JP2008024681A - ベシクル含有組成物及びその製造方法 - Google Patents

ベシクル含有組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリコーン系界面活性剤からなるベシクルを含有する組成物において、該ベシクルの安定性が改善されたベシクル含有組成物を提供する。
【解決手段】 予め水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合して形成したベシクル含有水性溶液中に、所定量の水溶性低分子界面活性剤を添加することによって、該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することとなり、この結果、ベシクルの安定性が改善される。
【選択図】 なし

Description

本発明はベシクル含有組成物及びその製造方法、特にシリコーン系界面活性剤からなるベシクルの安定性の改善に関する。
親水性−疎水性の双方の性質を有する両親媒性の化合物のうち、例えば、リン脂質等のように、水性相中で二分子膜(ラメラ相)からなる球状の小胞体を形成するものがある。このような二分子膜小胞体をリポソームあるいはベシクルといい、これらは、その小胞体内部に水性成分を、あるいは小胞体膜内に油性成分を安定に保持することができる。このため、例えば、薬剤を保持させて生体内に投与すると、代謝が抑制され、薬効を長期間にわたって維持できること等の利点から、医薬、化粧品、食品分野等におけるマイクロカプセルとして用いられている。また、リポソームあるいはベシクルを形成することによって、外観(透明性)や使用感触の良好な組成物が得られるため、化粧料の基剤としての使用も期待されている。
近年、このようなベシクルを形成し得る両親媒性の化合物として、シリコーン系の界面活性剤が報告されている(例えば、特許文献1〜3参照)。シリコーン系界面活性剤により形成されるベシクルの特徴としては、例えば、他のベシクル形成性の界面活性剤を用いた場合と比べて、容易にベシクルを調製可能であること等が挙げられる。しかしながら、シリコーン系界面活性剤を用いて調製したベシクルにおいては、経時あるいは温度に対する安定性の点で十分なものとは言い難い。特に、化粧料用基剤としての使用を鑑みた場合には、実使用に耐え得る程度のさらなる安定性の改善が望まれる。
特開平07−323222号公報 特開平08−239475号公報 特開平09−175930号公報
本発明は前記従来技術の課題に鑑みて行われたものであり、その目的は、シリコーン系界面活性剤からなるベシクルを含有する組成物において、該ベシクルの安定性が改善されたベシクル含有組成物を提供することにある。
前記従来技術の課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行った結果、予め水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合して形成したベシクル含有水性溶液中に、所定量の水溶性低分子界面活性剤を添加することによって、該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することとなり、この結果、ベシクルの安定性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるベシクル含有組成物は、シリコーン系界面活性剤からなるベシクルと、水溶性低分子界面活性剤とを含有し、該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することを特徴とするものである。
また、前記ベシクル含有組成物において、前記シリコーン系界面活性剤の配合量が、組成物全量に対して0.1〜10質量%であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤の配合量が、組成物全量に対して0.05〜2.0質量%であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤がアニオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤とアニオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.3であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が分岐鎖の非イオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤と分岐鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:1であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が直鎖の非イオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤と直鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.5であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、さらにポリオールを含有することが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、ポリオールの配合量が組成物全量中1〜20質量%であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、シリコーン系界面活性剤が、下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレン変性シリコーンであることが好適である。
Figure 2008024681
