JP3502609B2 - シール用ゴム組成物およびそれを用いたオイルシール部材、ならびにシール材 - Google Patents

シール用ゴム組成物およびそれを用いたオイルシール部材、ならびにシール材

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JP3502609B2 JP2001017038A JP2001017038A JP3502609B2 JP 3502609 B2 JP3502609 B2 JP 3502609B2 JP 2001017038 A JP2001017038 A JP 2001017038A JP 2001017038 A JP2001017038 A JP 2001017038A JP 3502609 B2 JP3502609 B2 JP 3502609B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シール用ゴム組成
物、およびそれを用いたゴム成形物とこれに加硫接着さ
れたオイルシール部材用金具とを備えるオイルシール部
材、ならびに上記ゴム組成物を用いたシール材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エアコンディショナ機などの冷却装置や
空調装置の冷凍機用コンプレッサなどにおいて、冷媒漏
れ防止用の密封体として多くのオイルシール部材が使用
されている。このようなオイルシール部材としては様々
な形態のものが知られているが、中でもオイルシール部
材用金具に加硫接着剤を塗布および焼付したものと、シ
ール用ゴム組成物を用いた未加硫のゴム予備成形物とを
加硫接着させるとともにゴム予備成形物をゴム成形物に
成形することによって製造されるオイルシール部材が一
般に知られている。上記オイルシール部材用金具は、た
とえば冷間圧延鋼板で作成した金具に化成皮膜処理を施
したものをさす。
【0003】このようなオイルシール部材におけるゴム
成形物は、基本的には、硬さ、伸び、引張強さなどに優
れ、かつ圧縮永久歪みが小さいというような、オイルシ
ール部材として良好なシール性を呈するための数々の機
械的特性を備えることが要求される。またゴム成形物に
は、密封する対象物である冷媒によって膨張しにくく、
該冷媒への接触によってブリスタやクラックを発生しな
いことが要求される。冷媒としては、従来、CFC12
(CCl22)が主として用いられてきたが、フロンに
よるオゾン層の破壊が環境問題となり、CFC12に換
えてオゾン層を破壊しないHFC134a(CH2FC
3)などのフルオロ炭化水素が用いられるようになっ
てきている。したがってオイルシール部材におけるゴム
成形物には、上述したHFC134aやCFC12など
のフロン系冷媒に対し、耐性を備えることが要求され
る。
【0004】上述したようなオイルシール部材用のゴム
組成物として、水素化ニトリルゴムを主として含有する
ゴム組成物が知られている。水素化ニトリルゴムを主成
分とするゴム組成物は、上述したような機械的特性が良
好であるとともに耐油性、耐熱性に優れ、上記フロン系
冷媒に対し耐性を有するようなゴム成形物を実現できる
ため、オイルシール部材用のゴム成分として幅広く使用
されている。
【0005】しかしながら従来のオイルシール部材で
は、ゴム成形物が良好なシール性およびフロン系冷媒に
対する耐性を有していたとしても、ゴム成形物とオイル
シール部材用金具との間の加硫接着剤層にフロン系冷媒
が蓄積し、これによってゴム成形物と加硫接着剤層との
間の接着界面が徐々に剥離し、該金具と該ゴム成形物と
の間に剥れが認められる問題があった。またフロン系冷
媒がゴム成形物内に浸透し、ゴム成形物が膨張してしま
うことによっても、上記接着界面の剥離は進行する。こ
のような接着界面の剥離がさらに進行すると、剥離箇所
を起点としてゴム成形物にブリスタが発生してしまう問
題も起こる。
【0006】また近年では、環境問題の観点から、上述
のフロン系冷媒に代替し得る冷媒として、二酸化炭素が
検討されている。上記のように、オイルシール部材のゴ
ム成形物には冷媒に対する耐性を有することが要求され
るが、冷媒自体への接触によってクラックやブリスタが
生じないということは勿論、冷媒種が変わるとその使用
条件も変わるため、その条件下における耐性を備えるこ
とが要求される。たとえばフロン系冷媒は、約10kg
f/cm2(=約0.98MPa)の圧力で使用されて
きたが、二酸化炭素を冷媒として用いる場合は約70k
gf/cm2(=約6.86MPa)とより高圧で使用
される。したがって二酸化炭素冷媒を用いた場合のオイ
ルシール部材は、フロン系冷媒を用いた場合よりもさら
に過酷な使用条件であるため、上述した接着界面の剥離
はさらに起こり易く、上記したブリスタの問題が一層顕
著なものとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
