JPH05157825A - 電波による非常信号を利用した警備方法 - Google Patents

電波による非常信号を利用した警備方法

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JPH05157825A
JPH05157825A JP34954091A JP34954091A JPH05157825A JP H05157825 A JPH05157825 A JP H05157825A JP 34954091 A JP34954091 A JP 34954091A JP 34954091 A JP34954091 A JP 34954091A JP H05157825 A JPH05157825 A JP H05157825A
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antenna
emergency signal
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一周波数の電波を発信する送信機である信
号発信機を持っている者が多数存在しても、特定の者の
非常信号を選択的に発射させて、混信を生じないように
した電波による非常信号を利用した警備方法を提供す
る。 【構成】 携行する信号発信機10から特定の識別符号
を含む特定周波数の電波による非常信号を、複数の受信
局16の指向性アンテナ15で受信し、三角測量法の原
理を利用して前記信号発信機10の送信位置を特定し、
該送信位置を基地局17に備えたデイスプレイ49に地
図情報と共に表示する電波による非常信号を利用した警
備方法において、前記信号発信機10内に他の信号発信
機からの非常信号を受信する受信機19を備え、他の信
号発信機からの非常信号を受信した場合には、該信号発
信機の同一周波数による非常信号の送信を停止させるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非常時に被害者から発
信された非常信号を検出しその発信位置を検知する電波
による非常信号を利用した警備方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人命や身体に対して脅威を感ずるような
危険に遭遇した場合の備えとして、例えば非常警報ブザ
ーのような警報装置が従来から提供されている。これは
常時携帯し、非常時にこれを操作して警報音を発生させ
ることによって加害者を驚愕せしめるものである。この
警報音は同時に近隣に非常事態の発生を知らせて警察へ
の通報や救助を求める契機ともなり得るが、住宅が密集
しておらず交通量・通行量も少ない場所では必ずしもそ
の目的を達成できない場合がある。また警報音を聞いた
加害者が逆に興奮して更に暴挙を加えるといった逆効果
の面があり得ることも否定できない。近年誘拐事件の多
発が大きな社会問題となっているが、通常の場合、誘拐
事件は加害者から被害者宅に電話等で脅迫要求がなされ
て初めてその事件性が察知される。警察は被害者の家族
等からの通報によって事件を知り、電話機に逆探知機を
設置する等して捜査を開始するが、被害者の家族が被害
者の人命救助を第一に考える結果として警察への通報が
行われず或いは遅れることが多いため、迅速な捜査・救
助を期し難い面がある。このような問題点を解決するた
め、本出願人は、先に特開昭64−66581号公報に
記載のように、非常時に非常信号を携帯用の送信機から
発信し、警備対象地域内の全ての位置からの前記非常信
号を受信し得るよう複数設置された無指向性アンテナに
よって前記非常信号を受信しこれによって前記非常信号
の発信位置の概略範囲を確定し、しかる後、二またはそ
れ以上の指向性アンテナを回転させてそれらの電界強度
が最大となる方向を検出し、これをコンピュータによっ
て分析し三角測量法の原理を応用して前記非常信号の発
信位置を特定する非常信号の発信及び受信を通じて行う
警備方法を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報記載の非常信号の発信及び受信を通じて行う警備方法
は、警備対象者が複数存在する場合、各警備対象者が同
時に送信機の送信スイッチを押すと、複数箇所に発信位
