JP5966577B2 - 温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法 - Google Patents

温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5966577B2
JP5966577B2 JP2012106459A JP2012106459A JP5966577B2 JP 5966577 B2 JP5966577 B2 JP 5966577B2 JP 2012106459 A JP2012106459 A JP 2012106459A JP 2012106459 A JP2012106459 A JP 2012106459A JP 5966577 B2 JP5966577 B2 JP 5966577B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
order
circuit
signal
order component
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012106459A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013236199A (ja
JP2013236199A5 (ja
Inventor
厚 清原
厚 清原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012106459A priority Critical patent/JP5966577B2/ja
Publication of JP2013236199A publication Critical patent/JP2013236199A/ja
Publication of JP2013236199A5 publication Critical patent/JP2013236199A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5966577B2 publication Critical patent/JP5966577B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)

Description

本発明は、温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法等に関する。
特許文献1には、0次〜n次信号発生回路が、近似的な0次〜n次関数の信号をそれぞれ発生し、0次〜n次成分ゲイン調整回路が、0次〜n次関数の信号のゲイン調整をそれぞれ行い、加算回路が、ゲイン調整された0次〜n次関数の信号を加算して温度補償用電圧を出力し、その温度補償用電圧により、水晶発振回路の発振周波数がもつ温度特性を補償する技術が開示されている。
国際公開WO2004/025824号公報
しかしながら上記の手法では、信号発生回路及びゲイン調整回路が次数毎に独立に構成されている。そのため、温度補償の精度を上げるためには、高次(例えば4次以上)の信号発生回路及びゲイン調整回路の数を増やしていく必要があり、高次の温度補償が複雑になるという課題がある。
本発明の幾つかの態様によれば、簡素な構成で高次の温度補償を行うことが可能な温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法等を提供できる。
本発明の一態様は、温度センサーからの検出信号に基づいて、温度に対する1次関数を近似する信号である1次成分信号を出力する1次成分発生回路と、前記検出信号に基づいて、前記温度に対する3次関数を近似する信号である3次成分信号を出力する3次成分発生回路と、前記検出信号に基づいて、前記温度に対する高次関数を近似する信号である高次成分信号を出力する高次成分発生回路と、前記1次成分信号のゲイン調整を行い、ゲイン調整後の前記1次成分信号を1次出力信号として出力する1次成分ゲイン調整回路と、前記3次成分信号のゲイン調整を行い、ゲイン調整後の前記3次成分信号を3次出力信号として出力する3次成分ゲイン調整回路と、前記高次成分信号のゲイン調整を行い、ゲイン調整後の前記高次成分信号を高次出力信号として出力する高次成分ゲイン調整回路と、前記1次出力信号と前記3次出力信号と前記高次出力信号とを加算し、加算により得られた電圧を温度補償用電圧として出力する加算回路と、を含み、前記高次成分発生回路は、3次関数よりも高次のi次関数(iは4以上の自然数)と、前記i次関数よりも高次のj次関数(jはj>iの自然数)と、が少なくとも合成された合成関数を近似する信号を、前記高次成分信号として出力する温度補償回路に関係する。
本発明の一態様によれば、3次関数よりも高次のi次関数と、i次関数よりも高次のj次関数と、が少なくとも合成された合成関数の信号が、高次成分信号として出力される。そして、ゲイン調整された1次成分信号と、ゲイン調整された3次成分信号と、ゲイン調整された高次成分信号と、が加算されて温度補償用電圧として出力される。これにより、簡素な構成で高次の温度補償を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記高次成分発生回路は、前記i次関数と、前記j次関数と、1次以上3次以下の関数であるm次関数(mは1≦m≦3の自然数)と、が少なくとも合成された前記合成関数を近似する信号を、前記高次成分信号として出力してもよい。
また本発明の一態様では、前記高次成分発生回路は、前記i次関数と、前記j次関数と、前記j次関数よりも高次のk次関数(kはk>jの自然数)と、が少なくとも合成された前記合成関数を近似する信号を、前記高次成分信号として出力してもよい。
これら本発明の一態様によれば、温度補償対象デバイスの温度特性の高次成分が、i次関数及びj次関数のみでは高精度に補償できない場合であっても、高次成分信号に対して更にm次関数又はk次関数を合成することで、高次成分の補償精度を向上できる。
また本発明の一態様では、前記高次成分発生回路は、前記1次成分ゲイン調整回路によりゲイン調整された前記1次成分信号と、前記3次成分ゲイン回路によりゲイン調整された前記3次成分信号とにより温度補償対象デバイスの温度特性を補償した場合の残留成分を近似する関数の信号を、前記高次成分信号として出力してもよい。
このようにすれば、ゲイン調整された1次成分信号及びゲイン調整された3次成分信号により温度補償対象デバイスの温度特性を補償した場合の残留成分を、高次成分信号により補償することができる。これにより、1つの高次成分信号により残留成分を高精度に補償することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、が記憶された記憶部を含んでもよい。
このようにすれば、1次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、3次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、高次成分ゲイン調整回路のゲイン値を記憶部に書き込むことで、温度補償用電圧の特性を調整することができる。
また本発明の一態様では、前記加算回路は、前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値をA1とし、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値をA3とし、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値をAhとし、温度をTとし、基準温度をT0とし、αi、αjを所定の係数とし、f(T−T0)を温度Tの関数とする場合に、VCOMP=Ah(αi(T−T0)+αj(T−T0)+f(T−T0))+A3(T−T0)+A1(T−T0)+A0を近似する前記温度補償用電圧を出力してもよい。
このようにすれば、i次関数とj次関数とが少なくとも合成された合成関数を近似する高次成分信号と、3次関数を近似する3次成分信号と、1次関数を近似する1次成分信号と、0次成分信号とが加算された温度補償用電圧VCOMPを出力することができる。
また本発明の一態様では、mを1≦m≦3の自然数とし、αmを所定の係数とする場合に、f(T−T0)=αm(T−T0)であってもよい。
また本発明の一態様では、kをk>j>i≧4の自然数とし、αkを所定の係数とする場合に、f(T−T0)=αk(T−T0)であってもよい。
これら本発明の一態様によれば、i次関数とj次関数と1次以上3次以下のm次関数とが合成された合成関数を近似する信号を、高次成分信号として出力できる。あるいは、i次関数とj次関数と4次以上でi次及びj次以外のk次成分信号とが合成された合成関数を近似する信号を、高次成分信号として出力できる。
