JP2003082407A - 高炉・製鋼工場間の貯銑量バランス検証方法及び装置 - Google Patents
高炉・製鋼工場間の貯銑量バランス検証方法及び装置Info
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Abstract
銑量のバランスの調整作業を支援する。 【解決手段】 高炉の出銑成分と、製鋼工場の転炉で溶
銑を使用して製造される製品成分に基づいて、製鋼に供
給する溶銑の予備処理負荷を決定して予備処理能力を算
定し、該算定された溶銑予備処理能力から求まる溶銑量
と、製鋼スケジュールから求まる予備処理無し溶銑量を
基に、製鋼原料として払い出される溶銑量を算出し、高
炉の出銑量情報と前記溶銑量情報から、高炉・製鋼工場
間に滞留する溶銑の貯銑量を算出し、溶銑輸送容器の充
填量情報及び稼動台数情報と、該溶銑輸送容器稼動台数
情報以降の前記高炉・製鋼工場間に滞留する溶銑の貯銑
量に基づき、溶銑輸送容器の充填容器台数や空容器台数
を判定する。
Description
る溶銑を、製鋼工場で使用する際に、高炉・製鋼工場間
で輸送容器内に貯銑されている溶銑の貯銑量を推定し
て、貯銑量のバランス検証を行うための高炉・製鋼工場
間の貯銑量バランス検証方法及び装置に係る。特に、貯
銑量を算出する上で近年多用されている溶銑予備処理設
備の予備処理能力を、高炉の出銑成分と、製造する製品
成分から溶銑予備処理負荷を推定して、精度良く溶銑予
備処理能力を推定して得た高炉・製鋼工場間の貯銑量バ
ランスの変化、及び、溶銑予備処理設備と製鋼工場間の
貯銑量バランスの変化から、製銑、製鋼のスケジュール
の妥当性を検証可能にした高炉・製鋼工場間の貯銑量バ
ランス検証方法及び装置に関する。
鉄所等の工場では、コンピュータ管理が進み、高炉の出
銑に従って製鋼スケジュールが立案され、あるいは製鋼
スケジュールに従う出銑が行われ、計画された製鋼スケ
ジュールに沿う生産が行われている。このような製鋼ス
ケジュールに沿う生産形態を採るときは、高炉・製鋼工
場間の溶銑の貯銑量を十分に採った操業が行われる。
貯銑量を正確に把握しておく必要があり、不足を生じた
時は、製鋼工場側の生産は停止することになる。又、過
大となった時は、製鋼工場側に回すことができず、鋳銑
機側への供給を余儀なくされ、所謂なまことして冷銑処
理されていた。
術として、特開平9−249903号公報、及び特開2
000−160213号公報が挙げられる。
は、製銑工程と製鋼工程を戦略的に結合した操業計画立
案を可能にした銑鋼一貫製鉄所の溶銑需給管理スケジュ
ーリング方法として、溶銑の需要量と手配時刻を作業単
位毎に算出する工程と、前記作業単位毎に必要な溶銑
を、その種類の関数として求める工程と、連続鋳造の事
前溶銑予備処理を必要とする作業単位毎の処理回数を算
出する工程と、吹錬工程単位毎の需要溶銑において、事
前溶銑予備処理工程を必要としないものを吹錬工程から
製銑工程に遡り通過する処理工程のパターンを算出する
工程と、吹錬工程から製銑工程より搬出された溶銑を在
庫管理する工程に、上工程に向かい遡り物流シミュレー
ションする工程と、物流シミュレーションの結果により
溶銑の需要量を時刻の関数として算出する工程と、事前
溶銑予備処理工程の作業種類別に発生する製造費用を作
業単位毎に算出する工程と、算出された溶銑需要量の時
刻の関数から、製銑工程の出銑工程の出銑量を出銑時刻
の関数とて算出する工程からなる。
おいては、在庫を把握する上での計算量を軽減するだけ
でなく、在庫把握精度を向上し、溶銑過多による高炉突
発減風、あるいは在庫過小による生産ロスを未然に防ぐ
と共に、該在庫管理や該在庫管理に基づく操業の修正に
