JP2017210408A - 水中油型乳化化粧料の製造方法 - Google Patents

水中油型乳化化粧料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乳化粒子径が小さく、高温での保存安定性に優れた水中油型乳化化粧料の製造方法の提供。【解決手段】以下の工程を有する水中油型乳化化粧料の製造方法。工程1:(A)式で表される有機酸塩及びC12〜24の脂肪酸塩から選ばれる1種以上、(B)アルキル変性した多糖類系ポリマー、N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントと、オルガノポリシロキサンセグメントと、を構成単位とするポリマー及びポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種以上の高分子、(C)油剤及び(D)水を含む組成物を混合して、乳化物を得る工程、工程2:工程1で得られた乳化物のpHを下げる工程(R1は1個の水酸基を有する天然ステリン或いはその水素添加物又は胆汁酸の水酸基のHを除いた残基;R2はC1〜25の2価の炭化水素基;Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン又は塩基性アミノ酸)【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化化粧料の製造方法に関する。
近年、化粧料等として、界面活性剤の含有量が低減されたものや、含有しないものが求められている。
しかしながら、界面活性剤の含有量が低減されたものや、含有しない乳化化粧料では、乳化粒子径が大きくなり、十分な保存安定性を得ることができない。このため、界面活性剤の含有量が低減されたものや、含有しない乳化物を得るため、種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、特定の両親媒性高分子を用いて、保存安定性に優れた水中油型乳化化粧料を得ることが開示されている。特許文献2には、特定の有機酸とスフィンゴシン類を用いて、pH変化に対する安定性や保存安定性に優れたベシクル組成物を得ることが開示されている。
特開2007−63145号公報 特開2012−214470号公報
しかしながら、特許文献1の化粧料は、界面活性剤を含有しないものの、特定のアミド化合物を含むことが必須となっている。また、特許文献2では、酸性側ではスフィンゴシン類がカチオン化して界面活性剤として働き、塩基性側では特定の有機酸が界面活性剤として働いており、製品としては低分子界面活性剤が含まれている。
本発明は、界面活性剤の含有量を低減するか、もしくは含有せずに、乳化粒子径を小さくする水中油型乳化化粧料の製造方法に関する。また、塗布後の肌のさっぱり感を良好にすることができる。
本発明者らは、特定の有機酸塩及び脂肪酸塩から選ばれる化合物と特定の高分子を組合せ、乳化物を調製した後、pHを下げることにより、界面活性剤の含有量を低減するか、もしくは含有せずに、乳化粒子径を小さくし、さっぱり感が良好な水中油型乳化化粧料が得られることを見出した。
なお、ここでの界面活性剤は、分子量2000以下のものを示す。
以下、本発明における「水中油型乳化化粧料」を、適宜単に「乳化化粧料」とも呼ぶ。
本発明は、以下の工程を有する水中油型乳化化粧料の製造方法に関する。
工程1:
(A)一般式(1)
Figure 2017210408
(式中、R1は、1個の水酸基を有する天然ステリン若しくはその水素添加物、又は胆汁酸の水酸基の水素原子を除いたあとに残る残基を示し、R2は、炭素数1〜24の2価の炭化水素基を示し、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム(NH4 +)、有機アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す)
で表される有機酸塩及び炭素数12〜24の脂肪酸塩から選ばれる1種又は2種以上、
(B)アルキル変性された多糖類系ポリマー、N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントと、オルガノポリシロキサンセグメントとを構成単位とするポリマー及びポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上の高分子、
(C)油剤、及び
(D)水
を含む組成物を混合して、乳化物を得る工程、
工程2:
工程1で得られた乳化物のpHを下げる工程。
本発明において、成分(A)は、工程1では、有機酸塩又は脂肪酸塩として存在し、アニオン界面活性剤として機能すると考えられる。すなわち、工程1で得られる乳化物中において、成分(A)はアニオン界面活性剤として存在していると考えられる。
そして、工程2でpHを下げることにより、成分(A)は、一部又は全てが、成分(A)を構成する酸と塩に解離し、酸は油中に取り込まれると考えられる。その結果、工程2で得られる乳化物中では、アニオン界面活性剤の含有量が低減されるか、含有しない状態となると考えられる。
本発明によれば、界面活性剤の含有量を低減するか、もしくは含有せずに、乳化粒子径を小さくすることができ、特に高温での保存安定性に優れ、さっぱり感が良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
(工程1)
本発明の工程1は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含む組成物を混合して、乳化物を得る工程である。
成分(A)のうち、前記一般式(1)で表される有機酸塩において、式中、R1で示される1個の水酸基を有する天然ステリンとしては、例えば、コレステロール、スチグマステロール、シトステロール、カンペステロール、ラノステロール、エルゴステロール等が挙げられ、その中でも、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、コレステロールが好ましい。
また、一般式(1)において、R2は、炭素数1〜24の2価の炭化水素基であり、直鎖又は分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基が挙げられ、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、次式
