(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態としての記録装置100の構成を示すブロック図である。記録装置100は、AVCHDフォーマットに従い、動画を記録する。
図1において、撮像部101は被写体を撮影し、被写体を示す動画データを生成して出力する。撮像部101は、ズームレンズやフォーカスレンズ等の光学系、CCD等のイメージセンサ、アイリス、撮影した動画データをデジタル信号に変換するAD変換器、撮影された動画データに必要な処理を施す処理回路等を含む。
信号処理部102は、マイクロプロセッサ(CPU)やその他必要なメモリを有し、記録時においては撮像部101により取得された動画データを圧縮し、再生時においては再生された動画データを伸張する。信号処理部102は、記録信号処理部103、PTS生成部104、再生信号処理部105を含む。記録信号処理部103は、撮像部101から出力された動画データをMPEG4/AVC方式に従って符号化し、その情報量を圧縮する。そして、記録信号処理部103は圧縮された動画データの各フレームに対し、PTS生成部により生成されたPTSを付加し、MPRG−TSを生成する。記録信号処理部103は、生成したMPEG−TSデータをメモリ106に記憶する。PTS生成部104は、制御部110からの記録開始の指示、或いは、後述のプレ記録開始の指示に応じて、PTSのカウントを開始する。本実施形態では、PTSのためのクロックの周波数を90キロヘルツ(kHz)とする。また、PTSのデータ長を32ビットとする。そのため、PTSは、0×00000000から0×ffffffffまでの値を持つ。また、本実施形態では、撮像部101により出力される動画データのフレームレートを60フレーム/秒とする。そのため、PTSの値はフレーム毎に所定値ずつ増加する。
再生信号処理部105は、再生時において、再生された動画データを復号し、PTSにより規定されるタイミングに従い、再生された動画データを表示部109に出力する。メモリ106は、所定時間分の圧縮された動画データを記憶可能な容量を持ち、信号処理部102より出力された動画データを記憶する。記録再生部107は、記録時においては、制御部110からの指示に従い、メモリ106から動画データを読み出し、動画データやその他必要なデータを記録媒体108に記録する。また、記録再生部107は、再生時においては、記録媒体108から動画データやその他のデータを読み出す。記録媒体108はランダムアクセスの記録媒体である。本実施形態では、記録媒体108はフラッシュメモリを内蔵したメモリカードであるものとする。また、記録媒体108は、不図示の装着、排出機構により、記録装置100に対してユーザが容易に装着、排出可能な構成である。
表示部109は液晶パネルやドライバなどを有し、記録時においては撮像部101により得られた動画を表示し、再生時においては再生された動画を表示する。また、表示部109は、制御部110からの指示により信号処理部102により生成されたメニュー画面等の各種の情報を表示する。制御部110はマイクロプロセッサ(CPU)やメモリを有し、メモリに記憶されたソフトウエアに従って記録装置100の各部を制御する。操作部111は電源スイッチやメニュースイッチ、記録の開始、停止を指示するスイッチ等、ユーザが操作可能な各種のスイッチを備える。また、操作部111の一部のスイッチは、表示部109に備えられたタッチパネルにより実現することも可能である。また、本実施形態では、ユーザは、記録待機状態において、メニュースイッチを操作して表示部109にメニュー画面を表示し、このメニュー画面を利用して、プレ記録の設定を指示する。電源部112は、不図示の電池からの電力を記録装置100の各部に供給する。制御部110は、操作部111からの電源オン、オフの指示により、電源部112を制御して、各部への電力供給を制御する。
次に、記録装置100による基本的な記録処理、及び再生処理について説明する。操作部111により記録装置100の電源が投入されると、制御部110は各部を制御して、撮像部101により得られた動画データに応じた被写体の動画を表示部109に表示し、記録待機状態となる。この状態で、操作部111により撮影開始の指示が出力されると、制御部110は各部を制御し、動画の記録を開始する。図3は記録処理を示すフローチャートである。図3の処理は制御部110により実行される。記録信号処理部103は、記録開始の指示に応じて、撮像部101からの動画データの符号化を開始する。また、PTS生成部104は、PTSの生成を開始し、生成したPTSを記録信号処理部103に出力する。記録信号処理部103は、圧縮された動画データの各フレームに、PTS生成部104により生成されたPTSを付加し、記録用の動画データ(MPEG−TS)を生成し、メモリ106に記憶する。記録再生部107は、メモリ106より動画データを読み出し、記録媒体108に記録する(S301)。