また本発明の一態様では、前記加算回路は、前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値をA1とし、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値をA3とし、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値をAhとし、温度をTとし、基準温度をT0とし、αi、αjを所定の係数とし、前記温度補償用電圧をVCOMPとする場合に、VCOMP=Ah(αi(T−T0)+αj(T−T0))+A3(T−T0)+A1(T−T0)+A0を出力してもよい。
このようにすれば、i次関数とj次関数とが合成された合成関数を近似する高次成分信号と、3次関数を近似する3次成分信号と、1次関数を近似する1次成分信号と、0次成分信号とが加算された温度補償用電圧VCOMPを出力することができる。
また本発明の一態様では、前記i次関数及び前記j次関数のうち一方が奇数次関数であり、他方が偶数次関数である場合に、前記高次成分発生回路は、前記奇数次関数を近似する信号である奇数次成分信号を出力する奇数次成分発生回路と、前記偶数次関数を近似する信号である偶数次成分信号を出力する偶数次成分発生回路と、を有し、前記高次成分発生回路は、前記奇数次成分信号と前記偶数次成分信号とが加算された信号を、前記高次成分信号として出力してもよい。
このようにすれば、奇数次関数と偶数次関数の合成関数を近似する信号を、高次成分信号として出力することができる。このように奇数次関数と偶数次関数を合成することで、高次成分の調整自由度を向上することができ、温度特性の高次成分に対する補償精度を向上できる。
また本発明の一態様では、前記奇数次成分発生回路は、前記温度センサーからの前記検出信号に基づく検出電圧が入力される第1トランジスターと、所定電圧が入力される第2トランジスターとを有し、前記第1トランジスター及び前記第2トランジスターにより差動動作を行う第1差動回路と、前記第1差動回路の出力電圧が入力される第3トランジスターと、前記検出電圧が入力される第4トランジスターとを有し、前記第3トランジスター及び前記第4トランジスターにより差動動作を行い、前記奇数次成分信号を出力する第2差動回路と、を有してもよい。
このようにすれば、第1差動回路の差動動作により、温度センサーからの検出信号に基づいて出力電圧が出力され、第2差動回路の差動動作により、第1差動回路の出力電圧に基づいて奇数次成分信号が出力される。このようにして、温度センサーからの検出信号に基づいて奇数次成分信号を生成することができる。
また本発明の一態様では、前記偶数次成分発生回路は、前記温度センサーからの前記検出信号に基づく検出電圧が入力される第5トランジスターと、所定電圧が入力される第6トランジスターとを有し、前記第5トランジスター及び前記第6トランジスターにより差動動作を行う第3差動回路と、前記第3差動回路の出力電圧が入力される第7トランジスターと、前記検出電圧が入力される第8トランジスターとを有し、前記第7トランジスター及び第8トランジスターにより差動動作を行う第4差動回路と、前記第7トランジスターの出力電流と、前記第8トランジスターの出力電流とを加算した電流に基づいて、前記偶数次成分信号を出力する出力回路と、を有してもよい。
このようにすれば、第3差動回路の差動動作により、温度センサーからの検出信号に基づいて出力電圧が出力され、第4差動回路の差動動作により、第3差動回路の出力電圧に基づいて差動出力電流が出力され、出力回路により、第4差動回路の差動出力電流に基づいて偶数次成分信号が出力される。このようにして、温度センサーからの検出信号に基づいて偶数次成分信号を生成することができる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載された温度補償回路と、前記温度補償用電圧により、発振周波数の温度特性が補償される発振回路と、を含む回路装置に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記に記載された回路装置を含む電子機器に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載された温度補償回路が出力する前記温度補償用電圧を調整する調整方法であって、前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値とを調整して、温度補償対象デバイスの温度特性を補償し、前記補償された温度特性を、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値を調整して補償し、前記調整された前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値とを、前記温度補償回路が有する記憶部に記憶させる調整方法に関係する。
このようにすれば、1次成分信号及び3次成分信号により温度補償対象デバイスの温度特性を補償し、その補償後の残留成分を、高次成分信号により補償することができる。これにより、温度特性の高次成分を高次成分信号のゲイン値を調整するだけで、簡素に補償することができる。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載された温度補償回路が出力する前記温度補償用電圧を調整する調整方法であって、前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値とを調整して、温度補償対象デバイスの温度特性を補償し、前記調整された前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値と、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値とを、前記温度補償回路が有する記憶部に記憶させてもよい。
このようにすれば、1次成分信号のゲイン値、3次成分信号のゲイン値、高次成分信号のゲイン値を一度に調整することができるため、温度補償用電圧の調整フローを更に簡素化することが可能になる。
本実施形態の温度補償回路の構成例。 水晶振動子の発振周波数が有する温度特性の例。 温度特性を1次成分及び3次成分を補償した後の高次の残留成分の例。 温度補償用電圧の調整フローの例。 温度センサーの詳細な構成例。 温度センサーの出力電圧特性の例。 温度センサーの出力電圧特性の例。 高次成分発生回路の詳細な構成例。 奇数次成分発生回路の詳細な構成例。 制御電圧の特性例。 制御電圧についての説明図。 図12(A)は制御電圧の特性例。図12(B)は、奇数次成分電流の特性例。 奇数次成分電圧の特性例。 偶数次成分発生回路の詳細な構成例。 偶数次成分発生回路の動作説明図。 偶数次成分発生回路の動作説明図。 偶数次成分発生回路の動作説明図。 偶数次成分電流の特性例。 偶数次成分電圧の特性例。 発振回路の構成例。 本実施形態の回路装置の構成例。 本実施形態の電子機器の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
なお、以下では温度補償対象デバイスが水晶振動子である場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されず、温度補償対象デバイスは、その発振周波数の温度特性を電圧により補償できるデバイスであればよい。例えば温度補償対象デバイスは圧電振動子であってもよい。
1.温度補償回路
図1に、本実施形態の温度補償回路の構成例を示す。図1の温度補償回路は、温度センサー10、基準温度調整回路15(T0調整回路)、0次成分発生回路20、1次成分発生回路30、3次成分発生回路40、高次成分発生回路50、1次成分ゲイン調整回路60、3次成分ゲイン調整回路70、高次成分ゲイン調整回路80、記憶部90、加算回路100を含む。
温度センサー10は、温度の検出結果を温度検出電圧VT(広義には検出信号)として出力する。基準温度調整回路15は、温度補償用電圧VCOMPの基準温度T0を調整する回路であり、例えば温度検出電圧VTの基準電圧を調整することで基準温度T0を調整する。温度補償用電圧VCOMPの1次成分、3次成分、高次成分は、それぞれ基準温度T0を中心に対称であり、基準温度調整回路15は、その対称の中心を調整する。温度センサー10、基準温度調整回路15の詳細については図5等で後述する。
0次成分発生回路20は、水晶振動子(広義には温度補償対象デバイス)の発振周波数がもつ温度特性の0次成分を近似する0次成分電圧VS0(広義には0次成分信号)を出力する。例えば抵抗分割回路など、DC電圧を出力する回路で構成される。
1次成分発生回路30は、水晶振動子の発振周波数がもつ温度特性の1次成分を近似する1次成分電流IS1(広義には1次成分信号)を出力する。即ち、Tを温度とすると、IS1は、(T−T0)に比例又は反比例する関数を近似する電流である。1次成分発生回路30は、例えば正転増幅アンプ等により構成できる。1次成分ゲイン調整回路60は、記憶部90に記憶されたゲイン値A1に基づいて、1次成分電流IS1のゲイン調整を行い、1次成分電圧VS1=A1×IS1(広義には1次出力信号)を出力する。なお、1次成分発生回路30及び1次成分ゲイン調整回路60は、ゲイン調整可能な一体のアンプ回路(例えば正転増幅アンプ)として構成されてもよい。
