以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1実施形態に係る撮像システム1の構成を示す。撮像システム1は、撮像者30により保持される主撮像装置10と自律移動する照明補助装置20とを備える。照明補助装置20は、主撮像装置10から照明条件(例えば、所定の方向から被写体40を照明すること)を含む照明指示を受け取り、当該照明条件を満足する照明位置から被写体を照明する。
図2は、本実施形態に係る主撮像装置10のブロック図を示す。主撮像装置10は、撮像用の機器であり、撮像者30の操作により被写体40を撮像して画像を生成する。主撮像装置10は、例えば、一眼カメラ、コンパクトカメラ、カメラ付き携帯端末、又は、ビデオカメラであってよい。主撮像装置10は、撮像部102、操作部104、通信部106、照明部108、表示部112、センサ114、記憶部116、及び、制御部120を有する。
撮像部102は、撮像者30の操作により被写体40を撮像して撮像画像を生成する。撮像部102は、CCD又はCMOSなどの素子に光束を入射・結像させて画像データを得る撮像手段であってよく、例えば、横3000画素、縦2000画素の画素を有してよい。
撮像部102は、単焦点レンズ、又は、ズームレンズを含んでよく、これらのレンズはオートフォーカス機構を備えてよい。また、撮像部102は、交換可能な機能の異なる複数のレンズを備えてよい。また、複数の撮像部102が、主撮像装置10に設けられてもよい。撮像部102は、撮像した被写体40の画像データを制御部120に出力する。また、撮像部102は、使用中のレンズの焦点距離、画角、F値、及びピント位置等のレンズデータを制御部120に出力する。
操作部104は、主撮像装置10の任意の場所に設けられ、撮像者30からの指示の入力を制御部120に出力する。例えば、操作部104は、照明補助装置20に被写体40への照明を指示する照明指示、及び、照明補助装置20を直接操作する遠隔操作指示を入力する。
照明指示は、照明補助装置20に被写体40を照明させるための指示であり、被写体40を照明する条件である照明条件を含む。照明条件は、例えば、被写体40に対する照明補助装置20の照明角度、照明補助装置20と被写体40の照明距離、照明タイミング、照明補助装置20の照明光量、及び/又は、照明補助装置20の照明色を含んでよい。
遠隔操作指示は、照明補助装置20を直接撮像者30が操作するための指示であり、照明補助装置20による照明を開始/終了させる指示、及び/又は、照明補助装置20を移動する指示を含む。
また、操作部104は、主撮像装置10を操作する主操作指示を撮像者30から入力する。例えば、主操作指示は、撮像部102に対する撮像指示、及び、主撮像装置10の電源のON/OFF等の様々な主撮像装置10への操作を含む。操作部104は、例えば、半押し及び全押し可能なシャッターボタン、操作ボタン、操作レバー、タッチパネル、及び、キーボードを含む。
通信部106は、照明補助装置20と無線通信を行う。通信部106は、例えば、UWB、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、3G、LTE、及び/又は、赤外線通信等の無線通信規格に準拠して通信を実行する通信回路を備えてよい。通信部106は、制御部120から供給された指示及び/又はデータを照明補助装置20に送信し、照明補助装置20から指示及び/又はデータを受信して制御部120に出力する。
照明部108は、主撮像装置10の撮像部102側に設けられた照明である。照明部108は、制御部120からの指示に応じて、フラッシュ光を出力する。照明部108は、キセノン管等のフラッシュライト又はLED等を含んでよい。
表示部112は、主撮像装置10の撮像者側に設けられる表示インターフェイスであり、例えば、液晶表示装置、又は、有機EL表示装置等を含む。表示部112は、例えば、撮像部102が撮像した画像又はライブビュー画像を表示する。表示部112は、操作部104を介して照明指示を入力する設定画面を表示する。また、表示部112は、照明補助装置20から取得した画像又はライブビュー画像を表示してもよい。なお、ライブビュー画像はスルー画像と呼ばれることもある。
