JPH11286413A - 毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料

Info

Publication number
JPH11286413A
JPH11286413A JP10103618A JP10361898A JPH11286413A JP H11286413 A JPH11286413 A JP H11286413A JP 10103618 A JP10103618 A JP 10103618A JP 10361898 A JP10361898 A JP 10361898A JP H11286413 A JPH11286413 A JP H11286413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wax
poe
surfactant
hair
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10103618A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Omura
孝之 大村
Yoshihiro Shiojima
義浩 塩島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP10103618A priority Critical patent/JPH11286413A/ja
Publication of JPH11286413A publication Critical patent/JPH11286413A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 整髪力に優れ、べたつき感が少なく、かつ毛
髪になめらかさ、くし通りのよさを付与することができ
る毛髪化粧料を提供することにを目的とする。 【解決手段】 常温で固体ないし半固体のワックスを含
むワックス微粒子と、リン脂質およびタンパク質ないし
タンパク加水分解物およびそれらの誘導体から選択され
る一種または二種以上とを含有することを特徴とする毛
髪化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は毛髪化粧料、特にそ
の使用感の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、毛髪化粧料には、毛髪に光沢やな
めらかさを与え、かつ良好なセット保持力を与える目的
で、樹脂とシリコーン油、高分子シリコーン、エステル
油、炭化水素油などの油分を可溶化、乳化、溶解したも
のとを併用したものが多く用いられている。また、毛髪
化粧料には、整髪力を付与する目的で、ワックスが配合
されることがあるが、塗布部分のべたつきが著しく、ま
たギラツキ等を生じることもあるため、各種エマルショ
ンとして用いることが多い。該組成物の例として、特開
平3−2112、特開平4−230616号公報があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
従来の毛髪化粧料では、整髪力が不充分であり、後者の
ワックスの微細分散物を含有した毛髪化粧料において
は、ワックスのべたつき感、なめらかさに関する改善が
不充分であった。本発明は、前記従来技術の課題に鑑み
なされたものであり、その目的は、整髪力に優れるだけ
でなく、べたつき感が少なく、かつ毛髪になめらかさ、
くし通りのよさを付与することができる毛髪化粧料を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討を行ったところ、ワックスの微
粒子とリン脂質、タンパク質ないしタンパク加水分解物
およびそれらの誘導体を含有する毛髪化粧料は、整髪力
に優れ、毛髪のなめらかさ、べたつき感のなさ、くし通
りの良さに関し、優れた特徴を持つことを見いだし、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明の毛髪化粧
料は、常温で固体ないし半固体のワックスを含むワック
ス微粒子と、リン脂質およびタンパク質ないしタンパク
加水分解物およびそれらの誘導体から選択される一種ま
たは二種以上と、を含有することを特徴とする。
【0005】また、本発明の毛髪化粧料においては、界
面活性剤として、両性界面活性剤および/または半極性
界面活性剤と、非イオン界面活性剤を含むことが好適で
ある。また、本発明の毛髪化粧料においては、リン脂質
の一種または二種以上と、タンパク質ないしタンパク加
水分解物またはそれらの誘導体の一種または二種以上の
両成分を含有することが好適である。また、本発明の毛
髪化粧料においては、リン脂質およびタンパク質ないし
タンパク加水分解物およびそれらの誘導体の配合量が組
成物全体に対して、0.001〜5重量%であることが
好適である。また、本発明の毛髪化粧料の製造方法にお
いて、ワックス微細分散物を調製する際、非イオン界面
活性剤を用い、その非イオン界面活性剤のHLBが6〜
15であることが好適である。また、本発明の毛髪化粧
料の製造方法において、ワックス微細分散物を調製する
際、さらに両性界面活性剤を用い、両性界面活性剤/
(両性界面活性剤+非イオン界面活性剤)の配合重量比
が0.03〜0.5であることが好適である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明は、ワックスの微細分散物と、
リン脂質およびタンパク質ないしタンパク加水分解物お
よびそれらの誘導体から選択される一種または二種以上
とを含有することを特徴とする毛髪化粧料を提供するも
のである。そこで、ワックスの微細分散物と、リン脂
質、タンパク質ないしタンパク加水分解物およびそれら
の誘導体に分けて説明することとする。
【0007】<ワックスの微細分散物>化粧料における
ワックスを微細分散させる従来技術としては、例えば特
開平3−2112、特開平4−230616、特開平5
−220383、特開平7−173025号などに示さ
れるものがある。しかしながら、これらに示されている
ものは、非イオン系又はアニオン系、あるいはカチオン
系界面活性剤を用いて微細分散物を調製するものであ
り、非イオン性界面活性剤では、皮膚刺激等安全性は良
好なものの、温度により、系のHLBが変化し、経時安
定性が損なわれる欠点がある。
【0008】また、非イオン性界面活性剤とアニオン界
面活性剤との組合せやアニオン界面活性剤単独、あるい
はカチオン性界面活性剤単独で微細分散物を調製する場
合においては、温度安定性は向上するものの、人によっ
ては皮膚刺激等に対して問題が生じることが考えられ
る。下記に記載するワックスの微細分散物は、広い温度
範囲で安定であり、かつ皮膚刺激がより少ない組成物で
ある。以下ワックスの微細分散物の各成分について記載
する。
【0009】固形ワックス 本発明においてワックスとは常温にて固形の油分を意味
し、具体的にはミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、
カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロ
ウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロ
ウ、モクロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキ
ビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキ
シル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラ
ックロウ、ビースワックス、マイクロクリスリンワック
ス、パラフィンワックス、POEラノリンアルコールエー
テル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステ
ロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコー
ル、脂肪酸グリセリド、硬化ヒマシ油、ワセリン、POE
水素添加ラノリンアルコールエーテル等がある。なお、
これらのワックスは混合して用いることが可能であり、
他の固形状あるいは液状油分などを混合しても常温にお
いて固形である範囲で使用可能である。
【0010】このような油性成分としては、次のような
