JP2003253067A - 冷凍機シール用ゴム組成物および冷凍機用シール - Google Patents

冷凍機シール用ゴム組成物および冷凍機用シール

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JP2003253067A JP2002055686A JP2002055686A JP2003253067A JP 2003253067 A JP2003253067 A JP 2003253067A JP 2002055686 A JP2002055686 A JP 2002055686A JP 2002055686 A JP2002055686 A JP 2002055686A JP 2003253067 A JP2003253067 A JP 2003253067A
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weight
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JP2002055686A
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Masaki Kawahigashi
正記 川東
Seigo Kawashima
誠五 川島
Yasufumi Fukushima
康文 福島
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なシール性を有し、フロン系冷媒に対す
る優れた耐性を有し得、かつシール用金属部材との接着
をより強固にし得る冷凍機シール用ゴム組成物、および
それを用いた冷凍機用シールを提供する。 【解決手段】 エチレン−プロピレン系ゴムと、過酸化
物加硫剤と、2官能基の加硫助剤またはポリブタジエン
と、カーボンブラックとを含有する冷凍機シール用ゴム
組成物、ならびに当該ゴム組成物を成形したゴム成形物
がシリコン系接着剤層を介して金属部材に加硫接着され
たものである冷凍機用シール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロン系冷媒を密
封するための冷凍機用シール、およびそのためのゴム組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エアコンディショナ機などの冷却装置や
空調装置の冷凍機用コンプレッサなどにおいて、冷媒漏
れ防止用の密封体として多くのシール(以下、「冷凍機
用シール」と呼ぶ。)が使用されている。このような冷
凍機用シールとしては様々な形態のものが知られている
が、中でもシール用金属部材に加硫接着剤を塗布および
焼付したものと、シール用ゴム組成物を用いた未加硫の
ゴム予備成形物とを加硫接着させるとともにゴム予備成
形物をゴム成形物に成形することによって製造される冷
凍機用シールが一般に知られている。上記シール用金属
部材は、たとえば冷間圧延鋼板で作成した金具に化成皮
膜処理を施したものをさす。
【0003】このような冷凍機用シールにおけるゴム成
形物は、基本的には、硬さ、伸び、引張強さなどに優
れ、かつ圧縮永久歪みが小さいというような、冷凍機用
シールとして良好なシール性を呈するための数々の機械
的特性を備えることが要求される。またゴム成形物に
は、密封する対象物である冷媒によって膨張しにくく、
該冷媒への接触によってブリスタやクラックを発生しな
いことが要求される。冷媒としては、従来、CFC12
(CCl22)が主として用いられてきたが、フロンに
よるオゾン層の破壊が環境問題となり、CFC12に換
えてオゾン層を破壊しないHFC134a(CH2FC
3)などのフルオロ炭化水素が用いられるようになっ
てきている。したがってオイルシール部材におけるゴム
成形物には、上述したHFC134aやCFC12など
のフロン系冷媒に対し、耐性を備えることが要求され
る。
【0004】上述したような冷凍機用シールに用いられ
るゴム材料として、ニトリルゴムや水素化ニトリルゴム
が知られているが、耐ブリスタ性の観点からは、依然と
して問題が残っている。また耐ブリスタ性が比較的良好
なゴム材料として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム
(EPDM)が検討されてきているが、上記金具との接
着性が悪く、シール用のゴム成形物としての使用には未
だ問題がある。
【0005】また従来の冷凍機用シールでは、ゴム成形
物が良好なシール性およびフロン系冷媒に対する耐性を
有していたとしても、ゴム成形物と金属部材との間の接
着剤層にフロン系冷媒が蓄積し、これによってゴム成形
物と接着剤層との間の接着界面が徐々に剥離し、該金属
部材と該ゴム成形物との間に剥れが認められる問題があ
った。またフロン系冷媒がゴム成形物内に浸透し、ゴム
成形物が膨張してしまうことによっても、上記接着界面
の剥離は進行する。このような接着界面の剥離がさらに
進行すると、剥離箇所を起点としてゴム成形物にブリス
タが発生してしまう問題も起こる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
なシール性と、フロン系冷媒に対する優れた耐性を有
し、かつシール用金属部材との接着をより強固にし得る
冷凍機シール用ゴム組成物、およびそれを用いた冷凍機
用シールを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。 (1)エチレン−プロピレン系ゴムと、過酸化物加硫剤
と、2官能基の加硫助剤および/またはポリブタジエン
と、カーボンブラックとを含有する冷凍機シール用ゴム
組成物。 (2)上記(1)に記載のゴム組成物を成形したゴム成
形物を備える冷凍機用シールであって、上記ゴム成形物
がシリコン系接着剤層を介して金属部材に加硫接着され
たものである、冷凍機用シール。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の冷凍機シール用ゴム組成物は、エチレン−プロ
ピレン系ゴムと、過酸化物加硫剤と、2官能基の加硫助
剤またはポリブタジエンと、カーボンブラックとを含有
する。本発明における「エチレン−プロピレン系ゴム」
は、エチレンとプロピレンとの二元共重合体であるEP
M(エチレン−プロピレンゴム)、エチレンとプロピレ
ンと架橋用ジエンモノマーとの三元共重合体であるEP
DM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、ならびに
これらの混合物を指す。上記EPMおよびEPDMは、
通常の重合手段によって得られ、その手段に特別の限定
はない。
【0009】本発明に用いられるエチレン−プロピレン
系ゴムがジエン成分を有する場合、ゴム全体に対するジ
エン成分の含有量は、特に限定されるものではない。使
用されるジエンモノマーとしては、特に限定されない
が、たとえばエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタ
ジエン、1,4−ヘキサジエン、メチルテトラヒドロイ
ンデン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−
メチル−2−ブテニル)−2−ノルボルネンなどが挙げ
られ、中でもエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタ
ジエンを使用するのが加硫速度の観点から好ましい。ジ
エンモノマーは、上記で例示したものを単独で使用して
いてもよいし、また上記で例示したものの中から二種以
上を使用していてもよい。
【0010】本発明における過酸化物加硫剤としては、
特に制限はないが、たとえば、o−メチルベンゾイルパ
ーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノ
イル)パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレ
ート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジクミルパ
ーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−
3、ジt−ブチルパーオキサイドなどが例示され、中で
も圧縮成形の温度条件に適しているという理由から、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼンまたは2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)−ヘキサンが好ましい。