置が存在するので、回転アンテナによる最大受信感度方
向から三角測量法の原理を応用して割り出す検知方法に
おいては、前記送信機の発信位置が特定できない場合が
あるという問題点があった。本発明はかかる事情に鑑み
てなされたもので、同一周波数の電波を発信する送信機
である信号発信機を持っている者が多数存在しても、特
定の者の非常信号を選択的に発射させて、混信を生じな
いようにした電波による非常信号を利用した警備方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の電波による非常信号を利用した警備方法は、非常
時に個別の識別符号を含む特定周波数の電波による非常
信号を送信する携帯型の信号発信機と、少なくとも前記
信号発信機からの非常信号の回転探査を行う指向性アン
テナを備える複数の受信局と、該それぞれの受信局と信
号の授受を行う基地局とを有し、前記信号発信機からの
非常信号を各受信局の前記指向性アンテナで受信し、そ
の位置及び測定した角度から三角測量法の原理を利用し
て前記信号発信機の送信位置を検索し、該送信位置を基
地局に備えたデイスプレイにその近傍の地図情報と共に
表示する電波による非常信号を利用した警備方法におい
て、前記信号発信機内に他の信号発信機からの非常信号
を受信する受信部を備え、他の信号発信機からの非常信
号を受信した場合には、該信号発信機の同一周波数によ
る非常信号の送信を停止させるようにして構成されてい
る。請求項2記載の電波による非常信号を利用した警備
方法は、請求項1記載の方法において、各受信局には3
以上の単一指向性アンテナが方向を変えてそれぞれ設け
られ、信号発信機から発射される非常信号をまず前記単
一指向性アンテナによって受信して、その情報を基地局
に伝え、該基地局によって受信強度の強い少なくとも2
以上の受信局を選択し、該選択された受信局の回転する
指向性アンテナによって送信位置の探査が行われるよう
にして構成されている。請求項3記載の電波による非常
信号を利用した警備方法は、請求項1記載の方法におい
て、各受信局の回転する指向性アンテナには、所定距離
を有して同一方向を向いて配列された少なくとも2本の
単一指向性アンテナが用いられ、該単一指向性アンテナ
の和信号が最大受信感度となる受信角度の近傍角度にあ
る前記単一指向性アンテナの差信号の最小受信感度の角
度を検出角度とするようにして構成されている。なお、
以上の発明において、受信局の一つを基地局とする場合
も含まれる。
【0005】
【作用】請求項1〜3記載の電波による非常信号を利用
した警備方法は、信号発信機内に他の信号発信機からの
非常信号を受信する受信機を備え、他の信号発信機から
の非常信号を受信した場合には、該信号発信機の同一周
波数による非常信号の送信を停止させるようにしている
ので、同一の受信範囲にある複数の信号発信機から電波
が同時に発射されることがなく、従って、混信すること
がない。特に、請求項2記載の電波による非常信号を利
用した警備方法においては、各受信局に3以上の単一指
向性アンテナが方向を変えて配置されているので、任意
の方向から発射される非常電波を特定の単一指向性アン
テナが受信し、直ちにその概略方向を確認し、これを複
数の受信局について行うので、これによって非常信号の
発信位置の概略範囲を直ちに確定することができる。そ
して、請求項3記載の電波による非常信号を利用した警
備方法においては、所定方向を向いて平行に配置された
複数の単一指向性アンテナ(例えば、八木アンテナ)の
和信号の最大値によって、概略方向を決定し、次に差信
号の最小値よって、詳細位置を決定するようにしてい
る。これによって、雑音等によって生じる測定誤差を補
正でき、より正確な発信位置の決定を行うことができ
る。
【0006】
【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図1は本発明の一実施例に係る電波による
非常信号を利用した警備方法を適用した警備システムの
概略構成図、図2は信号発信機の概略構成図、図3は同
信号発信機のフロー図、図4は各受信局の概略構成図、
図5はアンテナの各方位における受信感度を示すグラ
フ、図6は他の実施例に係るアンテナの信号入力方法を
示す概略ブロック図、図7は信号発信機から発信される
