JP5554527B2 - 回転子積層鉄心の製造方法 - Google Patents

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本発明は、軸孔の周囲に複数形成された磁石挿入孔に永久磁石を挿入し、これを樹脂によって固定する回転子積層鉄心の製造方法に関する。
従来、モータに使用する回転子積層鉄心(ロータコアともいう)は、複数の鉄心片を積層し、中央の軸孔(シャフト孔ともいう)の周囲に形成された複数の磁石挿入孔に永久磁石を挿入した後、この磁石挿入孔内に樹脂を注入して硬化させることにより製造している。
この樹脂の注入は、例えば、特許文献1、2に示すように、永久磁石挿入後の回転子積層鉄心を、下型と上型を有する金型で挟み込み、この上型に設けられたポットから、プランジャを押し下げることにより行っている。
しかし、永久磁石の上方から各磁石挿入孔内に樹脂を注入する場合には、以下のような問題があった。
回転子積層鉄心の高さは、永久磁石の高さより高いため、回転子積層鉄心の上面と永久磁石の上面との間には、僅かな段差(0.5mm程度)が生じる。このため、磁石挿入孔内に注入される樹脂は、この段差部を介してあらゆる方向に流れ、断面積の大きな流路(隙間)から優先して注入されてしまうため、各磁石挿入孔内の永久磁石の姿勢を、樹脂の流れで制御(狙った流路、例えば、永久磁石の半径方向内側の流路に流すことにより、永久磁石を外周側に固定)できなくなる。その結果、永久磁石の配置位置が各磁石挿入孔内でばらつき(例えば、内寄り、外寄り、傾きなど)、モータ運転時の損失や騒音、更には振動が増加することになっていた。
なお、金型の構造上、磁石挿入孔に樹脂を注入するごとに、プランジャをポットの上方に引き抜き、このポット内に樹脂のタブレットを供給する必要があるため、樹脂の注入作業に時間を要し、製造時間の短縮が図れなかった。更に、プランジャを引き抜くための駆動手段も必要であり、設備コストがかかっていた。
また、特許文献1、2には、下型にポットを設け、樹脂を下から各磁石挿入孔内に注入することも記載されている。
この場合、回転子積層鉄心の下面と永久磁石の下面とが同一高さ位置となり、段差が形成されないため、樹脂を目標とする箇所に直接的に注入することができ、各磁石挿入孔内の永久磁石の姿勢を樹脂の流れで制御し易くなる。
また、樹脂を磁石挿入孔に注入するに際しては、溶融した樹脂をプランジャによって押し上げる構成となるため、プランジャの引き抜きが不要となる(プランジャを引き抜くと、溶融した樹脂が流れ出す)。このため、製造時間の短縮が図れ、しかもプランジャを引き抜くための駆動手段も不要になる。
特開2007−336718号公報 特開2008−54376号公報
しかしながら、下型にポットを設ける場合、以下のような問題があった。
回転子積層鉄心は、重量物であって予熱する等の必要があり、トレイ(搬送治具)に載置して搬送するため、このトレイが妨げとなって、樹脂を回転子積層鉄心の下方から注入することができない。
ここで、樹脂を注入するため、例えば、トレイに開口部を設けることも考えられるが、この場合、各磁石挿入孔が下方へ開口した状態であるため、永久磁石が落下する。
なお、特許文献2に記載の樹脂注入孔が形成されたダミー板を、回転子積層鉄心の下面に取り付けることで、各磁石挿入孔からの永久磁石の落下を防止することも考えられる。しかし、この場合、ダミー板を製造するための工程が増え、この工程を、回転子積層鉄心を製造する金型で行おうとすれば、金型のサイズが大きくなって製造コストがかかり、また金型のメンテナンス費用も余計にかかって、不経済である。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、良好な品質の回転子積層鉄心を、製造時間の短縮を図りながら経済的に製造可能な回転子積層鉄心の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る回転子積層鉄心の製造方法は、中央に軸孔が、その周囲に複数の磁石挿入孔が形成された回転子積層鉄心を、搬送治具に載せて位置決めし、前記各磁石挿入孔に該磁石挿入孔より断面が小さい永久磁石を入れる第1工程と、
前記各磁石挿入孔の半径方向内側位置に一部重合する平面視して円形のゲート孔を備え、前記回転子積層鉄心の直径より大きい蓋プレートを、前記永久磁石の挿入された前記回転子積層鉄心の上に被せて上下反転する第2工程と、
