JP5970950B2 - 湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いた積層体 - Google Patents

湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いた積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP5970950B2
JP5970950B2 JP2012111694A JP2012111694A JP5970950B2 JP 5970950 B2 JP5970950 B2 JP 5970950B2 JP 2012111694 A JP2012111694 A JP 2012111694A JP 2012111694 A JP2012111694 A JP 2012111694A JP 5970950 B2 JP5970950 B2 JP 5970950B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive composition
moisture
group
parts
curable adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012111694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013237778A (ja
Inventor
香菜 西村
香菜 西村
隅谷 誠徳
誠徳 隅谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cemedine Co Ltd
Original Assignee
Cemedine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cemedine Co Ltd filed Critical Cemedine Co Ltd
Priority to JP2012111694A priority Critical patent/JP5970950B2/ja
Publication of JP2013237778A publication Critical patent/JP2013237778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5970950B2 publication Critical patent/JP5970950B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いた積層体に関する。より詳しくは、床暖房パネルと床材とを接着するのに適した湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物からなる接着層を介して床暖房パネルと床材とが積層された積層体に関する。
近年、床暖房システムを採用する住宅が増えており、これに伴い、床暖房パネルと床材とを接着するのに適した接着剤組成物が各種提案されている。例えば、湿気硬化型有機重合体と、特定の一般式で示される6−ヒドロキシクロマン誘導体と、エステル系可塑剤とを含有する接着剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。床暖房パネルの一態様として、断熱材と、この断熱材の一面に形成されるアルミニウム箔等の伝熱層とを備え、断熱材内部の伝熱層側にポリオレフィン配管が配設されたものが知られているが、特許文献1に記載の接着剤組成物によると、伝熱層の一部に破れが生じ、ポリオレフィン配管が接着剤組成物に接した場合であっても、これらが化学反応を起こしてポリオレフィン配管が腐食するのを防止できる。
しかしながら、接着剤組成物からなる接着層は、伝熱層に比べて熱伝導性が劣るため、熱伝導性をよりいっそう高めることが日々求められている。熱伝導性を高める一例として、接着剤組成物に熱伝導性充填剤を加え、熱伝導性を高めることが行われている。
ところで、組成物に対して熱伝導性充填剤を大量に加え、熱伝導性を著しく高める場合がある。例えば、プリント回路基盤の分野では、複数種類のオルガノポリシロキサンに対して熱伝導性充填剤を大量に加えることや、架橋性シリル基を平均して少なくとも1個有する硬化性ビニル系樹脂に熱伝導性充填剤を加え、このときの熱伝導性充填剤の容積率を全組成物中の25容量%以上98容量%以下にすること等で、電子部品の高密度化に耐えるだけの放熱効率を出すことが提案されている(特許文献2及び3参照)。
また、電子部品の放熱媒体として、(A)(A−1)平均粒径0.1〜2μmのフィラー成分、(A−2)平均粒径2〜20μmのフィラー成分、(A−3)平均粒径20〜100μmのフィラー成分を含有してなるフィラー成分と、(B)加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコールと、(C)硬化触媒と、(D)シランカップリング剤とを含有する組成物が提案されている(特許文献4参照)。特許文献4によると、(B)成分は、(B−1)分子鎖両末端に加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコールと(B−2)分子鎖片末端に加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコールとを併用することが好ましく(段落[0016])、混合比は、質量比で、(B−1):(B−2)=2:98〜50:50であることが好ましい(同)。そして、実施例においても、(B−1)及び(B−2)を(B−1):(B−2)=2:98〜50:50の範囲で混合した組成物が例示されている(実施例1〜15)。
特開2011−38033号公報 特開2006−274154号公報 特開2011−222579号公報 国際公開第2011/125636号
しかしながら、接着剤組成物に対して熱伝導性充填剤を大量に加えると、接着剤組成物の粘度が著しく上昇するため、接着剤組成物の取扱作業性が著しく低下する。また、接着剤組成物の接着性が低下するという課題も生じる。一方で、ガラスバルーン、シラスバルーン、有機バルーン等の中空フィラーを添加すれば、接着剤組成物を低比重化することができ、結果として単位面積あたりのコストを下げることができるが、中空フィラーを添加すると、熱伝導率が低下するため、熱伝導率向上のために熱伝導性充填剤を添加することに反してしまい、好ましくない。