信号の波形図、図8は基地局の概略構成図、図9〜図1
1はフロー図である。
【0007】図1に示すように、本発明の一実施例に係
る電波による非常信号を利用した警備方法を適用した、
警備システムは、所定数の信号発信機10と、固定アン
テナである4本の単一指向性アンテナ11〜14(図1
には符号は一部のみを示す)及び回転する単一指向性ア
ンテナの一例である八木アンテナ15を備え前記信号発
信機10の非常信号を受信する受信局16と、該受信局
16と信号の授受を行う基地局(センター局)17とを
有する。
【0008】前記信号発信機10は、図2に示すように
100〜1000MHz帯の内の一周波数のFM波の非
常信号を発する送信部18と、同一周波数のFM波を受
信する受信機からなる受信部19と、これらをコントロ
ールする中央演算処理装置(CPU)20と、該中央演
算処理装置20に接続される識別符号発生部21と、前
記送信部18及び受信部19に切替えスイッチ22を介
して接続される無指向性のアンテナ23と、電池を電源
とする電源部24とを有して構成される。前記送信部1
8は通常のFM信号発信機からなって、図7に示すよう
に前記識別符号発生部21によって発生したデジタル符
号化された個体識別コード(ID信号)を、音変調して
繰り返し(5〜20回程度、実施例においては13回)
送信できるようになっている。なお、この実施例におい
ては、最初の3秒間だけ個体識別コードを送信し、後は
無変調波となっているが、全期間を通じて個体識別コー
ドを流すことも可能である。
【0009】前記受信部19は、通常のスーパヘテロダ
イン式のFM受信機からなって、前記送信周波数と同一
のFM電波を受信できるようになっており、該受信部1
9が所定周波数の電波を受信した場合には、前記送信部
18の作動を止めることができるようになっている。な
お、前記中央演算処理装置20には図示しないROMが
取付けられ、該信号発信機10の全体的工程を司るプロ
グラムが書き込まれている。以上の構成となっている信
号発信機10のフローを図3を参照しながら説明する
と、まず電源をオンし(ステップ1a)、送信スイッチ
(PTTSW)25を押すと送信スイッチが0.5秒以
上連続的に押されているか否かを判断して(ステップ1
b)、押されている場合には、受信部19を起動する
(ステップ1c)。そして、アンテナ23を通じて受信
する電波の電界強度がしきい値(スケル値)より小さい
ことを確認して(ステップ1d)、不感状態を1秒間設
けた後、送信部18を作動させて、受信部19を停止す
る。この時に通常は受信側になっている切替えスイッチ
22も同時に作動させて、アンテナ23を送信部18に
接続する(ステップ1f)。
【0010】次に、該信号発信機10特有の個体識別コ
ード(IDコード)を識別コード発生部21から読み出
し(ステップ1g)、所定間隔の音信号に変換(120
0bps)して、副搬送波を用いたMSK変調方式(マ
ーク周波数1200Hz、スペース周波数1800H
z)によって変調した電波を送信部18から送信する
が、この個体識別コード信号の送信は、電波の発射開始
と共に3秒間繰り返し送信する(ステップ1h)。そし
て、該個体識別コード信号を3回(場合によっては4〜
13回)繰り返して発射したことを確認して(ステップ
1i)、個体識別コード信号の送信を停止(ステップ1
j)し、送信電波(キャリア)を全体で180秒間(他
の所定時間でも良い)送信したことを確認して送信を終
了し(ステップ1k)、以上の工程を繰り返して非常電
波の送信を行う。
【0011】なお、この実施例においては、送信部18
の停止は同一周波数の電波を受信部19が受信し、その
受信感度が一定以上の場合には、送信部18を停止する
ようにしたが、各信号発信機に共通の識別コードと個別
の識別コードを備え、共通の識別コードを送信部が一定
の時間間隔で送信し、他の信号発信機から送信された共
通の識別コードを受信することによって送信部を止める
ようにすることも可能であり、これによって妨害電波か
らの影響を減少することができる。また、信号発信機に
内蔵のマイクを取付け、該マイクによって外部の音を送
信する(必要によっては副変調して)ようにすることも
可能であり、これによって、現場の状況を音で把握する
こともできる。更には、前記受信部に、該信号発信機特
