以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る撮像システム1の構成を示す。撮像システム1は、撮像者30により保持される主撮像装置10と自律移動する補助撮像装置20とを備える。補助撮像装置20は、主撮像装置10から所定の撮像条件(例えば、花を主要被写体40として含むこと)を受け取り、当該撮像条件に合致する撮像位置を探索して、発見した撮像位置を主撮像装置10に知らせる。
図2は、本実施形態に係る主撮像装置10のブロック図を示す。主撮像装置10は、撮像者30により保持される撮像用の機器であり、撮像者30の操作により対象を撮像して画像を生成する。主撮像装置10は、例えば、一眼カメラ、コンパクトカメラ、又は、カメラ付き携帯端末であってよい。主撮像装置10は、撮像部102、操作部104、通信部106、表示部112、センサ114、記憶部116、及び、制御部120を有する。
撮像部102は、撮像者30の操作により主要被写体40を撮像して撮像画像を生成する。撮像部102は、CCD又はCMOSなどの素子に光束を入射・結像させて画像データを得る撮像手段であってよく、例えば、横3000画素、縦2000画素の画素を有してよい。
撮像部102は、単焦点レンズ、又は、ズームレンズを含んでよく、これらのレンズはオートフォーカス機構を備えてよい。また、撮像部102は、交換可能な機能の異なる複数のレンズを備えてよい。また、複数の撮像部102が、主撮像装置10に設けられてもよい。撮像部102は、撮像した主要被写体40の画像データを制御部120に出力する。また、撮像部102は、使用中のレンズの最短撮影距離データ、焦点距離、及び、F値等のレンズデータを制御部120に出力する。
操作部104は、主撮像装置10の任意の場所に設けられ、撮像者30からの操作の入力を制御部120に出力する。操作部104は、補助撮像装置20に撮像位置を探索させるための撮像条件を入力する。
撮像条件は、例えば、撮像対象となる主要被写体40、主要被写体40の構図、及び/又は、主撮像装置10からの距離を含んでよい。ここで、構図は、画像内の主要被写体の位置、主要被写体の占める大きさの割合、及び/又は、主要被写体の向き等を含む。
操作部104は、撮像部102に対する撮像指示、及び、電源のON/OFFを含む様々な操作を入力する。操作部104は、補助撮像装置20を遠隔操作するための操作指示を入力してよい。補助撮像装置20を遠隔操作は、例えば、補助撮像装置20により撮像すること、補助撮像装置20を移動すること、及び、補助撮像装置20により被写体を照明することを含む。操作部104は、例えば、シャッターボタン、操作ボタン、操作レバー、タッチパネル、及び、キーボードであってよい。
通信部106は、補助撮像装置20と無線通信を行う。通信部106は、例えば、UWB、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、3G、LTE、及び/又は、赤外線通信等の無線通信規格に準拠して通信を実行する通信回路を備えてよい。通信部106は、制御部120から供給された指示及び/又はデータを補助撮像装置20に送信し、補助撮像装置20から指示及び/又はデータを受信して制御部120に出力する。
表示部112は、主撮像装置10の撮像者側に設けられる表示インターフェイスであり、例えば、液晶表示装置、又は、有機EL表示装置等を含む。表示部112は、例えば、撮像部102が撮像した画像又はライブビュー画像を表示する。表示部112は、操作部104を介して撮像条件を入力する設定画面を表示する。また、表示部112は、補助撮像装置20から取得した画像又はライブビュー画像を表示してもよい。なお、ライブビュー画像はスルー画像と呼ばれることもある。
センサ114は、主撮像装置10の位置を検出する。センサ114は、屋内に設置されたGPS送信機からのGPS電波を受信する室内用GPSセンサ、及び/又は、人工衛星からのGPS電波を受信する屋外用GPSセンサを含み、これにより主撮像装置10の室内及び/又は屋外での空間位置データを取得する。
センサ114は、さらに姿勢センサ、加速度センサ、及び/又は、方位センサ等を含んでよく、これにより主撮像装置10の向きデータを取得してよい。センサ114は、取得した主撮像装置10の空間位置データ等を制御部120に出力する。
記憶部116は、撮像部102から出力された撮像データを格納する。記憶部116は、センサ114から出力された空間位置データを格納する。記憶部116は、主撮像装置10に用いられるその他のデータを記録してもよい。