この点、特許文献2では、複数種類のオルガノポリシロキサンを用いることで高い熱伝導率及び取扱作業性の両方を実現しているが、床暖房パネルと床材との接着を用途とする場合、オルガノポリシロキサンを用いたのでは、特に冬場において、隣り合う床材の間で目隙が生じうるため、特許文献2に記載の組成物を床暖房パネルの接着用途に適用することは好ましくない。
特許文献3についても同様に、架橋性シリル基を平均して少なくとも1個有する硬化性ビニル系樹脂を用いることで高い熱伝導率及び取扱作業性の両方を実現しているが、床暖房パネルと床材との接着を用途とする場合、TVOC(総揮発性有機化合物:Total Volatile Compound)の量を抑えるため、硬化性ビニル系樹脂ではない他の成分を主成分とすることが好ましい。
また、特許文献4では、加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコールを用いることで高い熱伝導率及び取扱作業性の両方を実現しているが、(B−1)分子鎖両末端に加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコールよりも(B−2)分子鎖片末端に加水分解性シリル基を有するポリアルキレングリコールの方が多く含まれることから、組成物全体において、ポリアルキレングリコールの分子内に含まれる架橋性シリル基の数は1.5個未満であるといえる。しかしながら、床暖房パネルと床材との接着を用途とする場合、ポリアルキレングリコールの分子内に含まれる架橋性シリル基の数が1.5個未満であると、適切な引張接着強さが得られない可能性があるため、特許文献4に記載の組成物を床暖房パネルの接着用途に適用することは好ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高い熱伝導性、高い引張接着強さ、高い取扱作業性及び高い安全性の全てを満たす、床暖房パネルの接着用途に適する接着剤組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、分子内に1.5個以上の架橋性シリル基を有し、数平均分子量(Mn)が4,000以上30,000以下であるポリオキシアルキレン系重合体を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、分子内に1.5個以上の架橋性シリル基を有し、数平均分子量(Mn)が4,000以上30,000以下であるポリオキシアルキレン系重合体100質量部と、熱伝導性充填剤400〜700質量部とを含有する湿気硬化型接着剤組成物である。
(2)また、本発明は、前記架橋性シリル基が分子内に1.5〜5個含まれる、(1)に記載の湿気硬化型接着剤組成物である。
(3)また、本発明は、前記架橋性シリル基が下記一般式(1)で表される、(1)又は(2)に記載の湿気硬化型接着剤組成物である。
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価の有機基であり、Rが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。Xは水酸基又は加水分解性基であり、Xが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。nは1から3のいずれかの整数である。)
(4)また、本発明は、JIS A 5536法による常態引張接着強さが1.0N/mm以上又は床材若しくは下地材の材料破壊である、(1)から(3)のいずれかに記載の湿気硬化型接着剤組成物である。
(5)また、本発明は、JIS A 5536法による耐熱引張接着強さが1.0N/mm以上又は床材若しくは下地材の材料破壊である、(1)から(4)のいずれかに記載の湿気硬化型接着剤組成物である。
(6)また、本発明は、床暖房パネルと床材とを接着する用途で用いられる、(1)から(5)のいずれかに記載の湿気硬化型接着剤組成物である。
(7)また、本発明は、(1)から(6)のいずれかに記載の湿気硬化型接着剤組成物からなる接着層を介して床暖房パネルと床材とが積層された積層体である。
本発明によると、高い熱伝導性、高い引張接着強さ、高い取扱作業性及び高い安全性の全てを満たす、床暖房パネルの接着用途に適する接着剤組成物を提供できる。
ΔT試験の手法を説明するための図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<湿気硬化型接着剤組成物>
本発明の湿気硬化型接着剤組成物は、分子内に1.5個以上の架橋性シリル基を有し、数平均分子量(Mn)が4,000以上30,000以下であるポリオキシアルキレン系重合体100質量部と、熱伝導性充填剤400〜700質量部とを含有する。
[ポリオキシアルキレン系重合体]
ポリオキシアルキレン系重合体は、架橋性シリル基を有する。架橋性シリル基とは、珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基をいう。
架橋性シリル基の数は、ポリオキシアルキレン系重合体の分子内に平均して1.5個以上含まれることが好ましく、1.5〜5個含まれることがより好ましく、1.5〜4個含まれることがさらに好ましい。1.5個未満であると、適切な引張接着強さが得られない可能性があるため、好ましくない。5個を超えると、網目構造があまりに密となるため良好な機械特性を示さなるため、好ましくない。なお、「ポリオキシアルキレン系重合体の分子内に平均して1.5個以上」とは、上記ポリオキシアルキレン系重合体の分子内に平均して1.5個以上であることをいう。
また、架橋性シリル基の位置は特に限定されず、有機重合体分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいが、硬化物の引張特性等の硬化物物性が優れる点で分子鎖末端にあることが好ましい。更に、架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい点で、下記一般式(1)で示されるものが好ましい。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜20の置換又は非置換の1価の有機基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Rが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。
