JP5969868B2 - 脱落防止具 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には吊下装置で吊ボルトに対して吊下させた空調機器が示されている。図14及び図15に示すようにこの吊下げ型空調機器を得るための吊下げ作業では、天井裏空間111において天井スラブ110から垂下された吊ボルト103に、上側から順に上側ナット112、上側ワッシャ113、下側ワッシャ114及び下側ナット115、115を装着させておく。そして、空調機器101の外側面に取付けられ上下に貫通する長孔116を有する略L型の吊金具104を、吊ボルト103が長孔116内部に位置するように上側ワッシャ113と下側ワッシャ114との間に位置させて下側ナット115及び下側ワッシャ114に引っ掛ける。その後、各ナット112、115の吊ボルト103に対する螺合位置を調整し、ナット112、115により吊金具104を挟み付けることにより空調機器101を所定の高さ位置に吊下げ支持する。
図12(a)に示す吊金具80は、空調機器の側面に取り付けられる取付板80dと、取付板80dの上端又は下端から屈曲されて水平に延びる水平取付片80a並びに該水平取付片80aの先端を下向きに折曲した折曲片80bとで構成されており、折曲片80bから水平取付片80aの中央に至る取付用切欠溝80cが形成されている。取付用切欠溝80cの形状は吊ボルト60と空調機器50との位置調整を容易にするために溝奥が溝入口(開口部)に対して両方向に直角に切り取られたT字状に形成されている。
図12(b)〜(e)に示す吊金具280、380、480、580を用いた空調機器天吊り構造も、図12(a)に示す吊金具80を用いた空調機器天吊り構造150と同様に、ナット61、62による締め付け構造を採用している。
また、作業条件の悪さから、吊ボルト60と吊金具80を固定するナット61、62を締結する際、十分なトルクを加えることが困難であり、しかも、締結後のトルクのチェックが十分に行われないことがあった。
加えて、空調機器50は、モーター等を備え、当該モーター等の振動により、場合によっては、ナット61、62にゆるみが発生する虞があった。
また、本発明の脱落防止具は、突出部を有しており、当該突出部の頂点と上下方向に対向する分岐板部との隙間が、前記吊金具の水平取付片の板厚より小さくなるように形成されている。したがって、吊金具の取付用切欠溝の開口部に当該突出部が嵌り込むことにより、脱落防止具が抜け止めされ、脱落防止具はその挿入方向に外れることはない。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
空調機器50は、例えば、換気装置や冷暖房装置等の室内装置又は屋外装置であり、天井のスラブ(図示略)に取り付けられ、天井から垂下された複数本の吊ボルト60によって天井空間又は天井近くの空間に吊下される。
図2に示す様に、まず、空調機器50の側面に取り付けられた吊金具80の取付用切欠溝80cに、吊ボルト60を挿入した状態で、当該吊金具80の水平取付片80aを挟み込むように脱落防止具1を水平に挿入する。
更に図3に示す様に、その上下方向から上ナット61及び下ナット62を締結することにより、吊ボルト60と吊金具80を固定する。
本発明に係る脱落防止具1の材質は、弾性を有する物であれば特に限定されるものではないが、一例として鉄鋼材料などを用いる事ができる。また、アルミニウムなどの金属材料又は樹脂材料からなるものであっても良い。
本明細書においては、脱落防止具1は、鉄鋼材料からなり、所定の板厚T1の板金材料を板金加工によって形成したものが好ましい。
切欠部5の幅A1(図4(c)参照)は、吊ボルト60の径d1(図2参照)より大きく形成されているため、吊ボルト60に干渉することなく、吊金具80に脱落防止具1を挿入することができる。
図中において突出部6は、コーナー部分や角部分は角張っているように記載されているが、通常、コーナー部分や角部分は円弧状に形成されている。
突出部6の先端側に傾斜6bを有することによって、図12(a)に示す吊金具80に挿入する際に、突出部6が、水平取付片80aにスムーズに乗り上げ、容易に挿入することができる。
