JP5977107B2 - ベシクル組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
以下の成分(A)〜(D):
成分(A);総炭素数12〜40の脂肪酸、
成分(B);総炭素数8〜75の第3級アミン化合物、
成分(C);総炭素数1〜10の有機酸、および
成分(D);第一の多価アルコール
を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解させる油相調製工程、
該油相調製工程で得られた油相に水相を加えながら混合する乳化工程、
該油相に添加した該水相の量が該油相の1質量倍以上になった後、成分(D');第二の多価アルコールを加える添加工程、ならびに
該乳化工程の後、得られた組成物を冷却する冷却工程
を含む、連続相が水相であるベシクル組成物の製造方法。
具体的には、以下の一般式(1)または(2)で表されるいずれか一種もしくは二種以上の脂肪酸である。
(上記一般式(1)中、nは10〜38の整数を示す。)
また、「化粧品原料基準 第二版注解I(1984)薬事日報社」P.87(C)イソステアリン酸に記載されている分岐脂肪酸を用いてもよい。この分岐脂肪酸は、メチル基が側鎖であり、位置は特定されていないが、オレイン酸からダイマー酸を合成する際に副生される不飽和側鎖脂肪酸に水素添加して得られるC18側鎖脂肪酸であると記載されている。具体的には、イソステアリン酸EX(高級アルコール工業社製)が挙げられる。
成分(B)は、総炭素数8〜75の第3級アミン化合物であり、具体的には、一般式(3)から(6)で表される第3級アミン化合物の一種または二種以上である。
また、上記一般式(5)中、R5は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R6は同一または異なっていて、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を示し、lは2〜4の整数を示す。
また、一般式(3)および一般式(4)において、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の観点から、R2は好ましくは24以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数22以下の直鎖アルキル基である。
このような化合物としては、具体的には、一般式(3)で表わされる成分(B)の第三級アミン化合物であれば、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンおよびN,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(「N,N−ジメチル−オクタデシロキシプロピルアミン」とも記載する。)から選ばれる一種または二種を用いることができる。
また、一般式(4)で表される成分(B)の第3級アミン化合物であれば、具体的には、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルベヘニルアミンおよびN,N−ジメチル−n−オクタデシルアミンから選ばれる一種または二種以上を用いることができる。
一般式(6)で表わされる成分(B)の第3級アミン化合物であれば、具体的にはヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンから選ばれる一種または二種以上を用いることができる。
また、R5は、好ましくは23以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。
一般式(5)で表される第3級アミン化合物として、具体的には、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサンアミドおよびN−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドから選ばれる一種または二種を用いることができる。
成分(B)の3級アミンとしては、高温時の保存安定性の観点から一般式(3)のエーテルアミン、一般式(5)のアミドアミンが好ましい。
また、成分(B)の含有量は、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の点から、ベシクル組成物中に15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがさらに好ましく、7質量%以下とすることが特に好ましい。
成分(C)は、総炭素数1〜10の有機酸である。すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の点から有機酸の総炭素数は1以上が好ましく、2以上がより好ましい。また、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の点から有機酸の総炭素数は8以下が好ましく、6以下がより好ましい。
このような有機酸は具体的には、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;安息香酸、サリチル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸から選ばれる一種または二種以上を用いることができる。これらの中で、ヒドロキシカルボン酸および酸性アミノ酸から選ばれる一種または二種以上を用いるが好ましい。ヒドロキシカルボン酸としては、特にグリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸が好ましく、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸が好ましく、中でもグルコール酸、乳酸が好ましい。酸性アミノ酸としては、グルタミン酸が特に好ましい。
