JP5968844B2 - 位置検知システム及び位置検知方法 - Google Patents

位置検知システム及び位置検知方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5968844B2
JP5968844B2 JP2013195450A JP2013195450A JP5968844B2 JP 5968844 B2 JP5968844 B2 JP 5968844B2 JP 2013195450 A JP2013195450 A JP 2013195450A JP 2013195450 A JP2013195450 A JP 2013195450A JP 5968844 B2 JP5968844 B2 JP 5968844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
base station
quadrant
received
mobile terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013195450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015059902A (ja
Inventor
亮介 横林
亮介 横林
河野 実則
実則 河野
河野 公則
公則 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2013195450A priority Critical patent/JP5968844B2/ja
Publication of JP2015059902A publication Critical patent/JP2015059902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5968844B2 publication Critical patent/JP5968844B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

この発明は、位置検知システム及び位置検知方法に関し、とくに移動体の位置を広範囲に亘って把握する技術に関する。
移動体の位置を把握する仕組みとして、例えば、非特許文献1には、基地局に設置した複数のアンテナから歩行者が携帯する携帯端末に無線信号を送信し、各アンテナから送信されてくる無線信号の位相差によって携帯端末とアンテナとの相対位置を求め、求めた相対位置(方向、距離)と基地局の絶対位置とから歩行者の現在位置を取得する位置検知システムが開示されている。
また特許文献1には、複数の無線マーカを利用して方向あるいは距離あるいは位置あるいはこれらの組合せの標定を行なうシステムにおいて、第1の無線マーカのサービス提供エリアから第2の無線マーカのサービス提供エリアへのハンドオーバを制御することが記載されている。
また特許文献2には、位置が既知である複数の基地局と位置推定対象である移動局との一方向又は双方向通信により取得した所定の信号に基づき、複数の基地局と移動局との観測距離を計測し、計測された複数の基地局の観測距離に基づき、予め定められた移動局の推定初期位置の方向に各基地局の観測座標を決定し、決定された複数の基地局の観測座標から移動局の代表位置を移動局の推定位置として算出することが記載されている。
特開2008−199589号公報 特開2011−214920号公報
武内 保憲,河野 公則,河野 実則、"2.4GHz帯を用いた場所検知システムの開発"、平成17年度 電気・情報関連学会中国支部第56回連合大会
非特許文献1に開示されている位置検知システムにおいては、一つの基地局がカバーするエリアが所定範囲に限定されるため、同システムにより広範囲に亘って位置検知対象の現在位置を把握するシステムを構築しようとすれば、カバーしようとするエリア内に多数の基地局を設置する必要があり、設備の設置やメンテナンスに要する負荷及びコストが問題となる。また位置検知システムにおいては、間接波の影響を抑えて標定精度の向上を図るべく、基地局のアンテナとして指向性アンテナを用いるが、指向性アンテナは指向角が狭いため、広範囲をカバーしようとすれば多数の基地局を設置する必要がある。
本発明は、こうした背景に鑑みてなされたものであり、移動体の位置を広範囲に亘って効率よく把握することが可能な、位置検知システム及び位置検知方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のうちの一つは、移動体に設けられ、無線信号である位置標定信号を送信する移動端末と、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対とを含むアンテナ群を有し、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように設けられ、前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対が、前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対の各アンテナが平面上に矩形状に並ぶように配置され、前記第1のアンテナ対の各アンテナ又は前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差に基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動体の現在位置を標定する基地局と、を備えて構成される位置検知システムであって、前記基地局が前記移動端末から受信する前記位置標定信号に基づき、前記アンテナ群の前記矩形の中心を通り前記矩形の2辺の夫々の方向に伸びる2つの軸の近傍で標定精度が高くなることを利用して、前記中心を原点とし前記2つの軸を座標軸とする平面座標系のいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知する
こととする。
位置標定システムは、標定可能エリア内では高い精度で移動端末の位置を検知することが可能であるが、標定可能エリア外であってもアンテナ群の矩形の中心を原点として矩形の2辺の方向に設定された座標軸の近傍では比較的高い標定精度が得られる。また移動平均法又はダイバーシティ効果等を適用して間接波の影響を抑えることで、標定可能エリア外かつ座標軸の近傍以外においても標定精度を高めることができる。本発明はこのような位置標定システムの特性に着目し、移動端末から受信する位置標定信号に基づき、移動体がアンテナ群の矩形の中心を原点として矩形の2辺の方向に設定された座標軸のいずれの象限に存在するかを検知する。本発明によれば、広範囲に亘って移動体が存在するエリアを正確に検知する仕組みを少ない基地局数で実現することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記位置検知システムであって、互いに離間させて配置される複数の前記基地局と、前記複数の基地局と通信可能に接続するサーバ装置と、を含み、前記基地局は、前記移動端末から送られてくる前記位置標定信号を受信し、受信した前記位置標定信号に基づき、前記平面座標系のいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知し、検知した前記象限を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記複数の基地局の夫々の設置位置を示す情報を記憶し、複数の前記基地局から受信した前記象限と、前記複数の基地局の前記設置位置を示す情報とに基づき、前記移動体が存在するエリアを特定することとする。
本発明によれば、サーバ装置は、複数の基地局から受信した移動体が存在する象限の検知結果に基づき移動体が存在するエリアを特定するので、広範囲に亘って移動体が存在するエリアを正確に検知する仕組みを少ない基地局数で実現することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記位置検知システムであって、前記基地局は、前記位置標定信号の受信電界強度を計測する手段を備え、前記基地局は、前記検知した象限とともに前記位置標定信号の受信電界強度を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、複数の前記基地局から受信した前記象限のうち前記位置標定信号の前記受信電界強度が大きいものを優先して採用することにより、前記移動体が存在するエリアを特定することとする。
