JP5068623B2 - 原材料貯槽への入槽計画作成方法およびその装置 - Google Patents

原材料貯槽への入槽計画作成方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は原材料貯槽への入槽計画作成方法およびその装置に関し、特に、原材料設備における原材料貯槽への入槽計画作成方法、並びにこれらを実現するために用いて好適な技術に関する。
例えば、鉄鋼業などの原材料を加工する工場において行なわれている、原材料保管場所から原材料貯槽までの入槽作業は、異なる複数の原材料が複数の貯槽に入れられて管理されている。また、原材料毎に使用量が異なり、更に原材料保管場所から原材料貯槽までの搬送経路が複数有る等のために、煩雑な作業となっている。
これらの状況の中で、原材料貯槽の在庫切れを発生させず、かつ、搬送設備を有効利用することが望まれる。上記のような要望を実現するためには、入槽が必要となる原材料貯槽を適切に見つけ、適切な搬送経路を選択し、適切な開始時刻から終了時刻まで適切な入槽量とするように処理する入槽作業が必要であるが、人手で行なうには非常に負荷の高い作業となっている。
従来の、操業者による計画立案方法では、時々刻々と作業状況が変化する大規模な原材料設備に対して、考慮すべき項目や計算すべき項目が多いために、熟練作業者以外では情報の見落としや判断ミスなどが多く、計画立案を正確に行なうことが困難であった。また、熟練作業者といえども見落としを起こす場合が多々あった。このような問題を解決するために、現在は数学的な手法を使用した種々の計画法が提案されている。
例えば、
特許文献1には、知識ベースに基づいたヤード計画に則した自動制御方法が提示されている。
また、特許文献2には、ヤード計画を中心とした搬送作業の競合解消方法が提示されている。
また、特許文献3には、知識ベースに基づいた鉱石ヤードの搬送効率を最大化するような自動制御方法が提示されている。
また、特許文献4には、知識ベースに基づいた石炭ヤードの搬送効率を最大化するような自動制御方法が提示され、特許文献5には、原材料ヤードにおける受入れ・払出し・搬送設備の競合、及び接近競合を避け搬送能率を最大にする自動制御方法が提示されている。
更に、特許文献6には、ルールにより原材料ヤードにおける受入れ・払出し・搬送設備の競合を避け、その結果を目的関数により評価し、評価値が悪い場合には条件を変えることで搬送能率を最大にする自動制御方法が提示され、ヤードの搬送効率を最大化するような自動制御方法が提示されている。
また、特許文献7には、混合整数計画法に基づいた入槽計画作成方法が提示されている。
また、特許文献8には、混合整数計画法に基づき、搬送に余裕がある場合への対応により搬送設備の稼働率向上を目的とした入槽計画作成方法が提示されている。
特開平3−243508号公報 特開平3−279124号公報 特開平4−89708号公報 特開平4−89709号公報 特開平6−263231号公報 特開平11−236129号公報 特開2002−175106号公報 特開2002−175106号公報
しかしながら、従来の方法における特許文献1〜6では、熟練操業者の知識やノウハウを知識ベース化したり、あるいはルール化したりして、原材料貯槽への入槽問題を解決しているため、解の最適性に言及されることはなかった。
さらに、熟練操業者のノウハウをコンピュータ化しただけであるため、搬送設備の選択に対して可能な搬送経路の組合せを全て考慮することができず、最適解が得られる保証はない等の問題があった。
また、設備休止が予め分かっている場合に、搬送設備稼働率向上等の入槽計画の最適性を考慮しながら、設備休止時に在庫を切らさない等の考慮が出来ていない問題があった。
ところで、入槽作業においては効率的な搬送が求められるため、搬送設備の稼動率の向上が求められる。また、トラブルが発生して一部搬送設備が故障した場合でも、貯槽の在庫が切れないようにすることも求められる。
このため、例え原材料貯槽の在庫量が低くなっていない場合でも、搬送設備が使用されていないときには、早い段階で原材料貯槽へ入槽することが積極的に求められる。上述した、特許文献7では混合整数計画法を用いた場合において、在庫量が低くなる原材料貯槽を入槽すべき槽として抽出し、この槽に入槽する仕組みが開示されている。この仕組みでは、原材料貯槽の在庫がなくなることを未然に防ぐことが可能である。
しかしながら、この仕組みでは、搬送に余裕のあるにも関わらず、原材料貯槽の在庫が多い場合は入槽させることができない問題点があった。つまり、搬送設備が使用可能であるにも関わらず使用されずに遊んでいる時間が発生する場合もあり、搬送設備の稼働率向上を最大限に図ることができない欠点があった。
また、この仕組みでは在庫量が低くなる原材料貯槽のみを入槽すべき槽として選択しているため、トラブルが発生して一部搬送設備が故障した場合には、入槽作業を行なうことができないために在庫量が下がってしまい、貯槽の在庫切れを防ぐことが不可能であった。
上記特許文献7の問題を解決する方法として、在庫量が低くなる原材料貯槽を入槽すべき槽として抽出した際に、搬送経路で使用されていない経路がある場合に、在庫量が補給レベルを切らない場合にも槽を余分に抽出する方法で、搬送設備の稼働率を向上する方法が特許文献8として提示されている。
しかしながら、予め予定されている設備休止においては、搬送設備稼働率向上等の入槽計画の最適性を考慮しながら、設備休止終了時に補給レベルを切らさないで操業を行なうことが実操業では要求される。
つまり予定された設備休止がある場合には、設備休止に入る前に予め槽の在庫レベルを高位に持っていく必要がある。しかしながら、従来の入槽計画方法においては、搬送設備稼働率向上等の入槽計画の最適性を考慮しながら、設備休止については考慮されていなかった。
本発明は前述の問題点に鑑み、原材料設備において、設備休止が予定されている場合に、搬送設備稼働率向上等の入槽計画の最適性を考慮しながら、予め在庫レベルを高位にすることで、原材料貯槽の在庫がなくなることを未然に防止できるようにすることを目的とする。
