JP5977668B2 - 2液混合吐出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、2液混合吐出容器に関し、特に、2体並設された容器本体から内容液を各々吸引して、混合状態で吐出させる2液混合吐出容器に関する。
従来より、並設された2体の容器本体から吸引チューブを介して各々の内容液を吸引して、混合した状態で吐出させる2液混合吐出容器として、例えば2液混合式のトリガー容器が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。2液混合式のトリガー容器では、並設された2体の容器本体の口首部に、吐出機構としてトリガースプレーヤーが取り付けられており、トリガースプレーヤーのトリガー部の引寄せ操作を繰り返し行うことで、吸上げチューブを介して各々の容器本体から好ましくは等量の内容液を吸い上げて、吸い上げた内容液を、吐出ノズルから噴出させるのと同時に混合させた状態で、或いは混合室で混合させて混合液とした状態で、吐出ノズルから吐出させるようになっている。
また、2液混合式のトリガー容器等の2液混合吐出容器では、内容液を最後まで効率良く容器本体から吸い上げることができるように、吸引チューブの吸引口を容器本体の内側の底部近傍に配置するようになっている。
特開平8−84946号公報 特開平8−229468号公報
しかしながら、例えば図6(a)、(b)に示すように、2体並設された容器本体51a,51bが、対称な形状を有してはいるが、個々の容器本体51a,51bが、仮想の切断面A’によって底部近傍を切断した横断中空面において、吐出機構52による吐出方向X’に沿った縦幅が、密着対向面53a,53bに近接する部分から、外側部分に向けて徐々に小さくなるような非対称の形状に形成されている場合には、2液混合吐出容器50を、例えば吐出機構52による吐出方向X’と垂直な左右方向Y’に傾けた状態で使用した際に、各々の容器本体51a,51bに収容された内容液が残り少なくなっていると、図7に示すように、一方の容器本体51aに挿入された吸引チューブ54の吸引口54aの全体が内容液の内部に浸かっていても、他方の容器本体51bに挿入された吸引チューブ54の吸引口54aが、その一部しか内容液の内部に浸からない状態になり易い。このため、内容液が残り少なくなってくると、各々の容器本体51a,51bから吸引チューブ54を介して等量の内容液を汲み上げることができなくなり、一方の内容液の方が多くなった混合状態で吐出されて、偏吐出が生じることになる。
本発明は、2体並設された容器本体から等量の内容液を各々吸引して、混合状態で内容液を吐出させる際に、各々の容器本体に収容された内容液が残り少なくなったときでも、偏吐出を生じることなく、均等又は略均等な混合状態で吐出させて、内容液を最終段階まで効率良く使用することのできる2液混合吐出容器を提供することを目的とする。
本発明は、内容液を収容した同一又は対称形状の容器本体が2体並設されており、口首部に取り付けられた吐出機構による吐出操作によって、各々の容器本体に挿入された吸引チューブを介して吸引される内容液を、混合した状態で吐出させる2液混合吐出容器であって、2体並設された前記容器本体は、前記吐出機構による吐出方向側の先端部分の内側底部分に前記吸引チューブの吸引口が開口するように、前記吸引チューブの先端部を誘導するチューブ誘導部を各々備えており、且つ2体並設された前記容器本体は、底面部を水平な載置面に載置して自立させて、満注容量の20%の内容液を収容した状態で、前記吐出機構による吐出方向と垂直な左右方向に60°の傾倒角度で傾けた際に、一方の前記容器本体における内容液の静水面から前記吸引チューブの吸引口の中心までの深さと、他方の前記容器本体における内容液の静水面から前記吸引チューブの吸引口の中心までの深さとが、等しいか又は略等しくなるような形状に形成されている2液混合吐出容器を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の2液混合吐出容器によれば、2体並設された容器本体から等量の内容液を各々吸引して、混合状態で内容液を吐出させる際に、各々の容器本体に収容された内容液が残り少なくなったときでも、偏吐出を生じることなく、均等又は略均等な混合状態で吐出させて、内容液を最終段階まで効率良く使用することができる。
