JP5970947B2 - 原料輸送制御装置及び原料輸送制御方法 - Google Patents
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そのため、自動輸送を中断して人間が介入せざるを得ない状況が発生し、合金鉄投入設備の稼働率が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、原料投入設備の高稼働率維持を実現することができる原料輸送制御装置及び原料輸送制御方法を提供することを課題としている。
このように、直近の投入スケジュールと現時点での炉上ホッパー保有量とに基づいて、原料を輸送する優先順と輸送量とを決定するので、直近の投入スケジュールに支障をきたさないように輸送スケジュールを更新するなど、その時々の状況にあわせた柔軟な輸送制御を行うことができる。
これにより、現時点でのホッパー保有量が、直近の投入スケジュールに最低限必要な最低保有量に満たない場合には、その炉上ホッパーに対して優先的に輸送を行うことができる。したがって、直近の投入スケジュールに必要な最低保有量を常に確保するように輸送スケジュールを決定することができる。
これにより、現時点でのホッパー保有量が、直近の投入スケジュールに最低限必要な最低保有量に満たない炉上ホッパーのうち、投入予定時刻が早いものに対して優先的に輸送を行うことができる。したがって、操業中に炉上ホッパーが空になるのを回避して、直近の投入スケジュールを滞りなく実施することができる。
さらにまた、上記において、前記輸送要求決定手段は、前記輸送要求量算出手段で算出した輸送要求量が零又は負の値となる前記炉上ホッパーの中で、前記保有量計測手段で計測した保有量が少ないほど前記輸送優先順を高く設定することを特徴としている。
このように、すぐに実行しなげればならない輸送要求がない場合には、その空いている時間を利用して各炉上ホッパーを十分に補充することができる。
このように、直近の投入スケジュールと現時点でのホッパー保有量とに基づいて、原料を輸送する優先順と輸送量とを決定するので、直近の投入スケジュールに支障をきたさないように輸送スケジュールを更新することができる。これにより、その時々の状況にあわせた柔軟な輸送制御を行うことができる。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本実施形態に係る原料輸送制御装置を適用した設備の概略構成を示す図である。
図中、符号1は、転炉製鋼等の金属精錬プラントにおいて、転炉30へ副原料や合金鉄を投入する合金鉄投入設備である。
炉上ホッパー8A〜8Dからは、それぞれ切り出し装置9A〜9Dを通して合金鉄が切り出される。炉上ホッパー8A〜8Dの出口側には、各炉上ホッパー又は複数の炉上ホッパー毎の切出量を測定するホッパースケール10,11が設けられ、製鋼の目標成分組成に対応して、各々所定量の合金鉄が転炉30へ投入されるようになっている。
さらに、合金鉄投入設備1は、炉上ホッパー8A〜8Dの合金鉄の保有量に相当するホッパーレベル(体積%)を指示するレベル計13A〜13Dを備える。レベル計13A〜13Dによるホッパーレベルの指示は、例えば、“L(下限レベル)”、“M(標準レベル)”、“H(上限レベル)”の3パターンで行う。
制御計算機21は、地上バンカー2A〜2Dからの切出量(輸送量)と、炉上ホッパー8A〜8Dからの切出量(投入量)との差に基づいて、炉上ホッパー8A〜8Dのホッパーレベルを更新する指令を作成し、これを分散型制御システム22に出力する。分散型制御システム22は、その更新指令を受けてレベル計13A〜13Dのレベル情報の更新を行う。
先ずステップS1で、制御計算機21は、予め決定されている操業スケジュールを取得し、ステップS2に移行する。この操業スケジュールは、鋼種や操業時間などの情報を示すものであり、予め制御計算機21内のメモリ等に格納しておく。
