JP5971353B2 - 車両の電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者による操舵ハンドル操作をアシストする所定のアシスト力を付与する電動モータを備えた車両の電動パワーステアリング装置に関し、特に、電動モータを含んで構成されて電動モータを電磁的に駆動させる複数のアシスト系統を備えた車両の電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示された多相回転機の制御装置、及び、これを用いた電動パワーステアリング装置は知られている。この従来の多相回転機の制御装置では、制御部が、第1インバータ部を構成する複数のMOS、及び、第2インバータ部を構成する複数のMOSのうちのいずれか1つがオン故障することで第1インバータ部又は第2インバータ部のいずれかの系統にショート故障が発生した場合、故障した系統の全てのMOSをオフ状態とし、故障した系統によるモータの駆動を停止するようになっている。そして、制御部は、故障した系統において生じるブレーキトルクを打ち消す、又は、モータの駆動への影響を低減するように、故障していない系統のMOSを制御するようになっている。
特開2011−78230号公報
ところで、上記従来の装置のように、複数のインバータ部(アシスト系統)を有する場合において、複数のインバータ部(アシスト系統)のうちの1つに故障が発生すると、電動モータを駆動させて発生させるトルク(アシスト力)が、正常時に比して低下する可能性がある。そして、このように電動モータが発生するトルク(アシスト力)が低下する状況において、特に、車両が停止しているときに転舵輪を転舵させる場合には、電動モータにより大きな負荷が生じるために、電動モータや駆動回路(インバータ)が発熱して高温になり易くなる。この場合、過熱を防止するために電動モータが駆動により付与するトルク(アシスト力)の大きさが制限されて更に低下する場合がある。
そして、この状況から、特に、車両が走行を開始した直後においては、未だ、電動モータが高温となっており、トルク(アシスト力)の制限が継続されている可能性がある。この場合、運転者が操舵ハンドルを操作して転舵輪を転舵させるときには、通常に比してトルク(アシスト力)が不足しており、このトルク(アシスト力)の不足に起因する違和感を覚える可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的の一つは、複数のアシスト系統のうちで故障の発生したアシスト系統が存在する状況下でアシストを継続する場合に、運転者がアシスト力の変動に伴う違和感を覚え難い車両の電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明による車両の電動パワーステアリング装置は、電動モータと、複数のアシスト系統と、アシスト制御手段とを備えている。前記電動モータは、運転者による操舵ハンドル操作をアシストする所定のアシスト力を付与するものであり、少なくとも一つ設けられるものである。前記複数のアシスト系統は、前記電動モータを含んで構成されて前記電動モータを電磁的に駆動させるものである。ここで、前記複数のアシスト系統としては、具体的に、一つの電動モータに設けられた複数の巻線組と、この複数の巻線組のそれぞれに接続された駆動回路を含んで構成されるものである。前記アシスト制御手段は、操舵ハンドルを介して前記運転者によって入力される操作力を用いて前記所定のアシスト力を表すアシスト量を演算し、前記演算したアシスト量に基づき、前記複数のアシスト系統のうちの少なくとも一つのアシスト系統を用いて前記操舵ハンドル操作のアシストを制御するものである。
本発明による車両の電動パワーステアリング装置の特徴の一つは、前記アシスト制御手段が、前記複数のアシスト系統のうちで少なくとも一つ故障の発生したアシスト系統が存在する場合、車両の停車時に前記電動モータが付与する最大アシスト力を表す停車時の最大アシスト量の大きさを車両の走行時に前記電動モータが付与する最大アシスト力を表す走行時の最大アシスト量の大きさに比して低下させて、車両の停車時におけるアシスト量又は車両の走行時におけるアシスト量を演算し、前記車両の停車時におけるアシスト量又は前記車両の走行時におけるアシスト量に基づき、前記複数のアシスト系統のうちで前記故障の発生したアシスト系統を除く非故障系統を用いて前記操舵ハンドル操作のアシストを制御することにある。
尚、この場合、前記アシスト制御手段が、前記複数のアシスト系統のうちで少なくとも一つ故障の発生したアシスト系統が存在するか否かを判定する故障発生判定手段と、前記故障判定手段による判定結果に基づき、前記複数のアシスト系統のうちで少なくとも一つ故障の発生したアシスト系統が存在する場合、車両の停車時に前記電動モータが付与する最大アシスト力を表す停車時の最大アシスト量の大きさを車両の走行時に前記電動モータが付与する最大アシスト力を表す走行時の最大アシスト量の大きさに比して低下させて、車両の停車時におけるアシスト量又は車両の走行時におけるアシスト量を演算するアシスト量演算手段とを備えることが可能である。
又、この場合、車両の電動パワーステアリング装置が、前記操舵ハンドルを介して前記運転者によって入力される操作力を検出する操作力検出手段を備えており、前記アシスト制御手段は、前記操作力検出手段によって検出された前記操作力を用いて前記アシスト量を演算することも可能である。更に、この場合、車両の電動パワーステアリング装置が、車両の車速を検出する車速検出手段を備えており、前記アシスト制御手段は、前記車速検出手段によって検出された前記車速を用いて車両が停車しているか走行しているかを判定し、車両の停車時におけるアシスト量又は車両の走行時におけるアシスト量を演算することも可能である。ここで、車両の停車時には、車両の車速が「0」である場合や、或いは、極小さな車速により移動している場合が含まれる。
これらの場合、前記走行時の最大アシスト量の大きさを、前記非故障系統に含まれる前記電動モータが発生可能なアシスト力の上限を表すアシスト量の大きさ以下に設定することができる。
又、車両の停車時において、電動モータが駆動することに伴う発熱量を効果的に低減することができるため、過熱を防止するためのアシスト力(アシスト量)の制限が緩和される。これにより、運転者がその後に車両の走行を開始する場合であっても、過熱防止の観点から行われるアシスト力(アシスト量)の制限が小さく、走行開始直後に操舵ハンドルの操作を行った場合にも適切な大きさのアシスト量(アシスト力)を非故障系統を用いて付与することができる。従って、運転者は、アシスト量(アシスト力)の不足に起因する違和感を覚え難くなる。
又、本発明による車両の電動パワーステアリング装置の他の特徴は、前記アシスト制御手段が、前記複数のアシスト系統のうちの少なくとも前記非故障系統における前記電動モータの駆動に起因して発熱する部位にて取得される取得温度が予め設定された設定温度を超えたときに、前記取得温度の上昇に伴って前記停車時の最大アシスト量の大きさ及び前記走行時の最大アシスト量の大きさを減少させて、前記車両の停車時におけるアシスト量又は前記車両の走行時におけるアシスト量を演算することにもある。尚、この場合、前記アシスト制御手段が、前記電動モータの駆動に起因して発熱する部位における温度を検出又は推定により取得する温度取得手段を備えており、前記温度取得手段によって前記複数のアシスト系統のうちの少なくとも前記非故障系統における前記電動モータの駆動に起因して発熱する部位にて取得される取得温度を用いて、前記取得温度が予め設定された設定温度を超えたときに、前記取得温度の上昇に伴って前記停車時の最大アシスト量の大きさ及び前記走行時の最大アシスト量の大きさを減少させて、前記車両の停車時におけるアシスト量又は前記車両の走行時におけるアシスト量を演算することも可能である。
この場合、前記アシスト制御手段は、前記取得温度が、前記停車時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度未満のときに限り、前記停車時の最大アシスト量の大きさ及び前記走行時の最大アシスト量の大きさを同値とすることができ、この場合、より具体的に、前記停車時の最大アシスト量の大きさ及び前記走行時の最大アシスト量の大きさを、前記非故障系統に含まれる前記電動モータが発生可能なアシスト力の上限を表すアシスト量の大きさに設定することができる。
又、この場合、前記停車時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度を、前記走行時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度未満に設定することができ、この場合、より具体的には、前記走行時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度を、前記電動モータの駆動に起因して発熱する部位における発熱量と放熱量との収支に基づき、前記車両の停車時における前記運転者による前記操舵ハンドルの操作によって前記取得温度が所定の目標時間内に到達しない温度に設定することができる。
これらによれば、検出又は推定によって取得された取得温度の上昇に応じて、適切に停車時の最大アシスト量の大きさ及び走行時の最大アシスト量の大きさを減少させて、車両の停車時におけるアシスト量又は車両の走行時におけるアシスト量を演算することができる。従って、仮に、電動モータの駆動に起因して発熱する部位が過熱する傾向にある場合であっても、この過熱による非故障系統の作動への影響を未然に防止することができる。又、過熱を未然に防止することができるため、別途放熱手段を設ける必要がない。