(a)は本発明の好ましい一実施形態に係る2液混合吐出容器の略示斜視図、(b)は(a)の仮想の切断面Aに沿った断面図である。 容器本体を底部側から見た斜視図である。 各々の容器本体に満注容量の20%の内容液を収容して、左右方向に60°の傾倒角度で傾けた状態を説明する要部略示断面図である。 (a)〜(c)は、各々の容器本体の中空横断面を、吐出方向と平行な直線によって、最大横幅の1/2の位置で2分割すると共に、一方の容器本体の横断面の外側分割領域を、他方の容器本体の内側分割領域まで平行移動させて重ね合わせた状態の説明図である。 (a)〜(e)は、チューブ誘導部の他の形態を例示する、容器本体を底部側から見た斜視図である。 (a)は従来の2液混合吐出容器の略示斜視図、(b)は(a)の仮想の切断面A’に沿った断面図である。 従来の2液混合吐出容器において偏吐出が生じる状態の斜視図である。 従来の2液混合吐出容器において偏吐出が生じる状態の斜視図である。 従来の2液混合吐出容器において偏吐出が生じる状態の斜視図である。
図1(a)、(b)に示す本発明の好ましい一実施形態に係る2液混合吐出容器10は、内容液である第1剤として、例えば過酸化水素を含む漂白剤を収容した第1容器本体11と、内容液である第2剤として、例えば水酸化ナトリウムを含むアルカリ剤を収容した第2容器本体12とを併設すると共に、併設された2体の容器本体11,12の口首部11a,12aに、吐出機構として公知のトリガースプレーヤー13を取り付けた、2液混合式のトリガー容器となっている。本実施形態の2液混合吐出容器10は、トリガースプレーヤー13のトリガー部13aの引寄せ操作を繰り返すことで、各々の容器本体11,12から吸上げチューブ14を介して等量ずつ吸い上げた内容液を、例えば混合室(図示せず)において混合させた後に、一箇所のノズル部15から、好ましくは発泡状態や噴霧状態で吐出させるようになっている。本実施形態の2液混合吐出容器10は、各々の容器本体11,12に収容された内容液が残り少なくなったときでも、吸上げチューブ14を介して各々の容器本体11,12から、等量の内容液を吸い上げることができるようにして、偏吐出を生じることなく、内容液を最終段階まで効率良く使用できようになっている。
そして、本実施形態の2液混合吐出容器10は、図1(a)、(b)及び図2に示すように、内容液を収容した対称形状の容器本体11,12が2体並設されており、口首部11a,12aに取り付けられたトリガースプレーヤー13による吐出操作によって、各々の容器本体11,12に挿入された吸引チューブ14を介して吸引される内容液を、混合した状態で吐出させる2液混合式のトリガー容器であって、2体並設された容器本体11,12は、これらの容器本体11,12のトリガースプレーヤー13による吐出方向X側の先端部分における内側底部分に、吸引チューブ14の吸引口14aが開口するように、当該吸引チューブ14の先端部14bを強制的に誘導するチューブ誘導部16を各々備えている。且つ2体並設された容器本体11,12は、底面部11b,12bを水平な載置面に載置して自立させて、満注容量の20%の内容液を収容した状態で、トリガースプレーヤー13による吐出方向Xと垂直な左右方向Yに60°の傾倒角度で傾けた際に、図3に示すように、一方の容器本体(第1容器本体)11における内容液の静水面17から吸引チューブ14の吸引口14aの中心14cまでの深さd1と、他方の容器本体(第2容器本体)12における内容液の静水面17から吸引チューブ14の吸引口14aの中心14cまでの深さd2とが、等しいか又は略等しくなるような形状に形成されている。
また、本実施形態では、2体並設された第1容器本体11及び第2容器本体12は、底面部11b,12bを水平な載置面に載置することで自立させて、満注容量の20%の内容液を収容した際の静水面の高さ位置(仮想の切断面A)で切断した横断中空断面11d、12dにおいて、図4(a)〜(c)に示すように、各々の容器本体11,12の横断中空断面11d、12dを、トリガースプレーヤー13による吐出方向Xと平行な直線Lによって、最大横幅b1の1/2の位置で2分割すると共に、一方の容器本体11(又は容器本体12)の横断中空断面11d(12d)の外側分割領域11out(又は12out)を、他方の容器本体12(又は容器本体11)の内側分割領域12in(又は11in)まで平行移動させて重ね合わせた状態で、外側分割領域11out(又は12out)と内側分割領域12in(又は11in)との面積の差が、外側分割領域11out(又は12out)と内側分割領域12in(又は11in)のうちの大きい方(本実施形態では、内側分割領域12in(又は11in))の面積の、0〜25%の面積となっている。
