JP5983662B2 - 電子材料用エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、得られる硬化物の耐熱性、耐吸湿性、低熱膨張性に優れる電子材料用エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂およびその硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物は、耐熱性、耐吸湿性等の諸物性に優れる点から、半積層板樹脂材料、電気絶縁材料、半導体封止材料、繊維強化複合材料、塗装材料、成型材料、接着材料等で広く用いられている。
近年、これらの各種用途、とりわけ先端材料分野において、耐熱性や低吸湿性に代表される性能の一層の向上が求められている。さらに、環境問題に対する法規制等により、鉛を使用しない高融点半田が主流となっており、この鉛フリー半田は従来の共晶半田よりも使用温度が約20〜40℃高くなることから、エポキシ樹脂組成物にはこれまで以上に高い耐熱性が要求されている。
高度な耐熱性、低吸湿性、低熱膨張性の要求に対応できるエポキシ樹脂材料として、例えば、下記構造式1
Figure 0005983662
で表される四官能型ナフタレン系エポキシ樹脂が知られている(特許文献1)。
上記の四官能型ナフタレン系エポキシ樹脂は、一般的なフェノールノボラック型エポキシ樹脂と比較して、耐熱性および疎水性が高いナフタレン骨格を有すること、四官能であり架橋密度が高いこと、対称性に優れる分子構造を持つことから、その硬化物は極めて優れた耐熱性、耐吸湿性および低熱膨張性を発現する。しかしながら、近年、耐熱性においてはより高い性能が求められ、一層の改善が必要となっている。さらに前記の四官能型ナフタレン系エポキシ樹脂は、溶剤への溶解性が低いことから、例えば電子回路基板製造において硬化物の特性が十分に発現されないものであった。
前記の四官能型ナフタレン系エポキシ樹脂において、メチレン構造は高温に比較的弱いため、ナフタレン環がメチレン構造を介した結合ではなく直接の結合とする事が、耐熱性を向上する手段として有効であると考えられる。ジヒドロキシナフタレンの2量体において、メチレン構造を含まず、直接に単結合で繋がれたビ(ジヒドロキシナフタレン)構造のエポキシ樹脂の記載がある(特許文献2〜5)。ジヒドロキシナフタレンの水酸基の位置や2量体の結合位置は、それを用いたエポキシ樹脂の軟化点、溶剤溶解性、およびその硬化物の耐熱性等の物性に影響を与える重要因子であるが、特許文献2〜5はいずれも、ジヒドロキシナフタレンの水酸基の位置や2量体の結合位置が特定しておらず、具体的な化合物についての記載がない。
特許3137202号公報 特開2004−111380 特開2007−308640 特開2010−24417 特開2010−106150
本発明が解決しようとする課題は、優れた耐熱性、低吸湿性、低熱膨張性を発現し、さらにその良好な溶剤溶解性から良好な作業性を実現する電子材料用エポキシ樹脂組成物およびその硬化物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、ジヒドロキシナフタレンの2量化反応において、2,7−ジヒドロキシナフタレンが、1,1’位で選択的にカップリング反応するため、高純度の1,1’−ビナフタレン−2,2’,7,7’−テトラオールを得ることが可能であり、それにエピハロヒドリンを反応させて得られる2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレンを用いた電子材料用エポキシ樹脂組成物は、優れた耐熱性、低吸湿性、低熱膨張性を発現し、さらに良好な溶剤溶解性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレンおよび硬化剤を必須成分とする電子材料用エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明はさらに前記の電子材料用エポキシ樹脂組成物に、さらにフィラーを含有する電子材料用エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明は、更に繊維質基材を含有する電子材料用エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明はさらに前記の電子材料用エポキシ樹脂組成物を硬化反応させてなる電子材料用エポキシ樹脂硬化物に関する。
本発明によれば、優れた耐熱性、低吸湿性、低熱膨張性を発現し、さらに良好な溶剤溶解性を実現する電子材料用エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるエポキシ樹脂は、2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレンを主成分とするものであり、次の構造式(2)で示されるものである。
Figure 0005983662
・・・(2)
本発明に用いるエポキシ樹脂の原料となる1,1’−ビナフタレン−2,2’,7,7’−テトラオールは、ジヒロキシナフタレンのカップリング反応によって得られる。ジヒドロキシナフタレンのカップリング反応において、2,7−ジヒドロキシナフタレンが、1,1’位で選択的にカップリング反応を起こし、多量体化し難い上、類似構造の1,1’−メチレンビス(ナフタレン−2,7−ジオール)に比較して、低融点を有し、さらにそのグリシジルエーテル化物は、1,1’−メチレンビス(ナフタレン−2,7−ジオール)の四官能グリシジルエーテル化物に比べ、低軟化点で、低粘度で溶剤溶解性も高い。
以下に、本発明に用いるエポキシ樹脂の製法を詳述するが、本発明のエポキシ樹脂の製造方法はこれらに限定されるものではない。
すなわち、本発明に用いるエポキシ樹脂の製法は1,1’−ビナフタレン−2,2’,7,7’−テトラオールとエピハロヒドリンを反応させるものである。具体的には、例えばフェノール化合物中のフェノール性水酸基のモル数に対し、エピハロヒドリンを2〜10倍量(モル基準)となる割合で添加し、更に、フェノール性水酸基のモル数に対し0.9〜2.0倍量(モル基準)の塩基性触媒を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。この塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロヒドリン類の全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリン類と、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリン類とを併用することが可能であり、経済的に好ましい。この時、使用するエピハロヒドリンは特に限定されないが、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
また、前記の塩基性触媒は、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。また、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜2種以上を併用してもよい。
前述のエポキシ化反応の反応物を水洗後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部となる割合であることが好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下にトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより目的とする本発明の必須成分であるエポキシ樹脂を得ることができる。
