JP6262584B2 - 多層化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、非揮発性炭化水素油と、シリコーン油と、水と、イソステアリン酸とポリグリセリンとのエステルを配合した多層型化粧料に関するものであり、さらに詳しくは、肌なじみがよく、分離速度がコントロールでき、使用時には、振とう後乳化状態を維持することで使用性に優れ、振とう混合を繰り返しても静置すると界面に白濁を認めることなく三層分離し、且つ、界面が表面張力でカーブすることなく水平であり、審美性に優れる多層型化粧料に関するものである。
近年、市場には多種多様な化粧料があふれ、消費者の選択肢の幅がひろがったことにより、化粧料にはより高い付加価値が求められるようになってきている。特に、保湿効果など化粧料の持つ基本的な機能性の高さに加えて、使用感の良さや外観の審美性など、より高い満足感を得られる価値が求められる傾向にある。
特に外観の審美性については、消費者に与えるインパクトが大きく、他の化粧料との差別化を容易に図れることから多くの検討がなされている。
従来より、その外観の美麗さから、二層や三層に分離した液状化粧料はよく知られており、静置状態では多層状態を保ち、使用時には振とう混合することで均一になり、乳液のような感触と保湿効果を付与することができる点が特徴である。例えば、HLBが2〜7の非イオン界面活性剤、油性成分、水を含有する乳化層を含む多層型組成物の技術(特許文献1)や、液状油、水性成分、HLB2〜4のイソステアリン酸ポリグリセリルを配合して使用時のみ振とうにより乳化状態とし、静置時には二層に分離させる技術(特許文献2)などがある。また、より審美性の高い三層構造を形成するものとしては、ジメチルポリシロキサン層、液状油層、アルコール又はアルコール水溶液層で分離させる技術(特許文献3、特許文献4)が知られている。
特開2002−003339号公報 特開2008−308464号公報 特開2001−081014号公報 特開平01−045444号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、二層のうち一層が乳化層の白濁層であり、透明層の多層ではなく、また、着色をした場合には例えば「透明の赤とピンク」、「透明の青と水色」等となる為、異なる色相で二層を着色することが困難な場合があった。特許文献2の技術では、油相と水相の2層に分離するが、肌なじみ感の高いエステル油などの極性油を多く配合すると、再分離の際に水と油の界面に白濁層を生じるため、保湿感や肌なじみなどの調整が困難な場合があった。
また、特許文献1と2の技術は、二層構造である。一方、特許文献3と4ではより美麗な三層構造の化粧料が検討されている。しかしながら、特許文献3の技術では、アルコールとジメチルポリシロキサンと液状油から三層が構成され、実質的に水を含まない為、肌に塗布するとみずみずしさに欠けるものであった。また、界面活性剤を含む為、水を配合すると油と水が乳化して界面が白濁すること場合があった。特許文献4の技術では、アルコールではなくアルコール水溶液を用いることで、乾燥感を低減することができ、各層成分の比重差、粘度及び相溶性で混合状態と分離状態を調節しており、界面活性剤を配合しない為、三層構造に再分離することが可能である。しかし、水の配合比率が増加すると、水の持つ高い表面張力によって水と他層との界面が曲線を描き、平行にならず審美性に劣る場合があった。つまり、三層の界面の平行を保つためには表面張力が低いアルコール量を多くする必要があり、その結果乾燥感が高くなり、一方で乾燥感を下げるために水の量をアルコールより多くすると、界面がカーブして審美性が低下するため、外観の界面の美麗さと使用感の両立が困難であった。従って、使用時には振とうすることで乳化状態を一定時間保持し、しばらく静置した後はその界面が白濁することなく多層に分離し、その界面も平行で外観の審美性が高く、且つ層構造を維持する上での油相や水相の制約が少なく、使用性や使用感に富んだ多層型化粧料の開発が望まれていた。
そこで本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、25℃における粘度30〜400mm/sである非揮発性炭化水素油、25℃における粘度30〜400mm/sであるシリコーン油、及び水を含有する三層構造の化粧料に、イソステアリン酸とポリグリセリンとのエステルを含有することで、使用時には振とうすることで乳化状態を一定時間保持し、しばらく静置した後はその界面が白濁することなく再分離し、且つ水の表面張力を抑えてシリコーン油との界面が水平であり、審美性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(d);
(a)25℃における粘度が30〜400mm/sである非揮発性炭化水素油
(b)25℃における粘度が30〜400mm/sであるシリコーン油
(c)水
(d)イソステアリン酸とポリグリセリンのエステル
を含有することを特徴とする多層型化粧料を提供するものである。
本発明の多層型化粧料は、層分離速度をコントロールすることにより振とう後、使用中には分離せず乳化状態を保持するため、毎回同一の成分組成で使用することができる。また、振とう混合を繰り返しても一定時間後には三層が分離し、油相と水相の間にシリコーン油を挟む為、極性油を油相に含有しても水相と直接触れず白濁層を生じることはない。油剤選択の自由度に加えて、水相にアルコールを多く含有せずとも、水とシリコーン油の界面が平行となる為、高い審美性と使用感の両立をはかることが出来る。更には油溶性色素、水溶性色素を含有することで油相と水相には自由に着色することが出来、間の透明なシリコーン相とのコントラストから外観上審美性に優れるという利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(a)は、通常化粧料に使用される25℃で液状の非揮発性炭化水素油剤であれば、特に制限されない。例えば、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、ポリイソブチレン等が挙げられ、これらの油剤は必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