ものが挙げられる。液体油脂としては、アボガド油、ツ
バキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコ
シ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ
油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ
油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆
油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ
油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、
トリオクタン酸グリセリン、テトラオクタン酸ペンタエ
リスリット、トリイソパルミチン酸グリセリン等があ
る。
【0011】固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、硬
化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化
油等がある。炭化水素油としては、流動パラフィン、オ
ゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、ス
クワラン等がある。
【0012】非イオン性界面活性剤 本発明において非イオン性界面活性剤が必須であり、好
適な非イオン性界面活性剤のHLBは6〜15、特に好
適なHLBは7〜14である。このような非イオン性界
面活性剤としては、POEソルビタンモノオレエート、
POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタン
テトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル
類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビッ
トモノオレエート、POEソルビットペンタオレエー
ト、POEソルビットモノステアレートなどのPOEソ
ルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステ
アレート、POEグリセリンモノイソステアレート、P
OEグリセリントリイソステアレートなどのPOEグリ
セリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、PO
Eジステアレート、POEジオレエート、ジステアリン
酸エチレングリコールなどのPOE脂肪酸エステル類、
POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、P
OEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、P
OE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノ
ールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオ
クチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテ
ル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキ
ルフェニルエーテル類、プルロニックなどのプルロニッ
ク類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエ
チレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化
ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、
POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化
ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジ
エステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸などのPOE
ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロ
ウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸
ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミ
ド、脂肪酸イソプロパノールアミドなどのアルカノール
アミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、
POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂
肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド
縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、ト
リオレイルリン酸などが挙げられる。
【0013】また、非イオン性界面活性剤として、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル
を用いると、同じオキシエチレン鎖長のポリオキシエチ
レンアルキルエーテルと比較して、調製されたワックス
微細分散物の経時安定性がよく、経時で微細粒子の凝集
等による外観の変化(透明性の低下)や分散粒子のクリ
ーミングが改善されるのでより好適である。上記ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルと
しては、
【化1】 および/または
【化2】 (ただし、Rは炭素数12〜24のアルキル基またはア
ルケニル基を表し、mは5≦m≦30、nは0<n≦5
の範囲にある)で表されるものが好適である。そして、
このようなポリオキシエチレンポリオキシプロピレンア
ルキルエーテルとしては、例えば、上記m、nの値が前
記範囲にあるPOE・POPセチルエーテル、POE・
POPベヘニルエーテル、POE・POP2−デシルテ
トラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテ
ル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリ
セリンエーテルなどが挙げられる。
【0014】両性界面活性剤および半極性界面活性剤 本発明において両性界面活性剤としては下記一般式
(1)〜(5)で示したものが、半極性界面活性剤とし
ては下記一般式(6)で示したものが例示される。 一般式(1):
【化3】 で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤(市販品と
してレボン2000(三洋化成株式会社製)、アノンB
DF(日本油脂株式会社製)などが挙げられる)。 一般式(2):
【化4】 で表されるアミドスルホベタイン型両性界面活性剤(市
販品としてロンザイン−CS(ロンザ社製)、ミラタイ
ンCBS(ミラノール社製)などが挙げられる)。
【0015】一般式(3):
【化5】 で表されるベタイン型両性界面活性剤(市販品としてア
ノンBL(日本油脂株式会社製)、デハイントンAB−
30(ヘンケル社製)などが挙げられる)。 一般式(4):
【化6】 で表されるスルホベタイン型両性界面活性剤(市販品と
してロンザイン12CS(ロンザ社製)などが挙げられ
る)。
【0016】一般式(5):
【化7】 で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤(市販品
としてオバゾリン662−N(東邦化学株式会社製)、
アノンGLM(日本油脂株式会社製)などが挙げられ
る)。 一般式(6):
【化8】 で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤
(市販品としてユニセーフA−LM(日本油脂株式会社
製)、ワンダミンOX−100(新日本株式会社製)な
どが挙げられる)。
【0017】ただし、一般式(1)〜(6)で、R1
平均炭素原子数9〜21のアルキル基またはアルケニル
基が好ましく、より好ましくは平均炭素原子数11〜1
