JP5579690B2 - 移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステム - Google Patents

移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステム Download PDF

Info

Publication number
JP5579690B2
JP5579690B2 JP2011267172A JP2011267172A JP5579690B2 JP 5579690 B2 JP5579690 B2 JP 5579690B2 JP 2011267172 A JP2011267172 A JP 2011267172A JP 2011267172 A JP2011267172 A JP 2011267172A JP 5579690 B2 JP5579690 B2 JP 5579690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
phase difference
base station
mobile
mobile terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011267172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013120085A (ja
Inventor
亮介 横林
実則 河野
公則 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2011267172A priority Critical patent/JP5579690B2/ja
Publication of JP2013120085A publication Critical patent/JP2013120085A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5579690B2 publication Critical patent/JP5579690B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)
  • Navigation (AREA)

Description

この発明は、移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステムに関し、とくに高精度な位置標定システムを利用して移動体の向いている方向を取得するための技術に関する。
特許文献1には、距離及び角度測定装備を利用して無線通信基地局アンテナを3次元的に測定してアンテナの方位角と傾斜に対する資源情報を自動的に計測できるようにすることを目的として、磁北基準の方位が設定された状態で無線通信基地局アンテナの距離及び角度を測定し、3次元的座標値を算出し、座標値に基づいてアンテナの方位角と傾斜を算出することが記載されている。
特許文献2には、携帯電話機をどこに持ち運んでも、常に正確に真北と携帯電話機画面の向きの関係を知ることができるようにすることを目的として、偏角情報とコンパスが出力する電話機画面の向きを足し合わせ、真北に対する電話機画面の向きの水平成分の角度を求めることが記載されている。
非特許文献1には、基地局に設置した複数のアンテナから歩行者が携帯する携帯端末に無線信号を送信し、各アンテナから送信されてくる無線信号の位相差によって携帯端末とアンテナとの相対位置を求め、求めた相対位置(方向、距離)と基地局の絶対位置とから歩行者の現在位置を取得するようにした位置標定システムが開示されている。
特開2004−286752号公報 特開2006−94368号公報
武内 保憲,河野 公則,河野 実則、" 2.4GHz帯を用いた場所検知システムの開発"、平成17年度 電気・情報関連学会中国支部第56回連合大会
ところで、車両等の移動体の現在位置を監視や安全確保を行うシステムにおいては、移動体が現在向いている方向を取得することで、有用なサービスを実現できることが少なくない。また移動体の道案内を行うシステムにおいては、移動体が現在向いている方向を取得することで、より適切かつ正確な道案内をすることが可能になる。また倉庫や工場等においてロボットや搬送車両等の移動体を誘導する場合には、移動体が現在向いている方向を取得することで、移動体を効率よく適切に誘導することが可能になる。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたもので、移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一つでは、移動体に移動端末及び複数の移動体側アンテナを設け、前記移動体側アンテナの夫々から前記移動端末の位置を標定するための無線信号である位置標定信号を送信し、基地局に、2つの基地局側アンテナからなる第1のアンテナ対と、他の2つの基地局側アンテナからなる第2のアンテナ対とを、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように設け、前記基地局に、前記第1のアンテナ対の各基地局アンテナ又は前記第2のアンテナ対の各基地局アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθに基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動端末の位置を求める、位置標定システムを設け、前記基地局が、前記第1のアンテナ対により前記移動体側アンテナから送られてくる前記位置標定信号を受信し、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθ1を測定し、前記第2のアンテナ対により前記移動体側アンテナから送られてくる前記位置標定信号を受信し、前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθ2を測定し、測定した前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2とに基づき、前記移動体側アンテナの夫々から送られてくる前記位置標定信号が直接波であるか否かを判定し、前記移動体に設定された基準軸である機軸と前記移動体側アンテナの夫々とがなす角であるアンテナ取付角を記憶し、前記移動端末は、前記位置標定信号とともに当該位置標定信号を送信した前記移動体側アンテナを特定する情報であるアンテナIDを送信し、前記基地局が、直接波であると判定した前記位置標定信号に基づき、前記移動体の位置を標定し、前記標定の結果と、直接波であると判定した前記位置標定信号とともに受信した前記アンテナIDと、前記アンテナ取付角とに基づき、前記移動体の向きを特定するようにする。
本発明によれば、位置標定の仕組みを利用して、移動体の向きを特定することができる。また位置標定に際して位置標定信号が直接波であるか否かを判定する仕組みを利用して移動体の複数の移動体側アンテナのうち直接波を送信しているアンテナを特定するので、受信した位置標定信号が直接波か否かを判定する仕組みを備えている場合には、基地局及び移動端末に特別な仕組みを設けることなく、移動体の向きを取得する仕組みを実現することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記方法であって、前記基地局は、前記移動体の位置を、前記位相差Δθ2の測定結果が前記位相差Δθ1の測定結果に対して符号が反転する測定基準を用いて前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2を測定し、測定した前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差を相殺すべく、前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2との差を取ることにより求め、前記移動体側アンテナから受信した前記位置標定信号が直接波であるか否かの前記判定は、前記位相差Δθ2の測定結果が前記位相差Δθ1の測定結果と符号が一致する測定基準を用いて前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2を測定し、これにより測定された前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2との差を取ることにより行う。
本発明のうちの他の一つは、上記方法であって、前記基地局は、前記移動体側アンテナから受信した前記位置標定信号が直接波であるか否かの前記判定を、前記差が0であるか否か、或いは少なくとも予め設定された基準値以下であるか否かに基づき行う。
このように位相差Δθ2の測定結果が位相差Δθ1の測定結果と符号が一致する測定基準を用いて位相差Δθ1及び位相差Δθ2を測定し、測定された位相差Δθ1と位相差Δθ2との差を取ることにより、位相差Δθ1及び位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差が相殺され、移動体アンテナから受信した位置標定信号が直接波でない場合は間接波の影響による成分のみが残る。このため、本発明によれば、移動体アンテナから受信した位置標定信号が直接波であるか否かを上記差に基づき確実に判定することができる。
また本発明によれば、移動体アンテナから受信した位置標定信号が直接波であるか否かの判定を、位相差Δθ1の測定誤差と位相差Δθ2の測定誤差とを相殺すべく設けられた第1のアンテナ対と第2のアンテナ対を用いて行うことができる。このため、位置標定を行うための基本的な装置構成に対して特別な構成を設けることなく、直接波であるか否かを判定する仕組みを容易に実現することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記方法であって、前記基地局は、前記移動体の位置を、前記位相差Δθ2の測定結果が前記位相差Δθ1の測定結果に対して符号が反転する測定基準を用いて前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2を測定し、測定した前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差を相殺すべく、前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2との差を取ることにより求め、前記移動体側アンテナから受信した前記位置標定信号が直接波であるか否かの前記判定を、測定した前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2との和を取ることにより行う。
