JP5977107B2 - ベシクル組成物の製造方法 - Google Patents

ベシクル組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5977107B2
JP5977107B2 JP2012159626A JP2012159626A JP5977107B2 JP 5977107 B2 JP5977107 B2 JP 5977107B2 JP 2012159626 A JP2012159626 A JP 2012159626A JP 2012159626 A JP2012159626 A JP 2012159626A JP 5977107 B2 JP5977107 B2 JP 5977107B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
oil phase
acid
vesicle composition
vesicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012159626A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014019665A (ja
Inventor
堅亘 藤井
堅亘 藤井
司 宮谷
司 宮谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2012159626A priority Critical patent/JP5977107B2/ja
Priority to EP13748798.9A priority patent/EP2815738A4/en
Priority to US14/378,254 priority patent/US20140371332A1/en
Priority to CN201380008018.XA priority patent/CN104093392A/zh
Priority to PCT/JP2013/053397 priority patent/WO2013122102A1/ja
Priority to TW102105667A priority patent/TWI551303B/zh
Publication of JP2014019665A publication Critical patent/JP2014019665A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5977107B2 publication Critical patent/JP5977107B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、ベシクル組成物の製造方法、ベシクル組成物、毛髪化粧料および毛髪化粧料の製造方法に関する。
近年、パーマやヘアカラー、ブリーチなどの利用が一般化する反面、これらの化学処理に伴う毛髪のダメージも問題となっている。従来から、シャンプー後の毛髪の感触を向上させるために、リンス、コンディショナー、トリートメントなどの毛髪化粧料が使用されているが、毛髪のダメージを軽減する観点からも、さらなる性能向上が望まれている。
特許文献1には、毛髪の損傷を抑止するとともに、良好な感触を付与する技術として、特定の分岐脂肪酸類を含有する毛髪化粧料が提案されている。
特許文献2には、特定の第3級アミンおよび特定の分岐脂肪酸に加えて、特定の有機酸を組み合わせることで調製されたベシクル組成物を含有する毛髪化粧料が提案されている。特許文献2によれば、従来の毛髪化粧料よりも分岐脂肪酸の含有量を低減させても、従来の毛髪化粧料により実現されていた塗布時の馴染み感、すすぎ時の滑らかさを維持または向上させることができると記載されている。
特開平4−173719 国際公開第2011/007525号
しかし、特許文献2の方法でベシクルを製造する場合、ベシクルの粒子サイズについては比較的大きなものが得られるが、一方でベシクルの保存安定性、特に低温条件での保存安定性について、改善の余地があった。
本発明は、特に低温下での保存安定性に優れたベシクル組成物およびこれを含有する毛髪化粧料に関する。
本発明者らは、ベシクル組成物の保存安定性を改善するため鋭意検討を行ったところ、特定の製造条件でベシクル組成物を製造すると、得られるベシクル組成物の保存安定性が大きく改善することを見出した。すなわち、脂肪酸、三級アミンおよび有機酸を含有するベシクル組成物を製造する際、多価アルコールを油相に配合した上で、これと同一または異なる種類の多価アルコールを製造工程の途中でさらに添加することによって、低温での保存安定性が改善することを見出した。
本発明は以下の製造方法を提供するものである。
以下の成分(A)〜(D):
成分(A);総炭素数12〜40の脂肪酸、
成分(B);総炭素数8〜75の第3級アミン化合物、
成分(C);総炭素数1〜10の有機酸、および
成分(D);第一の多価アルコール
を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解させる油相調製工程、
該油相調製工程で得られた油相に水相を加えながら混合する乳化工程、
該油相に添加した該水相の量が該油相の1質量倍以上になった後、成分(D');第二の多価アルコールを加える添加工程、ならびに
該乳化工程の後、得られた組成物を冷却する冷却工程
を含む、連続相が水相であるベシクル組成物の製造方法。
本発明によれば、低温条件下での保存安定性に優れたベシクル組成物を製造することができる。
以下、各工程および使用される各成分について具体的に説明する。はじめに、成分(A)〜(D’)について説明する。
成分(A)は、総炭素数12〜40の脂肪酸である。成分(A)は飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよいが、製品中での酸化安定性の観点から飽和脂肪酸がより好ましい。
具体的には、以下の一般式(1)または(2)で表されるいずれか一種もしくは二種以上の脂肪酸である。
3C−(CH2n−COOH (1)
(上記一般式(1)中、nは10〜38の整数を示す。)
Figure 0005977107
(上記一般式(2)中、a、bおよびcの総和は、a+b+c=9〜37であり、bは1である。)
一般式(1)で表される成分(A)の直鎖脂肪酸は、ベシクルをよりいっそう確実に形成する観点から、さらに、総炭素数は14以上、特に16以上が好ましく、総炭素数30以下、好ましくは24以下、さらには22以下が好ましい。具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸から選ばれる一種または二種以上を用いることができ、特にパルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましい。
一般式(2)で表される分岐脂肪酸は、総炭素数が12以上、好ましくは16以上であり、また、総炭素数が40以下、好ましくは22以下、さらに好ましくは20以下である。これらを総合すると、一般式(2)で表される分岐脂肪酸の総炭素数は、12〜40、さらには16〜22、特に16〜20であるものが好ましい。具体的には、2−ヘプチルウンデカン酸(イソステアリン酸)、14−メチルペンタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、18−メチルノナデカン酸、19−メチルエイコサン酸、20−メチルヘンエイコサン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸、18−メチルエイコサン酸および19−メチルヘンエイコサン酸から選ばれる一種または二種以上を用いることができる。
