図11は、メモリセルのId−Vg特性を示すグラフである。より具体的には、図11は、閾値電圧が1Vに設定されたメモリセルのId−Vg特性を示すグラフである。1Vの閾値電圧は、後述するソフトベリファイにおける閾値電圧に相当している。図11における横軸は、ゲート電圧Vgを示しており、図11における縦軸は、ドレインリーク電流Idを示している。なお、図11の縦軸におけるIは、規格値である。ドレイン電圧Vdは、1Vとした。
図11から分かるように、ゲート電圧Vgが0Vの付近においては、リーク電流Idは温度変化に伴って大きく変動する。
そして、リーク電流Idは、高温になるほど大きくなる傾向がある。
図12は、周囲温度が25℃の際にビット線に流れる電流のI−V特性のシミュレーション結果を示すグラフである。図13は、周囲温度が150℃の際にビット線に流れる電流のI−V特性のシミュレーション結果を示すグラフである。図12及び図13における横軸は、ゲート電圧Vgを示している。図12及び図13における縦軸は、ビット線に流れる電流を示している。図12及び図13における◆印のプロットは、ビット線により共通接続された全てのメモリセルの閾値電圧が3Vに設定されている場合のものである。ビット線により共通接続されたメモリセルの数は、64個とした。図12及び図13における□印のプロットは、閾値電圧が1Vに設定されたメモリセルが5個含まれている場合のものである。図12及び図13における△印のプロットは、閾値電圧が1Vに設定されたメモリセルが10個含まれている場合のものである。
図12から分かるように、周囲温度が25℃程度の場合には、閾値電圧の低いメモリセルがある程度含まれていても、ビット線に流れる電流はあまり変動しない。
これに対し、図13から分かるように、周囲温度が150℃程度の場合には、閾値電圧の低いメモリセルがビット線に接続されていると、ビット線に流れる電流が大きくなってしまう。
後述するように、セクタ(メモリブロック)単位に一括して消去を行う半導体記憶装置においては、閾値電圧のばらつきが生じる。後述する消去ベリファイの閾値電圧を例えば3Vとし、後述するソフトプログラムベリファイの閾値電圧を例えば1Vとした場合には、消去状態のメモリセルにおける閾値電圧は、例えば1V〜3Vの範囲内でばらつくこととなる。
消去ベリファイにおいては、選択されたメモリセルを差動型のセンスアンプの一方の入力端子に電気的に接続し、消去ベリファイ用のリファレンスセルをセンスアンプの他方の入力端子に電気的に接続し、両者の電流を比較する。選択されたメモリセルに電気的に接続された一方の入力端子における電流が、消去ベリファイ用のリファレンスセルに電気的に接続された他方の入力端子における電流より大きい場合には、当該メモリセルは消去されたものと判定される。
しかしながら、選択されたメモリセルに接続されたビット線により共通接続された非選択のメモリセルの閾値電圧が比較的低い場合には、かかる非選択のメモリセルによるリーク電流(コラムリーク電流)が悪影響を及ぼすこととなる。大きなコラムリーク電流が流れた場合には、選択されたメモリセル自体のドレイン電流が、消去ベリファイ用のリファレンスセルにおけるドレイン電流より小さいにもかかわらず、誤って消去ベリファイを合格させてしまう虞がある。
このように、提案されている半導体記憶装置においては、高温において、消去ベリファイの誤判定が生じることが考えられる。
[一実施形態]
一実施形態による半導体記憶装置及びその消去ベリファイ方法を図1乃至図10を用いて説明する。
(半導体記憶装置)
まず、本実施形態による半導体記憶装置について、図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体記憶装置を示すブロック図である。図2乃至図5は、本実施形態による半導体記憶装置の一部を示す回路図である。
図2乃至図5に示すように、複数のメモリセルMC,DCがマトリクス状に配列されている。マトリクス状に配列された複数メモリセルMC,DCにより、メモリセルアレイ10が形成されている。
メモリセルアレイ10は、Xデコーダ11(行デコーダ)(図1参照)を挟むように、対称的に配置されている。メモリセルアレイ10は、複数のセクタに区分されている。図1においては、セクタ0(SCT0),セクタ1(SCT1)、セクタ2(SCT2)及びセクタ3(SCT3)を図示しているが、セクタの数は4つに限定されるものではない。
メモリセルMC,DCに書き込まれた情報(データ)の消去は、セクタ単位で一括して行われる。
図2は、セクタ0に対応するものであり、図3は、セクタ1に対応するものであり、図4は、セクタ2に対応するものであり、図5は、セクタ3に対応するものである。
マトリクス状に配列された複数のメモリセルMC、DCのうちの殆どのメモリセルMCは、情報を記憶するために実際に用いられるメモリセル(リアルセル)MCである。各々のメモリセルMCは、メモリセルトランジスタMTにより形成されている。
一方、マトリクス状に配列された複数のメモリセルMC、DCのうちの一部のメモリセルDTは、情報を記憶するための一般のメモリセルMCとして用いるものではなく、所望のコラムリーク電流を得るために用いるダミーのメモリセル(ダミーセル)DCである。
ダミーセルDCは、メモリセルMCと構造が異なっているわけではない。マトリクス状に形成した複数のメモリセルMC,DCのうちの殆どがメモリセルMCとして用いられ、残りのメモリセルがダミーセルDCとして用いられる。このため、ダミーセルDCは、メモリセルMCと同構造となっている。即ち、各々のダミーセルDCは、メモリセルトランジスタMTと同構造のメモリセルトランジスタ(ダミーセルトランジスタ)DTにより形成されている。従って、各々のダミーセルDCは、メモリセルトランジスタMTと同サイズのメモリセルトランジスタDTにより形成されている。
図2乃至図5に示すように、同一の行に存在する複数のメモリセルトランジスタMT、DTのコントロールゲートは、ワード線WLにより共通接続されている。これら複数のワード線WLは、Xデコーダ11(図1参照)に接続されている。
また、同一の行に存在する複数のメモリセルトランジスタMT、DTのソースは、ソース線SLにより共通接続されている。互いに隣接する行におけるメモリトランジスタMT、DTのソースは、共通のソース線SLに接続されている。これら複数のソース線SLは、ソースデコーダ(行デコーダ)12a、12bに接続されている。
また、同一の列に存在する複数のメモリセルトランジスタMTのドレインは、ローカルビット線(ビット線)LBLにより共通接続されている。
また、同一の列に存在する複数のダミーセルトランジスタDTのドレインは、ダミーローカルビット線(ダミービット線)DLBLにより共通接続されている。
1本のローカルビット線LBLに接続されているメモリセルトランジスタMTの数と、1本のダミーローカルビット線DLBLに接続されているダミーセルトランジスタDTの数とは、同じである。換言すれば、1本のローカルビット線LBLに接続されているメモリセルMCの数と、1本のダミーローカルビット線DLBLに接続されているダミーセルDCの数とは、同じである。このため、ローカルビット線LBLに流れるコラムリーク電流と、ダミーローカルビット線DLBLに流れるコラムリーク電流とは同等となる。
1本のローカルビット線LBLに接続されるメモリセルMCの数は、例えば64個である。また、1本のダミーローカルビット線DLBL線に接続されるダミーセルDCの数も、例えば64個である。
なお、1本のローカルビット線LBLに接続されているメモリセルMCの数は、64個に限定されるものではない。また、1本のダミーローカルビット線DLBLに接続されているダミーセルDCの数も、64個に限定されるものではない。例えば、1本のローカルビット線LBLに接続されているメモリセルMCの数を128個とし、1本のダミーローカルビット線DLBLに接続されているダミーセルDCの数を128個としてもよい。また、1本のローカルビット線LBLに接続されているメモリセルMCの数を256個とし、1本のダミーローカルビット線DLBLに接続されているダミーセルDCの数を256個としてもよい。
各々のセクタ0〜3には、図1に示すように、セクタセレクタ13a〜13dがそれぞれ設けられている。
セクタセレクタ13aには、図2に示すように、複数のトランジスタ14a〜14dが設けられている。セクタ0の各々のローカルビット線LBL及び各々のダミーローカルビット線DLBLは、セクタセレクタ13aに設けられた複数のトランジスタ14a〜14dのソースにそれぞれ接続されている。
セクタ0の各々のローカルビット線LBLは、トランジスタ14a〜14dをそれぞれ介してグローバルビット線(ビット線)GBLに接続されている。トランジスタ14a〜14dのゲートには、信号線SSEL0(0)〜SSEL0(3)がそれぞれ接続されている。いずれかのグローバルビット線GBLに接続された複数のトランジスタ14a〜14dのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、いずれかのローカルビット線LBLをグローバルビット線GBLに接続することが可能である。
また、セクタ0の各々のダミーローカルビット線DLBLは、トランジスタ14a〜14dをそれぞれ介してダミービット線DUM_BL0に接続されている。ダミービット線DUM_BL0に接続された複数のトランジスタ14a〜14dのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、いずれかのダミーローカルビット線DLBLをダミービット線DUM_BL0に接続することが可能である。