本発明の原材料貯槽への入槽計画作成方法は、原材料設備における原材料ヤードから複数の原材料貯槽へ、複数の搬送経路を経て複数の搬送設備で、原材料を搬送するための入槽計画を作成する入槽計画作成方法において、上記入槽計画作成における原材料受入計画、原材料使用計画、在庫計画、設備使用計画、設備休止計画、設備能力、設備現況、工程現況、設備現況、在庫現況、設備稼働・故障現況及び操業者からの操業前提条件の全て或いは一部を表わす入力データを入力データ取り込み部に取り込むデータ取り込み工程と、上記入力データ取り込み工程により取り込んだ入力データに基づいて、上記複数の原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽を抽出する入槽対象原材料貯槽抽出工程と、入槽計画作成範囲に設備休止期間開始が存在し、設備休止終了期間終了時点で補給レベルを切る原材料貯槽を追加抽出する設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程と、上記入槽対象原材料貯槽抽出工程、設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程において抽出した原材料貯槽に入槽可能な搬送設備の全てを抽出する搬送設備抽出工程と、上記搬送設備抽出工程において抽出した搬送設備から搬送経路として選択可能な組み合わせを全て構築する搬送経路組み合わせ構築工程と、上記搬送経路組み合わせ構築工程において構築された搬送経路の組み合わせ毎に、上記搬送設備抽出工程において抽出されなかった搬送設備により入槽可能な原材料貯槽を追加抽出する入槽対象原材料貯槽追加抽出工程と、上記入槽対象原材料貯槽追加抽出工程において追加抽出された原材料貯槽への搬送経路の組み合わせを追加構築する搬送経路追加構築工程と、上記搬送経路組み合わせ構築工程において構築された搬送経路の組み合わせと、上記搬送経路追加構築工程において追加構築された搬送経路の組み合わせの全てに対して、搬送経路の組み合わせ毎に、上記追加抽出された原材料貯槽も含めて抽出された原材料貯槽への入槽作業群の関係、制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して複数の数式モデルを構築する数式モデル構築工程と、設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程により抽出された原材料貯槽での設備休止中に入槽作業を行わない制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して上記数式モデルに追加する設備休止対応数式モデル構築工程と、数式モデル構築工程、設備休止対応数式モデル構築工程において構築された数式モデルの各々に対して、少なくとも設備休止中に前記在庫量が前記補給レベルを下回った量を最小化することを含む、あらかじめ設定した線形または2次形式の目的関数の元で、最適化問題を解くことにより最適解を求める最適解計算工程と、上記最適解計算工程において求めた最適解の内で一番評価の良いものを選択する最良解抽出工程とを備え、複数の原材料貯槽に対する入槽作業を行なう際に、上記最適解の内で一番評価の良いものを選択することで、最適な搬送設備、搬送経路、搬送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、及び入槽量を決定することを特徴とする。
本発明の原材料貯槽への入槽計画作成装置は、原材料設備における原材料ヤードから複数の原材料貯槽へ、複数の搬送経路を経て複数の搬送設備で、原材料を搬送するための入槽計画を作成する入槽計画作成装置において、上記入槽計画作成における原材料受入計画、原材料使用計画、在庫計画、設備使用計画、設備休止計画、設備能力、設備現況、工程現況、設備現況、在庫現況、設備稼働・故障現況及び操業者からの操業前提条件の全て或いは一部を表わす入力データを入力データ取り込み部に取り込むデータ取り込み手段と、上記入力データ取り込み工程により取り込んだ入力データに基づいて、上記複数の原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽を抽出する入槽対象原材料貯槽抽出手段と、入槽計画作成範囲に設備休止期間開始が存在し、設備休止終了期間終了時点で補給レベルを切る原材料貯槽を追加抽出する設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出手段と、上記入槽対象原材料貯槽抽出手段、設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出手段により抽出した原材料貯槽に入槽可能な搬送設備の全てを抽出する搬送設備抽出手段と、上記搬送設備抽出手段により抽出した搬送設備から搬送経路として選択可能な組み合わせを全て構築する搬送経路組み合わせ構築手段と、
上記搬送経路組み合わせ構築手段により構築された搬送経路の組み合わせ毎に、上記搬送設備抽出手段により抽出されなかった搬送設備により入槽可能な原材料貯槽を追加抽出する入槽対象原材料貯槽追加抽出手段と、上記入槽対象原材料貯槽追加抽出手段により追加抽出された原材料貯槽への搬送経路の組み合わせを追加構築する搬送経路追加構築手段と、上記搬送経路組み合わせ構築手段により構築された搬送経路の組み合わせと、上記搬送経路追加構築手段により追加構築された搬送経路の組み合わせの全てに対して、搬送経路の組み合わせ毎に、上記追加抽出された原材料貯槽も含めて抽出された原材料貯槽への入槽作業群の関係、制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して複数の数式モデルを構築する数式モデル構築手段と、設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程により抽出された原材料貯槽での設備休止中に入槽作業を行わない様に制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して上記数式モデルに追加する設備休止対応数式モデル構築手段と、数式モデル構築手段、設備休止対応数式モデル構築手段により構築された数式モデルの各々に対して、少なくとも設備休止中に前記在庫量が前記補給レベルを下回った量を最小化することを含む、あらかじめ設定した線形または2次形式の目的関数の元で、最適化問題を解くことにより最適解を求める最適解計算手段と、上記最適解計算手段により求めた最適解の内で一番評価の良いものを選択する最良解抽出手段とを備え、複数の原材料貯槽に対する入槽作業を行なう際に、上記最適解の内で一番評価の良いものを選択することで、最適な搬送設備、搬送経路、搬送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、及び入槽量を決定することを特徴とする。
本発明のプログラムは、原材料設備における原材料ヤードから複数の原材料貯槽へ、複数の搬送経路を経て複数の搬送設備で、原材料を搬送するための入槽計画を作成する工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、上記入槽計画作成における原材料受入計画、原材料使用計画、在庫計画、設備使用計画、設備休止計画、設備能力、設備現況、工程現況、設備現況、在庫現況、設備稼働・故障現況及び操業者からの操業前提条件の全て或いは一部を表わす入力データを入力データ取り込み部に取り込むデータ取り込み工程と、上記入力データ取り込み工程により取り込んだ入力データに基づいて、上記複数の原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽を抽出する入槽対象原材料貯槽抽出工程と、入槽計画作成範囲に設備休止期間開始が存在し、設備休止終了期間終了時点で補給レベルを切る原材料貯槽を追加抽出する設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