突出部6の頂点6aと対向する分岐板部2aの隙間E1が、吊金具80の水平取付片80aの板厚t1より小さく形成されることによって、脱落防止具1を吊金具80に挿入後、突出部6が吊金具80の取付用切欠溝80cの開口部に嵌り込み、脱落防止具1が抜け止めされ、脱落防止具1はその挿入方向に外れることがない。
まず、図2に示すように空調機器50を天井スラブの下の所定の高さで水平に保持し、天井スラブから吊下げられた吊ボルト60下端部を空調機器50の側面に取り付けられた吊金具80の取付用切欠溝80cに対してその側方から挿入する。吊ボルト60には所定の間隔をあけて上下にナット61、62を予め螺入しておき、取付用切欠溝80cの挿入は上下のナット61、62間で行う。
次いで、脱落防止具1を図2の矢印X方向に水平に移動させ、吊金具80の取付板80dと折曲片80bとの間に脱落防止具1の第2端部2c、3cを挿入し、分岐板部3aの突出部6を取付用切欠溝80cに嵌り込むまで挿入する。
この打ち付け音は、挿入作業を行う作業者に音又は振動として伝わり、作業者は、突出部6を取付用切欠溝80cに嵌入したことを容易に判定することができる。即ち、脱落防止具1の挿入不足による取付不備を防止することができる。
したがって、脱落防止具1は、吊金具80に対して左右どちらからでも挿入することが可能であり、作業者が現場における作業性に応じて脱落防止具1の挿入方向を適宜選択することができる。
上ナット61を用いることなく天吊り構造10を構成する場合においては、天井付近の高所にて、上ナット61の締結作業を行う必要がなく、より施工を簡略化することができる。
図6(a)〜(e)は、本発明の第2実施形態である脱落防止具11を表し、第1実施形態の脱落防止具1を示す図4(a)〜(e)に対応する。なお、上述の第1実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
脱落防止具11は、第1実施形態の脱落防止具1と比較すると、第1の突出部16とこれに対向する第2の突出部17を有する点において異なっている。
第1の突出部16及び第2の突出部17は、分岐板部2a、3aの縁部を曲げ加工することによって形成されている。
第1の水平プレート2に形成された第1の突出部16は、第2端部2cから第1端部2bへ向かう方向に沿って徐々にその突出量を大きくする傾斜16bを有する。一方、第2の水平プレート3に形成された第2の突出部17は、先端側に傾斜を有しておらず、第2の突出部17において、第1の突出部16に対向する対向面17aは、第2の水平プレート3と平行に形成されている。
また、第1及び第2の水平プレート2、3のいずれにも突出部(第1の突出部16、第2の突出部17)を備えることによって、吊金具80の取付用切欠溝80cに、第1の突出部16と第2の突出部17とが上下方向から嵌り係止される構成となる。したがって、吊金具80が脱落防止具11により強固に係止される。
図7(a)〜(e)は、本発明の第2実施形態の変形例1である脱落防止具12を表し、第2実施形態の脱落防止具11を示す図6(a)〜(e)に対応する。なお、上述の第2実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
脱落防止具12の構成は、第2実施形態の脱落防止具11の構成と比較すると、第1の突出部16に代わって第1の突出部26を有し、第2の突出部17に代わって第2の突出部27を有する点において異なっている。
第2の突出部27は、第1の突出部26と対向する分岐板部3aをプレス加工によって塑性変形させることによって、円形に突出させて形成されている。
第1の水平プレート2に形成された第1の突出部26は、先端側に曲げ加工によって、第2端部2cから第1端部2bへ向かう方向に沿って徐々にその突出量を大きくする傾斜26bを有する。一方、第2の水平プレート3に形成された第2の突出部27は、プレス加工による塑性変形によって、第1の突出部26に対向する側に、頂部27bを形成する。
図8(a)〜(e)は、本発明の第2実施形態の変形例2である脱落防止具13を表し、第2実施形態の脱落防止具11を示す図6(a)〜(e)に対応する。なお、上述の第2実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
