JP6377192B2 - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

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本発明は、温度補償を行う温度補償型水晶発振器に係り、特に、温度補償電圧の周波数ドリフト特性をキャンセルし、水晶の周波数ドリフト特性を補償し、発振回路の周波数ドリフト特性を補償することで、周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制する温度補償型水晶発振器に関する。
[従来の技術]
従来の温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)は、電圧制御発振器に温度補償回路を付加して、周囲温度の変化による周波数の変動を少なくしたものである。
そして、従来の温度補償型水晶発振器では、電源供給直後に周波数がドリフト(変動又はふらつき)することがあり、特に電源投入による発熱によって周波数ドリフト特性が変化するようになっていた。
従来の周波数ドリフト特性を補償する方法が提案されており、その補償量は一定であった(特許文献1参照)。
温度補償型水晶発振器における周波数ドリフト特性は、周波数ドリフト特性がうねりを持った特性となっていた。
[周波数ドリフト特性:図21]
周波数ドリフト特性について図21を参照しながら説明する。図21は、高温(+85℃)における周波数ドリフト特性を示す図である。尚、縦軸の周波数(Freq.)をLinearで、横軸の時間(Time(s))をLogで表している。
電源投入後に、周波数ドリフトが発生するが、図21において太い破線部分で囲んだ所がうねり部分を示している。
[電源投入後の水晶とICの発熱の変化:図22]
また、電源投入後の水晶とICの発熱の変化について図22を参照しながら説明する。図22は、電源投入後の水晶とICの発熱の変化を示す図である。尚、縦軸の温度はLinearで、横軸の温度(Temp.)はLinearで表示している。
図22に示すように、ICの発熱の変化が破線であり、水晶の温度の変化が実線であり、ICの発熱の変化に比べて水晶の温度の変化が遅れて起こることがわかる。
[各要素の周波数特性:図23]
次に、図21に示した周波数ドリフト特性のうねりの発生原因となる各要素について図23を参照しながら説明する。図23は、高温又は低温におけるうねりの発生原因となる各要素の周波数特性を示す図である。尚、縦軸の周波数(Freq.)をLinearで、横軸の時間(Time(s))をLinearで表している。
うねりの発生原因となる各要素には、温度補償周波数ドリフト特性、水晶周波数ドリフト特性、発振回路周波数ドリフト特性がある。
各要素の時定数と大きさが異なるため、従来の発振器全体として周波数ドリフト特性にうねりが生じる。
[温度センサ電圧VT :図24]
ここで、温度に対する温度センサ電圧VT について図24を参照しながら説明する。図24は、温度センサ電圧を示す図である。尚、縦軸は電圧[V]をLinearで表し、横軸は温度(temp.[℃])をLinearで表している。
図24に示すように、温度補償に用いられる温度センサでは、温度が低ければ温度センサ電圧VT は高く、温度が高くなれば温度センサ電圧VT は低く、両者は反対の傾向にあるものである。
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開平10−224148号公報「圧電発振器」(東洋通信機株式会社)[特許文献1]、特開平07−254818号公報「電圧制御発振器」(株式会社東芝他)[特許文献2]、特開2003−258551号公報「発振回路の温度補償回路およびその温度補償方法」(セイコーエプソン株式会社)[特許文献3]、特開2008−271355号公報「表面実装用の温度補償水晶発振器」(日本電波工業株式会社)[特許文献4]、特許第4745102号公報「基準電流制御回路、温度補償機能付き水晶発振器制御IC、水晶発振器、TCXOモジュールおよび携帯電話機」(パナソニック株式会社)[特許文献5]、国際公開第2004/025824号公報「近似n次関数発生装置及び温度補償水晶発振回路」(旭化成マイクロシステム株式会社)[特許文献6]がある。