本発明によれば、サーバ装置は、複数の基地局から受信した象限のうち位置標定信号の受信電界強度が大きいものを優先して採用して複数の基地局から受信した移動体が存在するエリアを特定するので、不要な処理を行うことなく効率よく移動体が存在するエリアを特定することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記位置検知システムであって、前記基地局は、いずれの象限に前記移動体が存在するかを検知する方法として、前記移動体の位置を複数回標定しそれら標定結果について移動平均法又はダイバーシティ効果を適用することにより間接波の影響を抑制した上でいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知する方法を、前記移動体が存在する位置に応じて変化する前記位置標定の精度に応じて選択することとする。
このように移動体が存在する位置に応じて変化する位置標定の精度に応じて移動平均法又はダイバーシティ効果を適用して移動体が存在する象限を検知する方法を選択することで、移動体が標定エリア内や座標軸の近傍に存在するときは位置標定の仕組みにより高い精度で移動体の位置を検知することができ、移動体が標定エリア外かつ座標軸の近傍以外に存在するときは移動体が存在するエリアを正確に検知することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記位置検知システムであって、前記基地局は複数の前記アンテナ群を有し、前記アンテナ群の夫々は、夫々の前記矩形の中心を一致させて夫々の前記座標軸が所定角度ずれた関係となるように設けられ、前記基地局が、前記アンテナ群の夫々が受信する前記位置標定信号に基づき、前記アンテナ群の夫々に対応する前記平面座標系について前記移動体が存在する象限を検知し、前記基地局は、前記平面座標系の夫々について検知した前記象限を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、複数の前記基地局から受信した複数の前記平面座標系の夫々について検知される前記移動体が存在する象限と、前記複数の基地局の前記設置位置を示す情報とに基づき、前記移動体が存在するエリアを特定することとする。
このように座標軸の数を増やすことで、移動体が存在するエリアをより正確(詳細)に特定することができる。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、移動体の位置を広範囲に亘り効率よく把握することができる。
位置検知システム1の概略的な構成を示す図である。 移動端末10の主なハードウエアを示す図である。 移動端末10が備える主な機能を示す図である。 基地局20の主なハードウエアを示す図である。 基地局20が備える主な機能を示す図である。 サーバ装置30の主なハードウエアを示す図である。 サーバ装置30が備える主な機能を示す図である。 位置標定信号800のデータフォーマットを示す図である。 基地局20のアンテナ群25を構成している各アンテナ251と移動端末10が備えるアンテナ14との関係を説明する図である。 基地局20と移動端末10との位置の関係を説明する図である。 基地局20のアンテナ群25と原点O、X軸、Y軸の関係を説明する図である。 比較的高い標定精度が得られるエリアを説明する図である。 アンテナ配列軸の近傍で位置標定の精度が高くなることを説明する図である。 アンテナ配列軸の近傍で位置標定の精度が高くなることを説明する図である。 基地局20のアンテナの一態様を示す図である。 基地局側処理S1400を説明するフローチャートである。 サーバ装置側処理S1500を説明するフローチャートである。 位置標定結果1600の一例である。 象限情報1700の一例を示す図である。 移動体現在位置情報321の一例である。 検知した象限に基づき移動体3が存在するエリアを特定する方法を説明する図である。
図1に実施形態として説明する位置検知システム1の概略的な構成を示している。位置検知システム1は、例えば、倉庫や工場等において移動体3(商品や搬送車両等)の位置を管理するシステム、工場等において移動体3(ロボット、搬送車両等)の誘導を行うシステム、移動体3(車両や歩行者等)の現在位置の監視を行うシステム、移動体3の安全確保を行うシステム、移動体3に対して道案内や目的地までの誘導を行うシステム、移動体3に対して現在地周辺の情報等を提供するシステム、地下街やビル街等において移動体3(人)の避難誘導を行うシステムに適用される。
位置検知システム1は、当該システムが適用されるエリア(以下、サービス提供エリアと称する。)内を移動する移動体3に設けられる移動端末10、サービス提供エリアをカバーするように設けられる複数の基地局20、移動体3の管理や監視を行うシステムの管理センタ等に設けられるサーバ装置30を含んで構成されている。
基地局20と移動端末10とは、有線もしくは無線による通信ネットワーク5(専用線、公衆回線、インターネット等)を介してサーバ装置30と通信可能に接続している。サービス提供エリアが屋内である場合、基地局20は、例えば、柱や建物の壁等に設けられる。またサービス提供エリアが屋外である場合、基地局20は、例えば、電柱や鉄塔等の構造物に設けられる。基地局20及び移動端末10は、いずれも有線もしくは無線による通信ネットワーク5(専用線、公衆回線、インターネット等)を介してサーバ装置30と通信可能に接続している。また基地局20は移動端末10と無線通信を行うことができる。
図2に移動端末10が備える主なハードウエアを示している。同図に示すように、移動端末10は、中央処理装置11(CPU、MPU等)、記憶装置12(半導体メモリ等)、無線通信インタフェース13、アンテナ14、入力装置15(タッチパネル、操作ボタン等)、及び出力装置16(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、スピーカ等)を備える。これらはバス17を介して互いに通信可能に接続している。
アンテナ14は、例えば、指向性アンテナである。サービス提供エリアが屋内である場合、アンテナ14は円偏波指向性アンテナであることが好ましい。円偏波の反射波(又は定在波)の偏波面は壁等の障害物で反射した際に反転するため、円偏波指向性アンテナを用いることで反射波や定在波を効果的に減衰させることができる。
図3に移動端末10が備える主な機能を示している。同図に示すように、移動端末10は、位置標定信号送信部101、情報送受信部102、及び情報出力部103を備える。これらの機能は、移動端末10が備えるハードウエアによって、もしくは、移動端末10の中央処理装置11が記憶装置12に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
このうち位置標定信号送信部101は、後述する位置標定の原理による移動端末10の位置標定に用いられる無線信号(以下、位置標定信号と称する)を無線通信インタフェース13から送信する。尚、位置標定信号送信部101は、例えば、予め設定されたタイミングが到来すると(例えば、(1)所定の周期で繰り返し、(2)一定時間ごと、(3)予めスケジュールされた時刻が到来した際等)、位置標定信号を送信する。
情報送受信部102は、無線通信インタフェース13により基地局20やサーバ装置30と通信し、基地局20やサーバ装置30への各種情報の送信(アップロード)並びに出力装置16に出力する各種情報の受信(ダウンロード)を行う。情報出力部103は、例えば、出力装置16に人に五感を通じて(表示、音声、振動等により)情報を報知する。
図4に基地局20が備える主なハードウエアを示している。基地局20は、中央処理装置21(CPU、MPU等)、記憶装置22(半導体メモリ等)、基地局20を通信ネットワーク5に接続するための通信インタフェース23、無線通信を行う無線通信インタフェース24、一つ以上のアンテナ群25、アンテナ切替スイッチ26、及びRSSI計測部27を備える。これらの各構成要素は、バス28を介して通信可能に接続している。
中央処理装置21は、記憶装置22に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、基地局20が備える各種の機能を実現する。無線通信インタフェース24は、移動端末10から送信される位置標定信号を受信する。
アンテナ群25は、少なくとも4つのアンテナ251(指向性アンテナ、円偏波指向性アンテナ等)を含む。アンテナ切替スイッチ26は、アンテナ群25を構成しているいずれかのアンテナ251を選択して無線通信インタフェース24に接続する。サービス提供エリアが屋内である場合、アンテナ251は円偏波指向性アンテナであることが好ましい。円偏波の反射波(又は定在波)の偏波面は壁等の障害物で反射した際に反転するため、円偏波指向性アンテナを用いることで反射波や定在波を効果的に減衰させることができる。
RSSI計測部27は、移動端末10から受信した位置標定信号の受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)を計測する。