Figure 2017210408
(式中、R3は、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される基が好ましい(なお、いずれも、*側には、カルボキシル基が結合する)。
3としては、直鎖又は分岐鎖の2−ヘキセニル基、2−オクテニル基、2−デセテル基、2−ドデセニル基、2−テトラデセニル基、2−ヘキサデセニル基、2−オクタデセニル基、2−エイコセニル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられ、その中でも、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、2−テトラデセニル基、2−ヘキサデセニル基、2−オクタデセニル基、2−エイコセニル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基が好ましく、2−ヘキサデセニル基、2−オクタデセニル基、がより好ましい。
このような化合物(1)は、例えば、特開平5−294989号公報に記載の方法に従い、ステリン類をアルケニルコハク酸無水物若しくはアルキルコハク酸無水物と反応させ、アルカリ性物質で中和することにより得ることができる。
具体的には、n−ヘキサデセニルコハク酸コレステリル塩、n−オクタデセニルコハク酸コレステリル塩等が挙げられ、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、n−ヘキサデセニルコハク酸コレステリル塩、n−オクタデセニルコハク酸コレステリル塩から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましい。
また、成分(A)のうち、炭素数12〜24の脂肪酸塩は、直鎖の脂肪酸塩または分岐の脂肪酸塩でもよく、飽和の脂肪酸塩または不飽和の脂肪酸塩でも良い。炭素数12〜24の脂肪酸塩において、炭素数は、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、14〜22が好ましく、16〜20がより好ましく、18〜20がさらに好ましい。
成分(A)の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム(NH4 +)塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アンモニウム塩;アルギニン塩、リシン塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。これらの中で、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、アルカリ金属塩、塩基性アミノ酸塩から選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましい。
成分(A)は、成分(A)を構成する酸を、酸として配合し、塩基によって中和して塩として含有されることもできる。この場合の成分(A)を中和する塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニウム(NH4 +);モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アンモニウム;アルギニン、リシン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸などが挙げられる。
これらのうち、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、アルカリ金属の水酸化物、有機アンモニウム、塩基性アミノ酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、アルカリ金属の水酸化物、塩基性アミノ酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましい。
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、さっぱり感を向上させ、塗布時の液垂れを抑制し、乳化粒子径を小さくする観点から、その含有量は、乳化化粧料中に酸として、0.03〜6質量%であるのが好ましく、0.08〜4質量%がより好ましく、0.2〜2.8質量%がさらに好ましい。
また、本発明において、水中油型乳化化粧料は、成分(A)以外のアニオン界面活性剤を含有することができる。乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、水中油型乳化化粧料中における全アニオン界面活性剤中の成分(A)の含有割合は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であることがよりさらに好ましい。
成分(B)の高分子は、アルキル変性された多糖類系ポリマー、N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントと、オルガノポリシロキサンセグメントとを構成単位とするポリマー及びポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上のものである。
アルキル変性された多糖類系ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラウレス−13PGヒドロキシエチルセルロース、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸塩等が挙げられる。
これらのうち、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラウレス−13PGヒドロキシエチルセルロース、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸塩を共に含有することがさらに好ましい。
