JP2002175106A - 入槽計画作成方法およびその装置ならびに原料物流制御方法およびその装置 - Google Patents

入槽計画作成方法およびその装置ならびに原料物流制御方法およびその装置

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JP2002175106A JP2000371139A JP2000371139A JP2002175106A JP 2002175106 A JP2002175106 A JP 2002175106A JP 2000371139 A JP2000371139 A JP 2000371139A JP 2000371139 A JP2000371139 A JP 2000371139A JP 2002175106 A JP2002175106 A JP 2002175106A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入槽計画或いは原料物流制御を高速に最適化
できるようにする。 【解決手段】現在の物流状態、情報を取り出す条件設定
および取込み部30と、この情報を入力データ、初期値
等として設定する工程S201と、この情報に基づいて
補給レベルを切る貯槽を抽出し、この貯槽に対して搬送
経路割付けパターン抽出する工程S203と、これによ
り得られた搬送経路から全割付けパターンを構築する工
程S204と、全搬送経路割付けパターンに対して、現
在の物流状態や物流制約をもとにして線形式及び整数制
約式でなる数式モデルをそれぞれ構築する工程S205
と、各数式モデルを評価関数に基づいて最適化する工程
S206と、最適化結果の内で一番良い評価値を示す組
合わせを抽出し、この最終結果とする工程S208とを
具備する。最適な入槽順、入槽開始・終了時刻、入槽
量、リクレーマ稼動開始・終了時刻等を極めて簡単に決
定することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1以上の払出し設
備,複数の貯槽、および、払出し設備から貯槽に至る搬
送路を選択的に形成する搬送設備、を含む原料設備にお
ける入槽計画作成方法および原料物流制御方法、並びに
これらを実現するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原料ヤードから原料貯槽までの製銑原料
の搬送工程は、異なる銘柄が入槽されかつ、異なる切出
し速度で払出される複数槽に向け、複数銘柄が積みつけ
られた複数のヤードから槽に入槽されている銘柄に適合
する山を選択し、使用できる複数のリクレーマの内で適
切なリクレーマを選択し、リクレーマによって山からの
切出し処理を行ない、切出した鉄鉱石は搬送可能な複数
ベルトコンベア系列の内で適切なベルトコンベア系列を
選択し、原料貯槽へ搬送し、原料貯槽に適切な開始時刻
から終了時刻まで適切な入槽量を入槽処理する。
【0003】更に、複数銘柄が複数ヤードに積みつけら
れており、しかも複数山に同一銘柄が積みつけられてい
る場合もある。
【0004】このようなヤードから原料貯槽までの製銑
原料生産計画を立てる際には、ヤード、リクレーマ、ベ
ルトコンベア系列、原料貯槽の操業上の制約や、原料物
流工程に起因する制約などを考慮に入れる必要がある。
すなわち、原料工場では、高炉操業及び焼結工場の操業
安定化のために原料貯槽の荷切れは発生させてはならな
い。このために多数ある原料貯槽の在庫推移を絶えず監
視し、常に気を配る必要がある。
【0005】また、原料貯槽の在庫レベルがある一定レ
ベルを切ると槽に溜まっていた粒度の粗い鉄鉱石が一気
に流出し、鉄鉱石の粒度安定阻害を起こしたり、焼結鉱
の場合には、これを入槽する際に落下距離が大きくなる
ために微粉化が発生したりする。これらを防ぐために、
原料貯槽在庫は高位安定であることが要求される。
【0006】さらに原料貯槽に入槽する銘柄毎に工程経
路が異なるばかりか同一原料貯槽に入槽する場合にも工
程経路が複数存在するため、設備の使用状況を判断し適
切な工程経路を選択する必要がある。また、各工程・各
設備での処理時間が異なることも考慮に入れる必要があ
る。
【0007】このような様々な制約の下で、1つの山か
ら1つのリクレーマを使い、一つのベルトコンベア系列
で搬送し、1つの原料貯槽に対して入槽するのであれ
ば、単純に原料貯槽の在庫レベルが低くなれば運んでい
けば良い。ところが、上述したような複数銘柄が複数ヤ
ードに積みつけられ、且つ別山に同一銘柄が複数箇所に
積みつけられており、複数原料貯槽に入槽するような操
業条件では、全体の生産効率を向上させるためにも、ど
の原料貯槽にどういう順番でどのリクレーマ及びベルト
コンベア系列を使用し、いつからいつまで入槽作業を行
なうかを決定する必要が有り、高炉・焼結工場の操業を
安定化するため在庫を確保し、鉄鉱石粒度を安定化し、
焼結鉱の微粉化を防止するため在庫レベル高位安定化を
実現した原料ヤード操業計画をきちんと立てる必要があ
る。以上のことより貯槽に原料を送り込む作業の計画立
案は、複雑な知能労働であり、操業者の経験や知識が重
要なものとなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の操業者による計
画立案方法によると、時々刻々と作業状況が変化する大
規模な原料ヤード設備では考慮すべき項目が多く、計算
すべき項目も多いため、熟練操業者以外では情報の見落
とししや判断ミスなどのため計画立案が困難であった。
このような問題を解決するために、現在種々の計画法が
提案されている。
【0009】例えば、特開平3−243508号公報に
は、知識ベースに基づいたヤード計画に則した自動制御
方法が提示され、特開平3−279124号公報には、
ヤード計画を中心とした搬送作業の競合解消方法が提示
され、特開平4−89708号公報には、知識ベースに
基づいた鉱石ヤードの搬送効率を最大化するような自動
制御方法が提示され、特開平4−89709号公報に
は、知識ベースに基づいた石炭ヤードの搬送効率を最大
化するような自動制御方法が提示され、特開平6−26
3231号公報には、原料ヤードにおける受入れ・払出
し・搬送設備の競合および接近競合を避け搬送能率を最
大にする自動制御方法が提示され、特開平11−236
116号公報には、混合整数計画法に基づいた原料搬送
制御システムが提示され、特開平11−236129号