(式中、Rは、水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。Aは、少なくともその1つが式: −(CH−(CO)−(CO)−R (式中、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1〜6、bは0〜50、cは0〜50の整数であり、b+cは少なくとも5以上である。)で示されるポリオキシアルキレン基であり、その他のAは水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。mは1〜200、nは0〜50の整数である。)
また、前記ベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が、分子量2000未満の界面活性剤であることが好適である。
また、前記ベシクル含有組成物において、前記ポリオールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールのいずれかであることが好適である。
また、本発明にかかるベシクル含有組成物の製造方法は、水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合してベシクルを形成するベシクル形成工程と、前記工程により得られたベシクル含有水性溶液中に水溶性低分子界面活性剤を添加するベシクル安定化工程と、
を備えることを特徴とするものである。
また、前記ベシクル含有組成物の製造方法において、ベシクル形成工程において水性処方中にポリオールを含有する、あるいはベシクル安定化工程においてポリオールを添加することが好適である。
また、本発明にかかる化粧料は、前記ベシクル含有組成物からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、予め水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合して形成したベシクル含有水性溶液中に、水溶性低分子界面活性剤を添加することによって、該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することとなり、この結果、ベシクルの安定性が改善される。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明にかかるベシクル含有組成物は、シリコーン系界面活性剤からなるベシクルと、水溶性低分子界面活性剤とを含有し、該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することを特徴とするものである。
シリコーン系界面活性剤
本発明に用いられるシリコーン系界面活性剤は、疎水性基としてポリシロキサン構造を有する界面活性剤であれば、特に限定されるものではない。シリコーン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレン変性シリコーンが挙げられる。
Figure 2008024681
(式中、Rは、水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。Aは、少なくともその1つが式: −(CH−(CO)−(CO)−R (式中、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1〜6、bは0〜50、cは0〜50の整数であり、b+cは少なくとも5以上である。)で示されるポリオキシアルキレン基であり、その他のAは水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。mは1〜200、nは0〜50の整数である。)
ここで、上記一般式(1)において、Rは、主鎖のポリシロキサン構造における側鎖であって、水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。また、これらは同一であっても、あるいは異なっていてもよい。例えば、Rがすべてメチル基である場合にはジメチルポリシロキサン構造、メチル基及びフェニル基である場合には、メチルフェニルポリシロキサン構造となる。また、Aは、主鎖のポリシロキサン構造において、ポリオキシアルキレン基が導入され得る箇所であり、少なくともその1つが式: −(CH−(CO)−(CO)−R (式中、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1〜6、bは0〜50、cは0〜50の整数であり、b+cは少なくとも5以上である。)で示されるポリオキシアルキレン基である。
なお、上記一般式(1)において、Aの一部が前記ポリオキシアルキレン基である場合に、その他のAは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であってもよい。例えば、末端の2つのAがポリオキシアルキレン基である場合、A−B−A型で示されるポリオキシアルキレン変性シリコーンとなる。他方、非末端のAのみがポリオキシアルキレン基である場合、ペンダント型のポリオキシアルキレン変性シリコーンとなる。ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン基のいずれであってもよい。非置換ポリシロキサン構造のモル数を示すmは1〜200であり、ポリオキシアルキレン置換ポリシロキサン構造のモル数を表すnは0〜50である。なお、nが0の場合には、末端の2つのAのいずれかあるいは両方が、ポリオキシアルキレン基である必要がある。