次に、本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、以上詳述したエポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とするものであるが、該エポキシ樹脂は、オリゴマー成分を含有する製造時の反応生成物として用いて良い。
ここで用いる硬化剤は、特に限定はなく、通常のエポキシ樹脂の硬化剤として常用されている化合物は何れも使用することができ、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独でも2種類以上の併用でも構わない。
これらの中でも、特に芳香族骨格を分子構造内に多く含むものが低熱膨張性の点から好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、レゾルシンノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)が低熱膨張性に優れることから好ましい。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂と硬化剤の配合量としては、特に限定されるものではないが、得られる硬化物特性が良好である点から、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤中の活性基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
また必要に応じて本発明のエポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルホスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、前記した2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレンを単独で用いてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂を併用して用いても良い。具体的には、エポキシ樹脂成分の全質量に対して前記のエポキシ樹脂が30質量%以上、好ましくは40質量%以上となる範囲で他のエポキシ樹脂を併用することができる。
ここで前記の2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレンと併用され得る他のエポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹脂を用いることができるが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を含有するナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂や、結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂や、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック型エポキシ樹脂(ホルムアルデヒドでグリシジル基含有芳香環及びアルコキシ基含有芳香環が連結された化合物)等が耐熱性に優れる硬化物が得られる点から特に好ましい。
本発明の電子材料用エポキシ組成物は、さらにフィラーを含有することができる。フィラーを添加することで、樹脂組成物に耐熱性の向上、難燃性、低線膨張係数化や低誘電率化等の特性を付与することができる。ここで使用されるフィラーは、例えばシリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられ、シリカとしては例えば溶融シリカ、結晶シリカが挙げられる。フィラーとしてシリカを用いる場合、配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記の溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、エポキシ樹脂組成物の全体量に対して65質量%以上が好ましい。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、更に、繊維質基材を含有することもできる。繊維質基材を添加することで、本発明の電子材料用樹脂組成物に対し、強度及び低線膨張係数を付与することができ、繊維強化樹脂として好適に使用可能である。ここで、使用される繊維質基材は、例えば、植物繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等があり、織布状でも不織布状でも繊維の集合体であっても分散体であってもかまわない。繊維質基材としては具体的には紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、アラミド不織布、ガラスマット、ガラスロービング布等が挙げられ、たとえば電子回路基板として用いる場合、強度や低線膨張係数を付与できることからガラス繊維が好ましい。例えばガラス繊維を用いたプリプレグの作製の場合、樹脂の流動性(含浸性)の観点から好ましいものは、ガラス繊維の直径10μm以下、繊維の密度が40〜80本/インチで、かつ、エポキシシランカップリング剤もしくはアミノシランカップリング剤等のシランカップリング剤で処理したガラス布である。さらに好適には、縦糸と横糸の網の隙間を極力なくす処理を施したものがよい。ガラス不織布としては、目付15g/m2、厚さ約0.1mm〜目付120g/m2、厚さ約1.0mmのものが好ましい。なお、本発明に用いる繊維質基材は、厚さ100μm以下であることが使用目的の観点から好ましい。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、優れた溶剤溶解性を発現することを特徴としている。従って、本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、有機溶剤を配合しても良い。ここで使用し得る有機溶剤としては、特に限定はないが、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、プリント配線基板用途では、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤であることが好ましく、また、不揮発分40〜80質量%となる割合で使用することが好ましい。一方、ビルドアップ用接着フィルム用途では、有機溶剤として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等を用いることが好ましく、また、不揮発分30〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
また、本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、難燃性を発揮させるために、例えば電子回路基板の分野においては、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