成分(D)および成分(D')は、それぞれ、第一および第二の多価アルコールである。成分(D)または成分(D')として用いられる多価アルコールは、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、1−3ブチレングリコール、イソペンチルジオール、25℃で液体のポリプロピレングリコール、ソルビトールなどから選ばれる一種または二種以上の化合物である。特に2価アルコールが好ましく、中でもプロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
成分(D)と成分(D')は同一でもよく、相違していてもよい。
また、後述するベシクル組成物の製造方法中、油相調製工程においては、得られるベシクル組成物中の成分(D)の濃度が上記範囲になるように油相を調製することが好ましい。
さらに低温時の保存安定性をより向上させる観点から2種の多価アルコールを併用する場合にはジプロピレングリコールとプロピレングリコールは重量比で10:90〜90:10が好ましく、20:80〜80:20がより好ましい。
また、後述するベシクル組成物の製造方法中、成分(D)'の添加工程においては、得られるベシクル組成物中の成分(D')の濃度が上記範囲になるように添加することが好ましい。
ベシクル分散液は、たとえば以下の段階、すなわち、
成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解する油相調製工程と、
当該油相調製工程で得られた油相に水相を加えながら混合する乳化工程と、
当該油相に添加した当該水相の量が油相の1質量倍以上になった後、成分(D');第二の多価アルコールを加える添加工程と、
当該乳化工程の後、得られた組成物をベシクルのゲル転移温度以下まで冷却する冷却工程と、
を行うことによって好適に製造できる。このような手順に従えば、連続相が水相であるベシクル組成物が得られる。また、得られるベシクル組成物は、ベシクルの分散液(プレミックス)の形態をとることが望ましい。
また、油相は均一に混合された状態であることが好ましい。そこで、本工程は油相を混合しながら溶解させることが好ましい。混合方法は特に限定しないが、たとえば攪拌により混合することが好ましい。
また、油相への水相の滴下速度は適宜選択できるが、所望の構造を効率的に生成させる観点から10分以上かけて滴下することが望ましい。特に滴下速度を制限するものではないが、例えば滴下する水相の全量が1400gであれば12〜50g/分で滴下することが好ましい。
ここで「水相」には、イオン交換水、蒸留水などの精製水を用いるのが好ましい。水相の量はベシクルが形成すれば任意の量でよいが、油相の1質量倍以上であり、油相の2質量倍以上が好ましく、3質量倍以上が特に好ましい。また、油相の100質量倍以下が好ましく、油相の50質量倍以下がより好ましい。
得られるベシクル組成物の保存安定性及びすすぎ時の滑らかさ、乾燥後のなめらかさ付与の観点からは、添加工程は水相の量が油相の2質量倍以上になった後が好ましく、油相の3質量倍以上になった後がより好ましい。更に乳化工程の後がより好ましく、後述する冷却工程の後がさらに好ましい。
さらに添加開始時の成分(D')の温度については、10℃以上であることが好ましく20℃以上であることが好ましい。
また、ベシクル組成物の保存安定性の観点からは、添加開始時の成分(D')の温度が85℃以下であることが好ましく、50℃以下であることが好ましい。
また、上述した製造方法により、さらに成分(E)を含有するベシクル組成物を得る際には、成分(E)は油相調製工程において油相に配合するのが好ましい。
成分(E)の含有量は、ベシクル組成物に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。また、成分(E)の含有量は、ベシクル組成物に対して3.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましい。
本発明における毛髪化粧料は、たとえば一種または複数の界面活性剤と脂肪族アルコールとを含有し、さらに前述したベシクル組成物を含有する。
(I)毛髪用化粧料ベース調製工程、および
(II)(I)で得られた毛髪用化粧料ベースに本発明で得られたベシクル組成物を配合するベシクル配合工程
を含有する。
以下の成分(A)〜(D):
成分(A);総炭素数12〜40の脂肪酸、
成分(B);総炭素数8〜75の第3級アミン化合物、
成分(C);総炭素数1〜10の有機酸、および
成分(D);第一の多価アルコール
を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解させる油相調製工程、
該油相調製工程で得られた油相に水相を加えながら混合する乳化工程、
該油相に添加した該水相の量が該油相の1質量倍以上になった後、成分(D');第二の多価アルコールを加える添加工程、ならびに
該乳化工程の後、得られた組成物を冷却する冷却工程
を含む、連続相が水相であるベシクル組成物の製造方法。
添加工程が乳化工程の後、好ましくは冷却工程の後に行われる<1>に記載の製造方法。
<3>
乳化工程で混合時の温度が、得られるベシクル組成物のゲル転移温度以上である<1>または<2>に記載の製造方法。
<4>
冷却工程でゲル転移温度以下まで該ベシクル組成物を冷却する<1>〜<3>のいずれか一項に記載の製造方法。
<5>