成分(a)は25℃における粘度が30〜400mm/sの炭化水素油であり、粘度がこれより高いと、振とう時の混合や、再分離性に劣り、低い場合は振とう後の層分離までの時間が早すぎたり、成分(b)と相溶してしまったりすることがある。炭化水素油としては、特に流動パラフィン、スクワランが好ましく、市販品としては、DORAKEOL 600(270mm/s、PENRECO社製)、ハイコールK−350(150mm/s、カネダ社製)、SQUALANE(38mm/s、岸本特殊肝油工業社製)等が挙げられる。また、2種以上の炭化水素油を混合し化粧料中のでの炭化水素油の粘度を30〜400mm/secに調整することで、本発明に用いることもできる。
本発明における成分(a)の含有量は化粧料中に15〜50質量%(以下%であらわす)、更には20〜45%が、使用感の良さと保湿効果の点で好ましい。
尚、本発明において、粘度は、25℃において、B型回転粘度計(芝浦システム株式会社)を用いて、800mm/s以下のものは1号ローターで、800〜4,000mm/sのものは2号ローターで、4,000〜16,000mm/sのものは3号ローターで、16,000mm/s以上のものは4号ローターをそれぞれ用い、6回転、1分後の粘度値を測定した。
本発明に用いられる成分(b)は、通常化粧料に使用される25℃における粘度が30〜400mm/sのシリコーン油であれば制限されず、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン等が挙げられ、これらの油剤は必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
成分(b)は25℃における粘度が30〜400mm/sのシリコーン油であり、特に粘度が70〜200mm/sの範囲であると、混合した時の乳化状態の維持時間が適度なものとなり好ましい。粘度がこれより高くなると振とう時の混合や、再分離性に劣り、低い場合は層分離までの時間が早すぎたり、成分(a)と相溶してしまう場合もある。シリコーン油としては、低重合度ジメチルポリシロキサンが好ましく、重合度の異なるジメチルポリシロキサンを混合し、粘度を30〜400mm/sに調整して用いることもできる。これらの市販品としては、KF−96A−100CS 、KF−96A−50CS(信越化学工業社製)等が挙げられる。
本発明における成分(b)の含有量は化粧料中で15〜40%、更には20〜35%が、油相と水相を明確に分け、油相に極性油の含有を可能とする為、保湿感や感触調整の自由度が広がる点で好ましい。
本発明に用いられる成分(c)は、通常化粧料に使用される精製水の他、海洋深層水、温泉水等を1種又は2種以上を用いることができる。
本発明に用いられる成分(c)の含有量は化粧料全体中で10〜60%、更には20〜50%が、肌に水分を効果的に付与し、みずみずしい使用感が得られ好ましい。
本発明の成分(c)は更に水溶性塩を含むことができる。水溶性塩は、水性成分と油性成分との比重差を大きくするため、水性成分と油性成分の層の分離を促進するため好ましい。これら水溶性塩は化粧料に使用されるものであればいずれのものも使用でき、具体的には、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、乳酸ナトリウム、塩化カルシウム、リンゴ酸ナトリウム、EDTA等が挙げられ、塩化ナトリウムが、三層分離時に界面が白濁しないためより好ましい。これらの水溶性塩は、1種または2種以上を化粧料中0.2〜2.0%使用することが可能である。
本発明の多層化粧料の成分(a)、成分(b)の含有比に関しては質量比で成分(a):成分(b)=8:2〜2.5:7.5が好ましく、7:3〜3.5:6.5であることがさらに好ましい。この範囲であれば再分離性が良く、成分(a)による適度な保湿効果と成分(b)による軽くて良好な使用感を付与することができる。 さらに、成分(a)、成分(b)、成分(c)の含有比は質量比で成分(a)及び成分(b):成分(c)=9:1〜3.5:6.5が好ましく、8:2〜4.5:5.5がさらに好ましい。この範囲であれば振とう時に均一に一層となり油分、水分を効果的に補給し、静置時には三層に分離し、且つその三層の厚みのバランスが良く審美性に優れる。
本発明に用いられる成分(d)は、通常化粧料に使用されるイソステアリン酸とポリグリセリンとのエステルであれば特に制限されない。例えばトリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、ヘキサイソステアリン酸デカグリセリル、ヘキサ2−エチルヘキサン酸デカグリセリル等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
中でもイソステアリン酸とジグリセリンとのエステル、エステル中の水酸基が0〜2であるものが好ましい。例えば、トリイソステアリン酸ジグリセリルとテトライソステアリン酸ジグリセリルが、水相とシリコーン油相との間の界面を水平にする効果に優れ、振とう後の乳化状態の保持や、分離後の界面の審美性の点で好ましい。市販品としては、コスモール43V、コスモール44V(日清オイリオグループ社製)等が挙げられる。