なシール性を有し、密封対象物に対する優れた耐性を有
し得、かつオイルシール部材用金具との接着をより強固
にし得るシール用ゴム組成物、およびそれを用いたオイ
ルシール部材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。 (1)水素化ニトリルゴム100重量部あたり、1重量
部〜10重量部の有機過酸化物および1重量部〜10重
量部のフェノール樹脂を配合してなるシール用のゴム組
成物を用いたゴム成形物と、該ゴム成形物にフェノール
樹脂系加硫接着剤層を介して加硫接着されてなるオイル
シール部材用金具とを備えることを特徴とするオイルシ
ール部材。 (2)シール用のゴム組成物が、水素化ニトリルゴム1
00重量部あたり、50重量部〜180重量部のカーボ
ンブラックおよび1重量部〜15重量部の可塑剤を含有
することを特徴とする上記(1)に記載のオイルシール
部材。 (3 )冷媒として二酸化炭素を用いる冷凍機用コンプレ
ッサにおける、該冷媒漏れ防止用の密封体として使用さ
れる上記(1)または(2)に記載のオイルシール部
材。 ()ゴム成形物が相手部材と摺動するように使用され
るオイルシール部材であって、ゴム成形物のショアA硬
度が85〜95であることを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれかに記載のオイルシール部材 (5水素化ニトリルゴム100重量部あたり、1重量
部〜10重量部の有機過酸化物および1重量部〜10重
量部のフェノール樹脂を配合してなるシール用のゴム組
成物を用いたゴム成形物であるシール材であって、冷媒
として二酸化炭素を用いる冷凍機用コンプレッサにおけ
る、該冷媒漏れ防止用の密封体として使用されるシール
材。(6)シール用のゴム組成物が、水素化ニトリルゴム1
00重量部あたり、50重量部〜180重量部のカーボ
ンブラックおよび1重量部〜15重量部の可塑剤を含有
する上記(5)に記載のシール材。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシール用ゴム組成物は、基本的には、水素化ニ
トリルゴムに、有機過酸化物およびフェノール樹脂を各
々所定量配合してなる。本発明のゴム組成物に用いられ
る水素化ニトリルゴム(以下、「HNBR」ということ
もある)としては、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合
ゴムの共役ジエン単位部分の全部または一部を水素化し
たもの、不飽和ニトリル−共役ジエン−エチレン性不飽
和モノマー三元共重合ゴムおよびこのゴムの共役ジエン
単位部分を水素化したもの、不飽和ニトリル−エチレン
性不飽和モノマー系共重合ゴムなどが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。またこれらのHNBR
は通常の重合手段、水素化方法によって得られるが、そ
の手段も特別の限定はない。
【0010】このようなHNBRの具体例として、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、イソプレン−ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、イソプレン−
アクリロニトリル共重合ゴムなどを水素化したもの、ブ
タジエン−メチルアクリレート−アクリロニトリル共重
合ゴム、ブチルアクリレート−エトキシエチルアクリレ
ート−ビニルクロロアセテート−アクリロニトリル共重
合ゴム、ブチルアクリレート−エトキシエチルアクリレ
ート−ビニルノルボルネン−アクリロニトリル共重合ゴ
ムなどが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。
【0011】本発明のゴム組成物に配合される有機過酸
化物としては、架橋剤として一般にゴムに配合される有
機過酸化物であれば、特別の制限なく用いることができ
る。このような有機過酸化物としては、具体的には、ベ
ンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカ
ン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチ
ルパーオキシクメンなどが挙げられる。
【0012】有機過酸化物は、HNBR100重量部あ
たり1重量部〜10重量部、好ましくは3重量部〜8重
量部配合される。上記有機過酸化物の配合量がHNBR
100重量部あたり1重量部未満であると、たとえば該
ゴム組成物を用いたゴム成形物の引張強さが低い、伸び
が大きい、圧縮永久歪みが大きいなど機械的強度に劣っ
てしまう。また上記有機過酸化物の配合量がHNBR1
00重量部あたり10重量部を超えると、該ゴム組成物