前記の非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記のリン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記の赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記の有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物に対して、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量%の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量%の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量%の範囲で配合することが好ましい。
また前記のリン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記の窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記のトリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記のシアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記の窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物に対して、0.05〜10質量%の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量%の範囲で配合することが好ましい。
また、前記の窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記のシリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記のシリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂組成物、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物に対して、0.05〜20質量%の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記の無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記の金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記の金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記の金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記の金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記のホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記の低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO2−MgO−H2O、PbO−B2O3系、ZnO−P2O5−MgO系、P2O5−B2O3−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V2O5−TeO2系、Al2O3−H2O系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記の無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂組成物、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物に対して、0.5〜50質量%の範囲で配合することが好ましく、特に5〜30質量%の範囲で配合することが好ましい。
前記の有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記の有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂組成物、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物に対して、0.005〜10質量%の範囲で配合することが好ましい。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、半導体封止材料、電子回路基板用材料として好適に用いることができる。
〔半導体封止材料〕
例えば、半導体封止材料に用いられる電子材料用エポキシ樹脂組成物を作製するためには、前記の2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレンと前記の硬化剤を、例えば、押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して溶融混合型のエポキシ樹脂組成物を得ればよい。その際、フィラーとしては、通常シリカが用いられ、その充填率はエポキシ樹脂組成物100質量部当たり、充填剤を30〜95質量%の範囲で用いられる。中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、65質量%以上が好ましく、70質量%以上が特に好ましく、それらの効果を格段に上げるためには、80質量%以上が一層その効果を高めることができる。
半導体パッケージ成形としては、該組成物を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形物である半導体装置を得る方法がある。
本発明の半導体封止材料に用いられる電子材料用エポキシ樹脂組成物には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、カップリング剤を用いてもよい。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウム系化合物、ジルコニウム系化合物、アルミニウムキレート類等が挙げられる。
上記のカップリング剤の配合量は、フィラーに対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜2.5質量%がより好ましい。0.01質量%未満では各種パッケージ構成部材との接着性が低下する傾向があり、5質量%を超えるとボイド等の成形不良が発生し易い傾向がある。
さらに、本発明の半導体封止材料に用いられる電子材料用エポキシ樹脂組成物には、その他の添加剤として、離型剤、着色剤、応力緩和剤、密着性向上剤、界面活性剤などを必要に応じて配合することができる。
離型剤としては、例えば、カルナバワックスや炭化水素系、脂肪族系、アミド系、エステル系、高級アルコール系、高級脂肪酸金属塩系等が挙げられる。
前記の炭化水素系としては、パラフィンワックス、ポリオレフィン系ワックス等が挙げられる。ポリオレフィン系ワックスは、酸化されていない無極性のポリオレフィンワックスと酸化ポリオレフィンワックスに大別され、それぞれにポリエチレン系,ポリプロピレン系、および酢ビ−エチレン共重合系がある。
