JP6080525B2 - 毛髪化粧料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪化粧料の製造方法に関する。
リンス、コンディショナー、トリートメント等の各種毛髪化粧料は、毛髪に滑らかさなどを付与し、感触を向上させるために用いられる。従来、カチオン界面活性剤と高級アルコール等の油分を配合して乳化させた毛髪化粧料が知られている。このような毛髪化粧料として、例えば、特許文献1には、特定のアミドアミン化合物またはその塩、高級アルコール、有機溶剤、及びカチオン界面活性剤とを配合した毛髪化粧料が記載されている。また、特許文献2には、特定のヒドロキシエーテル型カチオン、高級アルコール、毛髪補修剤、芳香族アルコールなどを含む毛髪化粧料が記載されている。
また近年、毛髪化粧料の塗布時からすすぎ時の良好な粘度、すなわち水で濡れた毛髪に適用する際(水で希釈された状態)の毛髪化粧料の良好な粘度に対するニーズが高まっている。しかしながら、希釈時に良好な粘度を得るために毛髪化粧料の粘度を高くすると、毛髪化粧料を容器から取り出しにくくなるという問題があった。
特開2003−81780号公報 特開2010−13405号公報
本発明は、容器からの出しやすさと、水で濡れた毛髪に適用した際の適度な粘度とのバランスに優れた毛髪化粧料の製造方法に関する。
本発明は、(a)カチオン界面活性剤、(b)炭素数12以上28以下の脂肪族アルコール、(c)芳香族アルコール及び(d)水を含有し、成分(a)、成分(b)を含む油相と、成分(d)を含む水相とを混合し、乳化して液状乳化物を得る工程と、前記液状乳化物を、前記液状乳化物の乳化温度未満35℃以上で冷却した後に、成分(c)を加えて混合する工程と、を含む、毛髪化粧料の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、容器からの出しやすさと、水で濡れた毛髪に適用した時の適度な粘度とのバランスに優れた毛髪化粧料を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
本発明で用いる成分(a)カチオン界面活性剤としては、第3級アミン化合物及び第4級アンモニウム塩が挙げられる。第3級アミン化合物は、有機酸及び/又は無機酸によって塩としたものを用いてもよいし、有機酸等、pH調整剤と共に組成物中で塩を形成させてもよい。第3級アミン化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006080525
上記一般式(1)中、R11は、炭素数8以上35以下の−OCO−若しくは−COO−で表される官能基で分断又は−OHで置換されていてもよい直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示す。R12は、炭素数1以上22以下のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、又は合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、2個のR12は同一でも相異なってもよい。
第3級アミン化合物としては、以下の(i)〜(iii)の第3級アミン化合物から選択される1以上の化合物を含むことが好ましい。
(i)ヒドロキシエーテルアルキルアミン
Figure 0006080525
上記一般式(2)中、R17は、炭素数6以上24以下の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。R18及びR19は、同一又は相異なってもよく、炭素数1以上6以下のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、fは1以上6以下の数を示し、f個のAは同一でも相異なってもよく、その配列は任意である)を示す。eは1以上5以下の数を示す。
具体的には、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン又はこれらの混合物が挙げられる。
(ii)エーテルアミン
例えば下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006080525
上記一般式(3)中、R20は、炭素数6以上24以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。R21及びR22は、同一又は相異なってもよく、炭素数1以上6以下のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、gは1以上6以下の数を示し、g個のAは同一でも相異なってもよく、その配列は任意である)を示す。
具体的には、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン又はこれらの混合物が挙げられる。N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンの市販品としてファーミン DME−80(花王株式会社)を用いることもできる。
(iii)アルキルアミドアミン