又、取得温度が、停車時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度未満のときに限り、停車時の最大アシスト量の大きさ及び走行時の最大アシスト量の大きさを同値、具体的には、非故障系統に含まれる電動モータが発生可能なアシスト力の上限を表すアシスト量の大きさに設定することができる。これにより、例えば、電動モータにおける取得温度が設定温度未満の低温である場合には、停車時における運転者の操舵ハンドル操作に対してより大きなアシスト量(アシスト力)を付与することができる。これにより、運転者は、例えば、電動モータにおける取得温度が低温である据切りの開始直後において、極めて容易に操舵ハンドルを操作することができる。尚、取得温度が、停車時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度以上になったときには、上述したように、走行時の最大アシスト量の大きさに比して停車時の最大アシスト量の大きさを低下させることは言うまでもない。
更に、停車時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度を、電動モータの駆動に起因して発熱する部位における発熱量と放熱量との収支に基づいて取得温度が所定の目標時間内に到達しないように設定される走行時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度未満に設定することができる。これにより、例えば、運転者が据切りを行うことにより電動モータの発熱量が大きくなって取得温度が上昇する傾向にあっても、取得温度が走行時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度に到達することはない。
これにより、運転者がその後に車両の走行を開始する場合であっても、走行時の最大アシスト量の大きさは減少しない(制限されない)ため、走行開始直後に操舵ハンドルの操作を行った場合にも適切な大きさのアシスト量(アシスト力)を非故障系統を用いて付与することができる。従って、運転者は、アシスト量(アシスト力)の不足に起因する違和感を覚え難くなる。
図1は、本発明の各実施形態に共通の電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図である。 図2は、図1のEPSモータの構成を示す概略図である。 図3は、図1の第1駆動回路及び第2駆動回路を概略的に示す回路図である。 図4は、本発明の各実施形態に係り、図1の電子制御ユニットにより実行されるコンピュータプログラム処理(アシスト制御)を機能的に表す機能ブロック図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係り、図4の正常時アシスト量演算部が参照する操舵トルク値とアシスト量との関係を表す正常時アシスト量マップを示すグラフである。 図6は、本発明の第1実施形態に係り、EPSモータの温度と制限値(最大アシスト量)との関係を示すグラフである。 図7は、停車時と走行時の制限値(最大アシスト量)を同一とした場合において、時間経過に伴うEPSモータの温度変化及び制限値(最大アシスト量)の変化(低下)の関係を説明するためのタイムチャートである。 図8は、本発明の第1実施形態に係り、図4の故障時アシスト量演算部が参照する操舵トルク値とアシスト量との関係を表す故障時アシスト量マップを示すグラフである。 図9は、本発明の第1実施形態に係り、停車時の制限値(最大アシスト量)を走行時の制限値(最大アシスト量)よりも小さく設定した場合において、時間経過に伴うEPSモータの温度変化及び制限値(最大アシスト量)の変化(低下)の関係を説明するためのタイムチャートである。 図10は、本発明の第1実施形態の第1変形例に係り、図4の正常時アシスト量演算部及び故障時アシスト量演算部が参照する操舵トルク値とアシスト量との関係を表すアシスト量マップを示すグラフである。 図11は、本発明の第1実施形態の第2変形例に係り、図4の正常時アシスト量演算部及び故障時アシスト量演算部が参照する操舵トルク値とアシスト量との関係を表すアシスト量マップを示すグラフである。 図12は、本発明の第2実施形態に係り、図4の故障時アシスト量演算部が参照する操舵トルク値とアシスト量との関係を表す故障時アシスト量マップを示すグラフである。 図13は、本発明の第2実施形態に係り、EPSモータの温度と制限値(最大アシスト量)との関係を示すグラフである。 図14は、本発明の第2実施形態に係り、EPSモータが低温であるときに停車時と走行時の制限値(最大アシスト量)を同一とした場合において、時間経過に伴うEPSモータの温度変化及び制限値(最大アシスト量)の変化(低下)の関係を説明するためのタイムチャートである。 図15は、本発明の第2実施形態の変形例に係り、図4の故障時アシスト量演算部が参照する操舵トルク値とアシスト量との関係を表すアシスト量マップを示すグラフである。 図16は、本発明の変形例に係り、図1の電子制御ユニットにより実行されるコンピュータプログラム処理(アシスト制御)を機能的に表す機能ブロック図である。 図17は、図16のリミッタ部が参照する車速と制限値(最大アシスト量)との関係を示すグラフである。 図18は、図16のリミッタ部が参照する車速と制限値(最大アシスト量)とがヒステリシスを有する関係を示すグラフである。 図19は、図16のリミッタ部が参照するEPSモータの温度と制限値(最大アシスト量)との関係を示すグラフである。
a.第1実施形態
以下、本発明の実施形態に係る車両の電動パワーステアリング装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の各実施形態に共通する電動パワーステアリング装置10を概略的に示している。
この電動パワーステアリング装置10は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵させるために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、ステアリングシャフト12の上端に固定されており、ステアリングシャフト12の下端は、転舵ギアユニットUに接続されている。
転舵ギアユニットUは、例えば、ラックアンドピニオン式を採用したギアユニットであり、ステアリングシャフト12の下端に一体的に組み付けられたピニオンギア13の回転がラックバー14に伝達されるようになっている。又、転舵ギアユニットUには、運転者によって操舵ハンドル11に入力される操作力、より具体的には、操舵ハンドル11の回動操作に伴ってステアリングシャフト12に入力される操舵トルクを軽減して回動操作をアシストするための電動モータ15(以下、この電動モータをEPSモータ15と称呼する。)が設けられている。そして、本実施形態においては、EPSモータ15が操作力(操舵トルク)を軽減するために発生するアシスト力(より具体的には、アシストトルク)がラックバー14に伝達されるようになっている。
ここで、電動パワーステアリング装置10に採用されるEPSモータ15は、三相DCブラシレスモータであり、複数のアシスト系統、具体的に、本実施形態においては2系統のアシスト系統によって駆動されるようになっている。すなわち、本実施形態のEPSモータ15は、図2に示すように、例えば、永久磁石からなるロータを収容するステータ側に組み付けられる巻線組が2つに分割されて、第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’)と第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’)とを備えている。そして、EPSモータ15においては、第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’)及び第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’)のそれぞれに対して後述する電気制御回路20の第1駆動回路25及び第2駆動回路26(インバータ回路)が接続されるようになっている。従って、本実施形態において、EPSモータ15を含んで構成される複数のアシスト系統は、第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’)及び第1駆動回路25からなる第1アシスト系統と、第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’)及び第2駆動回路26からなる第2アシスト系統とから形成されるものであり、2系統のアシスト系統となる。
次に、上述したEPSモータ15の作動を制御する電気制御装置20について説明する。電気制御装置20は、図1に示すように、車速センサ21、温度センサ22及び操舵トルクセンサ23を備えている。車速センサ21は、車両の車速Vを検出し、この検出した車速Vに応じた信号を出力する。尚、車速Vについては、例えば、外部との通信を介して取得することも可能である。温度センサ22は、少なくともEPSモータ15の作動に伴って温度変化が生じる部位に設けられるものであり、本実施形態においては、図1に示すように、EPSモータ15に設けられて同モータ15の作動に伴う発熱による温度Hを検出し、この検出した温度Hに応じた信号を出力する。尚、温度Hについては、直接検出することに代えて、各種物理量を用いた推定により取得することも可能である。
操舵トルクセンサ23は、ステアリングシャフト12に組み付けられていて、運転者が操舵ハンドル11を回動操作してステアリングシャフト12に入力する操舵トルクTを検出し、この検出した操舵トルクTに応じた信号を出力する。尚、操舵トルクセンサ23は、操舵ハンドル11が右方向に回動操作されたときの操舵トルクTを正の値として出力し、操舵ハンドル11が左方向に回動操作されたときの操舵トルクTを負の値として出力する。
