JP2018138438A - 車両用制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上記の車両用制御装置では、ステアリングホイールを掌握する運転者の握力を算出するとともに、ステアリングホイールに付与される反力を算出する。算出された握力と反力に基づいてステアリングホイールに対する運転者の手の滑りを予測している。
上記構成によれば、滑り判定部は運転者の手が滑ったと判定した場合、制御部は、運転者によるステアリングホイールに付与したトルクを保持させるようにモータを制御する。したがって、運転者の手がステアリングホイールに対して滑ったとしても運転者の意図しないステアリングホイールの中立位置への戻りを抑制することができる。
運転者の手がステアリングホイールに対して滑ってしまうおそれのある状態は、操舵トルクがある程度大きくなってから、すなわち、運転者がステアリングホイールをある程度左右に切り込んでいる状態である。
以下、車両用制御装置をコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」とする。)の制御装置に具体化した一実施の形態を説明する。
操舵機構2は、運転者のステアリングホイール20の操作に基づいて転舵輪4,4を転舵させる。操舵機構2は、ステアリングホイール20と一体回転するステアリングシャフト21と、ラックシャフト23とを有している。ステアリングシャフト21は、ステアリングホイール20と連結されるコラムシャフト21aと、コラムシャフト21aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト21bと、インターミディエイトシャフト21bの下端部に連結されたピニオンシャフト21cとを有している。ピニオンシャフト21cの下端部は、ラックアンドピニオン機構22を介してラックシャフト23に連結されている。ラックアンドピニオン機構22は、ピニオンシャフト21cの下端部に設けられているピニオン歯と、ラックシャフト23におけるラック歯とが互いに噛み合うことで形成されている。したがって、ステアリングシャフト21の回転運動は、ラックアンドピニオン機構22を介してラックシャフト23の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラックシャフト23の両端にそれぞれ連結されたタイロッド24,24を介して、左右の転舵輪4,4にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪4,4の転舵角が変化する。
マイコン51は、メモリ59に記憶されたプログラムを実行することにより、モータ30の駆動を制御する。マイコン51は、各種センサにより検出される操舵トルクTh、車速V、回転角度θm、各相電流値I、および運転者の手の接触情報Tatchに基づきモータ30を駆動するための制御信号を生成する。マイコン51は、生成した制御信号をインバータ回路50に出力することでインバータ回路50をPWM駆動する。
図2に示すように、マイコン51は、電流指令値演算部53と、制御信号生成部54とを備えている。電流指令値演算部53は、操舵トルクTh、車速V、および運転者の手の接触情報Tatchに基づき、電流指令値を演算する。電流指令値は、モータ30に供給すべき電流の目標値であり、d/q座標系におけるd軸上のd軸電流指令値Id*およびq軸上のq軸電流指令値Iq*をそれぞれ示している。このうち、q軸電流指令値Iq*は、モータ30が発生させるアシスト力の目標値である。尚、d軸電流指令値Id*は、「0」に固定されている。
基本電流指令値演算部55は、操舵トルクThおよび車速Vに基づいてq軸電流指令値Iq*の基礎成分である基本電流指令値Ias*を演算する。基本電流指令値Ias*は、運転者のステアリングホイール20の操作を補助するアシスト力に対応する基本指令値である。
滑り判定部56は、接触情報Tatchに基づき運転者の両手がステアリングホイール20に対して滑っているか、または運転者の両手における一方の手がステアリングホイール20に対して滑り、他方の手が滑っていないかを判定する。滑り判定部56は、運転者の両手がステアリングホイール20に対して滑ったと判定したとき、モータ30の回転角度θmを、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ったときにおけるモータ30の回転角度θmに維持するようにフィードバック制御することで、補正値Irb*を演算する。滑り判定部56は、運転者の両手がステアリングホイール20に対して滑っていないと判定した場合、補正値Irb*を0に設定する。
