以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る撮像システムの構成を示す。撮像システムは、撮像者30により保持される主撮像装置10と自律移動する補助撮像装置20とを備え、主撮像装置10は主要被写体40を撮像し、補助撮像装置20は主撮像装置10を保持する撮像者30を撮像する。
図2は、本実施形態に係る主撮像装置10及び補助撮像装置20のブロック図を示す。本実施形態に係る撮像システムは、主撮像装置10及び補助撮像装置20が互いに協働することにより、主撮像装置10の主要な被写体である主要被写体40を撮像するだけでなく、主要被写体40を撮像しようとする撮像者30も併せて撮像する。
主撮像装置10は、撮像者30により保持される撮像用の機器であり、撮像者30の操作により主要被写体40を撮像して画像を生成する。主撮像装置10は、例えば、一眼カメラ、コンパクトカメラ、又は、カメラ付き携帯端末であってよい。主撮像装置10は、撮像部102、操作部104、通信部106、発光部108、被写体特定部110、表示部112、センサ114、記憶部116、及び、制御部120を有する。
撮像部102は、撮像者30の操作により主要被写体40を撮像して撮像画像を生成する。撮像部102は、CCD又はCMOSなどの素子に光束を入射・結像させて画像データを得る撮像手段であってよく、例えば、横3000画素、縦2000画素の画素を有してよい。
撮像部102は、単焦点レンズ、又は、ズームレンズを含んでよく、これらのレンズはオートフォーカス機構を備えてよい。また、撮像部102は、交換可能な機能の異なる複数のレンズを備えてよい。また、複数の撮像部102が、主撮像装置10に設けられてもよい。撮像部102は、撮像した主要被写体40の画像データと撮像条件データとを有する撮像データを制御部120に出力する。撮像条件データは、例えば、フォーカス位置のデータ、及び/又は、使用するレンズの画角のデータを含む。
操作部104は、主撮像装置10の任意の場所に設けられ、撮像者30からの操作の入力を制御部120に出力する。操作部104は、例えば、撮像部102に対する撮像指示、及び、電源のON/OFFを含む様々な操作を入力する。また、操作部104は、補助撮像装置20に対する指示を入力して、補助撮像装置20の移動及び撮像等を遠隔操作してよい。操作部104は、例えば、操作ボタン、操作レバー、タッチパネル、及び、キーボードであってよい。
通信部106は、補助撮像装置20と無線通信を行う。通信部106は、例えば、UWB、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、3G、及び/又は、LTE等の無線通信規格に準拠して通信を実行する通信回路を備えてよい。通信部106は、制御部120から供給された指示及び/又はデータを補助撮像装置20に送信し、補助撮像装置20から指示及び/又はデータを受信して制御部120に出力する。
発光部108は、主撮像装置10の一面に設けられた照明である。発光部108は、制御部120からの指示に応じて、フラッシュ光を出力する。発光部108は、キセノン管等のフラッシュライト又はLED等を含んでよい。
被写体特定部110は、撮像部102が撮像した主要被写体40を特定する。被写体特定部110は、制御部120を介して、記憶部116に記憶されている撮像部102の画像データ及びフォーカス位置を含む撮像データを取得する。被写体特定部110は、例えば、画像データの画像のうちフォーカスが合っていて主要な範囲を占める部分を主要被写体40と特定する。また、被写体特定部110は、当該特定された主要被写体40に対する撮像部102のフォーカス位置に基づいて、主撮像装置10から主要被写体40までの距離を特定する。
被写体特定部110は、例えば、主要被写体40の中心座標の位置から、主撮像装置10の正面方向に対する主要被写体40の方角を特定する。被写体特定部110は、主要被写体40の画像データ、主要被写体40までの距離、及び/又は、主要被写体40の方向を、主要被写体40に関する主要被写体データとして制御部120に出力する。