図5に基地局20が備える主な機能を示している。同図に示すように、基地局20は、情報送受信部201、位置標定信号受信部202、情報記憶部203、標定可能エリア内外判定部204、位置標定部205、位置標定結果通知部206、象限検知部207、及び象限情報通知部208を備える。尚、これらの機能は、基地局20が備えるハードウエアによって、もしくは、基地局20の中央処理装置21が記憶装置22に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
情報送受信部201は、通信インタフェース23又は無線通信インタフェース24を制御し、移動端末10又はサーバ装置30との間で各種情報の送受信を行う。
位置標定信号受信部202は、無線通信インタフェース24並びにアンテナ切替スイッチ26を制御し、移動端末10から発信される位置標定信号を受信する。
情報記憶部203は、当該基地局20の設置位置を示す情報(以下、設置位置情報とも称する。)を記憶する。尚、サービス提供エリアが屋内である場合、設置位置情報は、例えば、屋内に設定された座標系や、屋内の構造物(壁、柱等)からの相対距離等で表される。またサービス提供エリアが屋外である場合、設置位置情報は、例えば、緯度/経度や屋外に設定された座標系で表される。
標定可能エリア内外判定部204は、受信した位置標定信号のRSSIに基づき、その位置標定信号を送信した移動端末10が現在、位置標定部205によって正確に位置標定を行うことが可能なエリア(以下、標定可能エリアとも称する。)に存在するか否かを判定する。標定可能エリア内外判定部204は、例えば、移動端末10から受信した位置標定信号のRSSIを予め設定された閾値と比較することにより、その移動端末10が現在、標定可能エリア内に存在するか否かを判定する。例えば、標定可能エリア内外判定部204は、RSSI>閾値であれば標定可能エリア内と判定し、RSSI≦閾値であれば標定可能エリア外と判定する。
位置標定部205は、移動端末10から受信した位置標定信号に基づき、その移動端末10の現在位置を標定する。尚、位置標定部205による位置標定の仕組みの詳細については後述する。
位置標定結果通知部206は、位置標定部205によって標定された移動端末10の現在位置を示す情報(以下、位置標定結果とも称する。)をサーバ装置30に送信する。
象限検知部207は、受信した位置標定信号を送信してきた移動端末10が現在、いずれの象限(後述)に所属しているのか(いずれの象限に居るのか)を検知(特定)する。象限検知部207は、移動端末10が基地局20の標定可能エリア内に存在するときは、位置標定部205による後述する位置標定の原理に基づき、高い標定精度で当該移動端末10の現在位置を検知する。また移動端末10が基地局20の標定可能エリア外に存在するときは、アンテナ配列軸の近傍では比較的高い標定精度が得られることを(詳細は後述)、アンテナ配列軸の近傍以外では移動平均法やダイバーシティ効果を利用した方法によって間接波(マルチパス、反射波等)の影響を抑制できること(詳細は後述)を利用して標定精度を確保しつつ、移動端末10が現在所属している象限を検知する。
象限情報通知部208は、象限検知部207によって検知された、当該移動端末10が現在所属している象限を示す情報(以下、象限情報と称する。)をサーバ装置30に送信する。
図6にサーバ装置30が備える主なハードウエアを示している。同図に示すように、サーバ装置30は、中央処理装置31(CPUやMPU等)、記憶装置32(半導体メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等)、入力装置33(キーボード、マウス等)、出力装置34(液晶ディスプレイ等)、及びサーバ装置30を通信ネットワーク5に接続する通信インタフェース35を備える。これらはバス38を介して互いに通信可能に接続している。出力装置34には、例えば、移動体3(移動端末10)の現在位置、移動体3が現在存在するエリア、移動体3の移動方向/移動速度などの情報が出力される。
図7にサーバ装置30が備える主な機能を示している。同図に示すように、サーバ装置30は、情報送受信部301、情報管理部302、位置標定結果受信部303、象限情報受信部304、及び移動体現在位置管理部305を備える。これらの機能は、サーバ装置30が備えるハードウエアによって、もしくは、サーバ装置30の中央処理装置11が記憶装置12に格納されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。
情報送受信部301は、基地局20や移動端末10との間で各種の情報、例えば、サービス提供エリアに存在する移動体3(移動端末10)に関する情報(例えば、移動体3の現在位置、移動体3が現在存在するエリア、移動体3の移動速度や移動方向等)を送受信する。
情報管理部302は、各種の情報、例えば、各基地局20の設置位置情報を記憶する。
位置標定結果受信部303は、移動端末10から送られてくる位置標定結果を受信する。
象限情報受信部304は、移動端末10から送られてくる象限情報を受信する。
移動体現在位置管理部305は、移動端末10から受信した位置標定結果並びに象限情報に基づき、サービス提供エリア内に存在する移動体3(移動端末10)の現在位置を示す情報を移動体現在位置情報321として管理する。
<位置標定の原理>
続いて、前述した位置標定部205によって行われる位置標定の原理について説明する。位置標定は、スペクトル拡散された無線信号である位置標定信号を送信する無線装置(本実施形態では、移動端末10が備える、移動通信インタフェース13並びにアンテナ14)と、位置標定信号を受信してこれに基づき標定対象(本実施形態では移動体3(移動端末10))が存在する方向や存在する位置を標定する基地局(本実施形態では基地局20)とを含んで構成されるシステム(以下、位置標定システムと称する。)をベースとして実現される。位置標定システムにおける無線装置は位置標定信号を送信し、基地局はアンテナ群(本実施形態ではアンテナ群25)を構成している複数のアンテナを周期的に切り換えつつ無線装置から送られてくる位置標定信号を受信する。
図8に、無線装置から送信される位置標定信号800のデータフォーマットを示している。同図に示すように、位置標定信号800は、制御信号811、測定信号812、及び端末情報813を含む。このうち制御信号811には、変調波並びに各種の制御信号が含まれる。測定信号812には、数m秒程度の無変調波(例えば、基地局に対する標定対象の存在する方向や基地局から標定対象までの相対距離の検出に用いる信号(例えば2048チップの拡散符号))が含まれる。端末情報813には、その位置標定信号800を送信した無線装置の識別子(以下、端末IDと称する。)が含まれる。
図9に基地局20のアンテナ群25を構成している複数のアンテナ251と移動端末10との関係を示している。同図に示すように、アンテナ群25は、位置標定信号800の1波長(例えば、位置標定信号800として2.4GHz帯の電波を用いた場合は波長λ=12.5cm)以下の間隔をあけて平面的に略正方形状に等間隔で隣接配置された4つの円偏波指向性アンテナ(以下、アンテナ251a〜251dと称する。)を含んで構成されている。尚、各アンテナ251a〜251dは、例えば、いずれも指向方向を斜め下方向に向けて設置されている。
同図において、アンテナ群25の高さ位置における水平方向とアンテナ群25に対する移動端末10の方向とのなす角をαとすると、
α=arcTan(D(m)/L(m))=arcSin(ΔL(cm)/3(cm))
の関係がある。尚、上記のΔL(cm)は、アンテナ群25を構成しているアンテナ251のうち、特定の2つのアンテナ251と移動端末10との間の伝搬路長の差(以下、経路差とも称する。)である。
ここでアンテナ群25を構成している特定の2つのアンテナ251の夫々が受信する位置標定信号800の位相差をΔθとすれば、
ΔL(cm)=Δθ/(2π/λ(cm))
の関係がある。また位置標定信号800として2.4GHz帯の電波を用いる場合はλ=12.5(cm)であるので、
α=arcSin(Δθ/π)
の関係がある。測定可能範囲(−π/2<Δθ<π/2)内では、αはΔθ(ラジアン)から算出することができるので、上式から基地局20から見た移動端末10が存在する方向αを取得することができる。
図10に示すように、基地局20アンテナ群25の地上高をH(m)、移動端末10のアンテナ14の地上高をh(m)、基地局20のアンテナ群25から下ろした垂線と移動体3(移動端末10)が移動する平面との交点を原点として直交座標系(X、Y、Z)を設定した場合における、方向αのXZ平面への射影(方向αのX軸方向成分)をΔΦ(X)、方向αのYZ平面への射影(方向αのY軸方向成分)をΔΦ(Y)とすれば、原点に対する移動端末10の相対座標は次式から求めることができる。
Δd(X)=(H−h)×Tan(ΔΦ(X))
Δd(Y)=(H−h)×Tan(ΔΦ(Y))
そして原点の絶対座標を(X1,Y1,0)とすれば、移動端末10の絶対座標(XX,YY,0)は次式から求めることができる。