セクタセレクタ13bには、図3に示すように、複数のトランジスタ15a〜15dが設けられている。セクタ1の各々のローカルビット線LBL及び各々のダミーローカルビット線DLBLは、セクタセレクタ13bに設けられた複数のトランジスタ15a〜15dのソースにそれぞれ接続されている。
セクタ1の各々のローカルビット線LBLは、トランジスタ15a〜15dをそれぞれ介してグローバルビット線GBLに接続されている。トランジスタ15a〜15dのゲートには、信号線SSEL1(0)〜SSEL1(3)がそれぞれ接続されている。いずれかのグローバルビット線GBLに接続された複数のトランジスタ15a〜15dのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、いずれかのローカルビット線LBLをグローバルビット線GBLに接続することが可能である。
また、セクタ1の各々のダミーローカルビット線DLBLは、トランジスタ15a〜15dをそれぞれ介してダミービット線DUM_BL1に接続されている。ダミービット線DUM_BL1に接続された複数のトランジスタ15a〜15dのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、いずれかのダミーローカルビット線DLBLをダミービット線DUM_BL1に接続することが可能である。
セクタセレクタ13cには、図4に示すように、複数のトランジスタ16a〜16dが設けられている。セクタ2の各々のローカルビット線LBL及び各々のダミーローカルビット線DLBLは、セクタセレクタ13cに設けられた複数のトランジスタ16a〜16dのソースにそれぞれ接続されている。
セクタ2の各々のローカルビット線LBLは、トランジスタ16a〜16dをそれぞれ介してグローバルビット線GBLに接続されている。トランジスタ16a〜16dのゲートには、信号線SSEL2(0)〜SSEL2(3)がそれぞれ接続されている。いずれかのグローバルビット線GBLに接続された複数のトランジスタ16a〜16dのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、いずれかのローカルビット線LBLをグローバルビット線GBLに接続することが可能である。
また、セクタ2の各々のダミーローカルビット線DLBLは、トランジスタ16a〜16dをそれぞれ介してダミービット線DUM_BL0に接続されている。ダミービット線DUM_BL0に接続された複数のトランジスタ14a〜14dのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、いずれかのダミーローカルビット線DLBLをダミービット線DUM_BL0に接続することが可能である。
セクタセレクタ13dには、図5に示すように、複数のトランジスタ17a〜17dが設けられている。セクタ3の各々のローカルビット線LBL及び各々のダミーローカルビット線DLBLは、セクタセレクタ13dに設けられた複数のトランジスタ17a〜17dのソースにそれぞれ接続されている。
セクタ3の各々のローカルビット線LBLは、トランジスタ17a〜17dをそれぞれ介してグローバルビット線GBLに接続されている。トランジスタ17a〜17dのゲートには、信号線SSEL3(0)〜SSEL3(3)がそれぞれ接続されている。いずれかのグローバルビット線GBLに接続された複数のトランジスタ17a〜17dのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、いずれかのローカルビット線LBLをグローバルビット線GBLに接続することが可能である。
また、セクタ3の各々のダミーローカルビット線DLBLは、トランジスタ17a〜17dをそれぞれ介してダミービット線DUM_BL1に接続されている。ダミービット線DUM_BL1に接続された複数のトランジスタ17a〜17dのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、いずれかのダミーローカルビット線DLBLをダミービット線DUM_BL1に接続することが可能である。
複数のグローバルビット線GBLは、メモリセル用のYデコーダ(列デコーダ)20に接続されている。メモリセルアレイ用のYデコーダ20は、複数のグローバルビット線GBLのうちのいずれかを、信号線BLに接続する。
信号線BLは、センスアンプ47の一方の入力端子50aに接続されている。このため、センスアンプ57の一方の入力端子50aには、選択されたメモリセルMCが、ローカルビット線LBL,グローバルビット線GBL及び信号線BLを介して接続される。
図6は、メモリセルを示す断面図及び平面図である。図6(b)は、平面図であり、図6(a)は図6(b)のA−A′線断面図である。
図6(a)に示すように、半導体基板22上には、例えば膜厚10nm程度のシリコン酸化膜のトンネル酸化膜(ゲート絶縁膜)24が形成されている。トンネル酸化膜24上には、例えばポリシリコンのフローティングゲート26が形成されている。フローティングゲート26上には、例えば膜厚10nm程度のシリコン酸化窒化膜の絶縁膜28が形成されている。絶縁膜28上には、例えばポリシリコンのコントロールゲート30が形成されている。トンネル酸化膜24、フローティングゲート26、絶縁膜28及びコントロールゲート30を含む積層体32の側部には、サイドウォール絶縁膜34が形成されている。サイドウォール絶縁膜34が形成された積層体32の両側の半導体基板22内には、ソース/ドレイン拡散層36a、36bが形成されている。
図6(b)に示すように、複数のワード線WLが並行するように形成されている。ワード線WLは同一の行に存在するメモリセルトランジスタMTのコントロールゲート30を共通接続している。ワード線WLに交差するように、複数のソース線SLが形成されている。ソース線SLは、コンタクトプラグ38aを介してソース拡散層36aに電気的に接続されている。ローカルビット線LBLは、コンタクトプラグ38bを介してドレイン拡散層36bに電気的に接続されている。
こうして、メモリセルMCを形成するメモリセルトランジスタMTが形成されている。
図7は、ダミーセルを示す断面図及び平面図である。図7(b)は、平面図であり、図7(a)は図7(b)のB−B′線断面図である。
図7(a)に示すように、半導体基板22上には、例えば膜厚10nm程度のシリコン酸化膜のトンネル酸化膜(ゲート絶縁膜)24が形成されている。トンネル酸化膜24上には、例えばポリシリコンのフローティングゲート26が形成されている。フローティングゲート26上には、例えば膜厚10nm程度のシリコン酸化窒化膜の絶縁膜28が形成されている。絶縁膜28上には、例えばポリシリコンのコントロールゲート30が形成されている。トンネル酸化膜24、フローティングゲート26、絶縁膜28及びコントロールゲート30を含む積層体32の側部には、サイドウォール絶縁膜34が形成されている。サイドウォール絶縁膜34が形成された積層体32の両側の半導体基板22内には、ソース/ドレイン拡散層36a、36bが形成されている。
図7(b)に示すように、複数のワード線WLが並行するように形成されている。ワード線WLは同一の行に存在するダミーセルトランジスタDTのコントロールゲート30を共通接続している。ワード線WLに交差するように、複数のソース線SLが形成されている。ソース線SLは、コンタクトプラグ38aを介してソース拡散層36aに電気的に接続されている。ローカルダミービット線LDBLは、コンタクトプラグ38bを介してドレイン拡散層36bに電気的に接続されている。
こうして、ダミーセルDCを形成するダミーセルトランジスタDTが形成されている。
上述したように、ダミーセルDCは、メモリセルMCを形成するメモリセルトランジスタMTと同構造のメモリセルトランジスタ(ダミーセルトランジスタ)DTにより形成されている。換言すれば、ダミーセルDCは、メモリセルMCを形成するメモリセルトランジスタMTと同サイズのメモリセルトランジスタ(ダミーセルトランジスタ)DTにより形成されている。
図1に示すように、メモリセルアレイ10と別個に、リファレンスセルアレイ40が設けられている。
図8は、本実施形態による半導体記憶装置の一部を示す回路図である。なお、図8においては、セクタ0及びセクタ1の図示を省略している。
図8に示すように、複数のリファレンスセルRCがマトリクス状に配列されている。複数のリファレンスセルRCにより、リファレンスセルアレイ40が形成されている。
複数のリファレンスセルRCのうちの一のリファレンスセルRC(P)は、書き込みベリファイ(プログラムベリファイ)用のリファレンスセルである。プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のメモリセルトランジスタMT′のゲートには、プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)を選択するためのワード線REF_WL_Pが接続されている。プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)の閾値電圧PGMVは、例えば6V程度に設定されている。