本発明に用いられる成分(d)の含有量は0.1%〜2.5%が好ましく、さらに0.2〜1.5%が好ましい。含有量がこの範囲であれば界面を平行にする効果が高く、振とう後、乳化状態を維持する時間が実使用に適し、分離後は界面が白濁しない。
本発明の多層化粧料には、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、粘度調整の目的として成分(a)(b)以外の油剤や、水性成分、粉体、タンパク質,ムコ多糖,コラーゲン,エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール,アスコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類,消炎剤,生薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル,フェノキシエタノール等の防腐剤、香料、色材等を適宜含有することができる。
成分(a)以外の油剤としては、通常化粧料に使用されるものであれば、特に制限されず、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、エステル油類、油脂類、脂肪酸類、高級アルコール類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等を用いることができる。例えば、高級アルコールとしては、2−オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等、高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等、エステル油としては、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸イソセチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、オクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸アルキレングリコール、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル等、油脂類としてはオリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等、フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられ、これらの油剤は必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。これらは成分(a)の含有量に対して50%未満、更には35%以下であると好ましい。
水性成分としては、エタノール,イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,ジプロピレングリコール,ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン等のグリセロール類等を1種又は2種以上添加して用いることもできる。
粉体としては、特に制限されず、化粧料に使用されるものであればいずれのものも使用できる。具体的には、無機粉体としては、タルク、カオリン、マイカ、合成マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸、炭化珪素、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄雲母、酸化鉄雲母チタン、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等が挙げられ、有機粉体としては、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、シリコーン粉末、メチルメタアクリレート粉末、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、タール系色素及びそのレーキ色素等、又、これらの粉体を複合化したものが挙げられる。
本発明の多層型化粧料の形態としては、液状であり、静置時に上層、中間層、下層が油相とシリコーン相と水相の三層に分離し、それぞれが透明、半透明、不透明いずれかの層を有し、振とう時には油相とシリコーン相が混合し、混合層中に水相が乳化し、肌へ塗布して使用することができる。各層は透明もしくは着色透明であることが審美性の点において好ましく、実質的にHLB4.5以上の界面活性剤を含まないことが、層界面の層分離性において好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1〜16及び比較例1〜6:三層型ネイルトリートメント化粧料。
下記表1〜3に示す処方の三層型ネイルトリートメント化粧料を調製し、(イ)層界面の水平状態、(ロ)振とう時の混ざりやすさ、(ハ)層分離までの時間、(ニ)外観の審美性(層分離性)について下記の方法により官能評価を行った。その結果もあわせて表に示す。
※1:コスモール 43V(日清オイリオグループ社製)
※2:コスモール 44V(日清オイリオグループ社製)
※3:コスモール 42V(日清オイリオグループ社製)
※4:ニッコール デカグリン10−ISV(日光ケミカルズ社製)
※5:コスモール 182V(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
A.成分1〜12を室温にて均一に混合する。
B.成分16〜21を室温で均一に混合する。
C.B、成分13〜15、Aの順に容器に充填し、3回振とう混合し、静置後三層型ネイルトリートメント化粧料を得た。