程と、上記入槽対象原材料貯槽抽出工程、設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程において抽出した原材料貯槽に入槽可能な搬送設備の全てを抽出する搬送設備抽出工程と、上記搬送設備抽出工程において抽出した搬送設備から搬送経路として選択可能な組み合わせを全て構築する搬送経路組み合わせ構築工程と、上記搬送経路組み合わせ構築工程において構築された搬送経路の組み合わせ毎に、上記搬送設備抽出工程において抽出されなかった搬送設備により入槽可能な原材料貯槽を追加抽出する入槽対象原材料貯槽追加抽出工程と、上記入槽対象原材料貯槽追加抽出工程において追加抽出された原材料貯槽への搬送経路の組み合わせを追加構築する搬送経路追加構築工程と、上記搬送経路組み合わせ構築工程において構築された搬送経路の組み合わせと、上記搬送経路追加構築工程において追加構築された搬送経路の組み合わせの全てに対して、搬送経路の組み合わせ毎に、上記追加抽出された原材料貯槽も含めて抽出された原材料貯槽への入槽作業群の関係、制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して複数の数式モデルを構築する数式モデル構築工程と、設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程により抽出された原材料貯槽での設備休止中に入槽作業を行わない様に制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して上記数式モデルに追加する設備休止対応数式モデル構築工程と、数式モデル構築工程、設備休止対応数式モデル構築工程において構築された数式モデルの各々に対して、少なくとも設備休止中に前記在庫量が前記補給レベルを下回った量を最小化することを含む、あらかじめ設定した線形または2次形式の目的関数の元で、最適化問題を解くことにより最適解を求める最適解計算工程と、上記最適解計算工程において求めた最適解の内で一番評価の良いものを選択する最良解抽出工程とをコンピュータに実行させ、複数の原材料貯槽に対する入槽作業を行なう際に、上記最適解の内で一番評価の良いものを選択することで、最適な搬送設備、搬送経路、搬送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、及び入槽量をコンピュータにより決定するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し複数の原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽を抽出する際に、設備休止の有無を考慮して抽出するようにしたので、設備休止が予定されている場合においても、搬送設備稼働率向上等の入槽計画の最適性を考慮しながら、設備休止が予定された槽を含め、原材料貯槽の在庫がなくなることを未然に防ぐことができる。更に各槽の最適化な入槽計画を高速に立案することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
本実施形態の原材料貯槽への入槽計画作成装置では、原材料ヤードから複数の原材料貯槽までの選択可能な搬送路を用いて、ヤード積みつけ銘柄、ヤード在庫量推移、原材料の原材料貯槽からの切出し量、設備レイアウト等の原材料物流制約の下で、設備休止が予定されている場合においても、設備休止が予定された槽を含め原材料貯槽の在庫切れを発生させず、かつ搬送設備の稼動率が向上するように、原材料貯槽への入槽計画を最適化する。ただし、以下の説明は、あくまでも実施形態の一つである。
図1に、本実施形態の原材料ヤードの概要図を示す。
図1に示したように、原材料ヤードから入槽すべき原材料貯槽への搬送には、複数のリクレーマ(原材料をヤードからベルトコンベアに移動させる設備)と、ベルトコンベア系列の組み合わせが選択可能である。本実施形態のリクレーマは各々異なる切出し能力を持つ。また、搬送路の選択自由度が大きく、適切なリクレーマとベルトコンベア系列とを適切に選択し、適切な時間稼動させる必要がある。
なお、原材料貯槽毎に切出し量が異なり、且つ入槽を開始しようとする時点で入槽条件、例えば該当原材料貯槽の在庫レベル等が異なるとする。そのために、入槽すべき量、入槽を終了すべきレベルを状況に応じて適切に決定する必要がある。
この制約の中で、全原材料貯槽の在庫を確保し、効率的な搬送率の向上を実現した原材料入槽計画を作成するには、入槽順、入槽開始及び終了時刻、入槽量、リクレーマ稼動開始時刻、リクレーマ稼動終了時刻は勿論のこと原材料ヤードに原材料が積み付けられている山、原材料ヤード、使用するリクレーマ(使用リクレーマ)、搬送ベルトコンベア系列、入槽する原材料貯槽(入槽原材料貯槽)まで正確に決定する必要がある。
最初に、図3を用いて本実施形態による原材料貯槽への入槽計画作成装置の位置づけを説明する。
図3に示すように、原材料貯槽への入槽計画を作成する際には、まず、条件設定および取込み部30で、計画を立案する上で必要となるヤード配置、原材料貯槽切出し量等の制約条件、能力条件、前提条件を操業者が設定、或いはプロコン34またはビジコン35よりデータを取込む。
本実施形態の原材料貯槽への入槽計画作成部31は、条件設定および取込み部30により設定された様々な物流制約の下で、これら物流制約、能力条件等を満たす様に原材料ヤードの原材料貯槽への入槽計画を作成する。すなわち、入槽順、入槽開始・終了時刻、リクレーマ稼動開始・終了時刻および払出し山・ヤード、使用リクレーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原材料貯槽を求める。
この入槽計画作成部31では、以下に詳しく述べるように、LP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法、またはタブサーチ、GA等と数理計画法の組み合わせと、全搬送経路組み合わせ構築機能の組合せにより、原材料ヤードから原材料貯槽までの入槽計画を作成する。本実施形態においては、入槽順、入槽開始/終了時刻、リクレーマ稼動開始/終了時刻および払出しを行なうべき山・原材料ヤード、使用すべきリクレーマ、搬送に使用すべきベルトコンベア系列、搬送経路などを最適化した入槽計画を作成する。
入槽計画作成部31で求められた原材料貯槽への入槽計画(入槽順、入槽開始/終了時刻、リクレーマ稼動開始/終了時刻および払出しを行なうべき山・原材料ヤード、使用すべきリクレーマ、搬送に使用すべきベルトコンベア系列、搬送経路)は、表示部32に与えられる。そして、例えばガントチャート形式、原材料貯槽在庫推移グラフ形式、或いは入槽時刻一覧等の帳票で表示される。
操業者評価部33では、求められた原材料貯槽への入槽計画を様々な観点(例えば、在庫推移、リクレーマでの同一銘柄連続払出し性等)から操業者が評価し、満足のいく結果でなければ必要に応じて入槽順、入槽開始・終了時刻、払出し山、使用リクレーマ等を修正する。そして、入槽計画作成部31でもう一度原材料貯槽への入槽計画を作成し直す。この際には、必要に応じて指定した処理のみ入槽時刻の固定や払出し山、使用リクレーマ指定等の固定ができることを可能とする。