公報には、ルールにより原料ヤードにおける受入れ・払
出し・搬送設備の競合を避け、その結果を評価関数によ
り評価し、評価値が悪い場合条件を変えることで搬送能
率を最大にする自動制御方法が提示され、ヤードの搬送
効率を最大化するような自動制御方法が提示されてい
る。
【0010】しかしながら従来の方法においては、入槽
計画の最適性に関しては、熟練操業者の知識やノウハウ
を知識ベースあるいはルールで解決しているものをがほ
とんどであるため、最適解である保証がなかった。
【0011】また原料供給計画の過程では、同一時刻に
同一起点から複数の終点に、又は、同一時刻に同一搬送
路を介して複数の起点のそれぞれから複数の終点のそれ
ぞれに原料を搬送する「競合」、及び同一起点から同一
終点へ複数搬送路があり、選択する必要がある「選択」
が生じることがあるが、混合整数計画法も用いた公報の
場合においても上記「選択」が考慮されておらず、上記
「競合」と「選択」を同時に最適化する処理方法は各公
報には見当たらない。
【0012】さらに、入槽終了すべき時刻が固定的で幅
がなく、評価の対象からはずれているため競合の解消が
困難であったり、最適性からずれてしまう場合がある。
【0013】そこで本発明は、1以上の原料払出し設
備、2以上の原料貯槽、および、各原料払出し設備から
各原料貯槽に至る原料搬送路を選択的に形成する原料搬
送設備を含む原料設備において、入槽作業に「競合」及
び「選択」が発生しうる場合においても、入槽計画ある
いは原料物流制御を高速に最適化できるようにすること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の入槽計画作成方
法は、1以上の原料払出し設備、2以上の原料貯槽、お
よび、各原料払出し設備から各原料貯槽に至る原料搬送
路を選択的に形成する原料搬送設備、を含む原料設備に
おける入槽計画を作成するための入槽計画作成方法であ
って、原料受入計画、原料ヤード積みつけ計画、原料設
備修理計画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現
況、設備稼働・故障現況、および、操業者からの操業前
提条件を表わす入力デ−タを取り込み、上記入力データ
に基づいて、各原料貯槽毎の在庫量と原料払出し速度か
ら、各原料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻
までに在庫量が所定の補給レベルを切る原料貯槽を抽出
し、上記抽出した原料貯槽に対して選択できる搬送設備
の全てを抽出し、上記抽出した搬送設備から搬送経路と
して選択可能な組合わせ候補を全て構築し、上記搬送経
路として選択可能な組合わせ候補の全てに対して、組合
わせ毎に複数の競合する入槽作業群を線形式及び整数制
約式で成る数式モデルに定式化し、上記構築した数式モ
デルの各々に対して原料貯槽の入槽を開始するレベルま
たは時刻、及び入槽を終了するレベルまたは時刻を変数
として含むあらかじめ設定した線形または2次形式の評
価関数として最適化問題を解くことにより、上記構築し
た数式モデルの各々に対して競合を解消した最適解を求
め、上記最適解の内で一番評価の良いものを選択するこ
とで、競合を解消した最適な搬送設備、搬送経路、搬送
開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時
刻、入槽量を決定することを特徴とする。
【0015】また、本発明の入槽計画作成装置は、1以
上の原料払出し設備、2以上の原料貯槽、および、各原
料払出し設備から各原料貯槽に至る原料搬送路を選択的
に形成する原料搬送設備、を含む原料設備における入槽
計画を作成するための入槽計画作成装置であって、原料
受入計画、原料ヤード積みつけ計画、原料設備修理計
画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現況、設備
稼働・故障現況、および、操業者からの操業前提条件を
表わす入力デ−タを取り込む入力手段と、上記入力デー
タに基づいて、各原料貯槽毎の在庫量と原料払出し速度
から、各原料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時
刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原料貯槽を抽
出する手段と、上記抽出した原料貯槽に対して選択でき
る搬送設備の全てを抽出する手段と、上記抽出した搬送
設備から搬送経路として選択可能な組合わせ候補を全て
構築する搬送経路組合わせ構築手段と、上記搬送経路組
合わせ構築手段により構築された搬送経路として選択可
能な組合わせ候補の全てに対して、組合わせ毎に複数の
競合する入槽作業群を線形式及び整数制約式で成る数式
モデルに定式化する数式モデル構築手段と、上記数式モ
デル構築手段により構築された数式モデルの各々を評価
するための原料貯槽の入槽を開始するレベルまたは時
刻、及び入槽を終了するレベルまたは時刻を変数として
含む線形または2次形式評価関数を設定する評価関数設
定手段と、上記数式モデル構築手段と評価関数設定手段
とにより設定された数式モデルと評価関数を最適化問題
として解くことにより、上記構築した数式モデルの各々
に対して競合を解消した最適解を求める手段と、上記最
適解の内で一番評価の良いものを選択する手段とを備
え、競合を解消した最適な搬送設備、搬送経路、搬送開
始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、
入槽量を決定することを特徴とする。
【0016】また、本発明の原料物流制御方法は、1以
上の原料払出し設備、2以上の原料貯槽、および、各原
料払出し設備から各原料貯槽に至る原料搬送路を選択的
に形成する原料搬送設備、を含む原料設備における原料
物流を制御するための原料物流制御方法であって、原料
受入計画、原料ヤード積みつけ計画、原料設備修理計
画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現況、設備
稼働・故障現況、および、操業者からの操業前提条件を
表わす入力デ−タを取り込み、上記入力データに基づい
て、各原料貯槽毎の在庫量と原料払出し速度から、各原
料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在
庫量が所定の補給レベルを切る原料貯槽を抽出し、上記
