JP2009143847A - ワックス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワックスの固化性能が抑制され、ワックスの高配合と適度な硬度とが両立し、使い勝手が良く、かつ整髪力の高いワックス組成物を提供する。
【解決手段】(a)ワックスを含有する油性成分60〜99.9質量%と、(b)リン脂質0.1〜5質量%とを含有し、ワックスの含有量が組成物全量に対して15〜60質量%とする。リン脂質を配合することで、ワックスの固化が抑制される。
【選択図】図4

Description

本発明はワックス組成物に関し、さらに詳しくは、ワックス含有量が多くても硬度が高くなり過ぎず、使い勝手が良く、かつ整髪力の高いワックス組成物に関する。
一般に用いられている整髪用毛髪化粧料としては、セット樹脂で整髪するムース、ヘアスプレー、ジェル、セットローション等の整髪用毛髪化粧料、主として固形ワックスの整髪力を用いるヘアスチック、ポマード、ヘアクリーム、ヘアワックス 等の整髪用毛髪化粧料がある。前者の整髪用毛髪化粧料はセット樹脂の被膜が毛髪上で、水やアルコールの揮発とともに形成され、毛髪同士を接着し固定することでセット力を発揮させている。しかしながら、これらのセット樹脂を含有した整髪料は、優れたセット力は得られるものの、バリバリした感触で自然な風合いが失われるといった欠点もあった。
上記のような問題を解決する整髪料として近年後者の整髪用毛髪化粧料、特にワックス状の整髪料(ヘアワックス)が開発されてきている(例えば、特許文献1及び2参照)。ヘアワックスはワックス被膜の粘性で整髪させている。これらヘアワックスは、バリバリせずナチュラルなヘアスタイルが得られるものの、整髪性やヘアスタイルキープ性といった点で不充分であった。また、整髪保持効果を高めるためにワックスを多量に配合して油性ワックス系とした場合は、使用時の伸びが重くなり、使用性を損なうという問題があった。
一方、リン脂質を含む頭髪化粧料としては特許文献3が知られている。この発明においては、リン脂質は乳化剤として用いられ、リン脂質を用いることにより、固形状油分の高い乳化系において、経時安定性に優れ、使用時の伸び広がりがよい頭髪化粧料が得られているが、全油分の含有量はたかだか30質量%である。
特開平10−45546号公報 特開2001−316228号公報 特開2002−370945号公報
このように、整髪力を高めるためにワックスを高配合した油性ワックス系にすると、製剤の硬度が著しく増加し、使用性の悪いワックス組成物しか得られなかった。即ち、適度な硬度に抑えつつワックスを高配合する技術を開発することが課題であった。
本発明者等はこのような事情を鑑みて鋭意検討を重ねた結果、リン脂質を配合することでワックスの固化性能が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は(a)ワックスを含有する油性成分60〜99.9質量%と、(b)リン脂質0.1〜5質量%とを含有し、ワックスの含有量が組成物全量に対して15〜60質量%であることを特徴とするワックス組成物である。
本発明のワックス組成物は、ワックスを高配合しても硬度は適度に抑えられているため、使用上硬すぎて指でのとれが悪いなどの問題点が無い。このため、使い勝手が良くて使用性に優れ、かつワックス高配合のワックス組成物を提供することができる。
また毛髪化粧料とした場合には、ワックスを高配合しているため整髪力の高いワックス組成物とすることができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明においては、整髪力はワックスの総量で決まり、指での取れ易さは硬度(最大応力)で決まることから、ワックス総量を多くしながらも、硬度を上げすぎず使い勝手のよいワックス組成物としたものである。
(a)油性成分
本発明の油性成分は、ワックスを含む油性成分を含有するものである。油性成分としては、固形油分、液状油分が挙げられる。
(固形油分)
本発明に用いられる固形油分は、整髪保持力(セット力)を付与し、使用時・使用後のべたつきを抑えるものである。本発明に用いられる固形油分については、常温で固形の油で、通常化粧品用に使用されるものであれば特に制限されず、炭化水素類・ロウ類・油脂類・高級脂肪酸・高級アルコール等が使用できる。具体的には、例えば固形パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、コメヌカロウ、カカオ脂、パーム油、牛脂、カルナウバワックス、キャンデリラロウ、モンタンワックス、モクロウ、ゲイロウ、サラシミツロウ、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、ステアリル変性ポリシロキサン等が挙げられる。これらの固形状油分は必要に応じて一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
