JP5986416B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。
褐藻抽出物は、化粧料、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄料など様々な製品に配合されている(特許文献1〜3)。
特許文献1には、褐藻抽出物とユッカ抽出物との組合せからなる細胞賦活剤を配合した皮膚外用剤及び洗浄剤が、頭皮を含む皮膚の活性が乱れて生ずる肌荒れやシワ形成、あるいは頭髪の脱毛や生育不良に対し、極めて有効であると記載されている。
特許文献2には、褐藻抽出物と、L−アスコルビン酸の無機酸エステルとを含有する細胞賦活剤と、HLBが10以上のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリンを含む皮膚外用剤が、肌荒れの改善や頭髪における抜け毛予防等に有効であることが記載されている。
特許文献3には、褐藻抽出物中に含まれるヒアルロニダーゼ阻害活性物質が、皮膚細胞におけるヒアルロン酸の分解を抑制、そのレベルを維持することにより、皮膚の保湿性、柔軟性、弾力性の低下を抑え、顕著な皮膚老化防止効果等を示すこと、及び、ヒアルロニダーゼに起因する炎症やアレルギーの予防、治療に有効であることが記載されている。
また、ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物が、化粧品原料メーカー等により市販されており、例えば、一丸ファルコス株式会社の「PRODUCT GUIDE2003」では、ヒバマタエキスを含有する「ファルコレックスヒバマタ」の期待される作用として、美白、収れん、保湿が紹介されている。
特開2000−169320号公報 特開2000−169321号公報 特開平9−67266号公報
しかしながら、ヒバマタ属の褐藻抽出物を含む皮膚外用剤は、防腐性能が著しく低いという課題があった。一方、パラオキシ安息香酸メチルなどのパラベン類は、化粧品の防腐剤として知られているが、近年、パラベン類による皮膚刺激が指摘されている。
フェノキシエタノールは、皮膚刺激が少ない防腐剤として着目されているが、パラベン類ほど強い防腐力を備えていない。そのため、ヒバマタ属の褐藻抽出物を含む皮膚外用剤では、十分な防腐効果が得られない。
したがって、本発明の課題は、皮膚への低刺激性と高い防腐性とを両立した、ヒバマタ属の褐藻抽出物を含む皮膚外用剤を提供することにある。
本発明によれば、
下記成分;
(a)ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物
(b)フェノキシエタノール
(c)アスパラギン酸、グリシルグリシン、及び、これらの塩、並びに、アセチルヒドロキシプロリン、コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、及び、ニコチン酸アミドからなる群から選ばれる1種以上の水溶性成分
を含有する、皮膚外用剤が提供される。
また、ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物の防腐性を向上させる方法を提供するものである。
この発明によれば、フェノキシエタノールと所定の水溶性成分とを併用することにより、パラベン類を用いなくとも、ヒバマタ属の褐藻抽出物を含む皮膚外用剤の防腐性を向上させることができる。したがって、ヒバマタ属の褐藻抽出物を含み、かつ、低刺激性と高防腐性とを両立した、皮膚外用剤が実現可能になる。
本発明によれば、ヒバマタ属の褐藻抽出物を含有し、低刺激かつ高い防腐性を有する皮膚外用剤が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[(a)ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物]
本発明に用いられる褐藻抽出物は、ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻類(Phaeophyta,Laminaria digitata等)の海藻から抽出したものである。褐藻抽出物は、化粧料に保湿効果、収れん効果などの目的で化粧料に含有される。このヒバマタ属の褐藻類としては、Fucus serratus、Fucus vesiculosusが挙げられるが、Fucus serratusが高い保湿性及び持続効果の点からより好ましい。
ヒバマタ属の褐藻類の海藻から成分(a)を抽出する方法は、特に制限はなく、通常の抽出法が採用される。例えば、海藻を適宜適当な大きさに粉砕し、水、親水性有機溶媒又はこれらの混合液を抽出溶媒として抽出する方法がある。抽出には、海藻の一部を使用してもよいし、全藻を使用してもよい。また、抽出に用いる親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール等の低級アルコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等の多価アルコール等が挙げられる。抽出には、親水性有機溶媒を単独で使用しても良いが、水と混合した抽出溶媒が好ましい。水と親水性有機溶媒との比率は、水/親水性有機溶媒が100:0〜30:70(体積比)であることが好ましい。海藻と抽出溶媒との比率は、海藻(乾燥物)/抽出溶媒比(質量比)が1/50〜1/2であることが好ましい。その他の抽出条件としては、抽出温度は特に制限が無いが、好ましくは常温(5〜35℃)又は、抽出に使用する溶媒の沸点以下の温度に維持した溶媒中に原料を浸漬することが好ましい。抽出pHは、特に制限がない。
所定の抽出溶媒から抽出して得られた抽出液は、そのまま用いてもよいし、濃縮エキスとしてもよいし、上記抽出溶媒として使用し得る溶媒で希釈した希釈液としてもよい。また、乾燥させて粉末状又は顆粒状の固形物としてもよいし、ペースト状に調製してもよい。抽出液を固形物やペースト状に調製した場合は、上記抽出溶媒として使用し得る溶媒に溶解させて皮膚外用剤に可溶化することが好ましい。この場合、褐藻抽出物の溶液濃度は、0.5〜5.0質量%とすることができる。