を用いたゴム成形物の伸びが低くなり過ぎてしまう。
【0013】本発明のゴム組成物に配合されるフェノー
ル樹脂としては、耐ブリスタ性に優れることから、ノボ
ラック型のフェノール樹脂が使用される。ノボラック型
フェノール樹脂とは、フェノール類とホルムアルデヒド
とを、塩酸、シュウ酸などの酸性触媒の存在下で反応さ
せることによって得られたものであるが、本発明におい
ては、具体的には、ストレートフェノール樹脂、クレゾ
ール変性フェノール樹脂、オイル変性フェノール樹脂、
カシュー変性フェノール樹脂などが好適に使用される。
上記フェノール類としては、たとえばフェノール、m−
クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾールとp−ク
レゾールとの混合物、p−第三ブチルフェノール、p−
フェニルフェノール、ビスフェノールAなどの、フェノ
ール性水酸基に対してo−および/またはp−位に2個
または3個の置換可能な核水素原子を有するものが好ま
しく用いられる。
【0014】フェノール樹脂は、HNBR100重量部
あたり1重量部〜10重量部、好ましくは3重量部〜6
重量部配合される。上記フェノール樹脂の配合量がHN
BR100重量部あたり1重量部未満であると、該フェ
ノール樹脂の配合による後述する効果が充分にみられな
い。またHNBR100重量部あたり10重量部を超え
ると、圧縮永久歪みが大きくなってしまう不具合があ
る。
【0015】上述のような本発明のゴム組成物を用いて
なるゴム成形物は、優れたシール性を呈するための良好
な引張強さ、伸びおよび圧縮永久歪みを有する。すなわ
ち本発明のゴム成形物は、JIS K 6251に規定
される測定方法にしたがって測定された引張強さがたと
えば20MPa〜35MPa程度、JIS K 625
1に規定される測定方法にしたがって測定された伸びが
たとえば80%〜210%程度、JIS K 6262
に規定される測定方法にしたがって測定された圧縮永久
歪みがたとえば10%〜30%程度に実現される。また
本発明におけるゴム成形物は、水素化ニトリルゴムを主
体とするため、優れた耐熱性および耐油性を備える。
【0016】また上記のような本発明のシール用ゴム組
成物を用いたゴム成形物は、他のゴム材料、たとえばシ
リコーンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ニトリ
ルゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム)、ヒドリンゴム、ブチルゴムなどで形成されたゴム
成形物と比較して、後述の密封対象物に接触しても膨張
しにくく、また発泡しにくいため経時的な劣化が少な
い。
【0017】このような本発明のゴム組成物は、オイル
シール部材のゴム成形物用として好適に用いられる。本
発明のオイルシール部材は、たとえば以下のような方法
にて形成される。
【0018】まず、上記のゴム組成物を、インタミック
ス、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機あるい
はオープンロールなどを用いて混練することによって調
製する。調製後、当分野において通常広く行われている
ようにたとえば押出機やオープンロール、プレフォマな
どの装置を用いて、ゴム成形物に近い形状に予備成形を
行い、ゴム予備成形物とする。ゴム予備成形物の形状お
よび大きさは、目的に応じて適宜選択される。
【0019】得られた上記ゴム予備成形物を、フェノー
ル樹脂系加硫接着剤を用いてオイルシール部材用金具に
加硫接着する。オイルシール部材用金具としては特には
限定されず、一般的に用いられるものであればよく、た
とえば冷間圧延鋼板や軟鋼板を金属プレスなどを用いて
目的に応じた形状および大きさに適宜加工した金具に、
たとえば化成皮膜処理などによって表面処理を施したも
のが用いられる。上記化成皮膜処理としては特には限定
されないが、たとえば当分野において通常広く用いられ
ているリン酸亜鉛系皮膜処理、リン酸亜鉛カルシウム系
皮膜処理、リン酸マンガン系皮膜処理、リン酸鉄系皮膜
処理などのリン酸塩皮膜処理が挙げられ、中でも特にリ
ン酸亜鉛系皮膜処理もしくはリン酸亜鉛カルシウム系皮
膜処理が好適である。
【0020】上記フェノール樹脂系加硫接着剤として
は、具体的には、ノボラック型のフェノール樹脂やレゾ
ール型のフェノール樹脂と、たとえばヘキサメチレンテ
トラミンなどの硬化剤をメタノールなどの溶剤で溶解さ
せてなる接着剤が挙げられる。このような加硫接着剤
は、オイルシール部材用金具の化成皮膜に、たとえば塗
布されて焼付される。この加硫接着剤の塗布および焼付
は、当分野において通常広く用いられている器具を用い
て行われ、塗布は浸漬槽への浸漬によって、あるいはス
プレーを用いて行われ、焼付はオーブンを用いて行われ
る。これによってフェノール樹脂系の加硫接着剤層が、