要する手間やコストを削減するとして、出銑溶銑量把握
演算部、所要溶銑量把握演算部、及び溶銑在庫量把握演
算部を有する溶銑の在庫管理方法が提案されている。
高生産状態が恒常化する中で、今までより一層厳しい品
質が要求されており、生産管理の仕組みに様々な軋轢を
もたらすようになってきた。その歪みが最も顕著に具現
したのが、高炉・製鋼工場間の溶銑需給バランス崩れで
ある。
因があるが、その結果が、月次の出鋼量(製鋼工場の成
品重量)未達(計画に対する実績の未達成分)に結びつ
くと、製鉄所の運営に大きな影響を及ぼすことになる。
の問題の背景には、前記高生産状態に加えて、目標成分
が厳しい成分厳格材の製品の注文増加がある。又、設備
トラブル以外で溶銑需給バランスが崩れるケースでは、
高炉・製鋼工場間にある、製品品質保証のための溶銑中
のSi、P等の成分を事前に調整する溶銑予備処理セン
ター(以下PTC)がCCR(生産能力制約リソース:
Capacity Constrained Resource)となっており、
PTC能力の変動により、需給側である製鋼工場に溶銑
が供給されないという事態が生じていた。
に示す。高炉10で生産される溶銑は、溶銑輸送容器
(図示省略)に注がれ、各製鋼工場20、電(気)炉工
場30、鋳銑機40のそれぞれに、例えば軌道敷上をデ
ィーゼル機関車に牽引されて移送される。製鋼工場20
に移送される殆んどの溶銑については、その途中、溶銑
予備処理設備(以下PTC)18及び脱硫設備22で、
脱Si、P、Sの溶銑予備処理が施される。中でも、P
TC18の処理能力は、高炉10の溶銑成分値や目標成
分値により大きく影響を受け、高炉成分値が高いほど、
又、製品の目標成分値が低い(目標成分が厳しい成分厳
格材)ほど負荷が大きくなって処理能力が低くなる。即
ち、前記した如く、前記高生産状態に加えて、目標成分
が厳しい成分厳格材の製品の注文増加等によりPTC1
8の処理負荷は過大となり、PTC能力の変動により、
需要側である製鋼工場20に溶銑が供給されないという
問題が生じていた。図において、24は転炉、26は連
続鋳造機である。
ている前記特開平9−249903号公報、及び特開2
000−160213号公報では考慮されておらず、問
題解決の手段として成り得なかった。
れたもので、出鋼未達を未然に防ぐため、PTCをCC
Rと捉え精査することにより、製鋼命令計画段階で、高
炉・製鋼工場間の貯銑量のバランスの調整作業を支援す
るための高炉・製鋼工場間の貯銑量バランス検証方法及
び装置を提供することを目的とする。
される溶銑を製鋼工場で使用する間に、高炉・製鋼工場
間で輸送容器内に貯銑されている溶銑の貯銑量を推定し
て、貯銑量のバランス検証を行うための高炉・製鋼工場
間の貯銑量バランス検証方法において、高炉の出銑成分
と、製鋼工場の転炉で溶銑を使用して製造される製品成
分に基づいて、製鋼工場に供給する溶銑の予備処理負荷
を決定して予備処理能力を算定し、該算定された溶銑予
備処理能力から求まる溶銑量と、製鋼スケジュールから
求まる予備処理無し溶銑量を基に、製鋼原料として払い
出される溶銑量を算出し、高炉の出銑量情報と前記溶銑
量情報から、高炉・製鋼工場間に滞留する溶銑の貯銑量
を算出し、溶銑輸送容器の充填量情報及び稼動台数情報
と、該溶銑輸送容器稼動台数情報以降の前記高炉・製鋼
工場間に滞留する溶銑の貯銑量に基づき、溶銑輸送容器
の充填容器台数や空容器台数を判定することにより、前
記課題を解決したものである。
製鋼工場で使用する間に、高炉・製鋼工場間で輸送容器
内に貯銑されている溶銑の貯銑量を推定して、貯銑量の
バランス検証を行うための高炉・製鋼工場間の貯銑量バ