有の識別コード信号を受信した場合には、前記送信部が
作動するような、回路を設けることも可能であり、これ
によって、外部から該信号発信機を作動させることもで
き、これによって外部から該信号発信機の位置を確認す
ることができる。また、送信周波数を2周波数用意し、
受信部によって両方の受信を行い、片側を使用している
場合には、他方の送信周波数を選択利用して、該信号発
信機を作動させるようにすることも可能であり、これに
よって、更に信号発信機の使用範囲を広げることができ
る。
【0012】そして、前記受信部19が他の非常信号を
受信して、送信部18をロックしている場合には、更に
送信スイッチ25を押すことによって、前記工程を通し
て非常信号の送信を行うが、状況によっては再度送信ス
イッチ25を押せない場合も生ずる。そこで、一回送信
スイッチ25を押しても、送信部18が作動できない場
合には、図示しないタイマーを設けて例えば20〜18
0秒毎に送信スイッチ25を自動的に作動させ、必ず非
常信号を発することができるようにするのが好ましい。
なお、図2において、26は動作表示灯を、27は動作
を音信号によって知らせるスピーカを示すが、双方ある
いは何れか一方を省略することも可能である。
【0013】一方、受信局16の概要を図1、図4に示
すが、図に示すように各受信局16は、全周360を4
分割した方向に向いた単一指向性アンテナ11〜14
と、回転する八木アンテナ15と、アンテナ切替え装置
28〜32と、主受信機33と、これらを制御するコン
ピュータ34とを有して構成されている。前記単一指向
性アンテナ11〜14はこの実施例においては3素子の
八木アンテナが使用され、前記回転する八木アンテナ1
5には指向性の強い10〜20素子(実施例において1
2素子)の八木アンテナ(以下、右アンテナ、左アンテ
ナという)が2本同一方向を向いて所定間隔で平行に配
置されている。前記単一指向性アンテナ11〜14にそ
れぞれ接続されるアンテナ切替え装置28〜31は励磁
コイルを備えるリレー構造の2極のスイッチからなっ
て、それぞれコンピュータ34によって制御されるトラ
ンジスタ35〜38によってオンオフされるようになっ
ている。
【0014】一方、前記回転式の八木アンテナ15に接
続されるアンテナ切替え装置32は、内部に適当数のリ
レー構造の切替えスイッチを有し、左右のアンテナの出
力をオフする場合(オフポジション)と、左右のアンテ
ナの和信号を出力する場合(和ポジション)と、左右の
アンテナの差信号を出力する場合(差ポジション)とを
前記コンピュータからの指示によって切替えられるよう
になっている。そして、前記回転式アンテナ15の下部
にはローテーター39が設けられ、該八木アンテナ15
を駆動するモータ及び該八木アンテナの回転角度を検出
するロータリーエンコーダーを備え、コンピュータ34
によって駆動信号を与えられるローテーターコントロー
ラ40によって回転制御されると共に、該八木アンテナ
15の回転角度を検知し、コンピュータ34に伝えるよ
うになっている。なお、前記八木アンテナ15の回転駆
動源として、パルスモータを使用することによって、前
記ロータリエンコーダを省略することも可能である。
【0015】前記コンピュータ34は通常のパソコンか
らなって、基地局17のホストコンピュータ41と専用
回線によって連携し、各受信局16の前記各単一指向性
アンテナ11〜14のアンテナ別電界強度(即ち受信強
度)、そのアンテナの識別コード及び受信した電波の個
体識別コードを電送し、ホストコンピュータ41の指示
によって前記八木アンテナ15を使用して必要な回転探
索を行うようになっている。なお、図4における42a
はモデムを示す。前記主受信機33は、通常のFM受信
機からなって、前記単一指向性アンテナ11〜14及び
回転する八木アンテナ15によって受信する非常信号の
特定周波数電波を、順次受信し、その受信レベルをAD
変換して、前記コンピュータ34に順次伝達するように
なっていると共に、電波信号によって送られる個体識別
コードを解読して、前記コンピュータ34に送るように
なっている。
【0016】以上の工程を、更に詳しく説明すると、そ
れぞれの受信局16においては、コンピュータ34の指
示によって4本の単一指向性アンテナ11〜14をアン