抽出した原料貯槽に対して選択できる搬送設備の全てを
抽出し、上記抽出した搬送設備から搬送経路として選択
可能な組合わせ候補を全て構築し、上記搬送経路として
選択可能な組合わせ候補の全てに対して、組合わせ毎に
複数の競合する入槽作業群を線形式及び整数制約式で成
る数式モデルに定式化し、上記構築した数式モデルの各
々に対して原料貯槽の入槽を開始するレベルまたは時
刻、及び入槽を終了するレベルまたは時刻を変数として
含むをらかじめ設定した線形または2次形式の評価関数
として最適化問題を解くことにより、上記構築した数式
モデルの各々に対して競合を解消した最適解を求め、上
記最適解の内で一番評価の良いものを選択することで、
競合を解消した最適な搬送設備、搬送経路、搬送開始時
刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、入槽
量を求め、上記最適化計算の結果に基づいて上記原料設
備、搬送設備を制御するように成したことを特徴とす
る。
【0017】また、本発明の原料物流制御装置は、1以
上の原料払出し設備、2以上の原料貯槽、および、各原
料払出し設備から各原料貯槽に至る原料搬送路を選択的
に形成する原料搬送設備、を含む原料設備における原料
物流を制御するための原料物流制御装置であって、原料
受入計画、原料ヤード積みつけ計画、原料設備修理計
画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現況、設備
稼働・故障現況、および、操業者からの操業前提条件を
表わす入力デ−タを取り込む入力手段と、上記入力デー
タに基づいて、各原料貯槽毎の在庫量と原料払出し速度
から、各原料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時
刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原料貯槽を抽
出する手段と、上記抽出した原料貯槽に対して選択でき
る搬送設備の全てを抽出する手段と、上記抽出した搬送
設備から搬送経路として選択可能な組合わせ候補を全て
構築する搬送経路組合わせ構築手段と、上記搬送経路組
合わせ構築手段により構築された搬送経路として選択可
能な組合わせ候補の全てに対して、組合わせ毎に複数の
競合する入槽作業群を線形式及び整数制約式で成る数式
モデルに定式化する数式モデル構築手段と、上記数式モ
デル構築手段により構築された数式モデルの各々を評価
するための原料貯槽の入槽を開始するレベルまたは時
刻、及び入槽を終了すべき目標となるレベルまたは時刻
を変数として含む線形または2次形式評価関数を設定す
る評価関数設定手段と、上記数式モデル構築手段と評価
関数設定手段とにより設定された数式モデルと評価関数
を最適化問題として解くことにより、上記構築した数式
モデルの各々に対して競合を解消した最適解を求める手
段と、上記最適解の内で一番評価の良いものを選択する
手段とを備え、競合を解消した最適な搬送設備、搬送経
路、搬送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽
終了時刻、入槽量を求め求める手段とを備え、上記最適
化計算の結果に基づいて上記原料設備、搬送設備を制御
する手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。本実施形態の入槽計画作成装置で
は、原料ヤードから複数の原料貯槽までの選択可能な搬
送路を用いて、ヤード積みつけ銘柄、ヤード在庫量推
移、鉄鉱石・焼結鉱切出し量、設備レイアウト等の原料
物流制約の下で、高炉・焼結工場操業を安定化するため
在庫を確保し、鉄鉱石粒度を安定化し、焼結鉱の微粉化
を防止するため在庫レベル高位安定化を実現した原料ヤ
ード入槽計画の最適化問題を扱うものとする。ただし、
これはあくまでも一実施例である。
【0019】ここでの操業計画では、まず第1に、高炉
・焼結工場の操業を安定化するための在庫を確保(在庫
切れ防止)し、鉄鉱石粒度を安定化し、焼結鉱の微粉化
を防止するため在庫レベル高位安定化を実現することを
目的する。
【0020】なお、原料貯槽毎に切出し量が異なり、且
つ入槽を開始しようとする時点で入槽条件、例えば該当
原料貯槽の在庫レベル等が異なるため、入槽すべき量を
状況に応じて原料貯槽レベルが高位安定に成るように決
める必要がある。
【0021】また、本発明の一実施形態に係る原料ヤー
ド製造プロセスの概要図である図1に示す様に、入槽す
べき原料貯槽への搬送には複数のリクレーマとベルトコ
ンベア系列の組が選択可能であり、リクレーマにより異
なる切出し能力を持ち、且つ原料貯槽の多さに比べてリ
クレーマが少ないためリクレーマの取り合いが頻発し、
また搬送路の選択自由度が大きいため、適切なリクレー
マとベルトコンベア系列を適切に選択し、適切な時間稼
動させる必要がある。
【0022】この制約の中で、全原料貯槽の在庫を確保
し、且つ在庫レベル高位安定な原料ヤード操業計画を作
成する際には、入槽順、入槽開始及び終了時刻、入槽
量、リクレーマ稼動開始時刻、リクレーマ稼動終了時刻
は勿論のこと払出し山、ヤード、使用リクレーマ、搬送
ベルトコンベア系列、入槽原料貯槽まで正確に決定する
必要がある。
【0023】図1は、本発明の一実施形態である原料ヤ
ード製造プロセスの概要図、図2は、本実施形態による
入槽計画作成装置の処理内容を示すフローチャート、図
3は、本実施形態による入槽計画作成装置の位置づけを
示す図である。まず最初に、図3を用いて本実施形態に
よる入槽計画作成装置の位置づけを説明する。
【0024】図3に示すように、原料ヤード入槽計画を
作成する際には、まず、条件設定および取込み部30
で、計画を立案する上で必要となるヤード配置、原料貯
槽切出し量等の制約条件、能力条件、前提条件を操業者
が設定或いはプロコン34またはビジコン35よりデー
タを取込む。
【0025】本実施形態の入槽計画作成部31は、条件
設定および取込み部30により設定された様々な物流制
約の下で、これら物流制約、能力条件等を満たす様に原
料ヤードの入槽計画、すなわち、入槽順、入槽開始・終
了時刻、リクレーマ稼動開始・終了時刻および払出し山
・ヤード、使用リクレーマ、搬送ベルトコンベア系列、
入槽原料貯槽を求める。
【0026】この入槽計画作成部31では、以下に詳し
く述べるように、LP(線形計画法)、MIP(混合整