上下反転して底位置に前記蓋プレートが配置され、上位置に前記搬送治具が載せられ、上下反転した状態の前記回転子積層鉄心を、下型と上型を有する金型内に配置して前記上型と前記下型で前記回転子積層鉄心を挟み込む第3工程と、
前記下型に前記ゲート孔に対応して設けられたポット内の加熱された樹脂を、プランジャによって押し上げ、前記ゲート孔を介して前記磁石挿入孔内の前記永久磁石の半径方向内側に向けて前記樹脂を注入する第4工程と、
前記樹脂の硬化後、樹脂封止された前記回転子積層鉄心を、前記金型から取り出して反転し、前記蓋プレートを除去する第5工程とを有し、
しかも、前記磁石挿入孔の半径方向内側には、縦溝が形成されて、該縦溝が前記ゲート孔に重合する。
本発明に係る回転子積層鉄心の製造方法において、前記搬送治具は、載置板と該載置板の中央にある軸とを有し、該軸には、前記軸孔に符合する位置決め手段が設けられているのがよい。
本発明に係る回転子積層鉄心の製造方法において、前記第5工程の終了後、硬化して前記蓋プレートに付着した樹脂は除去されて、該蓋プレートは繰り返し使用されることが好ましい。
本発明に係る回転子積層鉄心の製造方法において、前記蓋プレートの前記回転子積層鉄心との接触面側に、平面視して前記磁石挿入孔と少なくとも一部が重複するエアベントを形成するのが好ましい。
本発明に係る回転子積層鉄心の製造方法は、各磁石挿入孔の半径方向内側位置に一部重合するゲート孔を備えた蓋プレートを、永久磁石が挿入された回転子積層鉄心の上に被せて上下反転する第2工程を有するので、蓋プレートにより各磁石挿入孔からの永久磁石の落下を防止できる。
また、第3工程で、上下反転して底位置に蓋プレートが配置された回転子積層鉄心を、下型と上型を有する金型内に配置した後、第4工程で、下型に設けられたポット内の加熱された樹脂を、ゲート孔を介して磁石挿入孔内に注入するので、第1工程で回転子積層鉄心を搬送治具に載せても、回転子積層鉄心の下方から各磁石挿入孔への樹脂の注入が可能である。
そして、ゲート孔は、各磁石挿入孔の半径方向内側位置に一部重合し、ポットは、ゲート孔に対応して設けられているので、ポット内の加熱された樹脂をプランジャによって押し上げることにより、磁石挿入孔内の永久磁石の半径方向内側に向けて樹脂を注入できる。これにより、各磁石挿入孔に注入する樹脂の流れで、各永久磁石が磁石挿入孔の半径方向外側位置に配置されるように、各永久磁石の位置や姿勢を制御できるので、永久磁石の配置位置を全ての磁石挿入孔で略同様にでき、その結果、モータ運転時の損失や騒音、更には振動の改善が図れる。
また、樹脂を磁石挿入孔に注入するに際しては、第4工程で、溶融した樹脂をプランジャによって押し上げる構成となるため、ポットに樹脂を供給するためのプランジャの引き抜きが不要となる(プランジャを引き抜くと、溶融した樹脂が流れ出す)。
更に、第5工程では、第2工程で回転子積層鉄心の上に被せた蓋プレートを、樹脂封止された回転子積層鉄心から除去するので、例えば、カルのような不要な樹脂を、蓋プレートと共に回転子積層鉄心から除去できる。
従って、良好な品質の回転子積層鉄心を、製造時間の短縮を図りながら経済的に製造できる。
また、磁石挿入孔の半径方向内側に縦溝が形成されているので、この縦溝に向けて樹脂を注入することで、磁石挿入孔の半径方向内側に、確実に樹脂を注入できる。従って、各磁石挿入孔に注入される樹脂の流れにより、永久磁石を磁石挿入孔の半径方向外側へ確実に押し付けることができる。
そして、それぞれ平面視して、磁石挿入孔とゲート孔が一部重複し、ゲート孔と断面円形のポットが一部重複し、磁石挿入孔とポットが重複していない場合、磁石挿入孔とゲート孔とポットの相対位置をずらすことができる。これにより、ポットから磁石挿入孔へ注入される樹脂の流れの勢いを弱めることができるため、樹脂の流れの変動に起因する永久磁石の位置変動を抑制でき、永久磁石の姿勢制御が更に行い易くなる。
更に、第5工程の終了後、硬化して蓋プレートに付着した樹脂を除去し、この蓋プレートを繰り返し使用する場合、回転子積層鉄心を1つ製造するごとに、蓋プレートを製造する必要がなくなる。このため、蓋プレートを打ち抜くための工程が不要となるため、この蓋プレートの打ち抜きのための金型が不要となり、製造コストの低減が図れると共に、そのメンテナンス費用も削減できて、経済的である。