ステップS2では、制御計算機21は、前記ステップS1で取得した操業スケジュールに基づいて、現時刻から所定時間α先までの合金鉄銘柄毎の投入スケジュールを算出する。ここで、投入スケジュールは、合金鉄銘柄毎の転炉30への投入予定量Qj及び投入予定時刻Tjであり、添え字jは、合金鉄の銘柄を表す識別番号とする。
Qj=Σ{Δw(i,j)・Wi} ………(1)
ここで、Σは、i=1〜βの和である。なお、上記所定時間αは、各炉上ホッパー8A〜8Dの容量等に応じて適宜設定するものとし、例えばβ=3回程度の時間に設定する。
ステップS4では、制御計算機21は、前記ステップS3で取得した各種スケール情報に基づいて、炉上ホッパー保有量Pjを算出する。すなわち、メリックスケール12で計測した地上バンカーからの切出量(炉上ホッパー毎の輸送量)と、ホッパースケール10,11で計測定した炉上ホッパーからの切出量(炉上ホッパー毎の投入量)との差に基づいて、レベル計13A〜13Dが示す炉上ホッパー毎のレベル(炉上ホッパー毎のホッパーレベル)を更新し、これを炉上ホッパー保有量Pjとして算出する。また、このとき制御計算機21は、分散型制御システム22に対し、レベル計13A〜13Dのレベル情報の更新を行うための出力信号を発信する。
Rj=Qj−Pj ………(2)
合金鉄銘柄毎の輸送要求量Rjは、現時刻での炉上ホッパー保有量Pjでβ回の転炉操業を行うことができる場合には、Pj≧Qjであるため零または負の値となり、現時刻での炉上ホッパー保有量Pjではβ回の転炉操業を行うことができない場合には、Pj<Qjであるため正の値となる。
Sj=Hj−Pj ………(3)
炉上ホッパー毎の輸送可能量Sjは、現時刻で炉上ホッパーに合金鉄を補給可能な空き容量がある場合に正の値となり、空きがない場合には零となる。
ステップS8では、制御計算機21は、前記ステップS5で算出した合金鉄銘柄毎の輸送要求量Rjが正の値であるか否かを判定する。そして、Rj>0である炉上ホッパーが存在する場合にはステップS9に移行し、すべてRj≦0である場合には後述するステップS10に移行する。
ステップS9では、制御計算機21は、Rj>0且つSj>0であるものの中で輸送優先順を決定し、輸送優先順と輸送量とを示す輸送要求指令を作成し、輸送要求作成処理を終了する。ここで、輸送優先順は、例えば転炉30への投入予定時刻Tjの早いものほど高く設定する。
図3は、制御計算機21で実行する輸送制御処理手順を示すフローチャートである。この輸送制御処理は、システム稼働中、上述した輸送要求作成処理とは独立して所定時間毎に繰り返し実行する。
ステップS12では、制御計算機21は、図2の輸送要求作成処理で輸送要求指令が作成されているか否かを判定する。そして、輸送要求無しと判定した場合にはそのまま輸送制御処理を終了し、輸送要求有りと判定した場合にはステップS13に移行する。
なお、図2のステップS2が投入スケジュール算出手段に対応し、ステップS4が保有量計測手段に対応し、ステップS5が輸送要求量算出手段に対応し、ステップS6が輸送可能量算出手段に対応し、ステップS7〜S10が輸送要求作成手段に対応している。また、図3のステップS12及びS13が輸送制御手段に対応している。
次に、第1の実施形態の動作について、図4を参照しながら説明する。ここでは、説明を簡略化するために、β=1とし、常に次の投入予定の合金鉄の最低保有量を優先的に確保するように輸送制御する場合について説明する。また、以下の説明では、炉上ホッパー8A〜8Dに装入されている合金鉄銘柄を、銘柄A〜Dという。
図4(a)に示すように、炉上ホッパー8A〜8DがすべてHレベル(最大保有量HA〜HD)である状態から、炉上ホッパー8A及び8Bの合金鉄を転炉30に投入した結果、図4(b)に示すように、炉上ホッパー8AがLレベル、炉上ホッパー8BがMレベルとなっているものとする。
このように、予め決定された操業スケジュールに基づいて、直近の所定時間α内に各炉上ホッパー8A〜8Dから転炉30への投入スケジュール(合金鉄の投入予定量Qj及び投入予定時刻Tj)を算出する。