例えば下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006080525
上記一般式(4)中、R23は、炭素数11以上23以下の脂肪族炭化水素基を示す。R24は、同一又は相異なってもよく、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、nは2以上4以下の数を示す。
具体的には、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド又はこれらの混合物が挙げられる。
また、第4級アンモニウム塩としては、次の一般式(5)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 0006080525
上記一般式(5)中、R13及びR14は各々独立して水素原子、炭素数1以上28以下のアルキル基又はベンジル基を示し、同時に水素原子又はベンジル基となる場合、及び、炭素数1以上3以下の低級アルキル基となる場合を除く。Anはアニオンを示す。
ここでR13及びR14は、その一方が炭素数16以上24以下、更には炭素数22のアルキル基、特に直鎖アルキル基であるのが好ましく、また他方は炭素数1以上3以下の低級アルキル基、特にメチル基であるのが好ましい。アニオンAnとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;エチル硫酸イオン、炭酸メチルイオン等の有機アニオン等が挙げられ、ハロゲン化物イオン、特に塩化物イオンが好ましい。
このうち、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、特に塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが好ましい。
本発明において、成分(a)としては、第3級アミン化合物が好ましく、コンディショニング効果の観点から(ii)エーテルアミン又は(iii)アルキルアミドアミンが好ましい。その中でも、(ii)エーテルアミンが好ましく、具体的には、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン又はこれらの混合物がより好ましく、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンがさらに好ましい。
成分(a)は、1種又は2種以上を用いてもよい。成分(a)の含有量は、適度な粘度、取り出しやすさの観点から、毛髪化粧料全体に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。また、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜7質量%の範囲がより好ましい。
本発明で用いる成分(b)は、炭素数12以上28以下の脂肪族アルコールであり、特に12以上26以下の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコールが好ましい。これらのうち、アルキル基は直鎖アルキル基が好ましい。具体的には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、特にステアリルアルコールが好ましい。これらの脂肪族アルコールは、1種又は2種以上を用いることが好ましい。
成分(b)の含有量は、毛髪における良好な使用感、取り出しやすさの観点から、毛髪化粧料全体に対し、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。また、1〜15質量%が好ましく、2〜10質量%の範囲がより好ましい。
本発明で用いる成分(c)芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール及び2−ベンジルオキシエタノールから選択される1以上の化合物が挙げられる。これらのうち、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノールが好ましい。これらの芳香族アルコールは、1種又は2種以上を用いることが好ましい。
成分(c)の含有量は、毛髪における良好な使用感、取り出しやすさの観点から、毛髪化粧料全体に対し、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%の範囲がより好ましい。
本発明で用いる成分(d)水は、イオン交換水や蒸留水等を用いることができる。その含有量は、毛髪化粧料全体に対し、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。また98質量%以下が好ましく、95質量%がより好ましい。
本発明による毛髪化粧料は、さらに、炭素数1以上10以下の有機酸を含むことができる。炭素数1以上10以下の有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸及び酸性アミノ酸から選択される1種以上の化合物が挙げられる。