数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法まはた
タブサーチ、GA等と数理計画法の組合わせと全搬送経路
組合わせ構築機能の組み合わせにより原料ヤードから原
料貯槽まで処理順、処理時刻、使用すべき原料設備、搬
送経路の最適化を図る。
【0027】入槽計画作成部31で求められた原料ヤー
ド入槽計画(入槽順、入槽開始/終了時刻、リクレーマ
稼動開始/終了時刻および払出し山・ヤード、使用リク
レーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原料貯槽の情
報)は、表示部32に与えられ、例えばガントチャート
形式、原料貯槽在庫推移グラフ形式、或いは入槽時刻一
覧等の帳票で表示される。操業者評価部33では、求め
られた入槽計画を様々な観点(例えば、在庫推移、リク
レーマでの同一銘柄連続払出し性等)から操業者が評価
し、満足のいく結果でなければ必要に応じて入槽順、入
槽開始・終了時刻、払出し山、使用リクレーマ等を修正
する。そして、入槽計画作成部31でもう一度入槽計画
を作成し直す。またこの際には、必要に応じて指定した
処理のみ入槽時刻の固定や払出し山、使用リクレーマ指
定等の固定が出来ることを可能とする。
【0028】次に、上記入槽計画作成部31によって行
われる処理を説明する。入槽計画作成部31は、ヤード
配置、工程経路、入槽銘柄等の設定条件、物流制約の
下、各原料貯槽毎の在庫量と原料払出し速度から、各原
料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在
庫量が所定の補給レベルを切る原料貯槽を抽出し、原料
貯槽在庫荷切れ回避、原料貯槽在庫レベル高位安定のた
めに設定した所定の評価関数を最良にする入槽順、入槽
開始及び終了時刻、入槽量、リクレーマ稼動開始時刻、
リクレーマ稼動終了時刻は勿論のこと払出し山、ヤー
ド、使用リクレーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原
料貯槽を決定する。このとき、計画確定時刻は、入槽計
画作成開始での時刻から2時間或いは3時間程度の適切な
値とする。
【0029】上記で説明した入槽計画作成部の処理概要
を、処理の概要を説明するために用いる原料ヤード製造
プロセス(搬送)を規模縮小した簡単な事例(図4)、入
槽計画作成装部の一実施形態による入槽計画作成装置の
処理内容を示すフローチャート(図2)及び、この例を
用いた場合の、入槽計画部の内部での動作の詳細を示す
図5〜8を用いて詳細に説明する。
【0030】この図4の事例では、ヤード1にはそれぞ
れ鉄鉱石の銘柄A,B,Cが積み付けられた山があり、
ヤード2には銘柄Bが積み付けられている。ヤード1の
山の払出しにはリクレーマNo1が使用でき、ヤード2の
山の払出しにはリクレーマNo2が使用できる。リクレー
マNo1を使用した場合ベルトコンベア系列1,2,3,5の
どれかで鉄鉱石が搬送され、リクレーマNo2を使用した
場合ベルトコンベア系列4,6のどれかで鉄鉱石が搬送さ
れる。ベルトコンベア系列1で搬送された鉄鉱石は原料
貯槽1に、系列2,4は原料貯槽2に、系列3は原料貯槽
3に、系列5,6は原料貯槽4に夫々搬送される。原料貯
槽1には銘柄A、原料貯槽2には銘柄B、原料貯槽3に
は銘柄C、原料貯槽4には銘柄Bが入槽される必要があ
る。ここで、ヤードから払い出す銘柄と原料貯槽に入槽
される銘柄は同一銘柄でなくてはならない。
【0031】(1)入力データ、初期値、条件設定(図
2のS201) 本処理に必要な情報(原料受入計画、原料ヤード計画、
設備修理計画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量
現況、設備稼働・故障現況、および、操業者からの操業
前提条件)を、オンラインにて読込み、必要に応じて操
業者が修正を加える。
【0032】(2)補給レベルを切る原料貯槽の抽出
(図2のS202) 図5に示した様に各原料貯槽毎の在庫量と原料払出し速
度から、各原料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定
時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原料貯槽を
抽出し、補給対象とすべき原料貯槽として抽出する。こ
のとき、計画確定時刻は、入槽計画作成開始での時刻か
ら2時間或いは3時間程度の適切な値とし、必要に応じて
S201で変更が可能であるものとする。また、補給レ
ベルは、各原料貯槽毎に個別の値を設定できるものと
し、必要に応じてS201で変更が可能であるものとす
る。この補給レベルは適切な値として70%程度とする。
この例では原料貯槽1,2,3が補給対象槽として抽出
され、原料貯槽4は現時刻では補給が必要でないとみな
され補給対象槽から外される。
【0033】(3)各抽出貯槽の選択可能な全搬送設備
を抽出(図2のS203) 次に抽出された補給対象の原料貯槽に対して、図6に示
した様に搬送経路を検索し、各貯槽の選択可能な全搬送
経路を導く。各貯槽の選択可能な全搬送経路の抽出動作
の詳細を以下に示す。まず、物流構造、ヤード・山配
置、原料貯槽積み付け銘柄、ヤードで使用できるリクレ
ーマ、リクレーマで使用可能なベルトコンベア系列、原
料貯槽に入槽可能なベルトコンベア系列が記載された搬
送経路検索用情報テーブル61を図3の条件設定および
取込み部30より取込む。例えば原料貯槽2の場合を例
に取る。step1 S61では原料貯槽2を搬送経路検索用
情報テーブル61の起点設備から検索する。次にstep2
S62では原料貯槽2に積み付けられている銘柄Bと一
致する銘柄を工程経路検索用情報テーブル61の山銘柄
から検索する。step3 S63では検索した山銘柄に対応
するヤード、リクレーマの組を検索する。ここでは(ヤ
ード1、RR No.1)、(ヤード2、RR No.2)が使用可
能であることが分かる。step4 S64では検索した起点
設備の列と検索した山銘柄の交わる場所から使用可能な
ベルトコンベア系列を検索する。この場合、(ヤード
1、RR No.1)を使用の場合は系列2、(ヤード2、RR
No.2)を使用の場合は系列4が使用可能であることが
分かる。以上より、原料貯槽2への搬送経路としては、
(ヤード1、RR No.1、系列2)、(ヤード2、RR No.
