JP5981329B2 - 冷却装置 - Google Patents
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Description
結合アクリロニトリル量が37〜43質量%のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム100質量部と、ASTM D 1765−94aに準拠する粒子径が22nm以上のカーボンブラック34〜120質量部と、有機過酸化物からなる加硫剤1.5質量部以上とを含有するゴム組成物を加硫成形してなることを特徴とするシール用ゴム成形体にある。
上記コンプレッサと上記エバポレータとの間を連結し、冷媒として少なくともフロンR134aが流れる冷媒管を備え、該冷媒管の接合部に、結合アクリロニトリル量が37〜43質量%のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム100質量部と、ASTM D 1765−94aに準拠する粒子径が22nm以上のカーボンブラック34〜120質量部と、有機過酸化物からなる加硫剤1.5質量部以上とを含有するゴム組成物を加硫成形してなるシール用ゴム成形体が使用されていることを特徴とする冷却装置にある。
上記シール用ゴム成形体は、NBRと、カーボンブラックと、有機過酸化物からなる加硫剤とを含有するゴム組成物を加硫成形してなる。
NBR中の結合アクリロニトリル量は、37〜43質量%であることが好ましい。結合アクリロニトル量が37質量%未満の場合には、上記シール用ゴム成形体の冷媒透過量を充分に低くすることができなくなり、フロンR134aの透過を充分に抑制することができなくなるおそれがある。より好ましくは結合アクリロニトリル量は39質量%以上がよい。
一方、結合アクリロニトリル量が43質量%を超える場合には、圧縮永久歪を充分に低くすることができなくなるおそれがある。より好ましくは、結合アクリロニトリル量は42質量%以下がよい。
カーボンブラックの粒子径が22nm未満の場合には、上記シール用ゴム成形体の冷媒透過量が大きくなり、フロンR134aの透過を充分に抑制することができなくなるおそれがある。より好ましくはカーボンブラックの粒子径は30nm以上がよい。また、入手が困難であるという観点から、カーボンブラックの粒子径は500nm以下であることが好ましく、150nm以下がより好ましく、120nm以下がさらに好ましい。
カーボンブラックの含有量が34質量部未満の場合には、上記シール用ゴム成形体の冷媒透過量が大きくなり、フロンR134aの透過を充分に抑制することができなくなるおそれがある。カーボンブラックの含有量は、より好ましくは50質量部以上がよい。
一方、カーボンブラックの含有量が120質量部を超える場合には、圧縮永久歪が大きくなり過ぎるおそれがある。カーボンブラックの含有量は、より好ましくは90質量部以下がよい。
加硫剤の含有量が1.5質量部未満の場合には、圧縮永久歪が大きくなりすぎるおそれがある。また、この場合には冷媒透過量も大きくなり、フロンR134aの透過を充分に抑制することができなくなるおそれがある。加硫剤の含有量は3質量部以上であることがより好ましい。
一方、加硫の速度が大きくなり、成形性が悪くなるため、所望形状に成形することが困難になるという観点から、加硫剤の含有量は8質量部以下であることが好ましい。同様の観点から加硫剤の含有量は、より好ましくは6質量部以下がよく、さらに好ましくは4質量部以下がよい。
老化防止剤の配合割合は、NBR100質量部に対して5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
可塑剤の配合割合は、NBR100質量部に対して15質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。
リターダーの配合割合は、NBR100質量部に対して5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
上記ゴム組成物の加硫成形は、例えば温度160〜200℃、3〜60分間という加硫条件で行うことができる。また、必要に応じて加硫を2段階(一次加硫及び二次加硫)で行うこともできる。この場合には、一次加硫を例えば160〜200℃、3〜60分間という条件で行い、次いで二次加硫を例えば80〜180℃、0.5〜24時間という条件で行うことができる。
上記シール用ゴム成形体は、冷媒ガスとして少なくともフロンR134aが流れる冷媒管の接合部に用いられることが好ましい。
この場合には、上記シール用ゴム成形体は、フロンR134aガスに対する上述の優れた耐透過性を充分に発揮することができ、上記冷媒管の接合部から冷媒ガスが漏れ出すことを充分に防止することができる。
外気と接触しつつ移動する乗物搭載用のエアコンにおいては環境問題の観点から、冷媒ガスに対する耐透過性及び耐久性への要求性能が特に高い。したがって、上記シール用ゴム成形体を乗物搭載用のエアコンに用いることにより、これらの要求特性を高いレベルで実現することができる。そのため、上記シール用ゴム成形体は、乗物搭載用のエアコンに特に好適である。
次に、シール用ゴム成形体の参考実施例及び参考比較例について説明する。
図1及び図2に示すごとく、本例のシール用ゴム成形体1は、フロンR134aに対して用いられるOリングである。シール用ゴム成形体1は、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムと、カーボンブラックと、有機過酸化物からなる加硫剤とを含有するゴム組成物を加硫成形してなる。
本例においては、NBR中の結合アクリロニトリル量を変更して複数のシール用ゴム成形体1を作製し、その特性を比較する。
<圧縮永久歪>