7のアルキル基またはアルケニル基、さらに好ましくは
平均炭素原子数11ないし13のアルキル基またはアル
ケニル基である。平均炭素原子数が9未満では親水性が
強すぎ、一方21を越えると水への溶解性が悪くなる。
2及びR3は平均炭素原子数10ないし18のアルキル
基またはアルケニル基を表す。pは2〜4の整数、qは
0〜3の整数、sは1または2の整数を表す。本発明に
おいては、これらの両性界面活性剤及び/または半極性
界面活性剤のうち任意の一種または二種以上が選ばれて
用いられる。
【0018】水系分散媒 本発明において、微細ワックス粒は水系分散媒中に分散
されることが好ましく、この水系分散媒としては、水を
単独で、或いは、水とエタノール、グリセリン、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、キシリトー
ル、ソルビトール、マルチト−ル、コンドロイチン硫
酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテ
ロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステア
レート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドン
カルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン
(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出液、セイヨウノ
コギリソウ抽出液、メリロート抽出液等が挙げられる。
【0019】微細分散物の調製 まず、本発明者らは下記のような試験を行い、ワックス
の微細分散組成物の調製を試みた。
【0020】
【表1】 ──────────────────────────────────── 試験例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ──────────────────────────────────── カチオン性界面活性剤 塩化ステアリルシ゛メチルヘ゛ンシ゛ルアンモニウム 15 - - - 5 - - 10 - アニオン性界面活性剤 ラウリル硫酸ナトリウム - 15 - - - 5 - - 10 非イオン性界面活性剤 POE(10)ヘ゛ヘニルエーテル - - 15 - 10 10 10 - - 両性界面活性剤 ラウリルシ゛メチルアミノ酢酸ヘ゛タイン - - - 15 - - 5 5 5 ──────────────────────────────────── ワックス キャンデリラワックス 10 10 10 10 10 10 10 10 10 イオン交換水 75 75 75 75 75 75 75 75 75 ──────────────────────────────────── 外観 白濁 白濁 白濁 白濁 白濁 白濁 透明 白濁 白濁 ────────────────────────────────────
【0021】<製法>イオン交換水に前記非イオン性界
面活性剤及び両性界面活性剤を水に溶解し、80〜90
℃に加熱してキャンデリラワックスを添加し、1時間プ
ロペラ撹拌する。その後、氷冷し、組成物を得る。
【0022】<結果>上記表1より明らかなように、カ
チオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、両性界面活性剤ともに、各単独では乳化
組成物が白濁する傾向にあり、安定性も好ましくない
(試験例1〜4)。また、カチオン性乃至アニオン性界
面活性剤と非イオン性界面活性剤を組み合わせた場合
(試験例5,6)、あるいはカチオン性乃至アニオン性
界面活性剤と両性界面活性剤を組み合わせた場合(試験
例8,9)にも同様である。しかしながら、非イオン性
界面活性剤と両性界面活性剤を組み合わせた場合(試験
例7)には、乳化組成物の外観が透明となり、ワックス
の微細分散組成物が得られたことが示唆される。動的光
散乱法による測定の結果、この微細分散物の粒子径は約
30nmであった。
【0023】非イオン性界面活性剤の検討 次に本発明者らは非イオン性界面活性剤の至適HLBに
ついて検討を進めた。すなわち、下記組成を基本処方
に、非イオン性界面活性剤のHLBを変化させてその乳
化状態を検討した。 (両性界面活性剤/(両性界面活性剤+非イオン性界面
活性剤)の配合重量比=約0.33) (両性界面活性剤/(両性界面活性剤+非イオン性界面
活性剤)の配合重量比=0.1) 結果を次の表2に示す。
【0024】
【表2】 ──────────────────────────────────── 界面活性剤組成 HLB 乳化状態 基本処方 ──────────────────────────────────── POE(5)ヘ゛ヘニルエーテル 10% 5 分離 1 ──────────────────────────────────── POE(3)ステアリルエーテル 6% 6 クリーム状 1 POE(10)ヘ゛ヘニルエーテル 4% ──────────────────────────────────── POE(3)ステアリルエーテル 4% 7 半透明な一液相 1 POE(10)ヘ゛ヘニルエーテル 6% ──────────────────────────────────── POE(3)ステアリルエーテル 2% 8 透明な一液相 1 POE(10)ヘ゛ヘニルエーテル 8% ──────────────────────────────────── POE(10)ヘ゛ヘニルエーテル 10% 9 透明な一液相 1 ──────────────────────────────────── POE(10)ヘ゛ヘニルエーテル 9.25% 10 透明な一液相 1 POE(50)ラウリルエーテル 0.75% ──────────────────────────────────── POE(10)ヘ゛ヘニルエーテル 8.25% 11 半透明な一液相 1 POE(50)ラウリルエーテル 1.75% ──────────────────────────────────── POE(15)オレイルエーテル 13.5% 12 透明な一液相 2 ──────────────────────────────────── POE(20)ヘ゛ヘニルエーテル 13.5% 13 透明な一液相 2 ──────────────────────────────────── POE(20)ヘ゛ヘニルエーテル 6.75% 14 半透明な一液相 2 POE(30)ヘ゛ヘニルエーテル 6.75% ──────────────────────────────────── POE(30)ヘ゛ヘニルエーテル 13.5% 15 クリーム状 2 ────────────────────────────────────
【0025】前記表より明らかなように、両性界面活性
剤/(両性界面活性剤+非イオン性界面活性剤)の重量
比が約0.33または0.1においては、非イオン性界
面活性剤のHLBが6〜15で均一な乳化系の形成が可
能であるが、特にHLBが7〜14で半透明乃至透明な
一液相が形成される。従って、本発明のワックス微細分
散物においては、非イオン性界面活性剤のHLBは6〜
15、特に半透明、透明系を得るためには7〜14であ
ることが理解される。
【0026】次に、本発明者らは非イオン性界面活性剤
の種類と分散状態について検討を進めた。まず、基本処
方1の組成における結果を次に示す。
【0027】
【表3】 ──────────────────────────────────── HLB: 5 6 7 8 9 10 11 ──────────────────────────────────── POE直鎖脂肪酸 C12(ラウリル) △ ○ ○ n=3 n=5 n=7 C16(セチル) △ ○ ○ n=5 n=7 n=9 C18(ステアリル) △ ○ △ n=6 n=8 n=10 C18(オレイル) △ ○ △ n=6 n=8 n=10 C20(アラキル) × ○ n=3 n=10 C22(ヘ゛ヘニル) × ○ n=5 n=10 ──────────────────────────────────── POE分岐脂肪酸 C18(イソステアリル) △ ○ n=5 n=10 C20(オクチルト゛テ゛シル) ○ n=10 C24(テ゛シルテトラテ゛シル) △ ○ n=10 n=15 ──────────────────────────────────── (n:POE付加モル数)
