーによって、該プランジャーの先端よりも、上記第1端面とは反対側の第2端面の側に位置する、上記樹脂穴に溜められた溶融状態の樹脂を、上記連通路を介して上記充填用隙間へ押し出し、該充填用隙間に充填するよう構成されていることを特徴とする樹脂充填装置。
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