半硬化した状態でオイルシール部材用金具の表面に形成
される。
【0021】このようなオイルシール部材用金具と上記
ゴム予備成形物とを加硫接着剤層を介して加硫接着する
とともに、ゴム予備成形物をゴム成形物に成形して、本
発明のオイルシール部材が製造される。加硫は射出成形
機、圧縮成形機、加硫プレスなどを用いて、150℃〜
200℃で2分間〜30分間加熱することにより行う。
また必要に応じて二次加硫を行ってもよい。二次加硫
は、射出成形機、圧縮成形機、加硫プレスなどを用い
て、120℃〜170℃で1時間〜24時間加熱するこ
とにより行う。このような二次加硫を経て製造されたオ
イルシール部材は、二次加硫を経ずに製造されたオイル
シール部材と比較してゴム成形物の耐ブリスタ性がより
向上される。本発明のオイルシール部材は、必ずしも二
次加硫を経て形成されたものでなくてもよいが、好まし
くは二次加硫を経て形成される。
【0022】このようにして得られた本発明のオイルシ
ール部材は、フェノール樹脂が配合されないゴム組成物
を用いた従来のオイルシール部材と比較して、ゴム成形
物とフェノール樹脂系加硫接着剤層との間の接着がより
強固となる。このようなオイルシール部材では、後述す
る密封対象物によるゴム成形物と接着剤層との間の界面
の剥離が起こりにくく、したがってゴム成形物とオイル
シール部材用金具との間の剥がれやゴム成形物のブリス
タの発生、ゴム成形物の破壊を確実に防止することがで
きる。
【0023】さらに本発明のオイルシール部材において
は、フェノール樹脂によってゴム成形物の硬度が高めら
れ、これにより密封対象物のゴム成形物内への浸透によ
る、ゴム成形物の不所望な膨張を抑制できる。上記膨張
の抑制効果は、ゴム成形物の硬度を高めることによって
得られ、該硬度はゴム組成物にたとえばカーボンなどの
補強剤を多目に配合することによっても高めることがで
きる。しかしながら補強剤を多く配合すると、それだけ
ロール作業性などのゴムの加工性が悪くなり、量産に不
向きとなってしまう傾向にある。上記のフェノール樹脂
は、硬度を同程度上昇させるために要する量が補強剤と
比較して格段に少ないため、加工性が悪くなる程の量を
配合せずとも、効率的にゴム成形物の硬度を上昇できる
利点がある。このように本発明においては、加工性が良
好であり、かつ密封対象物によるゴム成形物の不所望な
膨張を抑制でき、長寿命で良好なシール性を保持し得る
オイルシール部材を実現できる。
【0024】本発明のオイルシール部材によって密封し
得る密封対象物としては特に限定はなく、二酸化炭素、
フロン系冷媒などに用いても上述したような効果を充分
に発揮でき、中でも特に、高圧化で使用される二酸化炭
素冷媒を密封対象物とする場合に顕著な効果を発揮す
る。なお本明細書において「フロン系冷媒」とは、たと
えばHFC134a(ハイドロフルオロカーボン、CH
2FCF3)、HFC32(CH22)、HFC125
(CHF2CF3)、HFC143a(C233)など
のフルオロ炭化水素やこれらの混合物、ならびにCFC
12(CCl22)などの各種のフロン系物質を指すも
のとする。
【0025】本発明のオイルシール部材は、上記中でも
特に、二酸化炭素の漏れ防止用の密封体として使用され
るのが好ましい。本発明のオイルシール部材の、二酸化
炭素を密封するような使用例の一つとして、たとえば冷
媒として二酸化炭素を用いる冷凍機用のコンプレッサに
おける、該冷媒漏れ防止用の密封体としての使用が挙げ
られる。なお上記「冷凍機」は、エアコンディショナ機
を含んで指すものとする。
【0026】本発明のオイルシール部材におけるゴム成
形物は、上述したように引張強さおよび伸びに優れ、圧
縮永久歪みが小さく、良好なシール性を有する。また該
ゴム成形物は、二酸化炭素に接触してもブリスタやクラ
ックが発生しにくく、さらには冷媒である二酸化炭素
と、冷凍機用のコンプレッサにおいて通常併用される鉱
油、ポリアルキレングリコールなどの冷凍機油との混合
物に対しても優れた耐性を示す。またゴム成形物がフェ
ノール樹脂を含有していない場合と比較して、該ゴム成
形物とフェノール樹脂系加硫接着剤層との接着が強固で
あり、該接着界面の剥離が起こりにくい。さらには高圧
の二酸化炭素に接触してもゴム成形物の不所望な膨張が
起こりにくく、たとえば5MPa程度の高圧下で使用す
るような場合であっても、該圧力による不所望な変形を
抑制できる。
【0027】本発明のオイルシール部材において、ゴム
成形物は、JIS K 6253に規定される測定方法
にしたがって測定されたショアA硬度が75〜95とな
るように実現されるのが好ましい。該ショアA硬度が7
5未満であると、機械的強度に劣るため高圧下において
はゴム成形物が不所望に変形してシール性を損なってし
まったり、また密封対象物への接触によって発泡し易く
なってしまうなど、ゴム成形物が劣化し易くなる傾向に
