JP5555347B1 - 位置検知システム及び位置検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体の位置を広範囲に亘り効率よく検知できるようにする。
【解決手段】移動体3に設けられた移動端末10と移動体3が移動するエリアに設けられた複数の基地局20と、サーバ装置30とを含む位置標定システムを用いて構成される位置検知システム1において、基地局20A及び基地局20Bが、移動端末10から送られてくる位置標定信号800に基づき、自身のアンテナ群25のアンテナ配列軸の方向に移動端末10を捕捉し、移動端末10を捕捉しているアンテナ配列軸の方向と、基地局20Aと基地局20Bとを結ぶ線分の方向とがなす角度θをサーバ装置30に送信し、サーバ装置30が、記憶している各基地局20A,20Bの絶対位置と、基地局20Aから送られてくる角度θである角度θ1と、基地局20Bから送られてくる角度θである角度θ2とに基づき、移動端末10の絶対位置を求める。
【選択図】図5

Description

この発明は、位置検知システム及び位置検知方法に関し、とくに移動体の位置を広範囲に亘って効率よく検知する技術に関する。
移動体の位置を検知する仕組みとして、例えば、非特許文献1には、基地局に設置した複数のアンテナから歩行者が携帯する携帯端末に無線信号を送信し、各アンテナから送信されてくる無線信号の位相差によって携帯端末とアンテナとの相対位置を求め、求めた相対位置(方向、距離)と基地局の絶対位置とから歩行者の現在位置を取得する位置検知システムが開示されている。
また上記位置標定システムを応用したものとして、例えば、特許文献1には、携帯端末が、位置標定に用いた座標系と絶対方位との関係を示す情報である基地局情報を基地局から受信し、受信信号強度に基づき指向性アンテナの指向方向が基地局の方向を向くように誘導する画面を表示し、標定した端末位置と基地局情報とに基づき絶対方位を示す情報を出力することが記載されている。
特開2011−242165号公報
武内 保憲,河野 公則,河野 実則、" 2.4GHz帯を用いた場所検知システムの開発"、平成17年度 電気・情報関連学会中国支部第56回連合大会
非特許文献1に開示されている位置検知システムにおいては、基地局のアンテナの指向性によって位置検知が可能なエリア(以下、検知エリアと称する。)が定まる。例えば、指向角が90°である場合、検知エリアは基地局と測定対象である携帯端末の高さとの差を半径とする円形のエリアとなる。基地局のアンテナとして指向性を有するものを採用する理由は、間接波(マルチパス、反射波等)の影響を避けて検知精度を確保(直接波によって位置検知を行うことで検知精度が高まる)するためである。
しかし指向性のアンテナを採用することで基地局一台あたりの検知エリアの大きさが制限され、広範囲に亘って位置検知システムを展開しようとすると短い間隔で多数の基地局を設置する必要があり、とくに基地局間でハンドオーバが確実に行われるようにしようとすれば、基地局を密接して配置する必要があり、基地局の台数が増えて設置や保守に要する負荷やコストが増大することとなる。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、移動体の位置を広範囲に亘って効率よく検知することが可能な、位置検知システム及び位置検知方法を提供することを目的としてなされたものである。
上記目的を達成するための本発明のうちの一つは、移動体に設けられ、無線信号である位置標定信号を送信する移動端末と、前記位置標定信号の受信電界強度を測定する計測部と、第1のアンテナ対の各アンテナと第2のアンテナ対の各アンテナとを平面上に矩形状に並べるとともに、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対を配置して構成されるアンテナ群と、を有する複数の基地局と、前記基地局の夫々と通信可能に接続されるサーバ装置と、を備えて構成される位置標定システムを用いた位置検知システムであって、前記基地局である第1の基地局及び第2の基地局が、夫々、前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が予め設定された第1閾値を超えている場合は、前記アンテナ群を構成するアンテナのうちの2つのアンテナがそれぞれ受信する前記位置標定信号の位相差から求まる前記移動端末の方向と、予め設定されている前記アンテナ群と前記移動端末との高さの差と、に基づき前記移動端末の相対位置を求め、求めた前記相対位置を前記サーバ装置に送信し、前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が前記第1閾値以下であり、かつ、前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が予め設定された第2閾値(<第1閾値)を超えている場合は、前記矩形の中心を通り前記平面に交差する回転軸を中心に前記アンテナ群を回転させ、前記矩形の中心を原点として前記矩形の一辺の方向に設定した座標軸であるアンテナ配列軸を挟んで隣り合う2つのアンテナによって受信される前記位置評定信号の位相差が最小になる際の前記アンテナ配列軸の方向と、前記第1の基地局と前記第2の基地局とを結ぶ線分の方向とがなす角度θを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、予め記憶している前記第1の基地局及び前記第2の基地局の夫々の絶対位置と前記相対位置とに基づき、あるいは、前記絶対位置と前記第1の基地局から送られてくる前記角度θである角度θ1と前記第2の基地局から送られてくる前記角度θである角度θ2とに基づき、前記移動端末の絶対位置を求めることとする。
本発明は、基地局のアンテナ群のアンテナ配列軸の近傍において比較的高い位置標定精度が得られることを利用して、間接波(マルチパス、反射波等)の影響が大きい基地局から離れた場所においても、移動端末の位置を正確に標定できるようにしたものである。具体的には、第1の基地局及び第2の基地局の夫々が、移動端末から送られてくる位置標定信号に基づき、夫々のアンテナ配列軸の方向に移動端末を捕捉し、夫々のアンテナ配列軸の方向と、第1の基地局と第2の基地局とを結ぶ線分の方向とがなす角度θ(夫々、角度θ1,θ2)をサーバ装置に送信し、サーバ装置が、角度θ1,θ2と、予め記憶している(既知の)、第1の基地局及び第2の基地局の夫々の絶対位置(もしくは第1の基地局と第2の基地局との間の距離)とに基づき、移動端末の絶対位置を(幾何学的に)求める。本発明によれば、移動体が基地局から離れた場所に存在する場合でも、移動体の正確な位置を標定することができ、1つの基地局によって移動体の位置を標定できる範囲を拡大することができる。このため、設置や保守に要する負荷やコストを抑えて、広範囲に亘って位置検知システムを展開することができる。
また移動端末から受信した位置標定信号の受信電界強度が強い場合は(受信電界強度>第1閾値)、位相差に基づき正確に移動端末の現在位置を標定した結果をサーバ装置に送信し、受信電界強度が第1閾値以下でありかつ第2閾値を超えている場合は(第2閾値<受信電界強度≦第1閾値)、前述の幾何学的な方法で移動端末の絶対位置を求めるべく角度θをサーバ装置に送信するので、基地局やサーバ装置に不必要に負荷を与えず効率よく移動体の位置を標定することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記位置検知システムであって、前記基地局のうちの少なくともいずれかは複数の前記アンテナ群を備え、前記アンテナ群の夫々は、夫々の前記矩形の中心を一致させて夫々の前記座標軸が所定角度ずれた関係となるように設けられていることとする。