次に、上記入槽計画作成部31によって行われる処理の詳細を説明する。
入槽計画作成部31は、ヤード配置、工程経路、入槽銘柄等の設定条件、物流制約の下、原材料貯槽毎の在庫量と貯槽からの原材料払出し速度から、原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽、並びに上記原材料貯槽への搬送経路として選ばれなかった搬送設備により入槽可能な原材料貯槽を抽出する。
そして、原材料貯槽在庫荷切れ回避、搬送設備の効率運転のために設定した所定の目的関数を最良にする入槽順、入槽開始及び終了時刻、入槽量、リクレーマ稼動開始時刻、リクレーマ稼動終了時刻は勿論のこと払出し山、ヤード、使用リクレーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原材料貯槽を決定する。このとき、計画確定時刻は、原材料貯槽への入槽計画作成開始での時刻から2時間或いは3時間程度の適切な値とする。
上記で説明した原材料貯槽への入槽計画作成部の処理概要を、処理の概要を説明するために用いる原材料搬送の規模を縮小した簡単な事例(図4)、原材料貯槽への入槽計画作成装部の一実施形態による原材料貯槽への入槽計画作成装置の処理内容を示すフローチャート(図2)及び、この例を用いた場合の、原材料貯槽への入槽計画部の内部での動作の詳細を示す図5〜8を用いて詳細に説明する。
図4に示した事例では、原材料ヤード1にはそれぞれの原材料A、B、Cが積み付けられている。また、原材料ヤード2には原材料Bが積み付けられている。また、原材料ヤード3には原材料Bが積み付けられている。
原材料ヤード1の山の払出しにはリクレーマNo1が使用でき、原材料ヤード2の山の払出しにはリクレーマNo2が使用でき、原材料ヤード3の山の払出しにはリクレーマNo3が使用できる。
リクレーマNo1を使用した場合にはベルトコンベア系列1、2、3のどれかで原材料が原材料貯槽1〜3に搬送される。また、リクレーマNo2を使用した場合にはベルトコンベア系列4で原材料が原材料貯槽2に搬送される。また、リクレーマNo3を使用した場合にはベルトコンベア系列5、6のどれかで原材料が搬送される。ベルトコンベア系列1で搬送された原材料は原材料貯槽1に搬送される。また、ベルトコンベア系列2、4、5は原材料貯槽2に搬送される。また、ベルトコンベア系列3は原材料貯槽3に搬送される。また、ベルトコンベア系列6は原材料貯槽4に夫々搬送される。
原材料貯槽1には原材料A、原材料貯槽2には原材料B、原材料貯槽3には原材料C、原材料貯槽4には原材料Bが入槽される必要がある。ここで、ヤードから払い出す原材料と原材料貯槽に入槽される原材料は同一原材料でなくてはならない。
次に、図2のフローチャートを参照しながら本実施形態の原材料貯槽への入槽計画作成方法の処理手順の一例を説明する。
(第1の処理)
入力データ、初期値、条件設定処理(図2のステップS201)
本処理に必要な情報(原材料受入計画、原材料ヤード計画、設備休止計画、原材料ヤード現況、槽在庫現況、槽切出量現況、設備稼働・故障現況、および、操業者からの操業前提条件)を、オンラインにて読込み、必要に応じて操業者が修正を加える。
(第2の処理)
補給レベルを切る原材料貯槽の抽出する処理(図2のステップS202)
図5に示した様に、原材料貯槽毎の在庫量と原材料貯槽からの原材料払出し速度から、原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽を抽出し、補給対象とすべき原材料貯槽として抽出する。また、設備エンドで在庫レベルを切る原材料貯槽の抽出を行なう。更に、設備休止の有無を考慮し、設備休止が有っても在庫レベルを切らないように原材料貯槽への補給を行なう。
以上の様な条件を考慮して、計画確定時刻は、原材料貯槽への入槽計画作成開始での時刻から2時間或いは3時間程度の適切な値とし、必要に応じてステップS201で変更が可能であるものとする。また、補給レベルは、原材料貯槽毎に個別の値を設定できるものとし、必要に応じてステップS201で変更が可能であるものとする。この補給レベルは適切な値として、例えば、70%程度とする。この例では、原材料貯槽1、2、3が補給対象槽として抽出され、原材料貯槽4は現時刻では補給が必要でないとみなされ補給対象槽から外される。
(第3の処理)
設備休止用原材料貯槽の抽出する処理(図2のステップS203)
入槽計画作成範囲に設備休止期間開始が存在し、設備休止終了期間終了時点で補給レベルを切る原材料貯槽を追加抽出する。
図5に示した例では、設備休止期間終了時点では、補給レベルを切っているため、原材料貯槽4が設備休止用補給対象槽として抽出される。
ここで、原材料貯槽4は入槽計画作成期間の開始時刻においては、在庫レベルが高い位置に存在する。しかし、設備休止を考慮した計画を立案する場合には、設備休止用補給対象槽として抽出される必要がある。
もし本処理がなく、補給対象槽として抽出されない場合、補給タイミングを失うこととなる。つまり、このタイミングで補給されない場合、設備休止期間になってしまい、設備休止期間が終わった時点では、補給レベルを切ってしまうこととなり、実操業においては大きな問題となる。
(第4の処理)
各抽出貯槽の選択可能な全搬送設備を抽出する処理(図2のステップS204)
次に、抽出された補給対象の原材料貯槽に対して、図6に示した様に搬送経路を検索し、各原材料貯槽の選択可能な全搬送経路を導く。各貯槽の選択可能な全搬送経路の抽出動作の詳細を以下に示す。
まず、図6(a)に示すように、物流構造、原材料ヤード・山配置(原材料の銘柄)、原材料貯槽に入槽される原材料(銘柄)、ヤードで使用できるリクレーマ、リクレーマで使用可能なベルトコンベア系列、原材料貯槽に入槽可能なベルトコンベア系列が記載された搬送経路検索用情報テーブル61を図3の条件設定および取込み部30より取込む。
例えば、原材料貯槽2の場合を例に取る。step1 S61では、原材料貯槽2を搬送経路検索用情報テーブル61の起点設備から検索する。
次に、step2 S62では原材料貯槽2に積み付けられている銘柄Bと一致する銘柄を搬送経路検索用情報テーブル61の山銘柄から検索する。
次に、step3 S63では検索した山銘柄に対応するヤード、リクレーマの組を検索する。ここでは(ヤード1、RR No.1)、(ヤード2、RR No.2)、(ヤード3、RR No.3)、が使用可能であることが分かる。
次に、step4 S64では検索した起点設備の列と検索した山銘柄の交わる場所から使用可能なベルトコンベア系列を検索する。この場合、(ヤード1、RR No.1)を使用の場合は系列2、(ヤード2、RR No.2)を使用の場合は系列4、(ヤード3、RR No.3)を使用の場合は系列7が使用可能であることが分かる。