Xは水酸基又は加水分解性基であり、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシル基、アシルオキシル基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシル基及びアミノオキシル基から選択される基が好ましく、アルコキシル基がより好ましく、メトキシル基が最も好ましい。Xが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。nは1から3のいずれかの整数である。
前記架橋性シリル基含有有機重合体において、架橋性シリル基が複数存在する場合、これらは同じであっても異なっていてもよく、さらに、前記式(1)中のnの数も同じであっても異なっていてもよい。また、含有される架橋性シリル基の異なる有機系重合体を2種類以上用いてもよい。
ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量(Mn)は、4,000以上30,000以下であることが好ましい。数平均分子量が4,000未満であると、硬化物の伸び特性が低下する可能性があるため、好ましくない。数平均分子量が30,000を超えると、重合体が流動性を損ない、取扱いの利便性を欠く可能性があるため、好ましくない。
架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体として、架橋性シリル基を分子鎖末端に有し、ポリオキシプロピレンを主鎖とする重合体を例示できる。このような重合体の製造法は、特に限定されないが、例えば、末端に水酸基を有するポリオキシプロピレンの末端水酸基をアリルオキシ基等の不飽和基に変換したのち、メチルジメトキシシラン等のヒドロシランを用いてヒドロシリル化反応によりポリオキシプロピレンに架橋性シリル基を導入して得ることができる。
なお、本発明に係る湿気硬化型接着剤組成物は床暖房パネルと床材とを接着する用途で用いられるため、TVOC(総揮発性有機化合物)の量を抑えるという観点から、架橋性シリル基を有するアクリル系重合体は用いないことが好ましい。
[熱伝導性充填剤]
熱伝導性充填剤は、床暖房パネルで生じた熱を床材に効率よく伝えるために用いられる。熱伝導性充填剤は、従来用いられるものであればどのようなものであってもよく、例えば、グラファイト、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ等の炭素化合物;アルミニウム粉末、銅粉末、ニッケル粉末等の金属系粉末;アルミナ粉末、酸化マグネシウム粉末、酸化ベリリウム粉末、酸化クロム粉末、酸化チタン粉末、酸化ジルコニウム粉末、酸化亜鉛粉末等の金属酸化物系粉末;水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末等の金属水酸化物;表面に導電性を付与するために金属にて被覆してなる金属酸化物(又は水酸化物)系粉末;窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化ケイ素粉末等の金属窒化物系粉末;炭化ホウ素粉末、炭化アルミニウム粉末、炭化チタン粉末、炭化珪素粉末等の金属炭化物系粉末;炭酸マグネシウム粉末、炭酸カルシウム粉末等の金属炭酸塩;結晶性シリカ;アクリロニトリル系ポリマー焼成物、フラン樹脂焼成物、クレゾール樹脂焼成物、ポリ塩化ビニル焼成物、砂糖の焼成物、木炭の焼成物等の有機性ポリマー焼成物;Znフェライトとの複合フェライト;Fe−Al−Si系三元合金;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、熱伝導性充填剤の形状としては、例えば、球状、針状、円盤状、棒状、不定形状が挙げられる。本発明において、接着剤組成物には、電気絶縁性が求められるため、熱伝導性充填剤は、金属酸化物系粉末、金属水酸化物系粉末、金属窒化物系粉末又は金属炭化物系粉末であることが好ましく、特に、金属水酸化物系粉末の一つである水酸化アルミニウム粉末であることが好ましい。熱伝導性充填剤の平均粒子径は限定されないが、0.1〜100μmの範囲内であることが好ましく、さらには、0.1〜50μmの範囲内であることが好ましい。特に、熱伝導性充填剤は、BET比表面積が5.0m/g以下である水酸化アルミニウム粉末であることが好ましい。また、熱伝導性充填剤が水酸化アルミニウム粉末である場合、この水酸化アルミニウム粉末は、平均粒子径が1〜30μm(ただし、1μmを含まない。)である球状の水酸化アルミニウム粉末と、平均粒子径が0.1〜5μmである球状又は不定形状の水酸化アルミニウム粉末との混合物であることが好ましい。さらに、この混合物において、平均粒子径が1〜30μmである球状の水酸化アルミニウム粉末の含有量は、水酸化アルミニウム粉末全体に対して30〜90質量%の範囲内であり、平均粒子径が0.1〜5μmである球状又は不定形状の水酸化アルミニウム粉末の含有量は、水酸化アルミニウム粉末全体に対して10〜70質量%の範囲内であることが好ましい。
熱伝導性充填剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100質量部に対して400質量部以上700質量部以下であることが好ましい。400質量部未満であると、得られる接着剤組成物の熱伝導性が不十分になり得るため、好ましくない。700質量部未満を超えると、得られる接着剤組成物中に熱伝導性充填剤を均一に分散できず、その取扱作業性が低下したり、得られる接着剤組成物の物理的特性が著しく低下する場合があるため、好ましくない。
[その他の成分]
本発明の接着剤組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、可塑剤、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
〔可塑剤〕