あるため好ましくない。また該ショアA硬度が95を超
えると、充分な弾力が得られずシール性の面で問題が生
じてしまう傾向にあるため好ましくない。上記硬度のゴ
ム成形物は、ゴムの分子量や架橋度、充填剤の量などを
適宜調整することによって得ることができる。
【0028】また中でもゴム成形物のショアA硬度が8
5〜95である場合、耐磨耗性に特に優れ、該ゴム成形
物にて相手部材と摺動するよう使用するのに好適なオイ
ルシール部材を実現できる。すなわち、ゴム成形物のシ
ョアA硬度が85〜95であるようなオイルシール部材
では、シールすべき相手部材がたとえば回転軸のような
可動部材でありこれと摺動するように使用されても、ゴ
ム成形物が磨耗して厚みが薄くなってしまう部分が生じ
にくく、良好なシール性を長寿命で保持できる。該オイ
ルシール部材は、たとえば冷凍機用のコンプレッサにお
ける軸シールとしても好適に使用できる。
【0029】また本発明のシール用ゴム組成物は、これ
を用いたゴム成形物単独でシール材としてもよい。シー
ル材を形成する場合には、上述のシール用ゴム組成物
を、従来公知のインタミックス、ニーダー、バンバリー
ミキサーなどの混練機あるいはオープンロールなどを用
いて混練した後、射出成形機、圧縮成形機、押出成形機
などを用いて所望の形状に成形して得ることができる。
シール材の形状は特に限定されず、Oリング、パッキ
ン、リップシール(軸シール)などその目的に応じて適
宜選ばれる。またシール材の大きさも特に限定はなく、
目的に応じ適宜選ばれる。シール材であるゴム成形物に
は加硫を施すのが好ましく、該加硫は、たとえば165
℃で10分間の一次加硫を行った後、165℃で1時間
の二次加硫を行うというような条件が好ましい。
【0030】本発明のゴム組成物を用いることで、該組
成物を用いたゴム成形物であるシール材であっても、接
着を強固にする、という効果を除いて、上述のオイルシ
ール部材のゴム成形物の効果と同等の効果を有するシー
ル材を実現できる。このようなシール材も、上述のオイ
ルシール部材の場合と同様に、密封対象物として特に限
定はないが、二酸化炭素漏れ防止用、中でも冷凍機用コ
ンプレッサにおける二酸化炭素冷媒漏れ防止用の密封体
として、好適に使用できる。また同様に、ゴム成形物の
ショアA硬度は75〜95が好ましく、中でもショアA
硬度が85〜95であると、冷凍機用コンプレッサにお
ける軸シールなど、相手部材と摺動するようにも好適に
使用できる。
【0031】また本発明のゴム組成物においては、さら
にHNBR100重量部あたり50重量部〜180重量
部のカーボンブラックと、1重量部〜15重量部の可塑
剤とを含有することが好ましい。
【0032】上記カーボンブラックの配合量がHNBR
100重量部あたり50重量部未満であると、得られた
ゴム成形物が充分な硬度を有さず、ブリスタが発生し易
くなる傾向にあるため好ましくない。また上記カーボン
ブラックの配合量がHNBR100重量部あたり180
重量部を超えると、ロール作業性など加工性が悪くな
る、さらには該ゴム成形物が硬くなり過ぎたり、伸びが
小さくなるなど機械的特性に劣るというような傾向にあ
るため好ましくない。
【0033】また上記可塑剤の配合量がHNBR100
重量部あたり1重量部未満であると、ロール作業性など
加工性が悪くなる、さらには該ゴム成形物が硬くなり過
ぎたり、伸びが小さくなるなど機械的特性に劣るという
ような傾向にあるため好ましくない。また上記可塑剤の
配合量がHNBR100重量部あたり15重量部を超え
ると、得られたゴム成形物が充分な硬度を有さず、ブリ
スタが発生し易くなる傾向にあるため好ましくない。
【0034】本発明のゴム組成物では、上述のようにフ
ェノール樹脂が配合されることによって、カーボンブラ
ックの配合量を増加することなくゴム成形物の硬度を上
昇できる。本発明においては、さらに、可塑剤を多目に
配合して、従来よりもカーボンブラックを多目に配合す
ることで、作業性が悪化してしまうことなく、かつフェ
ノール樹脂を配合しない場合と比較してより硬いゴム成
形物を実現でき、密封対象物による膨張をより抑制でき
るゴム成形物を実現できる。
【0035】カーボンブラックは、一般に使用されてい
るMTカーボンブラック、FTカーボンブラック、SR
Fカーボンブラック、FEFカーボンブラック、HAF
カーボンブラック、ISAFカーボンブラックなど各種
のグレードの少なくともいずれかを用いることができ、
特には限定されないが、加工性が良好である点からは、
好ましくはFEFカーボンブラック、MTカーボンブラ
ック、SRFカーボンブラックを単独で、もしくはFE
FカーボンブラックとMTカーボンブラックとの併用系
またはMTカーボンブラックとSRFカーボンブラック
との併用系が用いられる。なおMTカーボンブラックは
ASTM1765−1987に従って測定した粒子径が