ここで、本実施形態においては、操舵トルクセンサ23として、2組のレゾルバセンサを採用して実施する。尚、レゾルバセンサは、広く知られているように、トーションバーとともに回転するレゾルバロータと、レゾルバロータと向い合って車体側に固定されるレゾルバステータとを備え、レゾルバロータ又はレゾルバステータの一方に励磁コイルである1次巻線が設けられ、他方に検出コイルである一対の2次巻線がπ/2だけ位相をずらして設けられる。そして、1次巻線をSIN相信号により励磁することにより、2次巻線が回転角度に応じた2種類の誘起電圧信号としてSIN相信号とCOS相信号を出力する。従って、レゾルバセンサを用いた操舵トルクセンサ23は、これらSIN相出力信号とCOS相出力信号の振幅比を求めることによって回転角位置を所定の検出周期により検出し、この回転角位置に対応する信号を操舵トルクTに応じた信号として出力する。
又、電気制御装置20は、EPSモータ15の作動を制御する電子制御ユニット24を備えている。電子制御ユニット24は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものであり、EPSモータ15の作動を制御する。このため、電子制御ユニット24の入力側には少なくとも上記各センサ21〜23が接続されており、電子制御ユニット24は、これら各センサ21〜23によって検出された各検出値を用いて、後述するように、EPSモータ15の駆動を制御する。一方、電子制御ユニット24の出力側には、EPSモータ15を駆動させるための第1駆動回路25及び第2駆動回路26が接続されている。
第1駆動回路25は、図3に示すように、インバータ回路部25aとリレー回路部25bとから構成される。インバータ回路部25aは、バッテリ(電源)B及び平滑リアクトルSから電源リレーRd1を介して、又は、キャパシタC1から供給される直流電流を三相の交流電流に変換する三相インバータ回路を構成するものである。そして、インバータ回路部25aは、スター結線(Y結線)されたEPSモータ15の第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’)にそれぞれ対応したスイッチング素子SW111,SW112,SW121,SW122,SW131,SW132を有している。
スイッチング素子SW111,SW112,SW121,SW122,SW131,SW132は、それぞれ、スイッチング素子SW111,SW121,SW131がHigh側(高電位側)、スイッチング素子SW112,SW122,SW132がLo側(低電位側)に対応するとともにEPSモータ15の3つの相であるU相、V相、W相にそれぞれ対応し、例えば、MOSFETにより構成される。又、インバータ回路部25aには、EPSモータ15に流れる電流を検出する電流センサ(シャント抵抗)J11,J12,J13が各相に設けられる。
リレー回路部25bは、図3に示すように、EPSモータ15のU相、V相、W相(具体的には、第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’))にそれぞれ対応した相開放リレーR11,R12,R13を有している。相開放リレーR11,R12,R13は、それぞれ、インバータ回路部25aとEPSモータ15のU相、V相、W相(具体的には、第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’))との間の通電を許容又は遮断するメカリレーである。尚、相開放リレーR11,R12,R13としては、メカリレーに限定されるものではなく、例えば、半導体リレーを採用することも可能である。
第2駆動回路26は、図3に示すように、インバータ回路部26aとリレー回路部26bとから構成される。インバータ回路部26aは、バッテリ(電源)B及び平滑リアクトルSから電源リレーRd2を介して、又は、キャパシタC2から供給される直流電流を三相の交流電流に変換する三相インバータ回路を構成するものである。そして、インバータ回路部26aは、スター結線(Y結線)されたEPSモータ15の第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’)にそれぞれ対応したスイッチング素子SW211,SW212,SW221,SW222,SW231,SW232を有している。
スイッチング素子SW211,SW212,SW221,SW222,SW231,SW232は、それぞれ、スイッチング素子SW211,SW221,SW231がHigh側(高電位側)、スイッチング素子SW212,SW222,SW232がLo側(低電位側)に対応するとともにEPSモータ15の3つの相であるU相、V相、W相にそれぞれ対応し、例えば、MOSFETにより構成される。又、インバータ回路部26aには、EPSモータ15に流れる電流を検出する電流センサ(シャント抵抗)J21,J22,J23が各相に設けられる。
リレー回路部26bは、図3に示すように、EPSモータ15のU相、V相、W相(具体的には、第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’))にそれぞれ対応した相開放リレーR21,R22,R23を有している。相開放リレーR21,R22,R23は、それぞれ、インバータ回路部26aとEPSモータ15のU相、V相、W相(具体的には、第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’))との間の通電を許容又は遮断するメカリレーである。尚、相開放リレーR21,R22,R23としては、メカリレーに限定されるものではなく、例えば、半導体リレーを採用することも可能である。
このように構成される第1駆動回路25及び第2駆動回路26においては、電子制御ユニット24からの信号により、インバータ回路部25a及びインバータ回路部26aがオン・オフ制御されるとともにリレー回路部25b及びリレー回路部26bが切替制御される。これにより、電子制御ユニット24が、例えば、リレー回路部25bを構成する相開放リレーR11,R12,R13及びリレー回路部26bを構成する相開放リレーR21,R22,R23を通電を許容する状態(閉状態)に切り替え、インバータ回路部25aのスイッチング素子SW111,SW112,SW121,SW122,SW131,SW132及びインバータ回路部26aのスイッチング素子SW211,SW212,SW221,SW222,SW231,SW232のパルス幅を制御(PWM制御)することにより、バッテリB又はキャパシタC1,C2からEPSモータ15に対して三相の駆動電流を供給するようになっている。
一方、電子制御ユニット24が、リレー回路部25bを構成する相開放リレーR11,R12,R13及びリレー回路部26bを構成する相開放リレーR21,R22,R23のうちのいずれかの相開放リレーを通電を遮断する状態(開状態)に切り替えることにより、開状態に切り替えられた相開放リレー以外の閉状態にある相開放リレーを介してEPSモータ15に対して駆動電流を供給するようになっている。更に、電子制御ユニット24が、インバータ回路部25aのスイッチング素子SW111,SW112,SW121,SW122,SW131,SW132及びインバータ回路部26aのスイッチング素子SW211,SW212,SW221,SW222,SW231,SW232を全てオフ(開状態)に制御することにより、リレー回路部25bの相開放リレーR11,R12,R13及びリレー回路部26bの相開放リレーR21,R22,R23の切替状態に関わらず、EPSモータ15に対して駆動電流を供給しないようになっている。
次に、上記のように構成した電動パワーステアリング装置10の作動について説明する。電動パワーステアリング装置10においては、上記のように構成された電気制御装置20(より詳しくは、電子制御ユニット24)によってEPSモータ15が駆動制御されて、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に伴う負担を軽減する。以下、電気制御装置20によるEPSモータ15の駆動制御、すなわち、アシスト制御について、電子制御ユニット24内にてコンピュータプログラム処理により実現される機能を表す図4の機能ブロック図を用いて説明する。
電子制御ユニット24は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して、EPSモータ15の駆動を制御して適切なアシスト力(アシストトルク)を付与する。そして、電子制御ユニット24は、第1アシスト系統又は第2アシスト系統が故障した場合であっても、故障していない非故障系統を利用し、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対してアシスト力(アシストトルク)を継続して付与する。このため、電子制御ユニット24は、図4に示すように、第1アシスト系統又は第2アシスト系統の故障発生の有無に応じて適切なアシスト力(アシストトルク)を表すアシスト量を演算し、EPSモータ15を駆動制御するアシスト制御部30を備えている。
アシスト制御部30は、車速演算部31、温度演算部32及びトルク値演算部33を備えている。車速演算部31は、車速センサ21から出力された車速Vに応じた信号を入力し、車速Vを演算する。温度演算部32は、温度センサ22から出力された温度Hに応じた信号を入力し、温度Hを演算する。トルク値演算部33は、操舵トルクセンサ23から出力された操舵トルク値Tに応じた信号を入力し、操舵トルク値Tを演算する。そして、これら車速演算部31、温度演算部32及びトルク値演算部33は、それぞれ、演算した車速V、温度H、操舵トルク値Tを正常時アシスト量演算部34及び故障時アシスト量演算部35に出力する。