センサ114は、主撮像装置10の位置を検出する。センサ114は、屋内に設置されたGPS送信機からのGPS電波を受信する室内用GPSセンサ、及び/又は、人工衛星からのGPS電波を受信する屋外用GPSセンサを含み、これにより主撮像装置10の室内及び/又は屋外での空間位置データを取得する。
センサ114は、さらに姿勢センサ、加速度センサ、及び/又は、方位センサ等を含んでよく、これにより主撮像装置10の方位データを取得してよい。センサ114は、取得した主撮像装置10の空間位置データ等を制御部120に出力する。
記憶部116は、撮像部102から出力された撮像データを格納する。記憶部116は、主撮像装置10に用いられるその他のデータを記録してもよい。
制御部120は、CPU等を含み、撮像部102、操作部104、通信部106、照明部108、表示部112、センサ114、及び、記憶部116に接続されて、主撮像装置10を総合的に制御する。
例えば、制御部120は、撮像部102、操作部104、通信部106、照明部108、表示部112、センサ114、及び、記憶部116と指示及び/又はデータを送受信する。また、例えば、制御部120は、通信部106を介して、照明補助装置20に、操作部104に入力された主撮像装置10への主操作指示の情報、及び/又は、照明補助装置20への遠隔操作指示及び照明指示等を送信する。
図3は、本実施形態に係る照明補助装置20のブロック図を示す。照明補助装置20は、主撮像装置10と通信する、照明を搭載した自律移動可能な機器であり、例えば、小型回転翼航空機等であってよい。以下、本実施形態では、照明補助装置20が小型回転翼航空機である場合を例に説明する。照明補助装置20は、照明部200、移動部204、通信部206、センサ208、記憶部212、及び、制御部220を有する。
照明部200は、照明補助装置20の一面に設けられ、主撮像装置10の被写体40への照明を補助する。照明部200は、LED、蛍光灯、白熱灯、又は、キセノン管等の発光部材、及び/若しくは、レフ板、又は、鏡等の反射部材を含んでよい。また、照明部200は、複数色の発光部材及び/又は反射部材を含んでよい。
照明部200が発光部材を含む場合、照明部200は、主撮像装置10からの照明指示に応じて発光部材を発光させてよい。例えば、照明部200は、照明指示に応じて、発光部材を恒常的に発光させてよい。これに代えて、照明部200は、照明指示に応じて、発光部材を主撮像装置10の撮像と同期して発光させてよい。照明部200は、向きを変えるための駆動部材を備えてよく、制御部220からの指示により垂直方向及び/又は水平方向に向きを変えることができてよい。
移動部204は、可動部材を駆動させて、照明補助装置20を移動する。移動部204は、例えば、回転翼を回転させるモータを駆動するための駆動回路を有し、これにより照明補助装置20は飛行する。移動部204は、制御部220から、移動方向及び移動距離を含む移動量のデータを受け取り、当該移動量に応じて照明補助装置20を移動する。
通信部206は、主撮像装置10の通信部106と無線通信を行う。通信部206は、例えば、UWB、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、3G、LTE、及び/又は、赤外線通信等の無線通信規格に準拠して通信を実行する通信回路を備えてよい。通信部206は、主撮像装置10の通信部106から、指示及び/又はデータを受信して制御部220に出力する。また、通信部206は、制御部220からの指示及び/又はデータ等を主撮像装置10に送信してよい。
センサ208は、照明補助装置20の位置を取得する。センサ208は、屋内に設置されたGPS送信機からのGPS電波を受信する室内用GPSセンサ、及び/又は、人工衛星からのGPS電波を受信する屋外用GPSセンサを含み、これにより照明補助装置20の室内及び/又は屋外での空間位置データを取得する。
センサ208は、照明補助装置20の周囲の光源の方向及び強度等を特定する光センサを含む。光センサは、超広角レンズを備えた撮像装置であってよい。