XX=X1+Δd(X)
YY=Y1+Δd(Y)
尚、以上に説明した位置標定の基本原理については、例えば、特開2004−184078号公報、特開2005−351877号公報、特開2005−351878号公報、特開2006−23261号公報などにも詳述されている。
ところで、以上のようにして行われる位置標定に際しては、無線装置や基地局が備える水晶発振器に生じる周波数偏差に起因する誤差が問題となる。例えば、水晶発振器の周波数安定度が±0.5ppmである場合、無線装置と基地局との間には最大1ppmの周波数偏差(2400Hz)が生じ、基地局のアンテナ切替スイッチ26の切替周期を32μsとすると2400Hz×32μs×360°=27.65°の位相差(誤差)が生じることになる。そこで本実施形態の位置標定システムは、周波数偏差に起因する誤差を次のようにして相殺することにより、測定精度の向上を図っている。
まず基地局20のアンテナ群25の第1のアンテナ対(第1アンテナ251a及び第2アンテナ251b)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ1(第1アンテナ251aを基準として第2アンテナ251bの位相を測定した結果(=測定値))は、移動端末10のアンテナ14から第1アンテナ251aまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末10のアンテナ14から第2アンテナ251bまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差の真値をΔθt1とし、上述の測定誤差をF1とすれば、次式で表すことができる。
Δθ1=Δθt1+F1 ・・・式1
一方、基地局20のアンテナ群25の第2のアンテナ対(第3アンテナ251c及び第4アンテナ251d)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ2(第3アンテナ251cを基準として第4アンテナ251dの位相を測定した結果(=測定値))は、移動端末10のアンテナ14から第3アンテナ251cまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末10のアンテナ14から第4アンテナ251dまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差の真値をΔθt2とし、測定誤差をF2とすれば、次式で表すことができる。
Δθ2=−Δθt2+F2 ・・・式2
式1と式2の両辺の差を取れば次のようになる。
Δθ1−Δθ2=(Δθt1−(−Δθt2))+(F1−F2) ・・・式3
ここで第1のアンテナ対と第2のアンテナ対とは、第1のアンテナ対の各アンテナ251a,251bによって受信される位置標定信号800の経路差と第2のアンテナ対の各アンテナ251c,251dによって受信される位置標定信号800の経路差とが一致するように、即ち位相差Δθt1と位相差Δθt2とが一致するように設けられており、この一致する値をθt=Δθt1=Δθt2とおけば、右辺の(Δθt1−(−Δθt2))の値は2θtとなる。
一方、誤差F1,F2は、第1のアンテナ対の測定時と第2のアンテナ対の測定時とで通常はほぼ一致しており、右辺の(F1−F2)の値は限りなく0に近くなる。以上より、式3は次のようになる。
θt=(Δθ1−Δθ2)/2 ・・・式4
式4から理解されるように、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対の夫々によって位相差を測定することにより、式1、式2における測定誤差F1,F2を相殺することができる。このため、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対の夫々によって位相差を測定することにより、位相差θtを高い精度で取得することができる。
尚、位相を測定する側(本実施形態では基地局20側)に、例えば、AGC(Automatic Gain Controller)を設けて周波数偏差を減少させるようにすれば、右辺の(F1−F2)の値をさらに0に近づけることができ、位相差θtの測定精度を更に向上させることができる。
<標定精度>
(1)アンテナ配列軸の近傍での標定精度
ところで、基地局20によって行われる位置標定の精度は、標定可能エリアの全体において必ずしも一様ではなく、通常は基地局20と移動端末10との距離が短い程(相対位置が近い程)、標定精度は高くなる。さらに標定精度は、基地局20の各アンテナ251の配列方向、即ち図11Aに示すように、正方形状に配置された4つのアンテナ251a〜251dの対角線中心(各アンテナ251a〜251dの夫々の中心から等距離にある点)を原点Oとして正方形の一辺の方向に設定したX軸の方向、もしくは、上記正方形の対角線中心を原点OとしてX軸と直角な方向(上記一辺に隣接する他の一辺の方向)に設定したY軸の方向(以下、上記X軸又はY軸のことを、アンテナ配列軸とも称する。)と、移動端末10のアンテナ14との相対的な位置関係によっても変化する。
例えば、基地局20のアンテナ群25が図11Aに示すような状態で配列している場合には、図11Bに示すように、アンテナ配列軸の近傍(上記X軸を含むXY平面に垂直な平面の近傍、もしくは上記Y軸を含むXY平面に垂直な平面の近傍)に移動端末10のアンテナ14が存在するときに比較的高い標定精度が得られることが知見されている。またアンテナ配列軸の近傍では、標定可能エリアの境界付近や標定可能エリア外の基地局20から所定範囲においても比較的高い標定精度が得られることが知見されている。ここでこのような特性になることは、例えば次のように理解することができる。
今、基地局20の各アンテナ251a〜251dと移動端末10のアンテナ14とが図12Aに示す位置関係にある場合を考える。同図において、移動端末10のアンテナ14は、X軸を含むXY平面に垂直な平面の方向に存在する。同図中、一点鎖線で示す弧線77,78は、移動端末10のアンテナ14から送信された位置標定信号800の波面を表す。
同図から理解されるように、アンテナ251bとアンテナ251cとの間では、移動端末10のアンテナ14から送信された位置標定信号800の到達時間に差がなく、またアンテナ251aとアンテナ251dとの間でも、位置標定信号800の到達時間に差がなく、従って、アンテナ251bとアンテナ251cとの間、及びアンテナ251aとアンテナ251dとの間では、Y軸方向の位相差は0である。
一方、アンテナ251aとアンテナ251bとの間では、移動端末10のアンテナ14から送信された位置標定信号800の到達時間に差があり、またアンテナ251cとアンテナ251dとの間でも、位置標定信号800の到達時間に差がある。
図12Bは、基地局20のアンテナ群25と移動端末10のアンテナ14とが図12Aの位置関係にあるときに、これらをY軸の負の方向から眺めた図である。同図において、符号81、82で示す実線は、夫々、移動端末10のアンテナ14から送信される位置標定信号800のうち、直接波として基地局20のアンテナ群25に到達する位置標定信号800である。また符号91、92で示す破線は、夫々、移動端末10のアンテナ14から送信される位置標定信号800のうち、間接波(マルチパス、反射波等)として基地局20のアンテナ群25に到達する位置標定信号800である。このように、基地局20のアンテナ群25には、移動端末10のアンテナ14から送信された位置標定信号800が、間接波と直接波とが合成された形で到達する。
ここで間接波91並びに間接波92に着目すれば、これらはアンテナ251b及びアンテナ251cへの到達時間とアンテナ251a及びアンテナ251dへの到達時間との間に差がある。従って、間接波91がアンテナ251b及びアンテナ251cが受信する位置標定信号800に与える影響(アンテナ251b及びアンテナ251cが受信する直接波に与える影響)と、間接波92がアンテナ251a及びアンテナ251dが受信する位置標定信号800に与える影響(アンテナ251a及びアンテナ251dが受信する直接波に与える影響)とは異なる。このため、間接波が存在する場合には、X軸方向の位相差の測定精度に影響が生じることになる。
一方、アンテナ251bとアンテナ251cとの間では、間接波91と間接波92との間で到達時間に差がなく、間接波91及び間接波92がアンテナ251bとアンテナ251cの夫々が受信する位置標定信号800に与える影響(直接波に与える影響)は同じである。またアンテナ251aとアンテナ251dとの間でも、間接波91と間接波92との間で到達時間に差がなく、間接波91及び間接波92がアンテナ251aとアンテナ251dの夫々が受信する位置標定信号800に与える影響(直接波に与える影響)は同じである。従ってY軸方向の位相差の測定精度に与える影響は小さくなる。