正常時アシスト量演算部34は、第1アシスト系統及び第2アシスト系統のいずれにも故障が発生していない、言い換えれば、第1アシスト系統及び第2アシスト系統を介してEPSモータ15を正常に駆動させることができるときのアシスト量Tnを演算するものである。このため、正常時アシスト量演算部34は、少なくとも、車速演算部31から出力された車速Vとトルク値演算部33から出力された操舵トルク値Tとを用いて、図5に示すように予め設定されている正常時アシスト量マップ(第3象限は原点対称)を参照して、入力した操舵トルク値Tに対応するアシスト量Tnを演算する。
尚、正常時アシスト量演算部34が参照する図5に示した正常時アシスト量マップは、代表的な車速Vごとに設定されており、走行している車両の車速Vの増大に伴ってアシスト量Tnが相対的に小さくなり、車速Vの減少に伴ってアシスト量Tnが相対的に大きくなるように設定されている。従って、正常時アシスト量演算部34が、図5に示した正常時アシスト量マップを参照してアシスト量Tnを演算することに代えて、例えば、正常時におけるアシスト量Tnを操舵トルク値T及び車速Vの関数として表しておき、この関数を用いてアシスト量Tnを演算するように実施することも可能である。
ところで、電動パワーステアリング装置10には、EPSモータ15や各種半導体素子からなる第1駆動回路25及び第2駆動回路26の過熱を防止する機能が設けられるようになっている。具体的に、例えば、EPSモータ15は、発生するアシスト力(アシストトルク)に比して負荷が大きくなるほど、言い換えれば、アシスト量が大きくなるほど発熱する傾向を有する。このため、通常、EPSモータ15が付与可能な最大アシスト量は、温度によって変化する制限値により制限されるようになっている。尚、この場合、第1駆動回路25のインバータ回路部25a及び第2駆動回路26のインバータ回路部26aも発熱するため、EPSモータ15の温度に基づくことに代えて、又は、加えて、インバータ回路部25a,26aの温度によって変化する制限値により制限することも可能である。
より詳しくは、電動パワーステアリング装置10には、温度センサ22及び温度演算部32によって検出される(取得される)EPSモータ15の温度H(取得温度H)が、図6に示すように、EPSモータ15を作動させることが可能な上限温度Hmaxよりも低い温度に設定された第1設定温度H1を超えると、制限値を徐々に低下すなわち最大アシスト量を徐々に低下させて過熱を防止する機能が設けられる。従って、正常時アシスト量演算部34は、温度演算部32から出力されたEPSモータ15の温度Hに応じて制限値すなわち最大アシスト量を適宜変更し、アシスト量Tnを演算する。
ここで、電子制御ユニット24は、第1アシスト系統(第2アシスト系統)に故障が発生した場合には、第2アシスト系統(第1アシスト系統)を用いてEPSモータ15を駆動させてアシスト制御を継続する。この場合、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して1つのアシスト系統(1系統)によって駆動させるため、EPSモータ15によって発生可能なトルクは2系統により駆動させる正常時(通常時)に比して低下する。このため、正常時アシスト量演算部34によって演算されたアシスト量Tnを発生しようとすれば、EPSモータ15に対する負荷が正常時に比して大きくなる。その結果、EPSモータ15の発熱量が増大して温度Hが第1設定温度H1以上に到達し易くなり、制限値すなわち最大アシスト量が制限されてEPSモータ15が発生し得るトルクはより低下する。
特に、このような1系統によるEPSモータ15の駆動制御時において、言い換えれば、故障発生時において、例えば、運転者が長時間に渡り、車両を停車した状態で転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵させる、所謂、据切りを行うと、EPSモータ15の発熱量が大きくて温度Hが第1設定温度H1未満まで下がり難くなる状況か生じ得る。そして、この状況から走行を開始した直後においては、EPSモータ15が付与する最大アシスト量が引き続き大幅に制限されている可能性が高く、操舵ハンドル11の回動操作に際して運転者が違和感を覚える場合がある。以下、運転者が覚える違和感を図7を用いて具体的に説明する。
本実施形態のように、電動パワーステアリング装置10が第1アシスト系統及び第2アシスト系統を有する場合、これらの系統の何れか一方に故障が発生すると、EPSモータ15が付与し得るアシスト力すなわちアシスト量が、例えば、半分程度にまで低下する可能性がある。今、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生したときにおいて、図7に示すように、非故障系統によりEPSモータ15が発生し得るアシストトルクの故障時の上限、言い換えれば、制限値(最大アシスト量)が車両の停車中又は走行中にかかわらず同一に設定される場合を想定する。この場合、停車中の車両において運転者が据切りを行うと、例えば、正常時アシスト量演算部34によって演算されたアシスト量Tnが故障時の上限よりも大きい可能性があり、EPSモータ15は、アシスト量Tnを付与しようと故障時の上限に一致するアシスト量(アシスト力)を継続して発生させるように駆動する。
ところで、このように車両が停車した状態で据切りする場合には、故障時の上限と一致するまでアシスト量(アシスト力)を付与する際のEPSモータ15に対する負荷が大きいため、図7に示すように、温度Hが第1設定温度H1まで急速に上昇する。そして、温度Hが第1設定温度H1を超えると、上述したように、EPSモータ15等の過熱を防止する観点から、温度Hの上昇に応じて制限値すなわち最大アシスト量が制限される。従って、運転者が車両を停車させて据切りを継続している状態では、EPSモータ15の温度Hが上昇することに伴い、制限値すなわち最大アシスト量が大幅に低下する。そして、この状態では、EPSモータ15によって実際に付与されるアシスト量(アシスト力)の低下に伴って、運転者は操舵ハンドル11を介して大きな操舵トルクTをステアリングシャフト12に入力して左右前輪FW1,FW2を転舵させる必要がある。
この状態から、車両が走行を開始すると、転舵輪である左右前輪FW1,FW2と路面との間の摩擦抵抗が小さくなることによってEPSモータ15の負荷が小さくなるとともに走行に伴う走行風によって、図7に示すように、EPSモータ15の温度Hが低下し始める。しかしながら、走行開始直後においては、図7に示すように、上述したように停車時に据切りを継続した結果、EPSモータ15の温度Hは第1設定温度H1を大幅に超えており、制限値(最大アシスト量)が大幅に制限された状態にある。すなわち、運転者が据切りして走行を開始した直後においては、EPSモータ15は未だ小さい制限値(最大アシスト量)となるように制限された状態であるためにアシスト量が不足しており、運転者は正常時(通常時)に車両を走行させたときに知覚する操舵ハンドル11の操舵感覚に比して重たい操舵感覚を知覚し、この操舵感覚の違いに違和感を覚える。
そこで、特に、第1アシスト系統又は第2アシスト系統の故障時に運転者によって知覚されやすい上記違和感を抑制するために、故障時アシスト量演算部35は、故障発生時において、車両が走行しているときの制限値である最大アシスト量(故障時の上限)に比して車両が停車しているときの制限値である最大アシスト量を低下させてアシスト量Tfを演算する。このため、故障時アシスト量演算部35も、正常時アシスト量演算部34と同様に、少なくとも、車速演算部31から出力された車速Vとトルク値演算部33から出力された操舵トルク値Tとを用い、図8に示すように、予め設定されている故障時アシスト量マップ(第3象限は原点対称)を参照して、運転者が入力した操舵トルク値Tに対応するアシスト量Tfを演算する。
故障時アシスト量マップは、実線により示すように車両が停車しているときのアシスト量Tfを演算する停車時特性と、破線により示すように車両が走行しているときのアシスト量Tfを演算する走行時特性とから構成される。そして、故障時アシスト量マップは、図8に示すように、停車時特性における最大アシスト量が走行時特性における最大アシスト量(すなわち、故障時の上限)よりも小さく設定されている。尚、車両が停車中であるか否かは、故障時アシスト量演算部35が、例えば、車速演算部31から出力された車速Vの大きさに基づき、車速Vが「0」であるときに車両が停車中であると判定したり、或いは、予め設定された車速以下となる極低速であるときに車両が停車中であると判定したりすることができる。
又、図8に示した故障時アシスト量マップの走行時特性に関しても、正常時アシスト量マップと同様に、代表的な車速Vごとに設定することが可能であり、走行している車両の車速Vの増大に伴ってアシスト量Tfが相対的に小さくなり、車速Vの減少に伴ってアシスト量Tfが相対的に大きくなるように設定される。従って、故障時アシスト量演算部35も、図8に示した故障時アシスト量マップの走行時特性を参照して走行時におけるアシスト量Tfを演算することに代えて、例えば、走行時特性におけるアシスト量Tfを操舵トルク値T及び車速Vの関数として表しておき、この関数を用いて走行時におけるアシスト量Tfを演算するように実施することも可能である。
そして、このように、車両が停車中であるか走行中であるかに合わせてアシスト量Tfを演算することにより、仮に第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生した場合であっても、上述したように、運転者によって知覚されるアシスト量の不足に起因する違和感を抑制することができる。以下、このことを図9を用いて具体的に説明する。ここで、故障時アシスト量演算部35も、温度演算部32から出力されたEPSモータ15の温度Hに応じて制限値を適宜変更し、アシスト量Tfを演算する。