テナ切替え装置28〜31を順次スキャンして、それぞ
れのアンテナによる受信信号レベルを主受信機33によ
って計測し、その信号をデジタル信号に変換してコンピ
ュータ34内に取り込むと同時に、前記単一指向性アン
テナから送信電波に含まれる個体識別コードを受信し
て、これを前記コンピュータ34に入力する。コンピュ
ータ34は、得られた情報をモデム42及び電話回線を
通じてホストコンピュータ41に連絡し、これらの動作
は各受信局16がそれぞれ行うので、基地局17は各受
信局16の単一指向性アンテナ11〜14のアンテナ識
別コードと、該アンテナによって受信された信号の強度
と、発信した信号発信機10が備える個体識別コードと
の情報を得ることになる。ここで、該基地局17のホス
トコンピュータ41は、各受信局16の単一指向性アン
テナ11〜14のそれぞれのアンテナ識別コードと、受
信した信号の強度と、受信した個体識別コードとを情報
として、非常通信を発した信号発信機10の概略位置を
推定し、2または3以上の受信局16を選定して、八木
アンテナ15による回転探査を行うように、対応する受
信局16のコンピュータ34に回線を通じて指示する。
これによって、所定の受信局16が八木アンテナ15を
使用した回転探査を行う。
【0017】なお、他の方法として、前記受信局16の
単一指向性アンテナ11〜14をスキャンして、各アン
テナ11〜14が受信した信号の内、最大受信信号をそ
の受信局の識別コードと共に、ホストコンピュータ41
に連絡し、ホストコンピュータ41は、強い信号を受信
した上位2または3以上の受信局を指定して、回転探査
を行わせるようにすることも可能である。この場合、単
一指向性アンテナ11〜14の代わりに、通常の利得率
の高い無指向性アンテナ(例えば、2段あるいは3段以
上のGP、多段コーリニアアンテナ等)を使用すること
も可能であり、この場合はアンテナの出力値と、アンテ
ナの識別コード(即ち、受信局識別コード)とをホスト
コンピュータ41に連絡することになる。
【0018】次に、ホストコンピュータ41の指示によ
って強い信号を受信した受信局16が回転探査を行うの
であるが、この様子を図4、図5を参照しながら説明す
ると、八木アンテナ15による回転探索は、まず、コン
ピュータ34の指示によってアンテナ切替え装置28〜
31をオフにした状態で、アンテナ切替え装置32をま
ず左右のアンテナが和信号を発する位置(即ち、和ポジ
ション)に接続し、次にローテーターコントローラ40
を制御して、その角度を検出しながら徐々に一回転さ
せ、この和信号を主受信機33で受信してAD変換し、
八木アンテナ15の回転角度と共にコンピュータ34に
入力している。これによる出力を円グラフのpに示して
いる。ところが、一般に電波には雑音を含むので、アン
テナ出力の和信号を取ると、その雑音によって誤差を生
じる。そこで、本実施例においては、和信号を検出した
後、コンピュータ34の指示によってアンテナ切替え装
置32を差信号になるように切替え、ローテーターコン
トローラ40を制御して逆回転させて、二本平行に配置
されたアンテナの差信号を主受信機33が受信し、その
出力をAD変換して、八木アンテナ15の回転角度と共
にコンピュータ34に入力するようにしている。なお、
この差信号の出力状態を図5のqに示す。この差信号に
は雑音も相殺されるので、比較的正確な角度を示すこと
になるが、差信号の極小値は種々存在するので、前記最
大和信号の角度(θ1 度)を中心として±5度の中にあ
る最小差信号の角度(θ2 度)を使用する。
【0019】以上の方法においては、八木アンテナ15
を正転させた後、再度逆転あるいは更に正転させる必要
があり、時間がかかる。そこで、一回転させた時点でま
ず前記θ1 度を検出し、直ちに逆転させて(θ1 +5
度)の位置まで急速逆転させ、この後正規の作動をさせ
て差信号の測定を(θ1 −5度)の位置まで行い、更に
急速逆転させて待機の位置に戻すことも可能である。ま
た、図6に示すように、スタックの八木アンテナを構成
する右アンテナ42と左アンテナ43とにそれぞれ独立
に受信機44、45を接続し、そのそれぞれの出力値を
AD変換して、加減算器46によって加算出力(即ち、
和信号)と減算出力(即ち、差信号)を得、これを前記