本実施形態では、2体併設される第1容器本体11及び第2容器本体12は、図1(a)、(b)及び図2に示すように、各々、合成樹脂製のブロー成形品であって、略下半部分がトリガースプレーヤー13のノズル部15による吐出方向Xの前方及び後方に膨出した、偏平な有底の胴部11c,12cと、胴部11c,12cの上端部から上方に突出して設けられた、略半円の対称な断面形状を有する口首部11a,12aと含んで形成されている。
また、第1容器本体11及び第2容器本体12は、吐出方向Xに沿った一方の側面が、平坦な密着対向面11e,12eとなっており、重ね合わせた密着対向面11e,12eを中心とする対称な形状を有している。一方、個々の第1容器本体11や第2容器本体12は、非対称な形状を備えている。また、第1容器本体11及び第2容器本体12は、密着対向面11e,12eを重ね合わせて密着させた状態で併設される。これによって、略半円の対称な断面形状を有する口首部11c,12cは、全体として略円形の断面形状を備えるように併設される。併設された口首部11c,12cの外周面に形成された略円形の装着係合部を介して、トリガースプレーヤー13の装着キャップ部13bを口首部11c,12cに装着固定することで、トリガースプレーヤー13が、一対の吸上げチューブ14を各々の容器本体11,12の内部に挿入すると共に、ノズル部15による吐出方向Xを、重ね合わせた密着対向面11e,12eの方向に合わせた状態で、容器本体11,12に取り付けられる。
さらに、本実施形態では、各々の容器本体11,12の吐出方向X側の先端部分の内側底部分を、好ましくは先端側に向けて幅を窄めることによって、吸引チューブ14の先端部14bを強制的に誘導するチューブ誘導部16が設けられている。各々の容器本体11,12の先端部分の内側底部分にチューブ誘導部16が設けられていることにより、吸引チューブ14の吸引口14aが、吐出方向X側の先端部分の内側底部分に開口した状態で位置決めされ、例えば容器10が受ける衝撃等による吸引口14aの位置ずれを防止することが可能になる。これによって、内容液が残り少なくなった場合でも、偏吐出が生じるのを一層効果的に回避することが可能になる。また、詰替え容器から容器本体11,12へ内容液を詰替える際に、使用者がトリガースプレーヤー13を、並設された容器本体11,12の口首部11c,12cから一旦取り外して、再びセットする際にも、吸引チューブ14の先端部14bの吸引口14aを、チューブ誘導部16によって、容器本体11,12の吐出方向X側の内側底部分の先端部分に位置決めされるように強制的に誘導することができるため、誤セットを効果的に回避することが可能になる。
なお、チューブ誘導部16としては、図2に示す形状のものの他、例えば図5(a)、(b)に示す形状のもの等を採用することができる。また、例えば図5(c)〜(e)に示すように、チューブ誘導部16の上下に段差部を設けることもできる。
さらにまた、本実施形態では、2体並設された容器本体11,12は、好ましくはシュリンクラベルやストレッチラベル等の結束手段(図示せず)によって一体として結束されている。第1容器本体11及び第2容器本体12がシュリンクラベルやストレッチラベル等の結束手段によって一体として結束されていることにより、密着対向面11e,12eを介して密着している第1容器本体11と第2容器本体12との相対的な位置関係が、例えば容器10が受ける衝撃等によってずれるのを防止して、内容液が残り少なくなった場合でも、偏吐出が生じるのを一層効果的に回避することが可能になる。また、詰替え容器から容器本体11,12へ内容液を詰替える際にも、容器本体11,12がバラバラにならないので、詰替え易さを向上させることが可能になる。
そして、本実施形態では、密着対向面11e,12eを介して対称に配置された第1容器本体11と第2容器本体12とは、満注容量の20%の内容液を収容した際の静水面の高さ位置(仮想の切断面A)で切断した横断中空断面11d,12dにおいては、図4(a)〜(c)に示すように、各々の横断中空断面11d,12dを最大横幅b1の1/2の位置で2分割して、一方の外側分割領域11out(又は12out)を、他方の内側分割領域12in(又は11in)まで平行移動させて重ね合わせた状態で、これらの面積の差が、これらのうちの大きい方の面積である内側分割領域12in(又は11in)の面積の、0〜25%の面積となっている。すなわち、各々の横断中空断面11d、12dを最大横幅b1の1/2の位置で2分割した際に、一方の容器本体11(又は12)の外側分割領域11out(又は12out)と、他方の容器本体12(又は11)の内側分割領域12in(又は11in)とが、同じか又は略同じ形状を有している。