上述したように、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生すると、故障が発生していない正常時に比して、故障時の上限が低下することに伴ってEPSモータ15が付与する(発生する)アシスト量(アシスト力)は低下する。ここで、故障時アシスト量演算部35は、車両が停車中であるときには故障時の上限よりも小さな制限値(最大アシスト量)となるように設定された停車時特性に基づいてアシスト量Tfを演算し、車両が走行中であるときには故障時の上限と一致する制限値(最大アシスト量)となるように設定された走行時特性に基づいてアシスト量Tfを演算する。従って、EPSモータ15は、車両が停車中であるときには故障時の上限よりも小さくなるように制限されたアシスト量Tfを付与し(発生し)、車両が走行中であるときには、故障時の上限と一致するまでアシスト量Tfを付与(発生)することができる。
これにより、図9に示すように、運転者が車両を停車した状態で据切りをする場合には、故障時の上限よりも小さくなるように制限値(最大アシスト量)が制限されるため、アシスト量Tfを付与(発生)する際のEPSモータ15に対する負荷が小さくなる。その結果、図9に示すように、前記図7の場合に比して温度Hの上昇が緩和され、据切りがある程度継続されていても、温度Hが第1設定温度H1を超え難くなる。すなわち、EPSモータ15等の過熱が効果的に抑制される。又、温度Hの上昇が緩和されるため、図9に示すように、温度Hの上昇に応じた制限値(最大アシスト量)の低下が抑制される。尚、この状態では、運転者は、据切りを行なっている間、操舵ハンドル11を介してほぼ一定の大きさの操舵トルクTをステアリングシャフト12に入力して、左右前輪FW1,FW2を転舵させる。
この状態から、車両が走行を開始すると、故障時アシスト量演算部35は、停車時特性に基づいてアシスト量Tfを演算することから切り替えて、走行時特性に基づいてアシスト量Tfを演算する。ここで、停車時に据切りを継続すると、図9に示すように、EPSモータ15の温度Hが第1設定温度H1を超える場合がある。しかしながら、上述したように、EPSモータ15への負荷を軽減して発熱を効果的に抑えているため、温度Hと第1設定温度H1との温度差を小さくすることができる。その結果、運転者が据切りして走行を開始した直後においては、図9に示すように、走行時特性における制限値(最大アシスト量)が若干制限されるもののこの制限によるアシスト量Tfの低下量は極小さく、又、走行開始後に速やかに温度Hが第1設定温度H1未満に低下して制限値(最大アシスト量)が故障時の上限と一致する。従って、運転者は、EPSモータ15によって付与されるアシスト量の不足に起因する違和感を知覚し難くなる。
再び、図4に戻り、正常時アシスト量演算部34及び故障時アシスト量演算部35は、それぞれ、アシスト量Tn、アシスト量Tfを演算する。そして、正常時アシスト量演算部34及び故障時アシスト量演算部35は、それぞれ、演算したアシスト量Tn、アシスト量Tfをアシスト量切替部36に出力する。
アシスト量切替部36は、正常時アシスト量演算部34及び故障時アシスト量演算部35によって演算されたアシスト量Tn及びアシスト量Tfを入力する。そして、アシスト量切替部36は、図示を省略する周知の故障判定機能による判定結果に基づき、第1アシスト系統及び第2アシスト系統のいずれにも故障が発生していなければ、正常時アシスト量演算部34から入力したアシスト量Tnを第1モータ駆動制御部37及び第2モータ駆動制御部38に供給する。尚、周知の故障判定機能は、例えば、第1駆動回路25に設けられた電流計J11,J12,J13によって検出される第1巻線組U1、V1、W1の電流値及び第2駆動回路26に設けられた電流計J21,J22,J23によって検出される第2巻線組U2、V2、W2の電流値に基づいて、第1アシスト系統及び第2アシスト系統の故障の発生有無を判定するようになっている。一方、周知の故障判定機能によって第1アシスト系統又は第2アシスト系統に、例えば、断線やスイッチング素子の固着等の故障が発生していると判定されたときには、アシスト量切替部36は、故障時アシスト量演算部35から入力したアシスト量Tfを第1モータ駆動制御部37及び第2モータ駆動制御部38に供給する。
第1モータ駆動制御部37及び第2モータ駆動制御部38は、それぞれ、アシスト量切替部36から供給されたアシスト量Tn又はアシスト量Tfを入力する。又、第1モータ駆動制御部37及び第2モータ駆動制御部38は、それぞれ、例えば、周知の故障判定機能から出力される第1アシスト系統故障時駆動停止信号又は第2アシスト系統故障時駆動停止信号を取得する。
具体的に、第1モータ駆動制御部37は、第1アシスト系統故障時駆動停止信号を取得していないときには、第1駆動回路25におけるリレー回路部25bの相開放リレーR11,R12,R13を閉状態に維持し、アシスト量切替部36から供給されたアシスト量Tn又はアシスト量Tfに応じてインバータ回路部25aのスイッチング素子SW111,SW112,SW121,SW122,SW131,SW132のパルス幅をPWM制御する。これにより、EPSモータ15は、少なくとも、第1駆動回路25を介して電流が供給されて駆動される。一方、第1モータ駆動制御部37は、第1アシスト系統故障時駆動停止信号を取得しているときには、リレー回路部25bの相開放リレーR11,R12,R13を全て開状態に維持するとともにインバータ回路部25aのスイッチング素子SW111,SW112,SW121,SW122,SW131,SW132を全てオフ(開状態)に制御する。これにより、EPSモータ15は、第1駆動回路25を介して電流が供給されず、第2駆動回路26を介して電流が供給されて駆動される。
又、第2モータ駆動制御部38は、第2アシスト系統故障時駆動停止信号を取得していないときには、第2駆動回路26におけるリレー回路部26bの相開放リレーR21,R22,R23を閉状態に維持し、アシスト量切替部36から供給されたアシスト量Tn又はアシスト量Tfに応じてインバータ回路部26aのスイッチング素子SW211,SW212,SW221,SW222,SW231,SW232のパルス幅をPWM制御する。これにより、EPSモータ15は、少なくとも、第2駆動回路26を介して電流が供給されて駆動される。一方、第2モータ駆動制御部38は、第2アシスト系統故障時駆動停止信号を取得しているときには、リレー回路部26bの相開放リレーR21,R22,R23を全て開状態に維持するとともにインバータ回路部26aのスイッチング素子SW211,SW212,SW221,SW222,SW231,SW232を全てオフ(開状態)に制御する。これにより、EPSモータ15は、第2駆動回路26を介して電流が供給されず、第1駆動回路25を介して電流が供給されて駆動される。
上記説明からも理解できるように、本実施形態によれば、特に、車両の停車時においては、故障時の上限よりも小さくなるように制限値(最大アシスト量)が制限されるため、アシスト量Tfを付与(発生)する際のEPSモータ15に対する負荷が小さくなる。従って、EPSモータ15における発熱量を効果的に低減することができて、温度Hの上昇を緩和することができ、温度Hの上昇に応じた制限値(最大アシスト量)の低下を抑制することができる。
これにより、その後に車両の走行を開始すると、走行時特性における制限値(最大アシスト量)が制限されるもののこの制限によるアシスト量Tfの低下量は極小さく、又、走行開始後に速やかに温度Hが第1設定温度H1以下に低下して制限値(最大アシスト量)を故障時の上限と一致させることができる。従って、運転者は、EPSモータ15によって付与されるアシスト量の不足(変動)に起因する違和感を知覚し難くなる。又、このようにEPSモータ15における発熱量を効果的に低減することができることにより、別途放熱手段を設ける必要がない。
b.第1実施形態の第1変形例
上記第1実施形態においては、正常時アシスト量演算部34が図5に示した正常時アシスト量マップを参照し、故障時アシスト量演算部35が図8に示した故障時アシスト量マップをそれぞれ参照するように実施した。そして、上記第1実施形態においては、故障時アシスト量演算部35が参照する故障時アシスト量マップを、停車時特性と走行時特性とを有するように、より詳しくは、停車時における最大アシスト量が走行時における最大アシスト量よりも小さくなるように、別途設定して実施した。
このように、停車時における最大アシスト量が走行時における最大アシスト量よりも小さくなるように停車時特性と走行時特性とを設定することに関しては、正常時アシスト量マップを用いて故障時アシスト量マップを設定して実施可能であることは言うまでもない。具体的に説明すると、第1アシスト系統及び第2アシスト系統に故障が発生していない正常時においては、正常時アシスト量演算部34は、図10にて細い実線及び破線により示すように、停車時における最大アシスト量が走行時における最大アシスト量よりも大きくなるように設定された正常時アシスト量マップ(第3象限は原点対称)を参照する。一方、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生した故障時においては、故障時アシスト量演算部35は、図10にて太い実線及び破線により示すように、上記正常時アシストマップによって表される停車時と走行時のアシスト特性を全体的に低減させた故障時アシスト量マップを参照する。
すなわち、故障時アシスト量演算部35は、正常時のアシスト特性に対して、停車時における最大アシスト量が走行時における最大アシスト量(故障時の上限)よりも小さくなるように設定された故障時アシスト量マップを参照する。このように、故障時アシスト量演算部35が、正常時アシスト量マップによって表されるアシスト特性を全体的に低下させた故障時アシスト量マップを参照する場合であっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られることに加えて、予め記憶しておくアシスト量マップのデータ量を低減することができて、例えば、半導体メモリ等の記憶容量を小さくして電動パワーステアリング装置10のコストダウンを図ることが可能となる。