本発明のうちの他の一つは、上記方法であって、前記基地局は、前記移動体側アンテナから受信した前記位置標定信号が直接波であるか否かの前記判定を、前記和と測定した前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差の和とを比較することにより行う。
このように位相差Δθ2の測定結果が位相差Δθ1の測定結果と符号が反転する測定基準を用いて位相差Δθ1及び位相差Δθ2を測定し、測定した位相差Δθ1と位相差Δθ2との和を取ることにより、位相差Δθ1及び位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差と間接波の影響による成分との総和を抽出することができる。ここで移動体側アンテナから受信した位置標定信号が直接波である場合は、上記総和のうち間接波の影響による成分は0あるいは少なくとも予め設定された基準値以下となり、測定した位相差Δθ1と位相差Δθ2との和は夫々に含まれている誤差の和と一致することとなる。このため、測定した位相差Δθ1と位相差Δθ2との和が夫々に含まれている誤差の和と一致するか否かを調べることにより、移動体側アンテナから受信した位置標定信号が直接波であるか否かを判定することができる。
また本発明によれば、移動体側アンテナから受信した位置標定信号が直接波であるか否かの判定を移動体の位置を求めるために測定した位相差Δθ1及び位相差Δθ2(位相差Δθ1の測定結果に対して符号が反転する測定基準を用いて測定されたΔθ2)を利用して行うことができるので、位置標定と直接波か否かの判定とを一度の測定で済ますことができ、位置標定と直接波か否かの判定にかかる基地局及び移動端末の負荷を低減することができる。
本発明のうちの他の一つでは、移動体に移動端末及び複数の移動体側アンテナを設け、前記移動体側アンテナの夫々から前記移動端末の位置を標定するための無線信号である位置標定信号を送信し、基地局に所定の間隔で隣接させた複数の基地局側アンテナを設け、前記基地局に、複数の前記基地局側アンテナによって前記位置標定信号を受信し、前記基地局側アンテナの夫々によって受信される前記位置標定信号の位相差に基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動端末の位置を求める、位置標定システムを設け、前記移動端末は、前記位置標定信号とともに当該位置標定信号を送信した前記移動体側アンテナを特定する情報であるアンテナIDを送信し、前記基地局が、前記移動体側アンテナから送信されてくる前記位置標定信号の受信電界強度を取得する電界強度取得部を備え、前記移動体に設定された基準軸である機軸と前記移動体側アンテナの夫々とがなす角であるアンテナ取付角を記憶し、前記電界強度取得部により取得される、前記移動体側アンテナの夫々から送信されてくる前記位置標定信号の受信電界強度を比較することにより、直接波を送信している前記移動体側アンテナを特定し、直接波であると判定した前記位置標定信号に基づき、前記移動体の位置を標定し、前記標定の結果と、直接波であると判定した前記位置標定信号とともに受信した前記アンテナIDと、前記アンテナ取付角とに基づき、前記移動体の向きを特定するようにする。
本発明によれば、屋外のように間接波の影響が無視できるような環境においても、移動体の現在の機軸方向を取得することができる。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、移動体の向いている方向を取得することができる。
位置標定システム1の概略的な構成を示す図である。 サーバ装置10を構成している主なハードウエアを説明する図である。 サーバ装置10の主な機能を説明する図である。 移動端末30を構成している主なハードウエアを説明する図である。 移動端末30の主な機能を説明する図である。 基地局20を構成している主なハードウエアを説明する図である。 基地局20の主な機能を説明する図である。 位置標定信号800を説明する図である。 基地局20と移動端末30の位置関係を示す図である。 アンテナ25と移動端末30の位置関係を説明する図である。 基地局20と移動端末30の位置関係を説明する図である。 アンテナ34の構成を簡略化して示した平面図である。 アンテナ34の構成を図12に示すA−A’線で切断して示した断面図である。 移動体3へのアンテナ34の搭載例を示す図である。 基地局20、移動体3、移動体3の機軸方向、アンテナ34のビーム方向、4つのアンテナ34a〜34dの指向角の関係を説明する図である。 基地局20から見た移動体3の存在する方向θb、移動体3の現在位置(xm,ym)、及びアンテナ34bと機軸方向とがなす角θdの関係を説明する図である。 機軸方向取得処理S1700を説明するフローチャートである。 機軸方向取得処理S1800を説明するフローチャートである。 アンテナ構造60の正面図(平面図)である。 図19のアンテナ構造60を同図のB−B’線で切断して−Y方向から+Y方向に眺めた断面図である。
図1に実施形態として説明する位置標定システム1の概略的な構成を示している。位置標定システム1は、例えば、移動体3(車両や歩行者等)の現在位置を監視するシステム、移動体3の安全確保に関するシステム、移動体3の道案内や目的地までの誘導を行うシステム、移動体3に移動体3の現在地周辺の情報等を提供するシステム、地下街やビル街等での移動体3(人)の避難誘導システム、倉庫や工場等において移動体3(商品や搬送車両等)の流れを管理するシステム、工場等において移動体3(ロボット、搬送車両等)を誘導するシステムなどに適用される。
位置標定システム1は、データセンタなどに設けられるサーバ装置10、位置標定システム1が適用される地域の各所に設けられる複数の基地局20、及び移動体3に搭載もしくは携帯される移動端末30などを含んで構成されている。
基地局20は、構造物2の所定の高さ位置に設けられる。構造物2は、例えば、位置標定システム1が屋内で用いられる場合は柱や建物の壁等であり、例えば、位置標定システム1が屋外で用いられる場合は電柱や鉄塔等である。
基地局20及び移動端末30は、有線もしくは無線(電磁波を用いた通信等)による通信ネットワーク5(専用線、公衆回線、インターネット等)を介してサーバ装置10と通信可能に接続している。
図2にサーバ装置10を構成している主なハードウエアを示している。同図に示すように、サーバ装置10は、CPUやMPUなどを用いて構成される中央処理装置11、半導体メモリ(RAM、ROM、NVRAM等)やハードディスク装置などの記憶装置12、キーボードやマウスなどの入力装置13、液晶ディスプレイなどの表示装置14、サーバ装置10を通信ネットワーク5に接続するための通信インタフェース15などを備える。これらの各構成要素はバス18を介して通信可能に接続されている。
サーバ装置10は、例えば、移動体3の現在位置の把握、管理、追跡等を支援する機能などを備えている。上記表示装置14には、例えば、移動体3の現在位置や移動方向などを示す情報がリアルタイムに表示される。
図3にサーバ装置10の主な機能を示している。同図に示すように、サーバ装置10は、情報収集部101、情報提供部102、及び設定情報記憶部103を備える。これらの機能は、サーバ装置10が備えるハードウエアによって、もしくは、サーバ装置10の中央処理装置11が記憶装置12に格納されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。
情報収集部101は、基地局20もしくは移動端末30から、移動端末30の現在位置、移動体3に設定された移動体に設定された基準軸である機軸が現在向いている方向(以下、機軸方向と称する。)等の情報を随時収集する。
情報提供部102は、例えば、移動端末30や基地局20に対して、道案内情報、目的地までの誘導情報、現在位置周辺の地理情報、移動体3の現在位置、移動方向、移動体3の機軸方向等の監視情報、移動体3の安全確保に関する情報などの各種の情報を提供する。設定情報記憶部103は、例えば、基地局20の設置位置を示す情報(緯度、経度、設置高さ等)などを設定情報として記憶する。
図4に移動体3に搭載される移動端末30を構成している主なハードウエアを示している。同図に示すように、移動端末30は、CPUやMPUなどを用いて構成される中央処理装置31、半導体メモリ(RAM、ROM、NVRAM等)やハードディスク装置などで構成される記憶装置32、後述する位置標定信号800の送信や他の装置との間での無線通信を行う無線通信インタフェース33、無線通信インタフェース33によって行われる上記無線通信に用いられる複数のアンテナ34a〜34d(移動体側アンテナ)(以下の説明においてこれらをアンテナ34と総称することがある。)、タッチパネルや操作ボタンなどの入力装置35、及び液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置36を備える。各構成要素はバス38を介して通信可能に接続されている。
アンテナ34は、円偏波指向性アンテナなどの指向性アンテナである。尚、移動端末30を壁等の障害物が存在する屋内等で用いる場合には、アンテナ34として円偏波指向性アンテナを用いることが好ましい。円偏波の反射波(又は定在波)の偏波面は、壁等の障害物で反射した際に反転するが、円偏波指向性アンテナを用いることで反射波や定在波を効果的に減衰させることができる。アンテナ34は、移動端末30の筐体と一体に設けられていてもよいし、移動端末30の筐体とは別体に設けられていてもよい。