200nm〜500nmのものをいう。FTカーボンブ
ラックは上記粒子径が100nm〜200nmのものを
いう。SRFカーボンブラックは上記粒子径が60nm
〜100nmのものをいう。FEFカーボンブラックは
上記粒子径が40nm〜50nmのものをいう。HAF
カーボンブラックは上記粒子径が26nm〜30nmの
ものをいう。ISAFカーボンブラックは上記粒子径が
20nm〜25nmのものをいう。
【0036】可塑剤としては、ニトリルゴムに一般的に
使用されるような従来公知のものであればよく、特に制
限はないが、たとえばジ−(2−エチルヘキシル)セバ
ケート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケートな
どのセバケート系の可塑剤が挙げられる。またフタル酸
ジエステル、アジピン酸ジエステル、イソフタル酸ジエ
ステル、トリメリット酸トリエステルなどを用いてもよ
く、それ以外にもポリエステルエーテル、ポリエーテ
ル、アジピン酸ポリエステルなどの低揮発性のものが好
適に用いられる。可塑剤は、単独又は上記の中から2種
以上組み合わせて用いられる。
【0037】本発明のゴム組成物におけるHNBRは、
その結合アクリロニトリル量が32重量%〜40重量%
であるのが好ましく、33重量%〜38重量%であるの
がより好ましい。該結合アクリロニトリル量が32重量
%未満であると、該ゴム組成物を用いたゴム成形物が密
封対象物への接触によって発泡してしまい、該ゴム成形
物がシール性を損なってしまう傾向にあり好ましくな
い。また該結合アクリロニトリル量が40重量%を超え
る場合でも、同じく密封対象物への接触により発泡して
シール性を損なってしまう傾向にあり好ましくない。本
発明では、ゴム組成物におけるHNBRの結合アクリロ
ニトリル量を上記範囲内とすることで、該組成物を用い
たゴム成形物が密封対象物に接触しても発泡しにくく、
ブリスタを生じにくくできる。この効果は、密封対象物
が二酸化炭素である場合に、特に有効である。
【0038】本発明のゴム組成物においては、JIS
K 6235に規定される測定方法にしたがって測定さ
れるHNBRのヨウ素価が0mg/100mg〜20m
g/100mgであるのが好ましく、0mg/100m
g〜14mg/100mgであるのがより好ましい。該
ヨウ素価が20mg/100mgを超えると、密封対象
物への接触によってゴム成形物にブリスタが生じ易くな
ってしまい好ましくない。
【0039】さらに本発明におけるHNBRは、ムーニ
ー粘度〔ML1+4(100℃)〕が50〜150である
のが好ましく、60〜130であるのがより好ましい。
該ムーニー粘度が50未満であると、密封対象物への接
触によってゴム成形物にブリスタが生じ易くなる傾向に
あり好ましくない。また該ムーニー粘度が150を超え
ると、ゴム組成物が混合しづらく加工性が悪くなる傾向
にあるため好ましくない。ここで上記ムーニー粘度〔M
1+4(100℃)〕は、100℃でラージロータを用
い、予熱1分、回転開始後4分の場合のムーニー粘度計
で測定した値をさす。一般に、組成物の主成分となるゴ
ムが高ムーニー粘度である程、圧縮永久歪みの小さいゴ
ム成形物を得ることができる。
【0040】また本発明のシール用ゴム組成物には、従
来と同様の老化防止剤、架橋助剤、金属酸化物、滑剤な
どを適宜配合してもよい。本発明のゴム組成物に好適に
配合される老化防止剤としては、2,2,4−トリメチ
ル−1,2−ジヒドロキノリン重合体などのアミン−ケ
トン系老化防止剤、4,4'−(α,α−ジメチルベン
ジル)ジフェニルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル
−p−フェニレンジアミンなどの芳香族第二級アミン系
老化防止剤、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノールなどのモノフェノール樹脂系老化防止剤、
2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、2−メル
カプトベンズイミダゾールなどのベンズイミダゾール系
老化防止剤が挙げられる。老化防止剤は、単独又は上記
の中から2種以上組み合わせて用いられる。このような
老化防止剤は、通常、HNBR100重量部に対して1
重量部〜5重量部配合される。
【0041】本発明のゴム組成物に好適に配合される架
橋助剤としては、従来公知のマレイミド系架橋助剤、ア
リル系架橋助剤、メタアクリレート系架橋助剤などを好
適に用いることができる。マレイミド系架橋助剤の例と
しては、たとえばN,N’−m−フェニレンジマレイミ
ドが挙げられ、アリル系架橋助剤の例としては、たとえ
ばトリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、テト
ラアリルオキシエタンなどが挙げられる。またメタアク