このように複数のアンテナ群を組み合わせることで、異なる方向を向いたアンテナ配列軸を容易に増設することができる。そしてアンテナ配列軸の方向が増えることで、少ない回転角にて移動端末をアンテナ配列軸の方向に捕捉することが可能となり、迅速に移動端末をアンテナ配列軸の方向に捕捉することができる。このため、例えば、移動体が早い速度で移動する場合でも、移動体の位置を正確に標定することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記位置検知システムであって、前記矩形は正方形であり、前記アンテナ配列軸は、前記矩形の対角線の方向に設定された座標軸を含むこととする。
上記矩形が正方形である場合、当該矩形の対角線の方向にもアンテナ配列軸を設けることができる。また矩形の一辺の方向を向く前述のアンテナ配列軸と組み合わせることで、異なる方向を向いたアンテナ配列軸を容易に増設することができる。そしてアンテナ配列軸の方向が増えることで、少ない回転角で移動端末をアンテナ配列軸の方向に捕捉することが可能となり、迅速に移動端末をアンテナ配列軸の方向に捕捉することができる。このため、例えば、移動体が早い速度で移動する場合でも、移動体の位置を正確に標定することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記位置検知システムであって、前記基地局の少なくともいずれかが前記サーバ装置として機能することとする。
このようにサーバ装置の機能を基地局に担わせることで、サーバ装置を別途用意することなく、簡素な構成で位置検知システムを実現することができる。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、移動体の位置を広範囲に亘って効率よく検知することができる。
位置検知システム1の概略的な構成を示す図である。 移動端末10が備える主なハードウエアを示す図である。 移動端末10が備える主な機能を示す図である。 基地局20が備える主なハードウエアを示す図である。 基地局20が備える主な機能を示す図である。 サーバ装置30が備える主なハードウエアを示す図である。 サーバ装置30が備える主な機能を示す図である。 位置標定信号800のデータフォーマットを示す図である。 基地局20のアンテナ群25を構成している各アンテナ251と移動端末10が備えるアンテナ14との関係を説明する図である。 基地局20と移動端末10との位置の関係を説明する図である。 基地局20のアンテナ群25と原点O、X軸、Y軸の関係を説明する図である。 アンテナ配列軸の近傍で標定精度が高くなることを説明する図である。 アンテナ配列軸の近傍で標定精度が高くなることを説明する図である。 アンテナ配列軸の近傍で標定精度が高くなることを説明する図である。 基地局20のアンテナの一態様を示す図である。 アンテナ配列軸を利用した位置標定の仕組みを説明する図である。 アンテナ配列軸を利用した位置標定の仕組みを説明する図である。 捕捉可能エリア71の構成例を示す図である。 基地局側処理S1700を説明するフローチャートである。 角度θ情報1800のデータ構成である。 サーバ装置側処理S1900を説明するフローチャートである。 現在位置情報2000の一例である。
図1に実施形態として説明する位置検知システム1の概略的な構成を示している。位置検知システム1は、例えば、倉庫や工場等において移動体3(商品、搬送/運搬車両等)の位置を管理するシステム、工場等において移動体3(ロボット、搬送/運搬車両等)の誘導を行うシステム、移動体3(車両や歩行者等)の現在位置の監視を行うシステム、移動体3の安全確保を行うシステム、移動体3に対して道案内や目的地までの誘導を行うシステム、移動体3に対して現在地周辺の情報等を提供するシステム、地下街やビル街等において移動体3(人)の避難誘導を支援するシステムなどに適用される。
位置検知システム1は、当該システムが適用されるエリア(以下、サービス提供エリアと称する。)内を移動する移動体3に設けられる移動端末10、サービス提供エリアの全体をカバーするように設けられる複数の基地局20、移動体3の管理や監視等を行う、情報処理システムのシステム管理センタなどに設けられるサーバ装置30などを含んで構成されている。
サービス提供エリアが屋内である場合、基地局20は、例えば、柱や建物の壁等に設けられる。またサービス提供エリアが屋外である場合、基地局20は、例えば、電柱や鉄塔等の構造物に設けられる。図1では、各基地局20の設置高さを一致させて描いているが、各基地局20の設置高さは必ずしも一致していなくてもよい。また図1では、移動体3の移動面を平坦に描いているが、移動面は必ずしも平坦でなくてもよい。基地局20と移動端末10とは、無線もしくは有線による通信ネットワーク5(専用線、公衆回線、インターネット等)を介して、サーバ装置30と通信可能に接続されている。
図2に移動端末10が備える主なハードウエアを示している。同図に示すように、移動端末10は、中央処理装置11(CPU、MPU等)、記憶装置12(半導体メモリ等)、無線通信インタフェース13、アンテナ14、入力装置15(タッチパネル、操作ボタン等)、及び出力装置16(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、スピーカ等)を備える。これらの構成要素は、内部バス17を介して互いに通信可能に接続されている。
アンテナ14は、例えば、指向性アンテナである。サービス提供エリアが屋内である場合、アンテナ14は円偏波指向性アンテナであることが好ましい。円偏波の反射波(又は定在波)の偏波面は壁等の障害物で反射した際に反転するため、円偏波指向性アンテナを用いることで反射波や定在波を効果的に減衰させることができるからである。
図3に移動端末10が備える主な機能を示している。同図に示すように、移動端末10は、位置標定信号送信部101、情報送受信部102、及び情報表示部103を備える。これらの機能は、移動端末10が備えるハードウエアによって、もしくは、移動端末10の中央処理装置11が記憶装置12に格納されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。
このうち位置標定信号送信部101は、後述する位置標定システムで用いられる無線信号である位置標定信号800を、無線通信インタフェース13から送信する。尚、位置標定信号送信部101は、例えば、予め設定されたタイミング(例えば、一定時間ごと、ユーザによって登録された時間等)が到来すると、位置標定信号800を自動的に送信する。
情報送受信部102は、無線通信インタフェース13により基地局20やサーバ装置30と通信し、基地局20やサーバ装置30への各種情報の送信(アップロード)並びに出力装置16に出力する各種情報の受信(ダウンロード)を行う。
情報出力部103は、例えば、出力装置16に人に報知するための情報を出力する。