特許文献1には、トランジスタ、抵抗及び容量から成る増幅部と圧電振動子と可変容量ダイオード、抵抗及び容量から成る制御電圧部とから構成される電圧制御型圧電発振器において、可変容量ダイオードのアノード端子の電圧を時間と共に可変にすることで、圧電発振回路の周波数起動特性を短縮することが示されている。
特許文献2には、電圧制御発振器において、温度ドリフト補償回路により制御電圧の制御特性のリニアリティ最良点に対する温度ドリフト補償を行うことが示されている。
特許文献3には、発振回路において、補正間隔決定回路が、温度センサからの検出温度に基づいて温度変化を求め、温度変化に応じて発振回路の発振周波数を補正する補正間隔を決定することが示されている。
特許文献4には、温度補償水晶発振器において、ICチップの起動時における発熱による検出温度と水晶片の動作温度との温度差に基づく温度補償電圧の補償誤差分を予め計測し、補償誤差分を補正する起動時補正電圧を電圧可変容量素子に印加することが示されている。
特許文献5には、基準電流制御回路において、キャンセル回路が電圧V1(t)の変動と逆方向の電圧V2(t)を出力し、足し算回路にてV1(t)と足され、変動の無い電圧V3(t)となって電圧−電流変換回路の入力トランジスタのベースに入力され、時定数回路により一定時間後、キャンセル回路と足し算回路の間にあるスイッチをオフにすることが示されている。
また、水晶の発振周波数の温度特性(水晶周波数温度特性)は、温度の3次以上の関数で表されることが知られており、特許文献6には、水晶発振回路において関数を用いて水晶周波数温度特性を補償することが記載されている。
特許文献6における温度補償水晶発振回路について図25を用いて説明する。図25は、従来の温度補償水晶発振回路の構成ブロック図である。
図25に示すように、従来の温度補償水晶発振回路は、温度検出回路210と、近似5次関数発生装置200と、VCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator;電圧制御水晶発振器)230とを備えている。
温度検出回路210は、温度変化に対して1次関数的に変化するアナログ出力を出力する。
VCXO230は、水晶振動子を備え、制御電圧に応じた周波数を出力する。
近似5次関数発生装置200は、温度検出回路210からの温度に応じた電圧について近似5次関数を生成し、温度補償電圧としてVCXO230に出力する。
近似5次関数発生装置200は、1次成分発生部201と、3次成分発生部203と、4次成分発生部204と、5次成分発生部205と、0次成分発生部206と、加算回路207とを備えている。
n次成分発生部(n=0,1,3,4,5)201〜206は、それぞれ、温度検出回路210の出力電圧のn次成分を出力する。
加算回路207は、n次成分発生部201〜206からの出力を加算して、VCXO230に温度補償電圧として出力する。
これにより、図25の温度補償水晶発振回路では、VCXO230における水晶周波数温度特性が温度の近似5次関数により補償されて出力されるものである。
尚、温度補償電圧は2次成分を含まないため、従来の近似5次関数発生装置200には、2次成分を生成する2次成分発生部は設けられていない。
特開平10−224148号公報 特開平07−254818号公報 特開2003−258551号公報 特開2008−271355号公報 特許第4745102号公報 国際公開第2004/025824号公報
しかしながら、従来の温度補償型水晶発振器では、周波数ドリフト特性のうねり特性について考慮されておらず、温度補償による周波数ドリフト特性をキャンセルして周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制するものではなく、更に、水晶振動子の周波数ドリフト特性、発振回路の周波数ドリフト特性までも補償して周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制するものではないという問題点があった。