リレート系架橋助剤の例としては、たとえばエチレング
リコールメタアクリレート、トリエチレングリコールジ
メタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタア
クリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレー
ト、トリメチロールプロペントリメタアクリレートなど
が挙げられる。架橋助剤は、単独又は上記の中から2種
以上組み合わせて用いられる。このような架橋助剤は、
HNBR100重量部に対して1重量部〜10重量部配
合されるのが好ましい。
【0042】本発明のゴム組成物に好適に配合される金
属酸化物としては、たとえばZnO、SbO、MgO、
PbO、CaOなど、ゴムの添加剤として一般的に用い
られるアルカリ性のものであれば特に制限なく、好適に
使用される。このような金属酸化物は、HNBR100
重量部に対して1重量部以上10重量部未満の金属酸化
物を含有することが好ましい。
【0043】本発明のゴム組成物に好適に配合される滑
剤としては、従来公知のパラフィンおよび炭化水素樹脂
系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、脂肪酸エステル系、脂
肪アルコール系などの滑剤が好適に用いられる。パラフ
ィンおよび炭化水素樹脂系としては、たとえばパラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラ
フィン、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレンワッ
クス、複合ワックス、モンタンワックスなどが挙げられ
る。脂肪酸系としては、たとえばステアリン酸、硬化
油、ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。脂肪酸
アミド系としては、たとえばステアロアミド、オキシス
テアロアミド、オレイルアミド、ラウリルアミド、ベヘ
ンアミド、ステアリルオレイルアミドなどが挙げられ
る。脂肪酸エステル系としては、たとえばn−ブチルス
テアレート、多価アルコール脂肪酸エステル、飽和脂肪
酸エステル、エステル系合成ワックスなどが挙げられ
る。脂肪アルコール系としては、たとえば高級アルコー
ル、高級アルコールエステルなどが挙げられる。滑剤
は、単独又は上記の中から2種以上組み合わせて用いら
れる。このような滑剤は、必ずしも配合されていなくて
もよいが、配合される場合には、通常、HNBR100
重量部に対して5重量部以下である。
【0044】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。 実施例1 HNBR(結合アクリロニトリル量:36.2重量%、
ヨウ素価:4.1mg/100mg、ムーニー粘度:8
2.5〔ML1+4(100℃)〕)に、有機過酸化物と
して1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ノボラック型カシュー変性フェノール樹
脂としてスミライトレジンPR12687(住友デュレ
ズ社製)を用いて、下記の配合比にてオープンロールで
混練して、シール用ゴム組成物を調製した。 (ゴム組成物の配合比) HNBR 100量部 有機過酸化物 3重量部 フェノール樹脂 5重量部 充填剤 85重量部 可塑剤 2重量部 老化防止剤 1重量部 金属酸化物 5重量部 架橋助剤 3重量部 なお充填剤としてはFEFカーボンブラック、可塑剤と
してはジオクチルセバケート、老化防止剤としては2,
2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合
体、金属酸化物としては酸化亜鉛、架橋助剤としては
N,N’−m−フェニレンジマレイミドを用いた。
【0045】実施例2 フェノール樹脂を10重量部配合した以外は実施例1と
同様にして、シール用ゴム組成物を調製した。
【0046】実施例3 充填剤としてMTカーボンブラックを150重量部配合
し、かつフェノール樹脂を3重量部配合した以外は実施
例1と同様にして、シール用ゴム組成物を調製した。
【0047】実施例4 HNBR(結合アクリロニトリル量:36.1重量%、
ヨウ素価:8.7mg/100mg、ムーニー粘度:8
6.5〔ML1+4(100℃)〕)を用いた以外は実施
例1と同様にして、シール用ゴム組成物を調製した。
【0048】実施例5 ノボラック型オイル変性フェノール樹脂としてスミライ
トレジンPR13355(住友デュレズ社製)を用いた
以外は、実施例4と同様にして、シール用ゴム組成物を
調製した。
【0049】比較例1 フェノール樹脂を配合しなかった以外は実施例1と同様
にして、シール用ゴム組成物を調製した。
【0050】比較例2 フェノール樹脂を配合しなかった以外は実施例3と同様