滑り判定部56は、接触情報Tatchに基づき運転者の片手がステアリングホイール20に対して滑っているか否かを判定している。滑り判定部56は、運転者の片手がステアリングホイール20に対して滑っていると判定した場合、モータ30の回転角度θmを、運転者の片手がステアリングホイール20に対して滑ったときのモータ30の回転角度θmに維持するようにフィードバック制御することで、補正値Irb*を演算する。滑り判定部56は、運転者の片手がステアリングホイール20に対して滑っていないと判定した場合、補正値Irb*を0に設定する。
図4に示すように、制御装置5は、操舵トルクThおよび接触情報Tatchを取り込み(ステップS101)、操舵トルクThが規定値以上であるか否かを判定する(ステップS102)。制御装置5は、操舵トルクThが規定値以上でないと判定された場合、補正値Irb*を0に設定する(ステップS103)。制御装置5は、操舵トルクThが規定値以上であると判定した場合、接触情報Tatchに基づきステアリングホイール20に対して運転者の手が接触しているか否かを判定する(ステップS104)。制御装置5は、ステアリングホイール20に対して運転者の手が接触していない場合、ステップS103に進む。制御装置5は、ステアリングホイール20に対して運転者の手が接触していると判定した場合、ステアリングホイール20を把持している運転者の手が両手であるのか、片手であるのかを判断し(ステップS105)、運転者の全ての手(両手または片手)がステアリングホイール20に対して滑っているか否かを判定する(ステップS106)。制御装置5は、運転者の全ての手がステアリングホイール20に対して滑っていないと判定した場合、ステップS103に進む。制御装置5は、運転者の全ての手がステアリングホイール20に対して滑っていると判定した場合、補正値Irb*を演算する(ステップS107)。次に、制御装置5は、運転者の手がステアリングホイール20に対して再び操舵トルクThを付与しているか否かを判定する(ステップS108)。制御装置5は、運転者が再び操舵トルクThを付与していないと判定した場合、ステアリングホイール20に対して操舵トルクThが付与されるまでは補正値Irb*の演算を継続する。制御装置5は、ステアリングホイール20に対して操舵トルクThが付与されたと判定した場合、ステップS103に進み補正値Irb*を0に設定する。
(1)滑り判定部56は、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ったと判定した場合、ステアリングホイール20を運転者の手が滑った位置で維持させる。すなわち、滑り判定部56は、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ったと判定した時のモータ30の回転角度θmに維持させるように基本電流指令値Ias*に対する補正値Irb*を演算する。このため、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ったとしても運転者の意図しないステアリングホイールの中立位置への戻りを抑制することができる。
次に、車両用制御装置の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態からの変更点としては、インバータ回路50とモータ30との間で閉ループを形成する相固定制御を実施する点である。尚、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付す。
(3)インバータ回路50とモータ30との間に閉ループが実現されることにより、モータ30に制動力が発生する。運転者の手がステアリングホイール20に対して滑った場合、ステアリングホイール20は、セルフアライニングトルクによりステアリングホイール20の操舵中立位置に向けて自動的に戻されるように働くが、モータ30には制動力が働くため、ステアリングホイール20は戻されにくくなる。したがって、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ったとしても運転者の意図しないステアリングホイールの中立位置への戻りを抑制することができる。
次に、車両用制御装置の第3の実施形態を説明する。尚、第1および第2の実施形態と同様の構成については同じ符号を付す。
(4)インバータ回路50のグランドGND側の回路とモータ30の各相に対応する巻線30u,30v,30vとの間に閉ループが実現することにより、セルフアライニングトルク等によりステアリングホイール20が自動的に戻ろうとしても、ステアリングホイール20が戻る方向と反対側(いわゆる本来、運転者が切り込んでいた方向)にモータ30の誘起電力による制動力が働き、ステアリングホイール20が中立位置に向けて戻されにくくなる。