動画の記録を開始した後、制御部110は、操作部111より記録停止の指示があったか否かを判別する(S302)。記録停止の指示が無い場合、制御部110は、PTS生成部104により生成されたPTSの値を確認し、PTSの値が上限値に達したか否かを判別する(S303)。PTSが上限値に達していない場合にはそのまま記録処理が継続される。また、S302で記録停止の指示があった場合、及び、S303でPTSが上限値に達しており、動画データの符号化を開始してから所定期間が経過していた場合、制御部110は記録再生部107に対し、動画の記録を停止するように指示する(S304)。記録再生部107は、記録媒体108への動画の記録を停止する。なお、本実施形態では、所定のファイルシステムに従い、記録開始の指示から記録停止の指示までの間に記録された一連の動画データを一つの動画ファイルとして管理する。記録再生部107は、動画データの記録を停止した後、管理情報などの必要な情報を記録する。また、記録信号処理部103は、制御部110からの記録停止の指示に応じて、動画データの符号化を停止する。そして、制御部110は、記録装置100を再度、記録待機状態に設定する(S305)。
次に、再生処理について説明する。操作部111により再生モードの指示があると、制御部110は、記録媒体108に記録された動画ファイルに含まれる動画データの先頭部分を再生するように、記録再生部107を制御する。そして、再生された動画データの先頭部分を再生信号処理部105により復号し、復号された先頭画面のサイズを縮小して代表画像を生成する。そして、再生信号処理部105は、各代表画像を表示部109に表示する。ユーザは操作部111を操作し、表示部109に表示された各動画ファイルの代表画像のうち、再生したい所望の代表画像を選択し、再生を指示する。
制御部110は、再生が指示されると、選択された代表画像に対応した動画ファイルを再生するように、記録再生部107を制御する。記録再生部107は、指定された動画ファイルを記録媒体108から再生し、再生信号処理部105に出力する。再生信号処理部105は再生された動画データを復号し、表示部109に表示する。そして、再生停止の指示があると、制御部110は動画ファイルの再生を停止し、再び、代表画像を表示部109に表示させる。
次に、プレ記録について説明する。本実施形態では、通常の記録処理以外に、プレ記録の機能を持つ。プレ記録によれば、記録待機状態において、メモリ106に対して所定時間分の圧縮された動画データを繰り返し記憶する。そして、記録開始の指示が出力された場合、その時点でメモリ106に記憶された動画データのうち最も前の画面から読み出して記録媒体に記録することにより、記録開始の指示より所定時間前のフレームから動画を記録する。
図2は、記録待機状態における記録装置100の動作を示すフローチャートである。図2の処理は、制御部110が各部を制御することにより実行される。操作部111により電源が投入され、記録待機状態となった場合に図2の処理が開始される。制御部110は、まず、PTS生成部104により生成されるPTSの値を初期値、ここでは0×00000000に設定する。また、制御部110は、PTSのカウントの実行、停止を制御するためのフラグをオフに設定する(S201)。次に、制御部110は、ユーザによりプレ記録が設定されたか否かを判別する(S202)。ユーザは記録待機状態において、操作部111を操作して表示部109にメニュー画面を表示し、このメニュー画面を用いてプレ記録を設定することができる。プレ記録が設定されていない場合、制御部110は、PTSを0に設定し、また、フラグをオフにした状態とする(S211)。そして、再度図2の処理を繰り返す。
また、プレ記録が設定された場合、制御部110は、フラグがオンになっているか否か判別する(S203)。フラグがオンになっていない場合、制御部110は、記録信号処理部103に対し、動画の符号化を開始するように指示し(S204)、PTS生成部104に対してPTSの生成を開始するように指示する(S205)。記録信号処理部103は、制御部110からの符号化開始の指示に応じて、撮像部101からの動画データの符号化を開始する。また、PTS生成部104は、制御部110からの指示に応じてPTSの生成を開始する。そして、記録信号処理部103は、符号化された動画データに対してPTSを付加して記録用のデータを生成し、メモリ106に記憶する。本実施形態では、メモリ106には4秒分の符号化された動画データを記憶可能であるものとする。記録信号処理部103は、メモリ103の空き容量が無くなると、最も古いデータが記録されたアドレスに対して新たに動画データを上書きすることにより、常に現在から4秒前までの動画がメモリ106に記憶される。また、制御部110は、フラグをオンに変更し(S206)、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S207)。また、S203でフラグがオンとなっていた場合、既に動画データの符号化が開始されているため、制御部110は、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S207)。