市販品としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとして、メトローズ60SH−4000(信越化学工業社製)等が挙げられ;ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースとして、サンジェロース60M(大同化成工業社製)等が挙げられ;ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸塩として、ポイズ310(花王社製)等が挙げられる。
N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントと、オルガノポリシロキサンセグメントとを構成単位とするポリマー(以下、オキサゾリン変性シリコーンという場合がある)において、N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントに対するオルガノポリシロキサンセグメントの質量比(オルガノポリシロキサンセグメントa/N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントb)は、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、45/55〜75/25の範囲が好ましく、47/53〜74/26がより好ましく、48/52〜73/27がさらに好ましく、49/51〜72/28がよりさらに好ましく、50/50〜70/30がことさら好ましい。
なお、本発明において、上記質量比は、本発明で用いるオルガノポリシロキサンを重クロロホルム中に5質量%で溶解させ、核磁気共鳴(1H−NMR)分析により、オルガノポリシロキサンセグメント中のアルキル基またはフェニル基と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント中のメチレン基の積分比より求めた値をいう。
オキサゾリン変性シリコーンにおいて、オルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量は、乳化粒子径を小さく、高温での保存安定性を向上させる観点から、たとえば1×104以上であり、好ましくは2×104以上、さらに好ましくは3.5×104以上であり、また、たとえば3×105以下であり、好ましくは2×105以下、さらに好ましくは1.5×105以下である。
なお、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は変性オルガノポリシロキサンの平均分子量と略同一である。
ここで、変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)により下記条件で測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
カラム:Super HZ4000 + Super HZ2000(東ソー社製)
溶離液:1mMトリエチルアミン/THF
流量:0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器:UV検出器
サンプル:50μL
また、オキサゾリン変性シリコーンにおいて、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量は、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、たとえば5×102以上であり、好ましくは7×102以上、さらに好ましくは8×102以上であり、また、たとえば4×103以下であり、好ましくは3.5×103以下、さらに好ましくは3×103以下である。
なお、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量は、N−アシルアルキレンイミン単位の分子量と重合度とから算出する方法または上記GPC測定法により測定することが可能であるが、本実施形態においてはGPC測定法により測定される数平均分子量をいう。
オキサゾリン変性シリコーンの具体例として、下記一般式(2)で示すものが挙げられる。
Figure 2017210408
(式中、nは1〜5の数を示し、R4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、mはモノマーの重合度であって、1〜1000の数を示し、rは平均で10〜2000、pは平均で0〜20、qは平均で1〜20の数を示し、X-は四級アンモニウムイオンの対イオンを示し、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン又は過塩素酸イオンを示す。なお、N−アシルアルキレンイミンの繰り返し単位のN末端には、重合開始剤残基が結合する。)
重合開始剤としては、ジエチル硫酸、ジメチル硫酸、塩酸、ヨウ化水素、硫酸、p−トルエンスルホン酸、過塩素酸等が用いられ、これらの残基が重合後のN−末端に結合する。
オキサゾリン変性シリコーンとして、N−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(POLYSILICONE−9)が好ましい。POLYSILICONE−9として、例えば特開2016−6029号公報に記載のものを用いることができる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば次の一般式(3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2017210408
[式中、R6〜R8及びR10〜R11は、それぞれメチル基又はフェニル基を示し、R5、R9及びR12は、それぞれメチル基、フェニル基、又は基R13(OC36f(OC24gO(CH2h−(R13は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、f及びgは平均値で、それぞれ0〜35の数を示し、hは1〜5の数を示す)を示す。ただし、R5、R9及びR12のうち少なくとも1つは基R13(OC36f(OC24gO(CH2h−を示す。d及びeは平均値で、dは1〜200の数を示し、eは0〜50の数を示す]