具体的には、酢酸、プロピオン酸及びカプリル酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸及びフマル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸等のヒドロキシカルボン酸;安息香酸、サリチル酸及びフタル酸から選択される芳香族カルボン酸;グルタミン酸及びアスパラギン酸等の酸性アミノ酸から選択される1以上の化合物が挙げられる。
これらの中で、好ましくは炭素数2以上8以下のヒドロキシモノカルボン酸及びジカルボン酸から選択される1種以上の有機カルボン酸が好ましい。特に、塗布時からすすぎ時の毛髪の滑らかさの観点からグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸及びマレイン酸から選択される1種以上の化合物が好ましく、乳酸、リンゴ酸又はこれらの混合物がより好ましい。
有機酸の含有量は、塗布時からすすぎ時の毛髪の滑らかさ、適度な粘度の観点から、毛髪化粧料全体に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、塗布時からすすぎ時の毛髪の滑らかさ、適度な粘度の観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2.5質量%以下が更に好ましい。
本発明により得られる毛髪化粧料は、水で20重量倍に希釈した際の25℃でのpHが1〜5.5であることが好ましい。この範囲であると、毛髪の乾燥後の仕上がりが優れる。pHを調整することにより、一部もしくは全てが塩の形に置換して使用される。pHは、2〜6が好ましく、更には2.5〜5となるように調整することが、良好な粘度の観点から好ましい。pHの調整には、炭素数1以上10以下の有機酸、無機酸や水酸化ナトリウム等の塩基性物質など、通常pH調整剤として使用するものが含まれる。
本発明による毛髪化粧料は、容器からの出しやすさの点から、30℃における使用前の毛髪化粧料の粘度(以下、原液粘度という)が10000mPa・s以上40000mPa・s以下、さらには12000mPa・s以上25000mPa・s以下であることが好ましい。
また、水で濡れた毛髪に適用した際の適度な粘度を示す指標として以下の減粘率を用いる。毛髪に適用時に塗布しやすく、且つ、液だれしがたい程度の粘度を保つ観点から、希釈された状態の粘度変化が少ないことが好ましい。特に、30℃における毛髪化粧料を水で2重量倍に希釈した時の粘度(以下、2倍希釈液の粘度という)、原液粘度から算出される下記式で表される減粘率が、−50%以上、更に−45%以上であることが好ましく、一方、−5%以下が好ましく、特に粘度が変わらないことが好ましい。
減粘率は、下記式より求められる。
{(2倍希釈液の粘度)−(原液粘度)}/(原液粘度)×100 (%)
毛髪化粧料の水による希釈前後における粘度は、30℃で粘度計により測定したものである。粘度計としては、B型粘度計や、B型粘度計とデータの互換性のあるデジタル粘度計を使用することができる。
本発明による毛髪化粧料には、他のカチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤;高重合ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン及びアルキル変性シリコーン等のシリコーン化合物:ヒマワリ油、ヒマシ油などの植物油、それらの水素添加物や混合物、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素油、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸およびそれらのエステル類、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル等の多価アルコール縮合物の有機酸エステル等の油性成分;カチオン化セルロース、カチオン化グアーガムス等のカチオン性ポリマー;その他、パール化剤、色素、香料、噴射剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、清涼剤、抗フケ剤、酸化防止剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、グリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレン(C8〜C20)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。例えば、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられる。また、ポリオキシプロピレン(3)モノオクチルエーテル[ソフケア GP−1(花王株式会社)]等の市販品を用いることができる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系界面活性剤が挙げられる。具体的には、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインを使用できる。