複数のリファレンスセルRCのうちの他のリファレンスセルRC(E)は、消去ベリファイ(イレースベリファイ)用のリファレンスセルRC(E)である。消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のゲートには、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)を選択するためのワード線REF_WL_Eが接続されている。消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)の閾値電圧ERSVは、例えば3V程度に設定されている。
複数のリファレンスセルRCのうちの更に他のリファレンスセルRC(S)は、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルである。ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のメモリセルトランジスタMT′のゲートには、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)を選択するためのワード線REF_WL_Sが接続されている。ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)の閾値電圧SPGMVは、例えば1V程度に設定されている。
これらリファレンスセルアレイ用のワード線REF_WL_E、REF_WL_P、REF_WL_Sは、リファレンスセルアレイ用のXデコーダ(行デコーダ)42に接続されている。
リファレンスセルRC(P)、RC(E)、RC(S)の各々のメモリセルトランジスタMT′のソースは、ソース線SL′に接続されている。かかるソース線SL′は、リファレンスセルアレイ用のソースデコーダ(行デコーダ)44(図1参照)に接続されている。
プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のドレインには、リファレンスビット線REF_BL_Pが接続されている。プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)以外のリファレンスセルRCは、リファレンスビット線REF_BL_Pに接続されていない。
消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のドレインには、リファレンスビット線REF_BL_Eが接続されている。消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)以外のリファレンスセルRCは、リファレンスビット線REF_BL_Eに接続されていない。
ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のドレインには、リファレンスビット線REF_BL_Sが接続されている。ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)以外のリファレンスセルRCは、リファレンスビット線REF_BL_Sに接続されていない。
リファレンスビット線REF_BL_P、REF_BL_E、REF_BL_Sは、リファレンスセルアレイ用のYデコーダ(列デコーダ)45(図1参照)に接続されている。より具体的には、リファレンスビット線REF_BL_P、REF_BL_E、REF_BL_Sは、リファレンスセルアレイ用のYデコーダ45に設けられた複数のトランジスタ46a〜46cのソースにそれぞれ接続されている。複数のトランジスタ46a〜46cのドレインは、信号線REF_BLに接続されている。複数のトランジスタ46a〜46dのゲートには、信号線SEL_P、SEL_E、SEL_Sがそれぞれ接続されている。複数のトランジスタ46a〜46cのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、リファレンスビット線REF_BL_P、REF_BL_E、REF_BL_Sのうちのいずれかを信号線REF_BLに接続することが可能である。
リファレンスセルアレイ用のYデコーダ45は、複数のトランジスタ46a〜46cのうちのいずれかをオン状態に設定することにより、リファレンスセルRC(P)、RC(E)、RC(S)のうちのいずれかを信号線REF_BLに接続し得る。信号線REF_BLは、図1に示すように、センスアンプ47の入力端子50bに接続されている。
図8に示すように、ダミービット線DEM_BL0、DEM_BL1は、トランジスタ48a、48bのソースにそれぞれ接続されている。トランジスタ48a、48bのドレインは、信号線REF_BLに接続されている。トランジスタ48a、48bのゲートには、信号SEL_D0、SEL_D1がそれぞれ入力されるようになっている。
なお、図1においては、トランジスタ48a、48bの図示を省略している。
信号SEL_D0、SEL_D1は、以下のような論理回路を用いて生成される。
即ち、信号SEL_D0は、ORゲート58とANDゲート60とを組み合わせた論理回路を用いて生成される。ORゲート58の入力端子には、信号SEC1と信号SEC3とが入力されるようになっている。信号SEC1は、セクタ1が選択されている際にHレベルとなるものである。信号SEC3は、セクタ3が選択されている際にHレベルとなるものである。ANDゲート60の入力端子には、ORゲート58の出力信号、及び、信号ERSVが入力される。ORゲート58の出力信号は、セクタ1又はセクタ3が選択されている際にHレベルとなるものである。また、信号ERSVは、消去ベリファイが行われている際にHレベルとなるものである。従って、信号SEL_D0は、セクタ1又はセクタ3が選択されており、且つ、消去ベリファイが行われている際に、Hレベルとなる。
また、信号SEL_D1は、ORゲート62とANDゲート64とを組み合わせた論理回路を用いて生成される。ORゲート62の入力端子には、信号SEC0と信号SEC2とが入力されるようになっている。信号SEC0は、セクタ0が選択されている際にHレベルとなるものである。信号SEC2は、セクタ2が選択されている際にHレベルとなるものである。ANDゲート64の入力端子には、ORゲート62の出力信号、及び、信号ERSVが入力される。ORゲート62の出力信号は、セクタ0又はセクタ2が選択されている際にHレベルとなるものである。また、信号ERSVは、消去ベリファイが行われている際にHレベルとなるものである。従って、信号SEL_D1は、セクタ0又はセクタ2が選択されており、且つ、消去ベリファイが行われている際に、Hレベルとなる。
トランジスタ48a、48bのゲートには、このような信号SEL_D0、SEL_D1がそれぞれ入力されるようになっている。このため、セクタ1又はセクタ3の側が選択されており、且つ、消去ベリファイが行われている際には、トランジスタ48aがオン状態となる。トランジスタ48aがオン状態となるため、セクタ0又はセクタ2の側のダミービット線DEM_BL0が、信号線REF_BLに接続される。一方、トランジスタ48bはオフ状態であるため、セクタ1又はセクタ3の側のダミービット線DEM_BL1は、信号線REF_BLに接続されない。このように、セクタ1又はセクタ3の側のメモリセルMCの消去ベリファイを行う際には、セクタ0又はセクタ2の側のダミービット線DEM_BL0が信号線REF_BLに接続される。
セクタ0又はセクタ2の側が選択されており、且つ、消去ベリファイが行われている際には、トランジスタ48bがオン状態となる。トランジスタ48bがオン状態となるため、セクタ1又はセクタ3の側のダミービット線DEM_BL1が、信号線REF_BLに接続される。一方、トランジスタ48aは、オフ状態である。このため、セクタ0又はセクタ2の側のダミービット線DEM_BL0は、信号線REF_BLに接続されない。このように、セクタ0又はセクタ2の側のメモリセルMCの消去ベリファイを行う際には、セクタ1又はセクタ3の側のダミービット線DEM_BL1が信号線REF_BLに接続される。
なお、図1においては、ORゲート58,62及びANDゲート60,64の図示を省略している。
信号SEL_D0は、トランジスタ48aのゲートのみならず、インバータ66の入力端子にも接続されている。かかるインバータ66の出力端子は、トランジスタ68のゲートに接続されている。トランジスタ68のソースはダミービット線DUM_BL0に接続されており、トランジスタ68のドレインはYデコーダ20に接続されている。このため、セクタ1又はセクタ3の側の消去ベリファイの際以外は、ダミービット線DUM_BL0はYデコーダ20に接続される。
また、信号SEL_D1は、トランジスタ48bのゲートのみならず、インバータ70の入力端子にも接続されている。かかるインバータ70の出力端子は、トランジスタ72のゲートに接続されている。トランジスタ72のソースはダミービット線DUM_BL1に接続されており、トランジスタ72のドレインはYデコーダ20に接続されている。このため、セクタ0又はセクタ2の側の消去ベリファイの際以外は、ダミービット線DUM_BL1はYデコーダ20に接続される。