センサ208は、さらに、姿勢センサ、加速度センサ、及び/又は、方位センサ等を含み、これにより照明補助装置20の向きを取得する。センサ208は、取得した空間位置等のデータを制御部220に出力する。
記憶部212は、主撮像装置10から取得した照明指示等のデータ等を格納する。また、記憶部212は、照明補助装置20に用いられるその他のデータを記録してもよい。
制御部220は、CPU等を含み、照明部200、移動部204、通信部206、センサ208、及び、記憶部212に接続されて、照明補助装置20を総合的に制御する。制御部220は、指示取得部222、状況分析部224、及び、位置特定部226を含む。
指示取得部222は、主撮像装置10から、通信部206を介して、照明部200に照明を補助させる照明指示、主撮像装置10の空間位置データ及び方位データ、及び、撮像部102のレンズデータを取得する。指示取得部222は、取得した照明指示等を位置特定部226に供給する。
状況分析部224は、通信部206を介して主撮像装置10の主操作指示を取得し、当該主操作指示から主撮像装置10の撮像状況を分析する。状況分析部224は、撮像状況に基づいて移動部204を駆動し、照明補助装置20を移動する。例えば、状況分析部224は、主撮像装置10の電源をONにする操作指示を取得し、主撮像装置10の使用が開始されたと分析する。そして、状況分析部224は、移動部204を駆動して、照明補助装置20を予め定められた場所(例えば、主撮像装置10の近傍)に移動する。
位置特定部226は、照明指示に含まれる照明条件を充足する照明位置を特定する。具体的には、位置特定部226は、センサ208から照明補助装置20の空間位置データを取得する。位置特定部226は、通信部206を介して、主撮像装置10の撮像部102から撮像部102のレンズのピント位置データを取得し、センサ114から主撮像装置10の空間位置データ及び方位データを取得する。位置特定部226は、取得したこれらのデータから主撮像装置10の被写体40の空間位置データを算出する。
位置特定部226は、主撮像装置10の空間位置データ及び被写体40の空間位置データに基づいて、照明条件に含まれる照明距離及び照明角度を満足するための照明補助装置20の照明位置を特定する。位置特定部226は、移動部204を駆動して、照明補助装置20を特定された照明位置に移動する。これにより、照明補助装置20は、照明条件に合致する照明位置で、照明部200により主撮像装置10の被写体40への照明を補助する。
図4に、主撮像装置10の表示部112に表示される照明条件の入力画面の一例を示す。表示部112には、照明条件として被写体40に対する照明方向の候補が示されている。照明方向の候補は、例えば、被写体40に対する主撮像装置10の向きを0°として、被写体40の方位角方向の全周を時計回りに8等分した、前面(方位角0°)、左斜前面(同方位角45°)、左面(同方位角90°)、左斜後面(方位角135°)、後面(方位角180°)、右斜後面(方位角225°)、右面(方位角270°)、及び、右斜前面(方位角315°)であってよい。
操作部104は、これらの方向から撮像者が選択した1つ(例えば、図4中では右斜前面)を入力してよい。これに代えて、操作部104は、撮像者30に照明方向の角度(方位角及び/又は仰角)の値を直接入力させてもよい。
次に本実施形態に係る撮像システムの処理フローを図5に示すフローチャートに沿って説明する。以下の説明では、撮像システム1は、S102からS134に示す処理を実行することにより、照明補助装置20により照明された被写体40を主撮像装置10が撮像する。
まず、S102において、主撮像装置10の制御部120が操作部104を介して主撮像装置10の主操作指示を取得する。一例として、制御部120は、操作部104の電源スイッチを介して電源ONの操作指示を取得する。これに代えて、制御部120は、操作部104のタッチパネルを介して照明準備の操作指示を取得してもよい。また、制御部120は、センサ114から主撮像装置10の空間位置データを取得してよい。
次に、S104において、主撮像装置10の制御部120は、通信部106を介して、照明補助装置20に主操作指示データ及び主撮像装置10の空間位置データを送信する。