本発明に用いられるシリコーン系界面活性剤としては、さらに具体的には、ポリオキシエチレン(12モル)変性ジメチルポリシロキサン(直鎖状ジメチルポリシロキサンの側鎖メチル基をポリオキシエチレン(12モル)基により置換したペンダント型のポリオキシアルキレン変性シリコーン)、ポリオキシエチレン(8モル)変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン(20モル)変性ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。この他にABAタイプポリオキシエチレン−メチルシロキサン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーなどがある。これらのポリオキシエチレン変性シリコーンの場合、全分子量中に占めるエチレンオキサイドの分子量は20〜60%であることが望ましい。なお、本発明に用いられるシリコーン系界面活性剤は、公知の製法により製造することも可能であり、また、市販品を用いてもよい。市販のシリコーン系界面活性剤としては、例えば、SH3772M,SH3773M,SH3775M(いずれもダウ・コーニングシリコーン社製)、IM-22(Wacker Chemical社製)等が挙げられる。また、これらのシリコーン系界面活性剤の1種または2種以上を任意に選択して組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明にかかるベシクル含有組成物は、上記シリコーン系界面活性剤からなるベシクルを含有するものである。ベシクルの形成は、公知の方法によって行えばよく、例えば、水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合することで、水性処方中にシリコーン系界面活性剤からなるベシクルを形成することができる。なお、ベシクルの粒子径は、特に限定されるものではないが、通常、50〜500nm程度であり、好ましくは100〜200nmである。
シリコーン系界面活性剤の配合量は、ベシクルを形成し得る量であれば特に限定されるものではないが、組成物全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.0質量%である。シリコーン系界面活性剤の配合量が少ないとベシクル形成による効果が得られない場合があり、一方で、配合量が多すぎると、ベシクルの安定性に劣る場合がある。
水溶性低分子界面活性剤
本発明に用いられる水溶性低分子界面活性剤は、前記シリコーン系界面活性剤以外のものであって、且つ水溶性を示し、さらに低分子量の界面活性剤であればよく、特に限定することなく用いることができる。ここで、低分子量とは、具体的には、分子量3000未満であることを意味する。分子量が3000以上の界面活性剤を用いた場合には、十分なベシクル安定化効果が得られない。さらに、分子量2000未満の界面活性剤であることが特に好適である。水溶性低分子界面活性剤としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテル硫酸等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン(24モル)・ポリオキシプロピレン(13モル)2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(30モル)オクチルドデシルエーテル等の分岐鎖非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン(20モル)セチルエーテル、等の直鎖非イオン性界面活性剤が挙げられる。また、これらのうち、アニオン性界面活性剤である場合、特に分子量500未満のものを好適に用いることができる。非イオン性界面活性剤である場合、特に分子量2000未満のものを好適に用いることができる。また、水溶性低分子界面活性剤としては、1種または2種以上を任意に選択して組み合わせて用いてもよい。
水溶性低分子界面活性剤の配合量は、組成物全量に対して0.05〜2.0質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%である。水溶性低分子界面活性剤の配合量が少ないとベシクルの安定化効果が十分に得られない場合があり、一方で、配合量が多すぎると、ベシクルを可溶化し始めてしまい、むしろ悪影響を及ぼす場合がある。
また、水溶性低分子界面活性剤がアニオン性界面活性剤である場合、シリコーン系界面活性剤とアニオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.3であることが好ましい。また、水溶性低分子界面活性剤が分岐鎖の非イオン性界面活性剤である場合、シリコーン系界面活性剤と分岐鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:1であることが好ましい。また、水溶性低分子界面活性剤が直鎖の非イオン性界面活性剤である場合、シリコーン系界面活性剤と直鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.5であることが好ましい。シリコーン系界面活性剤と水溶性低分子界面活性剤との配合量比が上記範囲を逸脱すると、ベシクルの安定化効果が得られない場合がある。
本発明にかかるベシクル含有組成物においては、上記水溶性低分子界面活性剤はベシクルの外周囲においてミセルを形成しており、当該ミセルが実質的に上記シリコーン系界面活性剤からなるベシクルの外相にのみ存在しているものである。このためには、予め上記シリコーン系界面活性剤からなるベシクルを形成した後、所定量の上記水溶性低分子界面活性剤を添加する必要がある。なお、本発明において、水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的にベシクルの外相にのみ存在するとは、具体的には、質量割合で90%以上の水溶性低分子界面活性剤が、ベシクルの外相中に存在していることを意味する。
ポリオール
本発明にかかるベシクル含有組成物は、ベシクル安定化の点から、さらにポリオールを含有することが好適である。本発明に用いられるポリオールは、2以上の水酸基を有する化合物であり、一般に化粧品、医薬品等の分野において用いられ得るものであれば特に限定されることなく用いることができる。具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。なお、これらのうち、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、又はポリエチレングリコールを特に好適に用いることができる。また、ポリオールとしては、1種又は2種以上を任意に選択して組み合わせて用いてもよい。
