JP5980659B2 - カルバゾール基を有するポリマー、カルバゾール基を有するモノマー及び化合物 - Google Patents
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すなわち、本発明(1)は、下記式(1)で表される構造単位を、10モル%以上有することを特徴とするカルバゾール基を有するポリマーを提供するものである。
式(1):
で表されるカルバゾリルフェニル基である。]
式(8):
で表されるカルバゾリルフェニル基である。]
で表される化合物と、下記式(10):
で表される化合物と、を銅塩の存在下でカップリング反応させて、下記式(11):
で表されるカップリング生成物を得、次いで、得られたカップリング生成物を、塩基を用いて脱トリメチルシリル化することを特徴とする下記式(8)で表される化合物の製造方法を提供するものである。
式(8):
(式中、R1、R2、R3、a及びbは、前記と同義である。)
式(12):
式(13):
式(1):
で表されるカルバゾリルフェニル基、(iii)ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を0〜3個有する非芳香族複素環式基(該非芳香族複素環式基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1種又は2種のヘテロ原子を1〜4個含有する5〜14員の非芳香族複素環式基である。)、及び(iv)ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を0〜3個有する芳香族複素環式基(該芳香族複素環式基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1種又は2種のヘテロ原子を1〜4個含有する5〜14員の芳香族複素環式基である。)のうちのいずれかである。]
式(3):
式(4):
式(5):
式(6):
式(7):
式(8):
で表されるカルバゾリルフェニル基、(iii)ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を0〜3個有する非芳香族複素環式基(該非芳香族複素環式基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1種又は2種のヘテロ原子を1〜4個含有する5〜14員の非芳香族複素環式基である。)、又は(iv)ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を0〜3個有する芳香族複素環式基(該芳香族複素環式基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1種又は2種のヘテロ原子を1〜4個含有する5〜14員の芳香族複素環式基である。)のいずれかである。]
式(12):
式(13):
で表される化合物と、下記式(10):
で表される化合物と、を銅塩の存在下でカップリング反応させて、下記式(11):
で表されるカップリング生成物を得、次いで、得られたカップリング生成物を、塩基を用いて脱トリメチルシリル化することを特徴とする式(8)で表される化合物の製造方法である。
反応スキーム(14):
反応スキーム(15):
式(16):
式(12):
式(13):
下記反応式に従って、モノマーを合成した。
カルバゾール(2)2.32g(13.9mmol)、 1,4−ジヨードベンゼン(1)13.3g(40.3mmol)、CuI 395mg(2.07mmol)、 1,10−フェナントリン1.50g(8.27mmol)、K3PO4 17.8g(83.9mmol)、及びトルエン150mlの混合物を、窒素下48時間撹拌還流した。冷却後、ろ過し、残査をトルエン100mlで洗浄し、次いで、塩化メチレン50mlで洗浄した後、それらの有機層を合わせた。有機層を水250mlで洗浄し、MgSO4で乾燥した後、ロータリーエバポレータで溶媒を留去した。得られた褐色固体を、シリカゲル−ヘキサン/酢酸エチル系カラムクロマトグラフィーで精製し、N−ヨードフェニルカルバゾール(3) 3.59g( 9.72mmol)を白色固体として得た。
・収量:3.59g(9.72mmol、70%)
・1H−NMR(CDCl3):δ 8.14(d,J=7.8Hz,4H,Ar),7.92−7.89(m,4H,Ar),7.46−7.26(m,8H,Ar)
・IR(cm−1,KBr):3046,1597,1582,1495,1482,1452,1363,1337,1319,1231,825,752,727,499
・ MS(DI): m/z 369(M+)
カルバゾール(2)15.0g(89.7mmol)と酢酸230mlの混合物を120℃に加熱し、カルバゾール(2)を溶解させた。次いで、内温が115℃になるまで冷却した後、KI 7.53g(45.4mmol)を添加した。内温を95℃を保ちながら、KIO3 10.9g(50.8mmol)を1時間に渡り断続的に添加し、添加後1時間撹拌還流した。冷却後、水700ml中に投入し、ろ過し、残査を酢酸エチル500mlに溶解した。有機層を飽和NaHCO3水溶液300mlで洗浄し、MgSO4で乾燥した後、ロータリーエバポレータで溶媒を留去した。得られた褐色固体をシリカゲル−ヘキサン酢酸エチル系カラムクロマトグラフィーで精製し、更にトルエン/ヘキサン混合溶媒から再結晶して、3−ヨードカルバゾール(4)8.88gを得た。
・収量:8.88g(30.3mmol、34%)
・1H−NMR(CDCl3):δ8.39(s,1H,NH),8.12−7.98(m,2H,Ar),7.70−7.62(m,1H,Ar),7.48−7.40(m,2H,Ar),7.28−7.19(m,2H,Ar)