また、「化粧品原料基準 第二版注解I(1984)薬事日報社」P.87(C)イソステアリン酸に記載されている分岐脂肪酸を用いてもよい。この分岐脂肪酸は、メチル基が側鎖であり、位置は特定されていないが、オレイン酸からダイマー酸を合成する際に副生される不飽和側鎖脂肪酸に水素添加して得られるC18側鎖脂肪酸であると記載されている。具体的には、イソステアリン酸EX(高級アルコール工業社製)が挙げられる。
一般式(2)で表される分岐脂肪酸は、たとえば、LIPIDS, vol.23, No.9, 878〜881(1988)の記載に従い、毛髪等から分離、抽出することもできるが、背景技術の項で前述した特許文献1の記載に従って合成することもできる。
抽出品としては、ラノリンからの抽出物、すなわちラノリン脂肪酸およびその塩が挙げられる。ラノリン脂肪酸は、イソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸とよばれるメチル分岐長鎖脂肪酸を50重量%程度含有する。具体的にはクロダシッド18−MEA(クローダジャパン社製)、スクライロ(クローダジャパン社製)、FA−NH(日本精化社製)が挙げられる。
一般式(1)または(2)で表される成分(A)の脂肪酸は、それぞれ2種以上を併用してもよいし、異なる一般式で示される2種以上を併用してもよいが、乾燥後に滑らかでベタツキを抑制する観点から一般式(1)と一般式(2)を併用することが好ましい。一般式(1)と一般式(2)を併用する場合には、得られるベシクルの粒径がたとえば5μm以上と大きく、すすぎ時の滑らかさ、塗るつきの抑制、乾燥後の滑らかさ、ベタツキ抑制の観点から一般式(1)と一般式(2)を併用する場合、質量比で(1)/(2)=70/30〜40/60が好ましい。
成分(A)の含有量は、ベシクル組成物中に0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。また、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
次に、成分(B)について説明する。
成分(B)は、総炭素数8〜75の第3級アミン化合物であり、具体的には、一般式(3)から(6)で表される第3級アミン化合物の一種または二種以上である。
Figure 0005977107
Figure 0005977107
Figure 0005977107
Figure 0005977107
上記一般式(3)、(4)および(6)中、R2は炭素数6〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R3およびR4は、同一または異なる炭素数1〜6のアルキル基または(AO)mH(AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは1〜6の整数を示し、m個のAOは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)である。また、一般式(6)中のnは1〜5の整数を示す。
また、上記一般式(5)中、R5は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R6は同一または異なっていて、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を示し、lは2〜4の整数を示す。
一般式(3)、一般式(4)及び一般式(6)で表される成分(B)の第3級アミン化合物において、式中、R2は好ましくは炭素数12以上の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、より好ましくは炭素数14以上の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数18以上の直鎖アルキル基である。
また、一般式(3)および一般式(4)において、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の観点から、R2は好ましくは24以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数22以下の直鎖アルキル基である。
さらに、一般式(3)、一般式(4)及び一般式(6)において、R3およびR4の一方が、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、中でもメチル基またはエチル基であるのが好ましく、特に双方が同じであることがより好ましい。
このような化合物としては、具体的には、一般式(3)で表わされる成分(B)の第三級アミン化合物であれば、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンおよびN,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(「N,N−ジメチル−オクタデシロキシプロピルアミン」とも記載する。)から選ばれる一種または二種を用いることができる。
また、一般式(4)で表される成分(B)の第3級アミン化合物であれば、具体的には、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルベヘニルアミンおよびN,N−ジメチル−n−オクタデシルアミンから選ばれる一種または二種以上を用いることができる。
一般式(6)で表わされる成分(B)の第3級アミン化合物であれば、具体的にはヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンから選ばれる一種または二種以上を用いることができる。
一般式(5)で表される成分(B)の第3級アミン化合物において、R5は、好ましくは炭素数13以上の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、さらに好ましくは炭素数17以上の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。
また、R5は、好ましくは23以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。
一般式(5)で表される第3級アミン化合物として、具体的には、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサンアミドおよびN−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドから選ばれる一種または二種を用いることができる。
成分(B)の3級アミンは、一種または二種以上を併用してもよい。
成分(B)の3級アミンとしては、高温時の保存安定性の観点から一般式(3)のエーテルアミン、一般式(5)のアミドアミンが好ましい。
成分(B)の含有量は、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の点から、ベシクル組成物中に0.5質量%とすることが好ましく、1質量%以上とすることがさらに好ましく、1.5質量%以上とすることが特に好ましい。
また、成分(B)の含有量は、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の点から、ベシクル組成物中に15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがさらに好ましく、7質量%以下とすることが特に好ましい。
次に、成分(C)について説明する。
成分(C)は、総炭素数1〜10の有機酸である。すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の点から有機酸の総炭素数は1以上が好ましく、2以上がより好ましい。また、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の点から有機酸の総炭素数は8以下が好ましく、6以下がより好ましい。