次に、S106において、照明補助装置20の状況分析部224は、通信部206を介して、主撮像装置10から主操作指示データ及び空間位置データを取得し、当該主操作指示の情報から主撮像装置10の撮像状況を分析する。例えば、状況分析部224は、電源のONの操作指示データを取得し、「主撮像装置10の使用中である」と分析する。
次に、S108において、状況分析部224は、分析した撮像状況に基づいて移動部204を駆動して、照明補助装置20を予め定められた位置に移動する。例えば、状況分析部224は、S106で取得した主撮像装置10の位置の近傍に、照明補助装置20を移動させ、照明補助装置20の照明指示に備える。状況分析部224は、移動が完了すると、処理をS110に進める。
次に、S110において、状況分析部224は、通信部206を介して、移動完了の通知を主撮像装置10に送信する。
次に、S112において、主撮像装置10の制御部120は、通信部106を介して、照明補助装置20の移動完了の通知を受信する。
次に、S114において、制御部120は、操作部104を介して、撮像者30から照明条件を含む照明指示を取得する。例えば、制御部120は、表示部112に、図4に示すような照明方向の候補を照明条件として表示し、撮像者30に照明補助装置20の照明方向を選択させる。制御部120は、撮像者30に、さらに照明補助装置20の照明距離を入力させてよい。
照明補助装置20の照明部200にLED等の発光部材を用いる場合、制御部120は、さらに撮像者30に、照明補助装置20の照明タイミング、照明光量、及び/又は、照明色を照明条件として入力させてよい。照明タイミングは、例えば「常に照明」又は「主撮像装置10の撮像と同期して照明」から選択されて入力される。制御部120は、操作部104から入力された照明条件を取得する。
次に、S116において、制御部120は、撮像者30が操作部104に撮像予備動作を入力したか否かを判断する。例えば、制御部120は、撮像者30がシャッターボタンを半押ししたか否かを判断する。ここで、撮像部102は、オートフォーカス機構により主要な被写体にフォーカスが合うようにピント位置を移動し、当該ピント位置を含むレンズデータを制御部120に供給する。撮像予備動作が入力された場合、制御部120は、処理をS118へ進め、そうでない場合は、制御部120は、撮像予備動作が入力されるまで待機する。
S118において、制御部120は、通信部106を介して、照明条件を含む照明指示及び撮像部102のレンズデータを照明補助装置20に送信する。また、これに合わせて、制御部120は、主撮像装置10の空間位置データ及び方位データをセンサ114から取得して、照明補助装置20に送信する。
次に、S120において、指示取得部222は、照明補助装置20の主撮像装置10から、通信部206を介して、照明部200に照明を補助させる照明指示、主撮像装置10の空間位置データ及び方位データ、及び、撮像部102のレンズデータを取得する。指示取得部222は、これらのデータを位置特定部226に供給する。また、指示取得部222は、照明指示に含まれる照明条件を記憶部212に格納してよい。
次に、S122において、位置特定部226は、照明指示に含まれる照明条件を充足する照明位置を特定する。具体的には、位置特定部226は、撮像部102のレンズデータに含まれるピント位置データから、ルックアップテーブル等に基づいて主撮像装置10から被写体40までの被写体距離を取得する。次に、位置特定部226は、主撮像装置10の空間位置から、主撮像装置10の方位データの方位に被写体距離だけ移動した位置を、被写体40の空間位置として取得する。
さらに、位置特定部226は、主撮像装置10と被写体40の空間位置の点を結ぶ直線から照明角度の方向に、被写体40の空間位置から照明距離分移動した点を、照明条件を充足する照明位置として算出する。位置特定部226は、このように算出した点の座標を照明位置として特定してよく、これに代えて、当該点を含む直線、曲線、平面、曲面、空間、又は、これらの組み合わせを表す座標を照明位置として特定してよい。一例として、位置特定部226は、算出した点を中心とする予め定められた半径(例えば、50cm)の球状の領域を照明位置として特定してよい。
