JP5121179B2 - ベシクル含有組成物及びその製造方法 - Google Patents
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(式中、R1は、水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。Aは、少なくともその1つが式: −(CH2)a−(C2H4O)b−(C3H6O)c−R2 (式中、R2は水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1〜6、bは0〜50、cは0〜50の整数であり、b+cは少なくとも5以上である。)で示されるポリオキシアルキレン基であり、その他のAは水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。mは1〜200、nは0〜50の整数である。)
また、前記ベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤の配合量が、組成物全量に対して0.05〜2.0質量%であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が分岐鎖の非イオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤と分岐鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:1であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が直鎖の非イオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤と直鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.5であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、ポリオールの配合量が組成物全量中1〜20質量%であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物の製造方法において、前記水溶性低分子界面活性剤の配合量が最終組成物全量に対して0.05〜2.0質量%となるように、該水溶性低分子界面活性剤を添加することが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物の製造方法において、ベシクル形成工程において水性処方中にポリオールを含有する、あるいはベシクル安定化工程においてポリオールを添加することが好適である。
本発明にかかるベシクル含有組成物は、シリコーン系界面活性剤からなるベシクルと、水溶性低分子界面活性剤とを含有し、該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することを特徴とするものである。
本発明に用いられるシリコーン系界面活性剤は、疎水性基としてポリシロキサン構造を有する界面活性剤であれば、特に限定されるものではない。シリコーン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレン変性シリコーンが挙げられる。
本発明に用いられる水溶性低分子界面活性剤は、前記シリコーン系界面活性剤以外のものであって、且つ水溶性を示し、さらに低分子量の界面活性剤であればよく、特に限定することなく用いることができる。ここで、低分子量とは、具体的には、分子量3000未満であることを意味する。分子量が3000以上の界面活性剤を用いた場合には、十分なベシクル安定化効果が得られない。さらに、分子量2000未満の界面活性剤であることが特に好適である。水溶性低分子界面活性剤としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテル硫酸等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン(24モル)・ポリオキシプロピレン(13モル)2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(30モル)オクチルドデシルエーテル等の分岐鎖非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン(20モル)セチルエーテル、等の直鎖非イオン性界面活性剤が挙げられる。また、これらのうち、アニオン性界面活性剤である場合、特に分子量500未満のものを好適に用いることができる。非イオン性界面活性剤である場合、特に分子量2000未満のものを好適に用いることができる。また、水溶性低分子界面活性剤としては、1種または2種以上を任意に選択して組み合わせて用いてもよい。
本発明にかかるベシクル含有組成物は、ベシクル安定化の点から、さらにポリオールを含有することが好適である。本発明に用いられるポリオールは、2以上の水酸基を有する化合物であり、一般に化粧品、医薬品等の分野において用いられ得るものであれば特に限定されることなく用いることができる。具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。なお、これらのうち、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、又はポリエチレングリコールを特に好適に用いることができる。また、ポリオールとしては、1種又は2種以上を任意に選択して組み合わせて用いてもよい。
本発明にかかるベシクル含有組成物の製造方法は、水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合してベシクルを形成するベシクル形成工程と、前記工程により得られたベシクル含有水性溶液中に水溶性低分子界面活性剤を添加するベシクル安定化工程と、を備えることを特徴とするものである。図1に、本発明のベシクル含有組成物の製造方法の説明図を示す。
○:動的光散乱測定によって、100〜500nmのベシクル粒子が観察された。また、濁り・沈殿等がまったく認められなかった。
×:動的光散乱測定によって、100〜500nmのベシクル粒子が観察されなかった。あるいは、認められた場合であっても、濁りや沈殿が同時に認められた。
◎:50℃で2週間保存後の濁度の変化が5%未満であった。
○:50℃で2週間保存後の濁度の変化が10%未満であった。
△:50℃で2週間保存後の濁度の変化が10〜20%であった。
×:50℃で2週間保存後の濁度の変化が20%以上であった。
(1)ポリオキシアルキレン変性シリコーン 0.5
(SH3773M:ダウ・コーニングシリコーン製)
(2)エタノール 1
(3)POE(2)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム 0.05
(4)グリセリン 2
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.08
(7)アスコルビン酸2−グルコシド 2
(8)水 残 余
(製法) (1)を(2)に溶解し、その後、(5)〜(7)と(8)の一部を添加・混合し、ベシクルを形成した。これに、(8)の残部に溶解させた(3)及び(4)を添加・混合して、化粧水を得た。
(1)ポリオキシアルキレン変性シリコーン 10
(SH3772M:ダウ・コーニングシリコーン製)
(2)エタノール 20
(3)POE(12)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテル 1
(4)グリセリン 10
(5)EDTA 0.2
(6)水 残 余
(製法) (1)を(2)に溶解し、その後、(5)と(6)の一部を添加・混合し、ベシクルを形成した。これに、(6)の残部に溶解させた(3)及び(4)を添加・混合して、ヘアリキッドを得た。