【0028】なお、前記表において、○は透明な一液相
を形成した状態を意味し、△は半透明乃至均一なクリー
ム状を、×は分離をそれぞれ表す。上記表より、基本処
方1、すなわち、両性界面活性剤/(両性界面活性剤+
非イオン性界面活性剤)の重量比が約0.33において
は、各非イオン性界面活性剤を単独で用いた場合には、
概ねHLBが9〜11で透明な一液相を形成し得ること
が理解される。つぎに、非イオン性界面活性剤の種類と
分散状態について、基本処方2の組成における結果を次
に示す。
【0029】
【表4】 ──────────────────────────────────── HLB: 12 13 14 15 ──────────────────────────────────── POE直鎖脂肪酸 C12(ラウリル) ○ n=15 C16(セチル) C18(ステアリル) ○ △ n=15 n=20 C18(オレイル) ○ n=15 C20(アラキル) ○ n=18 C22(ヘ゛ヘニル) ○ △ n=20 n=30 ──────────────────────────────────── POE分岐脂肪酸 C18(イソステアリル) ○ n=15 C20(オクチルト゛テ゛シル) ○ ○ n=16 n=20 C24(テ゛シルテトラテ゛シル) ○ △ n=20 n=15 ──────────────────────────────────── (n:POE付加モル数)
【0030】なお、前記表において、○は透明な一液相
を形成した状態を意味し、△は半透明乃至均一なクリー
ム状を、×は分離をそれぞれ表す。上記表より、基本処
方2、すなわち、両性界面活性剤/(両性界面活性剤+
非イオン性界面活性剤)の重量比が約0.1において
は、各非イオン性界面活性剤を単独で用いた場合には、
概ねHLBが12〜13で透明な一液相を形成し得るこ
とが理解される。したがって、前記表3〜4をまとめる
と、非イオン性界面活性剤の至適なHLB値は界面活性
剤の重量比によって異なるが、その至適HLBは概ね6
〜15ということができる。また、前記表2を参酌する
と、複数の非イオン性界面活性剤を組み合わせて用いる
ことも可能であり、そのときのHLBは加重平均に依存
する。
【0031】さらに、本発明者らはPOEコレステリ
ル、POEグリセリル、POE硬化ヒマシ油等について
検討を行ったが、これらの多鎖型非イオン性界面活性剤
単独では、透明な一液相を調製することは困難であっ
た。無論、これらの多鎖型非イオン性界面活性剤にあっ
ても他の非イオン性界面活性剤との組み合わせにより好
適な分散系を得ることは可能であるが、特にPOE直鎖
乃至POE分岐脂肪酸エーテルが好適に用いられる。
【0032】両性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の
相関 次に本発明者らは両性界面活性剤と非イオン性界面活性
剤との相関について検討を進めた。すなわち、下記基本
処方に基づき、アミドベタイン型両性界面活性剤(商品
名レボン2000SF)、非イオン性界面活性剤(PO
E(10)ベヘニルエーテル)の配合比、配合量を変化さ
せてワックス分散系を調製した。
【0033】結果を図1に示す。同図より明らかなよう
に、非イオン性界面活性剤としてHLB9のPOE(1
0)ベヘニルエーテルを用いた場合、界面活性剤比=両
性界面活性剤/(両性界面活性剤+非イオン性界面活性
剤)は0.3付近のところが極めて良好な比として存在
するが、その比の範囲は(両性界面活性剤+非イオン性
界面活性剤)の量が増加するにつれ広くなる傾向にあ
る。なお、当然のことながら、非イオン性界面活性剤の
HLB値を変化させることにより好ましい界面活性剤比
は異なる。そこで、図1に同様な組成で非イオン性界面
活性剤としてHLB13のPOE(20)ベヘニルエーテ
ルを用いた場合の結果を図2に示す。同図より明らかな
ように、非イオン性界面活性剤としてHLB13のPO
E(20)ベヘニルエーテルを用いた場合、界面活性剤比
=両性界面活性剤/(両性界面活性剤+非イオン性界面
活性剤)は0.1付近のところが極めて良好な比として
存在するが、その比の範囲は概ね0.04〜0.17と
いえる。また、非イオン性界面活性剤としてHLB12
のPOE(15)ベヘニルエーテルを用いた場合の結果を
図3に、HLB15のPOE(30)ベヘニルエーテルを
用いた場合の結果を図4に示す。前記結果からわかるよ
うに、非イオン性界面活性剤のHLBにより界面活性剤
比=両性界面活性剤/(両性界面活性剤+非イオン性界
面活性剤)は異なるが、概ね0.03〜0.5が好まし
い。0.03未満では、系への非イオン性界面活性剤の
寄与が大きくなり、温度安定性が損なわれる。一方、
0.5を超えると、ワックスの微細分散物は得られにく
くなる。
【0034】次に本発明者らは、安全性および安定性に
ついて検討した。安全性 安全性については卵白アルブミン変性率から評価した。 <試験方法>水系高速液体クロマトグラフィを利用し、
卵白アルブミンpH緩衝溶媒に、試料濃度1%になるよ
うに試料を加えた場合の、卵白アルブミン変性率220
nmの吸収ピークを用いて測定した。 [(Ho−Hs)/Ho]×100 Ho:卵白アルブミンの220nm吸収ピークの高さ Hs:卵白アルブミン緩衝溶媒に試料を加えた時の22
0nm吸収ピークの高さ評価は以下の4段階評価で行っ
た。 ◎・・・皮膚刺激性が非常に少ない−卵白アルブミン変
性率30%未満 ○・・・皮膚刺激性が少ない−卵白アルブミン変性率3
0%以上60%未満 △・・・皮膚刺激性が中程度−卵白アルブミン変性率6
0%以上80%未満 ×・・・皮膚刺激性が強い−
卵白アルブミン変性率80%以上
【0035】結果を表5に示す。
【表5】 ──────────────────────────────────── 界 面 活 性 剤 評価 ──────────────────────────────────── ドデシル硫酸ナトリウム(アニオン性) △ ラウリルジメチルアンモニウムクロリド(カチオン性) × POE(20)ベヘニルエーテル(非イオン性) ◎ レボン2000SF(両性) ○ ドデシル硫酸ナトリウム+POE(20)ベヘニルエーテル ○ (1:1) レボン2000SF+POE(20)ベヘニルエーテル ◎ (1:1) ──────────────────────────────────── (レボン2000SF;三洋化成社製、アミノベタイン型両性界面活性剤)
【0036】上記の結果から両性界面活性剤と非イオン
性界面活性剤の組合せは、非イオン性界面活性剤と同レ
ベルで皮膚刺激性が少なく安全性が高い。従って、両界
面活性剤を併用したワックスの微細分散物は安全性が高
いことが示唆される。
【0037】安定性 以下に示す処方でワックスの微細分散物を調製し、50
℃、1週間の経時安定性を評価した。結果を表6に示
す。 <基本処方4> キャンデリラワックス 10% 界面活性剤 約10〜20% イオン交換水 残部
【0038】
【表6】 ──────────────────────────────────── 処 方 1 2 3 4 5 6 ──────────────────────────────────── キャンデリラワックス 10 10 10 10 10 10 POE(3)ステアリルエーテル 5 − − 7 10 − POE(10)ベヘニルエーテル − 10 15 − − 6.5 POE(20)ベヘニルエーテル − 1 − − − − POE(40)硬化ヒマシ油 10 − − 10 6 − レボン2000SF − − 1 − − 10 (有効分約30%) ソフダゾリンLHL−SF − − − 1 10 − (有効分約30%) イオン交換水 残部 残部 残部 残部 残部 残部 ──────────────────────────────────── 界面活性剤量比 両性/(両性+非イオン性) − − 0.020 0.017 0.16 0.32 ──────────────────────────────────── 安定性(50℃、1週間) 分離 分離 分離 分離 変化 変化 なし なし ──────────────────────────────────── (ソフダゾリンLHL−SF;川研ファインケミカル社製、イミダゾリニウム型 両性界面活性剤)
【0039】上記表6より明らかなように、非イオン性
界面活性剤単独および界面活性剤比(前記規定)が0.