図5に移動端末30が備える主な機能を示している。同図に示すように、移動端末30は、位置標定信号送信部301、情報送受信部302、及び情報表示部303を備える。これらの機能は、移動端末30が備えるハードウエアによって、もしくは、移動端末30の中央処理装置31が記憶装置32に格納されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。
このうち位置標定信号送信部301は、移動端末30の現在位置の標定に用いられる無線信号(以下、位置標定信号800と称する。)を生成し、生成した位置標定信号800を無線通信インタフェース33から送信する。
情報送受信部302は、無線通信インタフェース33による無線通信や通信ネットワーク5による有線通信によりサーバ装置10もしくは基地局20と通信し、移動体3に提供する情報の受信(ダウンロード)や、サーバ装置10もしくは基地局20で利用される情報の送信(アップロード)などを行う。情報表示部303は、移動体3などに提示する情報を表示装置36に出力する。
図6に基地局20を構成している主なハードウエアを示している。同図に示すように、基地局20は、CPUやMPUなどを用いて構成される中央処理装置21、半導体メモリ(RAM、ROM、NVRAM等)やハードディスク装置などで構成される記憶装置22、基地局20を通信ネットワーク5に接続するための通信インタフェース23、無線通信を行う無線通信インタフェース24、複数のアンテナ25a〜25d(基地局側アンテナ)(以下の説明においてこれらをアンテナ25と総称することがある。)、アンテナ切替スイッチ26、及び受信電界強度計(以下、RSSI27(RSSI: Received Signal Strength Indicator)と称する。)を備える。これらの各構成要素は、バス28を介して通信可能に接続されている。
中央処理装置21は、記憶装置22に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、基地局20の様々な機能を実現する。無線通信インタフェース24は、移動端末30から送信された位置標定信号800を受信する。
アンテナ25は、例えば、円偏波指向性アンテナなどの指向性アンテナである。アンテナ切替スイッチ26は、複数のアンテナ25a〜25dのうちのいずれかを順次選択してアンテナ25を無線通信インタフェース24に接続する。尚、位置標定システム1を壁等の障害物が存在する屋内等で用いる場合には、アンテナ25として円偏波指向性アンテナを用いることが好ましい。円偏波の反射波(又は定在波)の偏波面は壁等での反射時に反転するので、アンテナ25として円偏波指向性アンテナを用いることで反射波(又は定在波)を効果的に減衰させることができるからである。
RSSI27は、基地局20のアンテナ25によって受信される位置標定信号800の受信電界強度を出力する。
図7に基地局20が備える主な機能を示している。同図に示すように、基地局20は、通信処理部201、位置標定信号受信部202、設定情報記憶部203、位置標定部204、アンテナ取付角記憶部205、電界強度取得部206、位置標定信号判定部211、直接波送信アンテナ特定部212、及び機軸方向算出部213を備える。尚、これらの機能は、基地局20が備えるハードウエアによって、もしくは、基地局20の中央処理装置21が記憶装置22に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
通信処理部201は、無線通信インタフェース24や通信インタフェース23によって移動端末30やサーバ装置10との間でデータの送信又は受信を行う。
位置標定信号受信部202は、無線通信インタフェース24及びアンテナ切替スイッチ26を制御して移動端末30から送信される位置標定信号800を受信する。
設定情報記憶部203は、前述した設定情報(例えば、当該基地局20の現在位置を示す情報(緯度、経度、設置高さ等))を記憶する。
位置標定部204は、位置標定信号受信部202が受信した位置標定信号800に基づき移動端末30の現在位置を標定する。位置標定部204によって行われる位置標定の仕組みについては後述する。尚、位置標定部204によって標定された移動端末30の現在位置は、通信処理部201によってサーバ装置10や移動端末30に随時送信されて様々な用途に利用される。
アンテナ取付角記憶部205は、移動体3の機軸方向と移動端末30の4つのアンテナ34a〜34dの夫々とがなす角(以下、アンテナ取付角と称する。)を示す情報を記憶する。後述するが、アンテナ取付角は、機軸方向特定部213が移動体3の機軸方向を特定する際に用いられる。アンテナ取付角記憶部205が記憶するアンテナ取付角は、人手等により基地局20に予め設定しておくようにしてもよいし、基地局20が移動端末30と通信して移動端末30から取得するようにしてもよい。
電界強度取得部206は、移動端末のアンテナ34から送られてくる位置標定信号800の受信電界強度をRSSI27から取得する。取得した受信電界強度は、位置標定システム1が、屋外などの間接波の影響を無視することができる環境で用いられる場合に、直接波を送信してきたアンテナ34を特定する際に用いられる。
位置標定信号判定部211は、移動端末30のアンテナ34a〜34dの夫々から受信される位置標定信号800が直接波であるか否かを判定する。同図に示すように、位置標定信号判定部211は、第1位相差測定部2111、第2位相差測定部2112、及び直接波判定部2113を有する。
第1位相差測定部2111は、基地局20の4つのアンテナ25a〜25dのうち、第1アンテナ25a及び第2アンテナ25b(第1アンテナ25aと第2アンテナ25bの組を第1のアンテナ対と称する。)により移動端末30から送られてくる位置標定信号800を受信し、第1アンテナ25a及び第2アンテナ25bの夫々が受信した位置標定信号800の位相差Δθ1を測定する。
第2位相差測定部2052は、基地局20の4つのアンテナ25a〜25dのうち、第3アンテナ25c及び第4アンテナ25d(以下、第3アンテナ25c及び第4アンテナ25dの組を第2のアンテナ対と称する。)により移動端末30から送られてくる位置標定信号800を受信し、第3アンテナ25c及び第4アンテナ25dの夫々が受信した位置標定信号800の位相差Δθ2を測定する。
尚、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対は、第1のアンテナ対の各アンテナ25(第1アンテナ25a及び第2アンテナ25b)によって受信される位置標定信号800の経路差と第2のアンテナ対の各アンテナ25(第3アンテナ25c及び第4アンテナ25d)によって受信される位置標定信号800の経路差とが一致するように位置決めされて設けられる。
直接波判定部2113は、第1位相差測定部2111によって測定される位相差Δθ1と、第2位相差測定部2112によって測定される位相差Δθ2とを比較することにより、移動端末30のアンテナ25から送られてくる位置標定信号800が直接波であるか否か(マルチパス波や反射波等の間接波でないか否か)を判定する。
直接波送信アンテナ特定部212は、位置標定信号判定部211の判定結果(移動端末30の各アンテナ34a〜34dの夫々から送られてくる位置標定信号800が直接波であるか否かの判定結果)に基づき、移動端末30のアンテナ34a〜34dのうち基地局20に直接波を送信してくるアンテナ34を特定する。また直接波送信アンテナ特定部212は、電界強度取得部206によって取得される、移動端末30の各アンテナ34a〜34dの夫々から送られてくる位置標定信号800の受信電界強度に基づき、直接波を送信してくるアンテナ34を特定する。
機軸方向特定部213は、直接波として受信した位置標定信号800に基づき標定される移動端末30が存在する方向と、直接波送信アンテナ特定部212により特定された結果(位置標定信号800を直接波を送信してくるアンテナ34が、アンテナ34a〜34dのうちいずれであるのか)と、アンテナ取付各記憶部205が記憶しているアンテナ取付角とに基づき、移動体3の現在の機軸方向を特定する。
<位置標定の原理>
次に位置標定システム1による移動端末30の現在位置の標定原理について説明する。まず前提となる位置標定システム1の基本的な動作として、移動端末30の位置標定信号送信部301は、移動体3の移動速度に対して十分に短い時間間隔で複数のアンテナ34a〜34dを順次切り替えて位置標定信号800を送信するものとする。また基地局20の無線通信インタフェース23は、上記時間間隔よりも十分に短い時間間隔で複数のアンテナ25a〜25dを周期的に切り換えながら、スペクトル拡散された無線信号からなる位置標定信号800を受信するものとする。
図8に移動端末30のアンテナ34a〜34dから送信される位置標定信号800の一例を示している。同図に示すように、位置標定信号800は、制御信号811、測定信号812、端末情報813、アンテナID814、及びアンテナ取付角815の各信号又は各情報を含んでいる。
制御信号811には変調波や各種の制御信号が含まれている。測定信号812には、数m秒程度の無変調波(例えば、基地局20に対する移動端末30の存在する方向や基地局20に対する移動端末30までの相対距離の検出に用いる信号(例えば、2048チップの拡散符号))が含まれている。端末情報813には、移動端末30を識別する情報(以下、移動端末IDと称する。)が含まれている。
アンテナID814には、当該位置標定信号800を送信してきた移動端末30のアンテナ34を特定する情報である、移動端末30のアンテナ34ごとに付与される識別子(以下、アンテナIDと称する。)が含まれている。基地局20は、アンテナ情報814を参照することにより、その位置標定信号800が移動端末30のいずれのアンテナ34から送信されたものであるのかを特定する。
アンテナ取付角815には、移動端末30の4つのアンテナ34a〜34dの夫々についての前述したアンテナ取付角が設定される。尚、アンテナ取付角記憶部205が当該位置標定信号800を送信してきた移動端末30におけるアンテナ取付角を予め記憶している場合には、位置標定信号800に必ずしもアンテナ取付角が含まれていなくてもよい。