表示部112は、主撮像装置10の一面に設けられる表示インターフェイスであり、例えば、液晶表示装置、又は、有機EL表示装置等を含む。表示部112は、例えば、撮像部102が撮像した画像又はライブビュー画像を表示する。表示部112は、主撮像装置10及び/又は補助撮像装置20の設定画面を表示してよい。また、表示部112は、補助撮像装置20が撮像した画像又はライブビュー画像を表示してもよい。なお、ライブビュー画像はスルー画像と呼ばれることもある。
センサ114は、主撮像装置10の位置に関する情報を検出する。センサ114は、屋内に設置されたGPS送信機からのGPS電波を受信する室内用GPSセンサ、及び/又は、人工衛星からのGPS電波を受信する屋外用GPSセンサを含み、これにより主撮像装置10の室内及び/又は屋外での空間位置情報を取得する。
センサ114は、さらに姿勢センサ、加速度センサ、及び/又は、方位センサ等を含んでよく、これにより主撮像装置10の向きを取得してよい。センサ114は、取得した主撮像装置10の空間位置情報等の情報を制御部120に出力する。
記憶部116は、撮像部102から出力された撮像データを格納する。さらに記憶部116は、被写体特定部110から出力された主要被写体データ、および、センサ114から出力された空間位置情報を格納する。記憶部116は、主撮像装置10に用いられるその他のデータを記録してよい。
制御部120は、CPU等を含み、撮像部102、操作部104、通信部106、発光部108、被写体特定部110、表示部112、及び、記憶部116に接続されて、主撮像装置10を総合的に制御する。例えば、制御部120は、撮像データを撮像部102から受け取る。
補助撮像装置20は、カメラを搭載した自律移動可能な機器であり、例えば、小型車両、又は、小型回転翼航空機等であってよい。以下、本実施形態では、補助撮像装置20が小型回転翼航空機である場合を例に説明する。補助撮像装置20は、主撮像装置10を保持する撮像者30を撮像する。補助撮像装置20は、撮像部202、移動部204、通信部206、センサ208、記憶部210、及び、制御部220を有する。
撮像部202は、撮像者30を被写体として撮像し、撮像者30が画枠に含まれる画像を生成する。撮像部202は、撮像者30だけでなく、撮像者30と主撮像装置10の主要被写体40とを被写体として撮像してもよい。
撮像部202は、CCD又はCMOSなどの素子に光束を入射・結像させて画像データを得る撮像手段であり、例えば、横3000画素、縦2000画素の画素を有してよい。撮像部202は、単焦点レンズ、又は、ズームレンズを備えてよい。
撮像部202は垂直方向及び/又は水平方向に向きを変えることができてよい。また、撮像部202は、交換可能な機能の異なる複数のレンズを備え、制御部220からの指示により、これらのレンズから撮像に用いるレンズを選択してよい。また、複数の撮像部202が、補助撮像装置20に設けられてもよい。撮像部202は、撮像した画像データを制御部220に出力する。
移動部204は、制御部220からの指示に基づいて、可動部材を駆動させて補助撮像装置20を移動する。移動部204は、例えば、回転翼を回転させるモータを駆動するための駆動回路を有し、これにより補助撮像装置20は飛行する。移動部204は、制御部220から、移動方向及び移動距離を含む移動量のデータを受け取り、当該移動量に応じて補助撮像装置20を移動する。
通信部206は、主撮像装置10の通信部106と無線通信を行う。通信部206は、例えば、UWB、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、3G、及び/又は、LTE等の無線通信規格に準拠して通信を実行する通信回路を備えてよい。通信部206は、主撮像装置10の通信部106から、指示及び/又はデータを受信して制御部220に出力する。また、通信部206は、制御部220から受け取った画像等のデータ及び/又は指示を主撮像装置10に送信する。
センサ208は、補助撮像装置20の位置に関する情報を取得する。センサ208は、屋内に設置されたGPS送信機からのGPS電波を受信する室内用GPSセンサ、及び/又は、人工衛星からのGPS電波を受信する屋外用GPSセンサを含み、これにより補助撮像装置20の室内及び/又は屋外での空間位置情報を取得する。