3次成分発生回路40は、水晶振動子の発振周波数がもつ温度特性の3次成分を近似する3次成分電流IS3(広義には3次成分信号)を出力する。即ち、IS3は、(T−T0)に比例又は反比例する関数を近似する電流である。3次成分ゲイン調整回路70は、記憶部90に記憶されたゲイン値A3に基づいて、3次成分電流IS3のゲイン調整を行い、3次成分電圧VS3=A3×IS3(広義には3次出力信号)を出力する。
高次成分発生回路50は、水晶振動子の発振周波数がもつ温度特性の、4次以上の成分である高次成分を近似する高次成分電流ISh(広義には高次成分信号)を出力する。即ち、IShは高次関数g(T−T0)を近似する電流である。iをi≧4の自然数、jをj>iの自然数とすると、g(T−T0)は、i次関数(T−T0)に比例又は反比例する関数、及びj次関数(T−T0)に比例又は反比例する関数を少なくとも合成した合成関数である。高次成分ゲイン調整回路80は、記憶部90に記憶されたゲイン値Ahに基づいて、高次成分電流IShのゲイン調整を行い、高次成分電圧VSh=Ah×ISh(広義には高次出力信号)を出力する。高次成分発生回路50、高次成分ゲイン調整回路80の詳細については図8等で後述する。
加算回路100は、0次成分電圧VS0、1次成分電圧VS1、3次成分電圧VS3、高次成分電圧VShを加算し、温度補償用電圧VCOMPを出力する。VCOMPは、例えば図20で後述する発振回路の可変容量キャパシターC1に入力され、VCOMPによりC1の容量が調整されることで水晶振動子XTALの発振周波数が温度補償される。VS0=A0とすると、温度補償用電圧VCOMPは下式(1)を近似する電圧である。
VCOMP=Ah×g(T−T0)+
A3(T−T0)+A1(T−T0)+A0 (1)
記憶部90には、例えば温度補償型水晶発振器(TCXO: Temperature Compensated crystal(X) Oscillator)の製造工程で調整された、ゲイン値A0、A1、A3、Ah及び基準温度T0が格納されている。記憶部90は、例えば不揮発性メモリー(例えばEEPROM)により構成される。
なお、図1の構成例では、1次成分信号として電流IS1が出力され、3次成分信号として電流IS3が出力され、高次成分信号として電流IShが出力される場合を例に説明したが、本実施形態はこれに限定されない。即ち、1次成分信号、3次成分信号、高次成分信号として電圧が出力されるように構成してもよい。
さて、図2に、水晶振動子の発振周波数がもつ温度特性の一例を示す。この温度特性の変動範囲を、温度補償により、例えば±0.5ppm(parts per million)の範囲に収めたいとする。図3に示すように、0次成分、1次成分、3次成分のゲイン値A0、A1、A3を調整し、基準温度T0付近(例えばT0=25度の付近0度〜50度)の温度特性を補償したとする。この場合、B1、B2に示すように、補償したい温度範囲(例えば−30度〜80度)の端では、発振周波数の変動が±0.5ppmを超えてしまう。このような±0.5ppmを超えた部分については、4次以上の高次成分により補償する必要があり、補償精度を上げるほどより高次の補償が必要となる。
従来の温度補償回路では、高次の次数を増やして補償精度を上げるためには、高次の補償回路を多数用意する必要があった。例えば、温度調整回路が、4次成分発生回路、4次成分ゲイン調整回路、5次成分発生回路、5次成分ゲイン調整回路を含み、水晶振動子と発振回路装置(IC)を組み立て製造するときに、4次成分ゲイン値と5次成分ゲイン値を調整する必要があった。この例では、高次の補償回路として4ブロックの回路が必要であり、製造時のパラメーター調整も2つのパラメーターを調整する必要がある。この回路ブロック数やパラメーター数は、補償精度を上げるほど多くなり、回路構成や調整手法が複雑化するという課題がある。
この点、本実施形態によれば、高次成分発生回路50と高次成分ゲイン調整回路80の2つの回路ブロックにより高次成分電圧VShを発生し、1つのゲイン値Ahを調整することで、温度特性がもつ4次以上の高次成分を補償することができる。これにより、高次補償回路の回路構成や調整手法を簡素化でき、高次の次数を増やして補償精度を上げる場合であっても、回路構成や調整手法の複雑化を避けることができる。
具体的には、図2で説明した温度特性は、同一製品の水晶振動子ではおおよそ同一の特性であり、図3で説明した高次の残留成分についても、同一製品の水晶振動子ではおおよそ同一の特性となる。そのため、温度補償回路の設計段階において、高次成分電圧VShの特性を、高次の残留成分の特性に合わせて設計しておくことができ、製造時の調整段階において1つのゲイン値Ahだけで高次成分を補償することが可能となる。
本実施形態において高次成分を補償する高次成分電圧VShは、上式(1)のAh×g(T−T0)である。合成関数g(T−T0)は、例えば下式(2)を近似する関数である。iはi≧4の自然数であり、jはj>iの自然数である。αi、αjは、高次関数の形状を決める所定の係数であり、高次成分発生回路50の設計パラメーター(例えば、後述する図9のトランジスターTR1〜TR4のサイズ、バイアス電流IB1、IB2の電流値など)によって決まる。
g(T−T0)=αi(T−T0)+αj(T−T0) (2)
上式(2)では、図3に示すような高次の残留成分を2つの高次関数により近似し、その近似高次関数の電圧VShを発生することができる。例えば、i次関数αi(T−T0)及びj次関数αj(T−T0)のうち一方は奇数次関数であり、他方は偶数次関数である。奇数次関数は基準温度T0を中心に点対称な関数(例えば図13)であり、偶数次関数は基準温度T0を中心に線対称な関数(例えば図19)である。そのため、奇数次関数と偶数次関数を合成することで、奇数次同士又は偶数次同士を合成した場合よりも関数の形状を調整する自由度が大きくなり、補償精度を向上できる。
なお、合成関数g(T−T0)は、下式(3)の関数であってもよい。関数f(T−T0)は、i次及びj次以外の次数をもつ関数で構成されており、3次以下の関数を含んでもよいし、4次以上の高次関数を含んでもよい。
g(T−T0)=αi(T−T0)+αj(T−T0)+f(T−T0) (3)
例えば、mを1≦m≦3の自然数とし、αmを所定の係数とする場合に、関数f(T−T0)は下式(4)の関数である。
f(T−T0)=αm(T−T0) (4)
あるいは、関数f(T−T0)は下式(5)の関数であってもよいし、下式(6)の関数であってもよい。kはk>j>i≧4の自然数であり、αkは所定の係数である。
f(T−T0)=αk(T−T0) (5)
f(T−T0)=αm(T−T0)+αk(T−T0) (6)
水晶振動子の温度特性から0次、1次、3次の成分を除いた高次の成分は、i次とj次の2つの関数のみで完全に近似できるとは限らない。特に、より高精度な補償が必要となった場合、i次とj次の2つの関数のみでは補償できない可能性がある。この点、上式(4)〜(6)によれば、高次成分がi次とj次の2つの関数だけのときよりも複雑な高次成分を出力できるため、水晶振動子の温度特性に対するフィッティング精度を向上でき、より高精度な温度補償が可能になる。基本的には、1次、3次の成分については1次成分電圧VS1と3次成分電圧VS3により補償するが、1次成分電圧VS1と3次成分電圧VS3で補償した後の残留成分を補償するのが高次成分電圧VShである。この残留成分は、主にi次及びj次ではあるが、更にk次成分やm次成分を高次成分電圧VShに追加し、補償の精度を上げることで、高次の補償を残留成分に近づけることができる。このようにk次成分やm次成分などの次数を増やしたとしても、ゲイン調整は高次成分電圧VShに対する1つで良いため、高次の各次数を個別にゲイン調整する場合よりも回路規模の増大を抑制できる。高次成分電圧VShのゲイン調整が1つであるため、高次成分の調整自由度は、高次の各次数を個別にゲイン調整する場合よりも小さくなる。しかしながら、高次の残留成分は水晶振動子の製品固有の温度特性に依存するため、同一製品の各個体の温度特性は相似となり、高次成分を1つのゲインで調整しても十分に高精度な補償が可能となる。
2.温度補償用電圧VCOMPの調整方法
図4に、本実施形態において温度補償用電圧VCOMPを調整する方法のフローチャートを示す。例えば、この調整フローは、水晶振動子と発振回路IC(広義には回路装置)をパッケージングする組み立て工程において実行される。
図4に示すように、調整フローを開始すると、温度槽の温度を測定ポイントに順次設定し、水晶振動子単体の周波数温度特性を取得する(ステップS1)。ステップS1では、測定ポイントは例えば5ポイント等とし、ラフな温度特性を取得する。次に、水晶振動子と、本実施形態の温度補償回路が組み込まれた発振回路ICとを一体にパッケージし、温度補償型水晶発振器TCXOに組み立てる(ステップS2)。