図9に基地局20と移動端末30の位置関係を例示している。この例では移動端末30が地上高h(m)の位置に存在している。また基地局20が地上高H(m)の位置に固定されている。基地局20の直下から移動端末30までの直線距離はL(m)である。
図10に基地局20に設けられる複数のアンテナ25a〜25dと移動端末30との関係を説明している。同図に示すように、4つのアンテナ25a〜25dは、夫々位置標定信号800の1波長(例えば、位置標定信号800として2.4GHz帯の電波を用いた場合は波長λ=12.5cm)以下の間隔をあけて平面的に略正方形状に等間隔で隣接配置されている。アンテナ25a〜25dはいずれも指向性アンテナ(例えば、円偏波指向性アンテナ)である。尚、これらのアンテナ25a〜25dの指向方向はいずれも斜め下方向に設定されている。
同図において、アンテナ25の高さ位置における水平方向とアンテナ25に対する移動端末30の方向とのなす角をαとすれば、例えば、
α=arcTan(D(m)/L(m))=arcSin(ΔL(cm)/3(cm))
の関係がある。
尚、ΔL(cm)は、アンテナ25を構成しているアンテナ25a〜25dのうち、特定の2つのアンテナ25と移動端末30との間の伝搬路長の差(以下、経路差とも称する。)である。
ここで4つのアンテナ25a〜25dのうち特定の2つのアンテナ25で受信される位置標定信号800の位相差をΔθとすると、
ΔL(cm)=Δθ/(2π/λ(cm))
の関係がある。
また位置標定信号800として2.4GHz帯の電波を用いた場合には、λ=12.5(cm)であるので、
α=arcSin(Δθ/π)
の関係がある。ここで測定可能範囲(−π/2<Δθ<π/2)内ではα=Δθ(ラジアン)となるので、上式から基地局20が存在する方向を特定することができる。
図11に基地局20の設置現場における基地局20と移動端末30の位置関係を示している。同図に示すように、基地局20のアンテナ25の地上高をH(m)、移動端末30の地上高をh(m)、基地局20の直下の地表面の位置を原点として直交座標軸(X軸、Y軸)を設定した場合における、基地局20から移動端末30の方向とX軸とがなす角をΔΦ(x)、基地局20から移動端末30の方向とY軸とがなす角をΔΦ(y)とすれば、原点に対する移動端末30の位置は次式から求めることができる。
Δd(x)=(H−h)×Tan(ΔΦ(x))
Δd(y)=(H−h)×Tan(ΔΦ(y))
そして原点の位置を(X1,Y1)とすれば、移動端末30の現在位置(Xx,Yy)は次式から求めることができる。
Xx=X1+Δd(x)
Yy=Y1+Δd(y)
以上に説明した位置標定の方法については、例えば、特開2004−184078号公報、特開2005−351877号公報、特開2005−351878号公報、及び特開2006−23261号公報等にも詳述されている。
<位置標定精度の向上>
以上のようにして行われる位置標定に際しては、基地局20と移動端末30の水晶発振器に生じる周波数偏差を要因とする誤差が問題になる。例えば、水晶発振器の周波数安定度が±0.5ppmであれば基地局20と移動端末30との間で最大1ppmの周波数偏差(2400Hz)が生じ、アンテナ切替スイッチ26の切替周期が32μsであれば2400Hz×32μs×360°=27.65°の位相差(誤差)が生じることになる。そこで本実施形態の位置標定システム1では、この測定誤差を次のような仕組みで相殺するようにしている。
まず前述した第1のアンテナ対の各アンテナ(第1アンテナ25a及び第2アンテナ25b)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ1(第1アンテナ25aを基準として第2アンテナ25bの位相を測定した結果)は、移動端末30から第1アンテナ25aまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末30から第2アンテナ25bまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差をΔθt1とし、測定誤差をF1とすれば、次式で表すことができる。
Δθ1=Δθt1+F1 ・・・式1
一方、前述した第2のアンテナ対の各アンテナ(第3アンテナ25c及び第4アンテナ25d)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ2(第3アンテナ25cを基準として第4アンテナ25dの位相を測定した結果)は、移動端末30から第3アンテナ25cまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末30から第4アンテナ25dまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差をΔθt2とし、測定誤差をF2とすれば、次式で表すことができる。
Δθ2=−Δθt2+F2 ・・・式2
続いて式1の両辺から式2の両辺を夫々引けば次式が得られる。
Δθ1−Δθ2=(Δθt1−(−Δθt2))+(F1−F2) ・・・式3
ここで前述したように、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対は、第1のアンテナ対の各アンテナ25a,25bによって受信される位置標定信号800の経路差と第2のアンテナ対の各アンテナ25c,25dによって受信される位置標定信号800の経路差とが一致するように設けられている。そこでこの経路差に対応する位相差をθtとすれば、右辺の(Δθt1−(−Δθt2))の値は2θtとなる。また誤差F1,F2は、第1のアンテナ対の測定時と第2のアンテナ対の測定時で通常はほぼ一致しているので、右辺の(F1−F2)の値は限りなく0に近くなる。以上の値を式3に代入して式を変形すると次式が得られる。
θt=(Δθ1−Δθ2)/2 ・・・式4
このように、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対の夫々によって位相差を測定することで夫々の測定誤差F1,F2を相殺することができる。このため、経路差に基づく位相差θtを高精度で取得することができ、位置標定の精度を高めることができる。尚、位相を測定する側にAGC(Automatic Gain Controller)等を設けて周波数偏差を減少させるようにしてもよい。そのようにすれば式3の右辺の(F1−F2)の値をさらに0に近づけることができ、位置標定の精度をさらに高めることができる。
=直接波か否かの判定原理=
次に移動端末30のアンテナ34a〜34dの夫々から送られてくる位置標定信号800が直接波であるか否かを判定する方法について説明する。
<第1の判定方法>
まず第1の判定方法について説明する。第1の判定方法では、基地局20は、第1のアンテナ対の各アンテナによって受信された位置標定信号800の位相差Δθ1を測定(第1アンテナ25aを基準として第2アンテナ25bの位相を測定)し、また第2のアンテナ対の各アンテナによって受信された位置標定信号800の位相差Δθ2を測定(第4アンテナ25dを基準として第3アンテナ25cの位相を測定)し、測定した位相差Δθ1と位相差Δθ2とに基づき、移動端末30のアンテナ34から送られてくる位置標定信号800が直接波であるか否かの判定を行う。
ここで第1のアンテナ対の各アンテナ(第1アンテナ25a及び第2アンテナ25b)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ1(第1アンテナ25aを基準として第2アンテナ25bの位相を測定した結果)は、移動端末30から第1アンテナ25aまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末30から第2アンテナ25bまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差をΔθt1とし、測定誤差をF1、マルチパスや反射波の影響分をM1とすれば、次式で表すことができる。
Δθ1=Δθt1+F1+M1 ・・・式5
また第2のアンテナ対の各アンテナ(第3アンテナ25c及び第4アンテナ25d)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ2(第4アンテナ25dを基準として第3アンテナ25cの位相を測定した結果)は、移動端末30から第3アンテナ25cまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末30から第4アンテナ25dまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差をΔθt2(位相の測定に際して基準を逆にしているため、前述した位置標定の場合(式2)とΔθt2の符号が反転している。)とし、測定誤差をF2、マルチパスや反射波の影響分をM2とすれば、次式で表すことができる。
Δθ2=Δθt2+F2+M2 ・・・式6
ここで式5の両辺と式6の両辺との差を取れば次式となる。
Δθ1−Δθ2=(Δθt1−Δθt2)+(F1−F2)+(M1−M2)
・・・式7
前述したように、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対は、第1のアンテナ対の各アンテナ25によって受信される位置標定信号800の経路差と第2のアンテナ対の各アンテナ25によって受信される位置標定信号800の経路差とが一致するように設けられているので、式7の右辺の(Δθt1−Δθt2)の値は限りなく0に近くなる。また前述したように誤差F1,F2は、第1のアンテナ対の測定時と第2のアンテナ対の測定時で通常はほぼ一致しているので、式7の右辺の(F1−F2)の値は限りなく0に近くなる。そこでこれらの値を代入すれば、式7は次のようになる。
Δθ1−Δθ2=M1−M2 ・・・式8