【0011】過酸化物加硫剤の配合割合は、エチレン−
プロピレン系ゴム100重量部に対し1重量部〜10重
量部であるのが好ましく、1重量部〜5重量部であるの
がより好ましい。過酸化物加硫剤の配合割合がエチレン
−プロピレン系ゴム100重量部に対し1重量部未満で
あると、後述する当該ゴム組成物より得られたゴム成形
物を金属部材と接着する際の接着性に劣る傾向にある。
また過酸化物加硫剤の配合割合がエチレン−プロピレン
系ゴム100重量部に対し10重量部を超えて配合して
も、性能の向上がみられないため意味がない。
【0012】本発明における2官能基の加硫助剤として
は、特に制限はないが、たとえば、N,N’−m−フェ
ニレンビスマレイミドなどのジマレイミド系加硫助剤、
エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタアク
リル系加硫助剤、ジアリールフタレートなどのジアリー
ル系加硫助剤が例示される。中でも、加硫性の物性の理
由から、ジマレイミド系加硫助剤を使用するのが好まし
い。
【0013】本発明において2官能基の加硫助剤に換え
て、1官能基の加硫助剤を使用すると、加硫点が少ない
ため、後述する接着剤を介したゴム成形物と金属部材と
の接着に際して良好な接着性が得られない虞がある。ま
た2官能基の加硫助剤に換えて、3官能基の加硫助剤を
使用すると、加硫速度が速すぎるため、後述する接着剤
を介したゴム成形物と金属部材との接着の際、接着反応
が起こる前にゴムの加硫に消費されてしまうため、この
場合においても良好な接着性が得られない虞がある。本
発明では、適度な加硫点を有し、加硫速度が遅くてラジ
カル寿命が長い2官能基の加硫助剤を使用するため、接
着界面までラジカルが分散し、後述する強固な接着性を
シール用金属部材との間に実現できるものと考えられ
る。
【0014】2官能基の加硫助剤を使用する場合には、
エチレン−プロピレン系ゴム100重量部に対し1重量
部〜10重量部配合するのが好ましく、1重量部〜5重
量部配合するのがより好ましい。2官能基の加硫助剤の
配合割合がエチレン−プロピレン系ゴム100重量部に
対し1重量部未満であると、後述する当該ゴム組成物よ
り得られたゴム成形物を金属部材と接着する際の接着性
に劣る傾向にある。また2官能基の加硫助剤の配合割合
がエチレン−プロピレン系ゴム100重量部に対し10
重量部を超えて配合しても、性能の向上がみられないた
め意味がない。
【0015】また本発明のゴム組成物においては、上記
2官能基の加硫助剤に換えて、もしくは上記2官能基の
加硫助剤と併用してポリブタジエンが配合されるもので
あってもよい。ポリブタジエンに特に制限はないが、
1,2−ポリブタジエンが好ましい。
【0016】ポリブタジエンを上記2官能基の加硫助剤
に換えて使用する場合には、上記の2官能基の加硫助剤
の場合と同様の理由により、エチレン−プロピレン系ゴ
ム100重量部に対し1重量部〜10重量部配合するの
が好ましく、1重量部〜5重量部配合するのがより好ま
しい。また上記2官能基の加硫助剤とポリブタジエンと
を併用する場合には、たとえば、2官能基の加硫助剤を
エチレン−プロピレン系ゴム100重量部に対し1重量
部〜5重量部、ポリブタジエンをエチレン−プロピレン
系ゴム100重量部に対し1重量部〜5重量部配合すれ
ばよい。
【0017】本発明に使用されるカーボンブラックとし
ては、特に制限はなく、HAFカーボンブラック、MA
Fカーボンブラック、FEFカーボンブラック、SRF
カーボンブラック、GRFカーボンブラックなどのファ
ーネスブラックや、FTカーボンブラック、MTカーボ
ンブラックなどのサーマルブラックが例示される。これ
らのカーボンブラックは、単独又は2種以上組み合わせ
て用いられるが、上記中でも特に、耐磨耗性、加工性の
観点からは、ファーネスブラック、特にはFEFカーボ
ンブラックを使用するのが好ましい。
【0018】本発明におけるカーボンブラックの配合割
合は、エチレン−プロピレン系ゴム100重量部に対し
10重量部〜150重量部であるのが好ましく、50重
量部〜100重量部であるのがより好ましい。カーボン