このような有機酸は具体的には、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;安息香酸、サリチル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸から選ばれる一種または二種以上を用いることができる。これらの中で、ヒドロキシカルボン酸および酸性アミノ酸から選ばれる一種または二種以上を用いるが好ましい。ヒドロキシカルボン酸としては、特にグリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸が好ましく、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸が好ましく、中でもグルコール酸、乳酸が好ましい。酸性アミノ酸としては、グルタミン酸が特に好ましい。
成分(C)の含有量は、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の観点からベシクル組成物中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上とすることがより好ましい。また、成分(C)の含有量は、ベシクル組成物のハンドリング及び保存安定性の観点からベシクル組成物中に4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
次に、成分(D)および成分(D')について説明する。
成分(D)および成分(D')は、それぞれ、第一および第二の多価アルコールである。成分(D)または成分(D')として用いられる多価アルコールは、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、1−3ブチレングリコール、イソペンチルジオール、25℃で液体のポリプロピレングリコール、ソルビトールなどから選ばれる一種または二種以上の化合物である。特に2価アルコールが好ましく、中でもプロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
成分(D)と成分(D')は同一でもよく、相違していてもよい。
成分(D)の含有量は、ベシクル組成物の保存安定性の観点から、ベシクル組成物全体に対して好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
また、後述するベシクル組成物の製造方法中、油相調製工程においては、得られるベシクル組成物中の成分(D)の濃度が上記範囲になるように油相を調製することが好ましい。
成分(D')は低温時の保存安定性とすすぎ時のなめらかさの感触をより向上させる観点から2種以上の多価アルコールを併用する事もできる。例えば、2種の多価アルコールを用いる場合、ジプロピレングリコールとプロピレングリコールを併用することが好ましい。
さらに低温時の保存安定性をより向上させる観点から2種の多価アルコールを併用する場合にはジプロピレングリコールとプロピレングリコールは重量比で10:90〜90:10が好ましく、20:80〜80:20がより好ましい。
また、成分(D')の含有量は、ベシクル組成物全体に対して好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、特に好ましくは5質量%以上である。また、成分(D')の含有量は、ベシクル組成物全体に対して好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。
また、後述するベシクル組成物の製造方法中、成分(D)'の添加工程においては、得られるベシクル組成物中の成分(D')の濃度が上記範囲になるように添加することが好ましい。
成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および水により、ベシクルが形成され、特にいくつかの二重膜から成る多層ラメラベシクル(いわゆる、オニオンベシクル)が水中に分散したベシクル組成物が形成されやすい。また、ベシクルとは通常内層が中空あるいは水相である小胞体を指すが、ここで形成される多層ラメラベシクルは内層の一部もしくは全部が油相となる構造を持つものも包含される。また、本願において、「ベシクル」には多層ラメラベシクルも包含される。
すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のなめらかさ付与の観点から、成分(A)と成分(C)とのモル比(A)/(C)は、5/5以上が好ましく、特に好ましくは7/3以上であり、かつ、9/1以下が好ましく、特に好ましくは8/2である。
また、成分(A)、成分(B)、成分(C)を効率的にベシクル形成に寄与させるという観点から、成分(A)および成分(C)の酸当量の合計(「(A)+(C)の酸当量」とも呼ぶ。)と成分(B)の塩基当量との比(((A)+(C))/(B))は、0.25以上が好ましく、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上である。また、((A)+(C))/(B))は4以下であることが好ましく、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1.8以下である。
さらに、ベシクル分散液の保存安定性やハンドリング性という観点から、ベシクル分散液すなわちベシクル組成物中の成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計は、1質量%以上であることが好ましく、また、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましい。
次に、ベシクル組成物の製造方法における各工程をさらに具体的に説明する。
ベシクル分散液は、たとえば以下の段階、すなわち、
成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解する油相調製工程と、
当該油相調製工程で得られた油相に水相を加えながら混合する乳化工程と、
当該油相に添加した当該水相の量が油相の1質量倍以上になった後、成分(D');第二の多価アルコールを加える添加工程と、
当該乳化工程の後、得られた組成物をベシクルのゲル転移温度以下まで冷却する冷却工程と、
を行うことによって好適に製造できる。このような手順に従えば、連続相が水相であるベシクル組成物が得られる。また、得られるベシクル組成物は、ベシクルの分散液(プレミックス)の形態をとることが望ましい。
まず、油相調製工程において、安定的な製造の観点から油相は溶解する必要がある。このため、油相の融点以上の温度で溶解し、さらに油相の融点より5℃以上高い温度で溶解することが好ましく、特に油相の融点より10℃以上高い温度で溶解することが好ましい。
また、油相は均一に混合された状態であることが好ましい。そこで、本工程は油相を混合しながら溶解させることが好ましい。混合方法は特に限定しないが、たとえば攪拌により混合することが好ましい。
次に、乳化工程において、油相調製工程で溶解した油相、具体的にはせん断混合状態の油相に水相を滴下する。混合装置はせん断混合ができれば特に限定されないが、水相添加途中で高粘度になる場合には高粘度物を混合できる装置、たとえばプライミクス社製アヂホモミクサー、T.K.コンビミックス、みづほ工業社製真空乳化攪拌装置、住友重機械工業社製マックスブレンド攪拌槽、佐竹化学機械工業社製スーパーミックス攪拌槽などが好ましい。
油相への水相の滴下速度や滴下時の攪拌速度の最適値はベシクル組成物の処方や成分比及び配合槽の容量や形状によって変化する。攪拌速度はベシクルが形成される条件であれば適宜選択できる。特に攪拌速度を制限するものではないが、例えば容量2Lの配合槽では20rpm〜1000rpmで攪拌するのが好ましい。
また、油相への水相の滴下速度は適宜選択できるが、所望の構造を効率的に生成させる観点から10分以上かけて滴下することが望ましい。特に滴下速度を制限するものではないが、例えば滴下する水相の全量が1400gであれば12〜50g/分で滴下することが好ましい。