次に、ステップS1で取得した温度特性を1次関数及び3次関数で近似し、1次成分のゲイン値A1と、3次成分のゲイン値A3と、基準温度T0(図5の電圧VAT0)とを求める(ステップS3)。ステップS3では、温度範囲の中心部分(基準温度T0の周辺)で、最小二乗法による誤差が小さくなるようにA1、A3、T0を決定する。次に、求めたゲイン値A1、A3と、基準温度T0とを記憶部90に書き込む。
次に、温度槽の温度を測定ポイントに順次設定し、TCXOの温度特性を測定する(ステップS5)。ここで測定される温度特性は、図3で説明したように、温度特性の1次成分と3次成分が補正された後の高次の残留成分である。次に、ステップS5で取得した温度特性を高次関数で近似し、高次成分のゲイン値Ahを求める(ステップS6)。ステップS6では、最小二乗法により、残留成分と高次関数の誤差が小さくなるようにAhを決定する。次に、求めたゲイン値Ahを記憶部90に書き込む(ステップS7)。
次に、0次成分電圧A0(VS0)を調整し、決定したA0を記憶部90に書き込む(ステップS8)。A0は、TCXOの発振周波数の絶対値を調整するパラメーターであり、仕様で決められた発振周波数となるようにA0を決定する。
図4の調整フローでは、まず、ゲイン値A1、A3及び基準温度T0を調整することにより温度特性の1次成分及び3次成分を補償し、次に、その残留成分である高次成分を、ゲイン値Ahを調整することにより補償する。これにより、温度特性から1次成分及び3次成分を除いた残留成分を、簡素な手法で、即ち1つのゲイン値Ahを調整するだけで、補償することができる。
なお、本実施形態の調整フローは図4の調整フローに限定されない。例えば、ゲイン値A1、A3、Ah及び基準温度T0を1回の近似計算で求めてもよい。この場合、TCXOの温度特性を、温度補償されていない状態で測定し、その測定された温度特性に対して最小二乗法によりA1、A3、Ah、T0を決定すればよい。このようにすれば、更に簡素な調整フローでパラメーターを決定できる。
3.温度センサー
次に、図1で説明した温度調整回路の詳細な構成について説明する。まず、図5に、温度センサー10の詳細な構成例を示す。
図5に示すように、温度センサー10は、一端に定電圧VRTが供給される抵抗素子RTと、抵抗素子RTの他端にコレクター端子が接続されるバイポーラトランジスターTRT1と、バイポーラトランジスターTRT1のエミッター端子にコレクター端子が接続されるバイポーラトランジスターTRT2と、を含む。
バイポーラトランジスターTRT1、TRT2は、それぞれダイオード接続されており、バイポーラトランジスターTRT1のコレクター端子に接続されるノードに、温度特性をもつ電圧VTSQが出力される。電圧VTSQの温度特性は、バイポーラトランジスターTRT1、TRT2のベース−エミッター間電圧の温度依存性によって生じる。図6に示すように、電圧VTSQは、負の勾配をもつ1次の温度特性を有している。
図5の温度センサー10は、正極入力端子に電圧VTSQが入力される演算増幅器OPAと、基準温度T0を調整する電圧VAT0が一端に供給され、他端が演算増幅器OPAの負極入力端子に接続される抵抗素子RA1と、一端が演算増幅器OPAの負極入力端子に接続され、他端が演算増幅器OPAの出力端子に接続される抵抗素子RA2と、を含む。
演算増幅器OPA及び抵抗素子RA1、RA2は、電圧VAT0を基準として電圧VTSQを正転増幅する増幅アンプを構成しており、温度検出電圧VT=VAT0+(1+RA2/RA1)(VTSQ−VAT0)を出力する。図7に示すように、基準電圧VAT0を例えばVAT0a、VAT0bに調整することにより、基準温度T0をT0aやT0bに調整することができる。基準電圧VAT0を出力する基準温度調整回路15は、例えば、電源電圧VDDとグランド電圧VSSの間を抵抗分割する抵抗分割回路により構成できる。この場合、VAT0を出力する分割タップを、記憶部90に記憶された基準温度T0に基づいてスイッチングすることにより、基準温度T0が調整される。
4.高次成分発生回路
図8に、図1の高次成分発生回路50と高次成分ゲイン調整回路80の詳細な構成例を示す。
高次成分発生回路50は、出力ノードNIhに接続されるi次成分発生回路51と、ノードNIhに接続されるj次成分発生回路52と、を含む(i,jは、j>i≧4の自然数)。なお、高次成分発生回路50は、ノードNIhに接続されるm次成分発生回路や、ノードNIhに接続されるk次成分発生回路を更に含んでもよい(mは1≦m≦3の自然数、kはk≧4、k≠i,jの自然数)。
i次成分発生回路51は、i次関数αi(T−T0)を近似するi次成分電流ISiを出力し、j次成分発生回路52は、j次関数αj(T−T0)を近似するj次成分電流ISjを出力する。ノードNIhには、これらの電流ISi、ISjが加算された高次成分電流ISh=ISi+ISjが出力され、その高次成分電流IShが高次成分ゲイン調整回路80に入力される。
高次成分ゲイン調整回路80は、負極入力端子がノードNIhに接続され、正極入力端子に図示しない電圧供給回路からの定電圧VRhが供給される演算増幅器OPhと、一端がノードNIhに接続され、他端が出力ノードNVhに接続される可変抵抗素子Rhと、を含む。
高次成分ゲイン調整回路80は、定電圧VRhを基準電圧として高次成分電流IShを電流電圧変換(IV変換)し、高次成分電圧VSh=VRh−Rh×IShを出力する。電流電圧変換のゲイン値はRhであり、このゲイン値Rhが高次成分ゲイン値Ahに対応している。例えば、可変抵抗素子Rhは、直列接続された複数の分割抵抗で構成されており、演算増幅器OPhの負極入力端子に接続される分割タップを、記憶部90に記憶されたゲイン値Ahに基づいて選択し、ゲイン値Rhを設定する。
なお、1次成分ゲイン調整回路60、3次成分ゲイン調整回路70は、上記の高次成分ゲイン調整回路80と同様の構成により実現できるので、図示及び説明を省略する。
5.奇数次成分発生回路
図9に、奇数次成分発生回路の詳細な構成例を示す。この構成例は、3次以上の奇数次の成分信号を発生する発生回路に適用できる。即ち、図1の3次成分発生回路40や、図8のi,j次成分発生回路51、52が奇数次成分発生回路である場合や、m次成分発生回路が3次成分発生回路である場合や、k次成分発生回路が奇数次成分発生回路である場合に適用できる。
図9に示すように、奇数次成分発生回路は、温度検出電圧VTを制御電圧VMKに変換する第1の差動回路DF1と、制御電圧VMKを奇数次成分電流ISK(広義には奇数次成分信号)に変換する第2の差動回路DF2と、を含む。
第1の差動回路DF1は、図示しない電圧供給回路からの定電圧VR1が一端に供給される抵抗素子R11と、抵抗素子R11の他端にコレクター端子が接続されるバイポーラトランジスターTR1(第1トランジスター)と、バイポーラトランジスターTR1のエミッター端子に一端が接続される抵抗素子R12と、を含む。また、第1の差動回路DF1は、一端に定電圧VR1が供給される抵抗素子R21と、抵抗素子R21の他端にコレクター端子が接続されるバイポーラトランジスターTR2(第2トランジスター)と、バイポーラトランジスターTR2のエミッター端子に一端が接続される抵抗素子R22と、を含む。また、第1の差動回路DF1は、抵抗素子R12の他端及び抵抗素子R22の他端に接続される電流バイアス回路IB1を含む。
抵抗素子R11、R21の抵抗値は同一であり、抵抗素子R12、R22の抵抗値は同一であり、バイポーラトランジスターTR1、TR2のサイズは同一である。バイポーラトランジスターTR1のベース端子には、温度検出電圧VTが入力され、バイポーラトランジスターTR2のベース端子には、図示しない電圧供給回路からの所定電圧VR2が入力される。所定電圧VR2は、基準温度T0における温度検出電圧VTと同一の電圧である。これらのバイポーラトランジスターTR1、TR2は、温度検出電圧VTの変化に伴って差動動作を行う。
具体的には、バイポーラトランジスターTR1、TR2のコレクター電流をIC1、IC2とし、温度をTとすると、T<T0の温度領域ではVT>VR2となるので、IC1>IC2となる。この温度領域では、図10に示すように、温度Tが下がるほど電圧VMKが上昇し、電圧VR1に漸近していく。一方、T>T0の温度領域ではVT<VR2となるので、IC1<IC2となる。この温度領域では、図10に示すように、温度Tが上がるほど電圧VMKが下降し、電圧VXに漸近していく。電圧VXは、抵抗素子R21、R22の抵抗比で決まる電圧である。図10の例では、VR2=(VR1+VX)/2である。