本発明においてはワックスを必須成分として配合するものである。ここで、ワックスとは、固形油分の中でも整髪力を期待して配合されるものを指す。ワックスとしては、固形パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、コメヌカロウ、カカオ脂、パーム油、牛脂、カルナウバワックス、キャンデリラロウ、モンタンワックス、モクロウ、ゲイロウ、サラシミツロウなどが挙げられる。ワックスの中でも、コメヌカロウ、パラフィンワックス、キャンデリラロウ、カルナウバワックス、サラシミツロウが好ましい。ワックスを用いることで、使用性に優れると共に、整髪力のよいワックス組成物が得られる。
本発明で用いられるワックスの配合量は組成物全量に対して15〜60質量%が好ましく、より好ましくは20〜50質量%であり、特に好ましくは20〜40質量%である。ワックスの配合量が組成物全量に対して15質量%未満では、整髪力に乏しくなる傾向があり、また60質量%を超えると、硬度が高くなり、指での取れが悪くなり使いにくくなる傾向がある。
(液状油分)
液状油分は、通常化粧品用に使用されるものであれば特に制限されず、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、油脂類、エステル油、シリコーン油などのペースト状、液状のものであればいずれのものも使用できる。これらの油性成分は必要に応じて一種または二種以上を適宜選択して用いることができ、流動パラフィン、シリコーン油が好ましい。これらの中でも、シリコーン油を用いた場合には特にワックスの固化抑制効果が高くなる。
本発明の油性成分は、ワックス組成物全量に対して60〜99.9質量%配合されることが好ましく、より好ましくは60〜80質量%である。60質量%未満では整髪力が充分得られない。
(b)リン脂質
本発明で用いられる(b)リン脂質は、ワックスの固化を抑制し、硬度を低下させるものである。本発明で用いられるリン脂質は、具体的には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられ、また、これらを含有する組成物、すなわち、大豆リン脂質、卵黄リン脂質又はそれらの水素添加物を例示することができる。これらのリン脂質は必要に応じて一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
これらの中でも水素添加大豆リン脂質が好ましく、水素添加大豆リン脂質としては、例えば高度精製水素添加大豆リン脂質(日光ケミカルズ株式会社製、レシノールS−10E)、水素添加大豆リン脂質(日清オイリオ株式会社製、ベイシスLP−20H)が挙げられる。
本発明で用いられる(b)リン脂質のワックス組成物全量に対する含有量は、0.1〜5質量%であり、好ましくは0.5〜3質量%であり、特に好ましくは1〜2質量%である。0.1質量%未満では、硬度が高く、指での取れが悪い等の使用性で問題が生じ、また5質量%を超えてもそれ以上の効果は期待できない。
本発明のワックス組成物は、以下の方法で測定したときの硬度(最大応力)が、好ましくは0.5〜5(N)であり、より好ましくは1〜3(N)である。本発明によれば、リン脂質を特定量配合することで、ワックス量が多く、しかも適度な硬度を有するワックス組成物が得られる。
(硬度測定方法)
測定サンプルを予め37℃恒温槽に1時間静置させて取り出した後、速やかにRHEO METER(不動工業株式会社製)を用い、5.6mmφの針を用いて、針進入深さ1mm、針進入速度2cm/minの条件で硬度測定を行ったときの最大応力を測定し、この値を硬度とする。
本発明のワックス組成物には上記必須成分に加えて、本発明の効果が損われない範囲で、通常、化粧料、医薬部外品に用いられる成分を配合することが可能である。このような成分としては、例えば粉末成分として、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸ストロンチウム、シリカ、ゼオライト、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、チッ化ホウ素等の無機粉末 ;ポリアミド樹脂粉末 (ナイロン粉末 )、ポリエチレン粉末 、ポリメタクリル酸メチル粉末 、ポリスチレン粉末 、スチレン−アクリル酸共重合体粉末 、ベンゾグアナミン樹脂粉末 、ポリ四フッ化エチレン粉末 、セルロース粉末 等の有機粉末 ;酸化チタンコーティッドマイカ、酸化チタンコーティッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーティッドタルク、着色酸化チタンコーティッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;赤色201号、赤色202号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、および青色404号等の有機顔料;クロロフィル、βカロリン等の天然色素;ベントナイト、ラボナイト、無水ケイ酸等の無機高分子粉末等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