アンテナ配列軸の近傍で標定精度が高くなることは、以上のように理解することができる。尚、このように基地局20のアンテナ配列軸の近傍で比較的高い標定精度が得られ、また標定可能エリアの境界付近や標定可能エリア外の基地局20から所定範囲においても比較的高い標定精度が得られるため、アンテナ配列軸の近傍では、標定可能エリアを超えたより広い範囲を対象として標定対象の位置(標定対象が存在する方向や象限)を検知することができる。尚、以上によれば、間接波のみが到達するような状況においても、アンテナ配列軸の近傍では方向や象限について比較的高い標定精度が得られることがわかる。
(2)標定可能エリア外かつアンテナ配列軸の近傍以外での標定精度
以上のように、アンテナ配列軸の近傍では比較的高い標定精度が得られるが、標定可能エリア外かつアンテナ配列軸の近傍以外であっても、移動体3が基地局20から所定範囲内に存在するときは、例えば、移動平均法やダイバーシティ効果を利用して間接波(マルチパス、反射波等)の影響を抑制することで、移動体3(移動端末10)がアンテナ配列軸のいずれの象限に存在するかを検知できる程度の標定精度を得ることができる。具体的には、上記象限の特定は、例えば、基地局20が、短い時間間隔(移動端末10の位置の変化が無視できる程度の時間間隔)で複数回に亘って移動端末10から位置標定信号800を受信して、受信した位置標定信号800の夫々に基づき前述した位置標定の原理により位置標定を行い、それらの結果を入力として移動平均法やダイバーシティ効果を適用することにより行う。
<アンテナ配列軸の増設>
一つの基地局20が備えるアンテナ配列軸の数は、例えば、次のようにして増やすことができる。アンテナ配列軸を増やすことで、移動体3の標定精度を高めることができる。
(1)アンテナ群を組み合わせる方法
アンテナ配列軸は、例えば、図11Aに示した正方形状に配置された4つのアンテナ251a〜251dからなるアンテナ群25の複数個を組み合わせることでその数を容易に増やすことができる。アンテナ配列軸を増やすことで、移動端末10が存在するエリアをより正確に特定することが可能になる。
図13に一例を示す。同図に示すように、この例では、4つのアンテナ251a〜251dからなるアンテナ群25(以下、第1のアンテナ群とも称する。)と、4つのアンテナ251a’〜251d’からなるアンテナ群25(以下、第2のアンテナ群とも称する。)とを、2つのアンテナ群25の夫々の正方形の対角線中心を原点Oに一致させて組み合わせることにより、原点Oから45°ずつ8方向(+X,+Y,−X,−Y,+X’,+Y’,−X’,−Y’)に延びるアンテナ配列軸が構成されるようにしている。尚、同様の方法で3つ以上のアンテナ群25を組み合わせればアンテナ配列軸の数をさらに増やすこともできる。
(2)対角に位置する2つのアンテナを組み合わせる方法
一方、アンテナ群25の正方形の対角に位置する2つのアンテナ(図11Aに示したアンテナ群25の場合はアンテナ251aとアンテナ251c、アンテナ251bとアンテナ215d)を組み合わせて周波数偏差に起因する誤差を相殺するようにしても、アンテナ配列軸を増設することができる。この場合、アンテナ配列軸は、前述した4つの方向(+X,+Y,−X,−Y)に加えて、アンテナ251aとアンテナ251cとを結ぶ直線の方向、及びアンテナ251bとアンテナ215dとを結ぶ直線の方向にも形成される。
尚、この場合における上記誤差の相殺は、例えば次のようにして行う。ここでは図11Aに示したアンテナ群25において、対角に位置している第2アンテナ251bと第4アンテナ251dの組み合わせを例として説明する。
まず第2アンテナ251bと第4アンテナ251dの夫々が受信する位置標定信号800の位相差Δθ1(第2アンテナ251bを基準として第4アンテナ251dの位相を測定した結果(=測定値))は、位置標定信号800を送信する無線装置のアンテナから各アンテナ(第2アンテナ251b及び第4アンテナ251d)までの位置標定信号800の伝搬経路の差(経路差)によって生じる位相差の真値をΔθt1とし、上述の測定誤差をF1とし、間接波(マルチパス、反射波等)の影響をαとすれば、次式で表すことができる。
Δθ1=Δθt1+F1+α ・・・式5
一方、第4アンテナ251dを基準として第2アンテナ251bの位相を測定した場合の位相差Δθ2は、位置標定信号800を送信する無線装置のアンテナから各アンテナ(第2アンテナ251b及び第4アンテナ251d)までの位置標定信号800の伝搬経路の差(経路差)によって生じる位相差の真値をΔθt2とし、上述の測定誤差をF2とすれば、次式で表すことができる。
Δθ2=−Δθt2+F2−α ・・・式6
式5と式6の両辺の差を取れば次のようになる。
(Δθ1−Δθ2)/2=((Δθt1+F+α)−(−Δθt2+F−α))/2
=((Δθt1+Δθt2)+2・α)/2
・・・式7
ここでΔθt1とΔθt2とが等しくなるように第2アンテナ251bと第4アンテナ251dとが設けられているとすれば、θt=Δθt1=Δθt2となり、式7の右辺の(Δθt1−(−Δθt2))の値は2θtとなり、式7は次のようになる。
(Δθ1−Δθ2)/2=(2・Δθt+2・α)/2
=Δθt+α ・・・式8
尚、上式には間接波の間接波の影響αが残るが、位置標定の目的が限定される場合(例えば、Δθt=0か否か(移動端末10が基地局20のアンテナ配列軸の近傍に存在するか否か))、図12A及び図12Bとともに説明したように、間接波の影響はとくに問題にならない。
<位置検知の実際>
基地局20のアンテナ配列軸の近傍では比較的高い標定精度が得られるという位置標定システムの特性を利用すれば、一つの基地局20によって位置標定が可能な範囲を拡大することができる。具体的には次のようにする。まず移動端末10が基地局20の標定可能エリア内に存在するときは、前述した位置標定の原理に基づき移動端末10の正確な位置を把握するようにする。また移動端末10が基地局20の標定可能エリア外に存在するときは、アンテナ配列軸の近傍では比較的高い標定精度が得られることを、アンテナ配列軸の近傍以外では移動平均法やダイバーシティ効果を利用した方法によって間接波(マルチパス、反射波等)の影響を抑制できること(詳細は後述)を利用して標定精度を確保しつつ、移動端末10が現在所属している象限(移動端末10が図11Bにおける第1乃至第4象限のいずれに所属しているのか)を検知し、少なくとも移動端末10が存在するエリアを特定するようにする。
図14並びに図15はこの仕組みを説明するフローチャートである。このうち図14は基地局20が行う処理(以下、この処理を基地局側処理S1400と称する。)を説明するフローチャートであり、図15はサーバ装置30が行う処理(以下、この処理をサーバ装置側処理S1500と称する。)を説明するフローチャートである。以下、これらの図とともに説明する。
基地局20は、図14に示す基地局側処理S1400を、移動端末10の移動速度に比べて十分に短い時間間隔で繰り返し実行する。同図に示すように、基地局20は、サービス提供エリア内を移動する移動端末10から送られてくる位置標定信号800の受信有無をリアルタイムに監視している(S1411)。
基地局20は、移動端末10から位置標定信号800を受信すると(S1411:YES)、その受信電界強度に基づき、移動端末10が自身の標定可能エリア内に存在するか否かを判定する(S1412)。基地局20が、移動端末10が自身の標定可能エリア内に存在すると判定した場合(S1412:YES)、処理はS1413に進み、移動端末10が自身の標定可能エリア内に存在しないと判定した場合(S1412:NO)、処理はS1421に進む。
S1413では、基地局20は、受信した位置標定信号800に基づき位置標定を行うことにより移動端末10の現在位置を高精度で標定し、その結果(位置標定結果)をサーバ装置30に送信する。その後、処理はS1411に戻る。
S1421では、基地局20は、移動端末10が存在する象限を検知する。具体的には、基地局20は次のようにして象限の検知を行う。まず移動端末10が基地局20のアンテナ群25のアンテナ配列軸の近傍に存在する場合には比較的高い標定精度が得られるので、移動端末10から受信した位置標定信号800に基づき前述した位置標定の原理で位置標定を行うことにより移動端末10が存在する象限を検知する。また移動端末10がアンテナ配列軸の近傍以外に存在する場合には、短い時間間隔(移動端末10の位置の変化が無視できる程度の短い時間間隔)で複数回に亘って移動端末10から位置標定信号800を受信し、受信した複数の位置標定信号800の夫々に基づき前述した位置標定の原理によって位置標定を行い、それらの複数回の結果について移動平均法やダイバーシティ効果を適用することにより間接波(マルチパス、反射波等)の影響を抑制して移動端末10が現在所属している象限を検知する。
続いて移動端末10は、S1421で検知した移動端末10が存在する象限を設定した情報(象限情報)をサーバ装置30に送信する(S1422)。その後、処理はS1411に戻る。