記録開始の指示があった場合、記録処理に移行する(S211)。記録処理は図3に示した処理と同様である。ただし、プレ記録の場合は、記録される先頭のフレームが、その時点でメモリ106に記録された4秒分の動画データのうち、最も古いフレームとなる。そのため、プレ記録によれば、ユーザによる記録開始の指示よりも4秒前の時点からの動画を記録することができる。
記録開始の指示がない場合、制御部110は、プレ記録が設定され、メモリ106への動画データの記憶を開始してからの経過時間が第1の期間に達したか否かを判別する(S208)。制御部110は、内部にタイマを備え、S202によりプレ記録が設定されてからの経過時間を計測するが、PTS生成部104により生成されたPTSの値を用いて経過時間を判定してもよい。PTSを用いて経過時間を判定する場合、PTSの値が、1時間に対応した値である0×134FD900となったか否かを判別する。経過時間が第1の期間に達していない場合には、S202に戻る。本実施形態では、第1の期間を1時間とするが、これ以外の期間としてもよい。
また、経過時間が第1の期間に達していた場合、制御部110は、プレ記録を解除して、記録信号処理部103による動画データの符号化を停止し、メモリ106への動画データの記憶を停止する(S209)。そして、制御部110は、信号処理部102に対し、第1の画面を表示するように指示する(S210)。信号処理部102は、図8(a)に示すような、プレ記録を解除した旨をユーザに知らせるための第1の画面801を生成し、表示部109に表示する。そして、制御部110は、PTSを0に設定して、フラグをオフにする(S211)。なお、このとき、制御部110は、電源部112からの各部への電力供給は停止せず、記録装置100を記録待機状態としたまま、撮像部101により得られた動画を表示部109に表示する。
このように、本実施形態では、プレ記録が設定された状態で記録開始の指示がなく、第1の期間が経過した時点でプレ記録を解除する。前記のように、PTSによる動画の記録時間長の上限が13時間であった場合、本実施形態では、最低でも12時間分の動画を連続して記録することができ、記録開始後、すぐにPTS値が上限に達して記録が停止されてしまうことがない。
次に、第2の実施形態を説明する。第2の実施形態でも、記録装置100の構成は第1の実施形態と同様である。図4は第2の実施形態の記録待機状態における処理を示すフローチャートである。
操作部111により電源が投入され、記録待機状態となった場合に図4の処理が開始される。制御部110は、まず、PTSの値を初期値に設定しPTSのカウントの実行、停止を制御するためのフラグをオフに設定する(S401)。次に、制御部110は、ユーザによりプレ記録が設定されたか否かを判別する(S402)。プレ記録が設定されていない場合、制御部110は、PTSを0に設定し、また、フラグをオフにした状態とする(S412)。そして、再度、図4の処理を繰り返す。
また、プレ記録が設定された場合、制御部110は、フラグがオンになっているか否か判別する(S403)。フラグがオンになっていない場合、制御部110は、記録信号処理部103に対し、動画の符号化を開始するように指示し(S404)、PTS生成部104に対してPTSの生成を開始するように指示する(S405)。記録信号処理部103は、制御部110からの符号化開始の指示に応じて、撮像部101からの動画データの符号化を開始する。また、PTS生成部104は、制御部110からの指示に応じてPTSの生成を開始する。そして、記録信号処理部103は、符号化された動画データに対してPTSを付加して記録用のデータを生成し、メモリ106に対して繰り返し動画データを記憶する。制御部110は、フラグをオンに変更し(S406)、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S407)。また、S403でフラグがオンとなっていた場合、既に動画データの符号化が開始されているため、制御部110は、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S407)。
記録開始の指示があった場合、図3の記録処理に移行する(S413)。記録開始の指示がない場合、制御部110は、プレ記録が設定されてからの経過時間が第1の期間に達したか否かを判別する(S408)。経過時間が第1の期間に達していた場合、制御部110は、記録信号処理部103による動画データの符号化を停止すると共にメモリ106への動画データの記憶を停止し、プレ記録を解除する(S409)。そして、制御部110は、信号処理部102に対し、図8(a)の第1の画面801を表示するように指示する(S410)。信号処理部102は、第1の画面801を生成し、表示部109に表示する。そして、制御部110は、PTSを0に設定して、フラグをオフにする(S411)。