油相調製工程で油相を溶解させる際の温度が油相の融点より5℃以上高い温度であり、より好ましくは10℃以上高い温度である<1>〜<4>のいずれか一項に記載の製造方法。
<6>
さらに油相調製工程において、油相に成分(E)脂肪酸エステル、好ましくはステアリン酸ステアリル、水素添加ホホバ油、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチルから選ばれる1種または2種以上、さらに好ましくはステアリン酸ステアリルを配合する<1>〜<5>のいずれか一項に記載の製造方法。
<7>
成分(D')が好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどから選ばれる1種または2種以上の化合物、より好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコールから選ばれる1種または2種の化合物、特に好ましくはプロピレングリコールとジプロピレングリコールである<1>〜<6>のいずれか一項に記載の製造方法。
<8>
成分(D')の含有量がベシクル組成物中に1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、かつ30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である;あるいは、
該添加工程で成分(D')の添加量が当該ベシクル組成物中1〜30質量%である<1>〜<7>のいずれか一項に記載の製造方法。
<9>
成分(D')がプロピレングリコールとジプロピレングリコールであった場合、成分(D')中のプロピレングリコールとジプロピレングリコールの比率が10:90〜90:10であり、好ましくは20:80〜80:20である<1>〜<8>のいずれか一項に記載の製造方法。
<10>
乳化工程で添加する水相の量が、油相の1質量倍以上、好ましくは油相の2質量倍以上、より好ましくは3質量倍以上であり、油相の100質量倍以下、好ましくは油相の50質量倍以下である<1>〜<9>に記載の製造方法。
<11>
成分(A)の含有量がベシクル組成物中に0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、かつ10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり;
成分(B)の含有量がベシクル組成物中に0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であって、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下であり;
成分(C)の含有量がベシクル組成物中に0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であって、4質量%以下、好ましくは2質量%以下であり;
成分(D)の含有量がベシクル組成物中に0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であって、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である、または該油相調製工程において成分(D)の添加量が当該ベシクル組成物中0.5〜40質量%である<1>〜<10>のいずれか一項に記載の製造方法。
<12>
成分(A)の総炭素数が14以上、好ましくは16以上であって、30以下、好ましくは24以下、より好ましくは22以下である<1>〜<11>のいずれか一項に記載の製造方法。
<13>
成分(A)が一般式(1)で示される直鎖脂肪酸または一般式(2)で示される分岐の飽和脂肪酸から選ばれるいずれか1種または2種以上、好ましくは一般式(1)で示される直鎖脂肪酸と一般式(2)で示される分岐脂肪酸の組み合わせである<1>〜<12>のいずれか一項に記載の製造方法。
<14>
一般式(1)で示される直鎖脂肪酸がパルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸から選ばれる1または2以上であり、一般式(2)で示される分岐脂肪酸が2−ヘプチルウンデカン酸(イソステアリン酸)、14−メチルペンタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、18−メチルノナデカン酸、19−メチルエイコサン酸、20−メチルヘンエイコサン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸、18−メチルエイコサン酸、19−メチルヘンエイコサン酸から選ばれるいずれか1または2以上である<1>〜<13>のいずれか一項に記載の製造方法。
<15>
成分(A)が一般式(1)で示される直鎖脂肪酸と一般式(2)で示される分岐脂肪酸の組み合わせの場合、直鎖脂肪酸と分岐脂肪酸の比率が重量比で(1)/(2)=70/30〜40/60である<1>〜<14>のいずれか一項に記載の製造方法。
<16>
成分(B)がアミドアミン、エーテルアミン、アルキルアミン、ヒドロキシエーテルアミン、好ましくはアミドアミン、エーテルアミン、より好ましくはエーテルアミン、から選ばれるいずれか1つもしくは2種以上である<1>〜<15>のいずれか一項に記載の製造方法。
<17>
成分(C)は総炭素数1以上、好ましくは2以上であって、かつ10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下の有機酸である<1>〜<16>のいずれか一項に記載の製造方法。
<18>