コンピュータ34に、該八木アンテナ42の回転角度
(即ち、ロータリエンコーダの出力)をアンテナ角度検
出器47によって検出した出力値と共に入力して、メモ
リし、同時に和信号と差信号を得るようにすることも可
能であり、これによって一回転で全ての測定を行なえる
ことになる。
【0020】図8には基地局17の構成を示すが、図に
示すようにホストコンピュータ41にはモデム48を介
して所定数の受信局16(1〜n)のコンピュータ34
が接続され、更に該ホストコンピュータ41にはデイス
プレイ49、キーボード50、プリンタ51、補助記憶
装置52、地図情報を記載したCD・ROM53が連結
されている。そして、該ホストコンピュータ41のRO
Mには該システムのプログラムが格納されている。
【0021】図9〜図11は前記ホストコンピュータ4
1のROMに記載されているプログラムのフローを示
し、図9(A)は、各受信局16からのデータ受付のフ
ローを示す。前記信号発信機10が非常信号を送信した
場合、その非常信号を前記単一指向性アンテナ11〜1
4が受信し、この信号をコンピュータ34によって処理
した後、ホストコンピュータ41に回線を使用して電送
されるが、これらの情報を一旦バッファメモリに入れた
後、ホストコンピュータ41に入力する。ホストコンピ
ュータ41は入力があったことを確認して(ステップ2
a)、まず入力のあったアンテナの識別コードを確認し
(ステップ2b)、次に非常信号に含まれる個体識別コ
ードを確認した(ステップ2c)後、送信があったアン
テナの電界強度を読み込む(ステップ2d)。そして、
これらをメモリである中間ファイルに貯蔵する(ステッ
プ2e)。以上の工程を繰り返して、各受信局16から
の受信データ等を読み込み、データがなければデータ受
付作業を終了する(ステップ2f)。
【0022】次に、図9(B)示すフローによってアン
テナ別の電界強度を比較する。即ち、前記情報が記載さ
れた中間ファイルを呼出し(ステップ3a)、各アンテ
ナ毎によるデータをセットして(ステップ3b)、ファ
イルデータの有無を確認した後、ソートをかけて信号の
大きい順番に並べる(ステップ3d)。次に、同一受信
局の受信アンテナが重複して存在するので、同一受信局
で最も受信信号の大きい受信アンテナの分だけを選択し
(ステップ3e)、上位n番目(具体的には2番目また
は3番目)のアンテナを選択して(ステップ3f)、そ
の受信局16に回転する八木アンテナ15による回転探
査を指示する(ステップ3g)。一方、上位n番目より
下位にある受信局16に対しては、回転探査をしないよ
うに指示する(ステップ3h)。以上の操作によって、
特定の受信局16は前述したようにして回転する八木ア
ンテナ15によって回転探査を行い、電波発信の角度を
検出しこれを前記コンピュータ34を介して、ホストコ
ンピュータ41に伝える。ホストコンピュータ41は、
図10に示すように、これらの入力があれば(ステップ
4a)、入力のあった八木アンテナ15を確認し(ステ
ップ4b)、非常電波に含まれる個体識別コードを確認
した後(ステップ4c)、アンテナの受信強度(電界強
度)を読込み(ステップ4d)、受信方位角度等の計測
データーを読み込み(ステップ4e)、中間ファイルに
メモリする(ステップ4f)。以上の工程を繰り返し
て、各受信局16から入力されたデータを読み出し、デ
ータの無い場合には、終了する(ステップ4g)。な
お、以上の工程おいてステップ4cとステップ4dは、
省略することも可能である。
【0023】この後、図11に示すように、まず第1の
アンテナデータが記録された中間ファイルを呼び出し
(ステップ5a)、該八木アンテナ15の設置位置(緯
度、経度)及び発信信号の方位角度を読込み(ステップ
5b)、次に、第2のアンテナデータが記録された中間
ファイルを呼出し(ステップ5c)、該第2のアンテナ
の設置位置(緯度、経度)及び発信信号の方位角度を読
込む(ステップ5d)。そして、3角測量法の原理を応
用して、信号発信機10の位置を検索する。この式につ
いては、第1の受信局の位置を原点(0、0)に取り、
第2の受信局の位置を(b、0)とし、求める点(x、
y)として、三角形を描き求めた回転探索で求めた方位
から第1及び第2の受信局を頂角とする内角(α、β)