制御部120は、CPU等を含み、撮像部102、操作部104、通信部106、表示部112、センサ114、及び、記憶部116に接続されて、主撮像装置10を総合的に制御する。例えば、制御部120は、撮像部102、操作部104、通信部106、表示部112、センサ114、及び、記憶部116と指示及び/又はデータを送受信する。また、例えば、制御部120は、通信部106を介して、補助撮像装置20に操作部104に入力された撮像条件等を送信し、補助撮像装置20から撮像条件に合致する撮像位置等を受信する。
図3は、本実施形態に係る補助撮像装置20のブロック図を示す。補助撮像装置20は、撮像者30の操作により主要被写体40を撮像する主撮像装置10と通信する。補助撮像装置20は、カメラを搭載した自律移動可能な機器であり、例えば、小型回転翼航空機等であってよい。以下、本実施形態では、補助撮像装置20が小型回転翼航空機である場合を例に説明する。補助撮像装置20は、撮像部202、移動部204、通信部206、センサ208、照明部210、記憶部212、及び、制御部220を有する。
撮像部202は、被写体を撮像して画像を生成する。撮像部202は、補助撮像装置20が移動する間に補助撮像装置20の周囲の状況を撮像する。また、撮像部202は、撮像条件を満足する撮像位置で撮像を行い、撮像条件を満足する画像を生成する。
撮像部202は、CCD又はCMOSなどの素子に光束を入射・結像させて画像データを得る撮像手段であり、例えば、横3000画素、縦2000画素の画素を有してよい。撮像部202は、撮像した画像データを制御部220に出力する。
撮像部202は、ズームレンズを備え、制御部220からの指示によりズーム量を変更する。これに代えて、撮像部202は、交換可能な焦点距離の異なる複数の単焦点又はズームレンズを備え、制御部220からの指示により、撮像に用いるレンズを選択してよい。
撮像部202は垂直方向及び/又は水平方向に向きを変えることができてよい。また、複数の撮像部202が、補助撮像装置20に設けられてもよい。撮像部202は、撮像した画像データ及び撮像時のフォーカス位置を制御部220に出力する。
移動部204は、制御部220からの指示に基づいて、可動部材を駆動させて補助撮像装置20を移動する。移動部204は、例えば、回転翼を回転させるモータを駆動するための駆動回路を有し、これにより補助撮像装置20は飛行する。移動部204は、制御部220から、移動方向及び移動距離を含む移動量のデータを受け取り、当該移動量に応じて補助撮像装置20を移動する。
通信部206は、主撮像装置10の通信部106と無線通信を行う。通信部206は、例えば、UWB、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、3G、LTE、及び/又は、赤外線通信等の無線通信規格に準拠して通信を実行する通信回路を備えてよい。通信部206は、主撮像装置10の通信部106から、指示及び/又はデータを受信して制御部220に出力する。また、通信部206は、制御部220の指示に応じて、撮像部202からの画像及び撮像位置等のデータ及び/又は指示を主撮像装置10に送信する。
センサ208は、補助撮像装置20の位置を取得する。センサ208は、屋内に設置されたGPS送信機からのGPS電波を受信する室内用GPSセンサ、及び/又は、人工衛星からのGPS電波を受信する屋外用GPSセンサを含み、これにより補助撮像装置20の室内及び/又は屋外での空間位置データを取得する。
センサ208は、補助撮像装置20の周囲の光源の位置及び強度等を特定する光センサを含む。光センサは、超広角レンズを備えた撮像装置であってもよく、また、中空の透明球体を利用した光源位置推定装置であってもよい。
センサ208は、さらに、姿勢センサ、加速度センサ、及び/又は、方位センサ等を含み、これにより補助撮像装置20の向きを取得してもよい。センサ208は、取得した空間位置等のデータを制御部220に出力する。
照明部210は、補助撮像装置20の撮像部202と同じ側に設けられる照明である。照明部210は、主撮像装置10の撮像と同期して撮像条件に含まれる被写体に照明する。照明部210は、制御部220からの指示に応じて、フラッシュ光を出力する。照明部210は、キセノン管等のフラッシュライト又はLED等を含んでよい。