ランス検証装置において、高炉の出銑量並びに出銑成分
を入力する出銑情報入力手段と、製鋼工場の転炉で溶銑
を使用して製造される製品成分並びに製造スケジュール
からなる製鋼スケジュールを入力する製鋼スケジュール
情報入力手段と、前記出銑情報入力手段で入力された出
銑成分と、前記製鋼スケジュール情報入力手段で入力さ
れた製品成分に基づいて、製鋼工場に供給する溶銑の予
備処理負荷を決定して予備処理能力を算定する溶銑予備
処理負荷判定手段と、該溶銑予備処理負荷判定手段で算
定された溶銑予備処理能力から求まる溶銑量と、製鋼ス
ケジュールから求まる予備処理無し溶銑量を基に、製鋼
原料として払い出される溶銑量を算出する製鋼原料払い
出し溶銑量算定手段と、前記出銑情報入力手段から出力
される出銑量情報と、製鋼原料払い出し溶銑量算定手段
から出力される溶銑量情報から、高炉・製鋼工場間に滞
留する溶銑の貯銑量を算出する溶銑貯銑量算出手段と、
溶銑輸送容器の充填量情報及び稼動台数情報と、該溶銑
輸送容器稼動台数情報以降の前記溶銑貯銑量算出手段か
らの情報に基づき、溶銑輸送容器の充填容器台数や空容
器台数を判定する溶銑輸送容器の稼動状況推定手段とを
備えることにより、同じく前記課題を解決したものであ
る。
ンス検証装置において、前記溶銑予備処理負荷判定手段
で算定された溶銑予備処理能力から求まる溶銑量と、製
鋼原料として払い出された溶銑量から算出される、溶銑
予備処理設備から製鋼工場間に滞留する溶銑の貯銑量を
算出する予備処理済溶銑貯銑量算出手段を付加すること
により、高炉・製鋼工場間の貯銑量の他に、予備処理設
備・製鋼工場間の貯銑量を知ることができ、直ちに製鋼
工場に供給することのできる溶銑情報をも、貯銑量バラ
ンスの検証として利用できるようにしたものである。
ー又は溶銑鍋を指し、いずれであっても構わない。
報としては、各高炉毎の出銑スケジュールに基づく出銑
量を用いても良いし、全高炉の平均出銑量t/hr情報
に基づく出銑量を用いても良い。平均出銑量t/hr情
報に基づく出銑量情報を用いる時は、簡便な情報とな
り、取扱い易く、しかも精度上はあまり変わらない。
又、出銑成分情報としては、システム上得られる直近の
出銑成分情報を用いることが好ましい。
品成分並びに製造スケジュールからなる製鋼スケジュー
ルを入力する製鋼スケジュール情報として、転炉の吹錬
スケジュールを用いたり、又は、転炉と連携する連続鋳
造機の連鋳スケジュールから逆算される転炉の吹錬スケ
ジュールを用いても良く、これらを製鋼スケジュールと
称する。
ードカーを用いた例により、本発明の実施形態を詳細に
説明する。
本システムで使用する出銑スケジュール、製鋼スケジュ
ールの予定及び実績のデータ(製鋼スケジュールデータ
と称する)50は、高炉の出銑量並びに出銑成分を入力
する出銑情報入力手段52と、転炉で溶銑を使用して製
造される製品成分並びに製造スケジュールからなる製鋼
スケジュールを入力する製鋼スケジュール情報入力手段
54で入力され、溶銑オンラインコンピュータ(以下溶
銑O/Cと称する)60内に蓄積されている。ここで、
出銑スケジュール、製鋼スケジュールが変更される度
に、各情報入力手段52、54を介して、溶銑O/C6
0内のデータが更新される。なお、製鋼スケジュールに
従う出銑計画を採用するスケジューリングでは、この情
報入力手段52、54は、同じ端末からの情報となる。
銑O/C60で管理されている。それらのデータは、計
画出銑量、製鋼スケジュール情報(チャージの規格、目
標成分、出鋼時刻)、溶銑実績データ(本発明装置80
起動時の実績全体貯銑量)62、トピードカー(以下単
にトピードと称する)実績データ(本発明装置80起動
時の稼動台数、盈車・空車台数、トピード毎の溶銑成分