成分(C)がモノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸、酸性アミノ酸、好ましくは酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸から選ばれる1種または2種以上の化合物である<1>〜<17>のいずれか一項に記載の製造方法。
<19>
成分(A)、(B)および(C)において、成分(A)および成分(C)の酸当量の合計と成分(B)の塩基当量との比が0.25以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上であり、かつ、4以下、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下である<1>〜<18>のいずれか一項に記載の製造方法。
<20>
成分(A)と成分(C)とのモル比(A)/(C)が、5/5以上、好ましくは7/3以上であり、かつ、9/1以下、好ましくは8/2である<1>〜<19>のいずれか一項に記載の製造方法。
<21>
ベシクル組成物中の成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計は、1質量%以下であり、かつ、20質量%、好ましくは15質量%以下である<1>〜<20>のいずれか一項に記載の製造方法。
<22>
<1>〜<21>に記載いずれか一項の製造方法によって得られるベシクル組成物。
<23>
トリートメント、コンディショナーまたはリンスの形態であり、一種または二種以上の界面活性剤と脂肪アルコールとを含む毛髪用化粧料ベース、好ましくは一種または二種以上の界面活性剤と脂肪アルコールと乳化シリコーン粒子とを含む毛髪用化粧料ベースに、<22>に記載のベシクル組成物を添加して得られる、毛髪化粧料。
<24>
水相にカチオン性界面活性剤と高級アルコールを含有する油相を添加し、乳化する毛髪用化粧料ベース調製工程、毛髪用化粧料ベース調製工程で得られた組成物に<22>に記載のベシクル組成物を添加するベシクル配合工程を含む毛髪化粧料の製造方法。
<25>
毛髪用化粧料ベース調製工程における乳化温度が、毛髪用化粧料ベース調製工程で得られる組成物のゲル転移温度以下である<24>に記載の毛髪化粧料の製造方法。
<26>
ベシクル配合工程をベシクル組成物のゲル転移温度以下の温度で行う<24>または<25>に記載の毛髪化粧料の製造方法。
以下の方法により、各例のプレミックス組成物を調製した。また、得られたプレミックス組成物を用いてリンスの調製および評価をおこなった。プレミックスおよびリンスの配合、プレミックスの製造条件ならびにリンスの評価結果を表1〜表3に示す。
表1の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取った。成分(A)(B)(C)(D)及び(E)を2Lのセパラブルフラスコに投入し、80℃まで攪拌下で加熱し、原料を完全溶解した。この油相中に、水相として80℃に加熱したイオン交換水を60分かけて定量滴下し、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をおこなった。乳化終了後、5℃の冷媒により30℃まで冷却した。その後、成分(D')を配合後、攪拌回転数90rpmで5分間攪拌し、プレミックス組成物を得た。
なお、第2の多価アルコールを添加する際の水相(W)と油相(O)の比率は6.49であった。
表1〜表3には、本実施例および以下の例におけるプレミックスの製造条件および各成分の重量分率を示した。
油相に配合した成分(E)をステアリン酸ステアリルに変えて、水素添加ホホバ油を配合したこと以外は実施例1に準じて、プレミックス組成物を得た。
油相に配合した成分(B)の配合量とイオン交換水の配合量を変えたこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
油相から成分(E)を除き、表1の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取ったこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
成分(D')をジプロピレングリコールからプロピレングリコールに変えたこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
成分(D')の配合量とイオン交換水の配合量を変えたこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
成分(D')をジプロピレングリコールとプロピレングリコールが1:1(質量比)になるように、成分(D')とイオン交換水の配合量を調整したこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
油相に配合した成分(B)をN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ドコサンアミドに変更し、((A)+(C))/(B)が1.0となるように成分(B)とイオン交換水の量を調整したこと以外は実施例7に準じて、プレミックス組成物を得た。
油相の成分(A)をステアリン酸、イソステアリン酸のみとし、成分(E)を除いた表2に記載の処方について、プレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取ったこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
油相の成分(A)をステアリン酸のみに変更するとともに、成分(D')についてジプロピレングリコールとプロピレングリコールを1:1(質量比)とした表2に記載の処方について、プレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取ったこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