これによって、2体並設される第1容器本体11と第2容器本体12とを、2液混合吐出容器10を水平な載置面に載置することで自立させて、満注容量の20%の内容液を収容した状態で、左右方向Yに60°の傾倒角度で傾けた際に、一方の容器本体11(又は12)における内容液の静水面17から吸引チューブ14の吸引口14aの中心14cまでの深さd1と、他方の容器本体12(又は11)における内容液の静水面17から吸引チューブ14の吸引口14aの中心14cまでの深さd2とが、等しいか又は略等しくなるような形状に、第1容器本体11と第2容器本体12が形成されている。
そして、上述の構成を備える本実施形態の2液混合吐出容器10によれば、2体並設された容器本体11,12から等量の内容液を各々吸引して、混合状態で内容液を吐出させる際に、各々の容器本体11,12に収容された内容液が残り少なくなったときでも、偏吐出を生じることなく、均等又は略均等な混合状態で吐出させて、内容液を最終段階まで効率良く使用することが可能になる。
すなわち、本実施形態は、2液混合吐出容器10の並設された容器本体11,12は、トリガースプレーヤー13による吐出方向X側の先端部分の内側底部分に吸引チューブ14の先端部14bを強制的に誘導する、チューブ誘導部16を各々備えている。更に加えて、容器本体11,12は、水平な載置面に載置して満注容量の20%の内容液を収容した状態で、吐出方向Xと垂直な左右方向Yに60°の傾倒角度で傾けた際に、一方の容器本体(第1容器本体)11における内容液の静水面17から、チューブ誘導部16によって位置決め誘導された吸引チューブ14の吸引口14aの中心14cまでの深さd1と、他方の容器本体(第2容器本体)12における内容液の静水面17から、チューブ誘導部16によって位置決め誘導された吸引チューブ14の吸引口14aの中心14cまでの深さd2とが、等しいか又は略等しくなるような形状に形成されている。
上記のように構成された本実施形態によれば、容器本体11,12に収容された内容液が残り少なくなった最終段階で、2液混合吐出容器10を左右方向Yや下方に傾けた状態で使用しても、図6(a),(b)及び図7に示す、一方の容器本体51aの外側分割領域と他方の容器本体51bの内側分割領域との面積の差が、これらのうちの大きい方の面積の32%の面積となっている、従来の2液混合吐出容器50のように、一方の容器本体51aに挿入された吸引チューブ54の吸引口54aの全体が内容液の内部に浸かっていても、他方の容器本体51bに挿入された吸引チューブ54の吸引口54aは、その一部しか内容液の内部に浸かっていない状態にすることなく、図3に示すように、内容液を使い切る直前まで、双方の容器本体11,12に挿入された吸引チューブ14の吸引口14aの全体が、内容液の内部に浸かっている状態を保持して、偏吐出を生じさせることなく、均等又は略均等な混合状態で吐出させて、内容液を最終段階まで効率良く使い切ることが可能になる。
また、本実施形態によれば、並設された容器本体11,12の外側分割領域11out(又は12out)と内側分割領域12in(又は11in)との面積の差を、これらのうちの大きい方の面積の0〜25%の面積としているので、並設された個々の容器本体11,12を、例えば線対称の矩形断面形状や略矩形断面形状とするとなく、非対称の断面形状とすることが可能になって、デザイン性の自由度を向上させることが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、2液混合吐出容器は、2液混合式のトリガー容器である必要は必ずしも無く、2液混合式のポンプ容器等の、その他の吐出容器であっても良い。2体並設された容器本体は、シュリンクラベル等の結束手段によって一体として結束されている必要は必ずしも無く、容器本体は、ブロー成形容器である必要は必ずしも無い。また、並設された容器本体に各々収容される内容液は、過酸化水素を含む漂白剤と、水酸化ナトリウムを含むアルカリ剤である必要は必ずしも無く、その他の種々の内容液であっても良い。