・IR(cm−1,KBr):3045,3051,1619,1597,1561,1489,1468,1444,1431,1333,1272,1241,1134,929,881,808,748,726,569,473,569,450,427
・MS(DI): m/z 293(M+)
3−ヨードカルバゾール(4)8.88g(30.3mmol)、PdCl2(PPh3)2 252mg(0.359mmol)、PPh3 287mg(1.09mmol)、CuI 274mg(1.44mmol)、及びDMF183mlの混合物に、室温でEt3N38mlを添加し、次いで、トリメチルシリルアセチレン7.15g(72.8mmol)及びDMF35mlを滴下した。その後70℃で9時間反応させた。室温に冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液350mlに反応混合物を投入し、酢酸エチル350mlで抽出した。有機層を水200mlで4回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ロータリーエバポレータで溶媒を留去した。得られた褐色固体をシリカゲル−ヘキサン酢酸エチル系カラムクロマトグラフィーで精製し、更に酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒から再結晶して、3−トリメチルシリルエチニルカルバゾール(5)4.10gを得た。
・収量:4.10g(15.6 mmol、51%)
・1H−NMR(CDCl3):δ8.24−8.20(m,1H,Ar),8.13−7.98(m,2H,Ar,NH),7.56−7.50(m,1H,Ar),7.46−7.36(m,2H,Ar),7.35−7.28(m,1H,Ar),7.27−7.20(m,1H,Ar),0.29(s,9H,CH3)
・IR(cm−1,KBr):3426,3403,3062,2961,2899,2152,1459,1245,838,750,731,817,568,440,428
・MS(DI): m/z 267(M+)
N−ヨードフェニルカルバゾール(3)2.6g (7.04mmol)、3−トリメチルシリルエチニルカルバゾール(5)1.87g(7.09mmol)、CuI 134mg(0.704mmol)、1,10−フェナントロリン510mg(2.83mmol)、K3PO4 5.93g(27.9mmol)、及びトルエン180mlの混合物を48時間撹拌還流した。次いで、一旦冷却後、CuI 67mg(0.352mmol)、1,10−フェナントロリン255mg(1.42mmol)、K3PO4 2.97g(14.0mmol)を添加して、更に24時間撹拌還流した。冷却後、ろ過し、残査をトルエン100ml、次いで、塩化メチレン50mlで洗浄した後、それらの有機層を合わせた。有機層を水250mlで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ロータリーエバポレータで溶媒を留去した。得られた褐色固体をシリカゲル−ヘキサン/酢酸エチル系カラムクロマトグラフィーで精製し、1−(3−トリメチルシリルエチニル−9−カルバゾリル)−4−(9−カルバゾリル)ベンゼン(6)2.13g( 4.22mmol)を白色固体として得た。
・1H−NMR(CDCl3):δ8.34−8.31(m,1H,Ar),8.24−8.15(m,3H,Ar),7.88−7.76(m,4H,Ar),7.62−7.53(m,4H,Ar),7.53−7.43(m,4H,Ar),7.38−7.30(m,3H,Ar),0.31(s,9H,CH3)
・IR(cm−1,KBr):3051,2952,2897,2152,1624,1598,1517,1477,1449,1348,1335,1316,1248,1230,1174,882,840,747,724
・MS(DI):m/z 504(M+)
化合物(6)2.13g( 4.22mmol)、THF60mlの溶液に、20℃でK2CO3 698mg(5.05mmol)、メタノール80mlの懸濁液を添加し、30℃で24時間撹拌した。酢酸エチル500ml及び水500mlを加え、有機層を分取した。有機層をMgSO4で乾燥し、ロータリーエバポレータで溶媒を留去した。得られた黄色固体をシリカゲル−ヘキサン/酢酸エチル系カラムクロマトグラフィーで精製し、1−(3−エチニル−9−カルバゾリル)−4−(9−カルバゾリル)ベンゼン(A)1.73g( 4.00mmol)を淡黄色固体として得た。
・1H−NMR(CDCl3):δ8.36−8.32(m,1H,Ar),8.24−8.13(m,3H,Ar),7.88−7.76(m,4H,Ar),7.62−7.53(m,4H,Ar),7.53−7.43(m,4H,Ar),7.38−7.30(m,3H,Ar))
・IR(cm−1,KBr):3298,3054,2951,2102,1624,1599,1516,1477,1450,1350,1347,1316,1281,1230,1180,748,724
・MS(DI): m/z 432(M+)
(1)単独重合
窒素下30℃で化合物(A)200mg(0.462mmol)、[(nbd)RhCl]29.80mg(0.0212mmol)、Et3N9.72mg(0.0424mmol)、THF46ml溶液を24時間撹拌した。次いで、酢酸のTHF希釈液(0.7M)を3ml添加して重合を停止させた。次いで、撹拌下メタノール735mlに投入しポリマーを沈殿させ、沈殿したポリマーを遠心分離によって分離及び回収し、減圧下乾燥して、120mg(収率60%)の単独重合ポリマーを得た(表1、ポリマー1)。