下記評価項目について各々下記判定方法により判定を行った。
(評価項目及び判定方法)
(イ)層界面の水平状態
静置状態における表面張力による界面のカーブの度合いについて、判定基準により判定した。
<判定基準>
ほぼ水平 :◎
ややカーブを描く :○
明らかなカーブを描く、またはぼやけて判別困難 :×
(ロ)振とう時の混ざりやすさ
均一になるまでに必要な振とう回数について、下記判定基準により判定した。
<判定基準>
10回振とうして均一に混ざる :◎
15回振とうして均一に混ざる :○
16回以上振とうしても均一に混ざらない:×
(ハ)層分離までの時間
15回振とう後、分離するまで(中間にシリコーン油相が、下部に水相が確認されるまで)に要する時間を、化粧料適用の所要時間を鑑み下記判定基準により判定した。
<判定基準>
3分以上10分未満 :◎
10分以上30分未満 :○
3分未満(早すぎる)又は30分を超える(遅すぎる) :×
(ニ)外観の審美性(層分離性)
15回振とう後、1時間後の三層の界面の状態を観察して下記判定基準により判定した。
<判定基準>
三層の界面が分離していることがはっきりわかる :◎
界面がすこしぼやけているが分離がはっきりわかる :○
界面がかなり白濁してぼやけており分離がはっきりとわからない:△
三層分離しない :×
表1〜3の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜16の三層型ネイルトリートメント化粧料は、上層が紫色の透明層、中間層が無色の透明層、下層がピンク色の透明層の三層となり、比較例1〜6の三層型ネイルトリートメント化粧料に比べ、振とう後の各層の界面の水平状態、振とう時の混ざりやすさ、層分離までの時間、及び外観審美性(層分離性)において優れたものであった。
これに対して、成分(d)を含有しない比較例1では均一状態を維持せず、すぐに三層に分離するため、使用性が悪く、且つ静置状態で水とシリコーン油の間の界面が表面張力によるカーブを描き、審美性の点で満足できるものが得られなかった。
また、成分(d)の代わりにHLB4の界面活性剤を用いた比較例2では、界面はほぼ水平となり、10回振とうすることで均一になるが、再分離性が非常に悪く、界面に濁りを生じる為、審美性の点で満足できるものが得られなかった。
成分(b)の代わりに、25℃における粘度が1000mm/sのシリコーン油を用いた比較例3では、粘度が高すぎ、均一に混合する際に30回以上振とうする必要があり、且つ層分離も遅い為、使用性の点で満足できるものが得られなかった。
成分(b)の代わりに、25℃における粘度が10mm/sのシリコーン油を用いた比較例4、及び成分(a)を含有せず、油相を極性油のみとした比較例5では、油相とシリコーン油が均一に混合されてしまい、三層ではなく二層になってしまった為、審美性の点で不十分なものとなった。
成分(a)の代わりに、25℃における粘度が17500mm/sの流動パラフィンを混合して粘度を400mm/s以上に調整した炭化水素油混合物を用いた比較例6では、粘度が高すぎる為に30回以上振とうしても三層が均一に混ざらず、使用性の点で満足できるものが得られなかった。
(実施例17)多層型ボディ用化粧料
(成分) (%)
<油相>
(1)流動パラフィン(25℃粘度150mm/s) 30
(2)マカダミアナッツオイル 4
(3)アーモンドオイル 1
(4)ホホバオイル 1
(5)トリイソステアリン酸ジグリセリル 0.5
(6)紫色201号 0.00001
(7)ビタミンE 0.02
(8)香料 0.05
<シリコーン相>
(9)ジメチコン(25℃粘度150mm/s) 20
<水相>
(10)精製水 残量
(11)塩化ナトリウム 0.5
(12)エタノール 5
(13)1,3−ブチレングリコール 2
(14)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(15)緑色201号 0.00004
(16)黄色4号 0.00001
(17)ヒアルロン酸 0.01
(18)バラ抽出液 0.01
(19)ラベンダーエキス 0.01
<パール剤>
(20)雲母チタン 2
(製造方法)
A.成分1〜8を室温にて均一に混合する。
B.成分10〜19を室温で均一に混合する。
C.B、成分9、A、成分20の順に容器に充填し、3回振とう混合し、静置後多層型ボディ用化粧料を得た。
以上の製法にて得られた多層型ボディ用化粧料は、上層が紫色の透明層、中間層が無色透明層、下層が緑色の透明層、更に底部にパール剤の沈澱層からなる多層構造となり、振とう後の各層の界面の水平状態、振とう時の混ざりやすさ、層分離までの時間、及び外観審美性(層分離性)において優れたものであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(a)〜(d);
    (a)25℃における粘度が30〜400mm/sである非揮発性炭化水素油
    (b)25℃における粘度が30〜400mm/sであるシリコーン油
    (c)水
    (d)イソステアリン酸とポリグリセリンとのエステルを含有することを特徴とする多層型化粧料。
  2. 成分(d)の含有量が0.1%〜2.5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の多層型化粧料。
  3. 成分(d)がトリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、またはジイソステアリン酸ジグリセリルから選ばれる1種または2種以上のエステルであることを特徴とする請求項1または2のいずれかの項に記載の多層型化粧料。
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