乳化工程において、水相滴下時の温度は油相温度および滴下する水相の温度および混合装置での加熱あるいは冷却により適宜決めることができるが、油相温度および滴下する水相の温度を、形成させるベシクルのゲル転移温度以上にすることが好ましい。このように油相を攪拌しながら水相を滴下する乳化形式を一般に転相乳化という。本発明では、上述のように油相を構成し、転相乳化にてベシクル組成物とすることにより、ベシクル組成物がハンドリング性に優れたものとなる。
ここで「水相」には、イオン交換水、蒸留水などの精製水を用いるのが好ましい。水相の量はベシクルが形成すれば任意の量でよいが、油相の1質量倍以上であり、油相の2質量倍以上が好ましく、3質量倍以上が特に好ましい。また、油相の100質量倍以下が好ましく、油相の50質量倍以下がより好ましい。
成分(D')の添加工程は、油相調製工程で調製した油相に添加した水相の量が、油相の1質量倍以上になった後であれば、いつ行ってもよい。たとえば乳化工程において油相の1質量倍以上の水相を混合しながら加えた後、成分(D')を配合した水相を加えてもよいし、水相をすべて添加した後で成分(D')のみを添加してもよい。また、水相をすべて添加した後で成分(D')を添加する場合、成分(D')の添加のタイミングは、冷却工程の前後いずれであってもよい。
得られるベシクル組成物の保存安定性及びすすぎ時の滑らかさ、乾燥後のなめらかさ付与の観点からは、添加工程は水相の量が油相の2質量倍以上になった後が好ましく、油相の3質量倍以上になった後がより好ましい。更に乳化工程の後がより好ましく、後述する冷却工程の後がさらに好ましい。
また、成分(D')を添加する際の温度については、生産性向上の観点からは、添加開始時の配合槽内の温度が10℃以上であることが好ましく20℃以上であることが好ましい。また、ベシクル組成物の保存安定性の観点からは、添加開始時の配合槽内の温度が85℃以下であることが好ましく、50℃以下であることが好ましい。
さらに添加開始時の成分(D')の温度については、10℃以上であることが好ましく20℃以上であることが好ましい。
また、ベシクル組成物の保存安定性の観点からは、添加開始時の成分(D')の温度が85℃以下であることが好ましく、50℃以下であることが好ましい。
冷却工程において、得られるベシクル組成物の安定性の観点から、乳化工程で得られたベシクル組成物を冷却する。冷却温度はベシクル組成物のゲル転移温度以下が好ましい。
以上の手順により、ベシクル組成物が得られる。本実施形態の方法においては、油相調製工程において油相に成分(D)第一の多価アルコールを配合しておき、これを溶解させた後で乳化工程の水相添加をおこなう。そして、水相添加を特定の程度まで進めた段階以降で、成分(D')第二の多価アルコールを添加する添加工程を行う。さらに、乳化工程の水相の添加後、冷却工程をおこなう。これらの各工程を特定の順序で組み合わせることにより、得られるベシクルの保存安定性の向上させることができる。保存安定性については、たとえば、−10℃程度の低温における保存安定性に優れたベシクル組成物を得ることも可能となる。また、たとえば50℃程度の高温での保存安定性と−10℃程度の低温での保存安定性とバランス向上に優れたベシクル組成物を得ることも可能となる。
高温下でのベシクル組成物の保存安定性を向上させる観点から、本発明の製造方法で得られるベシクル組成物は、さらに成分(E)脂肪酸エステルを含有することが好ましい。
また、上述した製造方法により、さらに成分(E)を含有するベシクル組成物を得る際には、成分(E)は油相調製工程において油相に配合するのが好ましい。
成分(E)としては、ステアリン酸ステアリル、極度水添ホホバ油、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチルから選ばれる1種または2種以上が好ましく、ステアリン酸ステアリルがより好ましい。
成分(E)の含有量は、ベシクル組成物に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。また、成分(E)の含有量は、ベシクル組成物に対して3.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましい。
また、油相調製工程において、油相には本発明のベシクルの製造を阻害しない範囲で任意の成分を入れることができる。任意成分としては、たとえば各種エキス類および酸化防止剤から選択される一種または二種以上を用いることができるが、これに限定されない。油相に添加できる任意成分は、安定的なベシクル組成物の製造の観点から、たとえば油相の1質量%以下である。
また、乳化工程において、水相には本発明のベシクルの製造を阻害しない範囲で任意の成分を添加できる。添加できる任意成分としては、たとえば各種エキス類および防腐剤から選択される一種または二種以上を用いることができるが、特にこれに限定されない。水相に添加できる任意成分は、安定的なベシクル組成物の製造の観点から、たとえば水相の0.1質量%以下である。
次に、本発明において得られたベシクル組成物を用いる毛髪化粧料について説明する。
本発明における毛髪化粧料は、たとえば一種または複数の界面活性剤と脂肪族アルコールとを含有し、さらに前述したベシクル組成物を含有する。
毛髪化粧料中のベシクル組成物の含有量は、塗布時の馴染み感、すすぎ時の滑らかさを付与する観点から、ベシクルを構成する成分(A)が、0.01〜5質量%となる量であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2質量%となる量が挙げられる。このような毛髪化粧料は、従来の毛髪化粧料と有効成分の含有量が同程度であるにもかかわらず、従来の毛髪化粧料よりも塗布時のなじみ感を安定的に向上させることができる。
また、毛髪化粧料は、水を含む。水としては、精製水を使用することが好ましい。水の含有量は特に限定されず、使用する目的に応じて適宜調整して用いることができる。
毛髪用化粧料としては、たとえば、コンディショナー、リンス、トリートメント、シャンプーなどが挙げられる。特に効果的な毛髪用化粧料として、コンディショナー、リンス、トリートメントが好ましい。これらの毛髪用化粧料は、毛髪化粧料塗布後、洗い流す使用形態でも洗い流さない使用形態でもよい。
ベシクル組成物を含有する毛髪化粧料の製造方法は、たとえば
(I)毛髪用化粧料ベース調製工程、および
(II)(I)で得られた毛髪用化粧料ベースに本発明で得られたベシクル組成物を配合するベシクル配合工程
を含有する。
ここで毛髪用化粧料ベースとは、界面活性剤と脂肪族アルコールをそれぞれ一種または二種以上含有し、必要に応じて乳化シリコーン粒子等のシリコーン類、油性成分などを配合した一般的なものをいう。
まず(I)毛髪用化粧料ベース調製工程は、特に限定されるものではなく、通常、毛髪化粧料を製造する際に行う方法で行えばよい。たとえば加熱攪拌した水相にカチオン性界面活性剤と高級アルコールを含有する油相を添加し、乳化することで毛髪用化粧料ベースが得られる。得られるベシクル組成物の保存安定性及びすすぎ時の滑らかさ、乾燥後のなめらかさ付与の観点から、毛髪用化粧料ベースを作る際には乳化時の温度が得られる毛髪用化粧料ベースのゲル転移温度以下であることが好ましい。
(I)で得られた毛髪用化粧料ベースに本発明で得られたベシクル組成物を配合する(II)ベシクル配合工程も、毛髪用化粧料ベースにベシクル組成物を配合する方法であれば特に限定されない。ベシクルの安定性の観点から、ベシクル組成物を配合する時の温度はベシクルのゲル転移温度以下の温度が好ましい。これによりベシクル組成物の構造を維持した毛髪用化粧料を得ることができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物、製造方法、或いは用途を開示する。