前述した本発明の実施態様に関し、更に以下の付記(2液混合吐出容器)を開示する。
<1> 内容液を収容した容器本体が2体並設されており、口首部に取り付けられた吐出機構による吐出操作によって、各々の容器本体に挿入された吸引チューブを介して吸引される内容液を、混合した状態で吐出させる2液混合吐出容器であって、
2体並設された前記容器本体は、前記吐出機構による吐出方向の先端部分の内側底部分に吸引口が開口するように、前記吸引チューブの先端部を誘導するチューブ誘導部を各々備えており、
前記吸引チューブは、容器本体の口首部から鉛直下方に伸びた後、前記吐出方向先端部方向に屈曲し前記チューブ誘導部に至るように形成され、
且つ2体並設された前記容器本体は、底面部を水平な載置面に載置することで自立させて、満注容量の20%の内容液を収容した状態で、前記吐出機構による吐出方向と垂直な左右方向に60°の傾倒角度で傾けた際に、一方の前記容器本体における内容液の静水面から前記吸引チューブの吸引口の中心までの深さと、他方の前記容器本体における内容液の静水面から前記吸引チューブの吸引口の中心までの深さとが、等しいか又は略等しくなるような形状に形成されている2液混合吐出容器。
<2> 前記吸引チューブの先端に、チューブ径以上のチューブ先端誘導部を有する<1>記載の2液混合吐出容器。
<3> 2体並設された前記容器本体は、異なる色相を有し、前記吸引チューブは、装着される前記容器本体と同じ色相を有する<1>又は<2>記載の2液混合吐出容器。
以下、実施例及び比較例により、本発明の2液混合吐出容器をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1(a)、(b)に示す上記実施形態の2液混合トリガー容器10と同様の構成を備えるトリガー容器を、実施例1の2液混合吐出容器とした。図6(a)、(b)に示す従来の2液混合トリガー容器10と同様の構成を備えるトリガー容器を、比較例1の2液混合吐出容器とした。満注容量の20%の内容液を収容した際の静水面の高さ位置で切断した横断中空面において、一方の容器本体の横断中空面の外側分割領域を、他方の容器本体の内側分割領域まで平行移動させて重ね合わせた状態における、外側分割領域と内側分割領域との面積の差の、外側分割領域と内側分割領域のうちの大きい方の面積に対する割合は、実施例1の2液混合吐出容器では11%、比較例1の2液混合吐出容器では32%となっている。
比較例1の2液混合吐出容器について、容器本体に満注容量の(1)50%、(2)20%、(3)10%の内容液を充填した状態で、以下の方法により偏吐出率の実験を行った。
<偏吐出率の実験>
2液混合吐出容器を、内容液の吐出方向に沿った前後方向に+10°〜−90°(+は上向き、−は下向き)の傾け角度で傾けた状態で、トリガーを繰り返し引き寄せて内容液を10回吐出させ、その際の容器本体の左右各々の減少量を測定し、それを第1剤、第2剤の吐出容量として測定した。また、2液混合吐出容器を、内容液の吐出方向と垂直な左右方向に0°〜−90°(+は右向き、−は左向き)の傾け角度で傾けた状態で、トリガーを繰り返し引き寄せて内容液を10回吐出させ、その際の容器本体の左右各々の減少量を測定し、それを第1剤、第2剤の吐出容量として測定した。偏吐出率は次式にて算出した。
<偏吐出率%>=|第1剤の吐出容量−第2剤の吐出容量|/合計吐出容量×100
尚、測定では、左右の同一角度は同じ偏吐出率になるとみなし、右側(+側)に傾けたときのみを測定した。また前後の傾け角度−90°に関しては、左右の傾け角度を変化させても、回転するのみで、容器の傾け方は変化しないため、左右の傾け角度は0°のときと全て同一とみなし、0°のときのみを測定した。
比較例1の2液混合吐出容器について、満注容量と偏吐出率、偏吐出角度の関係を評価した。評価結果を図8に示す。図8に示す評価結果では、片側のみしか吐出しなかった場合及び上記式で算出される偏吐出率が10%を超える場合を偏吐出が起こったとした。また図8に示す評価結果では、第1剤、第2剤ともに吐出しなかった場合をN、第1剤、第2剤のどちらか一方のみしか吐出しなかった場合をE、その他の場合は偏吐出率の数値を記載した。