センサ208は、姿勢センサ、加速度センサ、及び/又は、方位センサ等を含み、これにより補助撮像装置20の向きを取得してもよい。また、センサ208は、補助撮像装置20の周囲の光源の方向及び光源の光強度を特定する光センサを含んでもよい。センサ208は、取得した空間位置情報等の情報を制御部220に出力する。
記憶部210は、主撮像装置10から受け取った主要被写体40に関するデータ、及び/又は、撮像部202が撮像した画像データ等を格納する。また、記憶部210は、撮像者30を撮像するための構図の情報を記憶する。撮像者30を撮像するための構図は、撮像者30を画枠内に含む。
構図の情報には、撮像部202が撮像する画像の画枠内の撮像者30の位置及び撮像者30の占める割合の情報、及び/又は、撮像すべき撮像者30の向きの情報が含まれる。また、構図の情報には、撮像部202が撮像する画像の画枠内に、主要被写体40を含めるか否かの情報が含まれる。
制御部220は、CPU等を含み、撮像部202、移動部204、通信部206、センサ208、及び、記憶部210に接続されて、補助撮像装置20を総合的に制御する。制御部220は、位置取得部222、移動量特定部224、及び、状況分析部226を含む。
位置取得部222は、主撮像装置10を操作している撮像者30の位置を取得する。具体的には、位置取得部222は、通信部206を介して、主撮像装置10の空間位置情報を取得し、空間位置情報に基づいて主撮像装置10の位置を取得する。これに代えて、位置取得部222は、主撮像装置10の発光部108での発光を受光し、発光部108が発光した位置を特定することにより主撮像装置10の位置を取得してもよい。位置取得部222は、取得された主撮像装置10の位置を撮像者30の位置と推定する。
移動量特定部224は、位置取得部222により取得された主撮像装置10の位置に基づいて、撮像者30を画枠に含めるための移動量を特定する。一例として、移動量特定部224は、記憶部210に格納された構図に従って、撮像部202が撮像者30を撮像可能な移動量を特定する。
さらに、移動量特定部224は、補助撮像装置20が主撮像装置10の撮像部102に撮像されない位置に移動するための移動量を特定してもよい。移動量には、補助撮像装置20が移動すべき方向と距離が含まれる。移動量特定部224は、当該特定された移動量に基づいて移動部204を駆動して、補助撮像装置20を移動させる。
状況分析部226は、主撮像装置10が使用されている状況を分析する。一例として、状況分析部226は、撮像部202の画像から、撮像者30による主撮像装置10の使用状況を分析する。状況分析部226は、主撮像装置10の使用されている状況に応じて、撮像部202による撮像を開始又は終了する。
図3に、本実施形態に係る撮像者30を含む構図の一例を示す。図3に示すように、構図は、撮像される画像の画枠(実線)内における撮像者30の位置及び範囲(点線)により定義されてよい。一例として、図3(a)は撮像される画像において、撮像者30が左側に配置される構図を示し、図3(b)は撮像者30が中央に配置される構図を示し、図3(c)は撮像者30が右側に配置される構図を示す。
図4に、本実施形態に係る撮像者30を含む構図の一例を示す。図4に示すように、構図は、撮像される画像の画枠(実線)内における撮像者30の向きを含む。一例として、図4(a)は撮像される画像において、撮像者30を正面から撮像する構図を示し、図4(b)は撮像者30を真横から撮像する構図を示し、図4(c)は撮像者30を背後から撮像する構図を示す。
図5に、本実施形態に係る撮像者30及び主要被写体40を含む構図の一例を示す。図5に示すように、撮像者30及び主要被写体40を含む構図は、撮像される画像の画枠(実線)内における撮像者30及び主要被写体40の位置及び範囲(点線)により定義されてよい。
一例として、図5(a)は撮像される画像において、撮像者30及び主要被写体40が画枠の左右両側に配置される構図を示し、図5(b)は撮像者30が画枠の左右一方側に配置され、主要被写体40が画枠の中央に配置される構図を示し、図5(c)は主要被写体40が画枠の左右一方側に配置され、撮像者30が画枠の中央に配置される構図を示す。図5(d)は、主要被写体40が複数ある場合において、複数の主要被写体40が画枠の左右両側に配置され、撮像者30が画枠の中央に配置される構図を示す。