ここで第1のアンテナ対の各アンテナと第2のアンテナ対の各アンテナは、図10に示すように物理的な配置位置が異なっているので、各アンテナに対するマルチパスや反射波による影響が夫々異なり、位置標定信号800がマルチパスや反射波であった場合にはM1≠M2となる。逆に位置標定信号800が直接波であった場合にはM1=M2となる。このため、位相差Δθ1と位相差Δθ2とが一致するか否か(両者の差が0か否か、あるいは少なくとも予め設定された基準値以下であるか否か)を調べることで、移動端末30のアンテナ34から送られてくる位置標定信号が直接波であるか否かを判定することができる。
尚、以上に説明した第1の判定方法は、前述したΔΦ(x),ΔΦ(y)のいずれを求める場合にも適用することができる。即ちΔΦ(x),ΔΦ(y)の夫々を求める場合は、夫々個別にマルチパスや反射波の有無を判定することができる。
以上に説明したように、第1の判定方法によれば、移動端末30から受信した位置標定信号800が直接波であるか否かを正しく判定することができる。
<第2の判定方法>
第2の判定方法では、基地局20は、第1のアンテナ対の各アンテナによって受信された位置標定信号800の位相差Δθ1を測定(第1アンテナ25aを基準として第2アンテナ25bの位相を測定)し、また第2のアンテナ対の各アンテナによって受信された位置標定信号800の位相差Δθ2を測定(第3アンテナ25cを基準として第4アンテナ25dの位相を測定)し、測定した位相差Δθ1と位相差Δθ2とに基づき移動端末30から送られてくる位置標定信号800が直接波であるか否かの判定を行う。
ここで第1のアンテナ対の各アンテナ(第1アンテナ25a及び第2アンテナ25b)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ1(第1アンテナ25aを基準として第2アンテナ25bの位相を測定した結果)は、移動端末30から第1アンテナ25aまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末30から第2アンテナ25bまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差をΔθt1とし、測定誤差をF1、マルチパスや反射波の影響分をM1とすれば、次式で表すことができる。
Δθ1=Δθt1+F1+M1 ・・・式9
また第2のアンテナ対の各アンテナ(第3アンテナ25c及び第4アンテナ25d)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ2(第3アンテナ25cを基準として第4アンテナ25dの位相を測定した結果)は、移動端末30から第3アンテナ25cまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末30から第4アンテナ25dまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差をΔθt2(位相の測定に際して基準を同一にしているため、前述した位置標定の場合(式2)とΔθt2の符号が一致している。)とし、測定誤差をF2、マルチパスや反射波の影響分をM2(位相の測定に際して基準を同一にしているため、Δθt2と符号が一致している。)とすれば、次式で表すことができる。
Δθ2=−Δθt2+F2−M2 ・・・式10
次に式9の両辺と式10の両辺との和を取れば次のようになる。
Δθ1+Δθ2=(Δθt1−Δθt2)+F1+F2+(M1−M2)
・・・式11
ここで前述したように、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対は、第1のアンテナ対の各アンテナ25によって受信される位置標定信号800の経路差と第2のアンテナ対の各アンテナ25によって受信される位置標定信号800の経路差とが一致するように設けられている。このため、式7の右辺の(Δθt1−Δθt2)の値は0である。従って式11は次のようになる。
Δθ1+Δθ2=(F1+F2)+(M1−M2) ・・・式12
ここでF1とF2が十分に安定している(時間変動が小さい)場合、(F1+F2)の値(F1とF2が等しければ(この値をFとする)(F1+F2)=2F)は、ほぼ一定とみなすことができる。このため、(F1+F2)が予め経験値等として知れていれば、式12の左辺の値Δθ1+Δθ2が(F1+F2)と一致するか否かを調べることにより、移動端末30から送られてくる位置標定信号800が直接波であるか否かを判定することができる(直接波の場合はM1=0、M2=0となるので(M1−M2)=0、直接波でない場合はM1≠0、M2≠0となるので(M1−M2)≠0)。
尚、以上に説明した仕組み第2の判定方法は、前述したΔΦ(x),ΔΦ(y)のいずれを求める場合にも適用することができる。即ちΔΦ(x),ΔΦ(y)の夫々を求める場合は、夫々個別にマルチパスや反射波の有無を判定することができる。
以上に説明したように、第2の判定方法によれば、位相差Δθ1及び位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差が間接波の影響による成分に比べて充分に安定しており、当該誤差の値(F1+F2)が経験値として与えられている限り、移動端末30から受信した位置標定信号800が直接波であるか否かを上記和に基づき正しく判定することができる。
また第2の判定方法では、移動端末30から受信した位置標定信号800が直接波であるか否かの判定を、移動端末30の位置を求めるために測定した位相差Δθ1及び位相差Δθ2(位相差Δθ1の測定結果に対して符号が反転する測定基準を用いて測定されたΔθ2)をそのまま利用して行うことができるので、移動端末30の位置標定と位置標定信号800が直接波か否かの判定とを一度の測定で済ませることができ、位置標定と直接波か否かの判定にかかる基地局20や移動端末30の処理負荷を低減することができる。
<移動端末のアンテナ>
図12及び図13に移動端末30に搭載されるアンテナ34の構成を示している。このうち図12はアンテナ34の構造を簡略化して示した平面図であり、図13はアンテナ34の構造を図12に示すA−A’線で切断して示した断面図である。
同図に示すように、本実施形態の移動端末30には、破線で示す台座300に固定された4つのアンテナ34a〜34dが設けられている。移動端末30の無線通信インタフェース33は、4つのアンテナ34a〜34dのうちのいずれかを選択して位置標定信号800を送信する。
隣接する2つのアンテナ34のビーム方向は90°の関係にある。また4つのアンテナ34a〜34dのX−Y平面上の指向角θwdt(X−Y平面上のビーム方向を中心とする、当該ビーム方向の利得(最大利得)に対する利得が所定の割合(例えば50%)以下になる角度範囲)は、いずれも90°以上であり、4つのアンテナ34a〜34dの全体で後述するX−Y平面上の全方位(360°)がカバーされるようになっている。
尚、説明の便宜上、本実施形態ではアンテナ34の数を4つとしているが、アンテナ34は2つ以上であれば移動端末30にいくつ設けられていてもよい。但し、複数のアンテナ34の全体によって移動体3を中心とするX−Y平面上の全方位(360°)がカバーされることを条件とする。
図14に移動体3へのアンテナ34の搭載例を示す。同図中、符号140で示す矢線は、X−Y平面における移動体3の機軸方向を示す。尚、説明の便宜の為、本実施形態の位置標定システム1では、機軸方向とアンテナ34aのX−Y平面上のビーム方向とは一致しているものとする。また本実施形態では、移動体3が移動する平坦な地表面にX−Y平面座標を設定するものとする。
=機軸方向の特定=
基地局20は、前述した判定方法により移動体3に設けられているアンテナ34a〜34dの夫々から送られてくる位置標定信号800が直接波であるか否かを判定することができる。このため、基地局20は、直接波として受信される位置標定信号800に基づき、前述した位置標定の仕組みにより、移動体3の現在位置(X−Y平面における絶対位置(Xm、Ym)とする。)を正確に標定することができ、基地局20から見た移動体3が存在する方向θb=tan−1(Ym/Xm)も取得することができる。
また基地局20は、受信した位置標定信号800のアンテナID814に設定されているアンテナIDから、直接波を送信してきたアンテナ34が、移動体3(移動端末30)の4つのアンテナ34a〜34dのうちのいずれであるのかを特定することができる。
また基地局20のアンテナ取付角記憶部205は、移動体3の機軸方向と4つのアンテナ34a〜34dの夫々とがなす角をアンテナ取付角θdとして記憶しているので、直接波を送信してきたアンテナ34と機軸方向とがなす角を取得することができる。
このように基地局20は、基地局20から見た移動体3が存在する方向θb、及び直接波を送信してくるアンテナ34と移動体3の機軸方向とがなす角θdを取得することができるので、移動体3の機軸方向をX−Y平面に投影して得られる方向(以下、絶対機軸方向θmと称する。)を取得することができる。以下、このようにして基地局20が絶対機軸方向θmを取得する仕組みについて詳述する。
図15は、基地局20、移動体3、移動体3の機軸方向、アンテナ34のビーム方向、4つのアンテナ34a〜34dの指向角(同図では一点鎖線で表している)の関係を説明する図である。尚、同図に示すように、移動端末30の近傍には無線信号を壁等の反射体150が存在する。
まず同図に示すように、アンテナ34bについては、その指向角の範囲に基地局20が存在する。このため、当該アンテナ34bから送信される位置標定信号800は、直接波として基地局20に到達することになる。一方、アンテナ34a,34c,34dから送信される位置標定信号800は、反射体150の影響により基本的に間接波として基地局20に到達することになる。
従って、同図に示す状況では、基地局20は、直接波として受信される、アンテナ34bから送信された位置標定信号800に基づき移動体3の位置標定を行うことで移動体3の現在位置(Xm,Ym)を取得することができる。また取得した現在位置(Xm,Ym)から、基地局20から見た移動体3が存在する方向θb=tan−1(Ym/Xm)を取得することができる。