ブラックがエチレン−プロピレン系ゴム100重量部に
対し10重量部未満しか配合されないと、得られたゴム
成形物が柔らかすぎてシール機能に乏しくなる虞があ
る。またカーボンブラックがエチレン−プロピレン系ゴ
ム100重量部に対し150重量部を超えて配合される
と、得られたゴム成形物の圧縮永久歪みが大きくなって
しまう虞がある。
【0019】このようにして得られたゴム組成物を成形
したゴム成形物は、優れたシール性を呈するための良好
な圧縮永久歪み、硬さ、引張強さおよび伸びを有する。
すなわち本発明におけるゴム成形物は、JIS K 6
262に規定される測定方法にしたがって測定された圧
縮永久歪み(150℃×70時間)がたとえば5.0%
〜15.0%程度、JIS K 5253に規定される
測定方法にしたがって測定された硬さが70〜90程
度、JIS K 6251に規定される測定方法にした
がって測定された引張強さがたとえば10MPa〜20
MPa程度、JIS K 6251に規定される測定方
法にしたがって測定された伸びがたとえば100%〜3
00%程度に実現される。
【0020】このようなゴム成形物は、フロン系物質に
接触してもブリスタやクラックが発生しにくいという効
果を奏する。なお本明細書において「フロン系物質」と
は、たとえばHFC134a(ハイドロフルオロカーボ
ン、CH2FCF3)、HFC32(CH22)、HFC
125(CHF2CF3)、HFC143a(C2
3 3)などのフルオロ炭化水素やこれらの混合物、なら
びにCFC12(CCl2 2)などの冷凍機に一般に冷
媒として使用されるようなフロン系物質(フロン系冷
媒)を指すものとする。このような本発明で得られたゴ
ム成形物の、フロン系物質を密封するような使用例の一
つとして、たとえばフロン系冷媒を用いる冷凍機用のコ
ンプレッサにおける、該冷媒漏れ防止用の密封体として
の使用が挙げられる。なお上記「冷凍機」は、エアコン
ディショナ機を含む。
【0021】また本発明の冷凍機用シールは、上記のゴ
ム成形物に、シリコン系接着剤を介して加硫接着されて
なる金属部材をさらに備えるものである。本発明の冷凍
機用シールは、たとえば以下のような方法にて形成され
る。まず、上記のゴム組成物を、インタミックス、ニー
ダー、バンバリーミキサーなどの混練機あるいはオープ
ンロールなどを用いて混練することによって調製する。
調製後、当分野において通常広く行われているようにた
とえば押出機やオープンロール、プレフォマなどの装置
を用いて、ゴム成形物に近い形状に予備成形を行い、ゴ
ム予備成形物とする。ゴム予備成形物の形状および大き
さは、目的に応じて適宜選択される。
【0022】得られた上記ゴム予備成形物を、シリコン
系接着剤を用いて金属部材に加硫接着する。金属部材と
しては特には限定されず、一般的に用いられるものであ
ればよく、たとえば冷間圧延鋼板や軟鋼板、アルミニウ
ム板を金属プレスなどを用いて目的に応じた形状および
大きさに適宜加工した金具に、たとえば化成皮膜処理な
どによって表面処理を施したものが用いられる。上記化
成皮膜処理としては特には限定されないが、たとえば当
分野において通常広く用いられているリン酸亜鉛系皮膜
処理、リン酸亜鉛カルシウム系皮膜処理、リン酸マンガ
ン系皮膜処理、リン酸鉄系皮膜処理などのリン酸塩皮膜
処理が挙げられ、中でも特にリン酸亜鉛系皮膜処理もし
くはリン酸亜鉛カルシウム系皮膜処理が好適である。
【0023】本発明の冷凍機用シールに使用されるシリ
コン系接着剤としては、具体的には、ケムロック AP
−133(ロード・ファー・イースト社製)などが例示
される。
【0024】またさらに、従来、金具とゴム成形物との
加硫接着にフェノール樹脂系接着剤が一般に用いられて
いたが、該フェノール樹脂系接着剤を用いた接着剤層が
相手部材と摺動したりした場合に、接着剤層から削片が
発生し、この接着剤層の削片が密封対象物に混入してし
まう場合があった。シリコン系接着剤層を介して、ゴム
成形物と金属部材とが加硫接着されてなる、本発明の特
に好ましい態様の冷凍機用シールでは、接着剤層が相手
部材と摺動したとしても、上記削片が生じることがない
という利点もある。また従来、ゴム成形物と金属部材と
の接着性の改良方法として、ゴムにシリカを添加する方
法も知られているが、この場合だと成形のための金型が