記憶部212は、主撮像装置10から受け取った撮像条件等のデータ、及び/又は、撮像部202が撮像した画像データ等を格納する。記憶部212は、撮像条件に含まれる主要被写体40となる可能性がある物体のマッチングのために描画されたテンプレート画像(例えば、動植物のテンプレート画像)を予め格納してよい。また、記憶部212は、人物等の個体を識別するための撮像画像(例えば、撮像者30自身の画像及びその家族の画像)を予め格納してよい。また、記憶部212は、補助撮像装置20に用いられるその他のデータを記録してもよい。
制御部220は、CPU等を含み、撮像部202、移動部204、通信部206、センサ208、照明部210、及び、記憶部212に接続されて、補助撮像装置20を総合的に制御する。制御部220は、条件取得部222、位置特定部224、距離測定部226、画像処理部228、及び、状況分析部230を含む。
条件取得部222は、通信部206を介して、主撮像装置10に入力された撮像条件を取得する。条件取得部222は、取得した撮像条件を位置特定部224に供給する。また、条件取得部222は、通信部206を介して、主撮像装置10の撮像部102のレンズデータを取得し、これを記憶部212に格納してよい。
位置特定部224は、移動部204により移動しつつ撮像部202により撮像された撮像画像に基づいて、条件取得部222により取得された撮像条件を満足する撮像位置を特定する。例えば、位置特定部224は、撮像条件に含まれる主要被写体40を、撮像条件に含まれる構図で撮像できる撮像位置を特定する。また、位置特定部224は、通信部206を介して特定した撮像位置を主撮像装置10に送信する。
距離測定部226は、補助撮像装置20と主撮像装置10との距離を測定する。距離測定部226は、測定した補助撮像装置20と主撮像装置10の距離が閾値以下となった場合に移動部204により補助撮像装置20を移動させる。これにより、補助撮像装置20は、特定した撮像位置で待機して撮像位置を撮像者30に示しつつ、主撮像装置10の撮像者30が接近したときに当該撮像位置におけるスペースを撮像者30のために開けることができる。
画像処理部228は、移動部204による移動の間に撮像部202が撮像した複数の撮像画像を合成し、複数合成画像を生成する。また、画像処理部228は、撮像部202が撮像した画像に、記憶部212に格納された人物の画像を合成し、人物合成画像を生成してよい。画像処理部228は、通信部106を介して、複数合成画像及び/又は人物合成画像を主撮像装置10に送信してよい。
状況分析部230は、撮像部202の画像から、主撮像装置10の撮像者30による撮像条件に含まれる主要被写体40の撮像状況を分析する。状況分析部230は、通信部206を介して、状況分析部230が分析した撮像状況を主撮像装置10に送信する。
図4に、主撮像装置10の表示部112に表示される撮像条件の入力画面の一例を示す。表示部112には、撮像条件として主要被写体40の候補が示されている。主要被写体40の候補は、例えば、花、樹木、人物等のカテゴリーであってよい。また、撮像者30がこれらのカテゴリーから1つ(例えば、人物)を選択した場合、表示部112は、選択されたカテゴリーの中から具体的な物又は人物(例えば、ユーザ1及びユーザ2)を表示して、撮像者にさらに選択させてよい。
図5に、撮像条件に合致する撮像位置が発見された場合に表示部112に表示される画面の一例を示す。表示部112は、撮像条件に合致する撮像位置で補助撮像装置20が撮像した画像を表示する。本実施形態において、当該画像には、主撮像装置10と撮像位置の位置関係を示す地図をさらに表示する。表示部112は、補助撮像装置20が撮像した画像を受け入れるか撮像者30に問い合わせるメッセージ(例えば、「OK」及び「キャンセル」)を表示してよい。
図6は、補助撮像装置20の移動経路の一例を示す。補助撮像装置20は、螺旋状の経路を移動しながら撮像条件を満足する撮像位置を探索する。例えば、補助撮像装置20は、最初は位置Aに示す初期位置で待機し、撮像条件を受け取ると位置Aから撮像者30の近傍の探索開始位置Bに移動し、撮像部202により周囲の状況を撮像する。
補助撮像装置20は、人の背丈よりも高い位置を飛行してよく、例えば、地上2〜5mの位置を飛行する。また、補助撮像装置20は、移動経路の前方に障害物がある場合、高度を上げ、又は、下げることにより障害物を避けてよい。これにより、補助撮像装置20は、主撮像装置10の撮像者30の撮像を妨害しない。