図4に基地局20が備える主なハードウエアを示している。基地局20は、中央処理装置21(CPU、MPU等)、記憶装置22(半導体メモリ等)、基地局20を通信ネットワーク5に接続するための通信インタフェース23、無線通信を行う無線通信インタフェース24、アンテナ群25、アンテナ切替スイッチ26、RSSI計測部27、及び制御装置28を備える。これらの各構成要素は、内部バス28を介して通信可能に接続している。
中央処理装置21は、記憶装置22に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、基地局20が備える各種の機能を実現する。無線通信インタフェース24は、移動端末10から送信される位置標定信号800を受信する。
アンテナ群25は、少なくとも4つのアンテナ251(指向性アンテナ、円偏波指向性アンテナ等)を含む。アンテナ切替スイッチ26は、アンテナ群25を構成しているいずれかのアンテナ251を選択して無線通信インタフェース24に接続する。尚、サービス提供エリアが屋内である場合、アンテナ251は円偏波指向性アンテナであることが好ましい。円偏波の反射波(又は定在波)の偏波面は壁等の障害物で反射した際に反転するため、円偏波指向性アンテナを用いることで反射波や定在波を効果的に減衰させることができるからである。
RSSI計測部27は、移動端末10から受信した位置標定信号800の受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)を計測する。
制御装置28は、アンテナ群25の各アンテナ251の指向方向を制御する。制御装置28は、例えば、アンテナ群25が載置されるアンテナ基台、アンテナ基台を回転させてアンテナ群25の各アンテナ251の指向方向を回転させる回転機構(例えば、モータ、アンプ、モータ制御用マイコン等を用いて構成される。)、予め設定された基準方向(基準方向は、例えば、後述する2つの基地局20A,20Bを結ぶ線分の方向に設定される。)と後述するアンテナ配列軸の方向とがなす角度(後述する角度θ1,θ2)を取得する角度センサ、及び取得した角度を中央処理装置21に伝える通信回路などを含む。尚、移動体3の動力機構が回転機能を備える場合、上記回転機構の機能をこの動力機構によって実現するように、即ち移動体3自身を回転させることにより実現するようにしてもよい。
図5に基地局20が備える主な機能を示している。同図に示すように、基地局20は、情報送受信部201、位置標定信号受信部202、情報記憶部203、標定可能エリア内外判定部204、位置標定部205、位置標定結果通知部206、捕捉可能エリア内外判定部207、移動端末軸上捕捉部208、及び配列軸方向通知部209を備える。尚、これらの機能は、基地局20が備えるハードウエアによって、もしくは、基地局20の中央処理装置21が、記憶装置22に格納されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。
情報送受信部201は、通信インタフェース23や無線通信インタフェース24を制御し、移動端末10又はサーバ装置30との間で各種情報の送受信を行う。
位置標定信号受信部202は、無線通信インタフェース24並びにアンテナ切替スイッチ26を制御し、移動端末10から送信される位置標定信号800を受信する。
情報記憶部203は、当該基地局20の設置位置(絶対位置)を示す情報(以下、設置位置情報とも称する。)を記憶する。サービス提供エリアが屋内である場合、上記設置位置は、例えば、屋内に設定された座標系や、屋内の構造物(壁、柱等)からの相対距離等で表される。またサービス提供エリアが屋外である場合、上記設置位置は、例えば、緯度/経度や屋外に設定された座標系で表される。尚、各基地局20間の距離Lは、上記設置位置から求めることができる。またサーバ装置30は、各基地局20と通信を行って設置位置情報を取得することができ、設置位置情報に基づき任意の2つの基地局20間の距離Lを求めることができる。
標定可能エリア内外判定部204は、移動端末10から受信した位置標定信号800の受信電界強度に基づき、その位置標定信号800を送信した移動端末10が現在、位置標定部205による後述の位置標定の仕組み(図8〜図10とともに説明する、後述する位相差Δθから直接、移動体3の位置を取得する仕組み)によって正確に位置標定を行うことが可能なエリア(以下、標定可能エリアとも称する。)内に存在するか否かを判定する。標定可能エリア内外判定部204は、例えば、移動端末10から受信した位置標定信号800の受信電界強度を、予め設定された閾値(以下、第1閾値とも称する。)と比較することにより、移動端末10が現在、標定可能エリア内に存在するか否かを判定する(例えば、受信電界強度>第1閾値であれば標定可能エリア内、受信電界強度≦第1閾値であれば標定可能エリア外と判定する。)。
位置標定部205は、移動端末10から受信した位置標定信号800に基づき、その移動端末10の現在位置を標定する。尚、位置標定部205による位置標定の仕組みの詳細については後述する。
位置標定結果通知部206は、位置標定部205によって標定された移動端末10の現在位置を示す情報(以下、位置標定結果とも称する。)をサーバ装置30に送信する。
捕捉可能エリア内外判定部207は、受信した位置標定信号800の受信電界強度に基づき、その位置標定信号800を送信した移動端末10が現在、自身のアンテナ群25の後述するアンテナ配列軸上に捕捉することが可能なエリア(以下、捕捉可能エリアと称する。)内に存在するか否かを判定する。捕捉可能エリア内外判定部207は、例えば、移動端末10から受信した位置標定信号800の受信電界強度を、予め設定された閾値(以下、第2閾値とも称する(第2閾値<第1閾値))と比較することにより、移動端末10が現在、捕捉可能エリア内に存在するか否かを判定する(例えば、受信電界強度>第2閾値であれば捕捉可能エリア内と判定し、受信電界強度≦第2閾値であれば捕捉可能エリア外と判定する。)。
移動端末軸上捕捉部208は、RSSI計測部27により計測されるRSSI計測値や位置標定部205によって標定される移動端末10の位置に基づき制御装置28を制御し、移動端末10を、後述するアンテナ配列軸の軸上に捕捉する。
配列軸方向通知部209は、前述した基準方向と後述するアンテナ配列軸の方向とがなす角度(後述する角度θ1,θ2)をサーバ装置30に通知する。
図6にサーバ装置30が備える主なハードウエアを示している。同図に示すように、サーバ装置30は、中央処理装置31(CPUやMPU等)、記憶装置32(半導体メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等)、入力装置33(キーボード、マウス等)、出力装置34(液晶ディスプレイ等)、及びサーバ装置30を通信ネットワーク5に接続する通信インタフェース35を備える。これらの構成要素は、いずれも内部バス38を介して互いに通信可能に接続している。出力装置34には、例えば、移動体3(移動端末10)の現在位置、移動体3が現在存在するエリア、移動体3の移動方向/移動速度などの情報が出力される。
図7にサーバ装置30が備える主な機能を示している。同図に示すように、サーバ装置30は、情報送受信部301、情報管理部302、位置標定結果受信部303、配列軸方向受信部304、及び移動体現在位置管理部305を備える。これらの機能は、サーバ装置30が備えるハードウエアによって、もしくは、サーバ装置30の中央処理装置11が、記憶装置12に格納されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。