(Si、P、S))64であり、本発明装置80に読み
込むために一旦サーバ70を経由する。
量バランス検証装置(本発明装置とも称する)80は、
予測貯銑量、予測盈車・空車トピード台数、予測溶銑予
備処理能力、予測溶銑予備処理済貯銑量をシミュレーシ
ョンにより算出する。それらの結果(出力データ82)
は、例えばネットワークを介して、各現場91、92、
93、94、95である製銑事務所、製鋼事務所、PT
Cセンター、及び、各製鋼工場の転炉操作室で参照する
ことができるようになっている。
で、予測貯銑量、予測盈車・空車トピード台数、予測溶
銑予備処理能力、予測溶銑予備処理済貯銑量をシミュレ
ーションにより算出する手順を、図2を用いて説明す
る。
を決定する。初期条件決定のための、シミュレーション
直前の実績情報として、トピード盈車の充填量、収納し
ている溶銑の成分情報、稼動台数、盈車・空車台数、P
TC(トピードの通過時刻情報、空車時刻情報等)情報
を取り込み(ステップ100)、初期条件(初期値)を
設定する(ステップ102)。
り込み(ステップ104)、チャージ毎にPTC、脱硫
設備での脱Si、P、S処理目標を決定し(ステップ1
06)、溶銑の処理ルート(図6の中で、高炉10から
製鋼工場20へ直送か、PTC18を通すか、脱硫設備
22を通すか)を決定する(ステップ108)。
における処理時間を算出し(ステップ110)、移動時
間等を考慮した、各設備における発着時刻を算出する
(ステップ112)。
ップ114)、最後にバランス検証の際に使用する各指
標値を算出する。
ランスの成否を判定し(ステップ120)、良ければ、
現製鋼スケジュールで操業する。もし不都合があれば、
製鋼スケジュールを変更し(ステップ122)、新しい
製鋼スケジュールを入力する(ステップ124)。新し
い製鋼スケジュールを入力することにより予定情報が変
わるため、本発明装置80を起動し、再びバランス検証
をし直す。
る。
ド平均充填量を決定するために、溶銑O/C60より、
システム起動から例えば8Hr前までのトピード1台毎
の充填量を平均して求める。又、初期条件である稼動台
数、盈車・空車台数は、システム起動[時]における実
績データ64を読み込み決定する。又、初期条件である
高炉での予定出銑成分(Si、P、S)は、システム起
動[時]から例えば3Hr前までのトピード内溶銑の実
績溶銑成分(Si、P、S)(鋳床脱Si後の成分)の
平均で、それぞれ与える。又、システム起動[時]の全
体貯銑量は、溶銑O/C60内に例えば1Hr毎に実績
値として入っているものを使用する。この値は、ある時
刻N時における盈車トピード内の溶銑を合計した量を表
わす。又、溶銑予備処理済貯銑量は、システム起動
[時]における溶銑予備処理(処理終了)から原料毎に
存在する溶銑予備処理済のトピード内溶銑の合計値であ
る。
106) 予定されている鋳込チャージは、それぞれ製品の最終成
分に対応した転炉装入目標成分(Si、P、S)が決定
されている。実操業において、その目標成分に到達する
よう、溶銑予備処理設備18では、脱Si、P処理(あ
るいは脱Si、P、S処理)を、又は、脱S処理は、別
途の脱硫設備(例えばインペラー式脱硫設備)22で行
う。それぞれのチャージの各々の設備における処理目標
成分は、基準により最終目標成分であるC、Mn、S
i、P、S値から決定されるテーブルを持っており、本
発明装置80内で自動計算される仕組みとなっている。
同時に、最終目標成分から処理ルート(溶銑予備処理設
備18を通るか否か、又、脱硫設備22を通るか否か)
が決定される。
ップ110) 溶銑予備処理設備18における脱Si、P処理時間は、