ポリエーテル変性シリコーンとしては、一般式(3)で示されるポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体が好ましい。
市販品としては、例えば、信越化学工業社から販売されている「KF−6015」(PEG−3ジメチコン)、「KF−6019」(PEG−9ジメチコン)、東レ・ダウコーニング・シリコーン社から販売されている「SH−3775M」(PEG−12ジメチコン)、「SH−3771M」(PEG−12ジメチコン)、「SS−2804」(PEG−12ジメチコン)等が挙げられる。
成分(B)としては、高温での保存安定性を向上させ、乳化粒子径を小さくする観点から、アルキル変性された多糖類系ポリマー、N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントと、オルガノポリシロキサンセグメントとを構成単位とするポリマーから選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、アルキル変性された多糖類系ポリマーがより好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、さっぱり感、塗布時の伸ばしやすさを向上させ、乳化粒子径を小さくする観点から、含有量は、乳化化粧料中に0.006〜2.5質量%であるのが好ましく、0.008〜1.0質量%であるのがより好ましく、0.01〜0.65質量%がより好ましく、0.04〜0.4質量%がさらに好ましい。
成分(C)の油剤としては、例えば、炭化水素油、エステル油、エーテル油、シリコーン油、炭素数10〜24の高級アルコール、炭素数10~24の高級脂肪酸等が挙げられる。
より具体的には、炭化水素油としては、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン等が挙げられる。これらの炭化水素油のうち、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、流動パラフィン、流動イソパラフィン及びスクワランから選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、流動イソパラフィン及びスクワランから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
エステル油としては、モノエステル油、ジエステル油、トリエステル油及びテトラエステル油が挙げられる。
モノエステル油としては、炭素数2〜24の脂肪族又は芳香族のモノカルボン酸又はジカルボン酸のモノエステルが挙げられ、具体例としては、2−エチルヘキサン酸セチル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−ヘキシルデシルステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、イソデシルベンゾエート、メトキシケイヒ酸オクチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、コハク酸2−エチルヘキシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、安息香酸アルキル(C12〜C15)等が挙げられる。これらの中では、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル及びメトキシケイヒ酸オクチルから選ばれる少なくとも1種が好ましく、イソノナン酸イソノニル及びイソノナン酸イソトリデシルから選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましい。
ジエステル油としては、炭素数3〜18のジカルボン酸のジエステル、多価アルコールのジ脂肪酸エステル等が挙げられ、具体例としては、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸グリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらの中では、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸グリコール及びジイソステアリン酸プロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種が好ましく、ジカプリル酸プロピレングリコール及びジカプリン酸ネオペンチルグリコールから選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましい。
トリエステル油としては、3価以上の多価アルコールのトリ脂肪酸エステルが挙げられ、具体的には、トリミリスチン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリオレイン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン、オリーブ油、ホホバ油等が挙げられる。これらの中では、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリオレイン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン及びトリイソステアリン酸グリセリンから選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリンがより好ましい。
テトラエステル油としては、4価以上の多価アルコールのテトラ脂肪酸エステルが挙げられ、具体的には、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリット、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットが挙げられる。これらの中では、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトラオクタン酸ペンタエリスリット及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットから選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリットがより好ましい。また、テトラエステル油は、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリットを含むことがさらに好ましい。