以上より、原材料貯槽2への搬送経路としては、(ヤード1、RR No.1、系列2)、(ヤード2、RR No.2、系列4)、(ヤード3、RR No.3、系列7)の3つの搬送経路を抽出する。
(第5の処理)
全搬送経路の組み合わせを構築する処理(図2のステップS205)
全原材料貯槽に対して、搬送経路の抽出が終了したら、step5 S65に移り、補給対象となっている全原材料貯槽に対して導かれた使用可能な搬送経路に関して、搬送経路の割付けパターンを構築する。この例題では、原材料貯槽1、2、3が補給対象、原材料貯槽4が追加の補給対象槽となっているので、搬送経路は以下となる。
すなわち、
(イ)原材料貯槽1は(ヤード1、RR No.1、系列1)である。
(ロ)原材料貯槽2は(ヤード1、RR No.1、系列2)、または(ヤード2、RR No.2、 系列4)、または(ヤード3、RR No.3、系列5)である。
(ハ)原材料貯槽3は(ヤード1、RR No.1、系列3)である。
(ニ)原材料貯槽4は(ヤード3、RR No.3、系列6)である。
このため、搬送経路の全割付けパターンは、割付けパターン1は、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード1、RR No.1、系列2)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
(原材料貯槽4、ヤード3、RR No.3、系列6)
となる。
割付けパターン2は、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード2、RR No.2、系列4)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
(原材料貯槽4、ヤード3、RR No.3、系列6)
となる。
割付けパターン3は、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード3、RR No.3、系列5)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
(原材料貯槽4、ヤード3、RR No.3、系列6)
となり、3パターンが導出される。
(第6の処理)
選択されなかった搬送路によって入槽可能な貯槽の追加処理(図2のステップS206)
搬送経路の全割付けパターンの抽出が終了したら、上記のように構築された組み合わせ毎に、抽出されなかった搬送設備により入槽可能な原材料貯槽を追加抽出する。この例では、全ての原材料貯槽が既に抽出されており、ここで追加抽出される原材料貯槽はない。
ここで、本抽出の動作を説明するために、もし、設備休止が設定されていなかった場合を想定して、説明する。
設備休止が設定されていない場合、原材料貯槽4は、入槽計画作成範囲内で補給レベルを切らないこととなり、抽出されないこととなる。
この場合、割付パターンは、上記抽出された3パターンで原材料貯槽4がない状態となうる。
つまり、以下となる。
割付けパターン1−1は、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード1、RR No.1、系列2)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
となる。
割付けパターン2−1は、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード2、RR No.2、系列4)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
となる。
割付けパターン3−1は、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード3、RR No.3、系列5)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
となる。
このとき、使用されていない搬送設備は
割付けパターン1では、
(原材料貯槽4、ヤード3、RR No.3、系列6)
となる。
割付けパターン2では、
(原材料貯槽4、ヤード3、RR No.3、系列6)
となる。
割付けパターン3では、ない。
上記結果より、設備休止が設定されていない場合、以下に示す3つの割付けパターンが発生する。
割付けパターン1−2として、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード1、RR No.1、系列2)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
(原材料貯槽4、ヤード3、RR No.3、系列6)
である。
割付けパターン2−2として、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード2、RR No.2、系列4)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
(原材料貯槽4、ヤード3、RR No.3、系列6)
である。
割付けパターン3−2として、
(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)
(原材料貯槽2、ヤード3、RR No.3、系列5)
(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)
である。
ここで、ステップS204にて抽出された搬送経路に対して、本ステップS206では左記処理で抽出された搬送経路を使用しない搬送設備、原材料貯槽を追加抽出する。そして、追加抽出された搬送設備、原材料貯槽に対して、既に抽出された搬送経路以外の搬送経路を追加抽出することで、割付けパターンを大幅に削減可能とした。これに加え、設備の競合により最適化したとしても良い結果が得られない割付けパターンを大幅に削減することを可能としている。
(第7の処理)
組み合わせ毎に数式モデルに定式化処理(図2のステップS207)
次に、導出された全割付けパターンに対してそれぞれの設定条件、物流制約、物流状況に基づき物流モデルを定式化する。この際に、設備休止が終わった時点で安全在庫を切らないようにする制約式を設定する。
ここでは、設備休止が設定された場合を例に、割付けパターン1、2、3に対して説明を進める。
図7に、定式化の概念を物流モデル構築概念示す。
図7に示すように、一つのJOB(一回の入槽作業開始から入槽作業終了までに発生するリクレーマ作業、搬送作業、入槽作業の一連の作業を一つのまとまりとして捉えたもの)内での工程間の制約を記述した工程間制約モデルと、JOB間での干渉をモデル化したJOB間制約モデルより構築される。
工程間制約モデルではリクレーマの稼動開始時刻、同終了時刻をそれぞれts、te、ベルトコンベア系列の搬送開始時刻、同終了時刻をそれぞれt_bcs、t_bc e、入槽開始時刻、同終了時刻を、それぞれt_Rs、t_R eとすると工程間には一定時間のずれ(l,m,n,pを定数とする)がある。この場合の制約は、