窒素下30℃で化合物(A)160mg(0.370mmol)、フェニルアセチレン(B)9.40mg(0.092mmol)、[(nbd)RhCl]24.90mg(0.0106mmol)、Et3N9.72mg(0.0424mmol)、THF4.6ml溶液を24時間撹拌した。次いで、酢酸のTHF希釈液(0.7M)を3ml添加して重合を停止させた。次いで、THF1.6mlを加えて希釈した。次いで、撹拌下メタノール138mlに投入しポリマーを沈殿させ、沈殿したポリマーを遠心分離によって分離及び回収し、減圧下乾燥して、160mg(収率94%)の共重合ポリマーを得た(表1、ポリマー4)。
各モノマーを表1に示すモル比とし、ロジウム触媒及びEt3Nを表1に示すモル比とすること以外は、実施例2と同様に行い共重合ポリマーを得た。なお、ポリマー1は、エチルアルコール、アセトン、クロロホルム、THF、DMF、DMSO、NMPに不溶であった。
2)Bは、フェニルアセチレンの仕込みモル比である。
3){M}0は、両モノマーの合計の仕込みモル濃度を示す。
4){M}0/{Rh}/{Et3N}は、両モノマーの合計とロジウム触媒とEt3Nの仕込みモル比を示す。
5)、6)、7)サイズ排除クロマトグラフィーによる測定では、3峰性のポリマーに帰属される吸収が得られた。得られた3つの峰のポリスチレン換算の数平均分量を、高分子量側から、それぞれ、数平均分子量1、数平均分子量2、数平均分子量3とした。分子量分布は同様にして求めたものである。
8)「−」は溶媒に不溶であったため測定していないことを示す。
重合開始剤として表2に示したものを用いること以外は、実施例2(2)と同様にして行った。その結果を表2に示す。
*ポリマー8:AとBの仕込みモル比(A:B)は8:2であり、両モノマーの合計/重合開始剤/Et3Nのモル比は50/1/2であり、重合溶媒にTHFを使用した。
*ポリマー9:AとBの仕込みモル比(A:B)は8:2であり、両モノマーの合計/WCl6仕込みモル比は20であり、Ph4Sn/WCl6の仕込みモル比は2である。重合溶媒にトルエンを使用した。
実施例2及び実施例3で得られたポリマーを、NMP(N−メチルピロリドン)に、1.05〜1.10×10−5Mの濃度で溶解させ、得られた溶液を用いてUV−VISを測定した。そのうち、ポリマー4(モル比が8:2のもの)のUV−VISスペクトルを図1に示す。図1には比較例として、モノマー及び市販のポリビニルカルバゾール(図1中に示す構造のポリマー)のUV−VISスペクトルも示す。モノマー及び市販のポリビニルカルバゾールは、420nm程度より長波長側では吸収を示さないのに対して、実施例2で得られたポリマー4は、520nm程度の長波長側まで吸収を示すことがわかった。これは、実施例2で得られたポリマー4では、重合により、π共役系が拡大して、より長波長の光を吸収したものと推察される。なお、表1又は表2に示すポリマー2〜9の全てについて、同様に、520nm程度の長波長側まで吸収が見られた。また、ポリマー1は溶媒に不溶であったため測定していない。
表3に示すポリマーをNMP(N−メチルピロリドン)に、0.32×10−5Mの濃度で溶解させ、この溶液で蛍光測定を行ったところ、いずれも蛍光を示すことがわかった。
Claims (13)
- 下記式(1)で表される構造単位を、10モル%以上有することを特徴とするカルバゾール基を有するポリマー。
式(1):
で表されるカルバゾリルフェニル基である。] - 前記式(1)で表される構造単位の割合が45〜95モル%であることを特徴とする請求項1記載のカルバゾール基を有するポリマー。
- 前記式(1)で表される構造単位の割合が95モル%以上であることを特徴とする請求項1記載のカルバゾール基を有するポリマー。
- 前記式(1)で表される構造単位が、下記式(3)で表される構造単位であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のカルバゾール基を有するポリマー。
式(3):
- 前記式(3)で表される構造単位が、下記式(4)で表される構造単位であることを特徴とする請求項4記載のカルバゾール基を有するポリマー。
式(4):
- 前記式(4)で表される構造単位が、下記式(5)で表される構造単位であることを特徴とする請求項5記載のカルバゾール基を有するポリマー。
式(5):
- 下記式(6)で表される構造単位を、5〜90モル%有することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のカルバゾール基を有するポリマー。
式(6):
- 前記式(1)で表される構造単位と前記式(6)で表される構造単位とのモル比(式(1):式(6))が、45:55〜95:5であることを特徴とする請求項7記載のカルバゾール基を有するポリマー。
- 前記式(6)で表される構造単位が、下記式(7)で表される構造単位であることを特徴とする請求項7又は8いずれか1項記載のカルバゾール基を有するポリマー。
式(7):
- 下記式(8)で表される化合物であることを特徴とするカルバゾール基を有するモノマー。
式(8):
で表されるカルバゾリルフェニル基である。] - 下記式(9):
で表される化合物と、下記式(10):
で表されるカルバゾリルフェニル基である。)
で表される化合物と、を銅塩の存在下でカップリング反応させて、下記式(11):
で表されるカップリング生成物を得、次いで、得られたカップリング生成物を、塩基を用いて脱トリメチルシリル化することを特徴とする下記式(8)で表される化合物の製造方法。
式(8):
- 下記式(12)で表される化合物。
式(12):
- 下記式(13)で表される化合物。
式(13):
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