例えば、図4(b)に示す時点において、炉上ホッパー8Bの投入予定量QBに対して炉上ホッパー保有量PBが少なく、炉上ホッパー8Cの投入予定量QCに対して炉上ホッパー保有量PCが多い場合、輸送要求量RBは正の値となり、輸送要求量RCは負の値となる。つまり、この場合、次回の転炉操業で投入する合金鉄の最低保有量を確保するためには、炉上ホッパー8Bへの輸送が必要であると判断される。
このとき、SB>RBである場合には、輸送要求量RBを全て輸送しても炉上ホッパー8Bが溢れることはないため、この輸送要求量RBを炉上ホッパー8Bへ輸送するための輸送要求指令を作成する(ステップS9)。そして、この輸送要求指令を分散型制御システム22に出力する(図3のステップS13)。
これにより、図4(c)に示すように、次の転炉操業が開始しても、炉上ホッパー8Cから転炉30へ銘柄Cが投入されている間に、炉上ホッパー8Bに対して輸送要求量RBの銘柄Bが補給される。このとき補給される量は、炉上ホッパー8Bを最大保有量HBとするものではなく、次回の転炉操業に支障をきたさない量である。
このように、操業前に、次回の転炉操業で投入予定の合金鉄が炉上ホッパー内に確保されているか否かを確認し、炉上ホッパー保有量Pjが次回の転炉操業での投入予定量Qjよりも少ない場合には、操業中に合金鉄が足りなくなる炉上ホッパーに対して優先的に輸送する。これにより、スケジュール通りの投入を滞りなく行うことができる。
図4(c)に示す状態から、炉上ホッパー8Bに輸送要求量RBを輸送し終わると、投入予定量QBと炉上ホッパー保有量PBとが等しい状態となるため、再び炉上ホッパー8Bの輸送要求量RBを確認すると、RB=0となる。したがって、この時点では、炉上ホッパー8A〜8Dの輸送要求量RA〜RDは、何れも零または負の値となる(ステップS8でNo)。そのため、この場合には、輸送可能量Sj(=Hj−Pj)が正の値であるものの中から、優先度の高い順に輸送要求を作成する(ステップS10)。
そのため、この場合には、炉上ホッパー保有量が最も低い炉上ホッパー8Aへの輸送を優先させるとして、輸送可能量SAを輸送するための輸送要求指令を作成し(ステップS10)、輸送を実行する(ステップS13)。これにより、図4(d)に示すように、炉上ホッパー8Bから転炉30へ銘柄Bが投入されている間に、炉上ホッパー8Aに対して輸送可能量SAの銘柄Aが補給され、炉上ホッパー8Aの保有量は最大保有量HAとなる。
これに対して、本実施形態では、直近の投入スケジュールを確認し、常に直近投入予定の合金鉄の最低保有量を確保するように輸送順および輸送量を決定して自動輸送を行うので、オペレータの介入なく操業を継続することができる。
上記第1の実施形態では、直近の所定時間の投入スケジュール(投入予定量、投入予定時刻)と、現時刻での炉上ホッパー保有量とに基づいて、輸送スケジュール(輸送量、輸送順)を自動的に更新するので、直近投入予定の合金鉄の最低保有量を常に優先的に確保することができ、操業中に炉上ホッパーが空となるといった事態を回避することができる。そのため、操業を中断することなく継続して行うことができ、合金鉄投入設備の高稼働率維持を実現することができる。
このとき、投入予定量から炉上ホッパー保有量を減算することで、地上ホッパーから炉上ホッパーへの合金鉄の輸送要求量を算出し、当該輸送要求量が正の値となる炉上ホッパーを優先して輸送を行うので、直近投入予定の合金鉄を確実に確保することができる。
したがって、全体としての要求を制限時間内に処理するといった、その時々の状況にあわせた柔軟な輸送制御を行うことができる。そのため、自動輸送を中断して人間が介入せざるを得ないような状況となるのを防止することができる。
このように、操業オペレータの介入なく操業を継続することができるので、従来必要であった合金鉄投入設備の動作監視要員や手動操作介入要員が不要となり、設備運転コストが低減されるという効果もある。
したがって、すぐに実行しなげればならない輸送要求(直近投入予定の炉上ホッパーの輸送要求)がない場合には、その空いている時間を利用して、炉上ホッパーが空にならないように事前に合金鉄を補充しておくことができる。
Claims (5)