本発明による毛髪化粧料は、へアリンス、へアコンディショナー、へアトリートメント、へアパック、へアクリーム、コンディショニングムース、へアムース、リーブオントリートメント等に用いることができる。
次に、毛髪化粧料の製造方法を説明する。
本発明による毛髪化粧料の製造方法は、次の工程を含む。
工程I:成分(a)及び成分(b)を含む油相と、成分(d)を含む水相とを混合し、乳化して液状乳化物を得る工程
工程II:得られた液状乳化物を、その乳化温度未満35℃以上に冷却した後に、成分(c)を加えて混合する工程
すなわち、従来は、水相と油相とを乳化する時に芳香族アルコールを加えていたのに対して、本発明による毛髪化粧料の製造方法は、成分(a)、成分(b)、及び成分(d)を含む液状乳化物を乳化温度より低い温度に冷却した後に、成分(c)を加えるものである。
ここで、乳化温度より低い温度とは、水相、油相の乳化温度より低いが、35℃(室温程度)より高い温度に保った状態である。本発明においては、各成分を混合し、乳化した後に、室温まで冷却する過程の冷却工程のどこか、言い換えると液状乳化物が完全に冷却する前の段階で、成分(c)を添加する。
〔工程I〕
本発明による製造方法は、取り出しやすさと適度な粘度の観点から、水相と油相を混合して乳化する温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上70℃以下がより好ましい。混合し、乳化する手段は一般的な混合攪拌装置が用いられる。
〔工程II〕
工程Iで得られた液状乳化物は、乳化温度より少し冷却した後に、成分(c)を加える。言い換えると、液状乳化物を乳化温度から室温に冷却する過程で、途中の温度に一時保持した状態で、成分(c)を加え、その後、室温まで冷却する。冷却温度は、室温以上60℃以下であることが好ましく、成分(c)を加えるときの液状乳化物の温度差δT(乳化温度−成分(c)投入時温度)が、0℃<δT<50℃の範囲内であることが好ましく、5℃≦δT≦20℃の範囲内であることがより好ましい。
成分(c)の添加の方法は、一括、複数回に分ける、または一定時間内に連続的に供給する、のいずれの形態でも構わないが、より好ましくは一括である。また、成分(c)を添加した後に、更に冷却する。更に冷却する温度は特に限定されないが、適度な粘度を得る観点から、−30〜−5℃が好ましい。
つづいて、本発明の効果について説明する。
本発明により得られる毛髪化粧料は、容器からの出しやすさと、水で濡れた毛髪に適用した際の適度な粘度とのバランスに優れる。この理由は、以下のように考えられる。一般に、毛髪化粧料中では、カチオン界面活性剤と高級アルコールとは二分子膜から形成されるゲル構造を形成し、それにより増粘していると考えられている。本発明による製造方法では、成分(c)を乳化温度より低い状態で添加することにより、成分(c)が成分(a)と成分(b)の二分子膜から形成されるゲル構造中に取り込まれてしまうのではなく、二分子膜の親水基近傍に多く存在するようになるため、乳化物粒子全体にすき間ができ、そこに水を取り込めるようになると推測される。これにより、ゲル構造が保持されたまま膨潤できるようになるため、二分子膜の柔軟性が高まり、水を内部に取り込みより膨潤しやすくなると考えられる。一方、毛髪化粧料が容器に保存されている時は、容器からの毛髪化粧料の取り出しやすさの観点から、その粘度は低いことが望まれる。そこで、本発明による製造方法では、上述のように水で希釈された場合の毛髪化粧料の粘度低下が抑制できるため、容器から取り出しやすい比較的低い粘度としつつ、水で希釈された際にはある程度の粘度を保持することができる。また、そのような粘度特性を有することにより、容器に入った毛髪化粧料を最後まで使い切りし易くなる。
また、本発明により得られる毛髪化粧料は、上記成分(a)〜(d)が水膨潤性のゲル構造を形成する。ここで水膨潤性のゲル構造とは、成分(a)〜(d)による乳化物が水を含み膨潤できる状態のものをいう。本発明による毛髪化粧料は、水膨潤性のゲル構造が外部の水と接触して膨潤することにより、水による希釈効果を阻害し、粘度低下が抑制されると考えられる。水膨潤性のゲル構造による膨潤の有無は、偏光顕微鏡による観察、又は小角X線散乱でラメラ面間隔距離を測定することによりのいずれかの測定により確認できる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下の実施例において、%で示すものはすべて質量%である。
<製造方法>
(製造法A)
(1)500mLのビーカーを用い、55℃に加熱した成分(d)に酸を添加して水相を得た。
(2)別途、成分(a)、成分(b)を70℃で混合・溶解して油相を得た。
(3)上記(1)で得られた水相を55℃に保ちながら、上記(2)の油相を添加し、約20分攪拌(HEIDON スリーワンモーター BL600、速度200r/min)して、乳化した後、45〜50℃までに冷却した。
(4)成分(c)を攪拌しながら添加し、30℃まで冷却攪拌し、製造を終了し、毛髪化粧料を得た。
(製造法B)
(1)500mLのビーカーを用い、55℃に加熱した成分(d)に酸を添加して水相を得た。
(2)別途、成分(a)、成分(b)及び成分(c)を70℃で混合・溶解して油相を得た。