t_bcs= ts+l ……(1)式
t_bce= te+m ……(2)式
t_Rs = ts +n ……(3)式
t_Re = te +p ……(4)式

と表される。
また、原材料貯槽の入槽開始時の槽在庫レベルをR(ts) 、入槽終了時の槽在庫レベルをR(te)とすると、原材料貯槽への入槽量及び切出し量が時間に関わらず一定である場合の制約は、

R(ts) =ats +b ……(5)式
R(te) =cte +d ……(6)式

と表される。
ここで、a,b,c,dは時刻と槽在庫レベルの間の関係を表す定数である。また、入槽開始時刻は入槽終了時刻より早くないといけないので、

ts < te ……(7)式

と表される。
さらに、R(ts)は、一般に操業管理の都合上ある最低レベルRsL(管理下限値)以上、R(te)はある最高レベルReU(管理上限値)以下である必要がある。この制約は、

RsL ≦ R(ts) ……(8)式
R(te) ≦ReU ……(9)式
JOB間制約モデルでは、例えば割付けパターン2(原材料貯槽1、ヤード1、RR No.1、系列1)、(原材料貯槽2、ヤード2、RR No.2、系列4)、(原材料貯槽3、ヤード1、RR No.1、系列3)、(原材料貯槽4、ヤード3、RR No.3、系列6)の場合、原材料貯槽1へ入槽するJOB(JOB1)と、原材料貯槽3へ入槽するJOB(JOB3)では、RR No.1をどちらも使用する必要があるが、この設備では時間が重なっての使用はできない(時間的な干渉)。
JOB1のリクレーマNo 1(RR No.1)稼動開始時刻をts1、稼動終了時刻をte1、JOB3のリクレーマNo 1(RR No.1)稼動開始時刻をts3、稼動終了時刻をte3とすると、この場合の制約は、
JOB1がJOB3より早く処理される場合→ts3 ≧ te1 ……(10)式
JOB3がJOB1より早く処理される場合→ts1 ≧ te3 ……(11)式
と表される。
ここで、上式(10)、(11)にJOB1の処理が行われる時刻と、JOB2の処理が行なわれる時刻のずれ時間より十分大きな正の実数「M」及び「0」または「1」の整数変数「I」を導入すると、(10)式、(11)式は場合分けを必要としない、

ts3 - te1+MI ≧ 0 ……(12)式
ts3 - te1+M(1-I) ≧ 0 ……(13)式

で表現することが可能となる。

(第8の処理)
組み合わせ毎に設備休止用制約を数式モデルに定式化処理(図2のステップS208)
次に、導出された全割付けパターンに対して、設備休止用原材料貯槽として抽出された槽に対して、設備休止に対する制約を数式モデルに定式化する。
図10に、定式化の概念を物流モデル構築概念示す。
図10に示すように、設備休止期間終了時点で、出来るだけ補給レベルを切らない様にする必要がある。
設備休止期間開始時刻をstopTs、設備休止期間終了時刻をstopTe、原材料貯槽の設備終了期間終了時刻の槽在庫レベルをR(stopTe)、管理下限値から在庫が下回った量をstopLecpとすると、この場合の制約は、