情報送受信部301は、基地局20や移動端末10との間で各種の情報、例えば、サービス提供エリアに存在する移動体3(移動端末10)に関する情報(例えば、移動体3の現在位置、移動体3が現在存在するエリア、移動体3の移動速度や移動方向、移動端末10から受信した位置標定信号800の受信電界強度等)を送受信する。
情報管理部302は、各種の情報、例えば、各基地局20の設置位置情報を管理する。
位置標定結果受信部303は、基地局20から送られてくる前述の位置標定結果を受信する。
配列軸方向受信部304は、基地局20から送られてくる、基準方向と後述するアンテナ配列軸の方向とがなす角度(後述する角度θ1,θ2)を受信する。
移動体現在位置管理部305は、サービス提供エリア内に存在する移動体3(移動端末10)の現在位置を示す情報(以下、現在位置情報とも称する。)を管理し、基地局20から受信した位置標定結果や角度(角度θ1,θ2)に基づき、現在位置情報を随時更新する。
<位置標定システム>
続いて、基地局20の位置標定部205よって行われる位置標定の仕組みについて説明する(以下、この仕組みを実現するシステムのことを位置標定システムと称する。)。前述したように、移動端末10は、位置標定信号800を随時送信する。一方、基地局20は、アンテナ群25を構成している複数のアンテナを周期的に切り換えつつ、移動端末10から送られてくる位置標定信号800を受信する。
図8に、位置標定信号800のデータフォーマットを示している。同図に示すように、位置標定信号800は、制御信号811、測定信号812、及び端末情報813を含む。
このうち制御信号811には、変調波や各種の制御信号が含まれる。測定信号812には、数m秒程度の無変調波(例えば、基地局20に対する標定対象の存在する方向や基地局20から標定対象までの相対距離の検出に用いる信号(例えば2048チップの拡散符号))が含まれる。端末情報813には、その位置標定信号800を送信した移動端末10の識別子(以下、端末IDと称する。)が含まれる。
図9に基地局20のアンテナ群25を構成している複数のアンテナ251と移動端末10との関係を示している。同図に示すように、アンテナ群25は、位置標定信号800の1波長(例えば、位置標定信号800として2.4GHz帯の電波を用いた場合は波長λ=12.5cm)以下の間隔をあけて平面的に略正方形状に等間隔で隣接配置された4つの円偏波指向性アンテナ(以下、アンテナ251a〜251dと称する。)を含んで構成されている。尚、各アンテナ251a〜251dは、例えば、指向方向を真下方向もしくは斜め下方向に向けて設置される。
同図において、アンテナ群25の高さ位置における水平方向とアンテナ群25に対する移動端末10の方向とのなす角をαとすると、
α=arcTan(D(m)/L(m))=arcSin(ΔL(cm)/3(cm))
の関係がある。尚、上記のΔL(cm)は、アンテナ群25を構成しているアンテナ251のうち、特定の2つのアンテナ251と移動端末10との間の伝搬路長の差(以下、経路差とも称する。)である。
ここでアンテナ群25を構成している特定の2つのアンテナ251の夫々が受信する位置標定信号800の位相差をΔθとすれば、
ΔL(cm)=Δθ/(2π/λ(cm))
の関係がある。また位置標定信号800として2.4GHz帯の電波を用いる場合はλ=12.5(cm)であるので、
α=arcSin(Δθ/π)
の関係がある。測定可能範囲(−π/2<Δθ<π/2)内では、αはΔθ(ラジアン)から算出することができるので、上式から基地局20から見た移動端末10が存在する方向αを取得することができる。
図10に示すように、基地局20アンテナ群25の地上高をH(m)、移動端末10のアンテナ14の地上高をh(m)、基地局20のアンテナ群25から下ろした垂線と移動体3(移動端末10)が移動する平面との交点を原点として直交座標系(X、Y、Z)を設定した場合における、方向αのXZ平面への射影をΔΦ(X)、方向αのYZ平面への射影をΔΦ(Y)とすれば、原点に対する移動端末10の相対座標は次式から求めることができる。
Δd(X)=(H−h)×Tan(ΔΦ(X))
Δd(Y)=(H−h)×Tan(ΔΦ(Y))
そして原点の絶対座標を(X1,Y1,0)とすれば、移動端末10の絶対座標(XX,YY,0)は次式から求めることができる。
XX=X1+Δd(X)
YY=Y1+Δd(Y)
尚、以上に説明した位置標定の基本原理については、例えば、特開2004−184078号公報、特開2005−351877号公報、特開2005−351878号公報、特開2006−23261号公報などにも詳述されている。
ところで、位置標定システムによる位置標定に際しては、移動端末10や基地局20が備える水晶発振器に生じる周波数偏差に起因する誤差が問題となる。例えば、水晶発振器の周波数安定度が±0.5ppmである場合、移動端末10と基地局20との間には最大1ppmの周波数偏差(2400Hz)が生じ、基地局20のアンテナ切替スイッチ26の切替周期を32μsとすると、2400Hz×32μs×360°=27.65°の位相差(誤差)が生じることになる。そこで本実施形態では、周波数偏差に起因する誤差を次のようにして相殺することにより、測定精度の向上を図るようにしている。
まず基地局20のアンテナ群25の第1のアンテナ対(第1アンテナ251a及び第2アンテナ251b)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ1(第1アンテナ251aを基準として第2アンテナ251bの位相を測定した結果(=測定値))は、移動端末10のアンテナ14から第1アンテナ251aまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末10のアンテナ14から第2アンテナ251bまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差の真値をΔθt1とし、上述の測定誤差をF1とすれば、次式で表すことができる。
Δθ1=Δθt1+F1 ・・・式1
一方、基地局20のアンテナ群25の第2のアンテナ対(第3アンテナ251c及び第4アンテナ251d)が受信する位置標定信号800の位相差Δθ2(第3アンテナ251cを基準として第4アンテナ251dの位相を測定した結果(=測定値))は、移動端末10のアンテナ14から第3アンテナ251cまでの位置標定信号800の伝搬経路と、移動端末10のアンテナ14から第4アンテナ251dまでの位置標定信号800の伝搬経路との差(経路差)によって生じる位相差の真値をΔθt2とし、測定誤差をF2とすれば、次式で表すことができる。
Δθ2=−Δθt2+F2 ・・・式2
また式1と式2の両辺の差を取ると、次のようになる。
Δθ1−Δθ2=(Δθt1−(−Δθt2))+(F1−F2) ・・・式3
ここで第1のアンテナ対と第2のアンテナ対とは、第1のアンテナ対の各アンテナ251a,251bによって受信される位置標定信号800の経路差と第2のアンテナ対の各アンテナ251c,251dによって受信される位置標定信号800の経路差とが一致するように、即ち位相差Δθt1と位相差Δθt2とが一致するように設けられており、この一致する値をθt=Δθt1=Δθt2とおけば、右辺の(Δθt1−(−Δθt2))の値は2θtとなる。