上述したように、ダミービット線DUM_BL0が信号線REF_BLに接続されるのは、セクタ1又はセクタ3の側のメモリセルMCの消去ベリファイを行う際だけである。また、ダミービット線DUM_BL1が信号線REF_BLに接続されるのは、セクタ0又はセクタ2の側のメモリセルMCの消去ベリファイを行う際だけである。プログラムベリファイやソフトプログラムベリファイを行う際には、ダミービット線DUM_BL0、DUM_BL1は信号線REF_BLに接続されない。
なお、図1においては、インバータ66,70及びトランジスタ68,72の図示を省略している。
センスアンプ47は、差動型のセンスアンプである。センスアンプ47の一方の入力端子50aには、選択されたメモリセルMCが、選択されたビット線LBL,GBL等を介して、電気的に接続される。また、センスアンプ47の他方の入力端子50bには、選択されたリファレンスセルRC(P)、RC(E)、RC(S)が、選択されたリファレンスビット線REF_BL_P、REF_BL_E,REF_BL_S等を介して、適宜電気的に接続される。消去ベリファイ時には、センスアンプ47の他方の入力端子50bに、ダミーセルDCが、選択されたダミービット線DLBL等を介して、電気的に接続される。センスアンプ47は、メモリセルMCに電気的に接続された一方の入力端子50bに流れる電流と、リファレンスセルRCに電気的に接続された他方の入力端子50bに流れる電流とを比較する。換言すれば、センスアンプ47は、メモリセルMCに電気的に接続された一方の入力端子50bの電圧(電位)とリファレンスセルRCに電気的に接続された他方の入力端子50bの電圧(電位)とを比較する。センスアンプ47は、一方の入力端子50aと他方の入力端子50bとにおける電流又は電圧の比較結果に基づいて、ベリファイの合否を判定する。
メモリセルMCに電気的に接続された一方の入力端子50aにおける電流が、リファレンスセルRC(E)に電気的に接続された他方の入力端子50bにおける電流より大きい場合には、消去ベリファイは合格(Pass)と判定される。
一方、メモリセルMCに電気的に接続された一方の入力端子50aにおける電流が、リファレンスセルRC(E)に電気的に接続された他方の入力端子50bにおける電流より小さい場合には、消去ベリファイは不合格(Fail)と判定される。
センスアンプ47によるベリファイの合否の判定結果は、ステートマシン(制御部、制御回路)52に入力されるようになっている。
ステートマシン52は、本実施形態による半導体記憶装置全体の制御を行うものである。ステートマシン52は、アドレス生成・プリデコーダ54に信号を出力する。ステートマシン52は、ベリファイが合格の場合には、アドレスの値をインクリメントし、インクリメントされたアドレス信号を、アドレス生成回路・プリデコーダ54に出力する。
アドレス生成回路・プリデコーダ54は、ステートマシン52からの信号に基づいて、Xデコーダ11、Yデコーダ20、及び、ソースデコーダ12a、12b等に対して、信号を出力する。
また、ステートマシン52は、リファレンスセルアレイ用のXデコーダ42、ソースデコーダ44及びYデコーダ45等に対しても、制御信号を出力する。
また、ステートマシン52は、電圧発生回路(電源供給回路)56に対しても、制御信号を出力する。
電圧発生回路56は、各回路に電源を供給する。
こうして、本実施形態による半導体記憶装置が形成されている。
(消去方法)
次に、本実施形態による半導体記憶装置の消去方法について図1乃至図10を用いて説明する。図9は、本実施形態による半導体記憶装置の消去方法を示すフローチャートである。
半導体記憶装置のメモリセルアレイ10に書き込まれた情報の消去は、上述したように、セクタ(メモリブロック)毎に一括して行われる。
ここでは、まず、セクタ2内に存在するメモリセルMCに書き込まれた情報を消去し、この後、セクタ3内に存在するメモリセルMCに書き込まれた情報を消去する場合を例に説明する。
セクタ2内に存在するメモリセルMCに書き込まれた情報は、以下のようにして消去される。
まず、セクタ2内のメモリセルMCに書き込まれた情報を消去する消去シーケンスの前に、セクタ2内の全てのメモリセルMCを、書き込まれた状態、即ち、プログラムされた状態にするプリプログラムのシーケンスが行われる。メモリセルMCの情報を消去する前にプリプログラムを行うのは、消去されたメモリセルMCと書き込まれたメモリセルMCとが混在すると、過剰に消去された状態のメモリセルMCが生じてしまう虞があるためである。
プリプログラムのシーケンスにおいては、まず、セクタ2内の全てのメモリセルMCに対し、以下のようにして、プログラムベリファイ(Program Verify、書き込みベリファイ)が行われる(ステップS1)。プログラムベリファイを行う際には、プログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのゲートに接続されたワード線WLを、Xデコーダ11により選択する。具体的には、プログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのゲートに接続されたワード線WLの電位をHレベルとし、当該ワード線WL以外のワード線WLの電位をLレベルとする。Hレベルのワード線WLの電位、即ち、選択したワード線WLの電位は、例えば3V程度とする。Lレベルのワード線WLの電位、即ち、非選択のワード線WLの電位は、例えば0Vとする。また、プログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソース線SLを、ソースデコーダ12aにより接地(0V)する。また、プログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインに接続されたローカルビット線LBLを、セクタセレクタ13c及びYデコーダ20を用いて選択する。具体的には、セクタセレクタ13c内に設けられた複数のトランジスタ14a〜14dのいずれかをオン状態に設定することにより、ローカルビット線LBLを選択する。また、Yデコーダ20内に設けられた複数のトランジスタ(図示せず)のうちのいずれかをオン状態にすることにより、選択されたローカルビット線LBLを信号線BLに接続する。こうして、プログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインが、選択されたローカルビット線LBL、選択されたグローバルビット線GBL及び信号線BLを介して、センスアンプ47の一方の入力端子50aに接続される。
また、プログラムベリファイを行う際には、プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のメモリセルトランジスタMT′のゲートに接続されたワード線REF_WL_Pを、Xデコーダ42により選択する。具体的には、プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のメモリセルトランジスタMT′のゲートに接続されたワード線REF_WL_Pの電位をHレベルとし、当該ワード線以外のワード線REF_WL_E,REF_WL_Sの電位をLレベルとする。また、プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のメモリセルトランジスタMT′のソースに接続されたソース線SL′を、ソースデコーダ44により接地(0V)する。また、プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のメモリセルトランジスタMT′のドレインに接続されたリファレンスビット線REF_BL_Pを、Yデコーダ45を用いて選択する。具体的には、トランジスタ46aをオン状態とし、トランジスタ46b、46cをオフ状態とすることにより、リファレンスビット線REF_BL_Pを選択する。こうして、プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のメモリセルトランジスタMT′のドレインが、リファレンスビット線REF_BL_P及び信号線REF_BLを介して、センスアンプ47の他方の入力端子50bに接続される。プログラムベリファイの際には、トランジスタ48a、48bはオフ状態であるため、ダミービット線DUM_BL0、DUM_BL1は、信号線REF_BLに接続されない。
プログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のメモリセルトランジスタMT′の閾値電圧PGMVより低い場合には、不合格(Fail、フェイル)である。一方、プログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、プログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(P)のメモリセルトランジスタMT′の閾値電圧PGMVより高い場合には、合格(Pass、パス)である。
プログラムベリファイの合否判定は、差動型のセンスアンプ47を用いて行われる。具体的には、まず、選択されたメモリセルMCに接続されたビット線LBL、GBL、BLと、リファレンスセルRC(P)に接続されたビット線REF_BL_P、REF_BLとに対して、プリチャージを行う。そして、選択されたメモリセルMCに電気的に接続された入力端子50aとリファレンスセルRC(P)に電気的に接続された入力端子50bとにおける電流又は電圧を、センスアンプ47により比較する。メモリセルMCに電気的に接続された入力端子50aに流れる電流が、リファレンスセルRC(P)に電気的に接続された入力端子50bに流れる電流より大きい場合には、プログラムベリファイは不合格(Fail)である。