次に本実施形態に係る撮像システムの処理フローを図6に示すフローチャートに沿って説明する。以下の説明では、撮像システムは、S102からS120までの処理を実行して、補助撮像装置20に、主撮像装置10の撮像者30等を含む画像を撮像させる。
最初にS102において、補助撮像装置20は撮像部202で撮像すべき画像の構図を取得する。具体的には、まず、主撮像装置10の操作部104は、補助撮像装置20が撮像者30を撮像する構図を撮像者30から入力する。例えば、主撮像装置10は、設定画面において図3(a)〜(c)に示す構図の候補を表示部112に表示する。ここで、表示部112に設けられたタッチパネル等の操作部104が、構図の候補のうち撮像者30に選択された1つを入力する。例えば、図3(a)の構図が選択された場合、操作部104は、撮像者30が画枠の左側に位置する構図を入力する。
また、次に、主撮像装置10は、図4(a)〜(c)に示すような撮像者30の向きに関する構図の候補を、表示部112に表示してよい。ここで、タッチパネル等の操作部104が、構図の候補のうち撮像者30に選択された1つを入力する。例えば、図4(a)の構図が選択された場合、撮像者30が正面を向いた構図を操作部104が入力する。この結果、説明した例において、撮像者30が画枠の左側で正面を向いた構図が操作部104に入力される。
これに代えて、主撮像装置10は、図5(a)〜(d)に示す撮像者30と主要被写体40とを含む構図を操作部104に入力してもよい。操作部104は、入力された構図を、制御部120に供給する。制御部120は、通信部106を介して、当該構図の情報を補助撮像装置20に送信する。
補助撮像装置20は、通信部206を介して、構図の情報を受信し、制御部220に供給する。制御部220は、受信した構図の情報を記憶部210に格納する。構図の情報を主撮像装置10から受信することに代えて、補助撮像装置20は構図の情報を予め記憶部210に格納しておいてもよい。
次に、S104において、状況分析部226は、主撮像装置10の使用状況を分析する。具体的には、まず、位置取得部222が、通信部206を介して主撮像装置10の空間位置情報を取得し、センサ208から補助撮像装置20の空間位置情報等の情報を取得する。位置取得部222は、取得したこれらの情報から補助撮像装置20に対する主撮像装置10の相対的な向きを算出する。次に、制御部220は、当該算出した向きに基づいて移動部204を駆動して、補助撮像装置20の撮像部202の撮像範囲に主撮像装置10を含めさせ、撮像部202に主撮像装置10及びその周囲を撮像させる。
状況分析部226は、撮像部202から画像データを取得し、当該画像データを分析することにより、主撮像装置10の使用状況を分析する。例えば、状況分析部226は、撮像部202からの画像に、主撮像装置10及び撮像者30の頭部と少なくとも一部が一致又は類似する画像がそれぞれ含まれ、主撮像装置10と撮像者30の頭部が閾値よりも近接している否かを判断することにより、撮像者30が主撮像装置10を使用可能な状態で保持しているか否かを判断する。
次に、S106において、状況分析部226は、主撮像装置10が使用可能な状態であるか否か判断する。例えば、状況分析部226は、S104における分析の結果、撮像部202からの画像に、主撮像装置10及び撮像者30の頭部と一致又は類似する画像がそれぞれ含まれ、主撮像装置10と撮像者30の頭部が十分に近接していると判断した場合は、主撮像装置10は使用可能な状態であると判断してよい。これにより、例えば、撮像者30が主撮像装置10を保持して構えている場合に、状況分析部226は、主撮像装置10は使用可能な状態であると判断することができる。
S108において、位置取得部222は、主撮像装置10を操作している撮像者30の位置を取得する。具体的には、位置取得部222は、通信部206を介して、主撮像装置10の位置情報を送信するように主撮像装置10に指示を送信する。主撮像装置10の制御部120は、通信部106を介して当該指示を受信し、センサ114から主撮像装置10の空間位置情報のデータを取得する。