図11に示すように、基準温度T0(例えば室温)において電圧VMKの傾きと温度検出電圧VTの傾きが同一(ほぼ同一を含む)となるように、バイポーラトランジスターTR1、TR2のサイズや電流バイアス回路IB1の電流値を設定する。このようにすれば、図12(B)で後述するように、基準温度T0付近(例えば室温付近)で奇数次成分電流ISKが変化しなくなるため、奇数次関数(又は図14において偶数次関数)を近似する電流ISKを生成することができる。
図9の第2の差動回路DF2は、ソース端子が定電圧VR3(例えば電源電圧VDD)のノードに接続されるP型のCMOSトランジスターCM1と、CMOSトランジスターCM1のドレイン端子にコレクター端子が接続されるバイポーラトランジスターTR3(第3トランジスター)と、バイポーラトランジスターTR3のエミッター端子に一端が接続される抵抗素子R3と、を含む。また、第2の差動回路DF2は、ソース端子が定電圧VR3のノードに接続されるP型のCMOSトランジスターCM2と、CMOSトランジスターCM2のドレイン端子にコレクター端子が接続されるバイポーラトランジスターTR4(第4トランジスター)と、バイポーラトランジスターTR4のエミッター端子に一端が接続される抵抗素子R4と、を含む。また、第2の差動回路DF2は、抵抗素子R3の他端及び抵抗素子R3の他端に接続される電流バイアス回路IB2を含む。
CMOSトランジスターCM1、CM2のサイズは同一であり、カレントミラー回路を構成している。即ち、CM1、CM2のドレイン電流は等しくなる。CM2のドレイン電流は、バイポーラトランジスターTR4のコレクター電流IC4と等しいので、CM1のドレイン電流はID1=IC4である。また、抵抗素子R3、R4の抵抗値は同一であり、バイポーラトランジスターTR3、TR4のサイズは同一である。バイポーラトランジスターTR3のベース端子には制御電圧VMKが入力され、バイポーラトランジスターTR4のベース端子には温度検出電圧VTが入力される。これらのバイポーラトランジスターTR3、TR4は、制御電圧VMK及び温度検出電圧VTの変化に伴って差動動作を行い、TR3のコレクター端子に接続されるノードから奇数次成分電流ISKが出力される。
TR3、TR4の差動動作について、図12(A)に示す制御電圧VMKa及び図12(B)に示す奇数次成分電流ISKaを例にとって説明する。図11で説明したように、基準温度T0付近ではVMKa=VTである。そのため、図9に示すように、バイポーラトランジスターTR3、TR4のコレクター電流をIC3、IC4とすると、VMKa=VTである温度範囲ではIC3=IC4となる。CMOSトランジスターCM1のドレイン電流はID1=IC4であるため、ISKa=ID1−IC3=IC4−IC3=0となる。即ち、図12(B)に示すように、VMKa=VTである温度範囲をTLKa<T<THKaとすると、この温度範囲ではISKa=0である。
T<TLKaの温度範囲ではVMKa<VTであるため、IC3<IC4となり、ISKa=IC4−IC3>0となる。図12(B)に示すように、T<TLKaの温度範囲では温度Tが下がるほどISKaは大きくなり、ISKaは負の傾きを有している。一方、T>TLKaの温度範囲では、VMKa>VTであるため、IC3>IC4となり、ISKa=IC4−IC3<0となる。図12(B)に示すように、T>TLKaの温度範囲では温度Tが上がるほどISKaは大きくなり、ISKaは負の傾きを有している。
奇数次関数の次数は、図12(A)に示すように、電圧範囲(VR1−VX)を調整することで決定され、電圧範囲(VR1−VX)が小さいほど次数が小さくなる。例えば、図12(A)に示す制御電圧VMKa〜VMKcの電圧範囲は、(VR1a−VXa)>(VR1b−VXb)>(VR1c−VXc)である。図12(B)に示すように、奇数次成分電流がISKa〜ISKc=0となる温度範囲は、制御電圧VMKa〜VMKcの電圧範囲に応じて、(THKa−TLKa)>(THKb−TLKb)>(THKc−TLKc)である。ISK=0である温度範囲(THK−TLK)が広いほど高次数の関数を近似しており、例えばISKa、ISKb、ISKcは、7次、5次、3次成分電流である。
図13に、奇数次成分電流ISKを、図8で説明した高次成分ゲイン調整回路80により電流電圧変換した場合の、奇数次成分電圧VSKの特性例を示す。図8で説明したように、奇数次成分電圧は、VSK=VRh−Rh×ISKとなる。これは反転増幅であるため、図13に示すVSKの傾きと、図12(B)に示すISKの傾きは、符号が反転されている。このようにして、基準温度T0を含む温度範囲TLK<T0<THKにおいて一定の電圧であり、温度範囲T<TLK、THK<Tにおいて正の傾きをもつ奇数次成分電圧VSKを得ることができる。
なお、本実施形態はこれに限定されず、温度範囲T<TLK、THK<Tにおいて負の傾きをもつ奇数次成分電圧VSKが得られるように奇数次成分発生回路やゲイン調整回路を構成してもよい。
6.偶数次成分発生回路
図14に、偶数次成分発生回路の詳細な構成例を示す。この構成例は、2次以上の偶数次の成分信号を発生する発生回路に適用できる。即ち、図8のi,j次成分発生回路51、52が偶数次成分発生回路である場合や、m次成分発生回路が2次成分発生回路である場合や、k次成分発生回路が偶数次成分発生回路である場合に適用できる。
図14に示すように、偶数次成分発生回路は、温度検出電圧VTを制御電圧VMGに変換する第3の差動回路DF3と、制御電圧VMGを差動電流IC7、IC8に変換する第4の差動回路DF4と、差動電流IC7、IC8に基づいて偶数次成分電流ISG(広義には偶数次成分信号)を出力する出力回路ISQと、を含む。
第3の差動回路DF3は、抵抗素子R51、R52、バイポーラトランジスターTR5(第5トランジスター)、抵抗素子R61、R62、バイポーラトランジスターTR6(第6トランジスター)、電流バイアス回路IB3を含む。第3の差動回路DF3は、図9で説明した第1の差動回路DF1と同様の構成及び動作であるため、説明を省略する。
なお本実施形態では、3次成分発生回路40、i次成分発生回路51、j次成分発生回路52、m次成分発生回路、k次成分発生回路に対して、それぞれ差動回路DF1(又はDF3)を設けてもよいし、共通の1つの差動回路DF1を設けてもよい。
第4の差動回路DF4は、P型のCMOSトランジスターCM3、抵抗素子R7、バイポーラトランジスターTR7(第7トランジスター)、P型のCMOSトランジスターCM4、抵抗素子R8、バイポーラトランジスターTR8(第8トランジスター)、電流バイアス回路IB4を含む。第4の差動回路DF4は、図9で説明した第2の差動回路DF2と同様の構成及び動作であるため、説明を省略する。
出力回路ISQは、ソース端子が定電圧VR3(例えば電源電圧VDD)のノードに接続されるP型のCMOSトランジスターCM5〜CM7を含む。また、出力回路ISQは、コレクター端子がCMOSトランジスターCM6、CM7のドレイン端子に接続されるバイポーラトランジスターTR9と、グランド電圧VSSのノードに一端が接続され、他端がバイポーラトランジスターTR9のエミッター端子に接続される抵抗素子R9と、グランド電圧VSSのノードに一端が接続される抵抗素子R10と、エミッター端子が抵抗素子R10の他端に接続されるバイポーラトランジスターTR10と、を含む。また、出力回路ISQは、CMOSトランジスターCM6のドレイン端子及びCMOSトランジスターCM7のドレイン端子に接続される電流バイアス回路IB5を含む。
CMOSトランジスターCM5のドレイン端子は、バイポーラトランジスターTR7のコレクター端子のノードに接続され、CMOSトランジスターCM5、CM6はカレントミラー回路を構成している。CM5のドレイン電流IH’は、図9の電流ISKと比較するとIH’=−ISKなので、図12(B)から、T<T0の温度範囲においてIH’≦0である。IH’≦0の場合はミラーされないので、T<T0の温度範囲では、CM6のドレイン電流はIHa=0である。一方、T>T0の温度範囲ではIH’=−ISK≧0なので、CM5、CM6のサイズが同一である場合を例にとると、IHa=−ISKとなる。以上より、IHaは図16に示すような特性となる。
一方、CMOSトランジスターCM7は、CMOSトランジスターCM4とカレントミラー回路を構成している。即ち、CM4、CM7のサイズが同一である場合を例にとると、CM7のドレイン電流ILaはCM4のドレイン電流IC8と同一(ILa=IC8)である。IC8+IC7=IB4、IC8=IC7−IH’、IH’=−ISKより、ILa=IC8=IB4×0.5−ISK×0.5となり、ILaは図15に示すような特性となる。電流バイアス回路IB5は、バイアス電流IB5=IB4×0.5を発生するので、ILa−IB5=ISK×0.5となり、ILa−IB5は図16に示すような特性となる。
以上より、T<T0の温度範囲ではIHa=0、ILa−IB5=ISK×0.5なので、ISG’=IHa+(ILa−IB5)=ISK×0.5となる。T>T0の温度範囲ではIHa=−ISK、ILa−IB5=ISK×0.5なので、ISG’=−ISK×0.5となる。即ち、図17に示すように、電流ISG’は、温度T0に対して線対称な電流となる。バイポーラトランジスターTR9、TR10のサイズが同一である場合を例にとると、ISG=ISG’であり、基準温度T0に対して線対称な偶数次成分信号ISGを得ることができる。