図3に示すごとく、圧縮永久歪は、圧縮永久歪試験器2の2枚の圧縮板21、22に各試料のシール用ゴム成形体1をそれぞれ狭持して圧縮することによって行う。
具体的には、まず、シール用ゴム成形体1の厚みT0を測定した。そして、このシール用ゴム成形体1を一方の圧縮板21に載置し、さらに規定の厚みT1のスペーサ23をシール用ゴム成形体1の外側に配置した。次いで、固定用ボルト24に取り付けられた固定用ナット25を回して他方の圧縮板22がスペーサ23に密着するまで一対の圧縮板21、22の間でシール用ゴム成形体1を圧縮させた。本例においては、シール用ゴム成形体1を厚み方向に25%圧縮させた。次いで、規定の厚みまで圧縮されたシール用ゴム成形体1をその位置で固定し、試験器2と共に温度120℃の恒温槽中に280時間保持した。その後、シール用ゴム成形体1を圧縮永久歪試験器2から取り外し、圧縮状態から開放した。次いで、室温(25℃)にて30分間放置した後、シール用ゴム成形体1の厚みT2を測定した。そして、圧縮永久歪S(%)を次の式(1)により算出した。その結果を後述の表1に示す。
S=100×(T0−T2)/(T0−T1)・・・(1)
冷媒透過量の測定は、図4に示すごとく、凸型継手31、及びこれと嵌合する凹型継手32を備える冷媒封入治具3を用いて行う。
同図に示すごとく、凸型継手31は、円筒状の本体部310と、この本体部310から軸方向に突出し、本体部310よりも径の小さい円筒状の突出部311とを有する。円筒状の突出部311の外周面にはその周方向にシール用ゴム成形体1をはめるための窪み312が形成されている。また、本体部31には、突出部311とは反対側に伸びる配管315が連結されている。
一方、凹型継手32は、凸型継手31の突出部312が挿入されて嵌合する穴(凹部)を有するコップ状の本体部321と、本体部321の底面322から延設された、本体部312よりも径の小さなコップ状の封入スペース323とを備える。
凸型継手31の本体部310、突出部312、凹型継手32の本体部321、及び封入スペース323は、これらを連通する連通孔300を内部に有しており、連通孔300は配管315の穴に連通している。
P=(W0−W1)×7/14
本例は、ASTM D 1765−94aに準拠する粒径の異なるカーボンブラックを用いて、複数のシール用ゴム成形体を作製し、その特性を比較する例である。本例においては、粒径の異なるカーボンブラックを用いた点を除いては、参考例1と同様にして複数のシール用ゴム成形体(試料8〜12)を作製した。各試料の作製に用いたカーボンブラック(CB)の粒径を表2に示す。
そして、各試料について、参考例1と同様にして圧縮永久歪(%)及び冷媒透過量(g/week)を測定した。その結果を表2に示す。
本例は、カーボンブラックの配合割合を変更して複数のシール用ゴム成形体を作製し、その特性を比較する例である。本例においては、カーボンブラックの配合割合を変更した点を除いては、参考例1と同様にして複数のシール用ゴム成形体(試料13〜22)を作製した。各試料の作製に用いた混練物中におけるカーボンブラック(CB)の含有量を表3に示す。表3に示すCBの含有量は、NBR100質量部に対する量である。また、本例においては、粒径の異なる2種類のCBを用いており、その粒径を表3に併記する。
そして、各試料について、参考例1と同様にして圧縮永久歪(%)及び冷媒透過量(g/week)を測定した。その結果を表3に示す。
本例は、加硫剤の配合割合を変更して複数のシール用ゴム成形体を作製し、その特性を比較する例である。本例においては、加硫剤の配合割合を変更した点を除いては、参考例1と同様にして複数のシール用ゴム成形体(試料23〜28)を作製した。各試料の作製に用いた混練物中における加硫剤の含有量を表4に示す。表4に示す加硫剤の含有量は、NBR100質量部に対する量である。
そして、各試料について、参考例1と同様にして圧縮永久歪(%)及び冷媒透過量(g/week)を測定した。その結果を表4に示す。
次に、シール用ゴム成形体が用いられた冷却装置の例について説明する。
図6及び図7に示すごとく、本例の冷却装置5は、冷媒として少なくともフロンR134aが流れる冷媒管6を備え、その接合部7にシール用ゴム成形体1が使用されている。
本例の冷却装置5は、図6に示すごとく、カーエアコンシステムである。冷却装置5は、コンプレッサ51、コンデンサ52、エキスパンションバルブ53、及びエバポレータ54を主要な構成要素として備え、これらは冷媒管6により連結されている。同図においては、コンプレッサ51、コンデンサ52、エキスパンションバルブ53、及びエバポレータ54の詳細な構造は省略し、システム全体の概略を示している。冷媒管6内には、冷媒としてフロンR134aが流れる。
5 冷却装置
6 冷媒管
7 接合部
Claims (2)
- コンプレッサ、コンデンサ、エキスパンションバルブ、及びエバポレータを備える冷却装置(5)において、
上記コンプレッサと上記エバポレータとの間を連結し、冷媒として少なくともフロンR134aが流れる冷媒管(6)を備え、該冷媒管(6)の接合部(7)に、結合アクリロニトリル量が37〜43質量%のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム100質量部と、ASTM D 1765−94aに準拠する粒子径が22nm以上のカーボンブラック34〜120質量部と、有機過酸化物からなる加硫剤1.5質量部以上とを含有するゴム組成物を加硫成形してなるシール用ゴム成形体(1)が使用されていることを特徴とする冷却装置(5)。 - 請求項1に記載の冷却装置(5)は、乗物搭載用のエアコンであることを特徴とする冷却装置(5)。
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