制御部120は、通信部106を介して取得した空間位置情報を補助撮像装置20に送信する。その後、位置取得部222は、通信部206を介して、当該空間位置情報を取得し、空間位置情報に基づいて主撮像装置10の位置を取得する。位置取得部222は、取得された主撮像装置10の位置を撮像者30の位置と推定する。
さらに、位置取得部222は、撮像部202から画像データを取得し、当該画像データを分析して主撮像装置10と撮像者30の位置関係を特定してもよい。位置取得部222は、当該特定した位置関係に基づいて推定した撮像者30の位置を補正し、より正確な撮像者30の位置を取得してもよい。
次に、S110において、位置取得部222は、主要被写体40の位置を取得する。具体的には、位置取得部222は、通信部206を介して、撮像部102が直近に撮像した主要被写体40の画像データ、主要被写体40までの距離データ、及び/又は、主要被写体40の方向データ等を含む主要被写体データを送信するように主撮像装置10に指示を送信する。
主撮像装置10の制御部120は、通信部106を介して当該指示を受信する。制御部120は、被写体特定部110から、主要被写体40に関するデータを取得する。制御部120は、通信部106を介して取得した主要被写体40に関するデータを補助撮像装置20に送信する。
その後、位置取得部222は、通信部206を介して、当該主要被写体40に関するデータを取得し、主要被写体40に関するデータに基づいて推定される主要被写体40の位置を取得する。なお、S102で取得される構図に主要被写体40が含まれていない場合は、S110の処理は省略されてよい。また、S108とS110の処理は同時に実行されてもよい。
次に、S114において、移動量特定部224は、撮像者30を撮像部202の画枠に含めるための移動量を特定する。具体的には、移動量特定部224は、S108で取得した撮像者30の位置に基づいて、撮像部202が撮像者30をS102で取得した構図の通りに撮像するための補助撮像装置20の位置を算出する。
S102で取得した構図の被写体に撮像者30と主要被写体40とが含まれている場合、移動量特定部224は、S108で取得した撮像者30の位置及びS110で取得した主要被写体40の位置に基づいて、撮像部202が撮像者30及び主要被写体40をS102で取得した構図の通りに撮像するための補助撮像装置20の位置を算出する。移動量特定部224は、撮像者30等を撮像するための位置として、点、直線、曲線、平面、曲面、空間、又は、これらの組み合わせを表す座標を算出されてよい。
ここで、移動量特定部224は、補助撮像装置20が主撮像装置10の撮像部102に撮像されない位置を特定することが好ましい。例えば、移動量特定部224は、通信部206を介して、主撮像装置10から撮像部102の画角の情報及び主撮像装置10の向きの情報を取得する。移動量特定部224は、取得した撮像部102の画角、主撮像装置10の向き、及び、S108で取得した主撮像装置10の位置から撮像部102の撮像範囲に含まれる範囲の座標を算出する。
そして、移動量特定部224は、撮像者30等を撮像するために特定した位置の範囲から、撮像部102の撮像範囲に含まれる範囲を除くことにより、補助撮像装置20が撮像者30等を撮像でき、かつ補助撮像装置20が主撮像装置10の撮像部102に撮像されない位置を特定する。これにより、補助撮像装置20は主撮像装置10の撮像の邪魔になることを防ぐことができる。
また、移動量特定部224は、撮像者30等を最適な照明環境で撮像するための補助撮像装置20の位置をさらに特定してよい。例えば、移動量特定部224は、センサ208に含まれる光センサ208から周囲に存在する光源の方向を取得する。移動量特定部224は、当該光源の方向及び撮像者30等の位置を分析して、補助撮像装置20が光源に対して逆光にならずに撮像者30等を撮像できる位置を特定してよい。