ポリオールの配合量は、特に限定されるものではないが、組成物全量中1〜20質量%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜10質量%である。ポリオールの配合量が少ないと、ベシクル安定化効果が十分に得られない場合があり、一方で、配合量が多すぎると、ベシクル膜が強固になりすぎ、またベシクル粒子径が増大する傾向にあるため、ベシクル安定化効果が得られない場合がある。
製造方法
本発明にかかるベシクル含有組成物の製造方法は、水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合してベシクルを形成するベシクル形成工程と、前記工程により得られたベシクル含有水性溶液中に水溶性低分子界面活性剤を添加するベシクル安定化工程と、を備えることを特徴とするものである。図1に、本発明のベシクル含有組成物の製造方法の説明図を示す。
本発明にかかるベシクル含有組成物の製造方法においては、まず最初に、水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合してベシクルを形成する。ここで、水性処方とは、水及び/又は水性溶媒を主な媒体としてなる処方であれば、特に限定されるものではなく、水又は水性溶媒の他、通常、化粧品、医薬品等に用いられる成分をベシクルの安定性に影響が出ない範囲の配合量で配合していても構わない。
上記水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合することで、水性相中に上記シリコーン系界面活性剤からなるベシクルが形成される(図1(a))。そして、得られたベシクル含有水性溶液中に水溶性低分子界面活性剤を添加すると、水溶性低分子界面活性剤は、ベシクル二分子膜の外周囲においてミセルを形成する(図1(b))。そして、このベシクル外周囲に存在するミセルが、ベシクル膜の安定化に大きく寄与しているものと考えられる。なお、前記工程によって予めベシクルが形成されていることから、水溶性低分子界面活性剤はベシクルの内相に侵入することはできず、水溶性低分子界面活性剤からなるミセルは実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することとなる。
以上のようにして、予め水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合して形成したベシクル含有水性溶液中に、水溶性低分子界面活性剤を添加することによって、当該該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することとなり、この結果、ベシクルの安定性が改善される。なお、例えば、シリコーン系界面活性剤と水溶性低分子界面活性剤とを、同時に水性処方中に添加・混合した場合には、シリコーン系界面活性剤の形成し得るベシクル二分子膜の規則構造に対して、同時に配合された水溶性低分子界面活性剤が直接影響してしまい、ベシクルを形成することができない場合がある。また、ベシクルを形成することができたとしても、水溶性低分子界面活性剤がベシクルの内相及び外相の両方に存在することとなり、所望のベシクル安定化効果が得られない場合がある。
また、本発明にかかるベシクル含有組成物においては、さらにポリオールを配合することによって、よりベシクルを安定化することが可能となる。ポリオールは、いずれの工程段階で配合しても構わない。具体的には、上記ベシクル形成工程における水性処方中にポリオールを含有する、あるいは上記ベシクル安定化工程においてポリオールを添加することが好適である。
本発明にかかるベシクル含有組成物は、例えば、化粧料として好適に用いることができる。化粧料として用いる場合には、上記必須成分の他に、通常、医薬品、化粧品に用いられる成分を安定性に影響が出ない範囲の配合量で配合することができる。なお、他の処方成分は、予めベシクル形成前の水性処方中に配合してもよく、あるいはベシクル形成後の処方中に配合しても構わない。また、例えば、任意の薬剤成分を水性処方中に配合してベシクルを形成し、その後、外相を置換することによって、内相中にのみ薬剤成分が存在するマイクロカプセル組成物とすることも可能である。
本発明にかかる化粧料の用途は特に限定されないが、例えば、化粧水、ヘアリキッド、乳液等として好適に使用することが可能である。
以下に本発明の実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下、特に断りの無い限り、配合量は質量%で示す。
まず最初に、本発明者らは、シリコーン系界面活性剤からなるベシクル含有液中への水溶性低分子界面活性剤の添加効果について検討を行うため、シリコーン系界面活性剤としてポリオキシエチレン(12モル)ジメチルポリシロキサン(HLB=8)、水溶性低分子界面活性剤としてポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムを用いて、ベシクル形成能及びベシクル安定性についての評価を行った。試験に用いた各種成分の組成と評価結果とを併せて表1に示す。なお、評価の基準は以下の通りである。
〈ベシクル形成能〉
○:動的光散乱測定によって、100〜500nmのベシクル粒子が観察された。また、濁り・沈殿等がまったく認められなかった。
×:動的光散乱測定によって、100〜500nmのベシクル粒子が観察されなかった。あるいは、認められた場合であっても、濁りや沈殿が同時に認められた。
〈ベシクル安定性〉
◎:50℃で2週間保存後の濁度の変化が5%未満であった。
○:50℃で2週間保存後の濁度の変化が10%未満であった。
△:50℃で2週間保存後の濁度の変化が10〜20%であった。