また、S408で、第1の期間が経過していないと判断した場合、制御部110は、プレ記録が設定されてから第2の期間が経過したか否かを判別する(S413)。本実施形態では、第2の期間を、第1の期間よりも所定の時間だけ短い長さとする。例えば、第2の期間を55分とするが、これ以外の長さでもよい。経過時間が第2の期間に達していた場合、制御部110は、信号処理部102に対し、プレ記録の解除を予告するための、第2の画面を表示するように指示する。信号処理部102は、図8(b)に示す第2の画面802を表示部109に表示する(S414)。
このように、本実施形態では、プレ記録が設定された状態で記録開始の指示がなく、第1の期間が経過した時点でプレ記録を解除する。そのため記録開始後、すぐにPTSの値が上限に達して記録が停止されてしまうことがない。本実施形態では、また、第1の期間が経過する前の、第2の期間が経過した時点で、プレ記録の解除を予告する画面を表示することで、もうすぐプレ記録が解除される旨をユーザに知らせる。そのため、ユーザは、プレ記録が解除されてしまう前に、一旦、自分でプレ記録を解除した後、再度設定する等の措置をとることができる。
次に、第3の実施形態を説明する。第3の実施形態でも、記録装置100の構成は第1の実施形態と同様である。図5は第3の実施形態の記録待機状態における処理を示すフローチャートである。
操作部111により電源が投入され、記録待機状態となった場合に図5の処理が開始される。制御部110は、まず、PTSの値を初期値に設定しPTSのカウントの実行、停止を制御するためのフラグをオフに設定する(S501)。次に、制御部110は、ユーザによりプレ記録が設定されたか否かを判別する(S502)。プレ記録が設定されていない場合、制御部110は、PTSを0に設定し、また、フラグをオフにした状態とする(S515)。そして、再度図5の処理を繰り返す。
また、プレ記録が設定された場合、制御部110は、フラグがオンになっているか否か判別する(S503)。フラグがオンになっていない場合、制御部110は、記録信号処理部103に対し、動画の符号化を開始するように指示し(S504)、PTS生成部104に対してPTSの生成を開始するように指示する(S505)。記録信号処理部103は、制御部110からの符号化開始の指示に応じて、撮像部101からの動画データの符号化を開始する。また、PTS生成部104は、制御部110からの指示に応じてPTSの生成を開始する。そして、記録信号処理部103は、符号化された動画データに対してPTSを付加して記録用のデータを生成し、メモリ106に対して繰り返し動画データを記憶する。制御部110は、フラグをオンに変更し(S506)、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S507)。また、S503でフラグがオンとなっていた場合、既に動画データの符号化が開始されているため、制御部110は、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S507)。
記録開始の指示が出力された場合、図3の記録処理に移行する(S518)。記録開始の指示がない場合、制御部110は、プレ記録が設定され、メモリ106への動画データの記憶が開始されてからの経過時間が第1の期間に達したか否かを判別する(S508)。経過時間が第1の期間に達していた場合、制御部110は、記録信号処理部103による動画データの符号化を停止すると共に、メモリ106への動画データの記憶を停止して、プレ記録を解除する(S509)。そして、制御部110は、信号処理部102に対し、再度、プレ記録を設定するかどうかをユーザに問い合わせるための問い合わせ画面である第3の画面を表示するように指示する(S510)。図8(c)は、第3の画面803を示している。第3の画面は、ユーザがプレ記録を再設定するか否かを指示するための項目803aと803bを含んでいる。ユーザは操作部111を操作し、プレ記録を再設定する場合は項目803aを選択し、再設定しない場合は項目803bを選択する。制御部110は、第3の画面803を表示した後、PTSを0に設定して、フラグをオフにする(S511)。そして、制御部110は、項目803aと803bの何れかが選択されたことを検出した場合(S512)、プレ記録の再設定が指示されたか否かを判別する(S513)。再設定が指示されていた場合、制御部110は、プレ記録を設定し、再度、図5の処理を実行する(S514)。
また、S508で、第1の期間が経過していないと判断した場合、制御部110は、プレ記録が設定されてから第2の期間が経過したか否かを判別する(S516)。経過時間が第2の期間に達していた場合、制御部110は、信号処理部102に対し、第2の画面802を表示するように指示する。信号処理部102は、第2の画面802を表示部109に表示する(S517)。