(A)〜(K)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る回転子積層鉄心の製造方法の製造過程を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ同回転子積層鉄心の製造方法に使用する搬送治具に回転子積層鉄心を配置した状態を示す平面図、正断面図である。 (A)は同回転子積層鉄心の製造方法で製造する回転子積層鉄心の磁石挿入孔と蓋プレートのゲート孔と下型に設けられたポットとの位置関係を示す説明図、(B)は蓋プレートの回転子積層鉄心との接触面側の平面図である。 同回転子積層鉄心の製造方法に使用する金型に回転子積層鉄心を配置した状態を示す正面図である。 (A)は同回転子積層鉄心の製造方法の第4工程の説明図、(B)は変形例に係る回転子積層鉄心の製造方法の第4工程の説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図5に示すように、本発明の一実施の形態に係る回転子積層鉄心の製造方法は、複数の鉄心片を積層して回転子積層鉄心10を形成した後、回転子積層鉄心10の中央の軸孔11の周囲に複数形成された磁石挿入孔12に永久磁石13を挿入し、これを樹脂14によって固定して、樹脂封止された回転子積層鉄心(ローター)15を製造する方法である。以下、詳しく説明する。
まず、図1(A)、図2(A)、(B)に示すように、厚みが、例えば、0.5mm以下(本実施の形態においては、0.35mm)程度の電磁鋼板(図示しない)を環状に打ち抜き、この打ち抜かれた複数の鉄心片を順次積層して、回転子積層鉄心10を形成する。なお、回転子積層鉄心は、連続する複数の円弧状のセグメント鉄心片を、連結部で折り曲げながら螺旋状に巻回し積層して製造してもよく、また、1枚ごとに分離された複数のセグメント鉄心片を環状に積層して製造してもよい。
この複数の鉄心片の積層では、かしめ、溶接、及び接着のいずれか1又は2以上を組み合わせて固定することができるが、単に平積みするだけでもよい。
これにより、図2(A)、(B)、図3(A)に示すように、回転子積層鉄心10の中央に軸孔11が形成され、この軸孔11の周囲に、上下方向に貫通した断面長方形の磁石挿入孔12が複数形成される。なお、図2において磁石挿入孔12は省略している。磁石挿入孔の配置位置及び形状は、これに限定されるものではなく、例えば、従来公知の配置位置又は形状でもよい。
次に、回転子積層鉄心10の各磁石挿入孔12に永久磁石13を挿入する第1工程について説明する。
まず、図1(A)、図2(A)、(B)に示すように、回転子積層鉄心10を搬送治具16に載せる。この搬送治具16は、載置板17とこの載置板17の中央にある軸(シャフト)18とを有し、この軸18には、軸孔11の内側に突出して設けられた線状突起19に符合するキー溝(位置決め手段の一例)20が設けられている。なお、キー溝20は、軸18の外周部の180度の方向位置に、軸方向に沿って形成され、回転子積層鉄心10の一対の線状突起19が嵌まり込む構成となっている。また、各キー溝20は、軸18の先側で徐々に先端に向かって拡幅に形成されているため、軸孔11への軸18の嵌入を容易にできる。
これにより、搬送治具16に回転子積層鉄心10を載せるに際し、軸18を軸孔11に嵌入させることで、回転子積層鉄心10を位置決めした状態で搬送できる。
次に、図1(B)に示すように、搬送治具16を90度傾動させ、載置板17を水平状態から垂直状態(軸18を垂直状態から水平状態)に回動した後、各磁石挿入孔12に、磁石挿入孔12より断面が小さい無励磁の永久磁石13を挿入する。そして、図1(A)に示すように、搬送治具16の載置板17を−90度傾動させ、これを再度水平状態に戻した後、この搬送治具16を第2工程が行われる領域に搬送する。
これにより、磁石挿入孔12と永久磁石13を水平状態にして、永久磁石13を横方向に挿入するので、各磁石挿入孔12へ永久磁石13を挿入する際に、その衝撃によって、永久磁石13が欠ける恐れを低減、更にはなくすことができる。
なお、各磁石挿入孔12への永久磁石13の挿入は、載置板17を水平状態に維持したまま、垂直状態に回動させることなく行ってもよい。
続いて、第2工程について説明する。
まず、図1(C)、図3(A)に示すように、複数の円形のゲート孔21を備えた蓋プレート22を、永久磁石13の挿入された回転子積層鉄心10の上に被せる。