×:50℃で2週間保存後の濁度の変化が20%以上であった。
Figure 2008024681
(製法) シリコーン系界面活性剤(ポリオキシエチレン(12モル)ジメチルポリシロキサン(HLB=8))をエタノール中に溶解し、その後、水を添加・混合してベシクルを形成させた。これに、一部の水に溶解させた水溶性低分子界面活性剤(ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム)を添加・混合した。
上記表1に示すように、ポリオキシエチレン(12モル)ジメチルポリシロキサンからなるベシクルに対して、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムを添加することによって、当該ベシクルの安定性が改善されることが明らかとなった。なお、従来の知見においては、ベシクル中への他の界面活性剤の配合は、可溶化によるベシクル構造の崩壊を引き起こしてしまい、ベシクルの安定性に対して悪影響を及ぼすものと考えられていたため、ベシクルの安定性が改善されるという上記結果は意外なものであった。
上記結果については、ベシクル含有水性溶液中に水溶性低分子界面活性剤を添加することで、水溶性低分子界面活性剤がベシクル二分子膜の外周囲にミセルを形成し、このミセルの存在がベシクル膜の安定化に寄与し、ベシクルの安定性が改善されるものと考えられる。
つづいて、本発明者らは、他の各種水溶性低分子界面活性剤を用いて、同様の試験を行い、ベシクル安定化効果の有無についての確認を行った。試験に用いた各種成分の組成と評価結果とを併せて表2及び表3に示す。なお、組成物の製法、及び評価の基準は上記試験と同様である。
Figure 2008024681
(製法) 上記表1と同様である。
Figure 2008024681
(製法) 上記表1と同様である。
上記表2,3に示すように、アニオン性界面活性剤(POE(2モル)ラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム)、分岐鎖の非イオン性界面活性剤(POE(12モル)POP(13モル)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(60モル)硬化ヒマシ油)、直鎖の非イオン性界面活性剤(POE(20モル)セチルエーテル)といった各種の水溶性低分子界面活性剤を用いた場合にも、上記試験と同様にベシクル安定化効果が確認された。一方で、直鎖非イオン性界面活性剤であるPOE(20モル)セチルエーテルを0.6質量%添加した場合には、ベシクルを形成することができなかった。これは、水溶性低分子界面活性剤の添加量が多すぎてしまい、ベシクルが可溶化してしまったためと考えられる。
つづいて、本発明者らは、水溶性低分子界面活性剤の好適な配合量について検討を行うため、上記試験の各種水溶性低分子界面活性剤(アニオン性界面活性剤、分岐鎖非イオン性界面活性剤、直鎖非イオン性界面活性剤)を用いて、その配合量を各種変化させて評価を行った。試験に用いた各種成分の組成と評価結果とを併せて表4〜6に示す。なお、組成物の製法、及び評価の基準は上記試験と同様である。
Figure 2008024681
(製法) 上記表1と同様である。
上記表4に示すように、水溶性低分子界面活性剤としてアニオン性界面活性剤であるPOE(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムを0.5〜3.0質量%用いた試験例17〜19においては、安定なベシクル含有組成物が得られているのに対して、5.0質量%用いた試験例20においては、ベシクルを形成することができなかった。これは、ベシクルを形成するシリコーン系界面活性剤の配合量(10質量%)に対して、相対的に水溶性低分子界面活性剤の配合量比が多すぎたために、ベシクルの可溶化・崩壊が始まったものと考えられる。このことから、水溶性低分子界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を用いた場合、アニオン性界面活性剤/シリコーン系界面活性剤の配合量比が0.3以下であることが好適であると言える。
Figure 2008024681
(製法) 上記表1と同様である。
上記表5に示すように、シリコーン系界面活性剤を10質量%用いた場合、水溶性低分子界面活性剤として分岐鎖非イオン性界面活性剤であるPOE(12モル)POP(13モル)2‐デシルテトラデシルエーテルを1.0〜10.0質量%用いた試験例21〜23においては、安定なベシクル含有組成物が得られているのに対し、12.0質量%用いた試験例24においては、ベシクルを形成することができなかった。このことから、水溶性低分子界面活性剤として分岐鎖非イオン性界面活性剤を用いた場合、分岐鎖非イオン性界面活性剤/シリコーン系界面活性剤の配合量比が1.0以下であることが好適であると言える。
Figure 2008024681
(製法) 上記表1と同様である。
上記表6に示すように、シリコーン系界面活性剤を10質量%用いた場合、水溶性低分子界面活性剤として直鎖非イオン性界面活性剤であるPOE(20モル)セチルエーテルを1.0〜5.0質量%用いた試験例25,26においては、安定なベシクル含有組成物が得られているのに対し、6.0質量%以上用いた試験例27,28においては、ベシクルを形成することができなかった。このことから、水溶性低分子界面活性剤として直鎖非イオン性界面活性剤を用いた場合、直鎖非イオン性界面活性剤/シリコーン系界面活性剤の配合量比が、0.5以下であることが好適であると言える。
なお、本発明者らは、上記表4に示した条件(シリコーン系界面活性剤10質量%,水溶性低分子界面活性剤としてPOE(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムを使用)において、水溶性低分子界面活性剤の濃度を各種変化させて、ベシクル粒子の質量分率、及び系に存在する粒子の粒子径の測定を行った。結果を図2に示す。