このように、本実施形態では、プレ記録が設定された状態で記録開始の指示が出力されることなく、第1の期間が経過した時点でプレ記録を解除する。そして、プレ記録を再度設定するか否かを問い合わせる画面を表示し、再設定が指示された場合には、プレ記録を設定する。
そのため、ユーザは、プレ記録が解除された後、再度、メニュー画面によりプレ記録を設定すること無く、簡単な操作でプレ記録を再度設定でき、記録開始後、すぐにPTS値が上限に達して記録が停止されてしまうことがない。
次に、第4の実施形態を説明する。第4の実施形態でも、記録装置100の構成は第1の実施形態と同様である。図6は第4の実施形態の記録待機状態における処理を示すフローチャートである。
操作部111により電源が投入され、記録待機状態となった場合に図6の処理が開始される。制御部110は、まず、PTSの値を初期値に設定しPTSのカウントの実行、停止を制御するためのフラグをオフに設定する(S601)。次に、制御部110は、ユーザによりプレ記録が設定されたか否かを判別する(S602)。プレ記録が設定されていない場合、制御部110は、PTSを0に設定し、また、フラグをオフにした状態とする(S615)。そして、再度図6の処理を繰り返す。
また、プレ記録が設定された場合、制御部110は、フラグがオンになっているか否か判別する(S603)。フラグがオンになっていない場合、制御部110は、記録信号処理部103に対し、動画の符号化を開始するように指示し(S604)、PTS生成部104に対してPTSの生成を開始するように指示する(S605)。記録信号処理部103は、制御部110からの符号化開始の指示に応じて、撮像部101からの動画データの符号化を開始する。また、PTS生成部104は、制御部110からの指示に応じてPTSの生成を開始する。そして、記録信号処理部103は、符号化された動画データに対してPTSを付加して記録用のデータを生成し、メモリ106に対して繰り返し動画データを記憶する。制御部110は、フラグをオンに変更し(S606)、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S607)。また、S503でフラグがオンとなっていた場合、既に動画データの符号化が開始されているため、制御部110は、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S607)。
記録開始の指示があった場合、図3の記録処理に移行する(S621)。記録開始の指示がない場合、制御部110は、プレ記録が設定されてからの経過時間が第1の期間に達したか否かを判別する(S608)。経過時間が第1の期間に達していた場合、制御部110は、記録信号処理部103による動画データの符号化を停止すると共に、メモリ106への動画データの記憶を停止して、プレ記録を解除する(S609)。そして、制御部110は、信号処理部102に対し、再度、プレ記録を設定するかどうかをユーザに問い合わせるための問い合わせ画面である第3の画面803を表示するように指示する(S610)。制御部110は、第3の画面803を表示した後、PTSを0に設定して、フラグをオフにする(S611)。そして、制御部110は、項目803aと803bの何れかが選択されたことを検出した場合(S612)、プレ記録の再設定が指示されたか否かを判別する(S613)。再設定が指示されていた場合、制御部110は、プレ記録を設定し、再度、図6の処理を実行する(S614)。
また、S608で、第1の期間が経過していないと判断した場合、制御部110は、プレ記録が設定されてから第2の期間が経過したか否かを判別する(S616)。経過時間が第2の期間に達していた場合、制御部110は、信号処理部102に対し、再度、プレ記録を設定するかどうかをユーザに問い合わせるための問い合わせ画面である第4の画面804を表示するように指示する(S610)。図8(d)は、第4の画面804を示している。第4の画面は、ユーザがプレ記録を再設定するか否かを指示するための項目804aと804bを含んでいる。ユーザは操作部111を操作し、プレ記録を再設定する場合は項目804aを選択し、再設定しない場合は項目804bを選択する。制御部110は、第4の画面804を表示した後、項目804aと804bの何れかが選択されたか否かを判別する(S618)。何れの項目も選択されていない場合、S602に戻る。また、何れかの項目が選択された場合、制御部110は、プレ記録を解除して、記録信号処理部103による動画データの符号化を停止する(S619)。また、制御部110は、PTSを0に設定して、フラグをオフにする(S620)。そして、制御部110は、プレ記録の再設定が指示されたか否かを判別する(S613)。再設定が指示されていた場合、制御部110は、プレ記録を設定し、再度、図6の処理を実行する(S614)。