03未満では、経時安定性は損なわれる。一方、好まし
い界面活性剤比中の両性界面活性剤と非イオン性界面活
性剤の組合せでは安定性は良好であった。
【0040】<リン脂質、タンパク質ないしタンパク加
水分解物およびそれらの誘導体>本発明で用いられるリ
ン脂質としては、例えば、フォスファチジルコリン、フ
ォスファチジルイノシトール、フォスファチジルエタノ
ールアミン、フォスファチジルセリン、スフィンゴミエ
リン等で、卵黄、大豆等から抽出される卵黄レシチン、
大豆レシチンおよびこれらの精製物、水素添加物等であ
り、また合成物としてはジアロイルフォスファチジルコ
リン、ジパルミトイルフォスファチジルコリン等が挙げ
られる。
【0041】また、本発明で用いられるタンパク質ない
しタンパク加水分解物およびそれらの誘導体としては、
例えば、コラーゲン、コラーゲン加水分解物、カチオン
化加水分解コラーゲン、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲ
ン、ケラチン、ケラチン加水分解物、カチオン化加水分
解ケラチン、エラスチン、エラスチン加水分解物、カゼ
イン、カゼイン加水分解物、ゼラチン、ゼラチン加水分
解物、大豆タンパク、小麦タンパク、グルテリン、ホエ
ー粉末、フィブロイン、グルカゴン、卵白、非熱凝固卵
白、卵白リゾチーム、アルブミンフィブリノーゲン、ヘ
モグロビン、グロブリンおよびこれらの加水分解物等が
挙げられる。
【0042】リン脂質とタンパク質類は、どちらか一方
のみを用いてもよいが、リン脂質の一種または二種以上
と、タンパク質ないしタンパク加水分解物およびタンパ
ク質誘導体の一種または二種以上の両成分を配合するこ
とが毛髪に対する補修効果の点で好ましい。
【0043】本発明に用いられるリン脂質および/また
はタンパク質類の配合量は、毛髪化粧料全量中の0.0
01〜5重量%で、好ましくは0.03〜3重量%であ
る。0.001重量%未満ではリン脂質やタンパク質類
配合の効果、即ち、手のべたつきのなさ、なめらかさが
得られず、5重量%を越えると、溶解性の点で配合しに
くくなり、匂いも異臭となる。
【0044】なお、本発明の毛髪化粧料には、上記必須
構成成分の他に、目的に応じて本発明の効果を損なわな
い量的、質的範囲内で、通常、化粧料に配合される他の
油分、他の界面活性剤、セット剤樹脂、粘度調製剤、薬
効剤、防腐剤、紫外線吸収剤等を併用することができ
る。例えば、シリコーン誘導体(ジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性
シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリ
コーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリ
コーン、アルコキシ変性シリコーン)、粘度調製剤とし
て、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマ
ー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等
の高分子化合物、ゼラチン、タラカントガム等の天然ガ
ム等、防腐剤として、例えば、パラオキシ安息香酸エス
テル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソ
ルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等が挙げられ
る。また、セット剤樹脂としては、例えば、ビニルピロ
リドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/アル
キルアミノアクリレート共重合体、ベタイン化ジアルキ
ルアミノアルキルアクリレート共重合体等が挙げられ
る。
【0045】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を示す。本発
明の毛髪化粧料は、前記述べた通り、ワックスの微細分
散物と、リン脂質、タンパク質ないしタンパク加水分解
物およびそれらの誘導体から選択される一種または二種
以上の両成分を含有することにより、調製される。
【0046】本発明に用いられるワックスの微細分散物
の調製法は、イオン交換水に前記非イオン性界面活性剤
および両性界面活性剤を水に溶解し、85〜95℃に加
熱して、前記固形ワックスを添加し、可溶化状態となる
までプロペラ攪拌する。その後、氷冷し、組成物を得
る。
【0047】本発明の毛髪化粧料は、前記ワックスの微
細分散物にさらに、リン脂質、タンパク質ないしタンパ
ク加水分解物およびそれらの誘導体の一種または二種以
上を配合することにより得られる。
【0048】つぎに、本発明の具体的な配合例を示す。
なお、配合量はすべて重量%である。本発明者らは、べ
たつきがなく、なめらかさと、くし通りの良さに関して
優れた特徴をもつ毛髪化粧料を検討する過程で、以下の
ような実験をした。そして、本発明の効果を調べるため
以下の毛髪化粧料を調製し、得られた実施例と比較例あ
るいは試験例を試料として用い、「手のべたつき感」、
「手ぐしの通りやすさ」、「なめらかさ」、「整髪力」
について評価した。評価方法は、つぎの通りである。
【0049】[手のべたつき感]手のひらに試料1gをと
り、30秒間手でこすった後、手のべたつき感を官能評
価をした。 ◎:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、大き
く改善された ○:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、改善
された △:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、やや
改善された −:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、改善
されなかった、または劣っていた。
【0050】[手ぐしの通りやすさ]毛髪ストランド(4
g)に試料2gを塗布し、櫛で形を整え、その直後およ
び6時間後に手ぐしの通りやすさを評価した。 ◎:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、大き
く改善された ○:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、改善
された △:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、やや
改善された −:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、改善
されなかった、または劣っていた。
【0051】[なめらかさ]毛髪ストランド(4g)に試
料2gを塗布し、櫛で形を整え、その直後および6時間
後に毛髪ストランドのなめらかさを官能評価した。 ◎:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、大き
く改善された ○:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、改善
された △:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、やや
改善された −:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、改善
されなかった、または劣っていた。
【0052】[整髪力]毛髪ストランド(4g)に試料2
g塗布し、櫛で形を整える。次いで、そのストランドに
図5のようにドライヤーで送風し、ストランドの広がり