位置特定部224は、撮像した画像を分析し、位置Bの近傍に撮像条件に含まれる主要被写体40が存在するか判断する。主要被写体40が存在しなければ、補助撮像装置20は位置Bから位置C、位置Cから位置D、位置Dから位置Eに順次移動して同じ動作を繰り返す。これにより、補助撮像装置20は、撮像条件に合致する撮像位置を、主撮像装置10の撮像者30に近い範囲から探すことができる。
撮像位置の探索中、撮像部202は、補助撮像装置20の移動方向に対して前方斜め下方向を向いてよい。これにより、制御部220は、補助撮像装置20の進行方向にある対象を正面で捉えることができる。これに代えて、撮像部202は、撮像位置の探索中、真下方向、すなわち重力方向を向いてよい。
図7は、補助撮像装置20の移動経路の別の一例を示す。この例によれば、補助撮像装置20は、撮像者30の周辺の領域を格子状に分割し、分割された領域の中心に順次移動しながら撮像条件を満足する撮像位置を探索する点が図6と異なる。補助撮像装置20は、初期位置Aから探索開始位置B、位置Bから位置C、位置Cから位置D、位置Dから位置Eに順次移動しながら、ブロック状に区切られた領域ごとに撮像位置を探索する。
次に本実施形態に係る撮像システムの処理フローを図8及び図9に示すフローチャートに沿って説明する。以下の説明では、撮像システム1は、まず図8に示すS102からS130に示す処理を実行し、続いて図9に示すS132からS162までの処理を実行する。これにより、補助撮像装置20は撮像条件に合致する撮像位置を探索し、主撮像装置10に撮像条件に合致する撮像位置で撮像を実行させることができる。
最初にS102において、主撮像装置10の操作部104は、撮像者30から、撮像対象となる主要被写体40、及び/又は、主要被写体40の構図を含む撮像条件を入力する。例えば、主撮像装置10は、表示部112に、図4に示すような主要被写体40の複数の候補を表示し、撮像者に撮像条件に含まれる主要被写体40を選択させる。制御部120は、操作部104から入力された撮像条件を取得する。
次にS104において、制御部120は、通信部106を介して、取得した撮像条件を補助撮像装置20に送信する。ここで、制御部120は、撮像部102からレンズデータを取得し、当該レンズデータを撮像条件に含めて補助撮像装置20に送信してよい。
次にS106において、条件取得部222が、通信部206を介して主撮像装置10に入力された撮像条件を取得する。条件取得部222は、取得した撮像条件を位置特定部224に供給する。位置特定部224は、条件取得部222から取得した撮像条件に含まれる主要被写体40と対応する被写体画像を、記憶部212から取得する。
ここで、制御部220は、移動部204を駆動して、補助撮像装置20を予め定められた、主撮像装置10の近傍の位置に移動してもよい。例えば、制御部220は、補助撮像装置20を図6及び図7の位置Aから位置Bに移動する。これに代えて、補助撮像装置20は、予め定められた探索開始位置(例えば、図6及び図7の位置B)で事前に待機していてもよい。
次にS108において、位置特定部224は補助撮像装置20の周囲の状況を分析する。具体的には、位置特定部224は、撮像部202のズームレンズのズームを広角側に移動し、又は、撮像部202のレンズとして広角側のレンズを選択し、レンズの絞りを絞った状態で撮像部202に周囲の状況を撮像させる。位置特定部224は、撮像部202が撮像した撮像画像を取得し、これを記憶部212から取得した被写体画像と対比して、当該撮像画像の中に撮像条件に含まれる主要被写体40が含まれるか分析する。
次にS110において、位置特定部224は、撮像部202からの撮像画像の中に撮像条件に含まれる主要被写体40が含まれるか否か判断する。主要被写体40が含まれる場合には、制御部220は処理をS114に進め、含まれない場合には処理をS112に進める。
S112において、制御部220は、移動部204を駆動し、補助撮像装置20を予め定められた経路に沿って予め定められた距離移動する。制御部220は、例えば、図6及び図7の位置Bから位置Cに移動する。制御部220は、移動後に処理をS108に戻す。
ここで、S108〜S112のループ処理において、制御部220は、補助撮像装置20の積算移動距離及び/又は経過時間をカウントする。制御部220は、積算移動距離及び/又は経過時間が閾値以上になった場合、処理を終了し、通信部206を介してその旨を主撮像装置10に通知してよい。
S114において、位置特定部224は、撮像部202の撮像画像に基づいて、取得した撮像条件を満足する、補助撮像装置20の撮像位置を特定する。例えば、位置特定部224は、撮像部202の撮像画像における主要被写体40の位置、及び、撮像画像中の主要被写体40のフォーカス位置のデータを撮像部202から取得し、これらのデータから補助撮像装置20に対する主要被写体40の位置を特定する。