本発明の接着剤組成物は、取扱い性の点から、さらに、可塑剤を含有していてもよい。床暖房パネルと床材との接着を用途とする場合、TVOC(総揮発性有機化合物)の量を抑えるため、ポリプロピレングリコール(PPG)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジイソノニルフタレート(DINP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、ブチルアセチルリシノレート等を用いることが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔充填剤〕
充填剤としては、各種形状の有機又は無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。
〔表面処理炭酸カルシウム〕
本発明の接着剤組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするために表面処理炭酸カルシウムを添加しても良い。表面処理炭酸カルシウムとは、高級脂肪酸系化合物等の表面処理剤によって表面処理された炭酸カルシウムをいう。
表面処理剤としては、たとえば高級脂肪酸系化合物、樹脂酸系化合物、芳香族カルボン酸エステル、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
高級脂肪酸系化合物としてたとえばステアリン酸ナトリウムのような炭素数が10個以上の高級脂肪酸系のアルカリ金属塩;樹脂酸系化合物としてたとえばアビエチン酸、ネオアビエチン酸、d−ピマル酸、i−d−ピマル酸、ボドカルプ酸、安息香酸、ケイ皮酸など;芳香族カルボン酸エステルとしてたとえばフタル酸のオクチルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどとのエステル、ナフト酸の低級アルコールエステル、ロジン酸の低級アルコールエステルおよび芳香族ジカルボン酸またはロジン酸のマレイン酸付加物のような芳香族ポリカルボン酸の部分エステル化物または異種アルコールエステル化物など;また陰イオン界面活性剤としてたとえばドデシル硫酸ナトリウムのような硫酸エステル型またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸型の陰イオン界面活性剤が挙げられる。
これらの表面処理剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。たとえば、高級脂肪酸系有機物と樹脂酸系有機物とを、それらの総量が炭酸カルシウム100重量部に対し0.2〜4重量部の範囲となるように吸着させたもの、また、硫酸エステル型またはスルホン酸型の陰イオン界面活性剤と芳香族カルボン酸のエステルとを芳香族カルボン酸のエステル10重量部に対し硫酸エステル型またはスルホン酸型の陰イオン界面活性剤を5〜20重量部の割合で添加できる。
炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム及び膠質炭酸カルシウムのいずれも用いることができる。本発明において重質炭酸カルシウムとは石灰石を粉砕して得られる炭酸カルシウムをいい、軽質炭酸カルシウムとは消石灰に二酸化炭素を反応させて人工的に合成した炭酸カルシウムであって一次粒子径が1ミクロン以上のものをいい、膠質炭酸カルシウムとは消石灰に二酸化炭素を反応させて人工的に合成した炭酸カルシウムであって一次粒子径が1ミクロン未満のものをいう。
一般に表面処理した膠質炭酸カルシウムは接着剤組成物等の液状組成物にチキソ性(塗布した接着剤の垂れ防止性)を付与する効果が大きいと言われている。特に一次粒子径が0.5ミクロン以下、更には0.1ミクロン以下の炭酸カルシウムがチキソ性付与効果が大きい。
表面処理炭酸カルシウムの使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体100質量部に対して2〜500重量部が好ましく、10〜300重量部がさらに好ましく、50〜300重量部が特に好ましい。2重量部未満では、得られる組成物のチクソ性が不充分となる。500重量部を超えると、得られる接着剤組成物の粘度や構造粘性などが高くなりすぎて、塗布作業性や貯蔵安定性が低下したり、接着剤組成物中の樹脂成分の割合が相対的に少なくなるので、接着強度の発現が遅くなったり、接着強度が低下することがある。
〔老化防止剤〕
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
〔酸化防止剤〕
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
〔揺変性付与剤〕
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、アエロジル(日本アエロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等が挙げられる。
〔接着付与剤〕
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
〔難燃剤〕
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
<積層体>
本発明の積層体は、上記湿気硬化型接着剤組成物からなる接着層を介して床暖房パネルと床材とが積層されている。
[床暖房パネル]
本発明において、床暖房パネルはどの方式であってもよく、内部に電気配線が配された電気式であってもよいし、内部に温水配管が配された温水式であってもよいし、内部に温風配管が配された温風式であってもよい。また、内部に蓄熱体が配された蓄熱式であってもよい。
[床材]
床材は、従来用いられるものであれば、特に限定されるものではない。床仕上げ材として、例えば、合板、MDF等の木質フローリング、タイル、塩化ビニルシート、石材等が挙げられる。また、床下地材として、例えば、合板、木根太、石膏ボード、スレート板、コンクリート等が挙げられる。
<接着剤組成物の製造方法>