具合を目視により、評価した。 ◎:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、大き
く改善された ○:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、改善
された △:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、やや
改善された −:ワックスの微細分散物のみのものと比較して、改善
されなかった、または劣っていた。
【0053】本発明の構成成分 本発明にかかる構成の組成物を試験例10とし、リン脂
質、タンパク質加水分解物の構成を欠いたものを試験例
11、ワックスの構成を欠いたものを試験例12とし
た。なお、改善効果の評価は試験例11を基準として行
った。
【0054】
【表7】 ──────────────────────────────────── セットローション 試験例10 試験例11 試験例12 ──────────────────────────────────── (1)カルナウバロウ 15.0 15.0 − (2)ホ゜リオキシエチレンヘ゛ヘニルエーテル(10EO) 10.0 10.0 10.0 (3)2-ウンテ゛シル-N,N,N-(ヒト゛ロキシエチル カルホ゛キシメチル)-2-イミタ゛ソ゛リンナトリウム*1 5.0 5.0 5.0 (4)イオン交換水 67.8 69.8 82.8 (5)大豆レシチン 1.0 − 1.0 (6)カゼイン加水分解物 1.0 − 1.0 (7)メチルパラベン 0.2 0.2 0.2 ──────────────────────────────────── 評価 手のべたつき感 ◎ − △ 手ぐしの通りやすさ (直 後) ◎ − ○ (6時間後) ◎ − − なめらかさ (直 後) ◎ − △ (6時間後) ◎ − △ 整髪力 (直 後) ◎ − − (6時間後) ◎ − − ──────────────────────────────────── *1:[商品名;オバゾリン662N脱塩品−SF,三洋化成(株)製](実分30% )
【0055】<セットローションの製法>(1)〜
(3)と(4)の一部を約92℃で攪拌し、透明性を帯
びた後、氷冷し、ワックスの微細分散物を得、次いで、
(4)の残部に(5)〜(7)を溶解したものを添加
し、セットローションを得る。
【0056】上記の結果より、ワックスの構成を欠いた
試験例12は、手のべたつき感のなさ、手ぐしの通りや
すさ、なめらかさの点では、そこそこの使用感が得られ
ることがわかるが、整髪力においては、試験例11と比
較してはるかに劣っていた。これに対して、本発明のワ
ックスの微細分散物とリン脂質およびタンパク加水分解
物を配合した構成の試験例10は、手のべたつき感のな
さ、手ぐしの通りやすさ、なめらかさ、整髪力すべての
点で改善されており、しかもそれらの改善効果が6時間
も維持されているのがわかる。
【0057】ワックス/リン脂質およびタンパク質ない
しタンパク加水分解物およびその誘導体の配合量 つぎに、リン脂質およびタンパク質ないしタンパク加水
分解物およびそれらの誘導体の配合量を変えることによ
って、リン脂質、タンパク質ないしタンパク加水分解物
およびそれらの誘導体の配合量の検討を行った。
【0058】
【表8】 ──────────────────────────────────── セットローション 試験例 試験例 試験例 試験例 試験例 試験例 13 14 15 16 17 18 ──────────────────────────────────── (1)カルナウバロウ 15.0 15.0 15.0 15.0 15.0 15.0 (2)ホ゜リオキシエチレン ヘ゛ヘニルエーテル(10EO) 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 (3)ヤシ油脂肪酸アミト゛ シ゛メチルアミノ酢酸ヘ゛タイン*2 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 (4)イオン交換水 69.699 69.698 69.5 67.7 66.7 64.7 8 ──────────────────────────────────── (5)大豆レシチン 0.0001 0.001 0.01 1.0 1.5 2.5 (6)カゼイン加水分解物 0.0001 0.001 0.01 1.0 1.5 2.5 ──────────────────────────────────── (7)エチルパラベン 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 (8)フェノキシエタノール 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 ──────────────────────────────────── 評価 手のべたつき感 △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 手ぐしの通りやすさ △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ なめらかさ △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 整髪力 △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ──────────────────────────────────── *2:[商品名;レボン2000−SF,三洋化成(株)製](実分30%)
【0059】上記結果より、リン脂質およびタンパク質
ないしタンパク加水分解物およびそれらの誘導体の好適
な配合量は約0.001〜約5重量%であることがわか
る。また、リン脂質およびタンパク質ないしタンパク加
水分解物およびそれらの誘導体が5重量%を超えて配合
されると、異臭をもつことがあり、化粧料として不適切
である。
【0060】従来技術との比較 つぎの本発明の実施例1〜3、および従来技術の一般的
な毛髪のセットを目的としたワックスを配合しない比較
例1〜3の毛髪化粧料を調製した。
【0061】 実施例1.セットローション (1)カルナウバロウ 3.0 (2)ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(10EO) 3.0 (3)ヤシ油脂肪酸アミドジメチルアミノ酢酸ベタイン(実分30%) 4.9 5 [商品名:レボン2000−SF、三洋化成(株)製] (4)イオン交換水 83.7 5 (5)大豆レシチン 1.0 (6)エラスチン 1.0 (7)グリセリン 2.0 (8)メチルパラベン 0.3 (9)香料 適 量 (10)エチルアルコール 1.0
【0062】<セットローションの製法>(1)〜
(3)と(4)の一部を約95℃で攪拌混合し、透明性
を帯びた後、氷冷し、ワックスの微細分散物を得、その
後、(4)の残部、(5)〜(10)の混合物をワックス
の微細分散物に添加し、セットローションを得た。
【0063】 実施例2.スタイリングムース (1)キャンデリラロウ 5.0 (2)マイクロクリスタリンワックス 1.0 (3)ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(10EO) 4.0 (4)2-ウンテ゛シル-N,N,N-(ヒト゛ロキシエチルカルホ゛キシメチル)2ーイミタ゛ソ゛リンナトリウム (実分30%) 9.0 [商品名:オバゾリン662N脱塩品、東邦化学(株)製] (5)イオン交換水 53.6 (6)プロピレングリコール 12.0 (7)ヒアルロン酸 0.1 (8)フォスファチジルコリン 0.1 (9)コラーゲン加水分解物 0.1 (10)シリル化ペプタイド 0.1 [商品名:プロモイスW−52SIG、成和化成社製] (11)エチルアルコール 5.0 (12)紫外線防止剤(オキシベンゾン) 適 量 (13)香料 適 量 (14)液化石油ガス 10.0