位置特定部224は、センサ208から補助撮像装置20の空間位置データ及び向きを取得し、当該空間位置データ等と特定した主要被写体40の位置から、主要被写体の空間位置を算出する。さらに、位置特定部224は、撮像部202の撮像画像における主要被写体40の画像から、主要被写体40の向き(例えば、主要被写体40である人物の顔の向き)を算出する。
次に、位置特定部224は、撮像条件に含まれる主要被写体40の構図に従って、主要被写体を撮像するための補助撮像装置20の位置を特定する。例えば、位置特定部224は、主要被写体40の空間位置及び主要被写体40の人物の顔の向きから、主要被写体40の人物の顔を正面から大きく撮像するための補助撮像装置20の撮像位置を特定する。位置特定部224により特定される位置は、点、直線、曲線、平面、曲面、空間、又は、これらの組み合わせを表す座標として特定されてよい。
ここで、位置特定部224は、条件取得部222により取得された撮像条件を満足し、かつ逆光にならない撮像位置をさらに特定してもよい。例えば、位置特定部224は、センサ208の光センサから、閾値以上の強度の光を発する光源の位置データを取得する。
位置特定部224は、取得した光源の位置データに基づいて、撮像時に主要被写体40の背後の一定範囲に閾値以上の強度の光を発する光源が配置されることとなる逆光位置を特定する。位置特定部224は、特定した補助撮像装置20の撮像位置から逆光位置を差分して、逆光にならない撮像位置を特定する。逆光にならない撮像位置が存在しない場合は、位置特定部224は、特定した撮像位置から逆光位置を差分しなくてよい。
次に、S116において、制御部220は、移動部204を駆動し、補助撮像装置20を位置特定部224が特定した撮像位置に移動する。S114において、一定範囲を有する撮像位置が特定された場合、制御部220は当該一定範囲のうちいずれの位置と補助撮像装置20の位置が一致した時に、S116を完了してよい。
次に、S118において、制御部220は、撮像部202に、撮像条件に含まれる主要被写体40を撮像条件に含まれる構図で撮像させる。ここで、制御部220は、撮像部202のズームレンズのズームを望遠側に移動し、又は、撮像部202のレンズとして望遠側のレンズを選択することにより、主要被写体40を大きく撮像してよい。
次に、S120において、制御部220は、通信部206を介して、S114で位置特定部224が特定した主要被写体40の撮像位置、及び、S118で撮像部202が撮像した主要被写体40の画像を主撮像装置10に送信する。また、制御部220は、撮像部202が撮像した主要被写体40の画像を記憶部212に格納する。制御部220は、通信部206に撮像位置等を主撮像装置10に送信させた後、補助撮像装置20を撮像位置で待機させる。
次に、S121において、主撮像装置10の制御部120は、通信部106を介して、主要被写体40の撮像位置、及び、主要被写体40の画像を取得する。
次に、S122において、主撮像装置10の制御部120は、表示部112に取得した主要被写体40の画像を表示させる。図5に示すように、制御部120は、センサ114から主撮像装置10の空間位置データを取得し、表示部112に主撮像装置10と撮像位置の位置関係を示す地図を表示してもよい。さらに、制御部120は、図5に示すように、表示部112に補助撮像装置20が撮像した画像を受け入れるか撮像者30に問い合わせる「OK」及び「キャンセル」等のメッセージを表示してよい。
次に、S124において、操作部104は、補助撮像装置20に撮像条件を満足する、主撮像装置10が受信した撮像位置と別の撮像位置を探索させる指示である探索継続指示、又は、補助撮像装置20に撮像位置の探索を終了させる探索終了指示を、撮像者30から入力する。例えば、図5に示すメッセージにおいて、撮像者30が「キャンセル」を選択して操作部104に入力した場合、操作部104は当該入力を当該探索継続指示として入力する。撮像者30が「OK」を選択して操作部104に入力した場合、操作部104は当該入力を当該探索終了指示として入力する。
次に、S126において、制御部120は、操作部104から探索終了指示又は探索継続指示を受信し、通信部106を介してこれを補助撮像装置20に送信する。