図16は、S1413の処理で基地局20がサーバ装置30に送信する位置標定結果1600の一例である。同図に示すように、位置標定結果1600には、端末ID1611、基地局ID1612、現在位置1613等の情報が含まれる。このうち端末ID1611には、移動端末10(位置標定信号800を送信してきた移動端末10)の端末IDが設定される。基地局ID1612には、当該基地局20に付与されている識別子(以下、基地局IDと称する。)が設定される。現在位置1613には、前述した位置標定の原理によって高精度で標定された移動端末10の現在位置を示す情報(例えば、所定の座標系で表される)が設定される。
図17にS1421にて基地局20からサーバ装置30に送信される象限情報1700の一例を示している。同図に示すように、象限情報1700には、端末ID1711、基地局ID1712、象限1713、受信電界強度1714等の情報が含まれる。このうち端末ID1711には、移動端末10(位置標定信号800を送信してきた移動端末10)の端末IDが設定される。また基地局ID1712には、当該基地局20の基地局IDが設定される。また象限1713には、移動端末10が現在存在する象限を示す情報(本実施形態では、「第1象限」、「第2象限」、「第3象限」、「第4象限」のいずれかの情報)が設定される。受信電界強度1714には、この象限情報1700の生成に際して用いた位置標定信号800の、当該基地局20にて測定された受信電界強度(複数の位置標定信号800を用いて象限情報1700を生成した場合は例えば各位置標定信号800の受信電界強度の平均値)が設定される。
続いて図15のサーバ装置側処理S1500について説明する。同図に示すように、サーバ装置30は、基地局20から送られてくる位置標定結果1600の受信有無をリアルタイムに監視している(S1511)。サーバ装置30は、位置標定結果1600を受信したことを検知すると(S1511:YES)、受信した位置標定結果1600に基づき、移動体現在位置情報321に管理されている該当の移動体3(移動端末10)の情報を更新する(S1512)。その後、処理はS1521に進む。
S1521では、サーバ装置30は、複数の基地局20から象限情報1700を受信しているか否かを判定する。複数の基地局20から象限情報1700を受信していることを検知すると(S1521:YES)、サーバ装置30は、複数の基地局20から受信した象限情報1700に基づき移動端末10が現在所属しているエリアを特定し、移動体現在位置情報321に管理されている該当の移動体3(移動端末10)の情報を、上記特定した内容に更新する(S1522)。その後、処理はS1511に戻る。
図18に移動体現在位置情報321の一例を示している。同図に示すように、移動体現在位置情報321には、端末ID1811、現在位置1812、エリア1813、最終通知基地局ID1814、及び最終更新日時1815の各項目を有する一つ以上のレコードが登録されている。
このうち端末ID1811には、移動端末10の端末IDが設定される。現在位置1812には、サーバ装置30が基地局20から受信した位置標定結果1600の現在位置1613の内容が設定される。エリア1813には、サーバ装置30が複数の基地局20から受信した象限情報1700に基づき特定した、移動端末10が現在所属しているエリアを示す情報(例えば、「エリアA」、「エリアB」、「エリアC」等)が設定される。最終通知基地局ID1814には、位置標定結果1600もしくはアンテナ配列軸横断情報を直近に送信してきた基地局20の基地局IDが設定される。最終更新日時1815にはそのレコードの最終更新日時が設定される。
ここでサーバ装置10は、エリア1813に設定する内容を、複数の基地局20から受信した象限情報1700に基づき、例えば、次のようにして特定する。尚、以下の説明の前提として、図19に示すように、正方格子の交点に一つ飛びで基地局20a〜20fが設けられ、正方格子を単位とするエリアA〜Fが設定されているものとする。また各基地局20のアンテナ群25のアンテナ配列軸(X軸,Y軸)の方向は、いずれも同図に併記しているX軸,Y軸の方向を向いているものとする。
以上の環境において、例えば、位置検知対象である移動体3がエリアBに所属している場合、基地局20aは移動体3が第3象限に存在すると検知し、基地局20bは移動体3が第4象限に存在すると検知し、基地局20cは移動体3が第2象限に存在すると検知し、基地局20dは移動体3が第3象限に存在すると検知し、基地局20eは移動体3が第1象限に存在すると検知し、基地局20fは移動体3が第2象限に存在すると検知する。サーバ装置30は、以上の検知結果と各基地局20a〜20fの設置位置(尚、各基地局20a〜20fの設置位置はサーバ装置30の情報管理部302が記憶している。)とを総合し、移動体3がエリアBに存在することを特定する。
また例えば、位置検知対象である移動体3がエリアBから移動してエリアCに所属している場合には、基地局20aは移動体3が第4象限に存在すると検知し、基地局20bは移動体3が第4象限に存在すると検知し、基地局20cは移動体3が第1象限に存在すると検知し、基地局20dは移動体3が第3象限に存在すると検知し、基地局20eは移動体3が第1象限に存在すると検知し、基地局20fは移動体3が第2象限に存在すると検知する。サーバ装置30は、以上の検知結果と各基地局20a〜20fの設置位置とを総合し、移動体3がエリアBに存在することを特定する。
尚、例えば、移動体3がエリアBに存在することは、基地局20bと基地局20cの象限の検知結果と、基地局20bと基地局20cの設置位置がわかれば特定することができ、他の基地局20の検知結果は必ずしも必要でない。また例えば、移動体3がエリアCに存在することは、基地局20cと基地局20dの夫々による象限の検知結果と、基地局20cと基地局20dの設置位置がわかれば特定することができ、他の基地局20の検知結果は必ずしも必要でない(但し検知精度を高める目的で他の基地局20の検知結果を利用してもよい)。ここで移動体3が存在するエリアを特定するのに必要十分な基地局20の選出は、各基地局20が受信した位置標定信号800の受信電界強度を比較し、受信電界強度の大きい基地局20を優先して選択することで容易に行うことができる。そこでサーバ装置30が、複数の基地局20の夫々が移動端末10から受信した位置標定信号800の受信電界強度を比較することにより移動体3が存在するエリアを特定するのに必要十分な数の基地局20を選出し、選出した基地局20の象限の検知結果のみを用いて移動体3が現在所属しているエリアを効率よく特定するようにしてもよい。
ところで、例えば、移動体3がエリアBに存在している場合に基地局20cに障害が発生すると移動体3がエリアBに存在することを特定することができなくなるが、基地局20b,20d,20e,20fによる象限の検知結果と基地局20b,20d,20e,20fの設置位置を総合すれば、少なくとも移動体3がエリアB,エリアC,エリアE,エリアFのいずれかに存在することを特定することができる。つまりこの位置検知システム1によれば、基地局20の一つに障害が発生した場合でも、精度は低下するものの移動体3が存在する大凡のエリアを特定することができる。
以上に説明したように、本実施形態の位置検知システム1によれば、移動体3(移動端末10)が基地局20の標定可能エリア内に存在するときは位置標定の原理によって移動体3の位置を正確に把握することができ、移動体3が基地局20の標定可能エリア外に存在しているときは、移動体3が現在所属しているエリアを正確に特定することができる。またこのように移動体3が基地局20の標定可能エリア外に存在している場合でも移動体3が存在するエリアを特定することができるので、移動体3の位置を広範囲に亘って把握する仕組みを少数の基地局20で実現することができる。また位置検知システム1を利用すれば、基地局20間で連携して移動体3の現在位置をリアルタイムに把握するハンドオーバの仕組みを少ない設備投資で容易に実現することもできる。
ところで、以上の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
以上の実施形態では、4つのアンテナ配列軸(+X,−X,+Y,−Y)によって形成される平面座標系の4つの象限(第1乃至第4象限)が形成される場合について説明したが、例えば、前述した方法によりアンテナ配列軸の数を増設し、基地局20に各アンテナ配列軸によって形成される複数の平面座標系の夫々の象限のいずれに移動端末10が所属しているかを検知させ、基地局20がその結果を総合して移動体3が存在するエリアを特定するようにしてもよい。そのようにすれば、より狭いエリアを単位として移動体3の位置をより詳細に特定することができる。
また以上の実施形態では、アンテナ群25の各アンテナ251a〜251dが正方形状に配列している場合を例として説明したが、各アンテナ251a〜251dが長方形(矩形)状に配列している場合でも同様の仕組みを構成することができ、また同様の効果を得ることができる。