この蓋プレート22は、回転子積層鉄心10を反転させる際に、各磁石挿入孔12から永久磁石13が落下しないようにするため、蓋プレート22の下面を回転子積層鉄心10の上面に接触させている。このため、搬送治具16の軸18の高さは、回転子積層鉄心10の高さと同一にしているが、低くしてもよい。なお、蓋プレートに搬送治具の軸を嵌め込む貫通孔を設けるならば、軸の高さを回転子積層鉄心10の高さより高くすることもできる。この場合、搬送治具に対する蓋プレートの位置決めもできる。
蓋プレート22の回転子積層鉄心10との接触面側には、図3(B)に示すように、平面視して磁石挿入孔12と一部が重複するエアベント22b(空気抜き用の穴又は溝)が形成されている。このエアベント22bは、樹脂注入により押し出された磁石挿入孔12内の空気を、効率よく逃がすためのものであり、樹脂14が漏れない程度の大きさ(本実施の形態では、磁石挿入孔12の幅方向両側をそれぞれ囲める程度の大きさ)に形成されている。併せて、搬送治具16の載置板17の回転子積層鉄心10との接触面側にも、平面視して磁石挿入孔12と一部が重複するエアベント(図示しない)を形成しておくことで、蓋プレート22に形成されたエアベント22bと双方から、効率よく磁石挿入孔12内の空気を逃がすことができる。
この蓋プレート22の厚みは、鉄心片の厚みより厚く、例えば、鉄心片の厚みの5〜30倍程度とし、その強度を高めている。本実施の形態においては、厚みが約4mmの蓋プレート22を使用している。
ここで、蓋プレートの厚みが鉄心片の厚みの5倍未満の場合、樹脂の注入圧力により蓋プレートが変形し、磁石挿入孔への樹脂の充填に支障をきたしたり、またエアベントの加工が困難になる恐れがある。一方、30倍を超える場合、強度的には十分であるが、ゲート孔内に溜まる樹脂の量が増えるため、この樹脂がスクラップとなって不経済である。
また、蓋プレート22は、円盤状であるが、正方形又は長方形でもよい。この蓋プレート22は、後工程において、回転子積層鉄心10から取り外すため、この作業を容易に行うために、回転子積層鉄心10の直径よりも大きくしている。
そして、蓋プレート22は、回転子積層鉄心10を構成する鉄心片と同一の金属材料で構成されているが、鉄心片とは異なる金属材料、例えば、ステンレス材、鋼材、又はアルミニウム合金等で構成してもよい。
この蓋プレート22には、樹脂の離型性を高めるため、表面に、フッ素樹脂や、ニッケル又はクロム等の皮膜を形成してもよい。なお、蓋プレートの繰り返し使用を考えた場合は、安価なニッケル皮膜が好ましい。
回転子積層鉄心10の各磁石挿入孔12の半径方向内側中央には、回転子積層鉄心10の高さ方向にわたって1つの縦溝23が形成されている。このため、ゲート孔21の半径方向外側部分が、平面視して、各磁石挿入孔12の縦溝23と重なり合うように、回転子積層鉄心10に蓋プレート22を被せる。
なお、各磁石挿入孔に縦溝を形成しない場合でも、その半径方向内側位置にゲート孔が一部重合するように、蓋プレートを回転子積層鉄心の上に被せる。このとき、ゲート孔は、ゲート孔から注入される樹脂が、永久磁石に直接衝突しない位置、即ちゲート孔の半径方向外側部分が、平面視して、永久磁石と重なり合わない位置となるように、回転子積層鉄心に蓋プレートを被せるのがよい。
そして、蓋プレート22を上から被せた状態で、図1(D)に示すように、永久磁石13が挿入された回転子積層鉄心10を上下反転させる。
次に、第3工程について説明する。
まず、図1(E)に示すように、上下反転して底位置に蓋プレート22が配置された回転子積層鉄心10を、下型24上に載せた後、この回転子積層鉄心10の上に、図1(F)に示すように、上型25を載せる。これにより、底位置に蓋プレート22が配置された回転子積層鉄心10を、下型24と上型25を有する金型26内に配置できる。
ここで、金型26について、図4、図5(A)を参照しながら説明する。
金型26は、下型24と、回転子積層鉄心10の上に配置され、下型24の外側周囲に立設された複数のガイドポスト27に取付け取外し可能となった上型25とを有している。なお、各ガイドポスト27には、ナット28が取り付けられ、下型24と上型25とで、回転子積層鉄心10を挟み込んだ状態で維持できるようになっている。