脂肪酸系としては、モンタン酸、ステアリン酸、へベニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アミド系としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エステル系としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ステアリル、高級アルコール系としては、ステアリルアルコール、高級脂肪酸金属塩としてはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
着色剤としては、ベンガラ、カーボンブラック、ガラス組成物等の無機系着色剤やフタロシアニン系化合物、アントラキノン系、メチン系、インジゴイド系、アゾ系の有機化合物の色素がいずれも使用可能であるが、着色効果に優れることからカーボンブラックが好ましい。
低応力化剤(応力緩和剤)としては、特に制限はなく、例えば、シリコーンオイル、液状ゴム、ゴム粉末、熱可塑性樹脂等のアクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体などのブタジエン系共重合体ゴムやシリコーン系化合物に記載されたもの等が挙げられる。
さらに、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的として、ハイドロタルサイト類や、水酸化ビスマスなどのイオントラップ剤を配合してもよい。密着性向上剤としては、特に制限はなく、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド、ベンゾチアゾール骨格を有する化合物、インデン樹脂、架橋したジアリルフタレート樹脂粉末およびブタジエン系ゴム粒子等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等が挙げられる。
本発明の半導体封止材料に用いられる電子材料用エポキシ樹脂組成物は、各種原材料を均一に分散混合できるのであればいかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化すると使いやすい。
本発明で得られる半導体封止材料に用いられる電子材料用エポキシ樹脂組成物により封止した素子を備えた電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の半導体封止材料で封止した電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、具体的には、1)リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の半導体封止材料を用いてトランスファー成形等により封止してなる、DIP、PLCC、QFP、SOP、SOJ、TSOP、TQFP等の一般的な樹脂封止型IC、2)テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の半導体封止材料で封止したTCP、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、3)トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の半導体封止材料で封止したCOBモジュール、4)ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、マザーボード接続用の端子を形成したインターポーザ基板に半導体チップを搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより半導体チップとインターポーザ基板に形成された配線を接続した後、本発明の半導体封止材料で半導体チップ搭載側を封止したBGA、CSP、MCPなどの片面封止パッケージが挙げられる。中でも本発明で得られる半導体封止材料に用いられる電子材料用エポキシ樹脂組成物で封止した素子を備えた片面封止型パッケージは反り量が小さいという特徴を有する。
上記リードフレームとしては、銅(銅合金も含む)のリードレーム、銅板等の表面にメッキ等の方法でNi層を形成しているNiメッキしたリードフレーム 、42アロイ製のリードレームを使用することができる。
本発明の半導体封止材料に用いられる電子材料用エポキシ樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
〔電子回路基板〕
本発明の電子回路基板に用いられる電子材料用エポキシ樹脂組成物は、具体的には、プリント配線基板材料、フレキシルブル配線基板材料、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、導電ペースト、ビルドアップ用接着フィルム材料、レジストインキ、樹脂注型材料、接着剤等に用いられる。また、これら各種用途のうち、プリント配線基板、フレキシルブル配線基板材料、ビルドアップ基板用層間絶縁材料およびビルドアップ用接着フィルムの用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ、いわゆる電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。これらの中でも、高難燃性、高耐熱性、低熱膨張性、及び溶剤溶解性といった特性からフレキシルブル配線基板用樹脂組成物、ビルドアップ基板用層間絶縁材料に用いることが好ましい。
ここで、本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物からプリント配線基板を製造するには、電子材料用エポキシ樹脂組成物に加えて、有機溶剤を配合し、ワニス化したエポキシ樹脂組成物とし、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させる方法が挙げられる。ここで使用し得る補強基材とは、本発明の繊維質基材であり、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などが挙げられる。かかる方法を更に詳述すれば、先ず、前記したワニス状の硬化性樹脂組成物を、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得る。この時用いる樹脂組成物と繊維質基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。次いで、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、目的とするプリント配線基板を得ることができる。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物からフレキシルブル配線基板を製造するには、電子材料用エポキシ樹脂組成物に加えて、リン原子含有化合物、硬化促進剤、及び有機溶