偶数次関数の次数は、奇数次関数と同様に、制御信号VMGの電圧範囲(VR1−VX)を調整することで決定され、電圧範囲(VR1−VX)が小さいほど次数が小さくなる。即ち、図18に示すように、偶数次成分電流がISGa〜ISGc=0となる温度範囲は、図12(A)に示す制御電圧VMKa〜VMKc(VMGa〜VMGc)の電圧範囲に応じて、(THGa−TLGa)>(THGb−TLGb)>(THGc−TLGc)である。ISG=0である温度範囲(THG−TLG)が広いほど高次数の関数を近似しており、例えばISGa、ISGb、ISGcは、6次、4次、2次成分電流である。
図19に、偶数次成分電流ISGを、図8で説明した高次成分ゲイン調整回路80により電流電圧変換した場合の、偶数次成分電圧VSGの特性例を示す。図8で説明したように、偶数次成分電圧は、VSG=VRh+Rh×ISG(ISGとIShは電流の向きの定義が逆)となる。これは正転増幅であるため、図18に示すVSGの傾きと、図18に示すISGの傾きは、符号が同一である。このようにして、基準温度T0を含む温度範囲TLG<T0<THGにおいて一定の電圧であり、温度範囲T<TLGにおいて負の傾きをもち、THG<Tにおいて正の傾きをもつ偶数次成分電圧VSGを得ることができる。
なお、本実施形態はこれに限定されず、温度範囲T<TLGにおいて正の傾きをもち、THG<Tにおいて負の傾きをもつ偶数次成分電圧VSGが得られるように偶数次成分発生回路やゲイン調整回路を構成してもよい。
7.発振回路
図20に、本実施形態の温度補償回路を適用できる発振回路の構成例を示す。
図20の発振回路は、エミッター端子がグランド電圧VSSのノードに接続されるバイポーラトランジスターTRXと、一端がバイポーラトランジスターTRXのベース端子に接続され、他端がバイポーラトランジスターTRXのコレクター端子に接続される抵抗素子RXと、バイポーラトランジスターTRXのコレクター端子にバイアス電流を供給する電流バイアス回路IBXと、を含む。また、発振回路は、一端がバイポーラトランジスターTRXのコレクター端子に接続されるキャパシターC3と、一端がキャパシターC3の他端に接続され、他端がバイポーラトランジスターTRXのベース端子に接続される水晶振動子XTALと、を含む。また、発振回路は、一端が水晶振動子XTALの一端に接続され、他端がグランド電圧VSSのノードに接続される可変容量キャパシターC1と、一端が水晶振動子XTALの他端に接続され、他端がグランド電圧VSSのノードに接続されるキャパシターC2と、を含む。
バイポーラトランジスターTRXには、水晶振動子XTALの発振により生じたベース−エミッター間電流が流れる。ベース−エミッター間電流が増加すると、コレクター−エミッター間電流が増加し、電流バイアス回路IBXから抵抗素子RXに分岐するバイアス電流が減少するので、コレクター電圧Vcが低下する。一方、ベース−エミッター間電流が減少すると、コレクター−エミッター間電流が減少し、電流バイアス回路IBXから抵抗素子RXに分岐するバイアス電流が増加するので、コレクター電圧Vcが上昇する。コレクター電圧VcはキャパシターC3を介して水晶振動子XTALにフィードバックされるので、水晶振動子XTALが発振する。
水晶振動子XTALの発振周波数は温度特性(例えば図2の温度特性)をもっており、その温度特性は、温度補償回路が発生した温度補償用電圧VCOMPにより補償される。即ち、温度補償用電圧VCOMPは可変容量キャパシターC1に入力され、その温度補償用電圧VCOMPにより可変容量キャパシターC1の容量値が制御される。可変容量キャパシターC1の容量値が変化すると発振ループの共振周波数が変化するので、水晶振動子XTALの温度特性による発振周波数の変動が補償される。可変容量キャパシターC1は、例えば可変容量ダイオード(バラクター)により構成される。
なお、本実施形態の発振回路は図20の構成に限定されず、種々の発振回路を採用することが可能である。また、図20ではC1を可変容量キャパシターとする場合を例に説明したが、本実施形態はこれに限定されず、C2又はC3を、VCOMPで制御される可変容量キャパシターとしてもよい。また、C1〜C3のうち複数を、VCOMPで制御される可変容量キャパシターとしてもよい。
8.回路装置
図21に、本実施形態の温度補償回路を適用できる回路装置の構成例を示す。
図21の発振回路装置は、発振回路110、バッファー回路120、制御回路130、メモリー140(記憶部)、温度補償電圧発生回路150(温度補償回路)を含む。なお回路装置の構成は図1の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
発振回路110は、振動子XTAL(圧電振動子、水晶振動子)に接続される。具体的には第1、第2の振動子用端子TX1、TX2(振動子用パッド)を介して振動子XTALに接続される。発振回路110は、電圧を印加することで固有振動を起こす振動子XTALを一定の周波数で発振させるための回路である。この発振回路110は、端子TX1が入力ノードに接続され、端子TX2が出力ノードに接続される増幅回路などにより実現できる。
バッファー回路120は、発振回路110からの発振信号SSCをバッファリングする回路である。即ち外部の負荷を十分に駆動できるように信号のバッファリングを行う。バッファー回路120により、バッファリングされた信号は、出力信号SQとして出力端子TQを介して外部に出力される。
制御回路130は、発振回路110、バッファー回路120、メモリー140、温度補償電圧発生回路150の制御を行う。また外部とのインターフェース処理なども行う。この制御回路130は、例えばスタンダードセルやゲートアレイ等のロジック回路により実現される。
メモリー140は、回路装置の動作に必要な各種の情報を記憶する。例えば温度補償電圧発生回路150が温度補償処理を行うために必要な情報(ゲイン値A0、A1、A3、Ah、基準温度T0)等を記憶する。この情報は、電源端子TVD、TVS、出力端子TQ、振動子用端子TX1、TX2、及び制御回路130を介して外部から書き込まれる。
温度補償電圧発生回路150は、TCXOを実現するための温度補償用電圧を発生して、発振回路110に出力する。これにより発振周波数の温度補償が実現される。
9.電子機器
図22に本実施形態の回路装置を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器は、本実施形態の回路装置500、水晶振動子等の振動子XTAL、アンテナANT、通信部510、処理部520を含む。また操作部530、表示部540、メモリー550(記憶部)を含むことができる。なおこれらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図22の電子機器としては、例えば携帯型情報端末(携帯電話、スマートフォーン)、生体計測機器(脈拍計、歩数計等)、映像機器(デジタルカメラ、ビデオカメラ)などの種々の機器を想定できる。
通信部510(無線回路)は、アンテナANTを介して外部からデータを受信したり、外部にデータを送信する処理を行う。処理部520は、電子機器の制御処理や、通信部510を介して送受信されるデータの種々のデジタル処理などを行う。この処理部520の機能は、例えばマイクロコンピューターなどのプロセッサーにより実現される。
操作部530は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタンやタッチパネルディスプレイをなどにより実現できる。表示部540は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。なお操作部530としてタッチパネルディスプレイを用いる場合には、このタッチパネルディスプレイが表示部540の機能を兼ねることになる。記憶部550は、データを記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどの半導体メモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また温度補償回路、回路装置、電子機器等の構成・動作や、温度補償用電圧の調整方法等も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 温度センサー、15 基準温度調整回路、20 0次成分発生回路、
30 1次成分発生回路、40 3次成分発生回路、50 高次成分発生回路、
51 i次成分発生回路、52 j次成分発生回路、60 1次成分ゲイン調整回路、
70 3次成分ゲイン調整回路、80 高次成分ゲイン調整回路、90 記憶部、