<1>
以下の成分(A)〜(D):
成分(A);総炭素数12〜40の脂肪酸、
成分(B);総炭素数8〜75の第3級アミン化合物、
成分(C);総炭素数1〜10の有機酸、および
成分(D);第一の多価アルコール
を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解させる油相調製工程、
該油相調製工程で得られた油相に水相を加えながら混合する乳化工程、
該油相に添加した該水相の量が該油相の1質量倍以上になった後、成分(D');第二の多価アルコールを加える添加工程、ならびに
該乳化工程の後、得られた組成物を冷却する冷却工程
を含む、連続相が水相であるベシクル組成物の製造方法。
<2>
添加工程が乳化工程の後、好ましくは冷却工程の後に行われる<1>に記載の製造方法。
<3>
乳化工程で混合時の温度が、得られるベシクル組成物のゲル転移温度以上である<1>または<2>に記載の製造方法。
<4>
冷却工程でゲル転移温度以下まで該ベシクル組成物を冷却する<1>〜<3>のいずれか一項に記載の製造方法。
<5>
油相調製工程で油相を溶解させる際の温度が油相の融点より5℃以上高い温度であり、より好ましくは10℃以上高い温度である<1>〜<4>のいずれか一項に記載の製造方法。
<6>
さらに油相調製工程において、油相に成分(E)脂肪酸エステル、好ましくはステアリン酸ステアリル、水素添加ホホバ油、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチルから選ばれる1種または2種以上、さらに好ましくはステアリン酸ステアリルを配合する<1>〜<5>のいずれか一項に記載の製造方法。
<7>
成分(D')が好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどから選ばれる1種または2種以上の化合物、より好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコールから選ばれる1種または2種の化合物、特に好ましくはプロピレングリコールとジプロピレングリコールである<1>〜<6>のいずれか一項に記載の製造方法。
<8>
成分(D')の含有量がベシクル組成物中に1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、かつ30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である;あるいは、
該添加工程で成分(D')の添加量が当該ベシクル組成物中1〜30質量%である<1>〜<7>のいずれか一項に記載の製造方法。
<9>
成分(D')がプロピレングリコールとジプロピレングリコールであった場合、成分(D')中のプロピレングリコールとジプロピレングリコールの比率が10:90〜90:10であり、好ましくは20:80〜80:20である<1>〜<8>のいずれか一項に記載の製造方法。
<10>
乳化工程で添加する水相の量が、油相の1質量倍以上、好ましくは油相の2質量倍以上、より好ましくは3質量倍以上であり、油相の100質量倍以下、好ましくは油相の50質量倍以下である<1>〜<9>に記載の製造方法。
<11>
成分(A)の含有量がベシクル組成物中に0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、かつ10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり;
成分(B)の含有量がベシクル組成物中に0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であって、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下であり;
成分(C)の含有量がベシクル組成物中に0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であって、4質量%以下、好ましくは2質量%以下であり;
成分(D)の含有量がベシクル組成物中に0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であって、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である、または該油相調製工程において成分(D)の添加量が当該ベシクル組成物中0.5〜40質量%である<1>〜<10>のいずれか一項に記載の製造方法。
<12>
成分(A)の総炭素数が14以上、好ましくは16以上であって、30以下、好ましくは24以下、より好ましくは22以下である<1>〜<11>のいずれか一項に記載の製造方法。
<13>
成分(A)が一般式(1)で示される直鎖脂肪酸または一般式(2)で示される分岐の飽和脂肪酸から選ばれるいずれか1種または2種以上、好ましくは一般式(1)で示される直鎖脂肪酸と一般式(2)で示される分岐脂肪酸の組み合わせである<1>〜<12>のいずれか一項に記載の製造方法。
<14>
一般式(1)で示される直鎖脂肪酸がパルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸から選ばれる1または2以上であり、一般式(2)で示される分岐脂肪酸が2−ヘプチルウンデカン酸(イソステアリン酸)、14−メチルペンタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、18−メチルノナデカン酸、19−メチルエイコサン酸、20−メチルヘンエイコサン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸、18−メチルエイコサン酸、19−メチルヘンエイコサン酸から選ばれるいずれか1または2以上である<1>〜<13>のいずれか一項に記載の製造方法。
<15>
成分(A)が一般式(1)で示される直鎖脂肪酸と一般式(2)で示される分岐脂肪酸の組み合わせの場合、直鎖脂肪酸と分岐脂肪酸の比率が重量比で(1)/(2)=70/30〜40/60である<1>〜<14>のいずれか一項に記載の製造方法。
<16>
成分(B)がアミドアミン、エーテルアミン、アルキルアミン、ヒドロキシエーテルアミン、好ましくはアミドアミン、エーテルアミン、より好ましくはエーテルアミン、から選ばれるいずれか1つもしくは2種以上である<1>〜<15>のいずれか一項に記載の製造方法。
<17>
成分(C)は総炭素数1以上、好ましくは2以上であって、かつ10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下の有機酸である<1>〜<16>のいずれか一項に記載の製造方法。
<18>
成分(C)がモノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸、酸性アミノ酸、好ましくは酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸から選ばれる1種または2種以上の化合物である<1>〜<17>のいずれか一項に記載の製造方法。
<19>
成分(A)、(B)および(C)において、成分(A)および成分(C)の酸当量の合計と成分(B)の塩基当量との比が0.25以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上であり、かつ、4以下、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下である<1>〜<18>のいずれか一項に記載の製造方法。
<20>
成分(A)と成分(C)とのモル比(A)/(C)が、5/5以上、好ましくは7/3以上であり、かつ、9/1以下、好ましくは8/2である<1>〜<19>のいずれか一項に記載の製造方法。
<21>