本発明の接着剤組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等の撹拌機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。23℃、50%RHにおける接着剤組成物の粘度は、700Pa・s以下であることが好ましく、500Pa・s以下であることがより好ましく、300Pa・s以下であることが更に好ましい。該粘度が700Pa・sを超えると、塗布作業性や貯蔵安定性が低下したりする可能性があるため、好ましくない。
<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、床下地材の表面に任意の接着剤組成物を塗布し、床下地材側接着剤層を形成する。そして、床下地材の表面に上記床暖房パネルを取り付け、床暖房パネルの接着剤層が形成されていない面に本発明の接着剤組成物を塗布し、床暖房パネル側接着剤層を形成する。そして、床暖房パネルの表面に床仕上げ材を取り付けた後、空気中の湿気によって2つの接着剤層を硬化させることで、本発明の積層体を得ることができる。なお、「任意の接着剤組成物」は、従来公知の接着剤組成物であってもよいし、本発明の接着剤組成物であってもよい。また、床下地材側接着剤層は必須の構成要素ではなく、床下地材の表面に任意の接着剤組成物を塗布せず、床下地材の表面に上記床暖房パネルを直接取り付けてもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
(合成例1)
ポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量5,000(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSKGELHタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。
得られたアリル基末端ポリプロピレンオキシドに対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金のイソプロパノール溶液を触媒として、メチルジメトキシシランを反応させ、メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドAを得た。H−NMRを測定すると、末端のメチルジトキシシリル基は1分子あたり平均して1.7個であった。
(合成例2)
ポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量20,000(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSKGELHタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。
得られたアリル基末端ポリプロピレンオキシドに対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金のイソプロパノール溶液を触媒として、メチルジメトキシシランを反応させ、メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドBを得た。H−NMRを測定すると、末端のメチルジトキシシリル基は1分子あたり平均して1.6個であった。
(合成例3)
ポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量38,000(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSKGELHタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。
得られたアリル基末端ポリプロピレンオキシドに対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金のイソプロパノール溶液を触媒として、メチルジメトキシシランを反応させ、メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドCを得た。H−NMRを測定すると、末端のメチルジトキシシリル基は1分子あたり平均して2.0個であった。
(合成例4)
ポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量16,000(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSKGELHタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。
得られたアリル基末端ポリプロピレンオキシドに対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金のイソプロパノール溶液を触媒として、メチルジメトキシシランを反応させ、メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドDを得た。H−NMRを測定すると、末端のメチルジトキシシリル基は1分子あたり平均して1.3個であった。
<実施例1>
メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドA100質量部と、熱伝導性充填剤(商品名:アルモリックスB−350,水酸化アルミニウム,巴工業社製)470質量部と、充填剤(商品名:シーレッツ200,脂肪酸エステルで表面処理された膠質炭酸カルシウム,丸尾カルシウム社製)250質量部と、可塑剤(商品名:アクトコールD3000,ポリオキシプロピレングリコール(PPG)系可塑剤,三井化学社製)70質量部と、酸化防止剤(商品名:イルガノックス(登録商標)E201,3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オールからなる6−ヒドロキシクロマン誘導体,BASFジャパン社製)2質量部と、水分吸収剤(商品名:エチルシリケート28,テトラエトキシシラン,コルコート社製)12質量部と、高沸点溶剤(商品名:カクタスノルマルパラフィンN−11,炭素数11のノルマルパラフィン,JX日鉱日石エネルギー社製)3質量部と、シランカップリング剤(商品名:KBM−403,3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,信越化学工業社製)20質量部と、有機スズ系触媒(商品名:ネオスタンU−700ES,ジブチル錫塩と正珪酸エチルとの反応生成物,日東化成社製)5質量部とを均一に混合し、実施例1の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<実施例2>