次に、S128において、補助撮像装置20の制御部220は、通信部206を介して、主撮像装置10から探索終了指示、又は、探索継続指示を受信する。
次に、S130において、補助撮像装置20の制御部220は、受信した指示が探索継続指示である場合は処理をS112に進め、受信した指示が探索終了指示である場合は処理をS132に進める。
S132において、位置特定部224は、主撮像装置10の現在位置を特定する。具体的には、制御部220は、撮像部202の撮像画像を分析して、撮像画像中の撮像者30の画像の位置及び大きさから主撮像装置10の位置を特定してよい。これに代えて、制御部220は、通信部206を介して、主撮像装置10のセンサ114の位置空間データを取得することにより主撮像装置10の位置を特定してもよい。
次に、S134において、位置特定部224は、主撮像装置10が補助撮像装置20の近くに存在するか判断する。具体的には、位置特定部224は、センサ208から取得した補助撮像装置20の現在位置と、S132で特定した主撮像装置10の現在位置との間の距離が、予め定められた閾値以下(例えば、1m以下)であるか否かを判断する。閾値以下である場合、制御部220は処理をS136に進め、そうでない場合、処理をS132に戻す。
S136において、制御部220は、移動部204を駆動し、補助撮像装置20を予め定められた方向に予め定められた距離移動させる。例えば、制御部220を、補助撮像装置20を撮像者30の現在位置及び主要被写体40の両方から遠ざかる方向に1m移動させる。
次にS140において、状況分析部230は、主撮像装置10の撮像者30による主要被写体40の撮像状況を分析する。一例として、状況分析部230は、撮像位置において主要被写体40を撮像しようとすると逆光となるか否かを分析する。
具体的には、状況分析部230は、S120において記憶部212に最後に格納した主要被写体40の画像を、記憶部212から取得する。例えば、状況分析部230は、取得した画像中に輝度の大きい領域が存在し、主要被写体40部分のダイナミックレンジが低下していないか等を判断することにより、撮像位置において主要被写体40に対する逆光が生じる否かを分析してよい。
別の一例として、状況分析部230は、主撮像装置10と主要被写体40の距離を分析してよい。具体的には、まず、状況分析部230は、移動部204を駆動し、補助撮像装置20を主要被写体40の方向と主撮像装置10の方向の中間の方向に向かせ、さらに撮像部202のズームレンズのズームを広角側に移動し、又は、撮像部202のレンズとして広角側のレンズを選択することにより、主要被写体40及び主撮像装置10の両方が撮像部102の画像に含まれるようする。
状況分析部230は、撮像部202から主撮像装置10及び主要被写体40の撮像画像を取得する。状況分析部230は、取得した撮像画像から撮像者30と主要被写体40の距離を分析する。さらに、状況分析部230は、分析した距離がS106で取得したレンズデータに含まれる撮像部102の最短撮影距離よりも小さいか否か分析する。分析した距離が最短撮影距離よりも小さい場合、状況分析部230は、撮像者30が主要被写体40に近すぎると判断する。
別の一例として、状況分析部230は、主撮像装置10の撮像者30の姿勢を分析してよい。具体的には、状況分析部230は、移動部204を駆動し、補助撮像装置20を主撮像装置10の方向に向かせる。状況分析部230は、撮像部102から主撮像装置10及び撮像者30を撮像した撮像画像を取得する。
状況分析部230は、取得した撮像画像の撮像者30の姿勢を分析し、撮像者30が正しい撮像姿勢をとっているかを判断する。例えば、状況分析部230は、撮像者30の画像中の頭、首、腕、足、及び胴体等の体の各部分同士の距離及び/又は角度等が予め設定された閾値以上であるかを分析し、これらが予め定められた条件を満たすか分析する。一例として、状況分析部230は、撮像者30が主撮像装置10を構える際に脇が開いていないか分析する。状況分析部230は、撮像者30の脇が開いていると判断した場合は、撮像者30の撮像姿勢が正しくないと判断する。
次にS142において、状況分析部230は、通信部206を介して、S140において分析した撮像状況を主撮像装置10に送信する。
次にS144において、主撮像装置10の制御部120は、通信部106を介して、撮像状況を取得する。制御部120は、受信した撮像状況に関する情報を表示部112に表示させてよい。例えば、制御部120は、撮像位置において主要被写体40に対して逆光が生じていること、撮像者30が主要被写体40と近すぎること、及び/又は、撮像者30の撮像姿勢が正しくないこと等の情報を表示部112に表示させる。