ベシクル組成物中の成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計は、1質量%以下であり、かつ、20質量%、好ましくは15質量%以下である<1>〜<20>のいずれか一項に記載の製造方法。
<22>
<1>〜<21>に記載いずれか一項の製造方法によって得られるベシクル組成物。
<23>
トリートメント、コンディショナーまたはリンスの形態であり、一種または二種以上の界面活性剤と脂肪アルコールとを含む毛髪用化粧料ベース、好ましくは一種または二種以上の界面活性剤と脂肪アルコールと乳化シリコーン粒子とを含む毛髪用化粧料ベースに、<22>に記載のベシクル組成物を添加して得られる、毛髪化粧料。
<24>
水相にカチオン性界面活性剤と高級アルコールを含有する油相を添加し、乳化する毛髪用化粧料ベース調製工程、毛髪用化粧料ベース調製工程で得られた組成物に<22>に記載のベシクル組成物を添加するベシクル配合工程を含む毛髪化粧料の製造方法。
<25>
毛髪用化粧料ベース調製工程における乳化温度が、毛髪用化粧料ベース調製工程で得られる組成物のゲル転移温度以下である<24>に記載の毛髪化粧料の製造方法。
<26>
ベシクル配合工程をベシクル組成物のゲル転移温度以下の温度で行う<24>または<25>に記載の毛髪化粧料の製造方法。
(実施例1〜12、比較例1〜4)
以下の方法により、各例のプレミックス組成物を調製した。また、得られたプレミックス組成物を用いてリンスの調製および評価をおこなった。プレミックスおよびリンスの配合、プレミックスの製造条件ならびにリンスの評価結果を表1〜表3に示す。
(実施例1)
表1の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取った。成分(A)(B)(C)(D)及び(E)を2Lのセパラブルフラスコに投入し、80℃まで攪拌下で加熱し、原料を完全溶解した。この油相中に、水相として80℃に加熱したイオン交換水を60分かけて定量滴下し、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をおこなった。乳化終了後、5℃の冷媒により30℃まで冷却した。その後、成分(D')を配合後、攪拌回転数90rpmで5分間攪拌し、プレミックス組成物を得た。
なお、第2の多価アルコールを添加する際の水相(W)と油相(O)の比率は6.49であった。
表1〜表3には、本実施例および以下の例におけるプレミックスの製造条件および各成分の重量分率を示した。
(実施例2)
油相に配合した成分(E)をステアリン酸ステアリルに変えて、水素添加ホホバ油を配合したこと以外は実施例1に準じて、プレミックス組成物を得た。
(実施例3)
油相に配合した成分(B)の配合量とイオン交換水の配合量を変えたこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(実施例4)
油相から成分(E)を除き、表1の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取ったこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(実施例5)
成分(D')をジプロピレングリコールからプロピレングリコールに変えたこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(実施例6)
成分(D')の配合量とイオン交換水の配合量を変えたこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(実施例7)
成分(D')をジプロピレングリコールとプロピレングリコールが1:1(質量比)になるように、成分(D')とイオン交換水の配合量を調整したこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(実施例8)
油相に配合した成分(B)をN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ドコサンアミドに変更し、((A)+(C))/(B)が1.0となるように成分(B)とイオン交換水の量を調整したこと以外は実施例7に準じて、プレミックス組成物を得た。
(実施例9)
油相の成分(A)をステアリン酸、イソステアリン酸のみとし、成分(E)を除いた表2に記載の処方について、プレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取ったこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(実施例10)
油相の成分(A)をステアリン酸のみに変更するとともに、成分(D')についてジプロピレングリコールとプロピレングリコールを1:1(質量比)とした表2に記載の処方について、プレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取ったこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(実施例11)
実施例1において、乳化終了後、5℃の冷媒により70℃まで冷却した後、成分(D')のジプロピレングリコールを配合、攪拌した他は、実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(実施例12)
表2の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取った。成分(A)(B)(C)(D)及び(E)を2Lのセパラブルフラスコに投入し、80℃まで攪拌下で加熱し、原料を完全溶解した。この油相中に、水相として80℃に加熱したイオン交換水を水相(W)と油相(O)の比率が2.50になるまで25分かけて定量滴下し、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をおこなった。次に、成分(D')を配合した。その後、さらに水相として80℃に加熱した残りのイオン交換水を35分かけて、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をしながら、定量滴下した。乳化終了後、5℃の冷媒により30℃まで冷却し、プレミックス組成物を得た。
(比較例1)
成分(D')を除いた以外は実施例9に準じてプレミックス組成物を得た。
(比較例2)
成分(D')を除き、成分(D)およびイオン交換水の配合を表3のように調整した以外は実施例4に準じてプレミックス組成物を得た。
(比較例3)
油相から成分(D)を除き、表3の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取ったこと以外は実施例1に準じてプレミックス組成物を得た。
(比較例4)
表3の処方をプレミックス合計量が1800gとなるように換算し、各成分を量り取った。成分(A)(B)(C)(D)および(E)を2Lのセパラブルフラスコに投入し、80℃まで攪拌下で加熱し、原料を完全溶解した。この油相中に、水相として80℃に加熱したイオン交換水を水相(W)と油相(O)の比率が0.50になるまで5分かけて定量滴下し、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をおこなった。次に、成分(D')を配合した。その後、さらに水相として80℃に加熱した残りのイオン交換水を55分かけて、80℃、攪拌回転数90rpmの条件で乳化をしながら、定量滴下した。乳化終了後、5℃の冷媒により30℃まで冷却し、プレミックス組成物を得た。
Figure 0005977107
Figure 0005977107
Figure 0005977107
上記表1〜表3の処方において、以下の原料を用いた。
*1 パルミチン酸:ルナックP−95(分子量256.4、花王社製)
*2 ステアリン酸:ルナックS−90V(分子量284.48、花王社製)