2、系列4)の2つの搬送経路を抽出する。
【0034】(4)全搬送経路の組合わせを構築(図2
のS204) 全原料貯槽に対して、搬送経路の抽出が終了したら、st
ep5に移り、補給対象となっている全原料貯槽に対して
導かれた使用可能な搬送経路に関して、搬送経路の割付
けパターンを構築する。この例題では、 原料貯槽1は(ヤード1、RR No.1、系列1) 原料貯槽2は(ヤード1、RR No.1、系列2)、(ヤー
ド2、RR No.2、系列4) 原料貯槽3は(ヤード1、RR No.1、系列3)である。 このため、搬送経路の全割付けパターンは、割付けパタ
ーン1:(原料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列
1)、(原料貯槽2、ヤード1、RR No.1、系列2)、
(原料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3) 割付けパターン2:(原料貯槽1、ヤード1、RR No.
1、系列1)、(原料貯槽2、ヤード2、RR No.2、系
列4)、(原料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3) の2パターンが導出される。
【0035】(5)組合わせ毎に数式モデルに定式化
(図2のS205) 次に、導出された全割付けパターン、ここでは割付けパ
ターン1、2、に対してそれぞれの設定条件、物流制
約、物流状況に基づき物流モデルを定式化する。
【0036】定式化の概念を物流モデル構築概念図7に
示す。図7に示すように、一つのJOB(一回の入槽作業
開始から入槽作業終了までに発生するリクレーマ作業、
搬送作業、入槽作業の一連の作業を一つのまとまりとし
て捉えたもの)内での工程間の制約を記述した工程間制
約モデルと、JOB間での干渉をモデル化したJOB間制約モ
デルより構築される。
【0037】工程間制約モデルではリクレーマの稼動開
始時刻、同終了時刻をそれぞれts、te、ベルトコンベア
系列の搬送開始時刻、同終了時刻をそれぞれt_bcs、t_b
c e、入槽開始時刻、同終了時刻をそれぞれをt_Rs、t_R
eとすると工程間には一定時間のずれ(l,m,n,pを定数と
する)がある。この場合の制約は、 t_bcs= ts+l ……(1) t_bce= te+m ……(2) t_Rs = ts +n ……(3) t_Re = te +p ……(4) と表される。また、原料貯槽の入槽開始時の槽在庫レベ
ルをR(ts) 、入槽終了時の槽在庫レベルをR(te)とする
と、原料貯槽への入槽量及び切出し量が時間に関らず一
定である場合の制約は、 R(ts) =ats +b ……(5) R(te) =cte +d ……(6) と表される。ここで、a,b,c,dは時刻と槽在庫レベルの
間の関係を表す定数である。
【0038】また、入槽開始時刻は入槽終了時刻より早
くないといけないので、 ts < te ……(7) と表される。
【0039】さらに、R(ts)は、一般に操業管理の都合
上ある最低レベルRsL(管理下限値)以上、R(te)はある
最高レベルReU(管理上限値)以下である必要がある。
この制約は、 RsL ≦ R(ts) ……(9) R(te) ≦ReU ……(10) JOB間制約モデルでは、割付けパターン2(原料貯槽
1、ヤード1、RR No.1、系列1)、(原料貯槽2、ヤ
ード2、RR No.2、系列4)、(原料貯槽3、ヤード
1、RR No.1、系列3)の場合、原料貯槽1へ入槽するJ
OB(JOB1)と原料貯槽3へ入槽するJOB(JOB3)で
は、RR No.1をどちらも使用する必要があるが、この設
備では時間が重なっての使用はできない(時間的な干
渉)。JOB1のリクレーマNo 1(RR No.1)稼動開始時刻
をts1、稼動終了時刻をte1、JOB3のリクレーマNo 1(R
R No.1)稼動開始時刻をts3、稼動終了時刻をte3とする
と、この場合の制約は、 JOB1がJOB3より早く処理される場合 ts3 ≧ te1 ……(11) JOB3がJOB1より早く処理される場合 ts1 ≧ te3 ……(12) と表される。
【0040】ここで上式(11)、(12)にJOB1の
処理が行われる時刻とJOB2の処理が行なわれる時刻の
ずれ時間より十分大きな正の実数M及び0または1の整数
変数Iを導入すると、(11)、(12)は場合分けを
必要としない ts3 - te1+MI ≧ 0 ……(13) ts3 - te1+M(1-I) ≧ 0 ……(14) で表現することが可能となる。
【0041】さらに、これらの式を変形すると、物流モ
デルは、 AX ≦ B ……(15) Xmin ≦ X ≦ Xmax ……(16) x:整数 for { x|x ∈ X } ……(17) という簡単な線形式及び整数制約式として数式モデルが
構築できる。
【0042】なお、Xは各設備の稼動開始・終了時刻及
び原料貯槽在庫、Iを行列表現したもの、A,Bは所定
の行列式、XminおよびXmaxはそれぞれ各設備の稼動開始
最早時刻及び最遅時刻および原料貯槽在庫レベルの下限
レベル及び上限レベルを行列表現したもの、式17に対
応する整数制約となるXの要素はI(IはXの部分集
合)である。
【0043】(6)各数式モデルを評価関数に基づいて
最適化(図2のS206) 上記構築された線形及び整数制約式で成る数式モデル式
のそれぞれに対して、原料貯槽の入槽を開始するレベル
または時刻、及び入槽を終了するレベルまたは時刻を変
数として含む線形または2次形式として表現された評価
関数に基づきLP(線形計画法)、MIP(混合整数計
画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法まはたタブ
サーチ、GA等と数理計画法の組合わせ方法により最適化
問題として問題を解くことにより、最適な入槽順、入槽
開始及び終了時刻、入槽量、リクレーマ稼動開始時刻、
リクレーマ稼動終了時刻は勿論のこと払出し山、ヤー
ド、使用リクレーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原
料貯槽を計算する。
【0044】例えば、上記最適化計算において、準最適
な解を形成するレベルで良い場合は、GAを用い、各JOB