c.第1実施形態の第2変形例
上記第1実施形態においては、正常時アシスト量演算部34及び故障時アシスト量演算部35が、それぞれ、図5又は図8に示したように、個別に設定されたアシスト量マップを参照するように実施した。又、上記第1実施形態の第1変形例においては、図10に示したように、正常時アシスト量演算部34が参照する正常時アシスト量マップにおける停車時及び走行時のアシスト特性を全体的に低下させることによって設定される故障時アシスト量マップを故障時アシスト量演算部35が参照するように実施した。
ところで、これらの場合においては、正常時及び故障時について、それぞれ、操舵トルク値Tの増減に伴ってアシスト量(最大アシスト量)が変化する走行時のアシスト特性及び停車時のアシスト特性が独立的に設定されるようになっている。この場合、運転者は、操舵ハンドル11の回動操作に際し、第1アシスト系統及び第2アシスト系統に故障の発生していない正常時に知覚する操舵感覚と第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障の発生した故障時に知覚する操舵感覚とについて付与されるアシスト量の違いに起因する違和感を覚えやすい。
このため、図11に示すように、例えば、正常時におけるアシスト特性(第3象限は原点対称)を基準とし、故障時においては、走行時及び停車時の最大アシスト量に至るまでのアシスト特性(アシスト量)を正常時におけるアシスト特性(アシスト量)と一致させて実施することも可能である。すなわち、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障の発生した場合においては、故障時アシスト量演算部35が走行時又は停車時に合わせて制限値(最大アシスト量)を設定し、この設定した制限値(最大アシスト量)によって正常時におけるアシスト特性(アシスト量)を飽和させることができる。尚、この場合、停車時については、上述したような据切りが行われるとEPSモータ15に対する負荷が増大するため、図11にて一点鎖線により示すように、停車時のみアシスト特性を低下させるように実施させることも可能である。
このように、故障時におけるアシスト特性の一部を正常時におけるアシスト特性と一致させることにより、正常時と故障時とで運転者が知覚し得る操舵感覚の違和感を適切に抑制することができる。その他の効果については、上記第1実施形態及び上記第1変形例と同様の効果が期待できる。
d.第2実施形態
上記第1実施形態及び各変形例においては、故障時アシスト量演算部35が、停車時における制限値(最大アシスト量)が走行時における制限値(最大アシスト量)よりも小さくなるように設定された故障時アシスト量マップに従ってアシスト量Tfを演算し、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生するとアシスト量切替部36が故障時アシスト量演算部35によって演算されたアシスト量Tfに切り替えて出力するように実施した。すなわち、上記第1実施形態及び各変形例においては、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生したとき、車両が停車中であれば、常に制限値(最大アシスト量)が走行中の制限値(最大アシスト量)よりも小さくなるように制限されたアシスト量Tfが演算され、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対してEPSモータ15がこの演算されたアシスト量Tfを付与するように実施した。
このように、EPSモータ15への負荷が増大する停車時に制限値(最大アシスト量)を小さく制限することにより、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生している状況であってもEPSモータ15の発熱量を抑えて温度Hの上昇を適切に抑制することができ、その結果、制限値(最大アシスト量)の温度Hの上昇に伴う制限を小さくすることができる。従って、例えば、据切り等を行ってから走行を開始した直後において、運転者が操舵ハンドル11を回動操作する場合であっても、制限値(最大アシスト量)の制限が小さい、言い換えれば、アシスト量Tfの低下量が小さいため、運転者が操舵感覚について知覚する違和感を良好に低減することができる。
ところで、上述した図7に示したように、走行開始直後に操舵感覚に関して運転者が知覚する違和感は、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生しており、特に、車両が停車しているときの据切り等に対するアシスト制御に伴ってEPSモータ15が高温であるときに、制限値(最大アシスト量)が大幅に制限されることに起因するものである。逆に、EPSモータ15に対する負荷が小さい状況であって、EPSモータ15が比較的低温であるときには、停車時における制限値(最大アシスト量)を故障時の上限に一致させる、言い換えれば、走行時における制限値(最大アシスト量)に一致させてアシスト量Tfを演算しても、上記運転者が知覚する違和感は生じない。
更には、このように停車時における制限値(最大アシスト量)を故障時の上限に一致させることにより、例えば、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対するアシスト制御によってEPSモータ15の発熱量が増大する前の初期段階において、EPSモータ15が大きなアシスト量Tf(アシスト力)を付与することができ、運転者が正常時と同等の良好な操舵感覚を知覚することができる。以下、この第2実施形態を詳細に説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第2実施形態における故障時アシスト量演算部35は、図12に示す故障時アシスト量マップ(第3象限は原点対称)を参照して、運転者が入力した操舵トルク値Tに対応するアシスト量Tfを演算する。すなわち、この第2実施形態において、故障時アシスト量演算部35が参照する故障時アシスト量マップは、図12に示すように、車両が停車しており、かつ、EPSモータ15の温度H(取得温度H)が低温であるときには、実線により示す停車時特性と破線により示す走行時特性との制限値(最大アシスト量)が、例えば、故障時の上限と一致するように設定される。一方で、この故障時アシスト量マップは、車両が停車しており、かつ、EPSモータ15の温度H(取得温度H)が高温であるときには、上記第1実施形態と同様に、停車時特性における制限値(最大アシスト量)が走行時特性における制限値(最大アシスト量)、例えば、故障時の上限よりも小さくなるように設定される。
ここで、この第2実施形態の故障時アシスト量マップにおける停車時特性及び走行時特性の制限値(最大アシスト量)について、図13を用いて具体的に説明する。この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、EPSモータ15が付与可能な制限値(最大アシスト量)は、温度H(取得温度H)によって制限されるようになっている。
具体的に、図13に示すように、第1アシスト系統及び第2アシスト系統に故障が発生していない正常時においては、温度センサ22及び温度演算部32によって検出されるEPSモータ15の温度Hが、上記第1実施形態と同様に、上限温度Hmaxよりも低い温度に設定された第1設定温度H1を超えると、制限値(最大アシスト量)を徐々に低下させる。従って、この第2実施形態においても、正常時アシスト量演算部34は、温度演算部32から出力されたEPSモータ15の温度Hに応じて制限値すなわち最大アシスト量を適宜変更し、アシスト量Tnを演算する。
一方、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生した故障時においては、温度センサ22及び温度演算部32によって検出される(取得される)EPSモータ15の温度H(取得温度H)が、第1設定温度H1よりも低い温度に設定された第2設定温度H2以下となる低温であるときには、停車時特性及び走行時特性の制限値(最大アシスト量)を同一値(具体的には、故障時の上限)に設定する。すなわち、車両が停車しており、かつ、EPSモータ15が低温であるときには、停車時特性の制限値(最大アシスト量)が故障時の上限と一致するように設定される。
そして、車両が停車しているときに、EPSモータ15の温度Hが第2設定温度H2を超えると、言い換えれば、車両が停車しており、かつ、EPSモータ15が高温であるときには、制限値(最大アシスト量)を徐々に低下させる。又、走行時において、EPSモータ15の温度Hが、第2設定温度H2よりも高い温度であり、かつ、第1設定温度H1以下の温度に設定された第3設定温度H3を超えると、制限値(最大アシスト量)を徐々に低下させる。
このように、故障時アシスト量演算部35が、車両が停車中であるか走行中であるかに合わせるとともにEPSモータ15の温度Hにも合わせてアシスト量Tfを演算することにより、上記第1実施形態と同様に、仮に第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生した場合であっても、運転者によって知覚されるアシスト量の不足に起因する違和感を抑制することができる。以下、このことを図14を用いて具体的に説明するが、理解を容易とするために、第3設定温度H3を第1設定温度H1に一致させて設定した場合を例示して説明する。尚、以下の説明において設定される第3設定温度H3は、例えば、据切りのような負荷がEPSモータ15にかかった場合においてEPSモータ15における発熱量と放熱量との収支がバランスすることにより、温度Hが目標時間内に到達しない温度として設定されるものである。