このように、本実施形態では、プレ記録が設定された状態で記録開始の指示がなく、第1の期間が経過した時点でプレ記録を解除する。そして、プレ記録を再度設定するか否かを問い合わせる画面を表示し、再設定が指示された場合には、プレ記録を設定する。
そのため、ユーザは、プレ記録が解除された後、再度、メニュー画面によりプレ記録を設定すること無く、簡単な操作でプレ記録を再度設定でき、記録開始後、すぐにPTS値が上限に達して記録が停止されてしまうことがない。
また、本実施形態では、プレ記録が設定されてから第2の期間が経過した場合に、プレ記録を再度設定するか否かを問い合わせる画面を表示し、再設定が指示された場合には、プレ記録を設定する。そのため、ユーザは、簡単な操作でプレ記録を再度設定できる。
次に、第5の実施形態を説明する。第5の実施形態でも、記録装置100の構成は第1の実施形態と同様である。図7は第5の実施形態の記録待機状態における処理を示すフローチャートである。
操作部111により電源が投入され、記録待機状態となった場合に図7の処理が開始される。制御部110は、まず、PTSの値を初期値に設定しPTSのカウントの実行、停止を制御するためのフラグをオフに設定する(S701)。次に、制御部110は、ユーザによりプレ記録が設定されたか否かを判別する(S702)。プレ記録が設定されていない場合、制御部110は、PTSを0に設定し、また、フラグをオフにした状態とする(S713)。そして、再度、図7の処理を繰り返す。
また、プレ記録が設定された場合、制御部110は、フラグがオンになっているか否か判別する(S703)。フラグがオンになっていない場合、制御部110は、記録信号処理部103に対し、動画の符号化を開始するように指示し(S704)、PTS生成部104に対してPTSの生成を開始するように指示する(S705)。記録信号処理部103は、制御部110からの符号化開始の指示に応じて、撮像部101からの動画データの符号化を開始する。また、PTS生成部104は、制御部110からの指示に応じてPTSの生成を開始する。そして、記録信号処理部103は、符号化された動画データに対してPTSを付加して記録用のデータを生成し、メモリ106に対して繰り返し動画データを記憶する。制御部110は、フラグをオンに変更し(S706)、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S707)。また、S403でフラグがオンとなっていた場合、既に動画データの符号化が開始されているため、制御部110は、操作部111より記録開始の指示があったかどうかを判別する(S707)。
記録開始の指示があった場合、図3の記録処理に移行する(S714)。記録開始の指示がない場合、制御部110は、プレ記録が設定されてからの経過時間が第1の期間に達したか否かを判別する(S708)。経過時間が第1の期間に達していた場合、制御部110は、記録信号処理部103による動画データの符号化を停止すると共に、メモリ106への動画データの記憶を停止して、プレ記録を解除する(S709)。制御部110は、PTSを0に設定して、フラグをオフにする(S710)。次に、制御部110は、プレ記録を再度、設定し、記録信号処理部103による動画データの符号化を開始すると共に、メモリ106への符号化動画データの記憶を開始する(S711)。そして、制御部110は、信号処理部102に対し、プレ記録を再設定したことをユーザに知らせるための第5の画面を表示するように指示する(S712)。図8(e)に第5の画面805を示す。信号処理部102は、第5の画面805を生成し、表示部109に表示する。
このように、本実施形態では、プレ記録が設定された状態で記録開始の指示がなく、第1の期間が経過した時点でプレ記録を一旦、解除する。その後、プレ記録を再度、設定する。そのため、本実施形態では、プレ記録による記録開始後、すぐにPTS値が上限に達して記録が停止されてしまうことがない。
なお、前述の各実施形態では、動画データにタイムスタンプを付加して記録する構成について説明したが、これに限らない。他の理由により、一つの符号化された動画データの長さに制限がある場合、プレ記録による記録待機状態において、図2−図7の処理を同様に実行することで、記録開始後、すぐに記録が停止されてしまうことを防ぐことができる。
前述した本発明の実施形態に係わる記録装置を構成する各手段並び制御方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムを、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、その他の方法として、まず記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
また、各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。