一方、誤差F1,F2は、第1のアンテナ対の測定時と第2のアンテナ対の測定時とで通常はほぼ一致しており、右辺の(F1−F2)の値は限りなく0に近くなる。以上より、式3は次のようになる。
θt=(Δθ1−Δθ2)/2 ・・・式4
式4から理解されるように、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対の夫々によって位相差を測定することにより、式1、式2における測定誤差F1,F2を相殺することができる。このため、第1のアンテナ対と第2のアンテナ対の夫々によって位相差を測定することにより、位相差θtを高い精度で取得することができる。
尚、位相を測定する側(本実施形態では基地局20側)に、例えば、AGC(Automatic Gain Controller)を設けて周波数偏差を減少させるようにすれば、右辺の(F1−F2)の値をさらに0に近づけることができ、位相差θtの測定精度を更に向上させることができる。
<標定精度>
ところで、基地局20によって行われる位置標定の精度は、必ずしも標定可能エリアの全体に亘って一様ではなく、標定精度は通常、基地局20と移動端末10との距離が短い程(相対距離が近い程)高くなる。
また標定精度は、基地局20の各アンテナ251の配列方向、即ち図11Aに示すように、正方形状に配置された4つのアンテナ251a〜251dの中心(各アンテナ251a〜251dの夫々の中心から等距離にある点)を原点Oとして正方形の一辺の方向に設定したX軸の方向、もしくは、上記正方形の中心を原点OとしてX軸と直角な方向(上記一辺に隣接する他の一辺の方向)に設定したY軸の方向(以下、上記X軸又はY軸のことを、アンテナ配列軸とも称する。)と、移動端末10のアンテナ14との相対的な位置関係によっても変化する。
例えば、基地局20のアンテナ群25が図11Aに示す状態で配列している場合、図11Bに示すように、アンテナ配列軸の近傍(上記X軸を含むXY平面に垂直な平面の近傍、もしくは上記Y軸を含むXY平面に垂直な平面の近傍)に移動端末10のアンテナ14が存在するときに比較的高い標定精度が得られる。またアンテナ配列軸の近傍では、標定可能エリアの境界付近や標定可能エリア外の基地局20から所定範囲においても比較的高い標定精度が得られる。ここでこのような特性になることは、例えば、次のようにして理解することができる。
今、基地局20の各アンテナ251a〜251dと移動端末10のアンテナ14とが図12Aに示す位置関係である場合について考える。同図において、移動端末10のアンテナ14は、X軸を含むXY平面に垂直な平面の方向に存在している。図中、一点鎖線で示す弧線77,78は、移動端末10のアンテナ14から送信された位置標定信号800の波面を表している。
同図から、アンテナ251bとアンテナ251cとの間では、移動端末10のアンテナ14から送信された位置標定信号800の到達時間に差がなく、またアンテナ251aとアンテナ251dとの間でも、位置標定信号800の到達時間に差がなく、従って、アンテナ251bとアンテナ251cとの間、及びアンテナ251aとアンテナ251dとの間では、Y軸方向の位相差が0になることがわかる。
一方、アンテナ251aとアンテナ251bとの間では、移動端末10のアンテナ14から送信された位置標定信号800の到達時間に差があり、またアンテナ251cとアンテナ251dとの間でも、位置標定信号800の到達時間に差があることがわかる。
図12Bは、基地局20のアンテナ群25と移動端末10のアンテナ14とが図12Aの位置関係である場合に、それらを図12AにおけるY軸の負の方向から眺めた図である。同図において、符号81、82で示す実線は、夫々、移動端末10のアンテナ14から送信される位置標定信号800のうち、直接波として基地局20のアンテナ群25に到達する位置標定信号800である。また符号91、92で示す破線は、夫々、移動端末10のアンテナ14から送信される位置標定信号800のうち、間接波(マルチパス、反射波等)として基地局20のアンテナ群25に到達する位置標定信号800である。このように、基地局20のアンテナ群25には、移動端末10のアンテナ14から送信された位置標定信号800が、間接波と直接波とが合成された形で到達する。
ここで間接波91及び間接波92に着目すれば、これらはアンテナ251b及びアンテナ251cへの到達時間とアンテナ251a及びアンテナ251dへの到達時間との間に差がある。従って、間接波91がアンテナ251b及びアンテナ251cが受信する位置標定信号800に与える影響(アンテナ251b及びアンテナ251cが受信する直接波に与える影響)と、間接波92がアンテナ251a及びアンテナ251dが受信する位置標定信号800に与える影響(アンテナ251a及びアンテナ251dが受信する直接波に与える影響)とは異なる。このため、間接波が存在する場合には、X軸方向の位相差の測定精度に影響が生じることになる。
一方、アンテナ251bとアンテナ251cとの間では、間接波91と間接波92との間で到達時間に差がなく、間接波91及び間接波92がアンテナ251bとアンテナ251cの夫々が受信する位置標定信号800に与える影響(直接波に与える影響)は同じである。またアンテナ251aとアンテナ251dとの間でも、間接波91と間接波92との間で到達時間に差がなく、間接波91及び間接波92がアンテナ251aとアンテナ251dの夫々が受信する位置標定信号800に与える影響(直接波に与える影響)は同じである。従ってY軸方向の位相差の測定精度に与える影響は小さくなる。アンテナ配列軸の近傍で標定精度が高くなることは、以上のように理解することができる。
以上より、基地局20のアンテナ配列軸の近傍(アンテナ配列軸の軸上を含む)では、比較的高い標定精度が得られることがわかる。尚、移動端末10が、直接波が到達せず間接波のみが到達するような位置(標定可能エリア外)に存在する場合でも同様のことがいえるため、例えば、移動端末10が標定可能エリアの境界付近や標定可能エリア外の基地局20から所定範囲内(捕捉可能エリア内)に存在する場合でも、移動端末10がアンテナ配列軸の近傍に存在していれば比較的高い標定精度で移動端末10の位置を標定することができる。このため、アンテナ配列軸の近傍では、標定可能エリアを超えたより広い範囲(捕捉可能エリア)を対象として移動端末10が存在する方向を検知することができ、移動端末10が標定可能エリア外に存在する場合でも、移動端末10がアンテナ配列軸の近傍に存在することを検知することができる。
<アンテナ配列軸の増設>
図11Bには4つ(+X,+Y,−X,−Y)のアンテナ配列軸を示しているが、アンテナ配列軸の態様はこれに限られない。例えば、図11Aに示した正方形状に配置された4つのアンテナ251a〜251dからなるアンテナ群25の複数個を組み合わせるようにすれば、アンテナ配列軸の数をさらに増やすことができる。
図13に一例を示す。この例では、4つのアンテナ251a〜251dからなるアンテナ群25(以下、第1のアンテナ群とも称する。)と、4つのアンテナ251a’〜251d’からなるアンテナ群25(以下、第2のアンテナ群とも称する。)とを、2つのアンテナ群25の夫々の正方形の中心を原点Oに一致させて組み合わせることにより、原点から45°ずつ8方向(+X,+Y,−X,−Y,+X’,+Y’,−X’,−Y’)に延びる8つのアンテナ配列軸が構成されるようにしている。尚、3つ以上のアンテナ群25を組み合わせれば、アンテナ配列軸の数をさらに増やすこともできる。