剤を配合して、リバースロールコータ、コンマコータ等の塗布機を用いて、電気絶縁性フィルムに塗布する。次いで、加熱機を用いて60〜170℃で1〜15分間加熱し、溶媒を揮発させて、接着剤組成物をB−ステージ化する。次いで、加熱ロール等を用いて、接着剤に金属箔を熱圧着する。その際の圧着圧力は2〜200N/cm、圧着温度は40〜200℃が好ましい。それで十分な接着性能が得られれば、ここで終えても構わないが、完全硬化が必要な場合は、さらに100〜200℃で1〜24時間の条件で後硬化させることが好ましい。最終的に硬化させた後の接着剤組成物膜の厚みは、5〜100μmの範囲が好ましい。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては、例えば、電子材料用エポキシ樹脂組成物に加えて、ゴム、フィラーなどを適宜配合し、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物からビルドアップ用接着フィルムを製造する方法は、例えば、電子材料用エポキシ樹脂組成物に加えて、有機溶剤を配合し、ワニス化したエポキシ樹脂組成物とし、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとする方法が挙げられる。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物をビルドアップ用接着フィルムに用いる場合、該接着フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルーホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記した接着フィルムを製造する方法は、具体的には、ワニス状の電子材料用エポキシ樹脂組成物を、支持フィルムの表面に塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させてエポキシ樹脂組成物の層を形成させることにより製造することができる。
形成される層の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、前記の層は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルムは、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルムを剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
次に、上記のようして得られた接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば、層が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、層を回路基板に直接接するように、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm2(9.8×104〜107.9×104N/m2)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該硬化性樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物をレジストインキとして使用する場合には、例えば該エポキシ樹脂組成物の触媒としてカチオン重合触媒を用い、更に、顔料、タルク、及びフィラーを加えてレジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式にてプリント基板上に塗布した後、レジストインキ硬化物とする方法が挙げられる。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物から硬化物を得る方法としては、一般的な硬化性樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよいが、例えば加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよいが、上記方法によって得られた組成物を、室温〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。
したがって、該エポキシ樹脂を用いることによって、エポキシ樹脂組成物の溶剤溶解性が飛躍的に向上し、その硬化物は極めて優れた耐熱性、耐吸湿性および低熱膨張性発現し、半導体封止材料およびプリント配線板材料に好適に使用できる。
本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。
尚、150℃における溶融粘度及びGPC、MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
1)150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠
2)軟化点測定法:JIS K7234
3)GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折率計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
移動相: テトラヒドロフラン
流速: 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
4)NMR:日本電子株式会社製 NMR LA300
5)MS :日本電子株式会社製 ガスクロマトグラフ飛行時間質量分析計JMS−T100GC
〔合成例1〕
温度計、撹拌機、還流冷却器を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、塩化鉄(III)六水和物139g(0.5モル)、水1330mLを仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した後、ナフタレン−2,7−ジオール82g(0.5モル)をイソプロピルアルコール190mLにあらかじめ溶解した溶液を加え、40℃で30分撹拌した。塩化鉄(III)六水和物139g(0.5モル)及び水664mL、イソプロピルアルコール94mLの混合溶液を加え、40℃まで昇温してから、さらに1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル500mLを加え、10分撹拌した。反応液を分液漏斗に移し、有機層を分離した後、さらに、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した。真空下で溶媒を200mL程度になるまで留去した後、溶液を温度計、攪拌機、ディーンスタークトラップを備えたSUS容器に移し、トルエン5Lを加えた後、溶媒を酢酸エチル及び水からトルエンに置換した。トルエン溶液を室温まで冷却した後、不溶物をろ別した。ろ液を温度計、攪拌機、ディーンスタークトラップを備えたSUS容器に移し、撹拌しながら、沸点以上の温度に加熱し、トルエンを500mL程度になるまで留去することで濃縮し、1,1’−ビナフタレン−2,2’,7,7’−テトラオールの結晶を析出させた。析出物と溶媒を80℃以上の温度での熱時ろ過でろ取した後、110℃で5時間乾燥させ、1,1’−ビナフタレン−2,2’,7,7’−テトラオールを収量53g(収率68%)で得た。得られた1,1’−ビナフタレン−2,2’,7,7’−テトラオールは、GPCおよびMSにより、多量体化した成分を含まず、高純度であることを確認した。