汚染しやすいという問題があった。本発明の冷凍機用シ
ールによれば、ゴム自体はシリカを含有させずとも金属
部材の接着性が向上する、という利点もある。
【0025】また本発明のシール用ゴム組成物は、これ
を用いたゴム成形物単独でシール材としてもよい。シー
ル材を形成する場合には、上述のシール用ゴム組成物
を、従来公知のインタミックス、ニーダー、バンバリー
ミキサーなどの混練機あるいはオープンロールなどを用
いて混練した後、射出成形機、圧縮成形機、押出成形機
などを用いて所望の形状に成形して得ることができる。
シール材の形状は特に限定されず、Oリング、パッキ
ン、リップシール(軸シール)などその目的に応じて適
宜選ばれる。またシール材の大きさも特に限定はなく、
目的に応じ適宜選ばれる。シール材であるゴム成形物に
は加硫を施すのが好ましく、該加硫は、たとえば165
℃で10分間の一次加硫を行った後、165℃で1時間
の二次加硫を行うというような条件が好ましい。
【0026】本発明のゴム組成物を用いることで、該組
成物を用いたゴム成形物であるシール材であっても、接
着を強固にする、という効果を除いて、上述の冷凍機用
シールのゴム成形物の効果と同等の効果を有するシール
材を実現できる。このようなシール材も、上述と同様に
フロン系冷媒漏れ防止用の密封体として、好適に使用で
きる。また同様に、ゴム成形物のショアA硬度は75〜
95が好ましく、中でもショアA硬度が85〜95であ
ると、冷凍機用コンプレッサにおける軸シールなど、相
手部材と摺動するようにも好適に使用できる。
【0027】本発明のゴム組成物は、本発明の諸特性が
損なわれない範囲でたとえばクロロプレンゴム、塩素化
ポリエチレン、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素化
ニトリルゴムなどの他の成分を任意成分として含んでい
てもよい。
【0028】また本発明のゴム組成物には、本発明の目
的を阻害しない範囲で、老化防止剤、可塑剤、金属酸化
物、滑剤などの添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0029】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。実施例1 エチレン−プロピレン系ゴムであるEPDM(ジエン成
分:エチリデンノルボルネン)に、過酸化物加硫剤とし
てジクミルパーオキサイド、ポリブタジエンとして1,
2−ポリブタジエン、カーボンブラックとしてFEFカ
ーボンブラックを用いて、下記の配合比にてオープンロ
ールで混練して、ゴム組成物を調製した。 (ゴム組成物の配合比) エチレン−プロピレン系ゴム 100重量部 過酸化物加硫剤 3重量部 ポリブタジエン 5重量部 カーボンブラック 75重量部 このゴム組成物を、加硫を施さずにゴム成形物に近い形
状に予備成形した。またアルミ板にリン酸亜鉛皮膜処理
してなる金属部材にシリコン系接着剤(ケムロック A
P133、ロード・ファー・イースト社製)を塗布、焼
付し、これに各ゴム予備成形物を接触させて加硫接着
し、175℃の金型中で10分間圧縮成形した後、16
5℃で1時間の二次加硫を施し、ゴム成形物を備える冷
凍機用シールのサンプルを作製した。なおゴム成形物お
よび金属部材の形状、大きさは、ASTM D429
MethodBの規定に準拠して選択した。
【0030】実施例2 ポリブタジエンに換えて、2官能基の加硫助剤として
N,N’−m−フェニレンビスマレイミドを2重量部配
合したゴム組成物を使用した以外は、実施例1と同様に
して冷凍機用シールのサンプルを作製した。
【0031】実施例3 ポリブタジエンに換えて、2官能基の加硫助剤としてジ
アリールフタレートを5重量部配合したゴム組成物を使
用した以外は、実施例1と同様にして冷凍機用シールの
サンプルを作製した。
【0032】実施例4 エチレン−プロピレン系ゴムであるEPDM(ジエン成
分:エチリデンノルボルネン)に、過酸化物加硫剤とし
てジクミルパーオキサイド、ポリブタジエンとして1,
2−ポリブタジエン、カーボンブラックとしてFEFカ
ーボンブラックを用いて、下記の配合比にてオープンロ