(3)上記(1)で得られた水相を55℃に保ちながら、上記(2)の油相を添加し、約20分攪拌(HEIDON スリーワンモーター BL600装置、速度200r/min)して、乳化した後、30℃まで冷却攪拌し、毛髪化粧料を得た。
(製造法C)
(1)500mLのビーカーを用い、55℃に加熱した成分(d)に酸を添加して水相を得た。
(2)成分(a)、成分(b)を70℃で混合・溶解して油相を得た。
(3)上記(1)で得られた水相を55℃に保ちながら、上記(2)の油相を添加し、約20分攪拌(HEIDON スリーワンモーター BL600装置、速度200r/min)して、乳化した後、冷却した。
(4)乳化物を冷却した後に成分(c)を攪拌しながら添加し、製造を終了し、毛髪化粧料を得た。
<評価方法>
(吐出性)
・200ml細口ボトル(PH−200、竹本容器製)に100gの毛髪化粧料を充填し、ワンタッチキャップ(ノズル口径φ2.4mm、Z−24ワンタッチキャップ、竹本容器製)を用いて容器の口を閉めた後、一夜間静置した。その後、ワンタッチキャップを開けた状態で容器を振らず逆さまにし、5秒に1回の間隔で容器の外側から容器の中心部を容器外径が半分になるまで手で押した。容器の口から、充填した毛髪化粧料が吐出するまで、これを繰り返した。10回以下で吐出したものを「○」とし、10回を超えたものを「×」とした。
(減粘率)
・デジタル粘度計(TVB−10R、東機産業製)を用いて、毛髪化粧料の粘度(原液粘度〔mPa・s〕)および毛髪化粧料を水で2重量倍に希釈した時の粘度(2倍希釈液の粘度〔mPa・s〕)をそれぞれ測定し、下記式により計算した。なお、測定条件はローターNo.T−C、60秒、10r/min、30℃とした。粘度が低くなる場合は、デジタル粘度計(TV−10、東機産業製)を用い、測定条件をローターNo.M3、60秒、12r/min、30℃とした。
{(2倍希釈液の粘度)−(原液粘度)}/(原液粘度)×100 (%)
(なじみやすさ、滑らかさ、毛髪化粧料の存在感、滑らかさ、滑らかさの持続感)
日本人女性の毛髪20g(約15〜20cm)を束ね、シャンプーで洗浄した。この毛束に表1に示された処方による毛髪化粧料2gを均一に塗布し、次いで、30秒間流水ですすぎ流した。塗布からすすぎの過程で、「塗布時のなじみやすさ」、「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の毛髪化粧料の存在感」、「すすぎ時の滑らかさ」、「すすぎ時の滑らかさの持続性」の各項目につき、以下の基準で評価した。評価は5人で4段階評価で行い、合計値を示した。
<評価基準>
・「塗布時のなじみやすさ」
4:非常になじみやすい
3:ややなじみやすい
2:あまりなじみにくい
1:なじみにくい
・「塗布時の滑らかさ」
4:非常に滑らか
3:やや滑らか
2:あまり滑らかでない
1:滑らかでない
・「塗布時の毛髪化粧料の存在感」
4:非常に存在感がある
3:やや存在感がある
2:あまり存在感がない
1:存在感がない
・「すすぎ時の滑らかさ」
4:非常に滑らか
3:やや滑らか
2:あまり滑らかでない
1:滑らかでない
・「すすぎ時の滑らかさの持続性」
4:非常に滑らかな感じが続く
3:やや滑らかな感じが続く
2:あまり滑らかな感じが続かない
1:滑らかな感じが続かない
<実施例、比較例>
表1、2に示す処方の全量を300gに換算し、上記製造方法により毛髪化粧料を得た。得られた毛髪化粧料を評価し、その結果を表1、2に示した。pHは、水で20重量倍希釈し、pHメータ(HM−30R、東亜ディーケーケー製)を用いて25℃にて測定した。
Figure 0006080525
Figure 0006080525

Claims (4)

  1. 次の成分(a)〜(d);
    (a)カチオン界面活性剤
    (b)炭素数12以上28以下の脂肪族アルコール
    (c)芳香族アルコール
    (d)水
    を含有する毛髪化粧料の製造方法であって
    成分(a)、成分(b)を混合・溶解して、該成分を含む油相を調製する工程と、
    成分(d)を含む水相を調製する工程と、
    50℃以上70℃以下の温度で前記水相に前記油相を添加して混合し、乳化して液状乳化物を得る工程と、
    前記液状乳化物を、前記液状乳化物の乳化温度未満35℃以上で冷却した後に、成分(c)を加えて混合する工程と、
    を含む、毛髪化粧料の製造方法。
  2. 成分(c)は、ベンジルアルコールである、請求項1に記載の毛髪化粧料の製造方法。
  3. 下記式(1)で表される減粘率が、−50%以上である請求項1または2に記載の毛髪化粧料の製造方法。
    {(2倍希釈液の粘度)−(原液粘度)}/(原液粘度)×100(%) (1)
    上記式(1)中、原液粘度は、使用前の毛髪化粧料の30℃における粘度、2倍希釈液の粘度は、毛髪化粧料を水で2重量倍に希釈したときの30℃における粘度をそれぞれ示す。
  4. 前記成分(c)を加えて混合する前記工程において、成分(c)を加えた後に、さらに冷却する工程を含む、請求項1乃至3いずれか一項に記載の毛髪化粧料の製造方法。
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