エーテル油としては、ジアルキルエーテルが挙げられ、具体的には、ジヘキシルエーテル、ジカプリリルエーテル、セチル−1,3−ジメチルブチルエーテル等が挙げられる。これらの中では、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、ジカプリリルエーテル及びセチル−1,3−ジメチルブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、セチル−1,3−ジメチルブチルエーテルがより好ましい。
シリコーン油としては、メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、網状型メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。これらの中では、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン及び網状型メチルポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、メチルポリシロキサンがより好ましい。また、シリコーン油は、メチルポリシロキサンを含むことがさらに好ましい。
炭素数10〜24の高級アルコールとしては、乳化粒子径を小さくし、さっぱり感をより向上させる観点から、炭素数12〜22の高級アルコールが好ましく、炭素数16〜22の高級アルコールがより好ましく、炭素数18〜22の高級アルコールがさらに好ましく、炭素数18と22の高級アルコールを含有するのがよりさらに好ましい。
炭素数10〜24の高級脂肪酸としては、乳化粒子径を小さくし、さっぱり感をより向上させる観点から、炭素数12〜22の高級脂肪酸が好ましく、炭素数16〜22の高級脂肪酸がより好ましく、炭素数18〜22の高級脂肪酸がさらに好ましい。
成分(C)の油剤としては、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、炭素数10〜24の高級アルコールから選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、エステル油の中ではジエステル油が好ましく、さらに炭化水素油、シリコーン油、炭素数10〜24の高級アルコールから選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましい。また、乳化粒子径を小さくし、さっぱり感を向上させ、肌に塗布時の液垂れを抑制する観点から、炭素数10〜24の高級アルコールを含有することがさらに好ましい。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、乳化粒子径を小さく、高温での保存安定性を向上させる観点から、含有量は、乳化化粧料中に3〜35質量%であるのが好ましく、8〜28質量%がより好ましく、10〜18質量%がさらに好ましい。
本発明において、成分(C)に対する成分(A)の酸としての質量割合[〔(A)の酸としての質量〕/(C)]は、乳化粒子径を小さくし、さっぱり感を向上させる観点から、0.002〜0.35が好ましく、0.020〜0.30がより好ましく、0.030〜0.25がさらに好ましい。
成分(D)の水の含有量は、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、乳化化粧料中に40〜95質量%が好ましく、50〜92質量%がより好ましく、60〜88質量%がさらに好ましい。
成分(D)の水は、工程1及び工程2に分けて用いることが好ましい。
工程1で水を用いる場合、その含有量(D1)は、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、乳化化粧料中に5〜30質量%が好ましく、8〜25質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。
また、工程2での水を用いる場合、その含有量(D2)は、残部であり、乳化化粧料中に35〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、45〜75質量%がさらに好ましい。
工程1においては、前記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含む成分を混合して、乳化物を得る。
これら成分の混合方法は特に制限されず、通常の方法により行うことができる。例えば、成分(A)、(B)、(C)を含む油相を調製し、成分(D)を含む水相を調製し、前記水相に油相を加え、混合することにより乳化物を得ることができる。
工程1で得られる乳化物は、乳化粒子径を小さくする観点から、pH7.5以上であるのが好ましく、pH8.0以上がより好ましく、pH8.3以上がさらに好ましく、pH8.8以上がよりさらに好ましい。また、乳化粒子径を小さくする観点から、pH12.5以下が好ましく、pH12.0以下がより好ましく、pH11.6以下がさらに好ましい。
なお、本発明において、pHは、pHメーター(堀場製作所製、型番F−22)を用い、25℃で測定する。
工程1で得られる乳化物のpHを7.5以上とするのが好ましいことは、後記参考例1に示すpHと乳化粒子径の実験より、確認することができる。
(工程2)
工程2は、工程1で得られた乳化物のpHを下げる工程である。
工程1において、乳化粒子径が小さい乳化物を得た後、pHを下げることにより、成分(A)の含有量を低減するか、含有しない状態にすることができ、乳化粒子径が小さいまま維持され、高温での保存安定性に優れた水中油型乳化化粧料を得ることができると考えられる。
工程2において、pHを下げるには、工程1で得られた乳化物に、pHを下げる成分(E)を添加した後、混合して、pHを下げることが好ましい。