また例えば、アンテナ配列軸は、アンテナ群25の正方形の対角に位置する2つのアンテナ(図11Aに示したアンテナ群25の場合はアンテナ251aとアンテナ251c、アンテナ251bとアンテナ215d)を組み合わせて周波数偏差に起因する誤差を相殺するようにすることによっても、その数を増やすことができる。この場合、前述した4つの方向(+X,+Y,−X,−Y)に加えて、アンテナ251aとアンテナ251cとを結ぶ直線の方向、及びアンテナ251bとアンテナ215dとを結ぶ直線の方向にもアンテナ配列軸を設けることができる。ここで図11Aに示したアンテナ群25において、対角に位置している第2アンテナ251bと第4アンテナ251dの組み合わせを例とした場合、上記誤差は次のようにして相殺されることになる。
まず第2アンテナ251bと第4アンテナ251dの夫々が受信する位置標定信号800の位相差Δθ1(第2アンテナ251bを基準として第4アンテナ251dの位相を測定した結果(=測定値))は、位置標定信号800を送信する無線装置のアンテナから各アンテナ(第2アンテナ251b及び第4アンテナ251d)までの位置標定信号800の伝搬経路の差(経路差)によって生じる位相差の真値をΔθt1とし、上述の測定誤差をF1とし、間接波(マルチパス、反射波等)の影響をαとすれば、次式で表すことができる。
Δθ1=Δθt1+F1+α ・・・式5
一方、第4アンテナ251dを基準として第2アンテナ251bの位相を測定した場合の位相差Δθ2は、位置標定信号800を送信する無線装置のアンテナから各アンテナ(第2アンテナ251b及び第4アンテナ251d)までの位置標定信号800の伝搬経路の差(経路差)によって生じる位相差の真値をΔθt2とし、上述の測定誤差をF2とすれば、次式で表すことができる。
Δθ2=−Δθt2+F2−α ・・・式6
式5と式6の両辺の差を取れば次のようになる。
(Δθ1−Δθ2)/2=((Δθt1+F+α)−(−Δθt2+F−α))/2
=((Δθt1+Δθt2)+2・α)/2
・・・式7
ここでΔθt1とΔθt2とが等しくなるように第2アンテナ251bと第4アンテナ251dとが設けられているとすれば、θt=Δθt1=Δθt2となり、式7の右辺の(Δθt1−(−Δθt2))の値は2θtとなり、式7は次のようになる。
(Δθ1−Δθ2)/2=(2・Δθt+2・α)/2
=Δθt+α ・・・式8
尚、上式には間接波の間接波の影響αが残るが、位置標定の目的が限定される場合(例えば、Δθt=0か否か(移動端末10が基地局20のアンテナ配列軸の近傍に存在するか否か))、図12A及び図12Bとともに説明したように、間接波の影響はとくに問題にならない。
<アンテナ配列軸を利用した位置標定>
以上に説明したように、基地局20のアンテナ配列軸の近傍では比較的高い標定精度が得られるが、この特性を利用すれば、移動端末10が標定可能エリア外に存在する場合でも、移動端末10の位置を正確に標定することが可能である。以下、この仕組みについて説明する。
図14は、位置検知システム1を構成している2つの基地局20A(第1の基地局),20B(第2の基地局)、及び標定対象である移動端末10を上方から眺めた図である。尚、移動端末10は、各基地局20A,20Bの標定可能エリア70の外に存在し、かつ、各基地局20A,20Bの捕捉可能エリア内に存在しているものとする。
移動端末10の位置標定に際し、まず各基地局20A,20Bは、夫々のアンテナ群25の指向方向を回転させ、夫々のアンテナ群25のアンテナ配列軸上に標定対象の移動端末10を捕捉する。前述したように、捕捉可能エリア内では、アンテナ配列軸の近傍において比較的高い標定精度が得られるので、各基地局20A,20Bはこれを利用してアンテナ配列軸上に移動端末10を正確に捕捉することができる。尚、上記捕捉に際しては、アンテナ群25は左右いずれの方向に回転させてもよい。またアンテナ群25は、捕捉の都度、回転方向を逆転させてよいし、或いは捕捉の都度、回転方向をランダムに決定するようにしてもよい。またRSSI計測部27により計測される位置標定信号800の受信電界強度が強まる方向を検知してそちらの方向に積極的に回転させるようにしてもよい。そのようにすれば捕捉に要する時間を短縮することができる。またアンテナ配列軸の本数を増やすことによっても捕捉に要する時間を短縮することができる。各基地局20A,20Bの回転方向は一致していてもよいし異なっていてもよい。アンテナ群25の回転速度は移動端末10の移動速度に比べて十分に早いものとする。
図15は、各基地局20A,20Bが夫々のアンテナ群25の指向方向を回転させ、夫々のアンテナ群25のアンテナ配列軸上に移動端末10を捕捉した状態を示している。同図において、角度θ1は、基地局20Aと基地局20Bとを結ぶ線分の方向と移動端末10の方向に向けた基地局20Aのアンテナ配列軸(+X’)とがなす角であり、また角度θ2は、基地局20Aと基地局20Bとを結ぶ線分の方向と移動端末10の方向に向けた基地局20Bのアンテナ配列軸(+Y’)とがなす角度である。これらの角度はいずれも基地局20の制御装置28によって取得することができる。また2つの基地局20A,20B間の距離Lは情報記憶部203が記憶している設置位置情報から求めることができる。
同図から理解されるように、2つの基地局20の間の直線距離Lと、角度θ1,θ2とから、2つの基地局20A,20Bと移動端末10とを頂点とする三角形の形状が定まる。従って、この三角形について幾何学的な計算を行えば、基地局20A又は基地局20Bと移動端末10との相対的な位置関係を正確に求めることができ、これと基地局20A又は基地局20Bの絶対位置(設置位置情報から取得可能)とに基づき、移動端末10の正確な絶対位置を求めることができる。尚、原理上、移動端末10が2つの基地局20A,20Bを通る直線上に存在する場合は上記の三角形が特定されないが、そのような場合は、例えば、基地局20の組み合わせを三角形が特定されるように変更すればよい。
以上の仕組みによれば、移動端末10が標定可能エリア外に存在する場合でも、移動端末10の位置を正確に標定することができる。また以上に説明したように、この方法ではアンテナ群25の水平面内での指向方向の情報のみを利用するので、各基地局20の設置高さや移動端末10の高さとは無関係に適用することができる。従って、以上に説明した仕組みは、多様な基地局20の設置環境、多様な移動端末10の移動環境に関わらず、柔軟に適用することが可能である。
尚、位置検知方式として、3台以上の基地局の夫々から発信される信号(音波、電波)の距離減衰特性を利用する、いわゆる3点測位によって標定対象の位置を特定する、RSS方式(RSS:Received Signal Strength)があるが、RSS方式は間接波(マルチパス、反射波等)の影響を受けやすく、とくに屋内では誤差が生じやすい。対して本実施形態の以上の仕組みは、2台の基地局20のみで正確な位置標定を行うことが可能である。また位置標定信号800の発信源からの電波が間接波(マルチパス、反射波等)の影響を受けるような状況においても標定対象(移動端末10)の正確な位置を求めることができ、反射物の多い屋内でも標定対象の位置を正確に求めることができる。また前述したように、直接波が到達せず間接波のみが到達するような場所(標定可能エリア外)においても、捕捉可能エリア内である限り、標定対象(移動端末10)の位置を正確に求めることができる。