図2に示されるように、水溶性低分子界面活性剤の配合量が0〜1.5質量%程度の少ない領域では、粒子径100nm程度のベシクル粒子のみが存在している。つづいて、水溶性低分子界面活性剤の濃度が2質量%になると、粒子径5nm程度の小型ミセルが生成し始めていることがわかる。この小型ミセルは、同時にベシクルの質量分率が減少していることからみて、ベシクル粒子の崩壊により生じているものと考えられる。さらに水溶性低分子界面活性剤の配合量を増やしていくと、3質量%を過ぎたあたりで、ベシクル粒子の数が著しく減少し始め、4質量%になると、ベシクルは完全に消失してしまっている。これらの結果から、水溶性低分子界面活性剤の配合量が相対的に多くなりすぎることにより、ベシクルが可溶化され、ベシクル構造の崩壊が引き起こされるものと考えられる。
また、本発明者らは、ベシクル含有組成物の製造方法についてより詳しく検討を行うため、以上の試験例とは異なる方法によって、ベシクル含有組成物の調製を試みた。すなわち、シリコーン系界面活性剤と水溶性低分子界面活性剤とを同時に混合することによってベシクル含有組成物の調製を試み、組成物の評価を行った(なお、最終的な処方は上記の試験例と同一である)。試験に用いた各種成分の組成と評価結果とを併せて表7,8に示す。なお、組成物の製法、及び評価の基準は上記試験と同様である。
Figure 2008024681
(製法) シリコーン系界面活性剤(ポリオキシエチレン(12モル)ジメチルポリシロキサン(HLB=8))と水溶性低分子界面活性剤(ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム)とをエタノール中に溶解し、その後、水を添加・混合した。
Figure 2008024681
(製法) 上記表7と同様である。
上記表7,8に示されるように、水溶性低分子界面活性剤を、シリコーン系界面活性剤と同時に添加・混合した試験例33〜42においては、いずれのものもベシクルを形成することができなかった。これらの結果から、本発明においては、予めシリコーン系界面活性剤によりベシクルを形成しておき、この後に水溶性低分子界面活性剤を添加・混合する必要があるものと考えられる。
すなわち、シリコーン系界面活性剤と水溶性低分子界面活性剤とを、同時に添加・混合した場合には、シリコーン系界面活性剤の形成し得るベシクル二分子膜の規則構造に対して、同時に配合された水溶性低分子界面活性剤が直接影響してしまい、ベシクルを形成することができないものと推察される。これに対して、本発明にかかるベシクル含有組成物は、予め形成したベシクル含有水性溶液中に、水溶性低分子界面活性剤を添加することによって、当該水溶性低分子界面活性剤が該ベシクルの外周囲においてミセルを形成し、このミセルの存在がベシクル膜の安定化に寄与することによって、ベシクルの安定性が改善されているものと考えられる。
つづいて、本発明者らは、以上のようにして調製したベシクル含有組成物に対し、さらにポリオールを添加した場合の添加効果について検討を行うため、ポリオールとして、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(300)をベシクル含有組成物中に添加して、ベシクル形成能及びベシクル安定性についての評価を行った。試験に用いた各種成分の組成と評価結果とを併せて表9に示す。なお、評価の基準は以下の通りである。
Figure 2008024681
(製法) シリコーン系界面活性剤(ポリオキシエチレン(12モル)ジメチルポリシロキサン(HLB=8))をエタノール中に溶解し、その後、水を添加・混合してベシクルを形成させた。これに、一部の水に溶解させた水溶性低分子界面活性剤(ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム)、及びポリオール(グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(300)を添加・混合した。
上記表9に示すように、本発明にかかるベシクル含有組成物において、さらにポリオールとしてグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(300)を添加した試験例43〜45では、いずれもベシクルの安定性が著しく改善されていることが明らかとなった。すなわち、ポリオールは、ベシクル二分子膜に作用して、膜の強度をより強固にし、この結果、ベシクル安定性が著しく改善されているものと考えられる。
以下に本発明のベシクル含有組成物の化粧料としての処方例を挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、得られた組成物はすべて、ベシクル形成能、ベシクル安定性に優れているものであった。
処方例1 化粧水 (質量%)
(1)ポリオキシアルキレン変性シリコーン 0.5
(SH3773M:ダウ・コーニングシリコーン製)
(2)エタノール 1
(3)POE(2)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム 0.05
(4)グリセリン 2
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.08
(7)アスコルビン酸2−グルコシド 2
(8)水 残 余
(製法) (1)を(2)に溶解し、その後、(5)〜(7)と(8)の一部を添加・混合し、ベシクルを形成した。これに、(8)の残部に溶解させた(3)及び(4)を添加・混合して、化粧水を得た。
処方例2 ヘアリキッド (質量%)
(1)ポリオキシアルキレン変性シリコーン 10
(SH3772M:ダウ・コーニングシリコーン製)
(2)エタノール 20
(3)POE(12)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテル 1
(4)グリセリン 10
(5)EDTA 0.2
(6)水 残 余