上記水酸化アルミニウムの量が410質量部であり、ガラスバルーン(商品名:グラスバブルスS38,住友スリーエム社製)60質量部をさらに含有すること以外は、実施例1と同じ方法にて実施例2の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<実施例3>
上記水酸化アルミニウムの代わりにアルミナ(商品名:AS−400,アルミナ(酸化アルミニウム),昭和電工社製)470質量部を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて実施例3の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<実施例4>
メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドAの代わりにメチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドB100質量部を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて実施例4の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<比較例1>
メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドAの代わりにメチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドC100質量部を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて比較例1の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<比較例2>
上記水酸化アルミニウムの量が720質量部であり、充填剤を加えなかったこと以外は、実施例1と同じ方法にて比較例2の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<比較例3>
上記水酸化アルミニウムの量が150質量部であり、充填剤として、上記シーレッツ200のほかに重質炭酸カルシウム(商品名:寒水♯40,日東粉化工業社製)200質量部をさらに加え、酸化カルシウム(商品名:CML35S,近江化学社製)60質量部と、上記ガラスバルーン60質量部とをさらに含有すること以外は、実施例1と同じ方法にて比較例3の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<比較例4>
上記シリル基含有ポリオキシアルキレン系重合体Bの量を50質量部とし、シリル基含有アクリル系重合体(商品名:アクトフローSE−09,トリメトキシシリル基を含有する(メタ)アクリル重合体,平均シリル基数:1.0,数平均分子量(Mn):3000,綜研化学社製)50質量部をさらに加えたこと以外は、実施例1と同じ方法にて比較例4の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<比較例5>
メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドAの代わりにメチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドD100質量部を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて比較例5の湿気硬化型接着剤組成物を得た。
<作業性(塗布性)の評価>
縦70mm、横70mm、厚さ12mmのラワン合板に実施例及び比較例に係る接着剤組成物をクシ目ゴテで塗布した。結果を表2に示す。抵抗感なくスムーズに塗布できた場合を“◎”とし、わずかに抵抗はあったが概ねスムーズに塗布できた場合を“○”とし、少し抵抗はあったが作業性に影響はない程度にスムーズに塗布できた場合を“△”とし、抵抗があり、作業性に影響ある場合を“×”とした。
<熱伝導率の評価>
熱伝導率の評価は、熱伝導率測定器HR−100(東海技研社製)を用いて行った。周囲を断熱材で囲んだ直径25mm熱源の下部に、直径が25mm、厚さが2mmになるようにサンプルを装填し、上部に設けた熱源より加熱する。円筒部のサンプルの温度を測定して、定常状態における温度勾配から熱伝導率を算出した。結果を表2に示す。
<引張接着強さの評価>
常態引張接着強さ及び耐熱引張接着強さを、引張試験機テンシロンUTM−2.5t(オリエンテック社製)を用い、JIS A 5536法にしたがって測定した。結果を表2に示す。引張接着強さが1.0N/mm以上又は引張試験中に床材若しくは下地材が材料破壊した場合を“○”とし、引張接着強さが1.0N/mm未満である場合を“×”とした。
<床鳴り防止性能の評価>
23℃及び40℃における床鳴り防止性能を、騒音計LA−220(小野測器社製)を用い、JIS A 5536法にしたがって行った。結果を表2に示す。音圧レベルが40dB以下である場合を“○”とし、40dBを超える場合を“×”とした。
<目隙の評価>
80℃で1週間乾燥した針葉樹合板(300mm×1800mm×20mm厚)の短手方向に、実施例及び比較例に係る接着剤組成物を間隔300mmで幅6mmのビード状に6本塗布した後、接着剤組成物が塗布された針葉樹合板の塗布面に対して水平となるように、2枚の針葉樹合板(900mm×12mm厚)からなる床材を並べて積層し、コーナー端部4ヶ所を釘で固定して床構造体を得た。この構造体を23℃、湿度50%の雰囲気下で2週間養生し、80℃で1週間乾燥した後、2枚の床材間に生じた目隙の寸法を測定した。結果を表2に示す。目隙が0.4mm以下である場合を“○”とし、目隙が0.4mmを超える場合を“×”とした。
<TVOCの評価>
40℃におけるTVOCをJIS A1901法にしたがって測定した。結果を表2に示す。TVOCが400μg/m未満である場合を“○”とし、400μg/mを超える場合を“×”とした。
<ΔT試験>