図8に示す評価結果によると、満注容量50%における評価では、偏吐出は起こらなかった。しかし、満注容量20%以下では偏吐出が起こった。特に左右方向の傾け角度が60°の傾けにおいてはその影響が表れ易い。そしてNのときは両側共にチューブ先端が液面に浸かっておらず、Eのときは片側のみチューブ先端が液面に浸かっていた。
実施例1の2液混合吐出容器について、上述と同様の方法により偏吐出率の実験を行った。比較例1の2液混合吐出容器についての評価結果では、満注容量の10%の内容液を充填した状態において偏吐出が起こり易かったことから、実施例1の2液混合吐出容器の容器本体に満注容量の10%の内容液を充填した状態で、偏吐出率の実験を行った。
評価結果を図9に示す。図9に示す評価結果によれば、外側分割領域と内側分割領域との面積差が比較例1の2液混合吐出容器よりも小さい値となっている実施例1の2液混合吐出容器では、全ての角度において、偏吐出は起こらず、どの傾け角度においても、両側の容器本体で、チューブ先端が液面に浸かっているか、又は両側とも液面に浸からないといった状態となっていたことが判明する。
10 2液混合吐出容器
11 第1容器本体
11d 横断中空断面
11out 外側分割領域
11in 内側分割領域
12 第2容器本体
12d 横断中空断面
12out 外側分割領域
12in 内側分割領域
13 トリガースプレーヤー(吐出機構)
14 吸上げチューブ
14a 吸引口
14b 先端部
14c 吸引口の中心
15 ノズル部
16 チューブ誘導部
17 静水面
A 仮想の切断面
X 吐出方向
Y 左右方向
L 吐出方向と平行な直線
b1 横断中空断面の最大横幅
d1,d2 静水面から吸引チューブの吸引口の中心までの深さ

Claims (8)

  1. 内容液を収容した容器本体が2体並設されており、口首部に取り付けられた吐出機構による吐出操作によって、各々の容器本体に挿入された吸引チューブを介して吸引される内容液を、混合した状態で吐出させる2液混合吐出容器であって、
    2体並設された前記容器本体は、前記吐出機構による吐出方向側の先端部分の内側底部分に前記吸引チューブの吸引口が開口するように、前記吸引チューブの先端部を誘導するチューブ誘導部を各々備えており、
    且つ2体並設された前記容器本体は、底面部を水平な載置面に載置して自立させて、満注容量の20%の内容液を収容した状態で、前記吐出機構による吐出方向と垂直な左右方向に60°の傾倒角度で傾けた際に、一方の前記容器本体における内容液の静水面から前記吸引チューブの吸引口の中心までの深さと、他方の前記容器本体における内容液の静水面から前記吸引チューブの吸引口の中心までの深さとが、等しいか又は略等しくなるような形状に形成されている2液混合吐出容器。
  2. 2体並設された前記容器本体は、底面部を水平な載置面に載置することで自立させて、満注容量の20%の内容液を収容した際の静水面の高さ位置で切断した横断中空面において、各々の前記容器本体の横断中空面を、前記吐出機構による吐出方向と平行な直線によって、最大横幅の1/2の位置で2分割すると共に、一方の前記容器本体の横断中空面の外側分割領域を、他方の前記容器本体の内側分割領域まで平行移動させて重ね合わせた状態で、前記外側分割領域と前記内側分割領域との面積の差が、前記外側分割領域と前記内側分割領域のうちの大きい方の面積の、0〜25%の面積となっている請求項1記載の2液混合吐出容器。
  3. 前記吸引チューブの先端部を誘導するチューブ誘導部は、各々の前記容器本体の前記吐出方向先端部分の内側底部分を、先端側に向けて幅を窄めることによって設けられている請求項1又は2記載の2液混合吐出容器。
  4. 前記吸引チューブの先端部を誘導するチューブ誘導部の上下に、段差が設けられている請求項1〜のいずれか1項記載の2液混合吐出容器。
  5. 2体の前記容器本体は、密着対向面を各々備えており、これらの密着対向面を重ね合わせた状態で並設されている請求項1〜4のいずれか1項記載の2液混合吐出容器。
  6. 2体並設された前記容器本体は、重ね合わせた密着対向面に対して対称な形状を有している請求項5記載の2液混合吐出容器。
  7. 2体並設された前記容器本体は、シュリンクラベル、ストレッチラベル等の結束手段によって一体として結束されている請求項1〜6のいずれか1項記載の2液混合吐出容器。
  8. 前記容器本体は、ブロー成形容器である請求項1〜7のいずれか1項記載の2液混合吐出容器。
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