次に、移動量特定部224は、センサ208から補助撮像装置20の空間位置情報を取得して補助撮像装置20の現在位置を特定する。そして、移動量特定部224は、当該現在位置と、撮像者30等を撮像するために特定した位置との差分から、補助撮像装置20が移動すべき方向と距離を含む補助撮像装置20の移動量を特定する。移動量特定部224は、一定の範囲を有する方向と一定の範囲を有する距離とを含む、一定範囲を有する移動量を特定してよい。
次に、S116において、移動量特定部224は、S114において特定された移動量に基づいて移動部204を駆動して、補助撮像装置20を移動させる。例えば、S102において、撮像者30が画枠の左側で正面を向いた構図が選択された場合、移動部204は、補助撮像装置20を撮像者30の正面側に移動させ、撮像者30が画枠の左側に位置するように撮像部202の向きを調整する。S114において一定範囲を有する移動量が特定された場合、移動量特定部224は当該一定範囲のうちいずれか移動量の移動が完了した時に、S116を完了してよい。
次に、S118において、撮像部202は、S102において取得した構図に基づいて撮像者30等を撮像する。制御部220は、撮像部202から撮像した画像データを取得する。制御部220は、当該画像データを記憶部210に格納し、及び/又は、当該画像データを通信部206を介して主撮像装置10に送信する。
次に、S120において、状況分析部226は、主撮像装置10が使用されている状況を分析し、補助撮像装置20の撮像を終了すべきか否か判断する。状況分析部226は、撮像部202からの画像データを取得し、主撮像装置10の使用状況を分析する。例えば、状況分析部226は、撮像部202からの画像に、主撮像装置10及び撮像者30の頭部と一致又は類似する画像がそれぞれ含まれ、主撮像装置10及び撮像者30の頭部が閾値以上離間していると判断した場合は、主撮像装置10は不使用状態であると判断し、撮像を終了する。
また、例えば、状況分析部226は、通信部206を介して主撮像装置10の電源がオフになったことを示す情報を取得すると、主撮像装置10が不使用状態であると判断して、撮像を終了してよい。また、状況分析部226は、通信部206を介して撮像者30から撮像中止指示を受け取った場合、撮像を終了してよい。状況分析部226が撮像を終了する場合は、制御部220は処理を終了し、そうでない場合は処理をS108に戻す。
このように、本実施形態によれば、補助撮像装置20は、主撮像装置10を保持する撮像者30を所定の構図で撮像する。これにより、本実施形態によれば、主撮像装置10のみでは従来撮像することができなかった撮影者の撮影シーンを、予め定められた構図で撮影することができる。また、本実施形態によれば、主撮像装置10の撮像者30と主要被写体40とを同時に撮像することができるので、よりバリエーションに富んだシーンの画像を得ることができる。
本実施形態の第1変形例について説明する。本変形例では、S104において、状況分析部226は、主撮像装置10の撮像部102からの画像データに代えて、主撮像装置10の電源情報のデータにより、主撮像装置10の使用状況を分析する。
本変形例では、S104において、状況分析部226は、通信部206を介して、主撮像装置10から主撮像装置10の電源状態のデータ(主撮像装置10の電源のオン・オフの情報)を取得し、当該取得したデータから主撮像装置10の使用状況を分析する。
S106において、状況分析部226は、主撮像装置10の電源がオンである場合に主撮像装置10が使用可能な状況である判断し、制御部220は処理をS108に進め、そうでない場合は処理をS104に戻す。これにより、本変形例によれば、補助撮像装置20は、主撮像装置10の電源投入に合わせて迅速に撮影を開始することができる。
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。本変形例では、S104において、状況分析部226は、主撮像装置10の撮像部102からの画像データに代えて、主撮像装置10の加速度のデータにより、主撮像装置10の使用状況を分析する。
本変形例では、S104において、状況分析部226は、通信部206を介して、主撮像装置10のセンサ114から主撮像装置10の加速度のデータを取得し、当該取得したデータから主撮像装置10の使用状況を分析する。