保湿剤としては、例えばダイナマイトグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子が挙げられる。各種塩類としては、乳酸ソーダ、クエン酸ソーダ、グルタミン酸ソーダ、2−ピロリドンカルボン酸ソーダ、食塩、塩化マグネシウム等が挙げられる。
また上記以外にも、界面活性剤、分散剤、防腐剤、香料、薬剤、増粘剤等も配合できる。本発明のワックス組成物は油性ワックス組成物であるので、水は配合しないか、あるいは配合しても5質量%以下であることが好ましい。
本発明のワックス組成物は、常法に従って、例えばヘアワックスの剤型に製造し、毛髪化粧料、まつ毛用化粧料、唇用化粧料として使用することができる。毛髪化粧料としては、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアカラー、ヘアトリートメントなどに使用することができ、特にヘアワックスとして使用することが好ましい。
また、硬度が上がりすぎず取れがよいことから、カーワックス、床用ワックスにも利用できる。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。また、本実施例において、水素添加大豆リン脂質として日清オイリオ株式会社製、ベイシスLP−20Hを用い、高度精製水素添加大豆リン脂質として日光ケミカルズ株式会社製、レシノールS−10Eを用いた。
(リン脂質によるワックスの固化抑制効果)
実施例に先立ち、リン脂質によるワックスの固化抑制効果についての知見を得るために、ワックス(固形油分)と液状油分と水素添加大豆リン脂質、高度精製水素添加大豆リン脂質とからなる単純な系において硬度を測定し、固化抑制効果を試験した。
試験例1〜12(ワックス種の違いによる水素添加大豆リン脂質の固化抑制効果の違い)
次の表1に示す処方の試験例1〜12を後述する方法で調製し、各試験例の硬度を測定して評価した。
Figure 2009143847
(製造方法)
各成分を90℃にて均一に加熱混合した後、中皿容器に充填、冷却してサンプルを得た。
(硬度測定方法)
装置にはRHEO METER(不動工業株式会社製)を用い、5.6mmφの針を用いて、針進入深さ1mm、針進入速度2cm/minの条件で硬度測定を行った。測定サンプルは予め37℃恒温槽に1時間静置させて、取り出した後速やかに、最大応力を測定した。
(測定結果)
図1は試験例1〜12の硬度測定結果であり、ワックス種の違いによる水素添加大豆リン脂質の添加量と硬度との関係を示すグラフである。
図1から、ワックス種によって水素添加大豆リン脂質の処方量の増加による固化抑制効果の変化の程度が異なるものの、コメヌカロウ、パラフィンワックス、キャンデリラロウのいずれにおいても水素添加大豆リン脂質の固化抑制効果が認められることがわかる。
試験例13〜24(液状油分種の違いによる水素添加大豆リン脂質の固化抑制効果の違い)
次の表2に示す処方の試験例13〜24を後述する方法で調製し、前述した硬度測定方法によって各試験例の硬度を測定して評価した。
Figure 2009143847
(製造方法)
各成分を90℃にて均一に加熱混合した後、中皿容器に充填、冷却してサンプルを得た。
(測定結果)
図2は試験例13〜24の硬度測定結果であり、液状油分種の違いによる水素添加大豆リン脂質の添加量と硬度との関係を示すグラフである。
図2から、液状油分種によって水素添加大豆リン脂質の処方量の増加による固化抑制効果の変化の程度が異なるものの、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、流動パラフィンのいずれにおいても水素添加大豆リン脂質の固化抑制効果が認められることがわかる。特にデカメチルシクロペンタシロキサンを用いた場合に固化抑制効果が高いことが分かる。
試験例25〜36(ワックス種の違いによる高度精製水素添加大豆リン脂質の固化抑制効果の違い)
次の表3に示す処方の試験例25〜36を後述する方法で調製し、前述した硬度測定方法によって各試験例の硬度を測定して評価した。
Figure 2009143847
(製造方法)