プログラムベリファイの結果が不合格である場合には、センスアンプ47は、不合格を示す信号をステートマシン52に対して出力する。
プログラムベリファイの結果が不合格の場合には、当該メモリセルMCに対して、プログラム(Program、書き込み)が行われる(ステップS2)。
そして、プログラムを行ったメモリセルMCに対して、再度、プログラムベリファイが行われる(ステップS1)。
メモリセルMCに電気的に接続された入力端子50aに流れる電流が、リファレンスセルRC(P)に電気的に接続された入力端子50bに流れる電流より小さい場合には、プログラムベリファイは合格(Pass)である。
プログラムベリファイの結果が合格の場合には、当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレス(Last Address)であるか否かを判定する(ステップS3)。当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレスでない場合(False)には、当該アドレスに1を加算し(address+1)(ステップS4)、次のアドレスのメモリセルMCに対してプログラムベリファイを行う(ステップS1)。
最後のアドレスのメモリセルMCに対してのプログラムベリファイが完了すると(Truth)、プリプログラムのシーケンスが完了する。
図10は、メモリセルの閾値電圧の分布を示すグラフである。図10における横軸は、閾値電圧を示している。図10における縦軸は、セル数を示している。
図10に示すように、プリプログラムのシーケンスが完了した段階では、セクタ2内のメモリセルMC,DCの閾値電圧は、リファレンスセルRC(P)の閾値電圧PGMVより高くなっている(分布100)。
プリプログラムのシーケンスが完了した後には、消去のシーケンスに移行する。
消去のシーケンスにおいては、まず、消去ベリファイ(Erase Verify、イレースベリファイ)が、以下のようにして行われる(ステップS5)。
即ち、まず、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのゲートに接続されたワード線WLを、Xデコーダ11により選択する。具体的には、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのゲートに接続されたワード線WLの電位をHレベルとし、当該ワード線WL以外のワード線WLの電位をLレベルとする。また、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソース線SLを、ソースデコーダ12aにより接地(0V)する。また、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインに接続されたローカルビット線LBLを、セクタセレクタ13c及びYデコーダ20を用いて選択する。具体的には、セクタセレクタ13c内に設けられた複数のトランジスタ14a〜14dのいずれかをオン状態に設定することにより、ローカルビット線LBLを選択する。また、Yデコーダ20内に設けられた複数のトランジスタ(図示せず)のうちのいずれかをオン状態にすることにより、選択されたローカルビット線LBLを信号線BLに接続する。こうして、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインが、選択されたローカルビット線LBL、選択されたグローバルビット線GBL及び信号線BLを介して、センスアンプ47の一方の入力端子50aに接続される。
また、消去ベリファイを行う際には、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のゲートに接続されたワード線REF_WL_Eを、Xデコーダ42により選択する。具体的には、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のゲートに接続されたワード線REF_WL_EをHレベルとし、当該ワード線以外のワード線REF_WL_P,REF_WL_SをLレベルとする。また、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のソースに接続されたソース線SL′を、ソースデコーダ44により接地(0V)する。また、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のドレインに接続されたリファレンスビット線REF_BL_Eを、Yデコーダ45を用いて選択する。具体的には、トランジスタ46bをオン状態とし、トランジスタ46a、46cをオフ状態とすることにより、リファレンスビット線REF_BL_Eを選択する。こうして、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のドレインが、リファレンスビット線REF_BL_E及び信号線REF_BLを介して、センスアンプ47の他方の入力端子50bに接続される。
セクタ2のメモリセルMCの消去ベリファイの際には、トランジスタ48bがオン状態となるため、ダミービット線DUM_BL1が、信号線REF_BLに接続される。このため、セクタ3に設けられた複数のダミーセルDCが、ダミーローカルビット線DLBL、及び、ダミービット線DUM_BL1を介して、信号線REF_BLに接続される。セクタ3内のダミーセルDCは、予め消去状態に設定されている。また、セクタ3(DCT3)のダミーセルDCのメモリセルトランジスタDTのゲートに接続されたワード線WLの電位は、いずれもLレベル(0V)に設定される。このため、セクタ3に設けられた複数のダミーセルDCに電気的に接続された信号線REF_BLには、ダミーセルDCによるコラムリーク電流が流れることとなる。なお、トランジスタ48aはオフ状態であるため、ダミービット線DUM_BL0は、信号線REF_BLに接続されない。このように、消去ベリファイの際には、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のみならず、消去対象のセクタ2とは異なるセクタ3のダミーセルDCも、センスアンプ47の入力端子50bに電気的に接続される。
消去ベリファイの対象となる選択されたメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′の閾値電圧ERSVより高い場合には、消去ベリファイは不合格(Fail)である。一方、消去ベリファイの対象となる選択されたメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′の閾値電圧ERSVより低い場合には、消去ベリファイは合格(Pass)である。消去ベリファイの合否判定は、メモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aとリファレンスセルRC(E)に接続されたセンスアンプ47の入力端子50bとにおける電流又は電流を比較することにより行われる。例えば、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aに流れる電流が、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)に接続されたセンスアンプ47の入力端子50bに流れる電流より大きい場合には、合格となる。一方、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aに流れる電流が、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)に接続されたセンスアンプ47の入力端子50bに流れる電流より小さい場合には、不合格となる。
選択されたメモリセルMCに電気的に接続されたセンスアンプ47の入力端子50aには、選択されたメモリセルMCに流れる電流のみならず、ローカルビット線LBLにより共通接続された非選択の複数のメモリセルMCによるリーク電流も流れる。かかるリーク電流(コラムリーク電流)は、高温になる程大きくなる傾向がある。このため、選択されたメモリセルMCに電気的に接続された入力端子50aにおける電流と、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)に単に電気的に接続した入力端子50bにおける電流とを比較した場合には、高温において、消去ベリファイの誤判定が生じてしまう虞がある。即ち、選択されたメモリセルMCが十分に消去されていないにもかかわらず、選択されたメモリセルMCに電気的に接続された入力端子50aにおける電流が大きくなり、消去ベリファイを合格と判定してしまう虞がある。
これに対し、本実施形態では、消去ベリファイの際、消去対象のセクタ2とは異なるセクタ3に設けられた非選択のダミーセルDCを共通接続するダミーローカルビット線DLBLを、センスアンプ47の入力端子50bに電気的に接続する。このため、ダミーローカルビット線DLBLにより共通接続された非選択の複数のダミーセルDCによるリーク電流が、センスアンプ47の入力端子50bに流れる。このため、入力端子50aに電気的に接続された非選択の複数のメモリセルMCによるリーク電流の影響を、入力端子50bに電気的に接続された非選択の複数のダミーセルDCによるリーク電流により相殺することができる。従って、本実施形態によれば、選択されたメモリセルMCが十分に消去されていないにもかかわらず、消去ベリファイを合格と判定してしまうのを防止することができる。