S106において、状況分析部226は、主撮像装置10の加速度が閾値の場合に主撮像装置10が使用可能な状況である判断し、制御部220は処理をS108に進め、そうでない場合は処理をS104に戻す。これにより、本変形例によれば、補助撮像装置20は、撮像者により主撮像装置10が鞄から取り出された等の動作に合わせて迅速に撮影を開始することができる。
本実施形態の第3変形例について説明する。本変形例では、S104において、状況分析部226は、主撮像装置10の撮像部102からの画像データに代えて、撮像者30の撮像指示により、主撮像装置10の使用状況を分析する。
本変形例では、S104において、状況分析部226は、通信部206を介して、主撮像装置10の操作部104に入力された撮像者30の撮像指示を取得する。
状況分析部226は、通信部206を介して撮像者30から撮像指示を受け取った場合、主撮像装置10が使用可能な状態であると判断して、制御部220は処理をS108に進め、そうでない場合は処理をS104に戻す。これにより、本変形例の補助撮像装置20は、撮像者の指示に応じて迅速に補助撮像装置20の撮像を開始できる。
次に、本実施形態の第4変形例について説明する。本変形例では、S108において、位置取得部222は、主撮像装置10から空間位置情報を取得することに代えて、主撮像装置10の発光部108の発光を検出することにより主撮像装置10の位置を取得する。
具体的には、S108において、位置取得部222は、通信部206を介して、主撮像装置10に発光部108を発光させるように指示を送信する。主撮像装置10の制御部120は、通信部106を介して当該指示を受信し、発光部108を発光させる。
補助撮像装置20のセンサ208は、光センサにより当該発光部108の発光の方向及び光強度を検出し、検出結果を位置取得部222に供給する。位置取得部222は、当該発光部108の発光の方向から主撮像装置10の方向を特定し、発光の強度から主撮像装置10の距離を特定する。位置取得部222は、特定された主撮像装置10の方向及び距離から、主撮像装置10の位置を取得し、当該位置を撮像者30の位置と推定する。
図7に、本実施形態の補助撮像装置20の変形例を示す。本変形例における補助撮像装置22は自走車両である。本変形例において、移動部204は、車輪を回転させるモータを駆動するための駆動回路を有する。
本発明の実施形態において、被写体特定部110及び制御部120は、主撮像装置10のコンピュータにインストールされたプログラムにより実現されてよい。当該コンピュータを主撮像装置10として機能させるプログラムは、被写体特定モジュールと、制御モジュールと、とを備える。また、本発明の実施形態において、制御部220、位置取得部222、移動量特定部224、及び、状況分析部226は、補助撮像装置20のコンピュータにインストールされたプログラムにより実現されてよい。
当該コンピュータを補助撮像装置20として機能させるプログラムは、制御モジュールと、被写体特定モジュールと、移動量特定モジュールと、状況分析モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、当該コンピュータのCPU等に働きかけて、コンピュータを、被写体特定部110、制御部120、制御部220、位置取得部222、移動量特定部224、及び、状況分析部226としてそれぞれ機能させてよい。
これらのプログラムに記述された情報処理は、メインメモリ又はハードディスク等により実現される記憶部116、記憶部210、又はその他の記憶装置からコンピュータに読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である被写体特定部110、制御部120、制御部220、位置取得部222、移動量特定部224、及び、状況分析部226として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の主撮像装置10及び補助撮像装置20等が構築される。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。