*3 イソステアリン酸:イソステアリン酸EX(分子量284.48、高級アルコール工業社製)
*4 ベヘン酸:ルナックBA(分子量340.58、花王社製)
*5 N,N−ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン:ファーミンDM E−80(純度90%、分子量355.63、花王社製)
*6 N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサンアミド:AMIDET APA−22(分子量424.8、花王社製)
*7 乳酸:ムサシノ乳酸90(乳酸、純度90%、分子量:90.08、融点18℃、武蔵野化学研究所社製)
*8 ジプロピレングリコール:DPG−RF(ADEKA社製)
*9 ステアリン酸ステアリル:エキセパール SS(花王社製)
*10 水素添加ホホバ油:極度水添ホホバ油(香栄興業社製)
*11 プロピレングリコール:化粧用プロピレングリコール(ADEKA社製)
(プレミックスの評価)
実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物について、調製直後、室温1ヶ月保存後、高温(50℃)保存後および低温(−10℃)保存後のベシクルの安定性を評価した。
(1)高温保存安定性の評価
実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物を50℃の条件下で1ヶ月保存した。保存後のサンプルのベシクル有無を偏光顕微鏡観察により確認することによって高温時の保存安定性を評価した。
◎:ベシクル構造由来の明瞭なマルテーゼクロス(Maltese Cross)が観察される。
○:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが観察される。
△:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが少し観察される。
×:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが観察されない。
(2)低温保存安定性の評価
実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物を−10℃の条件下で1ヶ月保存した。保存後のサンプルのベシクル有無を偏光顕微鏡観察により確認することによって高温時の保存安定性を評価した。
◎:ベシクル構造由来の明瞭なマルテーゼクロス(Maltese Cross)が観察される。
○:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが観察される。
△:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが少し観察される。
×:ベシクル構造由来のマルテーゼクロスが観察されない。
なお、調製直後および室温1ヶ月保存後のサンプルについても、上記評価基準に準じてベシクルの有無を評価した。
(リンスの調製)
実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物を用いてリンスの調製をおこなった。500mLビーカーに水相としてイオン交換水301.40g、ムサシノ乳酸90(乳酸、純度90%、分子量:90.08、融点18℃、武蔵野化学研究所社製)を2.36g入れ、55℃までプロペラで攪袢下加熱した。その後、ファーミンDME−80(N,N−ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン、純度90%、分子量355.63、花王社製)を9.29g、カルコール8098(ステアリルアルコール、花王社製)21.00g、DPG−RF(ジプロピレングリコール、ADEKA社製)5.95gからなる油相を80℃で均一溶解した後、水相中に添加し、10分間300rpmで攪拌して乳化した。35℃以下まで放冷して毛髪用化粧料ベースとしてベースリンスを調製した後、実施例1〜12および比較例1〜4で得られたプレミックス組成物10.00gを添加し、リンスとした。なお、添加するプレミックス組成物は−10℃の条件下で1ヶ月保存したものを使用した。
(リンスの評価方法)
コールドパーマ、ブリーチ等の美容処理をおこなった日本人女性の毛髪20g(約15.20cm)を束ね、シャンプーで洗浄した。この毛髪に実施例1〜15および比較例1〜2で調製したリンス2gを均一に塗布し、30秒間流水ですすぎ流した後、タオルドライを行い、さらにドライヤー乾燥を行った毛髪の「すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさ」について総合的な官能評価をおこなった。
評価は専門パネラー10人が5段階評価をおこない、その平均値を取った。平均点が3点以上であれば合格品とした。
(評価基準)
「すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさ」
5:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスに優れる
4:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスが良好
3:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスがやや良好
2:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスがやや劣る
1:すすぎ時のなめらかさ、ぬるつきのなさおよび乾燥後のなめらかさ、べたつきのなさのバランスが劣る
以上の実施例においては、ベシクル組成物に多価アルコールを配合するとともに、その一部を成分(D)としてあらかじめ油相に配合し、残部を成分(D')として特定の段階で添加することにより、得られたベシクル組成物の−10℃程度の低温における保存安定性が優れていた。
また、以上の実施例で得られたベシクル組成物は、低温における保存安定性と高温における保存安定性とのバランスにも優れていた。
また、以上の実施例で得られたリンスは、特定の方法で得られるベシクル組成物を用いているため、傷んだ毛髪に対しても、すすぎ時または乾燥時の毛髪をなめらかにした。また、以上の実施例で得られたリンスを用いることにより、すすぎ時のぬるつきまたは乾燥後のべたつきを効果的に抑制することができた。
実施例4及び比較例1について、調製直後のサンプル、50℃1ヶ月保存したサンプル及び―10℃1ヶ月保存したサンプルについて粘度を測定した。粘度は東機産業社製のB型粘度計(TV−10)を用い、ローターNo.2〜4、回転数30rpmの条件で測定した。なお、粘度は保存後のサンプルを30℃の温浴で3時間静置させたもので測定した結果である。測定結果を表4に示す。
表4より、比較例に対して実施例の粘度変化が小さく、保存安定性が良好であった。
Figure 0005977107

Claims (8)

  1. 以下の成分(A)〜(D):
    成分(A);総炭素数12〜40の脂肪酸、
    成分(B);総炭素数8〜75の第3級アミン化合物、
    成分(C);総炭素数1〜10の有機酸、および
    成分(D);第一の多価アルコール
    を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解させる油相調製工程、
    該油相調製工程で得られた油相に水相を加えながら混合する乳化工程、
    該油相に添加した該水相の量が該油相の1質量倍以上になった後、成分(D');第二の多価アルコールを加える添加工程、ならびに
    該乳化工程の後、得られた組成物を冷却する冷却工程
    を含む、連続相が水相であるベシクル組成物の製造方法。
  2. 該添加工程で前記成分(D')の添加量が当該ベシクル組成物中1〜30質量%である請求項1に記載のベシクル組成物の製造方法。