サーバ装置30の全部又は一部の機能を移動体3や基地局20にて実現するようにしてもよい。また基地局20の全部又は一部の機能をサーバ装置30や移動体3にて実現するようにしてもよい。
1 位置検知システム
3 移動体
10 移動端末
20 基地局
204 標定可能エリア内外判定部
205 位置標定部
206 位置標定結果通知部
207 象限検知部
208 象限情報通知部
30 サーバ装置
303 位置標定結果受信部
304 象限情報受信部
305 移動体現在位置管理部
321 移動体現在位置情報
1600 位置標定結果
1700 象限情報
S1400 基地局側処理
S1500 サーバ装置側処理

Claims (8)

  1. 移動体に設けられ、無線信号である位置標定信号を送信する移動端末と、
    第1のアンテナ対と第2のアンテナ対とを含むアンテナ群を有し、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように設けられ、前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対が、前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対の各アンテナが平面上に矩形状に並ぶように配置され、前記第1のアンテナ対の各アンテナ又は前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差に基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動体の現在位置を標定する基地局と、
    を備えて構成される位置検知システムであって、
    前記基地局は、前記位置標定信号に基づき、前記移動体が、前記アンテナ群の前記矩形の中心を通り前記矩形の2辺の夫々の方向に伸びる2つの軸のいずれかの近傍に存在するときは、前記移動体の現在位置を標定することにより、前記中心を原点とし前記2つの軸を座標軸とする平面座標系のいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知し、
    前記基地局は、いずれの象限に前記移動体が存在するかを検知する方法として、前記移動体の位置を複数回標定しそれら標定結果について移動平均法又はダイバーシティ効果を適用することにより間接波の影響を抑制した上でいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知する方法を、前記移動体が存在する位置に応じて変化する前記位置標定の精度に応じて選択する
    ことを特徴とする位置検知システム。
  2. 請求項1に記載の位置検知システムであって、
    互いに離間させて配置される複数の前記基地局と、
    前記複数の基地局と通信可能に接続するサーバ装置と、
    を含み、
    前記基地局は、前記移動端末から送られてくる前記位置標定信号を受信し、受信した前記位置標定信号に基づき、前記平面座標系のいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知し、検知した前記象限を前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置は、
    前記複数の基地局の夫々の設置位置を示す情報を記憶し、
    複数の前記基地局から受信した前記象限と、前記複数の基地局の前記設置位置を示す情報とに基づき、前記移動体が存在するエリアを特定する
    ことを特徴とする位置検知システム。
  3. 請求項2に記載の位置検知システムであって、
    前記基地局は、前記位置標定信号の受信電界強度を計測する手段を備え、
    前記基地局は、前記検知した象限とともに前記位置標定信号の受信電界強度を前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置は、複数の前記基地局から受信した前記象限のうち前記位置標定信号の前記受信電界強度が大きいものを優先して採用することにより、前記移動体が存在するエリアを特定する
    ことを特徴とする位置検知システム。
  4. 請求項2又は3に記載の位置検知システムであって、
    前記基地局は複数の前記アンテナ群を有し、
    前記アンテナ群の夫々は、夫々の前記矩形の中心を一致させて夫々の前記座標軸が所定角度ずれた関係となるように設けられ、
    前記基地局が、前記アンテナ群の夫々が受信する前記位置標定信号に基づき、前記アンテナ群の夫々に対応する前記平面座標系について前記移動体が存在する象限を検知し、
    前記基地局は、前記平面座標系の夫々について検知した前記象限を前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置は、複数の前記基地局から受信した複数の前記平面座標系の夫々について検知される前記移動体が存在する象限と、前記複数の基地局の前記設置位置を示す情報とに基づき、前記移動体が存在するエリアを特定する
    ことを特徴とする位置検知システム。
  5. 移動体に設けられ、無線信号である位置標定信号を送信する移動端末と、
    第1のアンテナ対と第2のアンテナ対とを含むアンテナ群を有し、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように設けられ、前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対が、前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対の各アンテナが平面上に矩形状に並ぶように配置され、前記第1のアンテナ対の各アンテナ又は前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差に基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動体の現在位置を標定する基地局と、
    を備えて構成される位置検知システムを用いた位置検知方法であって、
    前記基地局が前記位置標定信号に基づき、前記移動体が、前記アンテナ群の前記矩形の中心を通り前記矩形の2辺の夫々の方向に伸びる2つの軸のいずれかの近傍に存在するときは、前記移動体の現在位置を標定することにより、前記中心を原点とし前記2つの軸を座標軸とする平面座標系のいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知し、
    前記基地局は、いずれの象限に前記移動体が存在するかを検知する方法として、前記移動体の位置を複数回標定しそれら標定結果について移動平均法又はダイバーシティ効果を適用することにより間接波の影響を抑制した上でいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知する方法を、前記移動体が存在する位置に応じて変化する前記位置標定の精度に応じて選択する
    ことを特徴とする位置検知方法。
  6. 請求項に記載の位置検知方法であって、
    前記位置検知システムは、
    互いに離間させて配置される複数の前記基地局と、
    前記複数の基地局と通信可能に接続するサーバ装置と、
    を含み、
    前記基地局が、前記移動端末から送られてくる前記位置標定信号を受信し、受信した前記位置標定信号に基づき、前記平面座標系のいずれの象限に前記移動体が存在するかを検知し、検知した前記象限を前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置が、
    前記複数の基地局の夫々の設置位置を示す情報を記憶し、
    複数の前記基地局から受信した前記象限と、前記複数の基地局の前記設置位置を示す情報とに基づき、前記移動体が存在するエリアを特定する
    ことを特徴とする位置検知方法。
  7. 請求項に記載の位置検知方法であって、
    前記基地局は、前記位置標定信号の受信電界強度を計測する手段を備え、
    前記基地局が、前記検知した象限とともに前記位置標定信号の受信電界強度を前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置が、複数の前記基地局から受信した前記象限のうち前記位置標定信号の前記受信電界強度が大きいものを優先して採用することにより、前記移動体が存在するエリアを特定する
    ことを特徴とする位置検知方法。
  8. 請求項6又は7に記載の位置検知方法であって、
    前記基地局は複数の前記アンテナ群を有し、
    前記アンテナ群の夫々は、夫々の前記矩形の中心を一致させて夫々の前記座標軸が所定角度ずれた関係となるように設けられ、