また、成分(a)として、ファルコレックス ヒバマタ(一丸ファルコス社製)およびHOMEO SHIELDエキス(Unipex Innovations社製)などの、ヒバマタ属の褐藻抽出物を含有する、市販の海藻エキスを用いることもできる。
成分(a)の含有量(抽出溶媒を除いた純粋な抽出成分)は、皮膚外用剤中抽出成分として0.005〜0.1質量%の範囲が好ましく、0.01〜0.05質量%の範囲がより好ましい。この範囲にすることで、保湿能を顕著に高めることができる。
[(b)フェノキシエタノール]
フェノキシエタノールは、公知物質であり、公知の方法を用いて製造することができ、市販品を用いることも可能である。フェノキシエタノールは、本件では成分(a)の防腐剤として作用させるが、皮膚外用剤中に0.01〜10質量%の範囲で含有させることが好ましく、0.1〜1質量%の範囲で含有させることが、防腐性と皮膚への刺激のなさの観点から、より好ましい。また、成分(a)と成分(b)との含有比((b)/(a))が質量比で、1〜200であることが好ましく、効率的な防腐性を引き出す観点から、10〜100がより好ましく、20〜50がさらに好ましい。
[(c)水溶性成分]
(c)水溶性成分としては、アスパラギン酸、グリシルグリシン、及び、これらの塩、並びに、アセチルヒドロキシプロリン、コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、及び、ニコチン酸アミドから選ばれる1種以上の水溶性成分を用いることができる。アスパラギン酸は、L−アスパラギン酸、D−アスパラギン酸、及び、DL−アスパラギン酸が挙げられるが、L−アスパラギン酸が好ましい。また、アスパラギン酸の塩としては、アスパラギン酸ナトリウムやアスパラギン酸カリウムが挙げられる。グリシルグリシンの塩としては、グリシルグリシン塩酸塩が挙げられる。これらの水溶性成分は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。特に防腐性を高める観点からアセチルヒドロキシプロリン、又は、L−アスパラギン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
成分(c)の水溶性成分は、成分(b)と組み合わせることで、成分(a)に対する防腐性を高めることが出来る。この結果、パラベン類を含有しなくとも十分な防腐効果を得ることができる。成分(c)は、皮膚外用剤中に0.01〜10質量%含有させることが好ましく、0.1〜5質量%含有させるのが、防腐性と肌への刺激のなさの点でより好ましい。また、成分(b)と成分(c)との含有比((c)/(b))は、質量比で0.1〜10であることが好ましく、0.5〜5であることが成分(b)の防腐性を効率的に向上させる観点から好ましい。
本発明の皮膚外用剤には、さらに、その使用目的に応じて、通常の化粧料に用いられる有効成分、界面活性剤、油剤、保湿剤、増粘剤、紫外線吸収剤、フェノキシエタノール以外の防腐剤、抗菌剤、消炎剤、およびキレート剤、ビタミン類、美白剤、血管拡張剤、収斂剤、清涼剤、ホルモン剤、しわ改善剤、鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、皮膚軟化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。これらの成分を適宜選択することにより、本発明の皮膚外用剤を医薬部外品とすることもできる。本発明の皮膚外用剤におけるこれらの成分の含有量は、これらの種類に応じて適宜調整することができる。
有効成分としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸2−グルコシドなどのアスコルビン酸誘導体、ニコチン酸等の水溶性ビタミン類;、オウバクエキス、カンゾウエキス、アロエエキス、スギナエキス、茶エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、海藻エキス、マロニエエキス、ユズエキス、アルテアエキス、チヤエキス、レモンエキス、カミツレエキス、アスナロエキス、ローヤルゼリーエキス、ユーカリエキス、アスナロ抽出液、スクワラン等の動・植物抽出液等が挙げられる。これらは、皮膚外用剤中に、0.1〜3質量%含有させることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(POE)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)セチルエーテル、モノセチルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)高級アルコールエーテル、ポリオキシアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)ジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)誘導体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノライレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(POE)モノラウレート、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタンラウレート、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタンモノオレエート、1−ポリオキシエチレン(POE)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタンモノオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(POE)ソルビタン、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン(POE)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、イソセテス−20、モノベヘン酸グリセリルなどのノニオン界面活性剤;、グリシン型、アルキルアミノベタイン、イミダゾリン型、L−アルギニン型、L−リジン型などの両性界面活性剤;、脂肪酸モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ステアロイルメチルタウリン及びその塩などのアニオン活性剤が挙げられ、これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらは、皮膚外用剤中に、0.1〜5質量%含有させることができる。