の整数変数Iを遺伝子として形成し、GAにより形成され
たIは決定された値として後はLP問題として解くことが
出来る。また、最適解を得ることが望まれるレベルであ
る場合は、混合整数計画問題として解く。
【0045】ここで、評価関数に関して線形式を用いた
場合の例(図8)を示す。本実施例では、在庫レベルの
高位安定をその目的としていたので、目標評価関数は、
操業者が指定した入槽開始目標レベルRsr、入槽終了目
標レベルRerの各々に入槽開始レベルR(ts)、入槽終了レ
ベルR(te)が近い程良い値を得る関数とする。図8に示
した評価関数を式で表すと次式を得る。
【0046】
【数1】
【0047】
【数2】
【0048】
【数3】
【0049】WsL:入槽開始レベルが入槽開始目標レベ
ルより小さい時の、評価関数f(R(t s))の傾き WsU:入槽開始レベルが入槽開始目標レベルより大きい
時の、評価関数f(R(t s))の傾き WeL:入槽終了レベルが入槽終了目標レベルより小さい
時の、評価関数g(R(t s))の傾き WeL:入槽終了レベルが入槽終了目標レベルより大きい
時の、評価関数g(R(t s))の傾き 上式の評価関数を線形化するために、以下の式の様に入
槽開始レベル、入槽終了レベルをそれぞれの目標レベル
の前後で2つに変数に分割する。
【0050】
【数4】
【0051】
【数5】
【0052】上式を用いると、評価関数は以下式の様に
線形式となる。
【0053】
【数6】
【0054】以上の定式化した式(数式モデル)を混合
整数計画法にて解くことにより、各数式モデル毎に最適
解が得られる。
【0055】(7)最適結果の内一番良い評価値を示す
組合わせを抽出(図2のS207) 以上により各数式モデル毎に最適解が得られるが、これ
ら最適解の評価値を比較し、最も評価値の値が良い解を
選ぶ。これにより、入槽順、入槽開始及び終了時刻、入
槽量、リクレーマ稼動開始時刻、リクレーマ稼動終了時
刻は勿論のこと払出し山、ヤード、使用リクレーマ、搬
送ベルトコンベア系列、入槽原料貯槽の搬送経路も同時
に決定できる。
【0056】この動作の詳細を図8に従って説明する。
ここでは、入槽開始目標レベルを10%、入槽終了目標レ
ベルを90%、評価関数の傾きは全て1とし、入槽開始
目標レベル、入槽終了目標レベルと実際の入槽開始レベ
ルと入槽終了レベルの差が小さい程良いとした評価関数
を用いているとする。
【0057】この場合、入槽開始・終了レベルと目標レ
ベルとの差の全原料貯槽の合計値(各原料貯槽毎に別重
みを付けても良い)は全割付けパターン1、2に対し
て、それぞれ割付けパターン1では14、割付けパター
ン2では8である。評価値が尤も少ない割付けパターン
2が選択される。
【0058】この結果、槽1はヤード1から払出しを行
ない、RRNo.1稼動開始時刻は17分、稼動終了時刻は47
分、ベルトコンベア系列1搬送開始時刻は22分、搬送終
了時刻は52分、入槽開始時刻は27分、入槽終了時刻は57
分であり、槽2はヤード2から払出しを行ない、RRNo.2
稼動開始時刻は18分、稼動終了時刻は48分、ベルトコン
ベア系列4搬送開始時刻は22分、搬送終了時刻は52分、
入槽開始時刻は27分、入槽終了時刻は57分であり、槽3
はヤード1から払出しを行ない、RRNo.1稼動開始時刻は
41分、稼動終了時刻は65分、ベルトコンベア系列3搬送
開始時刻は41分、搬送終了時刻は65分、入槽開始時刻は
51分、入槽終了時刻は75分が最適であると決定される。
【0059】なお、以上の実施形態では、本発明を入槽
計画作成装置に適用する場合について説明したが、原料
物流制御装置に適用することも可能である。この場合
は、作成した入槽計画に基づいて実プラントの制御装置
等に指示を与える。このようにすれば、実プラントは、
最適な入槽順、入槽開始及び終了時刻、入槽量、リクレ
ーマ稼動開始時刻、リクレーマ稼動終了時刻は勿論のこ
と払出し山、ヤード、使用リクレーマ、搬送ベルトコン
ベア系列、入槽原料貯槽に従って原料ヤード操業を実行
する。
【0060】このように一つないし複数のJOBが実施さ
れると、実プラントにおける現在の物流状態が変化する
ので、その情報をある一定時間間隔で取り出し、条件設
定および取込み部30に供給する。入槽計画作成部31
では、入力データ、初期値、条件設定機能S201によ
り、入力データ取込み、初期値設定、条件設定を行な
う。補給レベルを切る貯槽を抽出し、抽出された補給対
象の原料貯槽に対して搬送経路割付けパターン抽出機能
S203により搬送経路を抽出し、搬送経路として選択
可能な全割付けせパターンを導く。ここで、得られた搬
送経路の全割付けパターンに対して、与えられた現在の
物流状態や物流制約をもとにして線形式及び整数制約式
でなる数式モデルを全搬送経路割付けパターンに対して
それぞれ構築する。各数式モデルは、評価関数に基づい
て最適化問題として解かれる。最適化結果の内で一番良
い評価値を示す組合わせ(割付けパターン)を抽出し、
最終結果とすることで、最適な入槽順、入槽開始及び終
了時刻、入槽量、リクレーマ稼動開始時刻、リクレーマ
稼動終了時刻は勿論のこと払出し山、ヤード、使用リク
レーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原料貯槽が決定
される。この結果に基づいて原料物流を制御することで
最適に原料物流の制御が実行される。
【0061】なお、上述の入槽計画作成部31は、例え
ば、CPU(中央処理装置)、RAM(ランダムアクセ
スメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)などからな
るマイクロコンピュータによって構成されており、例え
ばパーソナルコンピュータ等の計算機によって実現する
ことができる。
【0062】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、1以上の原料払出し設備、2以上の原料貯槽、お
よび、各原料払出し設備から各原料貯槽に至る原料搬送
路を選択的に形成する原料搬送設備、を含む原料設備に
おいて、与えられた上工程及び下工程での操業制約の下
で、設備の「競合」および「選択」が生じる場合におい
ても、入槽計画あるいは原料物流制御を高速に最適化で