各成分を90℃にて均一に加熱混合した後、中皿容器に充填、冷却してサンプルを得た。
(測定結果)
図3は試験例25〜36の硬度測定結果であり、ワックス種の違いによる高度精製水素添加大豆リン脂質の添加量と硬度との関係を示すグラフである。
図3から、ワックス種によって高度精製水素添加大豆リン脂質の処方量の増加による固化抑制効果の変化の程度が異なるものの、コメヌカロウ、パラフィンワックス、キャンデリラロウのいずれにおいても高度精製水素添加大豆リン脂質の固化抑制効果が認められることがわかる。特にコメヌカロウを用いた場合に固化抑制効果が高いことが分かる。
実施例1〜3、比較例1 固形油状頭髪化粧料
次の表4に示す処方で固形油状頭髪化粧料を製造し、前述した硬度測定方法によって各実施例及び比較例で製造した固形油状頭髪化粧料の硬度を測定した。また、後述する評価方法によって、各実施例及び比較例で製造した固形油状頭髪化粧料の指での取れ易さ及び整髪力を評価した。これらの結果を、上記項目に基づく総合評価と併せて表4に示す。
(製造方法)
(1)〜(9)および(13)〜(17)を90℃にて撹拌し、混合溶解する。その後、(10)〜(12)を加えて撹拌し、中皿容器に充填、冷却して固形油状頭髪化粧料を得た。
(指での取れ易さ評価および整髪力評価)
1.評価方法
上記実施例1〜3および比較例1で製造した固形油状頭髪化粧料を専門のパネリスト(20名)が使用し、指での取れ易さ、整髪力を官能評価し、下記評価基準で判定した。
2.評価基準
<指での取れ易さ評価基準>
比較例1を標準(スコア=3)とし、5段階で取れ易さを評価した。5が最も取れ易く、1が最も取れにくい。20名のスコアの平均を各組成物の取れ易さとした。
<整髪力評価基準>
◎:20人中18人以上が整髪力があると認める。
○:20人中12〜17人が整髪力があると認める。
△:20人中6〜11人が整髪力があると認める。
×:20人中5人以下が整髪力があると認める。
Figure 2009143847
実施例1〜3および比較例1はいずれもワックス量は20質量%と同じであるので整髪力はいずれも同じである。しかしながら硬度については実施例のほうが比較例よりも低く、指で取れやすい。
よって、実施例1〜3の固形油状頭髪化粧料は、指での取れ易さに優れて使い勝手が良く、かつ整髪力の高い固形油状頭髪化粧料である。
図4は実施例1〜3及び比較例1の固形油状頭髪化粧料の硬度測定結果を示す図であり、水素添加大豆リン脂質の配合量と固形油状頭髪化粧料の硬度との関係を示すグラフである。
図4から明らかなように、水素添加大豆リン脂質の配合量の増加につれて固形油状頭髪化粧料の硬度は急激に低下している。このことから、固形油状頭髪化粧料における固化抑制効果が確認された。
実施例4,5、比較例2,3 固形油状頭髪化粧料
次の表5に示す処方で固形油状頭髪化粧料を製造し、前述した硬度測定方法によって各実施例及び比較例で製造した固形油状頭髪化粧料の硬度を測定した。また、各実施例及び比較例で製造した固形油状頭髪化粧料の指での取れ易さ及び整髪力を前述した評価方法によって評価した。これらの結果を、上記項目に基づく総合評価と併せて表5に示す。
(製造方法)
(1)〜(9)および(13)〜(17)を90℃にて撹拌し、混合溶解する。その後、(10)〜(12)を加えて撹拌し、中皿容器に充填、冷却して固形油状頭髪化粧料を得た。
Figure 2009143847
<総合評価>
実施例1〜5および比較例1〜3の総合評価の具体的内容は次のとおりである。
実施例1:○(とても取れやすく、整髪力がある。)
実施例2:○(とても取れやすく、整髪力がある。)
実施例3:○(とても取れやすく、整髪力がある。)
実施例4:◎(取れやすく、整髪力が非常にある。)
実施例5:○(取れにくいが、整髪力が非常にある。)
比較例1:△(取れやすく、整髪力がある。)
比較例2:△(取れにくいが、整髪力がとてもある。)
比較例3:×(取れにくすぎるが、整髪力が非常にある。)
図5は実施例2,4,5、比較例1〜3の固形油状頭髪化粧料の硬度測定結果であり、水素添加大豆リン脂質を配合した固形油状頭髪化粧料におけるワックス(固形油分)配合量の増加に伴う固形油状頭髪化粧料の硬度の変化を示すグラフである。
図5から、水素添加大豆リン脂質を固形油状頭髪化粧料に配合することで、硬度を低下させることができ、またワックス量の増大に伴う硬度の増加を低減することもできることがわかる。
実施例6 固形油状頭髪化粧料
(処方)
1 サラシミツロウ 20 質量%
2 モクロウ 10
3 カルナウバワックス 10
4 モノステアリン酸グリセリン 18
5 水素添加大豆リン脂質(ベイシスLP-20H) 1
7 ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル 残余
8 香料 適量