上記で決定された溶銑予備処理設備での処理目標Si、
P成分値と、初期条件で決定した予定出銑成分Si、P
と、転炉で吹錬するチャージの必要溶銑量を変数とする
関数により、次式で求める。
の関数) g(P0,Pf):脱P原単位関数(P0,Pfの関数)
ンペラ脱硫設備を用いる脱硫での脱S時間は、操業条件
に基づき一定時間の処理時間として与える。
P、Sを行うときは、(1)式に、脱S剤使用量並びに
脱S原単位関数の項を付加すれば良い。
入力された出銑成分と、前記製鋼スケジュール情報入力
手段54で入力された製品成分に基づいて、製鋼工場に
供給する溶銑の予備処理負荷を決定して予備処理能力を
算定する溶銑予備処理負荷判定がなされる。
2) 原料での払い出し終了時刻は、システム起動時に溶銑O
/C60から読み込んだ予定の出鋼時間を基準とし、転
炉〜インペラ脱硫設備の移動時間(一定値)と、インペ
ラ脱硫設備拘束時間(インペラ脱S処理時間(一定値)
と準備時間(一定値)を加えたもの)と、インペラ脱硫
設備〜原料の移動時間(一定値)を加えたものを逆算し
て求める。又、溶銑予備処理が必要であるものに対し
て、溶銑予備処理設備18の出発時刻は、上記で求めた
原料払い出し終了時刻から、溶銑払い出し時間(一定
値)と、原料〜溶銑予備処理設備の移動時間(一定値)
を加えたものを逆算して求める。又、溶銑予備処理設備
18の到着時刻は、溶銑予備処理設備出発時刻から、溶
銑予備処理設備拘束時間(上記で求めた溶銑予備処理時
間と入替・準備時間(一定値)を加えたもの)を逆算し
て求める。
14) 時刻(N−1)時〜N時の原料払い出し処理能力(t/
hr)は、図3に示すように、上記で求まったチャージ
毎の原料払い出し終了時刻が、(N−1)時〜N時の間
に含まれるチャージの必要溶銑量の合計で与えられる。
の項で説明した溶銑予備処理負荷判定手段で算定された
溶銑予備処理能力から求まる溶銑量と、製鋼スケジュー
ルから求まる予備処理無し溶銑量を基に、製鋼原料とし
て払い出される溶銑量を算出すれば、製鋼原料払い出し
溶銑量の算定を行うことができる。
出銑スケジュールに基づく1時間((N−1)時〜N
時)毎の出銑量(t/hr)の合計を、各時間帯におけ
る出銑能力とする。又、製鋼スケジュールから逆算され
る、製鋼工場への到着予定時刻が鋳込チャージ毎に決定
される。図4に示すように、高炉・製鋼工場間における
(N−1)時〜N時の予測貯銑量は、本発明装置80の
起動時(シミュレーション開始[時])における実績の
高炉・製鋼工場間の貯銑量(初期貯銑量)に、1時間毎
の出銑量(1時間毎の各高炉の出銑能力の合計値)と、
図3で示した原料払い出し量(1時間毎の原料払い出し
能力の合計値)の差し引きを加えたもので与える。
盈車トピード台数)]1時間毎の上記予測貯銑量を、本
発明装置80の起動時に初期条件として入力される平均
充填量(最新の情報が自動計算され入力される。手入力
も可)で除算し、小数部は切上げしたもので表わす。
又、予測空車トピード台数は、本発明装置80の起動時
に初期条件として入力する全体稼動台数から、上記で求
めた盈車トピード台数を減算したもので表わす。
工場間の全体貯銑量は、限られた稼動台数(量)内で操
業するために、一定範囲内での台数(量)に収まるよう
に管理するために必要な指標値である。
に初期条件として入力される稼動台数(最新の情報が自
動計算され入力される。手入力も可)から、上記で求ま
る予測盈車トピード台数を減算したもので表わす。
に基づいた空車トピード台数が満たされないと高炉で受
銑ができない可能性があるので、空車トピード台数を管
理するために必要な指標値である。
理能力)]時刻(N−1)時〜N時における溶銑予備処