100 加算回路、110 発振回路、120 バッファー回路、130 制御回路、
140 メモリー、150 温度補償電圧発生回路、500 回路装置、
510 通信部、520 処理部、530 操作部、540 表示部、
550 メモリー、
A0,A1,A3,Ah ゲイン値、ANT アンテナ、
C1 可変容量キャパシター、C2,C3 キャパシター、
CM1〜CM7 CMOSトランジスター、DF1〜DF4 第1〜第4の差動回路、
IB1〜IB4,IBX 電流バイアス回路、IS1 1次成分電流、
IS3 3次成分電流、ISG 偶数次成分電流、ISh 高次成分電流、
ISi i次成分電流、ISj j次成分電流、ISK 奇数次成分電流、
ISQ 出力回路、OPA,OPh 演算増幅器、R10 抵抗素子、
R11,R12,R21,R22,R3,R4 抵抗素子、
R51,R52,R61,R62,R7,R8 抵抗素子、
RA1,RA2 抵抗素子、Rh 可変抵抗素子、RT,RX 抵抗素子、
SQ 出力信号、SSC 発振信号、T 温度、T0 基準温度、TQ 出力端子、
TR1〜TR8 バイポーラトランジスター(第1〜第8トランジスター)、
TR9,TR10 バイポーラトランジスター、
TRT1,TRT2,TRX バイポーラトランジスター、
TVD,TVS 電源端子、TX1 振動子用端子、VAT0 基準電圧、
Vc コレクター電圧、VCOMP 温度補償用電圧、VDD 電源電圧、
VMG,VMK 制御電圧、VR1,VR3,VRh,VRT 定電圧、
VR2 所定電圧、VS0 0次成分電圧、VS1 1次成分電圧、
VS3 3次成分電圧、VSG 偶数次成分電圧、VSh 高次成分電圧、
VSK 奇数次成分電圧、VSS グランド電圧、VT 温度検出電圧、
XTAL 水晶振動子

Claims (15)

  1. 温度センサーからの検出信号に基づいて、温度に対して1次関数で近似された1次成分信号を出力する1次成分発生回路と、
    前記検出信号に基づいて、前記温度に対して3次関数で近似された3次成分信号を出力する3次成分発生回路と、
    前記検出信号に基づいて、前記温度に対して高次関数で近似された高次成分信号を出力する高次成分発生回路と、
    前記1次成分信号が入力され、前記1次成分信号のゲインを調整して1次出力信号を出力する1次成分ゲイン調整回路と、
    前記3次成分信号が入力され、前記3次成分信号のゲインを調整して3次出力信号を出力する3次成分ゲイン調整回路と、
    前記高次成分信号が入力され、前記高次成分信号のゲインを調整して高次出力信号を出力する高次成分ゲイン調整回路と、
    前記1次出力信号と前記3次出力信号と前記高次出力信号とを加算して温度補償用電圧として出力する加算回路と、
    を含み、
    前記高次成分発生回路は、
    3次関数よりも高次のi次関数(iは4以上の自然数)で近似された信号と、前記i次関数よりも高次のj次関数(jはj>iの自然数)で近似された信号と、が少なくとも合成された信号を、前記高次成分信号として出力し、
    前記温度補償電圧をVCOMPとし、
    前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値をA1とし、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値をA3とし、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値をAhとし、温度をTとし、基準温度をT0とし、αi、αjを所定の係数とし、f(T−T0)を温度Tの関数として、
    VCOMP=Ah×(αi×(T−T0) +αj×(T−T0)
    f(T−T0))+A3×(T−T0) +A1×(T−T0)+A0
    の関係を満足することを特徴とする温度補償回路。
  2. 請求項1において、
    前記高次成分発生回路は、
    前記i次関数と、前記j次関数と、1次以上3次以下の関数であるm次関数(mは1≦m≦3の自然数)とで近似された信号が合成された信号を、前記高次成分信号として出力することを特徴とする温度補償回路。
  3. 請求項1において、
    前記高次成分発生回路は、
    前記i次関数と、前記j次関数と、前記j次関数よりも高次のk次関数(kはk>jの自然数)とで近似された信号が合成された信号を、前記高次成分信号として出力することを特徴とする温度補償回路。
  4. 請求項において、
    mを1≦m≦3の自然数とし、αmを所定の係数として、
    f(T−T0)=αm×(T−T0)
    であることを特徴とする温度補償回路。
  5. 請求項において、
    kをk>j>i≧4の自然数とし、αkを所定の係数として、
    f(T−T0)=αk×(T−T0)
    であることを特徴とする温度補償回路。
  6. 温度センサーからの検出信号に基づいて、温度に対して1次関数で近似された1次成分信号を出力する1次成分発生回路と、
    前記検出信号に基づいて、前記温度に対して3次関数で近似された3次成分信号を出力する3次成分発生回路と、
    前記検出信号に基づいて、前記温度に対して高次関数で近似された高次成分信号を出力する高次成分発生回路と、
    前記1次成分信号が入力され、前記1次成分信号のゲインを調整して1次出力信号を出力する1次成分ゲイン調整回路と、
    前記3次成分信号が入力され、前記3次成分信号のゲインを調整して3次出力信号を出力する3次成分ゲイン調整回路と、
    前記高次成分信号が入力され、前記高次成分信号のゲインを調整して高次出力信号を出力する高次成分ゲイン調整回路と、
    前記1次出力信号と前記3次出力信号と前記高次出力信号とを加算して温度補償用電圧として出力する加算回路と、
    を含み、
    前記高次成分発生回路は、
    3次関数よりも高次のi次関数(iは4以上の自然数)で近似された信号と、前記i次関数よりも高次のj次関数(jはj>iの自然数)で近似された信号と、が少なくとも合成された信号を、前記高次成分信号として出力し、
    前記温度補償電圧をVCOMPとし、
    前記1次成分ゲイン調整回路のゲイン値をA1とし、前記3次成分ゲイン調整回路のゲイン値をA3とし、前記高次成分ゲイン調整回路のゲイン値をAhとし、温度をTとし、基準温度をT0とし、αi、αjを所定の係数として、
    VCOMP=Ah×(αi×(T−T0) +αj×(T−T0) )+
    A3×(T−T0) +A1×(T−T0)+A0
    の関係を満足することを特徴とする温度補償回路。
  7. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記高次成分信号は、
    前記1次成分信号と前記3次成分信号とにより温度補償対象デバイスの温度特性を補償した場合の残留成分を近似する信号であることを特徴とする温度補償回路。
  8. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記i次関数及び前記j次関数のうち一方が奇数次関数であり、他方が偶数次関数であり、
    前記高次成分発生回路は、
    前記奇数次関数で近似された奇数次成分信号を出力する奇数次成分発生回路と、
    前記偶数次関数で近似された偶数次成分信号を出力する偶数次成分発生回路と、
    を有することを特徴とする温度補償回路。
  9. 請求項において
    前記奇数次成分発生回路は、
    前記温度センサーからの前記検出信号に基づく検出電圧が入力される第1トランジスターと、所定電圧が入力される第2トランジスターとを有し、前記第1トランジスター及び前記第2トランジスターにより差動動作を行う第1差動回路と、
    前記第1差動回路からの出力電圧が入力される第3トランジスターと、前記検出電圧が入力される第4トランジスターとを有し、前記第3トランジスター及び前記第4トランジスターにより差動動作を行い、前記奇数次成分信号を出力する第2差動回路と、
    を有することを特徴とする温度補償回路。
  10. 請求項又はにおいて、
    前記偶数次成分発生回路は、
    前記温度センサーからの前記検出信号に基づく検出電圧が入力される第5トランジスターと、所定電圧が入力される第6トランジスターとを有し、前記第5トランジスター及び前記第6トランジスターにより差動動作を行う第3差動回路と、
    前記第3差動回路からの出力電圧が入力される第7トランジスターと、前記検出電圧が入力される第8トランジスターとを有し、前記第7トランジスター及び第8トランジスターにより差動動作を行う第4差動回路と、
    前記第7トランジスターの出力電流と、前記第8トランジスターの出力電流とを加算した電流に基づいて、前記偶数次成分信号を出力する出力回路と、