(製造方法)
1〜7の原料を加え、85℃に加熱溶解する。充分に撹拌した後、8を加え更に撹拌する。脱気、冷却後、固形油状頭髪化粧料を得た。
実施例7 粉末配合固形油状頭髪化粧料
1 マイクロクリスタリンワックス 10 質量%
2 セレシン 20
3 ヒマワリ油 1
4 ペンタ−オクタン酸ジグリセロールソルビタン 10
5 モノステアリン酸グリセリン 10
6 水素添加大豆リン脂質(ベイシスLP-20H) 1
7 シリル化処理無水ケイ酸 10
8 雲母チタン 1
9 テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 残余
(製造方法)
1〜7および10の原料を加え、85℃に加熱溶解する。充分に撹拌した後、8および9を加え更に撹拌する。脱気、冷却後、粉末配合固形油状頭髪化粧料を得た。
実施例8 水配合唇用化粧料
1 マイクロクリスタリンワックス 3 質量%
2 セレシン 2
3 ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 0.5
4 メチルフェニルポリシロキサン 残余
5 グリセリン 0.5
6 キシリット 0.1
7 液状ラノリン 2
8 スクワラン 1
9 トリイソステアリン酸グリセリル 1
10 マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 2
11 トリ2-エチルヘキサンサングリセリル 15
12 トリ(水素添加ロジン・イソステアリン酸)グリセリル 10
13 パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
14 重質流動イソパラフィン 20
15 水素添加大豆リン脂質(ベイシスLP-20H) 1
16 シリコン樹脂被覆酸化チタン 1
17 カルミン被覆雲母チタン 2
18 雲母チタン 5
19 染料 適量
20 クエン酸 0.1
21 水酸化カリウム 0.05
22 ヒドロキシプロピル−B−シクロデキストリン 0.3
23 パントテニルエチルエーテル 0.05
24 塩酸アルギニン 0.01
25 酢酸DL−α−トコフェロール 0.05
26 ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
27 球状セルロース末 2
28 精製水 0.5
29 香料 適量
(製造方法)
1〜15の原料を加え、85℃に加熱溶解する。充分に撹拌した後、16〜19を加え更に撹拌する。ここへあらかじめ混合しておいた20〜28の原料を加え、撹拌する。29を加え撹拌し、脱気、冷却後、水配合唇用化粧料を得た。
試験例1〜12の硬度測定結果であり、ワックス種の違いによる水素添加大豆リン脂質の添加量と硬度との関係を示すグラフである。 試験例13〜24の硬度測定結果であり、液状油分種の違いによる水素添加大豆リン脂質の添加量と硬度との関係を示すグラフである。 試験例25〜36の硬度測定結果であり、ワックス種の違いによる高度精製水素添加大豆リン脂質の添加量と硬度との関係を示すグラフである。 実施例1〜3及び比較例1の固形油状頭髪化粧料の硬度測定結果であり、水素添加大豆リン脂質の配合量と固形油状頭髪化粧料の硬度との関係を示すグラフである。 実施例2、4、5及び比較例1〜3の固形油状頭髪化粧料の硬度測定結果であり、水素添加大豆リン脂質を配合した固形油状頭髪化粧料におけるワックス配合量の増加に伴う固形油状頭髪化粧料の硬度の変化を示すグラフである。

Claims (5)

  1. (a)ワックスを含有する油性成分60〜99.9質量%と、
    (b)リン脂質0.1〜5質量%とを含有し、
    ワックスの含有量が組成物全量に対して15〜60質量%であることを特徴とするワックス組成物。
  2. リン脂質が水素添加大豆リン脂質であることを特徴とする請求項1に記載のワックス組成物。
  3. 次の方法で測定したときの硬度が0.5〜5Nであることを特徴とする請求項1に記載のワックス組成物。
    (硬度測定方法)
    測定サンプルを予め37℃恒温槽に1時間静置させて取り出した後、速やかにRHEO METER(不動工業株式会社製)を用い、5.6mmφの針を用いて、針進入深さ1mm、針進入速度2cm/minの条件で硬度測定を行ったときの最大応力を測定し、この値を硬度とする。
  4. 水を配合しないか、あるいは配合しても5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のワックス組成物。
  5. ワックス組成物がヘアワックスであることを特徴とする請求項1に記載のワックス組成物。
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