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、温度補償による周波数ドリフト特性をキャンセルでき、更に、水晶振動子若しくは発振回路の周波数ドリフト特性までも補償して周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制する温度補償型水晶発振器を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、水晶振動子と、水晶振動子に並列に接続される増幅器と、増幅器の入力側と出力側に接続される電圧可変容量素子と、温度補償を行う制御電圧を出力する温度補償回路とを有する温度補償型水晶発振器であって、水晶振動子の周辺温度を検出し、検出した温度に対応した電圧を出力する温度センサと、温度センサで検出された温度に基づいて温度補償回路で温度補償された場合の温度補償周波数ドリフト特性をキャンセルするための電圧を出力する温度補償キャンセル回路と、水晶振動子の周波数ドリフト特性を補償するための電圧を出力する水晶補償回路と、温度センサから出力された電圧と、温度補償キャンセル回路から出力された電圧と、水晶補償回路から出力された電圧を加算して温度補償回路に出力する第1の加算回路とを有することを特徴とする。
本発明は、上記温度補償型水晶発振器において、温度補償キャンセル回路が、定電流源回路とコンデンサが直列に接続され、定電流源回路とコンデンサの間の電圧を増幅する増幅器を備え、増幅器の入力段にダイオードのアノードが接続され、ダイオードのカソードが接地され、温度補償回路における温度補償周波数ドリフト特性を打ち消す温度補償周波数キャンセル特性となる温度補償周波数ドリフト特性補償制御電圧を第1の加算回路に出力することを特徴とする。
本発明は、上記温度補償型水晶発振器において、水晶補償回路が、定電流源回路とコンデンサが直列に接続され、定電流源回路とコンデンサの間の電圧を増幅する増幅器を備え、増幅器の入力段にダイオードのアノードが接続され、ダイオードのカソードが接地され、水晶振動子における水晶周波数ドリフト特性を補償する水晶周波数補償特性となる水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧を第1の加算回路に出力することを特徴とする。
本発明は、水晶振動子と、水晶振動子に並列に接続される増幅器と、増幅器の入力側と出力側に接続される電圧可変容量素子と、温度補償を行う制御電圧を出力する温度補償回路とを有する温度補償型水晶発振器であって、水晶振動子の周辺温度を検出し、検出した温度に対応した電圧を出力する温度センサと、温度センサで検出された温度に基づいて温度補償回路で温度補償された場合の温度補償周波数ドリフト特性をキャンセルするための電圧を出力する温度補償キャンセル回路と、増幅器を含む発振回路の周波数ドリフト特性を補償するための電圧を出力する発振回路特性補償回路と、温度センサから出力された電圧と、温度補償キャンセル回路から出力された電圧を加算して温度補償回路に出力する第1の加算器と、温度補償回路から出力された電圧と発振回路特性補償回路から出力された電圧を加算して電圧可変容量素子に出力する第2の加算回路とを有することを特徴とする。
本発明は、上記温度補償型水晶発振器において、出力周波数を可変にするための制御電圧を出力する周波数制御回路を設け、第2の加算回路が、温度補償回路から出力された電圧と発振回路特性補償回路から出力された電圧と周波数制御回路から出力された電圧とを加算して電圧可変容量素子に出力することを特徴とする。
本発明は、上記温度補償型水晶発振器において、発振回路特性補償回路が、定電流源回路とコンデンサが直列に接続され、定電流源回路とコンデンサの間の電圧を増幅する増幅器を備え、増幅器の入力段にダイオードのアノードが接続され、ダイオードのカソードが接地され、発振回路における発振回路周波数ドリフト特性を補償する発振回路周波数補償特性となる発振回路周波数ドリフト特性補償制御電圧を第2の加算回路に出力することを特徴とする。
本発明によれば、温度センサが、水晶振動子の周辺温度を検出し、検出した温度に対応した電圧を出力し、温度補償キャンセル回路が、温度センサで検出された温度に基づいて温度補償回路で温度補償された場合の温度補償周波数ドリフト特性をキャンセルするための電圧を出力し、水晶補償回路が、水晶振動子の周波数ドリフト特性を補償するための電圧を出力し、第1の加算回路が、温度センサから出力された電圧と、温度補償キャンセル回路から出力された電圧と、水晶補償回路から出力された電圧を加算して温度補償回路に出力する温度補償型水晶発振器としているので、温度補償周波数ドリフト特性、水晶周波数ドリフト特性に基づく周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制できる効果がある。