〔合成例2〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例1で得た1,1’−ビナフタレン−2,2’,7,7’−テトラオールの79.5g(0.25モル)、エピクロルヒドリンの462g(5.0モル)、n−ブタノールの126gを仕込み溶解させた。40℃に昇温した後に、48%水酸化ナトリウム水溶液の100g(1.20モル)を8時間要して添加し、その後更に50℃に昇温し更に1時間反応させた。反応終了後、水150gを加えて静置した後、下層を棄却した。その後、150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトンの230gを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液の100gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂である2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレン(A−1)の135gを得た。得られたエポキシ樹脂(A−1)の軟化点は61℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は1.1dPa・s、エポキシ当量は144g/当量であった。GPC測定により面積比で90%以上が目的物であり、MS測定により、2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレン(A−1)を示す542のピークを確認した。
〔実施例1および比較例1〕
合成例2で得られた本発明のエポキシ樹脂(A−1)および比較用エポキシ樹脂(A−2)[下記構造式]
Figure 0005983662
で表される4官能型ナフタレン系エポキシ樹脂(DIC(株)社製「エピクロンHP−4700」、軟化点91℃、150℃溶融粘度4.5ps、エポキシ当量166g/当量)]、
硬化剤としてフェノールノボラック型フェノール樹脂(DIC(株)社製「フェノライトTD−2131」、水酸基当量104g/当量)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を用いて表1に示した組成で配合し、11cm×9cm×2.4mmの型枠に流し込み、プレスで150℃の温度で10分間成型した後、型枠から成型物を取出し、次いで、175℃の温度で5時間硬化して作成した硬化物について、耐熱性、線膨張係数、吸湿性を評価した。また、前記エポキシ樹脂(A−1)およびエポキシ樹脂(A−2)についての溶剤溶解性を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
<耐熱性(ガラス転移温度)>
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置RSAII、レクタンギュラーテンション法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
<耐熱性(5%重量減少温度)>
示差熱熱量重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製TG/DTA6200)を用いて、アルミパン容器に樹脂塗膜を秤量し、室温から500℃まで昇温し、5%重量減少温度を測定した。
測定条件
測定温度:室温〜500℃
測定雰囲気:窒素
昇温速度:10℃/min
<線膨張係数>
熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製SS−6100)を用いて、圧縮モードで熱機械分析を行った。
測定条件
測定架重:88.8mN
昇温速度:3℃/分で2回
測定温度範囲:−50℃から300℃
上記条件での測定を同一サンプルにつき2回実施し、2回目の測定における、25℃か
ら280℃の温度範囲における平均膨張係数を線膨張係数として評価した。
<吸湿率>
恒温恒湿装置内で85℃/85%RHの吸湿条件で、300 時間吸湿させた後の重量増加率から吸湿率を計算した。
<溶剤溶解性>
エポキシ樹脂10部とメチルエチルケトン4.3部をサンプル瓶中、密閉状態60℃で
溶解させた。その後、25℃まで冷却し、結晶が析出するか評価した。結晶が析出しない
場合は○、結晶が析出した場合は×として判定した。
Figure 0005983662
〔実施例2および比較例2〕
合成例2で得られた本発明のエポキシ樹脂(A−1)および比較例1で用いた比較用エポキシ樹脂(A−2)である4官能型ナフタレン系エポキシ樹脂(DIC(株)社製「エピクロンHP−4700」、軟化点82℃、150℃溶融粘度4.5ps、エポキシ当量166g/当量)]、硬化剤として、三井化学株式会社製「XLC−3L」(フェノールアラルキル樹脂、水酸基当量:172g/eq)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)、無機充填材として球状シリカ(電気化学株式会社製FB−560)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシトリエトキシキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBM−403」)、カルナウバワックス(株式会社セラリカ野田製PEARL WAX No.1−P)を用いて、表2に示した組成で配合し、2本ロールを用いて90℃の温度で5分間溶融混練して目的の組成物を作成した。得られた組成物を粉砕したものを、トランスファー成形機にて、幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの長方形に成形したものを180℃で5時間さらに硬化せしめた。
<耐熱性(5%重量減少温度)>
実施例2および比較例2の配合において、球状シリカ、シランカップリング剤、カルナウバワックスを除いた硬化物を作製し、実施例1および比較例1と同様の方法で評価した。
<難燃性>
幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの評価用試験片5本を用いUL−94試験法に準拠し、燃焼試験を行った。
Fmax:1回の接炎における最大燃焼時間(秒)
ΣF:試験片5本の合計燃焼時間(秒)
Figure 0005983662
表1および表2の結果からわかるように、本発明のエポキシ樹脂は軟化点温度も低く、低溶融粘度であり、その硬化物は、ナフタレン系四官能エポキシ樹脂に特徴的な低吸湿率、低熱膨張率を維持しつつ、溶剤溶解性が良く、極めて耐熱性および難燃性に優れていることが明らかである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は電子材料に有用であり、特に半導体封止材料および電子回路基板用材料として好適に使用できる。

Claims (9)

  1. エポキシ樹脂と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂が2,2’,7,7’−テトラグリシジルオキシ−1,1’−ビナフタレンであることを特徴とする電子材料用エポキシ樹脂組成物。
  2. 更にフィラーを含有する、請求項1に記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. 更に、繊維質基材を含有する、請求項1または2に記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物。
  4. 半導体封止材料用である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物。
  5. 電子回路基板材料用である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする、電子材料用エポキシ樹脂硬化物。
  7. 請求項6に記載の電子材料用エポキシ樹脂硬化物を含有する、電子部材。
  8. 半導体封止材である、請求項7に記載の電子部材。
  9. 電子回路基板である、請求項7に記載の電子部材。
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