ールで混練して、ゴム組成物を調製した。 (ゴム組成物の配合比) エチレン−プロピレン系ゴム 100重量部 過酸化物加硫剤 3重量部 ポリブタジエン 2重量部 カーボンブラック 40重量部 このゴム組成物を、加硫を施さずにゴム成形物に近い形
状に予備成形した。またアルミ板にリン酸亜鉛皮膜処理
してなる金属部材にフェノール樹脂系接着剤(スミライ
トレジン PR−50757、住友デュレス社製)を塗
布、焼付し、これに各ゴム予備成形物を接触させて加硫
接着し、175℃の金型中で10分間圧縮成形して、ゴ
ム成形物を備える冷凍機用シールのサンプルを作製し
た。なおゴム成形物および金属部材の形状、大きさは、
ASTM D429 MethodBの規定に準拠して
選択した。
【0033】比較例1 1,2−ポリブタジエンを配合しなかったゴム組成物を
使用した以外は実施例1と同様にして、冷凍機用シール
のサンプルを作製した。
【0034】比較例2 FEFカーボンブラックの配合量を40重量部とし、ポ
リブタジエンに換えて3官能基の加硫助剤としてトリメ
チロールプロパントリメタクリレートを2重量部配合し
たゴム組成物を使用した以外は実施例1と同様にして、
冷凍機用シールのサンプルを作製した。
【0035】〔評価試験〕性能試験1(接着性) 上記の実施例1〜4、比較例1、2で得たオイルシール
の各サンプルについて、ゴム成形物の部分をペンチで剥
ぎ、剥いだ面にオイルシール用金具の表面が露出してい
るかどうかを調査した。金具表面の露出のなかったもの
を○、金具表面の露出のあったものを×とした。
【0036】性能試験2(耐ブリスタ性) 上記の実施例1〜3、比較例1〜3で得たオイルシール
の各サンプルについて、フロン系冷媒(フロン134
a)に対する耐ブリスタ性をみた。各サンプルを、密封
容器中で上記各冷媒中に漬け、25℃で70時間放置し
た後、各サンプルを取り出し、150℃で1時間放置し
た。ゴム成形物に割れがなかったものを○、割れがあっ
たものを×とした。
【0037】性能試験3(圧縮永久歪み) 上記の実施例1〜3、比較例1〜3で得たオイルシール
の各サンプルについて、JIS K 6262に準拠し
た測定方法によって、150℃の環境で25%の圧縮率
にて70時間圧縮し、圧縮永久歪みを測定した。圧縮永
久歪みが20%以下であったものを○、圧縮永久歪みが
20%を超えたものを×とした。結果を、表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、良好なシ
ール性を有し、フロン系冷媒に対する優れた耐性を有し
得、かつシール用金属部材との接着をより強固にし得る
冷凍機シール用ゴム組成物、およびそれを用いた冷凍機
用シールを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/10 C09K 3/10 R Z F16J 15/10 F16J 15/10 D Y (72)発明者 福島 康文 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 Fターム(参考) 3J040 EA15 FA06 HA21 4H017 AA03 AA29 AA31 AB07 AC01 AD03 AE02 AE05 4J002 AC03X BB15W DA038 EH077 EH147 EK036 EK046 EK056 EU027 FD018 FD146 FD157 GJ02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−プロピレン系ゴムと、過酸化
    物加硫剤と、2官能基の加硫助剤および/またはポリブ
    タジエンと、カーボンブラックとを含有する冷凍機シー
    ル用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のゴム組成物を成形した
    ゴム成形物を備える冷凍機用シールであって、 上記ゴム成形物がシリコン系接着剤層を介して金属部材
    に加硫接着されたものである、冷凍機用シール。
JP2002055686A 2002-03-01 2002-03-01 冷凍機シール用ゴム組成物および冷凍機用シール Pending JP2003253067A (ja)

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