JP5988846B2 - 転造工具およびその製造方法 - Google Patents
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<その他>
<手段>
技術的思想1の転造工具は、複数の加工歯が設けられると共に表面に酸化鉄皮膜が形成された転造歯形面を備えたものであり、前記酸化鉄皮膜は、前記転造歯形面の表面に形成されると共にウスタイトから構成されるウスタイト層と、そのウスタイト層の表面に形成されると共にマグネタイトから構成されるマグネタイト層とを備え、前記マグネタイト層は、前記ウスタイト層の表面をウスタイトからマグネタイトに変態させることにより形成されている。
技術的思想2の転造工具は、技術的思想1記載の転造工具において、転造歯形面の表面に窒化処理を施すことにより形成される窒化層を備え、酸化鉄皮膜が、前記窒化層の表面に形成されている。
技術的思想3の転造工具は、技術的思想1又は2に記載の転造工具において、前記酸化鉄皮膜は、その酸化鉄皮膜全体に対するウスタイトの比率が55wt%以上に設定されると共に、前記酸化鉄皮膜全体に対するマグネタイト及びヘマタイトの比率が45wt%以下に設定されている。
技術的思想4の転造工具は、技術的思想1から3のいずれかに記載の転造工具において、前記酸化鉄皮膜は、その膜厚が0.5μm以上、かつ、10μm以下に設定されている。
技術的思想5の転造工具の製造方法は、複数の加工歯が設けられると共に表面に酸化鉄皮膜が形成された転造歯形面を備えた転造工具の製造方法において、前記転造歯形面の表面にウスタイトから構成されるウスタイト層を生成するウスタイト生成工程と、そのウスタイト生成工程により生成された前記ウスタイト層の表面にマグネタイトから構成されるマグネタイト層を生成するマグネタイト生成工程とを備え、前記マグネタイト生成工程は、前記ウスタイト層の表面をウスタイトからマグネタイトに変態させることにより前記マグネタイト層を生成している。
技術的思想6の転造工具の製造方法は、技術的思想5記載の転造工具の製造方法において、前記ウスタイト生成工程により前記転造歯形面にウスタイトを生成する前に、前記転造歯形面の表面に窒化処理を施すことで窒化層を生成する窒化層生成工程を備えている。
<効果>
技術的思想1又は5に記載の転造工具またはその製造方法によれば、酸化鉄皮膜は、マグネタイト層が、転造歯形面の表面に生成されたウスタイト層の表面をウスタイトからマグネタイトに変態させることにより生成されている。これにより、マグネタイト層の表面全体にマグネタイト等の微細な結晶が形成されるので、従来のように水蒸気酸化処理等の方法で転造歯形面にマグネタイトを生成して酸化鉄皮膜を形成する場合と比べて、酸化鉄皮膜の皮膜表面全体に凹凸を多く形成することができる。
よって、酸化鉄皮膜の皮膜表面全体を粗くすることができるので、潤滑油の潤滑効果に伴う転造歯形面の滑りを抑制できる。その結果、転造工具による転造加工時において、転造歯形面の加工歯が欠損することを低減させることができるので、転造工具の工具寿命を向上させることができるという効果がある。
また、酸化鉄皮膜の皮膜表面全体を粗くすることで、酸化鉄皮膜による潤滑油保持効果を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2又は6に記載の転造工具またはその製造方法によれば、技術的思想1又は5に記載の転造工具またはその製造方法の奏する効果に加え、窒化層が形成された転造歯形面の表面に酸化鉄皮膜が形成されているので、窒化層による加工歯の表面硬さの向上と、酸化鉄皮膜による潤滑性能の向上とを両立させることができる。
即ち、転造歯形面に窒化層を形成することで、転造歯形面の表面硬さを向上させて耐摩耗性を良くすることができるものの、転造工具による転造加工時において加工歯に凝着摩耗が発生すると、加工歯が欠損しやすくなり工具寿命が低下する。
これに対し、窒化層が形成された転造歯形面の表面に酸化鉄皮膜を形成することで、潤滑油保持効果による潤滑性能の向上を図ることができるので、耐摩耗性をより一層向上させることができ、その結果、工具寿命の向上を図ることができるという効果がある。
技術的思想3記載の転造工具によれば、技術的思想1又は2に記載の転造工具の奏する効果に加え、酸化鉄皮膜全体に対するウスタイトの比率が55wt%以上に設定されると共に、酸化鉄皮膜全体に対するマグネタイト及びヘマタイトの比率が45wt%以下に設定されているので、ウスタイト層を形成するウスタイトの量を十分に確保することができる。
即ち、転造工具による転造加工時において、皮膜表面に形成されたマグネタイト等の結晶が欠落すると、その欠落した部分が平滑になり、滑り発生の要因となり得る。これに対し、マグネタイト等の結晶が欠落したマグネタイト層からウスタイト層が露出することで、その露出したウスタイト層の表面がウスタイトからマグネタイトに変態する。これにより、酸化鉄皮膜の皮膜表面にマグネタイト等の結晶が新たに生成され、皮膜表面に新たな凹凸を形成することができる。よって、酸化鉄皮膜による滑り抑制効果および潤滑油保持効果を持続させることができるので、工具寿命の向上を図ることができるという効果がある。
技術的思想4記載の転造工具によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の転造工具の奏する効果に加え、酸化鉄皮膜の膜厚が0.5μm以上に設定されているので、ウスタイト層を形成するウスタイトの量を十分に確保することができる。
よって、転造工具による転造加工時において、皮膜表面に形成されたマグネタイト等の結晶が欠落したとしても、そのマグネタイト等の結晶が欠落したマグネタイト層からウスタイト層が露出することで、その露出したウスタイト層の表面がウスタイトからマグネタイトに変態する。これにより、酸化鉄皮膜の皮膜表面にマグネタイト等の結晶が新たに生成され、皮膜表面に新たな凹凸を形成することができる。よって、酸化鉄皮膜による滑り抑制効果および潤滑油保持効果を持続させることができるので、工具寿命の向上を図ることができるという効果がある。
また、酸化鉄皮膜の膜厚が10μm以下に設定されているので、酸化鉄皮膜に亀裂が発生することを抑制できる。これにより、酸化鉄皮膜の亀裂に起因して加工歯が欠損しやすくなることを回避できるという効果がある。
2 転造歯形面
3 加工歯
Claims (3)
- 複数の加工歯が設けられると共に表面に酸化鉄皮膜が形成された転造歯形面を備えた転造工具において、
前記酸化鉄皮膜は、前記転造歯形面の表面に形成されると共にウスタイトから構成されるウスタイト層と、そのウスタイト層の表面に形成されると共にマグネタイトから構成されるマグネタイト層とを備え、
前記酸化鉄皮膜は、その酸化鉄皮膜全体に対するウスタイトの比率が55wt%以上に設定されると共に、前記酸化鉄皮膜全体に対するマグネタイト及びヘマタイトの比率が45wt%以下に設定されていることを特徴とする転造工具。 - 前記転造歯形面の表面に窒化処理を施すことにより形成される窒化層を備え、
前記酸化鉄皮膜が、前記窒化層の表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の転造工具。 - 前記酸化鉄皮膜は、その膜厚が0.5μm以上、かつ、10μm以下に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の転造工具。
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JP2012260725A JP5988846B2 (ja) | 2012-11-28 | 2012-11-29 | 転造工具およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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Family Applications (1)
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Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5317552B2 (ja) * | 2008-06-26 | 2013-10-16 | オーエスジー株式会社 | 転造ダイス |
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2012
- 2012-11-29 JP JP2012260725A patent/JP5988846B2/ja active Active
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