<エリアの構成例>
図16に複数の基地局20によって捕捉可能エリア71をより広域に拡大した例を示す。同図において、4つの基地局20A〜20Dの夫々を中心として描かれている4つの円は、夫々、各基地局20A〜20Dの捕捉可能エリア71を示している。この例では、捕捉可能エリア71を構成している円の半径がちょうど隣接する基地局20間の距離に一致するようにしているが、必ずしも一致させなくてもよい。同図に示すように、複数の基地局20を所定の間隔で配置することで、少数の基地局20で広範囲に亘って位置標定が可能なエリアを構成することができる。尚、移動端末10がいずれかの基地局20の標定可能エリア70内に存在するときは、必ずしも上記仕組みによって移動端末10の位置を標定する必要はなく、図8〜図10とともに説明した通常の位置標定の仕組みで移動端末10の正確な位置を標定すればよい。
<処理例>
続いて、以上の仕組みによって位置検知システム1が移動体3の位置を標定する場合の具体的な処理例を示す。
図17は、移動端末10の現在位置を標定する際に各基地局20にて行われる処理(以下、基地局側処理S1700と称する。)を説明するフローチャートである。
基地局20は、移動端末10から送られてくる位置標定信号800の受信有無をリアルタイムに監視している(S1711)。移動端末10から位置標定信号800を受信すると(S1711:YES)、基地局20は、受信した位置標定信号800の受信電界強度に基づき、移動端末10が自身の標定可能エリア内に存在するか否かを判定する(S1712)。移動端末10が自身の標定可能エリア内に存在すると判定した場合(S1712:YES)、基地局20は、受信した位置標定信号800に基づく通常の位置標定を行って移動端末10の現在位置を標定し、その結果(位置標定結果)をサーバ装置30に送信する(S1713)。その後、処理はS1711に戻る。
一方、移動端末10が自身の標定可能エリア内に存在しないと判定した場合(S1712:NO)、基地局20は、受信した位置標定信号800の受信電界強度に基づき、移動端末10が自身の捕捉可能エリア内に存在するか否かを判定する(S1721)。移動端末10が自身の捕捉可能エリア内に存在すると判定した場合(S1721:YES)、基地局20は、自身のアンテナ群25のアンテナ251を回転させることにより、当該アンテナ群25のアンテナ配列軸のうちの一つの軸上に移動端末10を捕捉し、角度θ(前述した角度θ1又は角度θ2)を含む情報(以下、角度θ情報とも称する。)をサーバ装置30に送信する(S1722)。その後、処理はS1711に戻る。尚、移動端末10が自身の捕捉可能エリア内に存在しないと判定した場合も(S1721:NO)、処理はS1711に戻る。
図18に基地局20がサーバ装置30に送信する角度θ情報のデータ構成を示している。同図に示すように、角度θ情報1800には、端末ID1811、基地局ID1812、及び角度θ1813が含まれている。このうち端末ID1811には、現在標定対象になっている移動端末10(位置標定信号800を送信した移動端末10)の端末IDが設定される。また基地局ID1812には、当該基地局20に付与されている識別子(以下、基地局IDと称する。)が設定される。角度θ1813には、アンテナ配列軸のうちの一つの近傍に移動端末10を捕捉することにより求めた角度θが設定される。尚、移動体3について行うある時点の位置標定に際し基地局20からサーバ装置30に送信する角度θ情報1800は必ずしも一つでなくてもよく、当該基地局20の周辺に存在する異なる複数の基地局20の夫々との間で求めた角度θが設定された複数の角度θ情報1800を送信するようにしてもよい。
図19は、サーバ装置30にて行われる処理(以下、サーバ側処理S1900と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、サーバ装置30は、基地局20から送られてくる情報の受信有無をリアルタイムに監視している(S1911)。基地局20から情報を受信すると、サーバ装置30は、受信した情報が位置標定結果であるか否かを判断する(S1912)。受信した情報が位置標定結果である場合(S1912:YES)、サーバ装置30は、受信した位置標定結果に基づき、該当の移動端末10の現在位置情報を更新する(S1921)。その後、処理はS1911に戻る。
一方、受信した情報が位置標定結果でない場合(S1912:NO)、サーバ装置30は、続いて2つ以上の基地局20から角度θを受信したか否かを判断する(S1913)。尚、サーバ装置30は、短い時間(例えば、移動体3が移動することに起因する誤差を許容できるような時間)、2つ以上の基地局20からの角度θ情報の受信を待機する。2つ以上の基地局20から角度θ情報(角度θ1,角度θ2)を受信している場合(S1913:YES)、サーバ装置30は、角度θ1,θ2と基地局20間の距離Lとから(前述した三角形に幾何学的な計算を行うことにより)、移動端末10の絶対位置を求め(S1931)、該当の移動端末10の現在位置情報を更新する(S1932)。その後、処理はS1911に戻る。
尚、S1913において、3つ以上の基地局20から角度θ情報を受信していた場合、サーバ装置30は、例えば、受信した位置標定信号800の受信電界強度が強い基地局20から送信された角度θ情報を優先的に採用するようにする。この場合において、角度θ情報1800に含ませるなどして、位置標定信号800の受信電界強度を基地局20からサーバ装置30に通知するようにする。
図20に現在位置情報の一例を示す。同図に示すように、現在位置情報2000には、移動端末10の端末ID2011に対応づけて、移動端末10の現在位置2012、当該移動端末10に関する最新の情報(位置標定結果又は角度θ情報)を送信してきた基地局20の基地局IDである最終通知基地局ID1813、現在位置2012の最終更新日時12014などの情報が含まれている。
以上に説明したように、本実施形態の位置検知システム1においては、2つの基地局20A,20Bの夫々が、移動端末10から送られてくる位置標定信号800に基づき、夫々のアンテナ配列軸の方向に移動端末10を捕捉し、夫々のアンテナ配列軸の方向と、基地局20Aと基地局20Bとを結ぶ線分の方向とがなす角度θ(角度θ1,θ2)をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30が、角度θ1,θ2と、2つの基地局20間の距離Lとに基づき移動端末10の絶対位置を求めるので、移動体3が基地局20から離れた場所(標定可能エリア外かつ捕捉可能エリア内)に存在する場合も、移動体3の正確な位置を求めることができ、1つの基地局20が移動体3の位置を標定可能な範囲を拡大することができる。このため、設置や保守に要する負荷やコストを抑えて、広範囲に亘る位置検知システム1を展開することができる。
また移動端末10から受信した位置標定信号800の受信電界強度が強い場合は(受信電界強度>第1閾値)、通常の位相差に基づく位置標定の方法により正確に移動端末10の現在位置を標定し、受信電界強度800が第1閾値以下でありかつ第2閾値を超えている場合は(第2閾値<受信電界強度≦第1閾値)、角度θ1,θ2及び距離Lを用いた幾何学的な方法によって移動端末10の絶対位置を求めるので、基地局20やサーバ装置30に不必要に負荷を与えることなく効率よく移動体3の位置を標定することができる。