(製法) (1)を(2)に溶解し、その後、(5)と(6)の一部を添加・混合し、ベシクルを形成した。これに、(6)の残部に溶解させた(3)及び(4)を添加・混合して、ヘアリキッドを得た。
処方例3 乳液 (質量%)
(1)ポリオキシアルキレン変性シリコーン 5
(SH3773M:ダウ・コーニングシリコーン製)
(2)エタノール 2
(3)POE(60)硬化ヒマシ油 0.7
(4)グリセリン 3
(5)1,3−ブチレングリコール 5
(6)クエン酸 0.02
(7)クエン酸ナトリウム 0.08
(8)アスコルビン酸2−グルコシド 2
(9)スクワラン 0.2
(10)香料 0.1
(11)水 残 余
(製法) (1)を(2)に溶解し、その後、(6)〜(10)と(11)の一部を添加・混合し、ベシクルを形成した。これに、(11)の残部に溶解させた(3)及び(4),(5)を添加・混合して、乳液を得た。
本発明のベシクル含有組成物の製造方法の説明図である。 シリコーン系界面活性剤10質量%,水溶性低分子界面活性剤としてラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムを用いた条件で、水溶性低分子界面活性剤濃度を各種変化させ、ベシクル粒子の質量分率及び系に存在する粒子の粒子径を測定した結果をまとめた図である。

Claims (14)

  1. シリコーン系界面活性剤からなるベシクルと、水溶性低分子界面活性剤とを含有し、
    該水溶性低分子界面活性剤からなるミセルが実質的に該ベシクルの外相にのみ存在することを特徴とするベシクル含有組成物。
  2. 請求項1に記載のベシクル含有組成物において、前記シリコーン系界面活性剤の配合量が、組成物全量に対して0.1〜10質量%であることを特徴とするベシクル含有組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤の配合量が、組成物全量に対して0.05〜2.0質量%であることを特徴とするベシクル含有組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤がアニオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤とアニオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.3であることを特徴とするベシクル含有組成物。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が分岐鎖の非イオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤と分岐鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:1であることを特徴とするベシクル含有組成物。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が直鎖の非イオン性界面活性剤であり、シリコーン系界面活性剤と直鎖非イオン性界面活性剤との配合量比が、1:0.05〜1:0.5であることを特徴とするベシクル含有組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のベシクル含有組成物において、さらにポリオールを含有することを特徴とするベシクル含有組成物。
  8. 請求項7に記載のベシクル含有組成物において、前記ポリオールの配合量が、組成物全量中1〜20質量%であることを特徴とするベシクル含有組成物。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のベシクル含有組成物において、前記シリコーン系界面活性剤が、下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレン変性シリコーンであることを特徴とするベシクル含有組成物。
    Figure 2008024681
    (式中、Rは、水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。Aは、少なくともその1つが式: −(CH−(CO)−(CO)−R (式中、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1〜6、bは0〜50、cは0〜50の整数であり、b+cは少なくとも5以上である。)で示されるポリオキシアルキレン基であり、その他のAは水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。mは1〜200、nは0〜50の整数である。)
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のベシクル含有組成物において、前記水溶性低分子界面活性剤が、分子量2000未満の界面活性剤であることを特徴とするベシクル含有組成物。
  11. 請求項7から10のいずれかに記載のベシクル含有組成物において、前記ポリオールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールのいずれかであることを特徴とするベシクル含有組成物。
  12. 水性処方とシリコーン系界面活性剤とを混合してベシクルを形成するベシクル形成工程と、
    前記工程により得られたベシクル含有水性溶液中に水溶性低分子界面活性剤を添加するベシクル安定化工程と、
    を備えることを特徴とするベシクル含有組成物の製造方法。
  13. 請求項12に記載のベシクル含有組成物の製造方法において、ベシクル形成工程において水性処方中にポリオールを含有する、あるいはベシクル安定化工程においてポリオールを添加することを特徴とするベシクル含有組成物の製造方法。
  14. 請求項1〜11に記載のベシクル含有組成物からなることを特徴とする化粧料。
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