にして、シール用ゴム組成物を調製した。
【0051】性能試験1 上記の実施例1〜5、比較例1,2のゴム組成物を、1
65℃で10分間一次加硫した後、165℃で1時間二
次加硫してゴム成形物とし、それぞれOリングのサンプ
ルとした。各サンプルの常態特性として、硬さ、引張強
さおよび伸びを測定した。硬さはJIS K 6253
に規定される測定方法にしたがいショアA硬度を測定し
た。引張強さおよび伸びはJIS K 6251に規定
される測定方法によって測定した。また上記で得られた
サンプルについて、JIS K 6262に規定される
測定方法によって、150℃の環境で25%の圧縮率に
て70時間圧縮し、圧縮永久歪みを測定した。
【0052】性能試験2 上記の実施例1〜5、比較例1,2のゴム組成物を、加
硫を施さずにゴム成形物に近い形状に予備成形した。ま
た軟鋼板にリン酸亜鉛皮膜処理してなるオイルシール部
材用金具に接着剤を塗布、焼付し、これに各ゴム予備成
形物を接触させて加硫接着し、165℃の金型中で1時
間圧縮成形して、ゴム成形物を備えるオイルシール部材
のサンプルを2個ずつ作製した。接着剤としては、フェ
ノール樹脂系加硫接着剤を用いた。これら各オイルシー
ル部材のサンプルを、オートクレーブにて、25℃、7
0kgf/cm2の条件の二酸化炭素中で24時間加圧
した。その後、圧力を抜き、直ちに100℃のオーブン
で1時間加熱後、各サンプルのゴム成形物の発泡の数を
カウントした。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、良好なシール性を呈する機械的特性を有し、密
封対象物に対する優れた耐性を有し得、かつオイルシー
ル部材用金具との接着をより強固にし得るシール用ゴム
組成物、およびそれを用いたオイルシール部材を提供で
きる。さらに本発明のゴム組成物を用いることで、加工
性が良好であり、かつ密封対象物によるゴム成形物の不
所望な膨張を抑制できるオイルシール部材、さらにはゴ
ム成形物であるシール材を実現できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 61:06) (72)発明者 木挽 一彦 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線 工業株式会社 箕島製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−241046(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 9/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化ニトリルゴム100重量部あた
    り、1重量部〜10重量部の有機過酸化物および1重量
    部〜10重量部のフェノール樹脂を配合してなるシール
    用のゴム組成物を用いたゴム成形物と、該ゴム成形物に
    フェノール樹脂系加硫接着剤層を介して加硫接着されて
    なるオイルシール部材用金具とを備えることを特徴とす
    るオイルシール部材
  2. 【請求項2】 シール用のゴム組成物が、水素化ニトリ
    ルゴム100重量部あたり、50重量部〜180重量部
    のカーボンブラックおよび1重量部〜15重量部の可塑
    剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のオイル
    シール部材
  3. 【請求項3】 冷媒として二酸化炭素を用いる冷凍機用
    コンプレッサにおける、該冷媒漏れ防止用の密封体とし
    て使用される請求項1または2に記載のオイルシール部
    材。
  4. 【請求項4】 ゴム成形物が相手部材と摺動するように
    使用されるオイルシール部材であって、 ゴム成形物のショアA硬度が85〜95であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオイルシール
    部材。
  5. 【請求項5】 水素化ニトリルゴム100重量部あた
    り、1重量部〜10重量部の有機過酸化物および1重量
    部〜10重量部のフェノール樹脂を配合してなるシール
    用のゴム組成物を用いたゴム成形物であるシール材であ
    って、冷媒として二酸化炭素を用いる冷凍機用コンプレ
    ッサにおける、該冷媒漏れ防止用の密封体として使用さ
    るシール材。
  6. 【請求項6】 シール用のゴム組成物が、水素化ニトリ
    ルゴム100重量部あたり、50重量部〜180重量部
    のカーボンブラックおよび1重量部〜15重量部の可塑
    剤を含有する、請求項5に記載のシール材。
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