・本実施の形態において、滑り判定部56は、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ったときから再びステアリングホイール20に対して操舵トルクThを付与したとき(操舵トルクThの絶対値の変化量が正であるとき)補正値Irb*を0に設定していたが、これに限らない。例えば、滑り判定部56にて運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ったときから所定時間経過後、且つ運転者の手がステアリングホイール20に接触していると判定された場合、補正値Irb*を0に設定してもよい。ここで、所定時間とは、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ったときから、ステアリングホイール20を保持し直して操作を継続しようとしたときまでの時間を実験的に検証して設定されたものである。所定時間は、運転者がステアリングホイール20を保持し直して操作を継続しようとしたときの操舵感に違和感が出ない程度に設定されている。尚、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑ってから所定時間経過後であっても、運転者の手がステアリングホイール20に接触していないときには、補正値Irb*を0に設定しない。これは、ステアリングホイール20に対して運転者の手が滑ったとき、再びステアリングホイール20を保持し直すために、運転者の手がステアリングホイール20から離れるときがある。運転者がステアリングホイール20を保持していない状態で、補正値Irb*を0に設定してしまうと運転者の操舵感に違和感を与えるおそれがあるためである。したがって、「ステアリングホイール20に対して運転者の手が滑ったときから所定時間経過後、且つ運転者の手がステアリングホイール20に対して触れていると判定したとき補正値Irb*を0に設定する」ことで、運転者の手がステアリングホイール20に対して滑った後、運転者がステアリングホイール20を保持し直して操作を継続しようとしたときの操舵感を円滑にすることができる。また、この変更に伴い、図4に示す制御装置5の制御フローの中のステップS108の処理を適宜変更する。
Claims (4)
- 車両の走行状態およびステアリングホイールの操作状態を示す状態量に基づきアシスト力を発生させるモータを制御する車両用制御装置において、
前記状態量に基づいて前記モータを駆動させるための制御信号を生成する制御部と、
前記ステアリングホイールに搭載されるセンサを通じて検出される運転者の手の接触情報から前記ステアリングホイールに対する運転者の手の滑りを判定する滑り判定部とを有し、
前記滑り判定部により運転者の手が前記ステアリングホイールに対して滑ったと判定された場合、前記制御部は、運転者による前記ステアリングホイールに付与したトルクを保持するアシスト力を発生させる車両用制御装置。 - 前記モータは、その回転角度を検出する回転角センサを有し、
前記制御部は、前記状態量に基づき前記モータを駆動させるための指令値を演算する指令値演算部を有し、
前記滑り判定部は、前記ステアリングホイールに対して運転者の手が滑ったと判定した場合、前記ステアリングホイールに対して運転者の手が滑ったときの前記回転角度で前記ステアリングホイールに付与されたトルクを保持するようにフィードバック制御することで前記指令値を補正する補正値を演算する請求項1に記載の車両用制御装置。 - 前記滑り判定部は、少なくとも前記状態量としての操舵トルクが規定値以上となるときに、前記ステアリングホイールに対する運転者の手の滑りを判定する請求項1または請求項2に記載の車両用制御装置。
- 前記滑り判定部は、前記ステアリングホイールに対して運転者の手が滑ったと判定したときから所定時間経過後、且つ運転者の手が前記ステアリングホイールに触れていると判定した後に、運転者による前記ステアリングホイールに付与したトルクを保持する制御を停止させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用制御装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114423667A (zh) * | 2019-09-11 | 2022-04-29 | 株式会社万都 | 转向控制装置及其方法、转向系统 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005119539A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-05-12 | Nissan Motor Co Ltd | ステアリング操舵状態報知装置 |
JP2015168346A (ja) * | 2014-03-07 | 2015-09-28 | 株式会社ジェイテクト | 電動パワーステアリング装置 |
JP2016049896A (ja) * | 2014-09-01 | 2016-04-11 | 三菱電機株式会社 | 車両用操舵制御装置 |
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