ところで、以上の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
例えば、以上の実施形態では、アンテナ群25の各アンテナ251a〜251dが正方形状に配列している場合を例として説明したが、各アンテナ251a〜251dが長方形(矩形)状に配列している場合でも同様の仕組みを構成することができ、同様の効果を得ることができる(但し矩形状であることを利用してアンテナ配列軸を設けている場合を除く。)。
サーバ装置30の全部又は一部の機能を基地局20や移動端末10に担わせるようにしてもよい。また基地局20の全部又は一部の機能をサーバ装置30や移動端末10に担わせるようにしてもよい。
1 位置検知システム
3 移動体
10 移動端末
20 基地局
204 標定可能エリア内外判定部
205 位置標定部
206 位置標定結果通知部
207 捕捉可能エリア内外判定部
208 移動端末軸上捕捉部
209 配列軸方向通知部
30 サーバ装置
303 位置標定結果受信部
304 配列軸方向受信部
305 移動体現在位置管理部

Claims (6)

  1. 移動体に設けられ、無線信号である位置標定信号を送信する移動端末と、
    前記位置標定信号の受信電界強度を測定する計測部と、第1のアンテナ対の各アンテナと第2のアンテナ対の各アンテナとを平面上に矩形状に並べるとともに、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対を配置して構成されるアンテナ群と、を有する複数の基地局と、
    前記基地局の夫々と通信可能に接続されるサーバ装置と、
    を備えて構成される位置標定システムを用いた位置検知システムであって、
    前記基地局である第1の基地局及び第2の基地局が、夫々、
    前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が予め設定された第1閾値を超えている場合は、前記アンテナ群を構成するアンテナのうちの2つのアンテナがそれぞれ受信する前記位置標定信号の位相差から求まる前記移動端末の方向と、予め設定されている前記アンテナ群と前記移動端末との高さの差と、に基づき前記移動端末の相対位置を求め、求めた前記相対位置を前記サーバ装置に送信し、
    前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が前記第1閾値以下であり、かつ、前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が予め設定された第2閾値(<第1閾値)を超えている場合は、前記矩形の中心を通り前記平面に交差する回転軸を中心に前記アンテナ群を回転させ、前記矩形の中心を原点として前記矩形の一辺の方向に設定した座標軸であるアンテナ配列軸を挟んで隣り合う2つのアンテナによって受信される前記位置評定信号の位相差が最小になる際の前記アンテナ配列軸の方向と、前記第1の基地局と前記第2の基地局とを結ぶ線分の方向とがなす角度θを前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置は、予め記憶している前記第1の基地局及び前記第2の基地局の夫々の絶対位置と前記相対位置とに基づき、あるいは、前記絶対位置と前記第1の基地局から送られてくる前記角度θである角度θ1と前記第2の基地局から送られてくる前記角度θである角度θ2とに基づき、前記移動端末の絶対位置を求める
    ことを特徴とする位置検知システム。
  2. 請求項1に記載の位置検知システムであって、
    前記基地局のうちの少なくともいずれかは複数の前記アンテナ群を備え、
    前記アンテナ群の夫々は、夫々の前記矩形の中心を一致させて夫々の前記座標軸が所定角度ずれた関係となるように設けられている
    ことを特徴とする位置検知システム。
  3. 請求項1乃至2のいずれか一項に記載の位置検知システムであって、
    前記基地局の少なくともいずれかが前記サーバ装置として機能する
    ことを特徴とする位置検知システム。
  4. 移動体に設けられ、無線信号である位置標定信号を送信する移動端末と、
    前記位置標定信号の受信電界強度を測定する計測部と、第1のアンテナ対の各アンテナと第2のアンテナ対の各アンテナとを平面上に矩形状に並べるとともに、前記第1のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差と前記第2のアンテナ対の各アンテナによって受信される前記位置標定信号の経路差とが一致するように前記第1のアンテナ対及び前記第2のアンテナ対を配置して構成されるアンテナ群と、を有する複数の基地局と、
    前記基地局の夫々と通信可能に接続されるサーバ装置と、
    を備えて構成される位置標定システムを用いた位置検知方法であって、
    前記基地局である第1の基地局及び第2の基地局が、夫々、
    前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が予め設定された第1閾値を超えている場合は、前記アンテナ群を構成するアンテナのうちの2つのアンテナがそれぞれ受信する前記位置標定信号の位相差から求まる前記移動端末の方向と、予め設定されている前記アンテナ群と前記移動端末との高さの差と、に基づき前記移動端末の相対位置を求め、求めた前記相対位置を前記サーバ装置に送信し、
    前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が前記第1閾値以下であり、かつ、前記移動端末から受信した前記位置標定信号の受信電界強度が予め設定された第2閾値(<第1閾値)を超えている場合は、前記矩形の中心を通り前記平面に交差する回転軸を中心に前記アンテナ群を回転させ、前記矩形の中心を原点として前記矩形の一辺の方向に設定した座標軸であるアンテナ配列軸を挟んで隣り合う2つのアンテナによって受信される前記位置評定信号の位相差が最小になる際の前記アンテナ配列軸の方向と、前記第1の基地局と前記第2の基地局とを結ぶ線分の方向とがなす角度θを前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置は、予め記憶している前記第1の基地局及び前記第2の基地局の夫々の絶対位置と前記相対位置とに基づき、あるいは、前記絶対位置と前記第1の基地局から送られてくる前記角度θである角度θ1と前記第2の基地局から送られてくる前記角度θである角度θ2とに基づき、前記移動端末の絶対位置を求める
    ことを特徴とする位置検知方法。
  5. 請求項4に記載の位置検知方法であって、
    前記基地局のうちの少なくともいずれかは複数の前記アンテナ群を備え、
    前記アンテナ群の夫々は、夫々の前記矩形の中心を一致させて夫々の前記座標軸が所定角度ずれた関係となるように設けられている
    ことを特徴とする位置検知方法。
  6. 請求項4乃至5のいずれか一項に記載の位置検知方法であって、
    前記基地局の少なくともいずれかが前記サーバ装置として機能する
    ことを特徴とする位置検知方法。
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