を求めると、次のように表現される。 x=btan β/( tan α+tan β) (1) y=(btan α・tan β) /(tan α+tan β) (2) 従って、以上の条件及び式を演算することによって、信
号発信機の位置(C点という)を確定することができる
(ステップ5e)。なお、これらの計算については、先
に本出願人が出願して公開された特開昭64−6658
1号公報に詳しく記載されているのでその詳しい説明を
省略する。
【0024】以上で計算されたC点の座標(経度及び緯
度)をワークファイルに記録する(ステップ5f)。な
お、更に回転探査を行う受信局を選択した場合には、再
度の処理を行って、その計算位置(C1 、C2 、・・)
をワークファイルに入力し、全てのデータについて前記
処理を行ったことを確認して(ステップ5g)、収録さ
れたデータ(C1 、C2 、・・)の平均値(Ca点)を
計算する(ステップ5h)。
【0025】以上の工程で、非常信号が発信された信号
発信機の位置が求められるので、CD・ROMからマッ
プファイルを呼出し(ステップ5i)、ユーザーレイヤ
ーに登録し(ステップ5j)、ログファイルに登録する
(ステップ5k)。そして、Ca点の座標のあるゾーン
を指定し(ステップ5l)、地図情報と共に画面表示を
行う(ステップ5m)。なお、この画面表示を行う場合
には、予め単一指向性アンテナ11〜14の何れかによ
って受信した信号から、登録された発信者の氏名、住
所、連絡先、電話番号、年令、性別、血液型、持病の個
人データを呼出し、これを同時に表示する。なお、前記
非常通信を受信すれば、個体識別コードは直ちに受信で
きるが、その位置を特定して、地図情報を発するまでに
は時間がかかるので、その間は発信した人の個人情報を
画面(デイスプレイ)に表示し、地図情報を表示した場
合には小枠を設けて、個人情報も併せて表示するのが好
ましい。
【0026】また、他の実施例方法として、それぞれの
受信局16の単一指向性アンテナ11〜14のアンテナ
識別コードと、受信感度とをホストコンピュータに伝
え、該ホストコンピュータで非常信号の概略位置を推定
した後、特定の受信局を指定し、回転する八木アンテナ
を高速で特定方向まで回転させ、その後通常の速度及び
方法(即ち、逆転を含む)で行って、発信方向を検出
し、基地局17のホストコンピュータに伝えることも可
能である。これによって迅速に八木アンテナによる回転
探査を行うことができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1〜3記載の電波による非常信号
を利用した警備方法は、以上の説明からも明らかなよう
に、信号発信機に複数の信号発信機が同時送信をするの
を防止する受信機を備え、複数の信号発信機が同時に電
波を発信することがないので、混信を生じることが無
い。従って、多数の信号発信機が存在しても確実に発信
位置を検知することができる。特に、請求項2記載の電
波による非常信号を利用した警備方法においては、各受
信局には3以上の単一指向性アンテナが方向を変えてそ
れぞれ固定状態で設けられ、信号発信機から発射される
非常信号をまず前記単一指向性アンテナによって受信し
て、その情報を基地局に伝えるようにしているので、微
弱な電波でも受信することができ、これによって警備範
囲を拡大することができる。また、場合にはよっては、
この単一指向性アンテナから予め概略の送信位置を確認
できるので、その場所を詳細に検索する回転する八木ア
ンテナを的確に指示できると共に、その角度に向かうま
での八木アンテナの回転を早めて、迅速に八木アンテナ
による回転探査を行うことができる。そして、請求項3
記載の電波による非常信号を利用した警備方法において
は、各受信局の回転するアンテナには、所定距離を有し
て同一方向を向いて配列された少なくとも2本の単一指
向性アンテナが用いられ、該単一指向性アンテナの和信
号が最大受信感度となる受信角度の近傍角度にある前記
単一指向性アンテナの差信号の最小受信感度の角度を検
出角度とするようにしているので、自然あるいは人工的
に発生する電波ノイズがあっても正確にその方位を検出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電波による非常信号を