図1を用いながら、本実施例におけるΔT試験について説明する。まず、第1の銅板1(縦12.5mm×横12.5mm×厚さ2mm)と、第2の銅板2(縦12.5mm×横12.5mm×厚さ0.5mm)とを、実施例及び比較例に係る接着剤組成物からなる接着層3(厚さ:約100μm)を介して貼りあわせ、23℃で7日間養生する。続いて、第1の銅板1の接着層3が形成されていない面と、ヒートシンク4とを、熱伝導グリース(商品名:G−747,信越化学工業社製)からなる第1の熱伝導グリース層5(厚さ:約20μm)を介して積層するとともに、第3の銅板6(サイズは第1の銅板1と同じ)とを、上記熱伝導グリースからなる第2の熱伝導グリース層7(厚さ:約20μm)を介して積層する。そして、図示しないヒータを用いて、第3の銅板6の第2の熱伝導グリース層7が形成されていない面を加熱し、第3の銅板6を90℃〜95℃に、第1の銅板1を40℃〜45℃で安定させる。そして、これらの温度で安定するようにヒータの電力(ワット数)を4週間保つ。4週間経過後の接着層3の劣化の度合いを手剥離試験によって測定し、これをΔT試験の結果とした。結果を表2に示す。手で剥離できない場合を“○”とし、剥離できる場合を“×”とした。
分子内に1.5個以上の架橋性シリル基を有し、数平均分子量(Mn)が4,000以上30,000以下であるポリオキシアルキレン系重合体100質量部と、熱伝導性充填剤400〜700質量部とを含有する湿気硬化型接着剤組成物は、高い熱伝導性、高い引張接着強さ、高い取扱作業性及び高い安全性の全てを満たすため、床暖房パネルの接着用途に適することが確認された(実施例1〜4)。
一方、ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量が30,000を超える場合、粘度が高く、取扱作業性が劣るため、好ましくないことが確認された(比較例1)。また、熱伝導性充填剤の含有量が700質量部を超える場合、粘度が高く、取扱作業性が劣るとともに、接着層に気泡が生じ、安定した熱伝導率が得られない点で好ましくないことが確認された(比較例2)。
また、熱伝導性充填剤の含有量が400質量部よりも少ない場合、熱伝導性が低い点で好ましくないことが確認された(比較例3)。また、シリル基含有重合体がアクリル系重合体を一定量以上含むものである場合、TVOC量が高くなり得る点で好ましくないことが確認された(比較例4)。また、シリル基含有重合体の分子内における架橋性シリル基の数の平均が1.5個よりも少ない場合、充分な引張接着強さが得られない点で好ましくないことが確認された(比較例5)。
1 第1の銅板
2 第2の銅板
3 接着層
4 ヒートシンク
5 第1の熱伝導グリース層
6 第3の銅板
7 第2の熱伝導グリース層

Claims (6)

  1. 1分子内に平均して1.5個以上の架橋性シリル基を有し、数平均分子量(Mn)が4,000以上30,000以下であるポリオキシアルキレン系重合体100質量部と、熱伝導性充填剤400〜700質量部とを含有し、
    前記熱伝導性充填剤は、金属酸化物系粉末、金属水酸化物系粉末、金属窒化物系粉末及び金属炭化物系粉末から選択される1種以上を含む、床暖房パネルと床材とを接着する用途で用いられる、湿気硬化型接着剤組成物。
  2. 前記架橋性シリル基は1分子内に平均して1.5〜5個含まれる、請求項1に記載の湿気硬化型接着剤組成物。
  3. 前記架橋性シリル基は下記一般式(1)で表される、請求項1又は2に記載の湿気硬化型接着剤組成物。
    (一般式(1)中、Rは炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価の有機基であり、Rが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。Xは水酸基又は加水分解性基であり、Xが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。nは1から3のいずれかの整数である。)
  4. JIS A 5536法による常態引張接着強さが1.0N/mm以上又は床材若しくは下地材の材料破壊である、請求項1から3のいずれかに記載の湿気硬化型接着剤組成物。
  5. JIS A 5536法による耐熱引張接着強さが1.0N/mm以上又は床材若しくは下地材の材料破壊である、請求項1から4のいずれかに記載の湿気硬化型接着剤組成物。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の湿気硬化型接着剤組成物からなる接着層を介して床暖房パネルと床材とが積層された積層体。
JP2012111694A 2012-05-15 2012-05-15 湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いた積層体 Active JP5970950B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111694A JP5970950B2 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いた積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111694A JP5970950B2 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いた積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013237778A JP2013237778A (ja) 2013-11-28
JP5970950B2 true JP5970950B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=49763088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012111694A Active JP5970950B2 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いた積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5970950B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201626520A (zh) * 2014-12-26 2016-07-16 Lintec Corp 熱傳導性接著薄片、其製造方法及使用其之電子裝置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3759987B2 (ja) * 1996-01-25 2006-03-29 有限会社エム・エル・シー 涙道内挿管用具