図10に示すように、プリプログラムが行われた後、消去が行われる前の段階では、セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧は、分布100のように分布している。セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧は、いずれも消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)の閾値電圧ERSVより高いため、消去ベリファイは不合格である。
消去ベリファイの結果が不合格である場合には、センスアンプ47は、不合格を示す信号をステートマシン52に対して出力する。
消去ベリファイの結果が不合格(Fail)である場合には、メモリセルMCに書き込まれた情報の消去(Erase)が行われる(ステップS6)。メモリセルMCに書き込まれた情報の消去は、上述したようにセクタ単位で行われる。ここでは、セクタ2内の全てのメモリセルMCに対して一括して消去が行われる。セクタ2内の全てのメモリセルMCに書き込まれた情報の消去は、セクタ2の全てのワード線WLを負の電位に設定し、セクタ2のウェル(図示せず)を正の電位に設定することにより行われる。ここでは、セクタ2の全てのワード線WLの電位を例えば−10Vに設定する。また、セクタ2のウェルの電位を例えば10Vに設定する。なお、消去を行うための電圧は、パルス状に所定時間印加される(イレースパルス)。
消去を行った後には、過剰に消去したメモリセルMC、即ち、過消去のメモリセルMCに対して、以下のようにして、ソフトプログラムが行われる。ソフトプログラムとは、過消去のメモリセルMCに対して、適度に書き込みを行うことにより、当該メモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させるものである。
ソフトプログラムのシーケンスにおいては、まず、ソフトプログラムベリファイ(Soft Program Verify)が行われる(ステップS7)。
ソフトプログラムベリファイを行う際には、ソフトプログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのゲートに接続されたワード線WLを、Xデコーダ11により選択する。具体的には、ソフトプログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのゲートに接続されたワード線WLの電位をHレベルとし、当該ワード線WL以外のワード線WLの電位をLレベルとする。また、ソフトプログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソース線SLを、ソースデコーダ12aにより接地(0V)する。また、ソフトプログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインに接続されたローカルビット線LBLを、セクタセレクタ13c及びYデコーダ20を用いて選択する。具体的には、セクタセレクタ13c内に設けられた複数のトランジスタ14a〜14dのいずれかをオン状態に設定することにより、ローカルビット線LBLを選択する。また、Yデコーダ20内に設けられた複数のトランジスタ(図示せず)のうちのいずれかをオン状態にすることにより、選択されたローカルビット線LBLを信号線BLに接続する。こうして、ソフトプログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインが、選択されたローカルビット線LBL、選択されたグローバルビット線GBL及び信号線BLを介して、センスアンプ47の一方の入力端子50aに接続される。また、ソフトプログラムベリファイを行う際には、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のメモリセルトランジスタMT′のゲートに接続されたワード線REF_WL_Sを、Xデコーダ42により選択する。具体的には、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のメモリセルトランジスタMT′のゲートに接続されたワード線REF_WL_SをHレベルとし、当該ワード線以外のワード線REF_WL_P,REF_WL_EをLレベルとする。また、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のメモリセルトランジスタMT′のソースに接続されたソース線SL′を、ソースデコーダ44により接地(0V)する。また、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のメモリセルトランジスタMT′のドレインに接続されたリファレンスビット線REF_BL_Sを、Yデコーダ45を用いて選択する。具体的には、トランジスタ46cをオン状態とし、トランジスタ46a、46bをオフ状態とすることにより、リファレンスビット線REF_BL_Sを選択する。こうして、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のメモリセルトランジスタMT′のドレインが、リファレンスビット線REF_BL_S及び信号線REF_BLを介して、センスアンプ47の他方の入力端子50bに接続される。ソフトプログラムベリファイの際には、トランジスタ48a、48bがオフ状態であるため、ダミービット線DUM_BL0,DUM_BL1は信号線REF_BLに接続されない。
ソフトプログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のメモリセルトランジスタMT′の閾値電圧SPGMVより低い場合には、不合格(Fail)である。一方、ソフトプログラムベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)のメモリセルトランジスタMT′の閾値電圧SPGMVより高い場合には、合格(Pass)である。ソフトプログラムベリファイの合否判定は、メモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aとリファレンスセルRC(S)に接続されたセンスアンプ47の入力端子50bとにおける電流又は電流を比較することにより行われる。例えば、ソフトプログラムベリファイの対象のメモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aに流れる電流が、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)に接続された入力端子50bに流れる電流より小さい場合には、合格となる。一方、ソフトプログラムベリファイの対象のメモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aに流れる電流が、ソフトプログラムベリファイ用のリファレンスセルRC(S)に接続された入力端子50bに流れる電流より大きい場合には、不合格となる。ソフトプログラムベリファイの結果が不合格である場合には、センスアンプ47は、不合格を示す信号をステートマシン52に対して出力する。
ソフトプログラムベリファイの結果が不合格(Fail)である場合には、当該メモリセルMCに対してソフトプログラム(Soft Program)が行われる(ステップS8)。
そして、ソフトプログラムを行ったメモリセルMCに対して、再度、ソフトプログラムベリファイが行われる(ステップS7)。
ソフトプログラムベリファイの結果が合格(Pass)の場合には、当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレス(Last Address)であるか否かを判定する(ステップS9)。当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレスでない場合(False)には、当該アドレスに1を加算し(address+1)(ステップS10)、次のアドレスのメモリセルMCに対してソフトプログラムベリファイを行う(ステップS7)。
図10に示すように、1回目の消去が行われた段階では、セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧は、例えば分布101のように分布している。セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧が、図10の分布101のように、いずれもソフトベリファイ用のリファレンスセルRC(S)の閾値電圧SPGMVより高い場合には、ソフトプログラムベリファイはいずれも合格となる。
最後のアドレスのメモリセルMCに対してのソフトプログラムベリファイが完了した場合(Truth)には、消去ベリファイを再度行う(ステップS5)。