油剤としては、例えばオリーブ油、パーム油、ヤシ油等の動植物油、流動パラフィン、スクワラン、コレステロール、ワセリン等の炭化水素油、オレイン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級脂肪族アルコール、イソステアリルミリステート、セチルオクタネート、オクタン酸エチル等のエステル油分、ジメチルポリシロキサン、グリセリルウンデシルジメチコンなどのシリコーン油が挙げられ、これらの油剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらは、皮膚外用剤中に、0.1〜10質量%含有させることができる。
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ソルビトール、成分(c)以外のアミノ酸(グルタミン酸、アルギニンなど)又はその塩、アミノ酸誘導体(ステアロイルグルタミン酸など)、α−エチルグルコシド、マルチトール、ラクトール、メリビオース等のオリゴ糖、セラミド類(動物性セラミド、植物性セラミド、擬似セラミド含む)、ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン、エリトリオール、ラクトース、スクラロース、ガラクトシフルクトース、多糖類(キトサンおよびその誘導体、プルラン、ムコ多糖類など)、月桃抽出物、麦蛋白分解物、シルク蛋白分解物、水溶性コラーゲン、水酸化レシチン、水酸化レシチン、トレハロース、α−ヒドロキシ酸、マルチトール脂肪酸エステル、ルチン、リンゴポリフェノール、天然メラニン、スフィンゴシン誘導体、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、コンキオリン、グルタチオン、ポリエチレングリコール、γ−アミノ酪酸などが挙げられ、これらの保湿剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらは、皮膚外用剤中に、0.01〜3質量%含有させることができる。
増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルキトサン、ヒアルロン酸ナトリウム、オキサゾリン変性シリコーン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体等が挙げられる。これらは、皮膚外用剤中に、0.01〜3質量%含有させることができる。
フェノキシエタノール以外の防腐剤としては、例えば、安息香酸、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などの酸類およびそれらの塩類、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル及びこれらの塩などのオキシ安息香酸アルキルエステル類(パラベン類)、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、オルトフェニルフェノール、イソプロピルメチルフェノールなどが挙げられ、これらの防腐剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、皮膚への刺激を低減する観点から、パラベン類を実質的に含まないことが好ましく、具体的には、皮膚外用剤中パラベン類の含有量が0.01質量%以下であることがより好ましく、0.001質量%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の皮膚外用剤に油性成分が含有されている場合には、この油性成分を溶解させるため、例えば、エタノールなどの低級アルコールなどを適量で皮膚外用剤に含有させてもよい。
本発明の皮膚外用剤は、上記成分の他、それらの成分の残部として、精製水などの水を用いることが好ましい。具体的には、30〜99.9質量%が好ましく、更には、50〜95質量%が好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、医薬部外品等の態様で使用され、剤型としては水溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、ペースト系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層系が挙げられる。化粧料としては、例えば、クリーム、化粧乳液、化粧水、エッセンス、サンスクリーン口紅、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、パック、マスク、入浴剤、皮膚洗浄剤、等の形態が挙げられる。医薬品又は医薬部外品であれば、各種の軟膏剤等の形態が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、安全性の観点から、pH5〜8であることが好ましく、pH6〜7がより好ましい。