理能力は、上記の製鋼スケジュールから逆算される、そ
れぞれのチャージの溶銑予備処理設備における予定到着
・出発時刻から、図5に示されるように、その時間帯に
おける処理量(それぞれのチャージの必要溶銑量)の合
計で与えられる([時]を跨る場合は、跨った時間に対
して処理量を加重平均して算出)。又、溶銑予備処理ネ
ット能力は、(N−1)時〜N時における溶銑予備処理
設備で処理予定の平均目標成分(Si、P)と量から溶
銑予備処理設備の能力(t/hr)を算出する。
ネット能力値は、それらを比較することにより、ある時
間帯に設備能力処理できるかを判断するために必要な指
標値である。
銑予備処理済貯銑量)]ある時間帯における溶銑予備処
理済貯銑量は、本発明装置80の起動時に初期条件とし
て入力される実績の溶銑予備処理設備・製鋼工場間の溶
銑予備処理済貯銑量(最新の情報が自動計算され入力さ
れる)に、上記で求まる溶銑予備処理能力と溶銑予備処
理済溶銑の原料払い出し量の差し引きを加えたもので与
える。
直ぐに使用できる溶銑予備処理設備・製鋼工場間の貯銑
量を知るのに必要な指標値である。
ランス検証を行う際に必要な指標値である。これらの予
測値を予定段階において一定範囲内で管理することによ
り、製鋼スケジュールの妥当性が判断でき、もし不都合
がある場合、スケジュールを変更する意思決定を本装置
80で支援する。
容器の管理台数を40〜50台、空容器の管理台数を5
0台以上とする。ここで、充填容器の管理台数の上限値
は、空容器の管理台数から決定され、稼動台数から空容
器の管理台数を引いたもので与えられる。又、充填容器
の管理台数の下限値は、製鋼での溶銑不足を回避するた
めに決められた台数である。一方、空容器の管理台数
は、高炉で常に受銑できる空容器台数を確保するために
決められた台数である。
のような溶銑輸送容器の台数管理がなされているとし、
又、上記スケジュールにおいて、溶銑予備処理済貯銑量
は、900t必要であるとし、本装置80の検証結果
が、表1のようになったとする。
満たしていない。
が受銑ができなくなる可能性がある。
を満たしていない。
鋼工場が操業できなくなる可能性がある。
が不足している。
存在する可能性がある。
している。
鋼工場が操業できなくなる可能性がある、といった事象
が生じ、操業に支障を来たす場合が出てくる。
填容器に対応する製鋼スケジュール群をなくし、充填容
器台数が増加しないようなスケジュールを立てる、 ・13〜15時に高炉・製鋼工場間にあると予測される
充填容器に対応する製鋼スケジュール群に更に新たな命
令を加え、充填容器台数が増加しないようなスケジュー
ルを立てる、 ・12〜15時に高炉・製鋼工場間にあると予測される
充填容器に対応する製鋼スケジュール群に対し、溶銑予
備処理が必要でないスケジュールに変更する、 ・13〜15時に高炉・製鋼工場間にあると予測される
充填容器に対応する製鋼スケジュール群に対し、溶銑予
備処理が必要であるスケジュールに変更する、といった
手段をとることにより、〜に対する不都合が回避さ
れるようになる。
て、再び検証を行い、上記のような不都合が起こらない
スケジュールを立てる。
の他に、予備処理設備・製鋼間の貯銑量を知ることがで
き、直ちに製鋼に供給することのできる溶銑情報をも貯
銑量バランスの検証として利用でき、スケジュール段階
で、需要側である製鋼に溶銑が供給されないという問題
が解決できる。
空車トピード台数、予測溶銑予備処理能力、予測溶銑予
備処理済貯銑量をシミュレーションにより算出すること
ができるので、それらの結果(出力データ)をもとに、
各現場で製鋼スケジュールの妥当性が判断でき、もし不
都合がある場合、スケジュールを変更する意思決定を行