ここで、位置特定部226は、照明位置のうち、照明補助装置20が主撮像装置10の撮像部102に撮像されない位置を特定することが好ましい。例えば、位置特定部226は、S120で取得した、撮像部102のレンズデータに含まれる画角と主撮像装置10の空間位置データ及び方位データとから、撮像部102の撮像範囲に含まれる領域の座標を算出する。
そして、位置特定部226は、特定した照明位置の領域から、撮像部102の撮像範囲に含まれる領域を除くことにより、照明補助装置20が撮像者30等を撮像でき、かつ照明補助装置20が主撮像装置10に撮像されない照明位置を特定する。このような照明位置を用いることにより、照明補助装置20は、主撮像装置10の撮像の邪魔にならずに被写体40を照明することができる。
次に、S124において、位置特定部226は、移動部204を駆動して、照明補助装置20をS122で特定した照明位置に移動する。
次に、S126において、照明部200は、移動した照明位置で被写体40への照明を補助する。具体的には、照明部200がレフ板等の反射部材である場合、位置特定部226は、センサ208の光センサから周囲の最も強度が強い光源の方向を取得し、当該取得した光源の方向と照明位置と被写体40の位置とに基づいて、光源からの光を反射部材で反射して被写体40に照明するための反射部材の角度を算出し、当該算出した角度に反射部材を駆動する。
照明部200がLED等の発光部材である場合、位置特定部226は、照明位置と被写体40の位置とに基づいて、発光部材で被写体40に光を照射するための角度を算出し、当該算出した角度に発光部材を駆動する。これにより、照明補助装置20は、撮像者30が望む照明条件を満足する照明を提供することができる。
次に、S128において、位置特定部226は、通信部206を介して、照明完了の通知を主撮像装置10に送信する。
次に、S130において、主撮像装置10の制御部120が、通信部106を介して、照明補助装置20から照明完了の通知を受信する。
次に、S132において、制御部120が、撮像者30が操作部104に撮像実行動作を入力したか否かを判断する。例えば、制御部120は、撮像者30がシャッターボタンを全押ししたか否かを判断する。撮像実行動作が入力された場合、制御部120は、処理をS134に進める。撮像実行動作が入力されない場合(例えば、シャッターボタンの半押しが解除された場合、又は、S132の処理開始から一定時間が経過した場合)、制御部120は、処理をS116に戻す。
次に、S134において、制御部120は、撮像部102に被写体40を撮像させる。照明指示に含まれる照明タイミングが「主撮像装置10の撮像と同期して照明」である場合、制御部120は、撮像部102の撮像に同期させて照明部108を発光させてもよい。
このように、本実施形態の撮像システム1によれば、照明補助装置20が、主撮像装置10の撮像者30から入力された照明条件を満足する照明位置に移動し、被写体40の照明を補助する。これにより、撮像者30が主撮像装置10とは別の発光装置を自ら配置しなくても、主撮像装置10が適切に照明された被写体40を撮像することができる。
また、本実施形態では、S114において、制御部120は撮像者30から照明条件を含む照明指示を取得したが、本実施形態の変形例では、制御部120は照明補助装置20の記憶部212に格納されている照明条件を用いる照明指示を取得してよい。この場合、S120において、指示取得部222は、記憶部212から照明条件を読み出して取得し、これを主撮像装置10からの照明指示等と共に位置特定部226に供給してよい。
なお、照明補助装置20の照明部200及び移動部204を、主撮像装置10の操作部104を介して、撮像者30から手動で遠隔操作してもよい。例えば、照明補助装置20がS120〜S128の処理を実行中であっても、撮像者30から照明補助装置20に対する遠隔操作の入力があった場合には、照明補助装置20は実行中の処理を中止し、撮像者30からの遠隔操作を優先して処理してもよい。これにより、撮像者30は、照明補助装置20を任意の位置に移動し、照明部200を任意の角度に向けて、被写体40を照明することができる。