(1)ポリオキシアルキレン変性シリコーン 5
(SH3773M:ダウ・コーニングシリコーン製)
(2)エタノール 2
(3)POE(60)硬化ヒマシ油 0.7
(4)グリセリン 3
(5)1,3−ブチレングリコール 5
(6)クエン酸 0.02
(7)クエン酸ナトリウム 0.08
(8)アスコルビン酸2−グルコシド 2
(9)スクワラン 0.2
(10)香料 0.1
(11)水 残 余
(製法) (1)を(2)に溶解し、その後、(6)〜(10)と(11)の一部を添加・混合し、ベシクルを形成した。これに、(11)の残部に溶解させた(3)及び(4),(5)を添加・混合して、乳液を得た。
Claims (12)
- 下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレン変性シリコーンからなるベシクルと、アニオン性界面活性剤、分岐鎖の非イオン性界面活性剤、及び直鎖の非イオン性界面活性剤から選ばれる分子量2000未満の水溶性低分子界面活性剤とを含有し、
該ポリオキシアルキレン変性シリコーン含有量が組成物全量に対して0.1〜10質量%であり、
該水溶性低分子界面活性剤がアニオン性界面活性剤である場合、ポリオキシアルキレン変性シリコーンとアニオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.3であり、
該水溶性低分子界面活性剤が分岐鎖の非イオン性界面活性剤である場合、ポリオキシアルキレン変性シリコーンと分岐鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:1であり、
該水溶性低分子界面活性剤が直鎖の非イオン性界面活性剤である場合、ポリオキシアルキレン変性シリコーンと直鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.5であり、
該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することを特徴とするベシクル含有組成物。
(式中、R1は、水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。Aは、少なくともその1つが式: −(CH2)a−(C2H4O)b−(C3H6O)c−R2 (式中、R2は水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1〜6、bは0〜50、cは0〜50の整数であり、b+cは少なくとも5以上である。)で示されるポリオキシアルキレン基であり、その他のAは水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。mは1〜200、nは0〜50の整数である。) - 請求項1に記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤の配合量が、組成物全量に対して0.05〜2.0質量%であることを特徴とするベシクル含有組成物。
- 請求項1又は2に記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤がアニオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤とアニオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.3であることを特徴とするベシクル含有組成物。
- 請求項1又は2に記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が分岐鎖の非イオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤と分岐鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:1であることを特徴とするベシクル含有組成物。
- 請求項1又は2に記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が直鎖の非イオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤と直鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.5であることを特徴とするベシクル含有組成物。
- 請求項1から5のいずれかに記載のベシクル含有組成物において、さらにポリオールを含有することを特徴とするベシクル含有組成物。
- 請求項6に記載のベシクル含有組成物において、前記ポリオールの配合量が、組成物全量中1〜20質量%であることを特徴とするベシクル含有組成物。
- 請求項6又は7に記載のベシクル含有組成物において、前記ポリオールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールのいずれかであることを特徴とするベシクル含有組成物。
- 水性処方と下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレン変性シリコーンとを、該ポリオキシアルキレン変性シリコーン含有量が最終組成物全量に対して0.1〜10質量%となるように混合してベシクルを形成するベシクル形成工程と、
前記工程により得られたベシクル含有水性溶液中に、アニオン性界面活性剤、分岐鎖の非イオン性界面活性剤、及び直鎖の非イオン性界面活性剤から選ばれる分子量2000未満の水溶性低分子界面活性剤を、
該水溶性低分子界面活性剤がアニオン性界面活性剤である場合、ポリオキシアルキレン変性シリコーンとアニオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.3、
該水溶性低分子界面活性剤が分岐鎖の非イオン性界面活性剤である場合、ポリオキシアルキレン変性シリコーンと分岐鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:1、
該水溶性低分子界面活性剤が直鎖の非イオン性界面活性剤である場合、ポリオキシアルキレン変性シリコーンと直鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.5
の範囲となるように添加するベシクル安定化工程と、
を備えることを特徴とするベシクル含有組成物の製造方法。
(式中、R1は、水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。Aは、少なくともその1つが式: −(CH2)a−(C2H4O)b−(C3H6O)c−R2 (式中、R2は水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1〜6、bは0〜50、cは0〜50の整数であり、b+cは少なくとも5以上である。)で示されるポリオキシアルキレン基であり、その他のAは水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。mは1〜200、nは0〜50の整数である。) - 請求項9に記載のベシクル含有組成物の製造方法において、前記水溶性低分子界面活性剤の配合量が最終組成物全量に対して0.05〜2.0質量%となるように、該水溶性低分子界面活性剤を添加することを特徴とするベシクル含有組成物の製造法。
- 請求項9又は10に記載のベシクル含有組成物の製造方法において、ベシクル形成工程において水性処方中にポリオールを含有する、あるいはベシクル安定化工程においてポリオールを添加することを特徴とするベシクル含有組成物の製造方法。
- 請求項1〜8に記載のベシクル含有組成物からなることを特徴とする化粧料。
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