1回目の消去が行われた段階では、上述したように、セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧は、例えば図10の分布101のように分布している。セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧が、図10の分布101のように、いずれも消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)の閾値電圧ERSVより高い場合には、消去ベリファイはいずれも不合格となる。
消去ベリファイが不合格の場合には、再び消去を行う(ステップS6)。消去は、上記と同様に、セクタ2内のメモリセルMCに対して一括して行われる。
そして、上述したソフトプログラムのシーケンス(ステップS7〜S10)が適宜行われる。
2回目の消去が行われた段階では、セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧は、例えば図10の分布102のように分布する。セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧が、図10の分布102のように、いずれもソフトベリファイ用のリファレンスセルRC(S)の閾値電圧SPGMVより高い場合には、ソフトプログラムベリファイはいずれも合格となる。
ソフトプログラムのシーケンスが行われた後には、再度、消去ベリファイが行われる(ステップS5)。
選択されたメモリセルMCが消去ベリファイを合格した場合には、当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレス(Last Address)であるか否かを判定する(ステップS11)。当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレスでない場合には、当該アドレスに1を加算し(address+1)(ステップS12)、次のアドレスのメモリセルMCに対して消去ベリファイを行う(ステップS5)。
2回目の消去が行われた段階では、セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧は、例えば図10の分布102のように分布する。消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)の閾値電圧ERSVより閾値電圧が低いメモリセルMC,DCについては、消去ベリファイは合格となる。一方、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)の閾値電圧ERSVより閾値電圧が高いメモリセルMC,DCについては、消去ベリファイは不合格となる。
消去ベリファイが不合格の場合には、再び消去を行う(ステップS6)。消去は、上記と同様に、セクタ2内のメモリセルMCに対して一括して行われる。
そして、上述したソフトプログラムのシーケンス(ステップS7〜S10)が適宜行われる。例えば、3回目の消去が行われた段階では、ソフトベリファイ用のリファレンスセルRC(S)の閾値電圧SPGMVより閾値電圧の低いメモリセルMC,DCが生じる場合がある。
3回目の消去の後、ソフトプログラムを行うと、セクタ2内に存在するメモリセルMC,DCの閾値電圧は、例えば図10の分布103のように分布する。
ソフトプログラムのシーケンスが行われた後には、再度、消去ベリファイが行われる(ステップS5)。
最後のアドレスのメモリセルMCに対しての消去ベリファイが完了すると、セクタ2に対する消去のシーケンスが完了する。
こうして、セクタ2内に存在するメモリセルMCに書き込まれた情報が、消去される。
セクタ2に存在するメモリセルMCに書き込まれた情報の消去が完了した後には、例えば、セクタ3に存在するメモリセルMCに書き込まれた情報の消去が行われる。
セクタ3内に存在するメモリセルMCに書き込まれた情報の消去は、以下のようにして行われる。消去は、上述したように、セクタ単位で行われる。
まず、消去対象のセクタ3内のメモリセルMCに書き込まれた情報を消去する前に、プリプログラムのシーケンスが行われる。
プリプログラムのシーケンスにおいては、まず、セクタ3内の全てのメモリセルMCに対し、プログラムベリファイを行う(ステップS1)。
プログラムベリファイの結果が不合格の場合には、当該メモリセルMCに対して、プログラムが行われる(ステップS2)。
そして、プログラムを行ったメモリセルMCに対して、再度、プログラムベリファイが行われる(ステップS1)。
プログラムベリファイの結果が合格の場合には、当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレスであるか否かを判定する(ステップS3)。当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレスでない場合には、当該アドレスに1を加算し(ステップS4)、次のアドレスのメモリセルMCに対してプログラムベリファイを行う(ステップS1)。
最後のアドレスのメモリセルMCに対してのプログラムベリファイが完了した場合には、プリプログラムのシーケンスが完了する。プリプログラムのシーケンスが完了した場合には、消去のシーケンスに移行する。
消去のシーケンスにおいては、まず、消去ベリファイ(イレースベリファイ)を、以下のようにして行う(ステップS5)。
消去ベリファイを行う際には、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのゲートに接続されたワード線WLを、Xデコーダ11により選択する。具体的には、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのゲートに接続されたワード線WLをHレベルとし、当該ワード線WL以外のワード線WLをLレベルとする。また、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソース線SLを、ソースデコーダ12aにより接地(0V)する。また、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインに接続されたローカルビット線LBLを、セクタセレクタ13d及びYデコーダ20を用いて選択する。具体的には、セクタセレクタ13dに設けられた複数のトランジスタ14a〜14dのいずれかをオン状態に設定することにより、ローカルビット線LBLを選択する。また、Yデコーダ20内に設けられた複数のトランジスタ(図示せず)のうちのいずれかをオン状態にすることにより、選択されたローカルビット線LBLを信号線BLに接続する。こうして、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインが、選択されたローカルビット線LBL、選択されたグローバルビット線GBL及び信号線BLを介して、センスアンプ47の一方の入力端子50aに接続される。
また、消去ベリファイを行う際には、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のゲートに接続されたワード線REF_WL_Eを、Xデコーダ42により選択する。具体的には、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のゲートに接続されたワード線REF_WL_EをHレベルとし、当該ワード線以外のワード線REF_WL_P,REF_WL_SをLレベルとする。また、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のソースに接続されたソース線SL′を、ソースデコーダ44により接地(0V)する。また、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のドレインに接続されたリファレンスビット線REF_BL_Eを、Yデコーダ45を用いて選択する。具体的には、トランジスタ46bをオン状態とし、トランジスタ46a、46cをオフ状態とすることにより、リファレンスビット線REF_BL_Eを選択する。こうして、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′のドレインが、リファレンスビット線REF_BL_E及び信号線REF_BLを介して、センスアンプ47の他方の入力端子50bに接続される。
セクタ3のメモリセルMCの消去ベリファイの際には、トランジスタ48aがオン状態となるため、ダミービット線DUM_BL0が、信号線REF_BLに接続される。このため、セクタ2に設けられた複数のダミーセルDCが、ダミーローカルビット線DLBL、及び、ダミービット線DUM_BL0を介して、信号線REF_BLに接続される。セクタ2内のダミーセルDCは、予め消去状態に設定されている。また、セクタ2(DCT2)のダミーセルDCのメモリセルトランジスタDTのゲートに接続されたワード線WLの電位は、いずれもLレベル(0V)とする。このため、セクタ2に設けられた複数のダミーセルDCに電気的に接続された信号線REF_BLには、コラムリーク電流が流れることとなる。なお、トランジスタ48bはオフ状態であるため、ダミービット線DUM_BL1は、信号線REF_BLに接続されない。このように、消去ベリファイの際には、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のみならず、消去対象のセクタ3とは異なるセクタ2のダミーセルDCも、センスアンプ47の入力端子50bに電気的に接続される。