脱落防止具13の構成は、第2実施形態の脱落防止具11の構成と比較すると、第1の突出部16に代わって第1の突出部36を有し、第2の突出部17に代わって第2の突出部37を有する点において異なっている。
第2の突出部37は、第1の突出部36と対向する分岐板部3aに、第1及び第2の水平プレート2、3と略同厚さの、板材を溶接等の接合技術によって、接合することによって形成されている。また、第2の突出部37は、分岐板部3aを曲げ加工によってその断面を凸形状として形成することもできる。
第1の水平プレート2に形成された第1の突出部36は、曲げ加工によって、第2端部2cから第1端部2bへ向かう方向に沿って徐々にその突出量を大きくする傾斜36bを有する。一方、第2の水平プレート3に形成された第2の突出部37において、第1の突出部36に対向する側に、対向面37bが形成されている。
次に、本発明の第3実施形態について図9〜図12を基に説明する。
図9は、本発明の第3実施形態としての天吊り構造91を表し、第1実施形態の天吊り構造10を示す図5に対応する。なお、上述の第1実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
天吊り構造91は、第1実施形態の天吊り構造10と比較して、脱落防止具1の第1の水平プレート2に吊ボルト装着具30が更に設けられたものである。
2…第1の水平プレート
2a、3a…分岐板部
2b、3b…第1端部
2c、3c…第2端部
3…第2の水平プレート
4…接続部
5…切欠部
6、16、26、36…突出部(第1の突出部)
6a、16a、26a、36a…頂点
6b、16b、26b、36b…傾斜
17、27、37…第2の突出部
17a、37a…対向面
27b…頂部
10、91、150…天吊り構造
30…吊ボルト装着具
41、42、61、62…ナット
50、101…空調機器
60、103…吊ボルト
80、104、280、380、480、580…吊金具
80a、280a、380a、480a、580a…水平取付片
80b、280b、380b、480b、580b…折曲片
80c、280c、380c、480c、580c…取付用切欠溝
80d、280d、380d、480d、580d…取付板
A1、a1、B1、D1、D2…幅
b1、C1…距離
d1…径
E1、E2…隙間
t1、T1…板厚
Claims (2)
- 天吊り型の空調機器の側面に取り付けられる取付板と、取付板の上端又は下端から屈曲されて水平に延びる水平取付片並びに該水平取付片の先端を折曲した折曲片とで構成され、
折曲片から水平取付片の中央に至る吊ボルト用の取付用切欠溝が形成され、該取付用切欠溝に吊ボルトを挿通して当該吊ボルトを係止する空調機器用の吊金具に装着される脱落防止具であって、
平行に対向する1対の水平プレートと、
前記1対の水平プレートの一端である第1端部同士を接続する接続部と、
前記1対の水平プレートを、それぞれ前記第1端部と反対側に位置する第2端部から前記第1端部に向かう方向に延びる切欠部によって、二股に分かつことで形成される分岐板部と、
前記分岐板部の少なくとも一つに、上下方向に対向する分岐板部に向かって突出して形成される第1の突出部と、を備え、
前記第1の突出部は、前記第2端部から前記第1端部へ向かう方向に沿って徐々にその突出量を大きくする傾斜を有し、当該傾斜の頂点と上下方向に対向する分岐板部との隙間が、前記吊金具の水平取付片の板厚より小さく形成され、
前記1対の水平プレートは、前記吊金具の取付板と折曲片との間に、前記1対の水平プレートで前記吊金具の水平取付片を挟み込むように挿入し、前記取付用切欠溝の開口部に前記第1の突出部が達することで、係止することを特徴とする脱落防止具。 - 前記第1の突出部と、上下方向に対向する分岐板部に、前記第1の突出部と対向して突出する第2の突出部を形成し、
前記第1の突出部と、前記第2の突出部との最小隙間は、前記吊金具の水平取付片の板厚より小さくされたことを特徴とする請求項1記載の脱落防止具。
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