R(stopTe) + stopLecp ≧ RsL ……(14)式

と表される。
また、設備休止中に入槽してはならない。この場合の制約は、

Te ≦ stopTs ……(15)式
または
stopTe ≦ Ts ……(16)式

と表される。
ここで、(15)式、(16)式は(10)式、(11)式を(12)式、(14)式に変形したのと同様の方法により場合分けを必要としない式に変形することが出来る。

さらに、(1)式〜(16)式の式を変形すると、数式モデルは、

AX ≦ B ……(17)式
Xmin ≦ X ≦ Xmax ……(18)式
∃x:整数 for [ x|x ∈ X ] ……(19)式

という簡単な線形式及び整数制約式として、定式化することができる。
なお、Xは各設備の稼動開始・終了時刻及び原材料貯槽在庫、整数変数Iを行列表現したもの、A、Bは所定の行列、XminおよびXmaxはそれぞれ各設備の稼動開始最早時刻及び最遅時刻および原材料貯槽在庫レベルの下限レベル及び上限レベルを行列表現したものである。
(第9の処理)
各数式モデルを目的関数に基づいて最適化処理(図2のステップS209)
上記構築された線形及び整数制約式で成る数式モデル式のそれぞれに対して、原材料貯槽の入槽を開始するレベルまたは時刻、及び入槽を終了するレベルまたは時刻を変数として含む線形または2次形式として表現された目的関数に基づきLP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法またはタブサーチ、GA等と数理計画法の組み合わせ方法により最適化問題として問題を解く。これにより、最適な入槽順、入槽開始及び終了時刻、入槽量、リクレーマ稼動開始時刻、リクレーマ稼動終了時刻は勿論のこと払出し山、ヤード、使用リクレーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原材料貯槽を計算する。
例えば、上記最適化計算において、準最適な解を形成するレベルで良い場合は、GAを用い、各JOBの整数変数Iを遺伝子として形成し、GAにより形成されたIは決定された値として後はLP問題として解くことができる。また、最適解を得ることが望まれるレベルである場合は、混合整数計画問題として解く。
ここで、目的関数に関して線形式を用いた場合の例を示す。本実施形態では、(1)原材料貯槽の在庫を切らさず、搬送機器の効率運転、(2)予定されている設備休止において、設備休止終了時に補給レベルを切らさないことを目的としていたので、目的関数は、全てのJOBによる入槽量合計が最も多くなる程、設備休止期間終了時点での在庫量が管理下限値を切る量が少ない程良い値を得る関数とする。目的関数を式で表すと次式を得る。
Figure 0005068623
この例題では、各原材料貯槽に対してJOBを考慮するため、JOB1〜JOB4、設備休止用原材料貯槽はJOB4となり、目的関数は以下となる。
Figure 0005068623
stopLecp4:原材料貯槽4の設備休止に対する管理下限値から在庫が下回った量
以上の定式化した式(数式モデル)を混合整数計画法にて解くことにより、各数式モデル毎に最適解が得られる。
(第10の処理)
最適結果の内、一番良い評価値を示す組み合わせを抽出する処理(図2のステップS210)
以上により、数式モデル毎に最適解が得られるが、これら最適解の評価値を比較し、最も評価値の値が良い解を選ぶ。これにより、入槽順、入槽開始及び終了時刻、入槽量、リクレーマ稼動開始時刻、リクレーマ稼動終了時刻は勿論のこと払出し山、ヤード、使用リクレーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原材料貯槽の搬送経路も同時に決定できる。
この動作の詳細を図8に従って説明する。ここでは、全てのJOBによる(1)入槽量合計が最も多くなる程、(2)設備休止期間終了時点での在庫量が管理下限値を切る量が少ない程良いとした目的関数を用いているとする。この場合、全JOBによる入槽量の合計値は、「割付けパターン1」、「割付けパターン2」、「割付けパターン3」に対して、それぞれ「割付けパターン1」では190t、「割付けパターン2」では240t、「割付けパターン3」では230tである。また、stopLecpは全パターン共に0となっている。このため、目的関数の値が最も大きい「割付けパターン2」が選択される。
この結果、原材料貯槽1は原材料ヤード1から払出しを行ない、RRNo.1稼動開始時刻は25分、稼動終了時刻は55分、ベルトコンベア系列1の搬送開始時刻は26分、搬送終了時刻は56分、入槽開始時刻は27分、入槽終了時刻は57分である。
原材料貯槽2は、原材料ヤード2から払出しを行ない、RRNo.3稼動開始時刻は27分、稼動終了時刻は57分、ベルトコンベア系列4の搬送開始時刻は28分、搬送終了時刻は58分、入槽開始時刻は29分、入槽終了時刻は59分である。
原材料貯槽3は、原材料ヤード1から払出しを行ない、RRNo.1稼動開始時刻は3分、稼動終了時刻は25分、ベルトコンベア系列3の搬送開始時刻は4分、搬送終了時刻は26分、入槽開始時刻は5分、入槽終了時刻は27分である。
原材料貯槽4は、原材料ヤード3から払出しを行ない、RRNo.3稼動開始時刻は30分、稼動終了時刻は38分、ベルトコンベア系列6の搬送開始時刻は31分、搬送終了時刻は39分、入槽開始時刻は32分、入槽終了時刻は40分が最適であると決定される。
次に、従来手法による立案結果と、本実施形態の原材料貯槽への入槽計画作成方法適用時の立案結果との比較を、図9を用いて説明する。
図9(b)に示す様に、従来手法では、設備休止が予定されている場合であっても、入槽計画作成範囲内で在庫が補給レベルを切らない場合、補給対象槽として抽出されることはない。このため、原料貯槽4に対する入槽が行われない。
これにより、設備休止期間終了時刻に補給レベルを切ってしまい、設備休止期間終了後に急いで入槽を行なったとしても、間に合わない状況となり、実操業では大きな問題となる。
これに比べ、図9(a)に示すように、本実施形態の原材料貯槽への入槽計画作成方法を適用した場合では、例え在庫量が多い時においても設備休止期間終了時刻に補給レベルを切る場合には設備休止用原材料貯槽として抽出され、原料貯槽4に対する入槽が行われる。
このため、設備休止終了時刻でも在庫が補給レベルを割ることはなく、設備休止終了時刻後に余裕を持って入槽作業を実行することが可能となる。
次に、図10を参照しながら設備休止を考慮した入槽処理について説明する。
図10に示すように、設備休止期間stopTs〜stopTeがある場合には、設備休止終了時点stopTeにおいて、できるだけ下限管理値stopLecpを切らないようにすることを考慮して原材料貯槽を前もって満杯にする必要がある。
そこで、本実施形態においては、維持時間切れから所定時間Kzcp、または保証維持時間から所定時間Kscp内において、入槽開始時刻Tsを設定して、入槽終了時刻Teまでの期間に保証在庫レベルまでできるだけ近いレベルLeまで引き上げるようにしている。保証在庫レベルは、例えば、原材料貯槽の90%程度を考慮する。
原材料貯槽内の収納レベルLeを保証在庫レベルにできる限り近い値Lecpとしておくことにより、設備休止期間stopTs〜stopTenにおいて入槽が行なわれなくても、設備休止終了時点における収納レベルを、下限管理値stopLecpからできるだけ上方に引き上げておくことが可能となり、下限管理値stopLecpを割り込まないようにすることができる。なお、上述した維持時間切れ=60min、保証維持時間=180minとすることにより、設備休止期間が有った場合においても、補給レベルを切らないようにすることができる。
なお、以上の実施形態では、本実施形態を原材料貯槽への入槽計画作成装置に適用する場合について説明したが、原材料物流制御装置に適用することも可能である。この場合は、作成した原材料貯槽への入槽計画に基づいて実プラントの制御装置等に指示を与える。このようにすれば、実プラントは、最適な入槽順、入槽開始及び終了時刻、入槽量、リクレーマ稼動開始時刻、リクレーマ稼動終了時刻は勿論のこと払出し山、ヤード、使用リクレーマ、搬送ベルトコンベア系列、入槽原材料貯槽に従って原材料ヤード操業を実行する。
なお、上述の入槽計画作成部31は、例えば、CPU(中央処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)などからなるマイクロコンピュータによって構成されており、例えばパーソナルコンピュータ等の計算機によって実現することができる。
(本発明に係る他の実施の形態)
前述した本発明の実施の形態における原材料貯槽への入槽計画作成装置を構成する各手段は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施の形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した原材料貯槽への入槽計画作成方法における各工程を実行するソフトウェアのプログラム(実施の形態では図2、図6に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては種々の記録媒体を使用することができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行なうことによっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
本発明の一実施対象である原材料搬送の概要を説明する図である。 本発明の一実施形態による原材料貯槽への入槽計画作成装置の処理内容を示すフローチャートである。 本実施形態による原材料貯槽への入槽計画作成装置の位置づけを示す図である。 本実施形態による原材料貯槽への入槽計画作成部の処理概要を処理の概要を説明するために用いる原材料ヤード製造プロセス(搬送)を規模縮小した簡単な例を示すための図である。 原材料貯槽在庫予測推移を説明するための図である。 (a)は、工程経路割付けパターン検索を説明するための図であり、(b)は検索方法を示すフローチャートである。 物流制約を線形式及び整数制約で表した内容を説明するための図である。 搬送経路割付けパターン毎に構築された物流モデルから最適なものを抽出する方法の概要を説明するための図である。 従来手法適用時立案結果と本実施形態の原材料貯槽への入槽計画作成方法適用時の立案結果の概要を説明するための図である。 設備休止を考慮して設備休止を考慮した入槽処理について説明する図である。 本発明の一実施形態による原材料貯槽への入槽計画作成装置の詳細な構成を示す図である。
符号の説明
30 条件設定および取込み部
31 原材料貯槽への入槽計画作成部
32 ガントチャート表示・原材料貯槽在庫推移グラフ表示部
33 操業者評価部
34 プロコン
35 ビジコン
1101 入力データ取込み部
1102 入槽対象原材料貯槽抽出部
1103 設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出部
1104 搬送設備抽出部
1105 搬送経路組み合わせ構築部
1106 搬送経路追加構築部
1107 数式モデル構築部
1108 設備休止対応数式モデル構築部
1109 最適解計算部
1110 最良解抽出部
1111 確定部