この第2実施形態においては、EPSモータ15の温度Hが第2設定温度H2以下であるときには、車両が停車中であっても故障時アシスト量マップにおける制限値(最大アシスト量)が故障時の上限に一致するように設定される。このため、故障時アシスト量演算部35は、この故障時アシスト量マップを参照して大きなアシスト量Tfを演算することができる。従って、運転者が車両を停車した状態で据切りをする場合、図14に示すように、EPSモータ15の温度Hが第2設定温度H2を超えるまでは、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して大きなアシスト量Tf(アシスト力)が付与される。
そして、アシスト量Tf(アシスト力)を付与することに伴って上昇するEPSモータ15の温度Hが第2設定温度H2を超えると、上記第1実施形態と同様に、故障時アシスト量演算部35は、故障時の上限よりも小さくなるように制限値(最大アシスト量)が制限された故障時アシスト量マップを参照してアシスト量Tf(アシスト力)を演算するため、アシスト量Tfを付与(発生)する際のEPSモータ15に対する負荷が小さくなる。その結果、図14に示すように、温度Hの上昇が緩和され、据切りがある程度継続されていても、温度Hが第3設定温度H3(第1設定温度H1)に到達することはない。すなわち、EPSモータ15等の過熱が効果的に抑制される。又、温度Hの上昇が緩和されるため、上記第1実施形態と同様に、温度Hの上昇に応じた制限値(最大アシスト量)の低下が抑制される。
この状態から、車両が走行を開始すると、上記第1実施形態と同様に、故障時アシスト量演算部35は、停車時特性に基づいてアシスト量Tfを演算することから切り替えて、走行時特性に基づいてアシスト量Tfを演算する。ここで、停車時に据切りを継続しても、図14に示すように、EPSモータ15の温度Hが第3設定温度H3を超えないように、EPSモータ15への負荷を軽減して発熱を効果的に抑えている。その結果、運転者が据切りして走行を開始した直後においては、図14に示すように、停車時の制限によるアシスト量Tfの低下量は極小さく、走行時特性における制限値(最大アシスト量)が速やかに故障時の上限と一致する。従って、運転者は、EPSモータ15によって付与されるアシスト量の不足に起因する違和感を知覚し難くなる。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態においては、温度H(取得温度H)が第2設定温度H2未満のときに限り、車両が停車中であっても故障時アシスト量マップにおける制限値(最大アシスト量)が故障時の上限に一致するように設定される。これにより、EPSモータ15における温度Hが第2設定温度H2未満の低温である場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して大きなアシスト量Tfが付与される。これにより、運転者は、極めて容易に操舵ハンドル11を回動操作することができる。
又、EPSモータ15の温度Hが第3設定温度H3を超えないように、EPSモータ15への負荷を軽減して発熱を効果的に抑えることができるため、走行時特性における制限値(最大アシスト量)を速やかに故障時の上限と一致させることができる。従って、運転者は、EPSモータ15によって付与されるアシスト量の不足に起因する違和感を知覚し難くなる。その他の効果については、上記第1実施形態ど同様である。
e.第2実施形態の変形例
上記第2実施形態においては、故障時アシスト量演算部35が、図12に示したように、EPSモータ15が低温時及び高温時について、それぞれ、操舵トルク値Tの増減に伴ってアシスト量(最大アシスト量)が変化するアシスト特性が独立的に設定されるようになっている。この場合、運転者は、例えば、操舵ハンドル11を回動操作して据切りを継続する状況において、付与されるアシスト量Tfの違いに起因する違和感を覚える可能性がある。
このため、図15に示すように、停車かつ低温時におけるアシスト特性(第3象限は原点対称)を基準とし、EPSモータ15の高温時においては、最大アシスト量に至るまでのアシスト特性(アシスト量)を低温時におけるアシスト特性(アシスト量)と一致させて実施することも可能である。すなわち、車両の停車時において、EPSモータ15の温度Hが第2設定温度H2を超えて高温状態となったときには、故障時アシスト量演算部35が温度Hに合わせて制限値(最大アシスト量)を設定し、この設定した制限値(最大アシスト量)によって停車かつ低温時におけるアシスト特性(アシスト量)を飽和させることができる。
このように、停車かつ高温時におけるアシスト特性の一部を停車かつ低温時におけるアシスト特性と一致させることにより、低温時と高温時とで運転者が知覚し得る操舵感覚の違和感を適切に抑制することができる。その他の効果については、上記第2実施形態と同様の効果が期待できる。
f.その他の変形例
上記第1実施形態及び各変形例、並びに、上記第2実施形態及び変形例においては、正常時アシスト量演算部34及び故障時アシスト量演算部35がそれぞれ予め設定された正常時アシスト量マップ及び故障時アシスト量マップを参照し、これらのアシスト量マップに従ってアシスト量Tn及びアシスト量Tfを演算するように実施した。又、故障時アシスト量演算部35は、車両が停車中であるときには故障時の上限よりも小さな制限値(最大アシスト量)となるように設定された停車時特性に基づいてアシスト量Tfを演算し、車両が走行中であるときには故障時の上限と一致する制限値(最大アシスト量)となるように設定された走行時特性に基づいてアシスト量Tfを演算するように実施した。更に、正常時アシスト量演算部34及び故障時アシスト量演算部35は、EPSモータ15の温度Hに応じて、制限値(最大アシスト量)を変更するようにも実施した。
この場合、例えば、上述した正常時アシスト量演算部34が演算するアシスト量Tnに対して、第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生しているか、車両が停車中であるか走行中であるか、或いは、EPSモータ15の温度Hが第1設定温度H1(第3設定温度H3)や第2設定温度H2を超えているかに応じて設定される制限値(最大アシスト量)を適用し、最終的にアシスト量Tn、アシスト量Tfを演算するように実施することが可能である。以下、この変形例を具体的に説明するが、上記各実施形態及び各変形例と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
この変形例においては、アシスト制御部30が、図16に示すように変形される。すなわち、上記各実施形態及び各変形例において説明した図4のアシスト制御部30に比して、故障時アシスト量演算部35が省略される一方でリミッタ部39が新たに設けられる点で若干異なる。
リミッタ部39は、正常時アシスト量演算部34から入力したアシスト量Tnに対して付加する制限値(最大アシスト量)を演算するものである。このため、リミッタ部39には、車速演算部31から車速Vが入力されるとともに温度演算部32からEPSモータ15の温度Hが入力されるようになっている。そして、リミッタ部39は、車速演算部31から入力した車速V及び周知の故障判定機能による判定結果に基づき、アシスト量Tn又はアシスト量Tfを演算する。又、リミッタ部39は、車速演算部31から入力した車速V、温度演算部32から入力したEPSモータ15の温度H及び周知の故障判定機能による判定結果に基づき、アシスト量Tn又はアシスト量Tfを演算する。
具体的に説明すると、リミッタ部39は、故障判定機能による判定結果に基づいて第1アシスト系統及び第2アシスト系統に故障が発生していない正常時であるときには、車両が停車中又は走行中に関わらず、図17に示すように、例えば、EPSモータ15が最大トルクまで発生することができるように制限値(最大アシスト量)を設定する。すなわち、この場合には、リミッタ部39は、正常時アシスト量演算部34から入力したアシスト量Tnをそのままアシスト量切替部36に供給する。
一方、リミッタ部39は、故障判定機能による判定結果に基づいて第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生している故障時であるときには、図17に示すように、車両が車速V1以上で走行しているときに比して車両が車速V1未満となって停車しているときの方が小さくなる制限値(最大アシスト量)を設定する。すなわち、この場合には、リミッタ部39は、正常時アシスト量演算部34から入力したアシスト量Tnに対して、上記設定した制限値(最大アシスト量)を付加したアシスト量Tfを演算してアシスト量切替部36に供給する。
尚、故障時に設定される制限値(最大アシスト量)については、図17にて一点鎖線により示すように、入力した車速Vが車速V1を超えて大きくなることに伴って、停車時の制限値(最大アシスト量)を漸増させて走行時の制限値(最大アシスト量)を設定するように実施することも可能である。更に、故障時に設定される制限値(最大アシスト量)については、図18に示すように、車速V1と車速V2との間でヒステリシス特性を形成しておき、車速V1にて停車時の制限値(最大アシスト量)から走行時の制限値(最大アシスト量)に切り替え、車速V1よりも小さな車速V2にて走行時の制限値(最大アシスト量)から停車時の制限値(最大アシスト量)に切り替えるように実施することも可能である。これらのように停車時と走行時との間で制限値(最大アシスト量)の設定を切り替えることにより、所謂、切り替えに伴うハンチングの発生を効果的に防止することができる。