図6は、第2実施形態に係る照明補助装置20のブロック図を示す。本実施形態においては、照明補助装置20は撮像部214をさらに備え、制御部220は照明分析部228をさらに有する。本実施形態では、照明補助装置20は、撮像部214の画像から被写体40の照明状況を分析することにより、照明位置を特定する。本実施形態で説明されない事項は、第1実施形態と同様であってよい。
撮像部214は、照明補助装置20の照明部200と同じ側に設けられ、照明補助装置20の周囲を撮像して画像を生成する。撮像部214は、CCD又はCMOSなどの素子に光束を入射・結像させて画像データを得る撮像手段であり、例えば、横3000画素、縦2000画素の画素を有してよい。
撮像部214は、ズームレンズを備え、制御部220からの指示によりズーム量を変更してよい。これに代えて、撮像部214は、交換可能な焦点距離の異なる複数の単焦点又はズームレンズを備え、制御部220からの指示により、撮像に用いるレンズを選択してよい。撮像部214は方位角方向及び/又は仰角方向に回転して向きを変えることができてよい。撮像部214は、撮像した画像データを制御部220に出力する。
照明分析部228は、撮像部214からの画像から、被写体40の照明状況を分析し、その結果を位置特定部126に供給する。本実施形態において、位置特定部226は、分析された照明状況から照明条件を満たすための照明補助装置20の照明位置を特定する。
具体的には、本実施形態では、図5で説明したS114において、操作部104に入力される照明指示は、被写体40の照明状態を指定する照明条件を含んでよい。具体的には、照明条件は、被写体40の影を弱める(すなわち、周囲の光源と反対方向から照明する)、被写体40の影を強める(すなわち、周囲の光源と同じ方向から照明する)、被写体40の色味を下げる(すなわち、周囲の光源と補色関係にある色で照明する)等であってよい。
本実施形態では、図5で説明したS122の処理に代えて、図7に示すS1222〜S1234に示す処理を実行してよい。まず、S1222において、位置特定部226は、照明指示に含まれる照明条件を充足する照明位置を特定する。
具体的には、位置特定部226は、撮像部102のレンズデータに含まれるピント位置データから、ルックアップテーブル等に基づいて主撮像装置10から被写体40までの被写体距離を取得する。
位置特定部226は、主撮像装置10の空間位置データ及び方位データ、及び、取得した被写体距離から、被写体40の空間位置データを取得する。ここで、位置特定部226は、撮像部214を被写体40の方向に向けさせ、撮像部214の画像中から被写体40の画像領域を特定する。
次に、S1224において、照明分析部228は、取得した被写体40の空間位置データに基づいて、被写体40の周囲を回るように移動部204を駆動して照明補助装置20を移動させる。同時に、照明分析部228は、移動中に被写体40を連続的に撮像するように撮像部214の向きを制御する。
次に、S1226において、照明分析部228は、連続的に撮像された被写体40の画像から被写体40の照明状況を分析する。具体的には、照明分析部228は、被写体40の撮像角度、及び、画像中における被写体40の影の形状、大きさ等から被写体40に光を照射する光源の方向を算出する。
次に、S1228において、位置特定部226は、照明分析部228から分析された照明状況を受け取り、当該照明状況に基づいて、照明条件を充足する照明補助装置20の照明位置を特定する。
例えば、図8に示す例において、照明条件が被写体40の影を弱めることであり、太陽光が図中のB線方向から被写体40に入射する場合、照明補助装置20は図中のF線方向に沿った位置を照明位置とする。
また、本実施形態の変形例において、状況分析部224は、通信部206を介して主撮像装置10から電源ON等の主操作指示を取得する代わりに、撮像部214が撮像した主撮像装置10の画像から主撮像装置10の撮像状況を分析してもよい。