Claims (8)

  1. 原材料設備における原材料ヤードから複数の原材料貯槽へ、複数の搬送経路を経て複数の搬送設備で、原材料を搬送するための入槽計画を作成する入槽計画作成方法において、
    上記入槽計画作成における原材料受入計画、原材料使用計画、在庫計画、設備使用計画、設備休止計画、設備能力、設備現況、工程現況、設備現況、在庫現況、設備稼働・故障現況及び操業者からの操業前提条件の全て或いは一部を表わす入力データを入力データ取り込み部に取り込むデータ取り込み工程と、
    上記データ取り込み工程により取り込んだ入力データに基づいて、上記複数の原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽を抽出する入槽対象原材料貯槽抽出工程と、
    入槽計画作成範囲に設備休止期間開始が存在し、設備休止終了期間終了時点で補給レベルを切る原材料貯槽を追加抽出する設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程と、
    上記入槽対象原材料貯槽抽出工程、設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程において抽出した原材料貯槽に入槽可能な搬送設備の全てを抽出する搬送設備抽出工程と、
    上記搬送設備抽出工程において抽出した搬送設備から搬送経路として選択可能な組み合わせを全て構築する搬送経路組み合わせ構築工程と、
    上記搬送経路組み合わせ構築工程において構築された搬送経路の組み合わせ毎に、上記搬送設備抽出工程において抽出されなかった搬送設備により入槽可能な原材料貯槽を追加抽出する入槽対象原材料貯槽追加抽出工程と、
    上記入槽対象原材料貯槽追加抽出工程において追加抽出された原材料貯槽への搬送経路の組み合わせを追加構築する搬送経路追加構築工程と、
    上記搬送経路組み合わせ構築工程において構築された搬送経路の組み合わせと、上記搬送経路追加構築工程において追加構築された搬送経路の組み合わせの全てに対して、搬送経路の組み合わせ毎に、上記追加抽出された原材料貯槽も含めて抽出された原材料貯槽への入槽作業群の関係、制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して複数の数式モデルを構築する数式モデル構築工程と、
    上記設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程により抽出された原材料貯槽での設備休止中に入槽作業を行わない様に制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して上記数式モデルに追加する設備休止対応数式モデル構築工程と、
    上記数式モデル構築工程、上記設備休止対応数式モデル構築工程において構築された数式モデルの各々に対して、少なくとも設備休止中に前記在庫量が前記補給レベルを下回った量を最小化することを含む、あらかじめ設定した線形または2次形式の目的関数の元で、最適化問題を解くことにより最適解を求める最適解計算工程と、
    上記最適解計算工程において求めた最適解の内で一番評価の良いものを選択する最良解抽出工程とを備え、
    複数の原材料貯槽に対する入槽作業を行なう際に、上記最適解の内で一番評価の良いものを選択することで、最適な搬送設備、搬送経路、搬送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、及び入槽量を決定することを特徴とする原材料貯槽への入槽計画作成方法。
  2. 上記最適化の計算を混合整数計画法または2次計画法で行なうことを特徴とする請求項1に記載の原材料貯槽への入槽計画作成方法。
  3. 上記最適化の計算をタブサーチまたはGA等のヒューリスティックな手法で行なうことを特徴とする請求項1に記載の原材料貯槽への入槽計画作成方法。
  4. 原材料設備における原材料ヤードから複数の原材料貯槽へ、複数の搬送経路を経て複数の搬送設備で、原材料を搬送するための入槽計画を作成する入槽計画作成装置において、
    上記入槽計画作成における原材料受入計画、原材料使用計画、在庫計画、設備使用計画、設備休止計画、設備能力、設備現況、工程現況、設備現況、在庫現況、設備稼働・故障現況及び操業者からの操業前提条件の全て或いは一部を表わす入力データを入力データ取り込み部に取り込むデータ取り込み手段と、
    上記入力データ取り込み工程により取り込んだ入力データに基づいて、
    上記複数の原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽を抽出する入槽対象原材料貯槽抽出手段と、
    入槽計画作成範囲に設備休止期間開始が存在し、設備休止終了期間終了時点で補給レベルを切る原材料貯槽を追加抽出する設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出手段と、
    上記入槽対象原材料貯槽抽出手段、設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出手段により抽出した原材料貯槽に入槽可能な搬送設備の全てを抽出する搬送設備抽出手段と、
    上記搬送設備抽出手段により抽出した搬送設備から搬送経路として選択可能な組み合わせを全て構築する搬送経路組み合わせ構築手段と、
    上記搬送経路組み合わせ構築手段により構築された搬送経路の組み合わせ毎に、上記搬送設備抽出手段により抽出されなかった搬送設備により入槽可能な原材料貯槽を追加抽出する入槽対象原材料貯槽追加抽出手段と、
    上記入槽対象原材料貯槽追加抽出手段により追加抽出された原材料貯槽への搬送経路の組み合わせを追加構築する搬送経路追加構築手段と、
    上記搬送経路組み合わせ構築手段により構築された搬送経路の組み合わせと、上記搬送経路追加構築手段により追加構築された搬送経路の組み合わせの全てに対して、搬送経路の組み合わせ毎に、上記追加抽出された原材料貯槽も含めて抽出された原材料貯槽への入槽作業群の関係、制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して複数の数式モデルを構築する数式モデル構築手段と、
    設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出手段により抽出された原材料貯槽での設備休止中に入槽作業を行わない様に制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して上記数式モデルに追加する設備休止対応数式モデル構築手段と、
    上記数式モデル構築手段、上記設備休止対応数式モデル構築手段により構築された数式モデルの各々に対して、少なくとも設備休止中に前記在庫量が前記補給レベルを下回った量を最小化することを含む、あらかじめ設定した線形または2次形式の目的関数の元で、最適化問題を解くことにより最適解を求める最適解計算手段と、
    上記最適解計算手段により求めた最適解の内で一番評価の良いものを選択する最良解抽出手段とを備え、
    複数の原材料貯槽に対する入槽作業を行なう際に、上記最適解の内で一番評価の良いものを選択することで、最適な搬送設備、搬送経路、搬送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、及び入槽量を決定することを特徴とする原材料貯槽への入槽計画作成装置。
  5. 上記最適化の計算を混合整数計画法または2次計画法で行なうことを特徴とする請求項4に記載の原材料貯槽への入槽計画作成装置。
  6. 上記最適化の計算をタブサーチまたはGA等のヒューリスティックな手法で行なうことを特徴とする請求項4に記載の原材料貯槽への入槽計画作成装置。
  7. 原材料設備における原材料ヤードから複数の原材料貯槽へ、複数の搬送経路を経て複数の搬送設備で、原材料を搬送するための入槽計画を作成する工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    上記入槽計画作成における原材料受入計画、原材料使用計画、在庫計画、設備使用計画、設備休止計画、設備能力、設備現況、工程現況、設備現況、在庫現況、設備稼働・故障現況及び操業者からの操業前提条件の全て或いは一部を表わす入力データを入力データ取り込み部に取り込むデータ取り込み工程と、
    上記入力データ取り込み工程により取り込んだ入力データに基づいて、
    上記複数の原材料貯槽毎の槽在庫推移を計算し、計画確定時刻までに在庫量が所定の補給レベルを切る原材料貯槽を抽出する入槽対象原材料貯槽抽出工程と、
    入槽計画作成範囲に設備休止期間開始が存在し、設備休止終了期間終了時点で補給レベルを切る原材料貯槽を追加抽出する設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程と、
    上記入槽対象原材料貯槽抽出工程、上記設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程において抽出した原材料貯槽に入槽可能な搬送設備の全てを抽出する搬送設備抽出工程と、
    上記搬送設備抽出工程において抽出した搬送設備から搬送経路として選択可能な組み合わせを全て構築する搬送経路組み合わせ構築工程と、
    上記搬送経路組み合わせ構築工程において構築された搬送経路の組み合わせ毎に、上記搬送設備抽出工程において抽出されなかった搬送設備により入槽可能な原材料貯槽を追加抽出する入槽対象原材料貯槽追加抽出工程と、
    上記入槽対象原材料貯槽追加抽出工程において追加抽出された原材料貯槽への搬送経路の組み合わせを追加構築する搬送経路追加構築工程と、
    上記搬送経路組み合わせ構築工程において構築された搬送経路の組み合わせと、上記搬送経路追加構築工程において追加構築された搬送経路の組み合わせの全てに対して、搬送経路の組み合わせ毎に、上記追加抽出された原材料貯槽も含めて抽出された原材料貯槽への入槽作業群の関係、制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して複数の数式モデルを構築する数式モデル構築工程と、
    設備休止対応入槽対象原材料貯槽抽出工程により抽出された原材料貯槽での設備休止中に入槽作業を行わない様に制約を線形式及び整数制約式から成る数式モデルに定式化して上記数式モデルに追加する設備休止対応数式モデル構築工程と、
    数式モデル構築工程、設備休止対応数式モデル構築工程において構築された数式モデルの各々に対して、少なくとも設備休止中に前記在庫量が前記補給レベルを下回った量を最小化することを含む、あらかじめ設定した線形または2次形式の目的関数の元で、最適化問題を解くことにより最適解を求める最適解計算工程と、
    上記最適解計算工程において求めた最適解の内で一番評価の良いものを選択する最良解抽出工程とをコンピュータに実行させ、
    複数の原材料貯槽に対する入槽作業を行なう際に、上記最適解の内で一番評価の良いものを選択することで、最適な搬送設備、搬送経路、搬送開始時刻、搬送終了時刻、入槽開始時刻、入槽終了時刻、及び入槽量をコンピュータにより決定するようにしたことを特徴とするプログラム。
  8. 請求項7に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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