実施例1において、乳化終了後、5℃の冷媒により70℃まで冷却した後、成分(D')のジプロピレングリコールを配合、攪拌した他は、実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
表2の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取った。成分(A)(B)(C)(D)及び(E)を2Lのセパラブルフラスコに投入し、80℃まで攪拌下で加熱し、原料を完全溶解した。この油相中に、水相として80℃に加熱したイオン交換水を水相(W)と油相(O)の比率が2.50になるまで25分かけて定量滴下し、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をおこなった。次に、成分(D')を配合した。その後、さらに水相として80℃に加熱した残りのイオン交換水を35分かけて、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をしながら、定量滴下した。乳化終了後、5℃の冷媒により30℃まで冷却し、プレミックス組成物を得た。
成分(D')を除いた以外は実施例9に準じてプレミックス組成物を得た。
成分(D')を除き、成分(D)およびイオン交換水の配合を表3のように調整した以外は実施例4に準じてプレミックス組成物を得た。
油相から成分(D)を除き、表3の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取ったこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
表3の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取った。成分(A)(B)(C)(D)および(E)を2Lのセパラブルフラスコに投入し、80℃まで攪拌下で加熱し、原料を完全溶解した。この油相中に、水相として80℃に加熱したイオン交換水を水相(W)と油相(O)の比率が0.50になるまで5分かけて定量滴下し、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をおこなった。次に、成分(D')を配合した。その後、さらに水相として80℃に加熱した残りのイオン交換水を55分かけて、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をしながら、定量滴下した。乳化終了後、5℃の冷媒により30℃まで冷却し、プレミックス組成物を得た。
*1 パルミチン酸:ルナックP−95(分子量256.4、花王社製)
*2 ステアリン酸:ルナックS−90V(分子量284.48、花王社製)
*3 イソステアリン酸:イソステアリン酸EX(分子量284.48、高級アルコール工業社製)
*4 ベヘン酸:ルナックBA(分子量340.58、花王社製)
*5 N,N−ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン:ファーミンDM E−80(純度90%、分子量355.63、花王社製)
*6 N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサンアミド:AMIDET APA−22(分子量424.8、花王社製)
*7 乳酸:ムサシノ乳酸90(乳酸、純度90%、分子量:90.08、融点18℃、武蔵野化学研究所社製)
*8 ジプロピレングリコール:DPG−RF(ADEKA社製)
*9 ステアリン酸ステアリル:エキセパール SS(花王社製)
*10 水素添加ホホバ油:極度水添ホホバ油(香栄興業社製)
*11 プロピレングリコール:化粧用プロピレングリコール(ADEKA社製)
実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物について、調製直後、室温1ヶ月保存後、高温(50℃)保存後および低温(−10℃)保存後のベシクルの安定性を評価した。
(1)高温保存安定性の評価
実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物を50℃の条件下で1ヶ月保存した。保存後のサンプルのベシクル有無を偏光顕微鏡観察により確認することによって高温時の保存安定性を評価した。
◎:ベシクル構造由来の明瞭なマルテーゼクロス(Maltese Cross)が観察される。
○:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが観察される。
△:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが少し観察される。
×:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが観察されない。
実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物を−10℃の条件下で1ヶ月保存した。保存後のサンプルのベシクル有無を偏光顕微鏡観察により確認することによって高温時の保存安定性を評価した。
◎:ベシクル構造由来の明瞭なマルテーゼクロス(Maltese Cross)が観察される。
○:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが観察される。
△:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが少し観察される。
×:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが観察されない。
なお、調製直後および室温1ヶ月保存後のサンプルについても、上記評価基準に準じてベシクルの有無を評価した。
実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物を用いてリンスの調製をおこなった。500mLビーカーに水相としてイオン交換水301.40g、ムサシノ乳酸90(乳酸、純度90%、分子量:90.08、融点18℃、武蔵野化学研究所社製)を2.36g入れ、55℃までプロペラで攪袢下加熱した。その後、ファーミンDME−80(N,N−ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン、純度90%、分子量355.63、花王社製)を9.29g、カルコール8098(ステアリルアルコール、花王社製)21.00g、DPG−RF(ジプロピレングリコール、ADEKA社製)5.95gからなる油相を80℃で均一溶解した後、水相中に添加し、10分間300rpmで攪拌して乳化した。35℃以下まで放冷して毛髪用化粧料ベースとしてベースリンスを調製した後、実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物10.00gを添加し、リンスとした。なお、添加するプレミックス組成物は−10℃の条件下で1ヶ月保存したものを使用した。
コールドパーマ、ブリーチ等の美容処理をおこなった日本人女性の毛髪20g(約15.20cm)を束ね、シャンプーで洗浄した。この毛髪に実施例1〜15および比較例1〜2で調製したリンス2gを均一に塗布し、30秒間流水ですすぎ流した後、タオルドライを行い、さらにドライヤー乾燥を行った毛髪の「すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさ」について総合的な官能評価をおこなった。
評価は専門パネラー10人が5段階評価をおこない、その平均値を取った。平均点が3点以上であれば合格品とした。
「すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさ」
5:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスに優れる
4:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスが良好
3:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスがやや良好
2:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスがやや劣る
1:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスが劣る
また、以上の実施例で得られたベシクル組成物は、低温における保存安定性と高温における保存安定性とのバランスにも優れていた。
表4より、比較例に対して実施例の粘度変化が小さく、保存安定性が良好であった。
Claims (8)
- 以下の成分(A)〜(D):
成分(A);総炭素数12〜40の脂肪酸、
成分(B);総炭素数8〜75の第3級アミン化合物、
成分(C);総炭素数1〜10の有機酸、および
成分(D);第一の多価アルコール
を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解させる油相調製工程、
該油相調製工程で得られた油相に水相を加えながら混合する乳化工程、
該油相に添加した該水相の量が該油相の1質量倍以上になった後、成分(D');第二の多価アルコールを加える添加工程、ならびに
該乳化工程の後、得られた組成物を冷却する冷却工程
を含む、連続相が水相であるベシクル組成物の製造方法。 - 該添加工程で前記成分(D')の添加量が当該ベシクル組成物中1〜30質量%である請求項1に記載のベシクル組成物の製造方法。
- 該油相調製工程において前記成分(D)の添加量が当該ベシクル組成物中0.5〜40質量%である請求項1または2に記載のベシクル組成物の製造方法。
- 前記油相が、成分(E);脂肪酸エステルをさらに含有する、請求項1〜3いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
- 前記成分(A)、(B)および(C)において、成分(A)および(C)の酸当量の合計と(B)の塩基当量との比が0.25〜4である、請求項1〜4いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
- 当該ベシクル組成物中の前記成分(A)、(B)、および(C)の合計が、1〜20質量%である、請求項1〜5いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
- 該添加工程を該冷却工程の後に行う請求項1〜6いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
- 請求項1〜7いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法によりベシクル組成物を得る工程、
水相にカチオン性界面活性剤と高級アルコールを含有する油相を添加し乳化する毛髪用化粧料ベース調製工程、および
前記毛髪用化粧料ベース調製工程で得られた組成物に、前記ベシクル組成物を配合するベシクル添加工程、を含む、毛髪化粧料の製造方法。
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