【0064】<スタイリングムースの製法>(1)〜
(4)と(5)の一部を約95℃で攪拌混合し、透明性
を帯びた後、氷冷し、ワックスの微細分散物を得、その
後、(5)の残部に(6)〜(10)を溶解したものをワ
ックスの微細分散物に添加し、次いで、(11)〜(13)
の混合物を添加し、スタイリングムース原液とし、次い
で、この原液をエアゾール用缶に添加し、弁をした後、
噴射剤(14)を充填し、スタイリングムースを得た。
【0065】 実施例3.スタイリングジェル (1)カルナウバロウ 5.0 (2)キャンデリラロウ 5.0 (3)ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(10EO) 10.0 (4)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(実分30%) 14.5 [商品名:アノンBL−SF、日本油脂(株)製] (5)イオン交換水 54.798 (6)卵黄レシチン 0.001 (7)卵白 0.001 (8)カルボキシビニルポリマー 0.7 [商品名:ハイビスワコー104、和光純薬(株)製] (9)ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体 2.0 (10)ジグリセリン 5.0 (11)ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 適 量 (12)香料 適 量 (13)キレート剤 適 量 (14)水酸化ナトリウム 適 量 (15)エタノール 3.0
【0066】<スタイリングジェルの製法>(1)〜
(4)と(5)の一部を約95℃で攪拌混合し、透明性
を帯びた後、氷冷し、ワックスの微細分散物を得、その
後、(5)の残部に(6)〜(15)の混合物 を添加し
て、スタイリングジェルを得た。
【0067】 比較例1.セットローション (1)ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体 5.0 (2)メチルパラベン 適 量 (3)香料 適 量 (4)エタノール 30.0 (5)イオン交換水 60.5 (6)シリコーン誘導体 0.5 (7)グリセリン 2.0 (8)大豆水素添加レシチン 1.0 (9)カゼインナトリウム 1.0
【0068】<セットローションの製法>(4)に
(1)〜(3)を加えて均一に溶解する。これに、あら
かじめ溶解していた水相部[(5)〜(9)の混合物]を
加え、溶解する。
【0069】 比較例2.スタイリングムース (1)アクリル樹脂アルカノールアミン液(50%) 8.0 (2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60EO) 適 量 (3)流動パラフィン 5.0 (4)グリセリン 3.0 (5)香料 適 量 (6)メチルパラベン 適 量 (7)イオン交換水 59.0 (8)エタノール 15.0 (9)大豆レシチン 0.5 (10)ヒアルロン酸 0.5 (11)液化石油ガス 9.0
【0070】<スタイリングムースの製法>(3)を
(4)と(2)の溶解物に添加し、ホモミキサーで均一
に乳化する。これを他の成分の溶液に添加し、ヘアムー
ス原液を得た。充填は、エアゾール用缶に原液を充填
し、バルブ装着後、ガス(11)を充填する。
【0071】 比較例3.スタイリングジェル (1)カルボキシビニルポリマー 0.7 (2)ポリビニルピロリドン 2.0 (3)グリセリン 適 量 (4)エタノール 20.0 (5)ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 適 量 (6)香料 適 量 (7)キレート剤 適 量 (8)イオン交換水 74.3 (9)エラスチン 1.5 (10)フォスファチジルコリン 1.5
【0072】<スタイリングジェルの製法>(1)を
(3)と一部の(8)で分散する。他の成分を残部の
(8)に溶解し、攪拌している(1)、(3)、(8)
の混合物に添加する。
【0073】このようにして得られた実施例品と比較品
を試料として用い、「手のべたつき感」、「手ぐしの通
りやすさ」、「なめらかさ」、「整髪力」について評価
した。評価方法は、前述の通りである。結果を次に示
す。
【0074】
【表9】 ──────────────────────────────────── 手のべたつ 手ぐしの なめらかさ 整髪力 き感 通りやすさ ──────────────────────────────────── 実施例1 直 後 ◎ ◎ ◎ ◎ 6時間後 ◎ ◎ ◎ ──────────────────────────────────── 実施例2 直 後 ○ ◎ ◎ ◎ 6時間後 ◎ ◎ ◎ ──────────────────────────────────── 実施例3 直 後 ○ ◎ ◎ ◎ 6時間後 ◎ ◎ ◎ ──────────────────────────────────── 比較例1 直 後 ○ △ △ − 6時間後 − − − ──────────────────────────────────── 比較例2 直 後 △ ○ − − 6時間後 △ − − ──────────────────────────────────── 比較例3 直 後 △ △ △ − 6時間後 − − − ────────────────────────────────────
【0075】上記結果より、ワックスの微細分散物とリ
ン脂質、タンパク質ないしタンパク加水分解物およびそ
れらの誘導体を配合した実施例1〜3の毛髪化粧料は、
手のべたつき感が少なく、手ぐしの通りやすさ、なめら
かさ、整髪力においても優れていることがわかる。これ
に対して、比較例1〜3の組成物は、ワックスが配合さ
れておらず、いずれも本発明より整髪力がはるかに劣っ
ていた。また、比較例1〜3の組成物は、手ぐしの通り
やすさ、なめらかさの効果の長時間の維持ができないこ
とがわかる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる毛髪
化粧料は、常温で固体ないし半固体のワックスを含むワ
ックス微粒子と、リン脂質およびタンパク質ないしタン
パク加水分解物およびそれらの誘導体から選択される一
種または二種以上を含有するので、整髪力に優れるだけ
ではなく、なめらかさ、べたつき感のなさ、くし通りの
良さといった使用感にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるワックスの微細分散物におい
て、HLB9の非イオン性界面活性剤を用いた場合にお
ける、界面活性剤の組成とその量及び分散状態の関係を
示す説明図である。
【図2】本発明にかかるワックスの微細分散物におい
て、HLB13の非イオン性界面活性剤を用いた場合に
おける、界面活性剤の組成とその量及び分散状態の関係
を示す説明図である。
【図3】本発明にかかるワックスの微細分散物におい
て、HLB12の非イオン性界面活性剤を用いた場合に
おける、界面活性剤の組成とその量及び分散状態の関係
を示す説明図である。
【図4】本発明にかかるワックスの微細分散物におい
て、HLB15の非イオン性界面活性剤を用いた場合に
おける、界面活性剤の組成とその量及び分散状態の関係
を示す説明図である。
【図5】本発明における実施例、あるいは、比較例、試
験例における組成物の整髪試験の方法を示したものであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で固体ないし半固体のワックスを含
    むワックス微粒子と、リン脂質およびタンパク質ないし
    タンパク加水分解物およびそれらの誘導体から選択され