図16は、図15に対応する図であり、基地局20から見た移動体3の存在する方向θb=tan−1(Ym/Xm)、移動体3の現在位置(Xm,Ym)、及びアンテナ34bと機軸方向とがなす角θdの関係を説明する図である。同図によれば、移動体3の機軸方向をX−Y平面に投影して得られる方向、即ち絶対機軸方向θmは、θb+(180°−θd)として取得できることがわかる。
ところで、基地局20がアンテナ34bの指向角θwdtの範囲に存在する限り、基地局20はアンテナ34bから直接波を受信することができるので、上記のようにして取得した絶対機軸方向θmには、指向角θwdtの範囲分の誤差が含まれることになる。但しこの誤差は移動体3に搭載するアンテナ34の数を増やして各アンテナ34の指向角を小さくし、アンテナ34をより高密度で移動体3に配置することで減少させることができる。
以上に説明したように、本実施形態の位置標定システム1によれば、基地局20は位置標定の仕組みを利用して、移動体3の絶対機軸方向θmを取得することができる。また基地局20は、移動体3の位置標定に際して位置標定信号800が直接波であるか否かを判定する仕組みを利用して移動体3の複数のアンテナ34のうち直接波を送信しているアンテナ34を特定するので、受信した位置標定信号800が直接波か否かを判定する仕組みを備えている場合には、基地局20及び移動端末30に特別な仕組みを追加することなく、移動体3の絶対機軸方向θmを取得する仕組みを実現することができる。
尚、このようにして取得される絶対機軸方向θmを利用することで、様々なサービスを提供することが可能になる。例えば、車両等の移動体3の現在位置を監視するシステムや移動体3の安全確保に関するシステムにおいては、取得した絶対機軸方向θmに基づき、移動体3が現在向いている方向に存在する物体に関する情報をリアルタイムに取得し、或いは取得した情報を移動体3にリアルタイムに提供することができる。また移動体3の道案内や避難誘導を行うシステムにおいては、取得した絶対機軸方向θmを用いて移動体3を目的地まで効率よく誘導することができる。また倉庫や工場等においてロボットや搬送車両等の誘導を行うシステムにおいては、取得した絶対機軸方向θmに基づき、移動体3効率を効率よく目的の場所まで誘導することができる。
=処理例=
<間接波の影響を無視できない場合>
図17は、間接波の影響を無視できない状況で位置標定システム1が用いられる場合に、基地局20による移動体3の現在の機軸方向(絶対機軸方向θm)の取得に関して位置標定システム1において行われる処理(以下、機軸方向取得処理S1700と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに機軸方向取得処理S1700について説明する。
同図に示すように、まず移動端末30が、アンテナ34a〜34dのうちの一つを選択し(S1711)、選択したアンテナ34のアンテナIDを設定した位置標定信号800を生成する(S1712)。そして移動端末30は、生成した位置標定信号800を、S1711で選択したアンテナ34から送信する(S1713)。
次いで移動端末30は、S1711で当該移動端末30に設けられている全てのアンテナ34を選択済であるか否かを判断する(S1714)。全てのアンテナ34を選択済であれば(S1714:YES)、移動端末30は処理を終了する。未選択のアンテナ34があれば(S1714:NO)、S1711に戻り、未選択の他のアンテナ34を選択して同様の処理を繰り返す。
基地局20は、移動体3から送られてくる位置標定信号800の受信を待機している(S1721:NO)。
基地局20は、位置標定信号800を受信すると(S1721:YES)、前述した仕組み(前述した第1の判定方法又は第2の判定方法)により、受信した位置標定信号800が直接波であるか否かを判断する(S1722)。受信した位置標定信号800が直接波でないと基地局20が判断した場合は(S1722:NO)S1721に戻る。
一方、受信した位置標定信号800が直接波であると判断した場合(S1722:YES)、基地局20は受信した位置標定信号800に基づき移動体3の位置標定を行い(S1723)、位置標定の結果を用いて前述した仕組みにより移動体3の現在の機軸方向(絶対機軸方向θm)を求める(S1724)。
このように以上に説明した仕組みによれば、屋内のように間接波の影響が無視できない環境において、移動体3の現在の機軸方向を取得することができる。
<間接波の影響を無視できる場合>
以上では、位置標定信号800が直接波であるか否かを判定する仕組みを利用して直接波を送信しているアンテナ34を特定し、特定したアンテナ34と機軸方向とがなす角(アンテナ取付角との関係に基づき移動体3の現在の機軸方向を取得している。このため、以上の仕組みを実施するには、間接波がある程度存在する環境で位置標定システム1が用いられることが条件となる。一方、以下に説明する仕組みは屋外のように間接波の影響が無視できる環境においても、移動体3の現在の機軸方向を取得することができる。
図18はこの仕組みを説明する図であり、間接波の影響を無視できる状況で位置標定システム1が用いられる場合に、基地局20による移動体3の現在の機軸方向(絶対機軸方向θm)の取得に関して位置標定システム1において行われる処理(以下、機軸方向取得処理S1800と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに機軸方向取得処理S1800について説明する。
まず移動端末30は、アンテナ34a〜34dのうちの一つを選択し(S1811)、選択したアンテナ34のアンテナIDを設定した位置標定信号800を生成する(S1812)。そして生成した位置標定信号800を、S1811で選択したアンテナ34から送信する(S1813)。
次に移動端末30は、S1811で当該移動端末30に設けられている全てのアンテナ34を選択済であるか否かを判断する(S1814)。全てのアンテナ34を選択済であれば(S1814:YES)、移動端末30は処理を終了する。未選択のアンテナ34があれば(S1814:NO)、S1811に戻り、未選択の他のアンテナ34を選択して同様の処理を繰り返す。
基地局20は、移動体3から送られてくる位置標定信号800の受信を待機している(S1821:NO)。
基地局20は、位置標定信号800を受信すると(S1821:YES)、受信した位置標定信号800の受信電界強度を取得する(S1822)。
続いて基地局20は、受信した位置標定信号800に基づき移動体3の位置標定を行う(S1823)。そして基地局20は、取得した受信電界強度と位置標定の結果を、当該位置標定信号800に設定されていたアンテナIDに対応づけて記憶する(S1824)。
次いで基地局20は、移動体3(移動端末30)の全てのアンテナ34から位置標定信号を受信したか否かを判断する(S1825)。ここでこの判断は、例えば、予め基地局20が記憶している、当該移動端末30に設けられているアンテナ34の数と、S1824で記憶したアンテナIDの数とが一致するか否かを調べることにより行う。
全てのアンテナ34から位置標定信号800を受信している場合は(S1825:YES)、S1826に進む。まだ位置標定信号800を受信していないアンテナ34が存在する場合は(S1825:NO)、S1821に戻る。
S1826では、基地局20は、S1824で記憶した内容に基づき、受信電界強度が最大のアンテナ34を特定する。次いで基地局20は、特定したアンテナ34の位置標定結果を用いて、前述した方法により移動体3の現在の機軸方向(絶対機軸方向θm)を求める(S1827)。
このように、以上に説明した方法によれば、屋外のように間接波の影響が無視できるような環境においても、移動体3の現在の機軸方向を取得することができる。
<移動体側のアンテナの他の構成例>
図19及び図20に、移動体3のアンテナ34a〜34dの他の構成例(以下、アンテナ構造60と称する。)を示している。このうち図19は、アンテナ構造60の正面図(平面図)であり、図20は、図19のアンテナ構造60を同図のB−B’線で切断して−Y方向から+Y方向に眺めた断面図である。
これらの図にあるように、略直方体形状の5つの筐体61a〜61eが所定厚の平面八角形状の支持筐体62の一方の面側に配置されている。このうち筐体61eは、支持筐体62の面中心に配置され、それ以外の筐体61a〜61dは、支持筐体62の面中心の周りに互いに90°ずれた位置関係になるように支持筐体61aの各側面に隣接させて配置されている。5つの筐体61a〜61e及び支持筐体62は、例えば、位置標定信号800の透過性に優れた素材(例えば樹脂製の絶縁体)を用いて構成されている。
筐体61aには、前述したアンテナ34a及び前述した無線通信インタフェース33として機能する無線通信インタフェース33a(不図示)が内蔵されている。筐体61bには、前述したアンテナ34bと、前述した無線通信インタフェース33として機能する無線通信インタフェース33b(不図示)とが内蔵されている。筐体61cには、前述したアンテナ34c(不図示)と、前述した無線通信インタフェース33として機能する無線通信インタフェース33c(不図示)とが内蔵されている。また筐体61dには、前述したアンテナ34dと、前述した無線通信インタフェース33として機能する無線通信インタフェース33d(不図示)とが内蔵されている。筐体61eには、アンテナ34eと、前述した無線通信インタフェース33として機能する無線通信インタフェース33e(不図示)とが内蔵されている。
尚、筐体61a〜61dの夫々に内蔵されているアンテナ34a〜34dは、互いに夫々の指向方向が異なるように設けられている。また図20に示すように、この例では、各アンテナ34a〜34dは、夫々の送信面(電波が放射される面)の法線ka〜kd(同図では法線kbのみ示している)が、支持筐体62の上記中心を通る法線lに対して所定角度63(例えば0°〜45°)傾斜するように設けられている。