利用した警備方法を適用した警備システムの概略構成図
である。
【図2】信号発信機の概略構成図である。
【図3】同信号発信機のフロー図である。
【図4】各受信局の概略構成図である。
【図5】アンテナの各方位における受信感度を示すグラ
フである。
【図6】他の実施例に係るアンテナの信号入力方法を示
す概略ブロック図である。
【図7】信号発信機から発信される信号の波形図であ
る。
【図8】基地局の概略構成図である。
【図9】ホストコンピュータに格納されたプログラムの
フロー図である。
【図10】ホストコンピュータに格納されたプログラム
のフロー図である。
【図11】ホストコンピュータに格納されたプログラム
のフロー図である。
【符号の説明】 10 信号発信機 11 単一指向性アンテナ 12 単一指向性アンテナ 13 単一指向性アンテナ 14 単一指向性アンテナ 15 回転する八木アンテナ 16 受信局 17 基地局 18 送信部 19 受信部 20 中央演算処理装置 21 識別符号発生部 22 切り換えスイッチ 23 無指向性アンテナ 24 電源部 25 送信スイッチ 26 動作表示灯 27 スピーカ 28 アンテナ切替え装置 29 アンテナ切替え装置 30 アンテナ切替え装置 31 アンテナ切替え装置 32 アンテナ切替え装置 33 主受信機 34 コンピュータ 35 トランジスタ 36 トランジスタ 37 トランジスタ 38 トランジスタ 39 ローテーター 40 ローテーターコントローラ 41 ホストコンピュータ 42 右アンテナ 43 左アンテナ 44 受信機 45 受信機 46 加減算器 47 アンテナ角度検出器 48 モデム 49 デイスプレイ 50 キーボード 51 プリンタ 52 補助記憶装置 53 CD・ROM

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非常時に個別の識別符号を含む特定周波
    数の電波による非常信号を送信する携帯型の信号発信機
    と、少なくとも前記信号発信機からの非常信号の回転探
    査を行う指向性アンテナを備える複数の受信局と、該そ
    れぞれの受信局と信号の授受を行う基地局とを有し、前
    記信号発信機からの非常信号を各受信局の前記指向性ア
    ンテナで受信し、その位置及び測定した角度から三角測
    量法の原理を利用して前記信号発信機の送信位置を検索
    し、該送信位置を基地局に備えたデイスプレイにその近
    傍の地図情報と共に表示する電波による非常信号を利用
    した警備方法において、 前記信号発信機内に他の信号発信機からの非常信号を受
    信する受信部を備え、他の信号発信機からの非常信号を
    受信した場合には、該信号発信機の同一周波数による非
    常信号の送信を停止させるようにしたことを特徴とする
    電波による非常信号を利用した警備方法。
  2. 【請求項2】 各受信局には3以上の単一指向性アンテ
    ナが方向を変えてそれぞれ固定状態で設けられ、信号発
    信機から発射される非常信号をまず前記単一指向性アン
    テナによって受信して、その情報を基地局に伝え、該基
    地局によって受信強度の強い少なくとも2以上の受信局
    を選択し、該選択された受信局の回転する指向性アンテ
    ナによって送信位置の探査が行われる請求項1記載の電
    波による非常信号を利用した警備方法。
  3. 【請求項3】 各受信局の回転する指向性アンテナに
    は、所定距離を有して同一方向を向いて配列された少な
    くとも2本の単一指向性アンテナが用いられ、該単一指
    向性アンテナの和信号が最大受信感度となる受信角度の
    近傍角度にある前記単一指向性アンテナの差信号の最小
    受信感度の角度を検出角度とする請求項1記載の電波に
    よる非常信号を利用した警備方法。
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JPH081459B2 (ja) 1996-01-10
TW208080B (en) 1993-06-21
TW231349B (ja) 1994-10-01

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