    る一種または二種以上と、を含有することを特徴とする
    毛髪化粧料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化粧料において、界面活
    性剤として、両性界面活性剤および/または半極性界面
    活性剤と、非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とす
    る毛髪化粧料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の化粧料におい
    て、リン脂質の一種または二種以上と、タンパク質ない
    しタンパク加水分解物またはそれらの誘導体の一種また
    は二種以上の両成分を含有することを特徴とする毛髪化
    粧料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料
    において、リン脂質、タンパク質ないしタンパク加水分
    解物およびそれらの誘導体の配合量が組成物全体に対し
    て、0.001〜5重量%であることを特徴とする毛髪
    化粧料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の化粧料において、ワ
    ックス微細分散物を調製する際、非イオン界面活性剤を
    用い、その非イオン界面活性剤のHLBが6〜15であ
    ることを特徴とする毛髪化粧料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の化粧料の製造方法におい
    て、両性界面活性剤を用い、両性界面活性剤/(両性界
    面活性剤+非イオン界面活性剤)の配合重量比が0.0
    3〜0.5であることを特徴とする毛髪化粧料の製造方
    法。
JP10103618A 1998-03-31 1998-03-31 毛髪化粧料 Withdrawn JPH11286413A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10103618A JPH11286413A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 毛髪化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10103618A JPH11286413A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 毛髪化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11286413A true JPH11286413A (ja) 1999-10-19

Family

ID=14358765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10103618A Withdrawn JPH11286413A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 毛髪化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11286413A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009143847A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Shiseido Co Ltd ワックス組成物
JP2010235567A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kose Corp 水中油乳化型毛髪化粧料
JP4716470B2 (ja) * 2001-06-08 2011-07-06 株式会社ミルボン ヘアクリーム
JP2015521650A (ja) * 2012-06-29 2015-07-30 ロレアル 少なくとも1つの硫黄含有還元剤、少なくとも1つの脂肪性物質、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤および少なくとも2つのポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤を含む還元組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4716470B2 (ja) * 2001-06-08 2011-07-06 株式会社ミルボン ヘアクリーム
JP2009143847A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Shiseido Co Ltd ワックス組成物
JP2010235567A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kose Corp 水中油乳化型毛髪化粧料
JP2015521650A (ja) * 2012-06-29 2015-07-30 ロレアル 少なくとも1つの硫黄含有還元剤、少なくとも1つの脂肪性物質、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤および少なくとも2つのポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤を含む還元組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6066316A (en) Fine dispersion composition of wax, hair cosmetic preparation and glazing agent
JPH10324616A (ja) 毛髪化粧料
KR20120022822A (ko) 피부 외용제
JP4936618B2 (ja) 微細エマルション組成物
JPH10513179A (ja) ロール・オン発汗抑制組成物
JPH09165317A (ja) 水中油型乳化組成物
JP3600437B2 (ja) 水中油型毛髪化粧料
JPH0662385B2 (ja) 乳化組成物
JP3639715B2 (ja) ワックスの微細分散組成物および毛髪化粧料ならびにつや出し剤
JP3949810B2 (ja) ワックスの微細分散組成物および毛髪化粧料ならびにつや出し剤
JPS63192704A (ja) 化粧料
JPH09315937A (ja) ゲル化組成物、乳化組成物及び皮膚外用剤
JPH11286413A (ja) 毛髪化粧料
JP2003012478A (ja) 頭髪用乳化組成物
JPH11263914A (ja) ワックスの微細分散組成物および毛髪化粧料ならびにつや出し剤
JP3600436B2 (ja) 水中油型毛髪化粧料
JP2000143454A (ja) 油性毛髪化粧料
JPH11286420A (ja) 毛髪化粧料
JPS5987035A (ja) 尿素を安定に含むw/o型エマルジヨン組成物
JP3418490B2 (ja) 毛髪用組成物
WO1991018581A1 (en) Emulsified hair care preparation
JP2004182611A (ja) 頭髪用乳化化粧料
US20030168073A1 (en) Methods of reducing skin irritation associated with shaving
JP2000086456A (ja) 毛髪化粧料
JPH11286417A (ja) 毛髪化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607