各アンテナ34a〜34eからは、アンテナ34a〜34eの2つ以上から同時に位置標定信号800が送信されることがないように、例えば順に(例えば時分割で)位置標定信号800が送信される。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、以上の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
例えば、以上の実施形態では、移動端末30のアンテナ34から位置標定信号800を送信し、基地局20のアンテナ25でこれを受信して位置標定を行うようにしているが、これとは逆に位置標定信号800を基地局20から送信し、移動端末30が位置標定信号800を受信し、移動端末30が、直接波を受信している可能性の高いアンテナ34を特定し、このアンテナ34から送られてくる位置標定信号800により基地局20から見た移動体3が存在する方向θbを求め、これと記憶している直接波を受信しているアンテナ34と移動体3の機軸方向とがなす角θdとに基づき、移動体3の機軸方向(絶対機軸方向θ)を取得するようにしてもよい。
移動端末30が取得した移動体3の機軸方向(絶対機軸方向θ)や標定した現在位置を示す情報を、移動端末30から通信ネットワーク5や無線通信によりサーバ装置10や基地局20に送信するようにすれば、サーバ装置10や基地局20において移動体3の現在の機軸方向(絶対機軸方向θ)や現在位置を把握することもできる。
移動端末30は、例えば、アクティブ型もしくはパッシブ型のRFIDタグとして機能するものであってもよい。この場合、位置標定信号800を、電磁誘導によってRFIDタグが備えるアンテナコイルから自発的にもしくは受動的に、基地局20に送信もしくは基地局20から受信するようにしてもよい。
1 位置標定システム
3 移動体
20 基地局
140 機軸方向
202 位置標定信号受信部
204 位置標定部
205 アンテナ取付角記憶部
206 電界強度取得部
211 位置標定信号判定部
2111 第1位相差測定部
2112 第2位相差測定部
2113 直接波判定部
212 直接波送信アンテナ特定部
213 機軸方向特定部
25 アンテナ
27 RSSI
30 移動端末
34 アンテナ
301 位置標定信号送信部
304 機軸方向取得部
305 アンテナビーム方向算出部
800 位置標定信号
814 アンテナID
815 アンテナ取付角
S1700 機軸方向取得処理
S1800 機軸方向取得処理

Claims (8)

  1. 移動体に移動端末及び複数の移動体側アンテナを設け、
    前記移動体側アンテナの夫々から前記移動端末の位置を標定するための無線信号である位置標定信号を送信し、
    基地局に、2つの基地局側アンテナからなる第1のアンテナ対と、他の2つの基地局側アンテナからなる第2のアンテナ対とを、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように設け、
    前記基地局に、前記第1のアンテナ対の各基地局アンテナ又は前記第2のアンテナ対の各基地局アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθに基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動端末の位置を求める、位置標定システムを設け、
    前記基地局が、
    前記第1のアンテナ対により前記移動体側アンテナから送られてくる前記位置標定信号を受信し、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθ1を測定し、
    前記第2のアンテナ対により前記移動体側アンテナから送られてくる前記位置標定信号を受信し、前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθ2を測定し、
    測定した前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2とに基づき、前記移動体側アンテナの夫々から送られてくる前記位置標定信号が直接波であるか否かを判定し、
    前記移動体に設定された基準軸である機軸と前記移動体側アンテナの夫々とがなす角であるアンテナ取付角を記憶し、
    前記移動端末は、前記位置標定信号とともに当該位置標定信号を送信した前記移動体側アンテナを特定する情報であるアンテナIDを送信し、
    前記基地局が、
    直接波であると判定した前記位置標定信号に基づき、前記移動体の位置を標定し、
    前記標定の結果と、直接波であると判定した前記位置標定信号とともに受信した前記アンテナIDと、前記アンテナ取付角とに基づき、前記移動体の向きを特定する
    移動体の向きを特定する方法。
  2. 請求項1に記載の移動体の向きを特定する方法であって、
    前記基地局は、
    前記移動体の位置を、前記位相差Δθ2の測定結果が前記位相差Δθ1の測定結果に対して符号が反転する測定基準を用いて前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2を測定し、測定した前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差を相殺すべく、前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2との差を取ることにより求め、
    前記移動体側アンテナから受信した前記位置標定信号が直接波であるか否かの前記判定は、前記位相差Δθ2の測定結果が前記位相差Δθ1の測定結果と符号が一致する測定基準を用いて前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2を測定し、これにより測定された前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2との差を取ることにより行う
    ことを特徴とする移動体の向きを特定する方法。
  3. 請求項2に記載の移動体の向きを特定する方法であって、
    前記基地局は、前記移動体側アンテナから受信した前記位置標定信号が直接波であるか否かの前記判定を、前記差が0であるか否か、或いは少なくとも予め設定された基準値以下であるか否かに基づき行う
    ことを特徴とする移動体の向きを特定する方法。
  4. 請求項1に記載の移動体の向きを特定する方法であって、
    前記基地局は、
    前記移動体の位置を、前記位相差Δθ2の測定結果が前記位相差Δθ1の測定結果に対して符号が反転する測定基準を用いて前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2を測定し、測定した前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差を相殺すべく、前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2との差を取ることにより求め、
    前記移動体側アンテナから受信した前記位置標定信号が直接波であるか否かの前記判定を、測定した前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2との和を取ることにより行う
    ことを特徴とする移動体の向きを特定する方法。
  5. 請求項4に記載の移動体の向きを特定する方法であって、
    前記基地局は、前記移動体側アンテナから受信した前記位置標定信号が直接波であるか否かの前記判定を、前記和と測定した前記位相差Δθ1及び前記位相差Δθ2の夫々に含まれている誤差の和とを比較することにより行う
    ことを特徴とする移動体の向きを特定する方法。
  6. 移動体に移動端末及び複数の移動体側アンテナを設け、
    前記移動体側アンテナの夫々から前記移動端末の位置を標定するための無線信号である位置標定信号を送信し、
    基地局に所定の間隔で隣接させた複数の基地局側アンテナを設け、
    前記基地局に、複数の前記基地局側アンテナによって前記位置標定信号を受信し、前記基地局側アンテナの夫々によって受信される前記位置標定信号の位相差に基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動端末の位置を求める、位置標定システムを設け、
    前記移動端末は、前記位置標定信号とともに当該位置標定信号を送信した前記移動体側アンテナを特定する情報であるアンテナIDを送信し、
    前記基地局が、
    前記移動体側アンテナから送信されてくる前記位置標定信号の受信電界強度を取得する電界強度取得部を備え、
    前記移動体に設定された基準軸である機軸と前記移動体側アンテナの夫々とがなす角であるアンテナ取付角を記憶し、
    記電界強度取得部により取得される、前記移動体側アンテナの夫々から送信されてくる前記位置標定信号の受信電界強度を比較することにより、直接波を送信している前記移動体側アンテナを特定し、
    直接波であると判定した前記位置標定信号に基づき、前記移動体の位置を標定し、
    前記標定の結果と、直接波であると判定した前記位置標定信号とともに受信した前記アンテナIDと、前記アンテナ取付角とに基づき、前記移動体の向きを特定する
    移動体の向きを特定する方法。
  7. 移動体に設けられる、移動端末及び複数の移動体側アンテナと、
    前記移動端末に設けられ、前記移動体側アンテナの夫々から前記移動端末の位置を標定するための無線信号である位置標定信号を送信する、位置標定信号送信部と、
    2つの基地局側アンテナからなる第1のアンテナ対と、他の2つの基地局側アンテナからなる第2のアンテナ対とが、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように設けられ、前記第1のアンテナ対の各基地局アンテナ又は前記第2のアンテナ対の各基地局アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθに基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動端末の位置を求める基地局と、