又、リミッタ部39は、故障判定機能による判定結果に基づいて第1アシスト系統及び第2アシスト系統に故障が発生していない正常時であるときには、車両が停車中又は走行中に関わらず、図19に示すように、EPSモータ15の温度Hが、例えば、第1設定温度H1を超えたときに、徐々に減少する制限値(最大アシスト量)を設定する。すなわち、この場合には、リミッタ部39は、正常時アシスト量演算部34から入力したアシスト量Tnに対して、上記設定した制限値(最大アシスト量)を付加したアシスト量Tnをアシスト量切替部36に供給する。
一方、リミッタ部39は、故障判定機能による判定結果に基づいて第1アシスト系統又は第2アシスト系統に故障が発生している故障時であるときには、車両が停車しているか走行しているかに応じて、図19に示すように、EPSモータ15の温度Hが、例えば、第1設定温度H1を超えたときに、徐々に減少する制限値(最大アシスト量)を設定する。すなわち、この場合には、リミッタ部39は、正常時アシスト量演算部34から入力したアシスト量Tnに対して、停車時が走行時よりも小さくなるように設定したそれぞれの制限値(最大アシスト量)を付加したアシスト量Tfを演算してアシスト量切替部36に供給する。
従って、この変形例においても、上記各実施形態及び各変形例と同様の効果が期待できる。
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施形態及び各変形例における電動パワーステアリング装置10においては、ラックバー14に組み付けられた1つのEPSモータ15に第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’)と第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’)とを設け、これら第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’)と第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’)とにそれぞれ第1駆動回路25と第2駆動回路26とを電気的に接続するように実施した。そして、上記各実施形態及び各変形例における電動パワーステアリング装置10では、EPSモータ15を駆動させてアシスト力(アシストトルク)を発生させる複数のアシスト系統が、第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’)及び第1駆動回路25からなる第1アシスト系統と、第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’)及び第2駆動回路26からなる第2アシスト系統とから形成されるものであるとして実施した。
この場合、1組の巻線を有するEPSモータを2つ以上ラックバー14に組み付けておき、これらのEPSモータに対応して複数の駆動回路を設けて実施することも可能である。この場合には、それぞれのEPSモータ及び駆動回路が複数のアシスト系統を形成する。或いは、第1巻線組U1,V1,W1(U1’,V1’,W1’)及び第2巻線組U2,V2,W2(U2’,V2’,W2’)を有するEPSモータ15をラックバー14に2つ以上組み付けて実施することも可能である。
又、上記各実施形態及び各変形例における電動パワーステアリング装置10は、EPSモータ15が転舵ギアユニットUのラックバー14にアシストトルクを伝達するラックアシストタイプであるとして実施した。この場合、その他の形態として、EPSモータ15がピニオンギア13にアシストトルクを伝達するピニオンアシストタイプや、EPSモータ15が所定の減速機構を介してステアリングシャフト12を形成するコラムメインシャフトにアシストトルクを伝達するコラムアシストタイプを採用して実施することも可能である。これらの場合であっても、上記各実施形態及び各変形例と同様の効果が期待できる。
更に、上記実施形態及び各変形例においては、EPSモータ15の温度Hに応じて制限値(最大アシスト量)を変更するように実施した。この場合、EPSモータ15の温度Hに限定することなく、例えば、電子制御ユニット(マイクロコンピュータ)24や、第1駆動回路25及び第2駆動回路26を構成するスイッチング素子(MOSFET)SW111,SW112,SW121,SW122,SW131,SW132,SW211,SW212,SW221,SW222,SW231,SW232、シャント抵抗J11,J12,J13,J21,J22,J23、電源リレーRd1,Rd2、相開放リレーR11,R12,R13,R21,R22,R23、リアクトルS、キャパシタC1,C2等の温度に基づいてそれぞれ制限値を演算しておき、これら演算した制限値のうちで最小値を採用して実施することも可能である。この場合であっても、上記各実施形態及び各変形例と同様の効果が期待できる。

Claims (8)

  1. 運転者による操舵ハンドル操作をアシストする所定のアシスト力を付与する少なくとも一つの電動モータと、前記電動モータを含んで構成されて前記電動モータを電磁的に駆動させる複数のアシスト系統と、操舵ハンドルを介して前記運転者によって入力される操作力を用いて前記所定のアシスト力を表すアシスト量を演算し、前記演算したアシスト量に基づき、前記複数のアシスト系統のうちの少なくとも一つのアシスト系統を用いて前記操舵ハンドル操作のアシストを制御するアシスト制御手段とを備えた車両の電動パワーステアリング装置であって、
    前記アシスト制御手段は、
    前記複数のアシスト系統のうちで少なくとも一つ故障の発生したアシスト系統が存在する場合、
    車両の停車時に前記電動モータが付与する最大アシスト力を表す停車時の最大アシスト量の大きさを車両の走行時に前記電動モータが付与する最大アシスト力を表す走行時の最大アシスト量の大きさに比して低下させて、車両の停車時におけるアシスト量又は車両の走行時におけるアシスト量を演算し、
    前記車両の停車時におけるアシスト量又は前記車両の走行時におけるアシスト量に基づき、前記複数のアシスト系統のうちで前記故障の発生したアシスト系統を除く非故障系統を用いて前記操舵ハンドル操作のアシストを制御することを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載した車両の電動パワーステアリング装置において、
    前記走行時の最大アシスト量の大きさは、前記非故障系統に含まれる前記電動モータが発生可能なアシスト力の上限を表すアシスト量の大きさ以下に設定されることを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載した車両の電動パワーステアリング装置において、
    前記アシスト制御手段は、
    前記複数のアシスト系統のうちの少なくとも前記非故障系統における前記電動モータの駆動に起因して発熱する部位にて取得される取得温度が予め設定された設定温度を超えたときに、前記取得温度の上昇に伴って前記停車時の最大アシスト量の大きさ及び前記走行時の最大アシスト量の大きさを減少させて、前記車両の停車時におけるアシスト量又は前記車両の走行時におけるアシスト量を演算することを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載した車両の電動パワーステアリング装置において、
    前記アシスト制御手段は、
    前記取得温度が、前記停車時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度未満のときに限り、前記停車時の最大アシスト量の大きさ及び前記走行時の最大アシスト量の大きさを同値とすることを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項4に記載した車両の電動パワーステアリング装置において、
    前記アシスト制御手段は、
    前記停車時の最大アシスト量の大きさ及び前記走行時の最大アシスト量の大きさを、前記非故障系統に含まれる前記電動モータが発生可能なアシスト力の上限を表すアシスト量の大きさに設定することを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項4に記載した車両の電動パワーステアリング装置において、
    前記停車時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度は、
    前記走行時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度未満に設定されることを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項6に記載した車両の電動パワーステアリング装置において、
    前記走行時の最大アシスト量の大きさを減少させる設定温度は、
    前記電動モータの駆動に起因して発熱する部位における発熱量と放熱量との収支に基づき、前記車両の停車時における前記運転者による前記操舵ハンドルの操作によって前記取得温度が所定の目標時間内に到達しない温度に設定されることを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか一つに記載した車両の電動パワーステアリング装置において、
    前記複数のアシスト系統は、
    一つの電動モータに設けられた複数の巻線組と、この複数の巻線組のそれぞれに接続された駆動回路を含んで構成されることを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。

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