例えば、図5のフローチャートにおいて、撮像システム1は、S102及びS104を省略し、S106から処理を開始してよい。S106において、状況分析部224は、通信部206を介して、主撮像装置10に空間位置データを送信するようにリクエストを送信し、主撮像装置10から空間位置データを取得する。また、状況分析部224は、センサ208から照明補助装置20の空間位置データ及び方位データを取得する。
状況分析部224は、取得したこれらのデータから主撮像装置10に対する照明補助装置20の相対的な向きを算出する。次に、状況分析部224は、算出した向きに基づいて移動部204を駆動して、照明補助装置20の撮像部214の撮像範囲に主撮像装置10を含めさせ、撮像部214に主撮像装置10及びその周囲を撮像させる。
状況分析部224は、撮像部214から画像データを取得し、当該画像データを分析することにより、主撮像装置10の使用状況を分析する。例えば、状況分析部224は、撮像部214からの画像に、主撮像装置10及び撮像者30の頭部と少なくとも一部が一致又は類似する画像がそれぞれ含まれ、主撮像装置10と撮像者30の頭部が閾値よりも近接している否かを判断することにより、撮像者30が主撮像装置10を使用中かを判断する。
本変形例によれば、撮像者30が主撮像装置10による被写体40の撮像間際になってから、照明補助装置20が移動を始めるので、照明補助装置20が撮像者30の邪魔になることがない。
図9に、第1実施形態及び第2実施形態の変形例に係る照明補助装置22を示す。本変形例における照明補助装置22は自走車両である。本変形例において、移動部204は、車輪を回転させるモータを駆動するための駆動回路を有する。
また、上記説明した第1実施形態及び第2実施形態の変形例として、照明補助装置20は、主撮像装置10からの指示により、予め記憶部212に格納された音楽を再生するスピーカ等を備えてよい。これにより、例えば、主撮像装置10がビデオカメラである場合に、BGM付の動画を撮像することができる。
また、上記説明した第1実施形態及び第2実施形態の変形例として、照明補助装置20は、主撮像装置10からの指示により風を発生する扇風機等を備えてよい。これにより、主撮像装置10は、被写体40に対して一定の方向から風をあてるので、被写体40が風になびいている画像を撮像することができる。
また、上記説明した第1実施形態及び第2実施形態の変形例として、照明補助装置20は、主撮像装置10からの指示により紙ふぶき等の人工物を散布する装置を備えてよい。これにより、主撮像装置10は、被写体40が人工物により装飾された画像を撮像することができる。
本発明の実施形態において、制御部120は、主撮像装置10のコンピュータにインストールされたプログラムにより実現されてよい。当該コンピュータを主撮像装置10として機能させるプログラムは、制御モジュールを備える。また、本発明の実施形態において、制御部220、指示取得部222、状況分析部224、位置特定部226、及び、照明分析部228は、照明補助装置20のコンピュータにインストールされたプログラムにより実現されてよい。
当該コンピュータを照明補助装置20として機能させるプログラムは、制御モジュールと、指示取得モジュールと、状況分析モジュールと、位置特定モジュールと、照明分析モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、当該コンピュータのCPU等に働きかけて、コンピュータを、制御部120、制御部220、指示取得部222、状況分析部224、位置特定部226、及び、照明分析部228としてそれぞれ機能させてよい。
これらのプログラムに記述された情報処理は、メインメモリ又はハードディスク等により実現される記憶部116、記憶部212、又はその他の記憶装置からコンピュータに読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である制御部120、制御部220、指示取得部222、状況分析部224、位置特定部226、及び、照明分析部228として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の主撮像装置10及び照明補助装置20等が構築される。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。