本発明は、成分(a)ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物に、成分(b)フェノキシエタノール、成分(c)アスパラギン酸、グリシルグリシン、及び、これらの塩、並びに、アセチルヒドロキシプロリン、コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、及び、ニコチン酸アミドからなる群から選ばれる1種以上の水溶性成分を加えることにより、(a)ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物の防腐性を向上させる方法である。また、(a)ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物及び、(b)フェノキシエタノールを含有する皮膚外用剤に含有する防腐性向上剤であって、成分(c)アスパラギン酸、グリシルグリシン、及び、これらの塩、並びに、アセチルヒドロキシプロリン、コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、及び、ニコチン酸アミドから選ばれる1種以上の水溶性成分を有効成分とする成分(a)の防腐性向上剤とするものである。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
実施例1〜10、比較例1、2
下記表1、2に示す皮膚外用剤は、精製水に各成分を混合し、溶解することにより調製し、防腐性試験を行った。評価結果を併せて表1、2に示す。
次の評価法を用いた。
<防腐性試験>
6種類の菌;スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)、エシェリシア コリ(Escherichia coli)、シュードモナス エアルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、アスペルギウス ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム シトリナム(Penicillium citrinum)、クラドスポリウム クラドスポロイデス(Cladosporiumu cladosporoides)を10CFU/ml(菌数又は胞子数)となるように生理食塩水に懸濁した菌液0.3mlを、それぞれ、10CFU/mlとなるように実施例1〜10又は比較例1、2の皮膚外用剤30mlに接種後、30℃で4週間保管した際の菌数の経時的な変化により抗菌性を判定した。なお、防腐性試験の評価は、下記判定基準により行った。
A:防腐効果が非常に強い(菌数変化;10以上の減少率)
B:防腐効果が強い(菌数変化;10オーダーの減少率)
C:防腐効果が弱い(菌数変化;10オーダーの減少率)
D:防腐効果が弱い(菌数変化;10オーダーの減少率)
E:防腐効果がない(菌数変化;ほとんど変化なし又は増殖)
<pH>
pH測定計(装置名:pH METER F−52、メーカー:HORIBA)を用いて、実施例1〜10又は比較例1、2の皮膚外用剤の25℃におけるpHを測定した。
Figure 0005986416
Figure 0005986416
実施例1〜10はいずれも、防腐性に優れ、且つ皮膚に対する刺激性が低いものであった。
実施例11:化粧水
表3に示す処方の化粧水を製造した。まず、第I相の成分を、80℃で加熱均一溶解させた後、25℃まで徐々に冷却した後、25℃の第II相を加え、表3に示す化粧水を製造した。
Figure 0005986416
実施例11で得られた化粧水は、防腐性に優れ、且つ皮膚に対する刺激性が少ないものだった。
実施例12:乳液
表4に示す処方の乳液を製造した。まず、第I相の成分を、80〜95℃で加熱混合し、これに、プロペラ撹拌下(300rpm)、80〜95℃に加熱した第II相を加えて乳化し、25℃まで徐々に冷却して、水中油型乳化組成物を得た。
Figure 0005986416
実施例12で得られた乳液は、防腐性に優れ、且つ皮膚に対する刺激性が少ないものだった。
実施例13:クリーム
表5に示す処方のクリームを製造した。まず、第I相の成分を、80〜95℃で加熱混合し、これに、プロペラ撹拌下(300rpm)、80〜95℃に加熱した第II相を加えて乳化し、25℃まで徐々に冷却して、水中油型乳化組成物を得た。
Figure 0005986416
実施例13で得られたクリームは、防腐性に優れ、且つ皮膚に対する刺激性が少ないものだった。
実施例14:美容液
表6に示す処方の美容液を製造した。まず、第I相の成分を、80〜95℃で加熱混合し、これに、プロペラ撹拌下(300rpm)、80〜95℃に加熱した第II相を加えて乳化し、25℃まで徐々に冷却した後に25℃の第III相を加え、表6に示す美容液を製造した。
Figure 0005986416
実施例14で得られた美容液は、防腐性に優れ、且つ皮膚に対する刺激性が少ないものだった。

Claims (6)

  1. 下記成分;
    (a)ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物
    (b)フェノキシエタノール
    (c)コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジンの水溶性成分
    を含有する、皮膚外用剤。
  2. 前記成分(a)がフカスセラツス(Fucus serratus)抽出物である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 該皮膚外用剤中の前記成分(a)の含有量が0.005〜0.1質量%である、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 前記成分(a)と前記成分(b)との含有比((b)/(a))が質量比で、1〜200である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 前記成分(b)と前記成分(c)との含有比((c)/(b))が質量比で0.5〜5である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  6. 成分(a)ヒバマタ目ヒバマタ科ヒバマタ属の褐藻抽出物及び成分(b)フェノキシエタノールを含有する皮膚外用剤に含有する防腐性向上剤であって、成分(c)コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジンの水溶性成分を有効成分とする、成分(a)の防腐性向上剤。
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