- 複数の地上バンカーから対応する炉上ホッパーへ原料を輸送する原料輸送制御装置であって、
予め決定された操業スケジュールに基づいて、直近の所定時間内に前記各炉上ホッパーから転炉へ投入する原料の投入予定量及び投入予定時刻を含む投入スケジュールを算出する投入スケジュール算出手段と、
前記各炉上ホッパー内の原料の保有量をそれぞれ計測する保有量計測手段と、
前記投入スケジュール算出手段で算出した投入スケジュールと、前記保有量計測手段で計測した保有量とに基づいて、前記地上バンカーから前記炉上ホッパーへの原料の輸送量及び輸送優先順を決定する輸送要求決定手段と、
前記輸送要求決定手段で決定した輸送量及び輸送優先順に基づいて、原料を輸送する輸送制御手段と、を備え、
前記輸送要求決定手段は、
前記投入スケジュール算出手段で算出した投入予定量から前記保有量計測手段で計測した保有量を減算することで、前記地上バンカーから前記炉上ホッパーの原料の輸送要求量を算出する輸送要求量算出手段を備え、
前記輸送要求量算出手段で算出した輸送要求量が正の値となる前記炉上ホッパーの前記輸送優先順を、当該輸送要求量が零又は負の値となる前記炉上ホッパーよりも高く設定するとともに、
前記輸送要求量算出手段で算出した輸送要求量が零又は負の値となる前記炉上ホッパーの中で、前記保有量計測手段で計測した保有量が少ないほど前記輸送優先順を高く設定することを特徴とする原料輸送制御装置。 - 前記輸送要求決定手段は、
前記輸送要求量算出手段で算出した輸送要求量が正の値となる前記炉上ホッパーの中で、前記投入スケジュール算出手段で算出した投入予定時刻が早いほど前記輸送優先順を高く設定することを特徴とする請求項1に記載の原料輸送制御装置。 - 前記輸送要求決定手段は、
前記保有量計測手段で計測した前記炉上ホッパーの保有量が、当該炉上ホッパーで保有可能な最大保有量となるまでの輸送可能量を算出する輸送可能量算出手段を備え、
前記輸送可能量算出手段で算出した輸送可能量を上限として、前記輸送要求量算出手段で算出した輸送要求量を、前記輸送要求量算出手段で算出した輸送要求量が正の値となる前記炉上ホッパーへの前記輸送量とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の原料輸送制御装置。 - 前記輸送要求決定手段は、
前記保有量計測手段で計測した前記炉上ホッパーの保有量が、当該炉上ホッパーで保有可能な最大保有量となるまでの輸送可能量算出手段を備え、
前記輸送可能量算出手段で算出した輸送可能量を、前記輸送要求量算出手段で算出した輸送要求量が零又は負の値となる前記炉上ホッパーへの前記輸送量とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の原料輸送制御装置。 - 複数の地上バンカーから対応する炉上ホッパーへ原料を輸送する原料輸送制御方法であって、
予め決定された操業スケジュールに基づいて、直近の所定時間内に前記各炉上ホッパーから転炉へ投入する原料の投入予定量及び投入予定時刻を含む投入スケジュールを算出するステップと、
前記各炉上ホッパー内の原料の保有量をそれぞれ計測するステップと、
算出した投入スケジュールと計測した保有量とに基づいて、前記地上バンカーから前記炉上ホッパーへの原料の輸送量及び輸送優先順を決定するステップと、
決定した輸送量及び輸送優先順に基づいて、原料を輸送するステップと、を備え、
前記地上バンカーから前記炉上ホッパーへの原料の輸送量及び輸送優先順を決定するステップは、
算出した投入予定量から計測した保有量を減算することで、前記地上バンカーから前記炉上ホッパーの原料の輸送要求量を算出し、
算出した輸送要求量が正の値となる前記炉上ホッパーの前記輸送優先順を、当該輸送要求量が零又は負の値となる前記炉上ホッパーよりも高く設定するとともに、
算出した輸送要求量が零又は負の値となる前記炉上ホッパーの中で、計測した保有量が少ないほど前記輸送優先順を高く設定することを特徴とする原料輸送制御方法。
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