上述したように、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′の閾値電圧より高い場合には、不合格である。一方、上述したように、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)のメモリセルトランジスタMT′の閾値電圧より低い場合には、合格である。消去ベリファイの合否判定は、メモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aとリファレンスセルRC(E)に接続されたセンスアンプ47の入力端子50bとにおける電流又は電流を比較することにより行われる。例えば、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aに流れる電流が、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)に接続されたセンスアンプ47の入力端子50bに流れる電流より大きい場合には、合格となる。一方、消去ベリファイの対象となるメモリセルMCに接続されたセンスアンプ47の入力端子50aに流れる電流が、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)に接続されたセンスアンプ47の入力端子50bに流れる電流より小さい場合には、不合格となる。消去ベリファイの結果が不合格である場合には、センスアンプ47は、不合格を示す信号をステートマシン52に対して出力する。
消去ベリファイの結果が不合格である場合には、メモリセルMCに書き込まれた情報の消去が行われる(ステップS6)。メモリセルMCに書き込まれた情報の消去は、上述したようにセクタ単位で行われる。ここでは、セクタ3内の全てのメモリセルMCに対して一括して消去が行われる。セクタ3内の全てのメモリセルMCに書き込まれた情報の消去は、セクタ3の全てのワード線WLを負の電位に設定し、セクタ3のウェル(図示せず)を正の電位に設定することにより行われる。
消去を行った後には、ソフトプログラムベリファイを行う(ステップS7)。
ソフトプログラムベリファイの結果が不合格である場合には、当該メモリセルMCに対してソフトプログラムが行われる(ステップS8)。
そして、ソフトプログラムを行ったメモリセルMCに対して、再度、ソフトプログラムベリファイが行われる(ステップS7)。
ソフトプログラムベリファイの結果が合格の場合には、当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレスであるか否かを判定する(ステップS9)。当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレスでない場合には、当該アドレスに1を加算し(ステップS10)、次のアドレスのメモリセルMCに対してソフトプログラムベリファイを行う(ステップS7)。
最後のアドレスのメモリセルMCに対してのソフトプログラムベリファイが完了した場合には、消去ベリファイを再度行う(ステップS5)。
消去ベリファイが不合格の場合には、上述したステップS6〜S10を適宜行った後、再度、消去ベリファイを行う(ステップS5)。
一方、消去ベリファイを合格した場合(Pass)には、当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレス(Last Address)であるか否かを判定する(ステップS11)。当該メモリセルMCのアドレスが最後のアドレスでない場合(False)には、当該アドレスに1を加算し(address+1)(ステップS12)、次のアドレスのメモリセルMCに対して消去ベリファイを行う(ステップS5)。
最後のアドレスのメモリセルMCに対しての消去ベリファイが完了すると(Truth)、当該セクタ3に対する消去の動作が完了する。
こうして、セクタ3内に存在するメモリセルMCに書き込まれた情報が、消去される。
こうして、本実施形態による半導体記憶装置のメモリセルに書き込まれた情報の消去が行われる。
このように、本実施形態によれば、消去ベリファイを行う際に、消去ベリファイの対象となる選択されたメモリセルMCが、ビット線LBL,GBL,BL等を介して、センスアンプ47の一方の入力端子50aに電気的に接続される。一方、消去ベリファイ用のリファレンスセルRC(E)が、センスアンプ47の他方の入力端子50bに電気的に接続される。更に、本実施形態では、消去ベリファイの対象となる選択されたメモリセルMCを含むセクタとは異なるセクタの非選択の複数のダミーセルDCが、ダミービット線DLBL等を介して、センスアンプ47の他方の入力端子50bに接続される。このため、本実施形態によれば、ビット線LBLにより共通接続された非選択の複数のメモリセルMCによるコラムリーク電流を、ダミービット線DLBLにより共通接続された非選択の複数のダミーセルDCによるコラムリーク電流で相殺することができる。このため、本実施形態によれば、消去ベリファイにおける誤判定を確実に防止することができ、ひいては、信頼性の高い半導体記憶装置を提供することができる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、メモリセルアレイ10が4つのセクタに区分されている場合を例に説明したが、区分する数は4つに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、1つのセクタ内の全てのメモリセルが消去に至るまでに印加する消去パルスの印加回数が3回である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。消去パルスの電圧や消去パルスの印加時間を適宜設定することにより、消去パルスの印加回数を適宜設定し得る。
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数のメモリセルが接続されたビット線と、複数のダミーセルが接続されたダミービット線とをそれぞれ含む複数のメモリブロックと、
リファレンスセルと、
選択された前記メモリセルが前記ビット線を介して第1の入力端子に電気的に接続され、前記リファレンスセルが第2の入力端子に電気的に接続されるセンスアンプとを有し、
前記選択されたメモリセルを含む一の前記メモリブロックとは異なる他の前記メモリブロックの前記ダミービット線が、前記センスアンプの前記第2の入力端子に電気的に接続される
ことを特徴とする半導体記憶装置。
(付記2)
付記1記載の半導体記憶装置において、
前記半導体記憶装置は、電気的に消去可能な不揮発性半導体記憶装置であり、
前記他のメモリブロックの前記ダミービット線は、前記選択されたメモリセルの消去ベリファイを行う際に、前記センスアンプの前記第2の入力端子に電気的に接続される
ことを特徴とする半導体記憶装置。
(付記3)
付記2記載の半導体記憶装置において、
前記消去ベリファイを行う際には、前記複数のダミーセルを消去状態に予め設定しておく
ことを特徴とする半導体記憶装置。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体記憶装置において、
1本の前記ビット線に接続された前記メモリセルの個数と、1本の前記ダミービット線に接続された前記ダミーセルの個数とが同じである
ことを特徴とする半導体記憶装置。
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の半導体記憶装置において、
前記メモリセルのサイズと前記ダミーセルのサイズとが同じである
ことを特徴とする半導体記憶装置。
(付記6)
複数のメモリセルが接続されたビット線と、複数のダミーセルが接続されたダミービット線とをそれぞれ含む複数のメモリブロックのうちの一のメモリブロック内の選択された前記メモリセルを前記ビット線を介してセンスアンプの第1の入力端子に電気的に接続し、リファレンスセルを前記センスアンプの第2の入力端子に電気的に接続し、前記複数のメモリブロックのうちの前記一のメモリブロックとは異なる他の前記メモリブロック内の前記ダミービット線を前記センスアンプの前記第2の入力端子に更に電気的に接続した状態で、前記センスアンプにより消去ベリファイを行う
ことを特徴とする半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
(付記7)
付記6記載の半導体記憶装置の消去ベリファイ方法において、
前記消去ベリファイを行う前に、前記複数のダミーセルを消去された状態に設定する
ことを特徴とする半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
(付記8)
付記6又は7記載の半導体記憶装置の消去ベリファイ方法において、
1本の前記ビット線に接続された前記メモリセルの個数と、1本の前記ダミービット線に接続された前記ダミーセルの個数とが同じである
ことを特徴とする半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
(付記9)
付記6乃至8のいずれかに記載の半導体記憶装置の消去ベリファイ方法において、
前記メモリセルのサイズと前記ダミーセルのサイズとが同じである
ことを特徴とする半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。