また、本発明によれば、温度センサが、水晶振動子の周辺温度を検出し、検出した温度に対応した電圧を出力し、温度補償キャンセル回路が、温度センサで検出された温度に基づいて温度補償回路で温度補償された場合の温度補償周波数ドリフト特性をキャンセルするための電圧を出力し、発振回路特性補償回路が、増幅器を含む発振回路の周波数ドリフト特性を補償するための電圧を出力し、第1の加算器が、温度センサから出力された電圧と、温度補償キャンセル回路から出力された電圧を加算して温度補償回路に出力し、第2の加算回路が、温度補償回路から出力された電圧と発振回路特性補償回路から出力された電圧を加算して電圧可変容量素子に出力する温度補償型水晶発振器としているので、温度補償周波数ドリフト特性、発振回路周波数ドリフト特性に基づく周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制できる効果がある。

本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器の構成図である。 温度補償キャンセル回路の回路図である。 水晶補償回路及び発振回路特性補償回路の回路図である。 温度補償キャンセル回路の出力電圧VICを示す図である。 水晶補償回路の出力電圧VX を示す図である。 発振回路特性補償回路の出力電圧Vo を示す図である。 温度補償回路出力電圧を示す図である。 周波数可変特性を示す図である。 温度補償周波数ドリフト特性のキャンセル特性を示す図である。 水晶周波数ドリフト特性の補償特性を示す図である。 発振回路周波数ドリフト特性の補償特性を示す図である。 発振器周波数ドリフト特性を示す図である。 別の温度補償型水晶発振器の構成図である。 (a)は、加算回路A112からの温度補償制御電圧Va及び加算回路B113からの加算電圧Vbの温度特性を示す説明図であり、(b)は加算電圧Vbについて縦軸を拡大して示した図である。 VCXOの周波数可変特性を示す説明図である。 水晶周波数ドリフト補償回路115の構成ブロック図である。 加算電圧Vbとゲイン調整電圧Vgの特性を示す説明図である。 時定数回路121から出力される水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧Vx′の特性を示す説明図である。 IC周波数ドリフトキャンセル回路116の構成ブロック図である。 別の温度補償型水晶発振器の周波数ドリフト特性を示す説明図である。 高温(+85℃)における周波数ドリフト特性を示す図である。 電源投入後の水晶とICの発熱の変化を示す図である。 うねりの発生原因となる各要素の周波数特性を示す図である。 温度センサ電圧を示す図である。 従来の温度補償水晶発振回路の構成ブロック図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器は、温度補償キャンセル回路で温度補償周波数ドリフト特性をキャンセルし、水晶補償回路で水晶周波数ドリフト特性を補償し、発振回路特性補償回路で発振回路周波数ドリフト特性を補償するため、温度補償周波数ドリフト特性、水晶周波数ドリフト特性、発振回路周波数ドリフト特性に基づく周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制できるものである。
特に、本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器では、温度補償回路とは別に、温度補償キャンセル回路、水晶補償回路、発振回路特性補償回路を設け、時定数、大きさの異なる3つの要素による周波数変動を個々に調整し、広い温度範囲で、周波数ドリフト特性のうねりを抑え、早期に収束する良好な周波数起動特性を実現するものである。
[温度補償型水晶発振器:図1]
本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器の構成図である。
本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器(TCXO:本発振器)は、図1に示すように、温度補償回路1と、AFC(Auto Frequency Control:自動周波数制御)回路2と、温度センサ3と、加算回路4と、水晶振動子5と、インバータIC(Integrated Circuit)6と、電圧可変容量素子7a,7bと、バッファ(Buff1)8と、出力端子(OUTPUT1)9と、温度補償キャンセル回路11と、水晶補償回路12と、加算回路13と、発振回路特性補償回路14とを基本的に有している。