次にS146において、主撮像装置10の操作部104は、撮像者30から、補助撮像装置20による補助照明の有無に関する指示を入力する。例えば、制御部120は、表示部112に、「補助撮像装置20にフラッシュ発光させますか?」等のメッセージを表示させ、撮像者30に補助照明の使用又は補助照明の不使用の指示を入力させる。
さらに、主撮像装置10の操作部104は、撮像者30から、補助撮像装置20の照明方向の指示を入力する。例えば、制御部120は、表示部112に、補助撮像装置20の照明方向の候補として「主要被写体40の正面(主撮像装置10の後方)」、「主要被写体40の背面」、「主要被写体40の右側面」、及び、「主要被写体40の左側面」を表示し、撮像者30に1つの照明方向を選択させる。制御部120は、操作部104から入力された補助照明の使用有無の指示及び照明方向の指示を取得する。
次にS148において、制御部120は、通信部106を介して、取得した補助照明の使用有無に関する指示、及び、照明方向の指示を補助撮像装置20に送信する。制御部120は、処理をS150及びS154に進める。
S150において、補助撮像装置20の制御部220が、通信部206を介して、補助照明の使用有無に関する指示及び照明方向の指示を取得する。
次にS152において、S150で制御部220が補助照明の使用の指示を受けた場合、制御部220は処理をS158に進める。S150で制御部220が補助照明の不使用の指示を受けた場合、制御部220は処理を終了する。
S154において、主撮像装置10の操作部104は、撮像者30が例えば操作部104に含まれるシャッターボタンを押したことに応じて、撮像部102に対する撮像指示を入力する。制御部120は、操作部104から入力された撮像指示を取得する。
S156において、制御部120は、通信部106を介して、照明指示を補助撮像装置20に送信する。照明指示は、撮像部102による撮像と照明を同期させるための照明タイミングを含む。制御部120は処理をS158及びS162に進める。
S158において、補助撮像装置20の制御部220は、通信部206を介して、主撮像装置10から照明タイミングを含む照明指示を取得したか判断する。照明指示を取得した場合、制御部220は処理をS160に進め、照明指示を取得していない場合、制御部220はS158を繰り返す。
ここで、状況分析部230は、主撮像装置10から照明指示を取得するまでの間に、S150で取得した照明方向の指示に基づいて、補助撮像装置20を移動させる。例えば、状況分析部230は、移動部204を駆動し、補助撮像装置20を主要被写体40の方向と主撮像装置10の方向の中間の方向に向かせ、さらに撮像部202のズームレンズのズームを広角側に移動し、又は、撮像部202のレンズとして広角側のレンズを選択することにより、主要被写体40及び主撮像装置10の両方が撮像部102の画像に含まれるようする。
状況分析部230は、撮像部202から主撮像装置10及び主要被写体40の撮像画像を取得する。状況分析部230は、取得した撮像画像から撮像者30と主要被写体40の位置関係を分析する。状況分析部230は、分析した撮像者30と主要被写体40の位置関係から、補助撮像装置20が照明方向の指示に係る方向から照明するための補助撮像装置20の照明位置を算出する。状況分析部230は、移動部204を駆動して、補助撮像装置20を当該照明位置に移動する。
次に、S160において、制御部220は、照明指示を受け取ったことに応じて、照明指示に含まれる照明タイミングに従って、照明部210を発光させる。
S162において、制御部120は、撮像部102に予め定められたタイミングで主要被写体40を撮像する。撮像部102が撮像するタイミングは、S156で補助撮像装置20に送信した照射指示に含まれる照明タイミングと一致する。これにより、撮像部102は補助撮像装置20の照明部210による照明と同期して撮像条件に含まれる主要被写体40を撮像する。
このように、本実施形態の撮像システム1によれば、補助撮像装置20が、主撮像装置10の撮像者30から入力された撮像条件を満足する撮像位置を探索する。これにより、撮像者30が自ら撮像条件を満足するロケーションを探す必要がない。
また、補助撮像装置20は、主撮像装置10の主要被写体40の撮像に同期して主要被写体40に照明する。これにより、例えば、主撮像装置10による主要被写体40の撮像が逆光になる場合であっても、主要被写体40を明るく撮像することができる。