    を有することを特徴とする温度補償回路。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記1次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報と、前記3次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報と、前記高次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報と、が記憶される記憶部を含むことを特徴とする温度補償回路。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載された温度補償回路と、
    前記温度補償用電圧により、発振周波数の温度特性が補償される発振回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  13. 請求項12に記載された回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
  14. 請求項11に記載された温度補償回路が出力する前記温度補償用電圧を調整する調整方法であって、
    前記1次成分ゲイン調整回路のゲインと、前記3次成分ゲイン調整回路のゲインとを調整して、温度補償対象デバイスの温度特性を補償する情報を求めて、前記1次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報と、前記3次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報とを前記記憶部に記憶させ、
    前記記憶部に記憶させた情報に基づいて補償された前記温度補償対象デバイスの温度特性に基づいて、前記高次成分ゲイン調整回路のゲインを調整して、前記温度後補償対象デバイスの温度特性を補償する情報を求めて、前記高次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報を前記記憶部に記憶させることを特徴とする調整方法。
  15. 請求項11に記載された温度補償回路が出力する前記温度補償用電圧を調整する調整方法であって、
    前記1次成分ゲイン調整回路のゲインと、前記3次成分ゲイン調整回路のゲインと、前記高次成分ゲイン調整回路のゲインとを調整して、温度補償対象デバイスの温度特性を補償する情報を求めて、
    前記1次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報と、前記3次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報と、前記高次成分ゲイン調整回路のゲインを調整するための情報とを、前記記憶部に記憶させることを特徴とする調整方法。
JP2012106459A 2012-05-08 2012-05-08 温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法 Active JP5966577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106459A JP5966577B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106459A JP5966577B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013236199A JP2013236199A (ja) 2013-11-21
JP2013236199A5 JP2013236199A5 (ja) 2015-06-25
JP5966577B2 true JP5966577B2 (ja) 2016-08-10

Family

ID=49761974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012106459A Active JP5966577B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5966577B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015154658A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 セイコーエプソン株式会社 回路装置及び電子機器
EP3367571A1 (en) * 2017-02-23 2018-08-29 Rakon Limited Voltage controlled oscillator
JP7367350B2 (ja) * 2019-06-21 2023-10-24 セイコーエプソン株式会社 回路装置、発振器、電子機器及び移動体
CN113588063A (zh) * 2021-07-28 2021-11-02 天津市府易科技股份有限公司 一种基于活体重力感应与边缘智能识别技术的出门检测系统

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08116214A (ja) * 1994-10-17 1996-05-07 Fujitsu Ltd 関数発生装置及び温度補償付き発振回路
JP4895690B2 (ja) * 2006-06-01 2012-03-14 パナソニック株式会社 関数生成回路
JP2008294623A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Mitsumi Electric Co Ltd 温度補償型水晶発振器
JP5381162B2 (ja) * 2009-03-03 2014-01-08 セイコーエプソン株式会社 温度補償型発振器
JP5515921B2 (ja) * 2010-03-24 2014-06-11 セイコーエプソン株式会社 恒温型圧電発振器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013236199A (ja) 2013-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107017838B (zh) 电路装置、振荡器、电子设备和移动体
CN104753485B (zh) 振荡电路、振荡器及其制造方法、电子设备以及移动体
JP5440831B2 (ja) 電圧制御発振器並びにそれを備えた表示装置及びシステム
CN107026644B (zh) 振荡器、电子设备以及移动体
JP3160299B2 (ja) 関数発生回路、水晶発振装置及び水晶発振装置の調整方法
JP6568684B2 (ja) 温度補償発振器、及びそれを含む電子装置
US7633350B2 (en) Function generation circuit
JP5966577B2 (ja) 温度補償回路、回路装置、電子機器及び調整方法
US20120286831A1 (en) Circuit and method for generating a clock signal
JP2013211654A (ja) 発振器、電子機器及び発振器の温度補償方法
US10027331B2 (en) Oscillator, electronic apparatus, and moving object
JP6297039B2 (ja) 高度に安定なlc発振器におけるlcタンク温度ヌルを制御する方法及び装置
JP2019118006A (ja) 発振回路、マイクロコンピューター、及び、電子機器
TWI337804B (en) Low-noise fine-frequency tuning
US8659361B2 (en) Function generator circuit
JP6377192B2 (ja) 温度補償型水晶発振器
JP5119826B2 (ja) 補償電圧回路及び温度補償型圧電発振器
JP2012216963A (ja) 関数発生回路、制御信号生成方法及びカーブフィッテング方法
JP4011198B2 (ja) 温度補償型水晶発振器
JPH1168461A (ja) 圧電発振回路
JP2004266820A (ja) 圧電発振回路
JP4314988B2 (ja) 温度補償型圧電発振器
JP2016082472A (ja) 発振器及びそのキャリブレーション方法
JP2009124401A (ja) 発振装置
JP2009141459A (ja) 圧電発振器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150507

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160620

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5966577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150