pHを下げる成分(E)としては、無機酸、炭素数8以下の有機酸、アクリル酸若しくはスルホン酸由来の構成単位を有する酸性の高分子から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
無機酸としては、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸が挙げられ、乳化粒子径を小さくする観点から、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、リン酸、ホスホン酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましく、リン酸がさらに好ましい。
炭素数8以下の有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸;コハク酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、酒石酸等のオキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸が挙げられ、乳化粒子径を小さくする観点から、モノカルボン酸、ジカルボン酸、酸性アミノ酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、ジカルボン酸、酸性アミノ酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましく、酸性アミノ酸がさらに好ましい。
アクリル酸またはスルホン酸由来の構成単位を有する酸性の高分子としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性されたカルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、少なくともアクリル酸塩またはアクリル酸ヒドロキシアルキルとアクリロイルジメチルタウリン塩とを共重合して得られた共重合体が挙げられ、乳化粒子径を小さくする観点から、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性されたカルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸が好ましく、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性されたカルボキシビニルポリマーがより好ましい。
成分(E)としては、乳化粒子径を小さくし、塗布時の液垂れを抑制する観点から、アクリル酸またはスルホン酸由来の構成単位を有する酸性の高分子が好ましい。
成分(E)は、1種又は2種以上を用いることができ、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、含有量は、乳化化粧料中に0.01〜2質量%であるのが好ましく、0.015〜1.5質量%がより好ましく、0.02〜1.2質量%がさらに好ましい。
成分(E)として、アクリル酸またはスルホン酸由来の構成単位を有する酸性の高分子を含有する場合の含有量は、乳化粒子径を小さくし、塗布時の伸ばしやすさを向上させる観点から、乳化化粧料中に0.05〜0.7質量%であるのが好ましく、0.06〜0.4質量%がより好ましく、0.08〜0.3質量%がさらに好ましい。
工程2において、成分(E)を、工程1で得られた乳化物に添加する際には、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、予め成分(E)を成分(D)の水の一部(D2)と混合して、添加するのが好ましい。
工程2においては、成分(E)を添加することにより、工程1で得られた乳化物のpHを下げることが好ましい。
工程2で得られる乳化物は、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、pH7.5未満であるのが好ましく、pH7.4以下がより好ましく、pH7.3以下がさらに好ましい。また、pH2.6以上が好ましく、pH2.7以上がより好ましく、pH2.8以上がさらに好ましい。
なお、pHは、工程1の乳化物のpHの測定と同様の方法で測定される。
工程1で得られる乳化物のpHと、工程2で得られる乳化物のpHの差の変化率、[〔(工程1の乳化物のpH)-(工程2の乳化物のpH)〕/(工程1の乳化物のpH)]は、乳化粒子径を小さくし、高温での保存安定性を向上させる観点から、0.18〜0.80であるのが好ましく、0.22〜0.77がより好ましく、0.25〜0.74がさらに好ましい。
このようにして得られる水中油型乳化化粧料は、乳化粒子径(D50)が1〜10μmであるのが好ましく、1〜9μmであるのがより好ましい。
なお、本発明において、乳化粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(Partica LA-950V2、HORIBA社製)にて測定される体積粒径である。また、乳化粒子径(D50)は、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径であり、同様に、乳化粒子径(D90)は、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して90%になる粒径である。
また、本発明により得られる水中油型乳化化粧料は、肌に塗布時の液垂れを抑制し、塗布時の伸ばしやすさを向上させる観点から、25℃における粘度が、900〜35,000mPa・sであるのが好ましく、4,000〜30,000mPa・sがより好ましく、8,000〜24,000mPa・sがさらに好ましく、10,000〜16,000mPa・sがよりさらに好ましい。
なお、本発明において、粘度は、B型粘度計(TVB−10R形回転粘度計、東機産業社製、ローターNo.4、6rpm、25℃)を用いて測定する。