図8及び図9で説明した本実施形態の変形例として、S108〜S112において、補助撮像装置20が撮像に適した撮像位置を探索する間、制御部220は、撮像部202から取得したライブビュー画像を、通信部206を介して主撮像装置10に送信してよい。これにより、主撮像装置10は補助撮像装置20の探索状況をリアルタイムで表示部112に表示させることができる。
図8及び図9で説明した本実施形態の別の変形例として、S108〜S112のループ処理において、補助撮像装置20の制御部220は、補助撮像装置20が移動する間に撮像部202に定期的に複数の画像を撮像させてよい。画像処理部228は、当該複数の撮像画像を合成し、複数合成画像を生成し、通信部206を介して主撮像装置10に送信する。これにより、主撮像装置10は、補助撮像装置20の探索状況を一枚の画像で確認することができる。
図8及び図9で説明した本実施形態の別の変形例として、S120において、画像処理部228は、S118で撮像した主要被写体40の画像に、記憶部212に格納された人物の画像を合成し、人物合成画像を生成してよい。制御部220は、当該人物合成画像を通信部206を介して、主撮像装置10に送信する。これにより、主撮像装置10は、主要被写体40と特定の人物とを同時した場合のシミュレーション画像を表示部112に表示することができる。
また、図8及び図9で説明した本実施形態では、撮像条件として特定の対象物を被写体とすること及び特定の構図で撮像することを用いた。これに代えて、本実施形態の別の変形例では、撮像条件として、画像の印象を用いてよい。画像の印象には、例えば、「カラフルな画像」、「鮮やかな画像」、「明るい画像」及び「楽しげな画像」が含まれる。
撮像条件として「カラフルな画像」を用いた場合、S110において、位置特定部224は、撮像部202からの撮像画像の彩度が閾値以上な否かを分析してよい。撮像条件として「鮮やかな画像」を用いた場合、S110において、位置特定部224は、撮像部202からの撮像画像のコントラストが閾値以上な否かを分析してよい。撮像条件として「明るい画像」を用いた場合、S110において、位置特定部224は、撮像部202からの撮像画像の輝度が閾値以上な否かを分析してよい。また、撮像条件として「楽しげな画像」を用いた場合、S110において、位置特定部224は、撮像部202からの撮像画像の中に人物の笑顔が含まれている否かを分析してよい。
図10に、本実施形態の補助撮像装置20の変形例を示す。本変形例における補助撮像装置22は自走車両である。本変形例において、移動部204は、車輪を回転させるモータを駆動するための駆動回路を有する。
本発明の実施形態において、制御部120は、主撮像装置10のコンピュータにインストールされたプログラムにより実現されてよい。当該コンピュータを主撮像装置10として機能させるプログラムは、制御モジュールを備える。また、本発明の実施形態において、制御部220、条件取得部222、位置特定部224、距離測定部226、画像処理部228、及び、状況分析部230は、補助撮像装置20のコンピュータにインストールされたプログラムにより実現されてよい。
当該コンピュータを補助撮像装置20として機能させるプログラムは、制御モジュールと、条件取得モジュールと、位置特定モジュールと、距離測定モジュールと、状況分析モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、当該コンピュータのCPU等に働きかけて、コンピュータを、制御部120、制御部220、条件取得部222、位置特定部224、距離測定部226、画像処理部228、及び、状況分析部230としてそれぞれ機能させてよい。
これらのプログラムに記述された情報処理は、メインメモリ又はハードディスク等により実現される記憶部116、記憶部212、又はその他の記憶装置からコンピュータに読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である制御部120、制御部220、条件取得部222、位置特定部224、距離測定部226、画像処理部228、及び、状況分析部230として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の主撮像装置10及び補助撮像装置20等が構築される。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。