この下型24と上型25には、それぞれ電熱ヒータ29、30が内蔵され、回転子積層鉄心10を加熱可能な構成となっている。なお、図4中の番号31、32は、各電熱ヒータ28、29の電源コードである。
下型24には、図3(A)、図5(A)に示すように、回転子積層鉄心10の磁石挿入孔12に対して半径方向内側の領域に、溶融した液状の樹脂が入る複数のポット33が、回転子積層鉄心10の軸心を中心として周方向に等ピッチで設けられている。なお、各ポット33は、それぞれ下型24を上下方向に貫通して設けられる断面円形のものであり、下型24の上面(蓋プレート22が接触する面)まで延在している。なお、このポットの形状は、断面円形に限定されるものではない。
ここで、各ポット33は、図3(A)に示すように、平面視して2つのゲート孔21と一部が重複しているが、磁石挿入孔12とは重複していない。
また、下型24の下面側には、固定架台34上に取り付けられた加熱装置35が設けられている。この加熱装置35は、樹脂を溶融させるものであり、加熱装置35の内部に設けられた空間部(図示しない)にタブレット状の樹脂を入れ、加熱することにより、樹脂を溶融した状態で貯留できる。なお、図4中の番号36は、加熱装置35の電源コードである。
この加熱装置35には、複数のプランジャ37が設けられ、固定架台34に取り付けられた油圧シリンダ38により、上昇と下降を同期させている。なお、各プランジャ37の通路39は、樹脂14が貯留された空間部と連通し、しかも図5(A)に示すように、下型24に設けられたポット33と、平面視して同一形状となっている。このため、各プランジャ37を加熱装置35から抜き出すことなく、上下動させるのみで、溶融した樹脂14を押し上げ、各磁石挿入孔12内へ注入できる。
なお、金型は、上記した構成に限定されるものではない。
続いて、第4工程について説明する。
まず、加熱装置35内で、タブレット状の樹脂を溶融状態にしておく。
この樹脂には、熱硬化性樹脂の一例であるエポキシ樹脂を使用しているが、他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。なお、エポキシ樹脂を使用する場合は、溶融温度が170℃程度であるため、回転子積層鉄心10を、予熱により、又は金型26により、170℃程度、又はこれより±20℃の範囲で高い温度又は低い温度に加熱しておく。
そして、図4、図5(A)に示すように、油圧シリンダ38により、全てのプランジャ37を上方向へ移動させる。これにより、加熱装置35内の溶融した樹脂14が、各プランジャ37によって押し上げられ、ポット33内へ移動した後、ゲート孔21を介して磁石挿入孔12内の永久磁石13の半径方向内側に向けて注入される。
このように、全ての磁石挿入孔12内に、樹脂14を注入した後は、金型26により、回転子積層鉄心10を更に加熱することで、樹脂14を硬化させる。
最後に、第5工程について説明する。
樹脂14の硬化後、図1(G)に示すように、樹脂封止された回転子積層鉄心15から上型25を取外し、続いて、図1(H)に示すように、この回転子積層鉄心15を、搬送治具16及び蓋プレート22と共に、下型24から取り外す。このとき、蓋プレート22の下型24との接触面には、ポット33内に残存していた樹脂14も硬化して(樹脂40)付着している。
この回転子積層鉄心15は、そのまま放置して冷却してもよく、また必要に応じて強制的に冷却してもよい。
このように、樹脂封止された回転子積層鉄心15を、金型26から取り出した後、図1(I)に示すように反転して、図1(J)に示すように、回転子積層鉄心15の表面から蓋プレート22を除去する。
ここで、回転子積層鉄心15の表面から、蓋プレート22を除去するに際しては、回転子積層鉄心15から蓋プレート22を持ち上げることで実施できるが、回転子積層鉄心15に対して、蓋プレート22を所定角度回動させた後、持ち上げるのが好ましい。このように、蓋プレート22を回動させることで、各磁石挿入孔12内と蓋プレート22のゲート孔21内とで連続する硬化した樹脂を切断でき、回転子積層鉄心15の表面に、樹脂が突出することを抑制、更にはなくすことができる。なお、樹脂の切断を容易に行うため、ゲート孔21の内周側(一部又は全部)であって、回転子積層鉄心15との接触面側に、切断刃を設けてもよい。例えば、図5(B)に示すように、回転子積層鉄心10との接触面(磁石挿入孔12)へ向けて縮径するテーパ状のゲート孔21aを備えた蓋プレート22aを使用することもでき、この場合、後述する図1(K)による樹脂40の除去も容易となる。