きるようにすることができる。
【0063】また、入槽開始レベルまたは時刻、および
入槽終了レベルまたは時刻に幅を持たせることで、従来
数理計画問題で発生しがちであった「解無し」をほぼな
くすことを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である原料ヤード製造プロ
セス(搬送)の概要図である。
【図2】本発明の一実施形態による入槽計画作成装置の
処理内容を示すフローチャート
【図3】本実施形態による入槽計画作成装置の位置づけ
を示す図である。
【図4】本実施形態による入槽計画作成部の処理概要を
処理の概要を説明するために用いる原料ヤード製造プロ
セス(搬送)を規模縮小した簡単な例を示すための図であ
る。
【図5】原料貯槽在庫予測推移を説明するための図であ
る。
【図6】工程経路割付けパターン検索を説明するための
図と検索方法を示すフロー図である。
【図7】物流制約を線形式及び整数制約で表した内容を
説明するための図である。
【図8】本実施形態による評価関数を説明するための一
実施例である。
【図9】工程割付けパターン毎に構築された物流モデル
から最適なものを抽出する方法の概要を説明するための
図である。
【符号の説明】
30 条件設定および取込み部 31 入槽計画作成部 32 ガントチャート表示・原料貯槽在庫推移グラフ表
示部 33 操業者評価部 34 プロコン 35 ビジコン
フロントページの続き (72)発明者 屋地 靖人 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 3C100 AA12 AA13 BB13 BB36 EE10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1以上の原料払出し設備、2以上の原料
    貯槽、および、各原料払出し設備から各原料貯槽に至る
    原料搬送路を選択的に形成する原料搬送設備、を含む原
    料設備における入槽計画を作成するための入槽計画作成
    方法であって、 原料受入計画、原料ヤード積みつけ計画、原料設備修理
    計画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現況、設
    備稼働・故障現況、および、操業者からの操業前提条件
    を表わす入力デ−タを取り込み、 上記入力データに基づいて、各原料貯槽毎の在庫量と原
    料払出し速度から、各原料貯槽毎の槽在庫推移を計算
    し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切
    る原料貯槽を抽出し、 上記抽出した原料貯槽に対して選択できる搬送設備の全
    てを抽出し、 上記抽出した搬送設備から搬送経路として選択可能な組
    合わせ候補を全て構築し、 上記搬送経路として選択可能な組合わせ候補の全てに対
    して、組合わせ毎に複数の競合する入槽作業群を線形式
    及び整数制約式で成る数式モデルに定式化し、 上記構築した数式モデルの各々に対して原料貯槽の入槽
    を開始するレベルまたは時刻、及び入槽を終了するレベ
    ルまたは時刻を変数として含むあらかじめ設定した線形
    または2次形式の評価関数として最適化問題を解くこと
    により、上記構築した数式モデルの各々に対して競合を
    解消した最適解を求め、上記最適解の内で一番評価の良
    いものを選択することで、競合を解消した最適な搬送設
    備、搬送経路、搬送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始
    時刻、入槽終了時刻、入槽量を決定することを特徴とす
    る入槽計画作成方法。
  2. 【請求項2】 上記最適化の計算を混合整数計画法また
    は2次計画法で行なうことを特徴とする請求項1に記載
    の入槽計画作成方法。
  3. 【請求項3】 上記最適化の計算をタブサーチ又はGA等
    のヒューリスティックな手法で行なうことを特徴とする
    請求項1に記載の入槽計画作成方法。
  4. 【請求項4】 1以上の原料払出し設備、2以上の原料
    貯槽、および、各原料払出し設備から各原料貯槽に至る
    原料搬送路を選択的に形成する原料搬送設備、を含む原
    料設備における入槽計画を作成するための入槽計画作成
    装置であって、 原料受入計画、原料ヤード積みつけ計画、原料設備修理
    計画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現況、設
    備稼働・故障現況、および、操業者からの操業前提条件
    を表わす入力デ−タを取り込む入力手段と、 上記入力データに基づいて、各原料貯槽毎の在庫量と原
    料払出し速度から、各原料貯槽毎の槽在庫推移を計算
    し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切
    る原料貯槽を抽出する手段と、上記抽出した原料貯槽に
    対して選択できる搬送設備の全てを抽出する手段と、上
    記抽出した搬送設備から搬送経路として選択可能な組合
    わせ候補を全て構築する搬送経路組合わせ構築手段と、
    上記搬送経路組合わせ構築手段により構築された搬送経
    路として選択可能な組合わせ候補の全てに対して、組合
    わせ毎に複数の競合する入槽作業群を線形式及び整数制
    約式で成る数式モデルに定式化する数式モデル構築手段
    と、 上記数式モデル構築手段により構築された数式モ
    デルの各々を評価するための原料貯槽の入槽を開始する
    レベルまたは時刻、及び入槽を終了するレベルまたは時
    刻を変数として含む線形または2次形式評価関数を設定
    する評価関数設定手段と、上記数式モデル構築手段と評
    価関数設定手段とにより設定された数式モデルと評価関
    数を最適化問題として解くことにより、上記構築した数
    式モデルの各々に対して競合を解消した最適解を求める
    手段と、 上記最適解の内で一番評価の良いものを選択する手段と
    を備え、競合を解消した最適な搬送設備、搬送経路、搬