    を含んで構成される、移動体の向きを特定するシステムであって、
    前記基地局が、
    前記第1のアンテナ対により前記移動体側アンテナから送られてくる前記位置標定信号を受信し、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθ1を測定し、
    前記第2のアンテナ対により前記移動体側アンテナから送られてくる前記位置標定信号を受信し、前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の位相差Δθ2を測定し、
    測定した前記位相差Δθ1と前記位相差Δθ2とに基づき、前記移動体側アンテナの夫々から送られてくる前記位置標定信号が直接波であるか否かを判定し、
    前記移動体に設定された基準軸である機軸と前記移動体側アンテナの夫々とがなす角であるアンテナ取付角を記憶し、
    前記移動端末が、前記位置標定信号とともに当該位置標定信号を送信した前記移動体側アンテナを特定する情報であるアンテナIDを送信し、
    前記基地局が、
    直接波であると判定した前記位置標定信号に基づき、前記移動体の位置を標定し、
    前記標定の結果と、直接波であると判定した前記位置標定信号とともに受信した前記アンテナIDと、前記アンテナ取付角とに基づき、前記移動体の向きを特定する
    移動体の向きを特定するシステム。
  8. 移動体に設けられる、移動端末及び複数の移動体側アンテナと、
    前記移動端末に設けられ、前記移動体側アンテナの夫々から前記移動端末の位置を標定するための無線信号である位置標定信号を送信する、位置標定信号送信部と、
    所定の間隔で隣接させた複数の基地局側アンテナが設けられ、複数の前記基地局側アンテナによって前記位置標定信号を受信し、前記基地局側アンテナの夫々によって受信される前記位置標定信号の位相差に基づき前記移動端末が存在する方向を求め、求めた前記方向に基づき前記移動端末の位置を求める基地局と、
    を含んで構成される、移動体の向きを特定するシステムであって、
    前記移動端末が、前記位置標定信号とともに当該位置標定信号を送信した前記移動体側アンテナを特定する情報であるアンテナIDを送信し、
    前記基地局が、
    前記移動体側アンテナから送信されてくる前記位置標定信号の受信電界強度を取得する電界強度取得部を備え、
    前記移動体に設定された基準軸である機軸と前記移動体側アンテナの夫々とがなす角であるアンテナ取付角を記憶し、
    記電界強度取得部により取得される、前記移動体側アンテナの夫々から送信されてくる前記位置標定信号の受信電界強度を比較することにより、直接波を送信している前記移動体側アンテナを特定し、
    直接波であると判定した前記位置標定信号に基づき、前記移動体の位置を標定し、
    前記標定の結果と、直接波であると判定した前記位置標定信号とともに受信した前記アンテナIDと、前記アンテナ取付角とに基づき、前記移動体の向きを特定する
    移動体の向きを特定するシステム。
JP2011267172A 2011-12-06 2011-12-06 移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステム Active JP5579690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011267172A JP5579690B2 (ja) 2011-12-06 2011-12-06 移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011267172A JP5579690B2 (ja) 2011-12-06 2011-12-06 移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013120085A JP2013120085A (ja) 2013-06-17
JP5579690B2 true JP5579690B2 (ja) 2014-08-27

Family

ID=48772783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011267172A Active JP5579690B2 (ja) 2011-12-06 2011-12-06 移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5579690B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6106929B2 (ja) * 2012-03-02 2017-04-05 中国電力株式会社 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6106928B2 (ja) * 2012-03-02 2017-04-05 中国電力株式会社 位置標定方法、及び位置標定システム
JP5917578B2 (ja) * 2014-01-29 2016-05-18 中国電力株式会社 移動体の向きを示す情報を取得するシステム及び方法
JP7090882B2 (ja) * 2018-03-09 2022-06-27 国立大学法人金沢大学 波源情報提示システム、波源情報提示方法、およびプログラム
CN110366143A (zh) * 2018-03-26 2019-10-22 浙江海康科技有限公司 一种构建公共安全射频管控网的车载移动基站
JP7180133B2 (ja) * 2018-06-14 2022-11-30 株式会社Soken 端末位置推定システム、端末位置推定装置、端末位置推定方法、及び制御プログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005072780A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Hitachi Kokusai Electric Inc アンテナ方向調整方法
JP4914160B2 (ja) * 2006-09-26 2012-04-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御装置
JP4364917B2 (ja) * 2007-04-05 2009-11-18 中国電力株式会社 位置標定に用いられる携帯端末及び位置標定システム
JP2011151722A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 無線装置、無線システム、およびアンテナ追尾方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013120085A (ja) 2013-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5579690B2 (ja) 移動体の向きを特定する方法、及び移動体の向きを特定するシステム
JP4364917B2 (ja) 位置標定に用いられる携帯端末及び位置標定システム
CN103592622A (zh) 一种信号定位系统及其定位方法
JP5579691B2 (ja) 位置標定システム、移動端末、及び位置標定システムの制御方法
JP6106929B2 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP5555347B1 (ja) 位置検知システム及び位置検知方法
KR101121907B1 (ko) 지향성 안테나를 이용한 실시간 위치추적 시스템 및 방법
US20190007809A1 (en) Calibration of the Position of Mobile Objects in Buildings
JP5524371B1 (ja) 移動体の位置又は向きを示す情報を取得するシステム及び方法
JP5524372B1 (ja) 位置検知システム及び位置検知方法
JP2012519289A (ja) 方向探知によって移動体無線ネットワーク内での位置を決定するための方法および移動体無線端末デバイス
JP6322905B2 (ja) 携帯端末の在圏判定装置
JP2009239562A (ja) Phs移動端末発見システム
JP5968844B2 (ja) 位置検知システム及び位置検知方法
JP5401533B2 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6106933B2 (ja) 位置標定システムの制御方法、及び位置標定システム
JP6102168B2 (ja) 位置標定システム及び位置標定システムの制御方法
US20190235045A1 (en) Antenna, wireless transmission device, and position measurement system
JP6106928B2 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP5917578B2 (ja) 移動体の向きを示す情報を取得するシステム及び方法
JP5340509B1 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6149374B2 (ja) 位置標定システム及び移動端末の位置を標定する方法
JP5976350B2 (ja) 位置標定システム、及び位置標定システムの制御方法
JP6186711B2 (ja) 位置標定方法、及び位置標定システム
JP6026307B2 (ja) 移動体の向きを示す情報を取得するシステム及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140708

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5579690

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250