なうことができる。
動状況を正確に推定して、溶銑輸送容器の充填容器台数
や空容器台数を的確に判別することが可能となる。
ついて評価を行ったところ、次のような効果が確認でき
た。
果の比較 図7に、22時間までの在庫量の実績と本発明によるシ
ミュレーション結果の推移を示す。シミュレーション結
果との差は、最大トピード2台の差が2回発生している
のみであった。
ション結果の比較 図8に示すトピード台数推移の実績と本発明によるシミ
ュレーション結果の比較でも、精度良く検証が可能とな
った。
図
の様子を示す図
子を示す図
結果の推移を比較して示す線図
レーション結果の推移を比較して示す線図
Claims (3)
- 【請求項1】高炉から出銑される溶銑を製鋼工場で使用
する間に、高炉・製鋼工場間で輸送容器内に貯銑されて
いる溶銑の貯銑量を推定して、貯銑量のバランス検証を
行うための高炉・製鋼工場間の貯銑量バランス検証方法
において、 高炉の出銑成分と、製鋼工場の転炉で溶銑を使用して製
造される製品成分に基づいて、製鋼工場に供給する溶銑
の予備処理負荷を決定して予備処理能力を算定し、 該算定された溶銑予備処理能力から求まる溶銑量と、製
鋼スケジュールから求まる予備処理無し溶銑量を基に、
製鋼原料として払い出される溶銑量を算出し、 高炉の出銑量情報と前記溶銑量情報から、高炉・製鋼工
場間に滞留する溶銑の貯銑量を算出し、 溶銑輸送容器の充填量情報及び稼動台数情報と、該溶銑
輸送容器稼動台数情報以降の前記高炉・製鋼工場間に滞
留する溶銑の貯銑量に基づき、溶銑輸送容器の充填容器
台数や空容器台数を判定することを特徴とする高炉・製
鋼工場間の貯銑量バランス検証方法。 - 【請求項2】高炉から出銑される溶銑を製鋼工場で使用
する間に、高炉・製鋼工場間で輸送容器内に貯銑されて
いる溶銑の貯銑量を推定して、貯銑量のバランス検証を
行うための高炉・製鋼工場間の貯銑量バランス検証装置
において、 高炉の出銑量並びに出銑成分を入力する出銑情報入力手
段と、 製鋼工場の転炉で溶銑を使用して製造される製品成分並
びに製造スケジュールからなる製鋼スケジュールを入力
する製鋼スケジュール情報入力手段と、 前記出銑情報入力手段で入力された出銑成分と、前記製
鋼スケジュール情報入力手段で入力された製品成分に基
づいて、製鋼工場に供給する溶銑の予備処理負荷を決定
して予備処理能力を算定する溶銑予備処理負荷判定手段
と、 該溶銑予備処理負荷判定手段で算定された溶銑予備処理
能力から求まる溶銑量と、製鋼スケジュールから求まる
予備処理無し溶銑量を基に、製鋼原料として払い出され
る溶銑量を算出する製鋼原料払い出し溶銑量算定手段
と、 前記出銑情報入力手段から出力される出銑量情報と、製
鋼原料払い出し溶銑量算定手段から出力される溶銑量情
報から、高炉・製鋼工場間に滞留する溶銑の貯銑量を算
出する溶銑貯銑量算出手段と、 溶銑輸送容器の充填量情報及び稼動台数情報と、該溶銑
輸送容器稼動台数情報以降の前記溶銑貯銑量算出手段か
らの情報に基づき、溶銑輸送容器の充填容器台数や空容
器台数を判定する溶銑輸送容器の稼動状況推定手段と、 を備えたことを特徴とする高炉・製鋼工場間の貯銑量バ
ランス検証装置。 - 【請求項3】前記溶銑予備処理負荷判定手段で算定され
た溶銑予備処理能力から求まる溶銑量と、製鋼原料とし
て払い出された溶銑量から算出される、溶銑予備処理設
備から製鋼工場間に滞留する溶銑の貯銑量を算出する予
備処理済溶銑貯銑量算出手段を付加したことを特徴とす
る、請求項2に記載の高炉・製鋼工場間の貯銑量バラン
ス検証装置。
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