本発明により得られる水中油型乳化化粧料は、前記成分以外に、更に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、炭素数1〜3のアルコール、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、冷汗剤、キレート剤、美白剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、植物抽出物、その他各種薬効成分、粉体、香料、色材などを配合することができる。これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途、たとえば、冷感剤を香料として使用したり、他の用途との併用として、例えば、制汗剤と香料としての効果を奏するものとして使用することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、皮膚、中でも頭髪を除く皮膚、好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに適用、好ましくは塗布することにより使用することができる。
参考例1(pHと乳化粒子径の実験)
表1に示す組成の乳化物を製造し、pH及び乳化粒子径(D50)を測定した。結果を表2に示した。
(乳化物の製造方法)
80℃にて、流動パラフィン及びオレイン酸をディスパー3000rpm、5分で混合して、油相を調製した。水酸化カリウム及び水を混合して、水相を調製した。前記油相に水相を加え、ディスパー3000rpm、5分で混合し、さらに、ホモミキサー7000rpm、1分で混合した。その後、プロペラ攪拌機300rpmで混合しながら、1℃/分の速さで25℃まで冷却して、乳化物を得た。
得られた乳化物について、pH及び乳化粒子径(D50)を測定した。
なお、乳化物中の水酸化カリウムの含有量を変えることで、異なるpHの乳化物を得た。
(測定方法)
(1)pH:
pHメーター(堀場製作所社製、型番F−22)を用い、乳化物を25℃まで冷却後、24時間後に25℃で測定した。
(2)乳化粒子径:
各乳化物について、レーザー散乱/回折法により、HORIBA LA-920(堀場製作所社製)を用いて、乳化粒子径(D50)を測定した。
表2の結果より、pH6.9〜7.7の範囲で乳化粒子径(D50)が小さくなっていることがわかる。従って、工程1で得られる乳化物のpHを7.5以上とするのが好ましいことが確認された。
Figure 2017210408
Figure 2017210408
実施例1〜3、比較例1〜8
表3に示す組成の水中油型乳化化粧料を製造し、水中油型乳化化粧料中の乳化粒子径(D50)及び粘度を測定するとともに、保存安定性、さっぱり感を評価した。結果を表3に併せて示す。
なお、工程1で得られた乳化物、工程2で得られた乳化物のpHは、pHメーター(堀場製作所社製、型番F−22)を用いて、25℃で測定した。工程2で得られた乳化物は、製造後、24時間後に測定した。
(製造方法)
(1)実施例1:
(工程1)
80℃にて、n−オクタデセニルコハク酸コレステリル、n−ヘキサデセニルコハク酸コレステリル、成分(B)及び(C)を、ディスパー3000rpm、5分で混合し、油相を調製した。その後、水酸化カリウムと一部の水(D1)を混合して水相を調製した。その後、前記油相に水相を加え、ディスパー3000rpm、10分で混合し、さらに、ホモミキサー7000rpm、10分で混合した。その後、プロペラ攪拌機300rpmで混合しながら、1℃/1分の速さで25℃まで冷却して、pH8.5の乳化物を得た。
(工程2)
工程1で得られたpH8.5の乳化物に、成分(E)と残りの成分(D2)を混合した水相を更に加え、プロペラ攪拌機300rpm、5分で混合して、pH5.5の水中油型乳化化粧料を得た。
なお、工程1において、n−オクタデセニルコハク酸コレステリル及びn−ヘキサデセニルコハク酸コレステリル、は、組成物中では、水酸化カリウムと塩を形成し、成分(A)であるn−オクタデセニルコハク酸コレステリルカリウム塩及びn−ヘキサデセニルコハク酸コレステリルカリウム塩として存在すると考えられる。
(2)実施例2及び3:
n−オクタデセニルコハク酸コレステリル及びn−ヘキサデセニルコハク酸コレステリルをオレイン酸に、水酸化カリウムをL−アルギニンに置き換えた以外は、実施例1と同様にして、水中油型乳化化粧料を得た。
(3)比較例1:
80℃にて、成分(B)及び(C)を、ディスパー3000rpm、5分で混合し、油相を調製した。その後、前記油相に80℃に加熱した水を加え、ディスパー3000rpm、10分で混合し、さらに、ホモミキサー7000rpm、10分で混合した、その後、プロペラ攪拌機300rpmで混合しながら、1℃/1分の速さで25℃まで冷却して、水中油型乳化化粧料を得た。
(4)比較例2及び3:
比較例1と同様にして、水中油型乳化化粧料を得た。
(5)比較例4:
80℃にて、n−オクタデセニルコハク酸コレステリル、n−ヘキサデセニルコハク酸コレステリル、及び成分(C)を、ディスパー3000rpm、5分で混合し、油相を調製した。80℃にて、水酸化カリウムと水を混合して水相を調製した。その後、前記油相に水相を加え、ディスパー3000rpm、10分で混合し、さらに、ホモミキサー7000rpm、10分で混合した。その後、プロペラ攪拌機300で混合しながら、1℃/1分の速さで25℃まで冷却して、水中油型乳化化粧料を得た。
(6)比較例5:
n−オクタデセニルコハク酸コレステリル及びn−ヘキサデセニルコハク酸コレステリルをオレイン酸に、水酸化カリウムをL−アルギニンに置き換えた以外は、比較例4と同様にして、水中油型乳化化粧料を得た。
(7)比較例6:
80℃にて、n−オクタデセニルコハク酸コレステリル、n−ヘキサデセニルコハク酸コレステリル、成分(B)及び(C)を、ディスパー3000rpm、5分で混合し、油相を調製した。80℃にて、水酸化カリウムと水を混合して水相を調製した。その後、前記油相に水相を加え、ディスパー3000rpm、10分で混合し、さらに、ホモミキサー7000rpm、10分で混合した。その後、プロペラ攪拌機300rpmで混合しながら、1℃/1分の速さで25℃まで冷却して、水中油型乳化化粧料を得た。
(8)比較例7及び8:
n−オクタデセニルコハク酸コレステリル及びn−ヘキサデセニルコハク酸コレステリルをオレイン酸に、水酸化カリウムをL−アルギニンに置き換えた以外は、比較例6と同様にして、水中油型乳化化粧料を得た。
(評価方法)
(1)乳化粒子径:
各水中油型乳化化粧料について、レーザー散乱/回折法により、HORIBA LA-920(堀場製作所社製)を用いて、乳化粒子径(D50)を測定した。
(2)粘度:
各水中油型乳化化粧料を、25℃にて、B型粘度計(TVB−10R形回転粘度計、東機産業社製、ローターNo.4、6rpm)を用いて、粘度を測定した。
(3)保存安定性:
各水中油型乳化化粧料をガラス瓶(広口規格瓶、PS-No.6、50g、東京硝子社製)に40g充填して密閉し、60℃で2週間保存した。2週間後、各乳化化粧料を取り出し、外観を目視観察し、ガラス瓶の上層または下層に透明に分離した液の量(mm)を、目視で評価した。
(4)さっぱり感:
専門パネラー1名により、各水中油型乳化化粧料0.2gを手の甲に塗布した。その後、直径6cmの円を描くように1秒間に1回の速さで20秒間マッサージし、マッサージ終了後の皮膚を手で触り、さっぱり感を評価した。評価は、非常にさっぱりすると感じた場合を5、さっぱりしないと感じた場合を1とした5段階で評価した。
Figure 2017210408
試験例1(乳化確認試験)
実施例1及び比較例6で得られた水中油型乳化化粧料(1)について、前記の方法により、乳化粒子径(D50)及び(D90)を測定した後、油剤(流動パラフィン10質量%)を加え、ホモミキサー7000rpm、1分で混合することにより、水中油型乳化化粧料(2)を得た。水中油型乳化化粧料(2)について、同様に、乳化粒子径(D50)及び(D90)を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2017210408
本発明の製造方法は、工程1でアニオン界面活性剤を用いて乳化を行っている。しかし、工程2で、乳化物のpHを下げることにより、最終的に得られる乳化物においては、アニオン界面活性剤は、酸と塩基に解離し、酸は油として乳化粒子中に取り込まれるため、アニオン界面活性剤が存在しないか、存在していても微量と考えられる。
これを確認するため、本発明で得られる水中油型乳化化粧料(1)に油剤を添加する乳化確認試験を行った。
添加された油剤が乳化される大きさ(油滴の大きさ)は、水中油型乳化化粧料(1)に存在するアニオン界面活性剤の量に反比例する。アニオン界面活性剤が存在しない場合は、油剤は系内で分離し、また、微量しか存在しない場合も、活性能が弱いために、大きい油滴しかできず、結果として、平均粒径は大きくなり、特に、油滴を含む乳化粒子径の分布は、大粒径側を多く含むものとなると考えられる。
一方、界面活性剤量が増えるにしたがい、活性能が強くなるため、油滴の大きさは小さくなり、油滴を含む乳化粒子径の分布は、油剤を添加する前の乳化粒子径と差が小さくなると考えられる。
結果は、表4に示すとおり、実施例1では、乳化粒子径は、メジアン径である(D50)、大粒径側の粒径割合を示す(D90)が大きくなり、特に、油剤の添加後は、添加前に比較して、(D50)は3.5倍であるのに対して、(D90)は17倍となり、非常に大きな油滴が形成されている、すなわち、活性剤が少ないこことが確認された。
これに対し、比較例6では、乳化粒子径(D50)、(D90)とも、油剤の添加前後での差が、(D50)は1.6倍、(D90)は2.2倍程度であり、活性能が強い、すなわち、活性剤が多いことが確認された。
他の実施例においても同様であると考えられる。
実施例4〜21
実施例1〜3と同様にして、表5〜表7に示す組成の水中油型乳化化粧料を製造し、水中油型乳化化粧料中の乳化粒子径(D50)及び粘度を測定するとともに、保存安定性、さっぱり感を評価した。結果を表5〜表7に併せて示す。
Figure 2017210408
Figure 2017210408
Figure 2017210408

Claims (5)

  1. 以下の工程を有する水中油型乳化化粧料の製造方法。
    工程1:
    (A)一般式(1)
    Figure 2017210408
    (式中、R1は、1個の水酸基を有する天然ステリン若しくはその水素添加物、又は胆汁酸の水酸基の水素原子を除いたあとに残る残基を示し、R2は、炭素数1〜24の2価の炭化水素基を示し、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム(NH4 +)、有機アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す)
    で表される有機酸塩及び炭素数12〜24の脂肪酸塩から選ばれる1種又は2種以上、
    (B)アルキル変性された多糖類系ポリマー、N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントと、オルガノポリシロキサンセグメントとを構成単位とするポリマー及びポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上の高分子、
    (C)油剤、及び
    (D)水
    を含む組成物を混合して、乳化物を得る工程、
    工程2:
    工程1で得られた乳化物のpHを下げる工程。
  2. 工程1で得られた乳化物が、pH7.5以上であり、工程2で得られた乳化物が、pHが7.5未満である請求項1記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
  3. 工程2において、工程1で得られた乳化物に、成分(E)無機酸、炭素数8以下の有機酸、アクリル酸若しくはスルホン酸由来の構成単位を有する酸性の高分子から選ばれる1種または2種以上を添加してpHを下げる請求項1又は2記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
  4. 得られる水中油型乳化化粧料の乳化粒子径(D50)が1〜10μmである請求項1〜3のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
  5. 得られる水中油型乳化化粧料の粘度が、4,000〜30,000mPa・sである請求項1〜4のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
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