  3. 該油相調製工程において前記成分(D)の添加量が当該ベシクル組成物中0.5〜40質量%である請求項1または2に記載のベシクル組成物の製造方法。
  4. 前記油相が、成分(E);脂肪酸エステルをさらに含有する、請求項1〜3いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
  5. 前記成分(A)、(B)および(C)において、成分(A)および(C)の酸当量の合計と(B)の塩基当量との比が0.25〜4である、請求項1〜4いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
  6. 当該ベシクル組成物中の前記成分(A)、(B)、および(C)の合計が、1〜20質量%である、請求項1〜5いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
  7. 該添加工程を該冷却工程の後に行う請求項1〜6いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7いずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法によりベシクル組成物を得る工程
    水相にカチオン性界面活性剤と高級アルコールを含有する油相を添加し乳化する毛髪用化粧料ベース調製工程、および
    前記毛髪用化粧料ベース調製工程で得られた組成物に、前記ベシクル組成物を配合するベシクル添加工程を含む毛髪化粧料の製造方法。
JP2012159626A 2012-02-13 2012-07-18 ベシクル組成物の製造方法 Active JP5977107B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012159626A JP5977107B2 (ja) 2012-07-18 2012-07-18 ベシクル組成物の製造方法
EP13748798.9A EP2815738A4 (en) 2012-02-13 2013-02-13 PROCESS FOR PRODUCING VESICLE COMPOSITION
US14/378,254 US20140371332A1 (en) 2012-02-13 2013-02-13 Method for producing vesicle composition
CN201380008018.XA CN104093392A (zh) 2012-02-13 2013-02-13 囊泡组合物的制造方法
PCT/JP2013/053397 WO2013122102A1 (ja) 2012-02-13 2013-02-13 ベシクル組成物の製造方法
TW102105667A TWI551303B (zh) 2012-02-13 2013-02-18 囊泡組合物之製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012159626A JP5977107B2 (ja) 2012-07-18 2012-07-18 ベシクル組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014019665A JP2014019665A (ja) 2014-02-03
JP5977107B2 true JP5977107B2 (ja) 2016-08-24

Family

ID=50194964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012159626A Active JP5977107B2 (ja) 2012-02-13 2012-07-18 ベシクル組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5977107B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10180088A (ja) * 1996-12-26 1998-07-07 Lion Corp 高粘度乳化液体の製造方法
TW200413020A (en) * 2002-07-05 2004-08-01 Kose Corp Vesicle dispersion and cosmetic containing the same
JP5100158B2 (ja) * 2006-03-07 2012-12-19 ライオン株式会社 ベシクル水分散液及びその製造方法
JP5053557B2 (ja) * 2006-03-24 2012-10-17 株式会社 資生堂 白濁状水中油型乳化化粧料の製造方法
JP5121179B2 (ja) * 2006-07-25 2013-01-16 株式会社 資生堂 ベシクル含有組成物及びその製造方法
EP2455060A4 (en) * 2009-07-15 2015-09-30 Kao Corp METHOD FOR PRODUCING A VESICLE COMPOSITION
JP4980474B2 (ja) * 2010-03-31 2012-07-18 株式会社 資生堂 ベシクル含有組成物
JP5873732B2 (ja) * 2012-02-13 2016-03-01 花王株式会社 ベシクル組成物の製造方法
WO2014014053A1 (ja) * 2012-07-18 2014-01-23 花王株式会社 毛髪化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014019665A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5161371B2 (ja) ベシクル組成物の製造方法
JP7242657B2 (ja) ヘアコンディショニング組成物
JP6036188B2 (ja) クレンジングクリーム
WO2014014053A1 (ja) 毛髪化粧料
JP5395817B2 (ja) ベシクル組成物およびその製造方法ならびにその用途
JP2006290751A (ja) 水中油型エマルション及びその製造方法
JP4235061B2 (ja) 毛髪化粧料
JP5977107B2 (ja) ベシクル組成物の製造方法
WO2013122102A1 (ja) ベシクル組成物の製造方法
JP5873732B2 (ja) ベシクル組成物の製造方法
JP5732118B2 (ja) ベシクル組成物
JP5663320B2 (ja) ベシクル組成物の製造方法
JP5214122B2 (ja) 乳化組成物の製造方法
JP5719229B2 (ja) ベシクル組成物およびその用途
JP5674487B2 (ja) ベシクル組成物およびその製造方法ならびにその用途
JP6553338B2 (ja) 毛髪化粧料
JP2012232932A (ja) ベシクル組成物の製造方法
JP5250528B2 (ja) 水中油型エマルション組成物、水中油型エマルション組成物の製造方法、繊維製品処理剤及び繊維製品処理剤の製造方法
JP6080525B2 (ja) 毛髪化粧料の製造方法
JPH11286413A (ja) 毛髪化粧料
JP2017165685A (ja) 毛髪処理剤用増粘性組成物、当該毛髪処理剤用増粘性組成物を含有するエマルジョン及びその製造方法、並びに当該毛髪処理剤用増粘性組成物を含有する毛髪処理剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160628

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160721

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5977107

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250