JPH09210381A (ja) * 1996-01-30 1997-08-12 Nippon Thermostat Kk 床暖房パネル
JP3563981B2 (ja) * 1997-12-18 2004-09-08 積水化学工業株式会社 床構成体及びその施工方法
JP2002363429A (ja) * 2001-06-07 2002-12-18 Three Bond Co Ltd 熱伝導性組成物
JP2004169020A (ja) * 2002-10-29 2004-06-17 Sekisui Chem Co Ltd 硬化性組成物、シーリング材及び接着剤
JP2007162958A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Sekisui Fuller Kk 床暖房装置
DE102009026679A1 (de) * 2009-06-03 2010-12-16 Henkel Ag & Co. Kgaa Kleb- und Dichtstoffe auf Basis silanterminierter Bindemittel zum Verkleben und Abdichten von flexiblen Solarfolien / Photovoltaikmodulen
JP2011038033A (ja) * 2009-08-17 2011-02-24 Cemedine Co Ltd 湿気硬化型接着剤組成物及び温水床暖房構造体
JP5823099B2 (ja) * 2010-06-16 2015-11-25 セメダイン株式会社 難燃伝熱性硬化性組成物
JP5445415B2 (ja) * 2010-09-21 2014-03-19 信越化学工業株式会社 熱伝導性シリコーン接着剤組成物及び熱伝導性シリコーンエラストマー成形品
JP2012069783A (ja) * 2010-09-24 2012-04-05 Yokohama Rubber Co Ltd:The 熱伝導性シリコーン組成物およびこれを用いる実装基板
JP5743584B2 (ja) * 2011-02-09 2015-07-01 サンスター技研株式会社 熱伝導性組成物
JP2013216719A (ja) * 2012-04-04 2013-10-24 Nitto Denko Corp 光学フィルム用粘着剤組成物、光学フィルム用粘着剤層、粘着剤層付光学フィルムおよび画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013237778A (ja) 2013-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007094274A1 (ja) 硬化性組成物
JP6041157B2 (ja) 熱伝導性樹脂組成物
KR100715362B1 (ko) 방열 재료용 수지 조성물 및 방열 재료
TW201241841A (en) Electroconductive adhesive
JP7282076B2 (ja) フィルム状接着剤及び半導体加工用シート
TW201141924A (en) Heat-conductive moisture-curable resin composition
JP2011032434A (ja) 電子部品封止用シート状エポキシ樹脂組成物およびそれにより得られた電子部品装置集合体ならびに電子部品装置
WO2013179896A1 (ja) 粘着テープ又はシート及びその製造方法
WO2014136484A1 (ja) 装置、接着剤用組成物、接着シート
JP6927717B2 (ja) 絶縁材料及び電子部品
JP5970950B2 (ja) 湿気硬化型接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いた積層体
EP4053213B1 (en) Resin composition, cured product, composite molded body and semiconductor device
EP3992262A1 (en) Adhesive composition, coverlay film comprising same, and printed circuit board
JP6732145B1 (ja) 熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性シートおよび製造方法
KR20220030103A (ko) 경화성 조성물
JP2015193704A (ja) 高熱伝導セラミックス粉末含有樹脂組成物、その硬化物
JP5180938B2 (ja) 外壁の無目地構造用弾性パテ組成物
CN110461927B (zh) 吸附暂时固定片及其制造方法
JP2008031405A (ja) 熱伝導性樹脂組成物の製造方法
JP5335507B2 (ja) 接着方法
JP2015193703A (ja) 高熱伝導セラミックス粉末含有樹脂組成物
KR20190056448A (ko) 열전도성 페이스트 및 전자 장치
JP7256944B2 (ja) 湿気硬化型樹脂組成物および硬化物
JP2005082681A (ja) 硬化性組成物及び弾性パテ組成物
JPWO2020075663A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂硬化物および複合成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5970950

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250