そして、回転子積層鉄心15から搬送治具16を取り外すことで、この回転子積層鉄心15を、モータの製造に使用する。
なお、回転子積層鉄心15から取り外した蓋プレート22は、上記した第5工程が終了した後、そのまま廃棄してもよいが、繰り返し使用することが好ましい。この場合、図1(K)に示すように、ゲート孔21内に樹脂40が残存した蓋プレート22を上下反転させ、この蓋プレート22に対して押圧部材41を下降させることで、押圧部材41に設けられた複数の押出し棒42を各ゲート孔21内に挿入して、各ゲート孔21内の樹脂40を押出す。これにより、蓋プレート22に付着した樹脂40が除去されるため、この蓋プレート22を繰り返し使用できる。
以上のことから、本発明の一実施の形態に係る回転子積層鉄心の製造方法を使用することで、良好な品質の回転子積層鉄心を、製造時間の短縮を図りながら経済的に製造できる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の回転子積層鉄心の製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、搬送治具の軸にキー溝を設けた場合について説明したが、回転子積層鉄心にキー溝が形成されている場合は、このキー溝に符合する線状突起(位置決め手段)を搬送治具の軸に設けてもよい。
10:回転子積層鉄心、11:軸孔、12:磁石挿入孔、13:永久磁石、14:樹脂、15:回転子積層鉄心、16:搬送治具、17:載置板、18:軸、19:線状突起、20:キー溝(位置決め手段)、21、21a:ゲート孔、22、22a:蓋プレート、22b:エアベント、23:縦溝、24:下型、25:上型、26:金型、27:ガイドポスト、28:ナット、29、30:電熱ヒータ、31、32:電源コード、33:ポット、34:固定架台、35:加熱装置、36:電源コード、37:プランジャ、38:油圧シリンダ、39:通路、40:樹脂、41:押圧部材、42:押出し棒

Claims (4)

  1. 中央に軸孔が、その周囲に複数の磁石挿入孔が形成された回転子積層鉄心を、搬送治具に載せて位置決めし、前記各磁石挿入孔に該磁石挿入孔より断面が小さい永久磁石を入れる第1工程と、
    前記各磁石挿入孔の半径方向内側位置に一部重合する平面視して円形のゲート孔を備え、前記回転子積層鉄心の直径より大きい蓋プレートを、前記永久磁石の挿入された前記回転子積層鉄心の上に被せて上下反転する第2工程と、
    上下反転して底位置に前記蓋プレートが配置され、上位置に前記搬送治具が載せられ、上下反転した状態の前記回転子積層鉄心を、下型と上型を有する金型内に配置して前記上型と前記下型で前記回転子積層鉄心を挟み込む第3工程と、
    前記下型に前記ゲート孔に対応して設けられたポット内の加熱された樹脂を、プランジャによって押し上げ、前記ゲート孔を介して前記磁石挿入孔内の前記永久磁石の半径方向内側に向けて前記樹脂を注入する第4工程と、
    前記樹脂の硬化後、樹脂封止された前記回転子積層鉄心を、前記金型から取り出して反転し、前記蓋プレートを除去する第5工程とを有し、
    しかも、前記磁石挿入孔の半径方向内側には、縦溝が形成されて、該縦溝が前記ゲート孔に重合することを特徴とする回転子積層鉄心の製造方法。
  2. 請求項記載の回転子積層鉄心の製造方法において、前記搬送治具は、載置板と該載置板の中央にある軸とを有し、該軸には、前記軸孔に符合する位置決め手段が設けられていることを特徴とする回転子積層鉄心の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の回転子積層鉄心の製造方法において、前記第5工程の終了後、硬化して前記蓋プレートに付着した樹脂は除去されて、該蓋プレートは繰り返し使用されることを特徴とする回転子積層鉄心の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転子積層鉄心の製造方法において、前記蓋プレートの前記回転子積層鉄心との接触面側に、平面視して前記磁石挿入孔と少なくとも一部が重複するエアベントを形成していることを特徴とする回転子積層鉄心の製造方法。
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