    送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時
    刻、入槽量を 決定することを特徴とする入槽計画作成
    装置。
  5. 【請求項5】 上記最適解を求める手段における最適化
    の計算を混合整数計画法または2次計画法で行なうこと
    を特徴とする請求項4に記載の入槽計画作成装置。
  6. 【請求項6】 上記最適解を求める手段における最適化
    の計算をタブサーチ又はGA等のヒューリスティックな手
    法で行なうことを特徴とする請求項4に記載の入槽計画
    作成装置。
  7. 【請求項7】 1以上の原料払出し設備、2以上の原料
    貯槽、および、各原料払出し設備から各原料貯槽に至る
    原料搬送路を選択的に形成する原料搬送設備、を含む原
    料設備における原料物流を制御するための原料物流制御
    方法であって、 原料受入計画、原料ヤード積みつけ計画、原料設備修理
    計画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現況、設
    備稼働・故障現況、および、操業者からの操業前提条件
    を表わす入力デ−タを取り込み、 上記入力データに基づいて、各原料貯槽毎の在庫量と原
    料払出し速度から、各原料貯槽毎の槽在庫推移を計算
    し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切
    る原料貯槽を抽出し、 上記抽出した原料貯槽に対して
    選択できる搬送設備の全てを抽出し、上記抽出した搬送
    設備から搬送経路として選択可能な組合わせ候補を全て
    構築し、上記搬送経路として選択可能な組合わせ候補の
    全てに対して、組合わせ毎に複数の競合する入槽作業群
    を線形式及び整数制約式で成る数式モデルに定式化し、 上記構築した数式モデルの各々に対して原料貯槽の入槽
    を開始するレベルまたは時刻、及び入槽を終了するレベ
    ルまたは時刻を変数として含むあらかじめ設定した線形
    または2次形式の評価関数として最適化問題を解くこと
    により、上記構築した数式モデルの各々に対して競合を
    解消した最適解を求め、 上記最適解の内で一番評価の良いものを選択すること
    で、競合を解消した最適な搬送設備、搬送経路、搬送開
    始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、
    入槽量を求め、 上記最適化の計算結果に基づいて上記原料設備、搬送設
    備を制御するように成したことを特徴とする原料物流制
    御方法。
  8. 【請求項8】 上記最適化の計算を混合整数計画法また
    は2次計画法で行なうことを特徴とする請求項7に記載
    の原料物流制御方法。
  9. 【請求項9】 上記最適化の計算をタブサーチ又はGA等
    のヒューリスティックな手法で行なうことを特徴とする
    請求項7に記載の原料物流制御方法。
  10. 【請求項10】 1以上の原料払出し設備、2以上の原
    料貯槽、および、各原料払出し設備から各原料貯槽に至
    る原料搬送路を選択的に形成する原料搬送設備、を含む
    原料設備における原料物流を制御するための原料物流制
    御装置であって、 原料受入計画、原料ヤード積みつけ計画、原料設備修理
    計画、原料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現況、設
    備稼働・故障現況、および、操業者からの操業前提条件
    を表わす入力デ−タを取り込む入力手段と、 上記入力
    データに基づいて、各原料貯槽毎の在庫量と原料払出し
    速度から、各原料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確
    定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原料貯槽
    を抽出する手段と、 上記抽出した原料貯槽に対して選
    択できる搬送設備の全てを抽出する手段と、上記抽出し
    た搬送設備から搬送経路として選択可能な組合わせ候補
    を全て構築する搬送経路組合わせ構築手段と、上記搬送
    経路組合わせ構築手段により構築された搬送経路として
    選択可能な組合わせ候補の全てに対して、組合わせ毎に
    複数の競合する入槽作業群を線形式及び整数制約式で成
    る数式モデルに定式化する数式モデル構築手段と、 上記数式モデル構築手段により構築された数式モデルの
    各々を評価するための原料貯槽の入槽を開始するレベル
    または時刻、及び入槽を終了するレベルまたは時刻を変
    数として含む線形または2次形式評価関数を設定する評
    価関数設定手段と、 上記数式モデル構築手段と評価関数設定手段とにより設
    定された数式モデルと評価関数を最適化問題として解く
    ことにより、上記構築した数式モデルの各々に対して競
    合を解消した最適解を求める手段と、 上記最適解の内で一番評価の良いものを選択する手段と
    を備え、競合を解消した最適な搬送設備、搬送経路、搬
    送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時
    刻、入槽量を求める手段とを備え、上記最適化計算の結
    果に基づいて上記原料設備、搬送設備を制御する手段と
    を備えることを特徴とする原料物流制御装置。
  11. 【請求項11】 上記最適解を求める手段において最適
    化の計算方法が線形計画法まはた混合整数計画法または
    2次計画法であることを特徴とする請求項10に記載の
    原料物流制御装置。
  12. 【請求項12】 上記最適解を求める手段において最適
    化の計算方法が線形計画法まはた混合整数計画法または
    2次計画法であることを特徴とする請求項10に記載の
    原料物流制御装置。
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