    前記基地局が、前記アンテナ群の夫々が受信する前記位置標定信号に基づき、前記アンテナ群の夫々に対応する前記平面座標系について前記移動体が存在する象限を検知し、
    前記基地局が、前記平面座標系の夫々について検知した前記象限を前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置が、複数の前記基地局から受信した複数の前記平面座標系の夫々について検知される前記移動体が存在する象限と、前記複数の基地局の前記設置位置を示す情報とに基づき、前記移動体が存在するエリアを特定する
    ことを特徴とする位置検知方法。
JP2013195450A 2013-09-20 2013-09-20 位置検知システム及び位置検知方法 Active JP5968844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013195450A JP5968844B2 (ja) 2013-09-20 2013-09-20 位置検知システム及び位置検知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013195450A JP5968844B2 (ja) 2013-09-20 2013-09-20 位置検知システム及び位置検知方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015059902A JP2015059902A (ja) 2015-03-30
JP5968844B2 true JP5968844B2 (ja) 2016-08-10

Family

ID=52817544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013195450A Active JP5968844B2 (ja) 2013-09-20 2013-09-20 位置検知システム及び位置検知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5968844B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6789355B2 (ja) * 2018-07-10 2020-11-25 アルプスアルパイン株式会社 車載器、プログラム、及びキーレスエントリシステム
CN113874922B (zh) * 2019-05-29 2023-08-18 亚萨合莱有限公司 基于样本的相位差来确定移动钥匙装置的位置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004184078A (ja) * 2001-11-26 2004-07-02 Rcs:Kk 位置検知装置
JP4002846B2 (ja) * 2003-01-28 2007-11-07 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 位置検出方法
JP3991081B2 (ja) * 2003-07-28 2007-10-17 有限会社アール・シー・エス アクテイブタグ装置
JP4123494B2 (ja) * 2003-07-28 2008-07-23 有限会社アール・シー・エス 移動体探索システム
JP4069469B2 (ja) * 2003-07-28 2008-04-02 有限会社アール・シー・エス 自律的移動支援装置
JP4551877B2 (ja) * 2005-03-11 2010-09-29 有限会社アール・シー・エス 無線マーカ
JP4415049B2 (ja) * 2007-01-17 2010-02-17 中国電力株式会社 位置標定システム
JP4969335B2 (ja) * 2007-02-23 2012-07-04 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 測位システム、測位方法及び測位プログラム
US8229457B2 (en) * 2007-02-23 2012-07-24 Ntt Docomo, Inc. Positioning system, positioning method, and positioning program
US20100130230A1 (en) * 2008-11-21 2010-05-27 Qualcomm Incorporated Beacon sectoring for position determination
JP2011214920A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Oki Electric Industry Co Ltd 位置推定装置、位置推定方法及びプログラム
JP6106928B2 (ja) * 2012-03-02 2017-04-05 中国電力株式会社 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6106929B2 (ja) * 2012-03-02 2017-04-05 中国電力株式会社 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6102168B2 (ja) * 2012-10-11 2017-03-29 中国電力株式会社 位置標定システム及び位置標定システムの制御方法
JP5524372B1 (ja) * 2013-02-06 2014-06-18 中国電力株式会社 位置検知システム及び位置検知方法
JP5555347B1 (ja) * 2013-03-13 2014-07-23 中国電力株式会社 位置検知システム及び位置検知方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015059902A (ja) 2015-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4364917B2 (ja) 位置標定に用いられる携帯端末及び位置標定システム
JP5116818B2 (ja) 位置標定システム、及び位置標定方法
JP5579690B2 (ja) 移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステム
JP5524364B1 (ja) 自律的に移動する移動体及びその制御方法
JP5555347B1 (ja) 位置検知システム及び位置検知方法
KR101121907B1 (ko) 지향성 안테나를 이용한 실시간 위치추적 시스템 및 방법
JP6106929B2 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP5524372B1 (ja) 位置検知システム及び位置検知方法
JP5968844B2 (ja) 位置検知システム及び位置検知方法
JP2014153118A (ja) 移動体の位置又は向きを示す情報を取得するシステム及び方法
JP6086203B2 (ja) 移動体に位置情報を提供するシステム、及び位置情報提供方法
JP5524373B1 (ja) 移動体の現在位置を取得するシステム及び方法
JP6102168B2 (ja) 位置標定システム及び位置標定システムの制御方法
JP6106933B2 (ja) 位置標定システムの制御方法、及び位置標定システム
JP5340509B1 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6149374B2 (ja) 位置標定システム及び移動端末の位置を標定する方法
JP5917578B2 (ja) 移動体の向きを示す情報を取得するシステム及び方法
JP6186711B2 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6106928B2 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP5401533B2 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6026307B2 (ja) 移動体の向きを示す情報を取得するシステム及び方法
JP2013068463A (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP5976350B2 (ja) 位置標定システム、及び位置標定システムの制御方法
JP5815634B2 (ja) 無線通信システム及び無線通信システムの制御方法
JP2008298707A (ja) 位置検出システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5968844

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250