[本発振器の各部]
本発振器の各部について具体的に説明する。
温度補償回路1は、加算回路13で加算された制御電圧(加算電圧Va )を入力し、その加算電圧Vaに応じて温度補償の制御電圧(温度補償制御電圧Vc )を加算回路4に出力する。
AFC回路2は、出力端子9から出力される周波数を可変させるための制御電圧(発振周波数制御電圧Vafc )を加算器4に出力する。
温度センサ3は、水晶振動子5の周辺の温度を検出し、検出した温度に応じて温度情報を電圧として加算回路13に出力する。
温度補償キャンセル回路11は、温度センサ電圧の起動時の変動による温度補償周波数ドリフト特性を補償(キャンセル)する制御電圧(温度補償周波数ドリフト特性補償制御電圧VIC)を加算回路13に出力する。
温度補償回路1における補償電圧は温度センサ3の温度センサ電圧VT により主に生成されるため、温度補償電圧の周波数ドリフト特性は、起動時の温度センサ電圧の変動を打ち消すことによりキャンセルできる。
水晶補償回路12は、水晶振動子5による水晶周波数ドリフト特性を補償する制御電圧(水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧VX)を加算回路13に出力する。
加算回路13は、温度センサ3からの温度補償制御電圧VT と、温度補償キャンセル回路11からの温度補償周波数ドリフト特性補償制御電圧VICと、水晶補償回路12からの水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧VX を入力し、それらを加算した加算電圧Va (=VT +VIC+VX )を温度補償回路1に出力する。
発振回路特性補償回路14は、発振回路部分における周波数ドリフト特性を補償するための補償電圧(発振回路周波数ドリフト特性補償電圧Vo )を加算回路4に出力する。
発振回路の周波数ドリフト特性は、主に半導体PN接合の温度特性によって発生すると推測され、1次関数の温度特性を持ち、広い温度範囲において周波数の変動方向は同一で大きさも等しい。
加算回路4は、温度補償回路1からの温度補償制御電圧Vc と、AFC回路2からの発振周波数制御電圧Vafc と、発振回路特性補償回路14からの発振回路周波数ドリフト特性補償電圧Vo を入力し、それらを加算して加算出力電圧VOUT (=Vc +Vafc +Vo )をコンデンサC1 とバリキャップダイオードD1 との間の点に、コンデンサC2 とバリキャップダイオードD2 との間の点に出力する。
尚、加算器4における加算は、各入力電圧を重み付けして加算するようにしてもよい。
水晶振動子5は、水晶振動子の両端からみた負荷容量によって決定される共振周波数で発振する。
インバータIC(Integrated Circuit)6は、水晶振動子5の発振周波数を増幅し、位相を反転させてバッファ8に出力する。
電圧可変容量素子であるバリキャップダイオードD1 ,D2 は、印加される電圧に応じて容量を可変にし、水晶振動子5の負荷容量を変化させ発振周波数を調整する。
具体的には、バリキャップダイオードD1 のアノード側が接地され、カソード側にコンデンサC1 の一端が接続され、その他端が水晶振動子5の一端とインバータIC6の入力側に接続されている。
また、バリキャップダイオードD2 のアノード側が接地され、カソード側にコンデンサC2 の一端が接続され、その他端が水晶振動子5の他端とインバータIC6の出力側に接続されている。
そして、バリキャップダイオードD1 ,D2 のカソード側に、加算回路4からの制御電圧(VOUT)が印加される。
バッファ(Buff)8は、信号増幅器であり、インバータIC6からの発振周波数を増幅して出力端子9に出力する。
出力端子(OUTPUT)9は、本発振器の発振信号を出力する端子である。
[温度補償キャンセル回路11:図2]
次に、温度補償キャンセル回路11について図2を参照しながら説明する。図2は、温度補償キャンセル回路の回路図である。
温度補償キャンセル回路11は、図2に示すように、定電流源回路24とコンデンサ22が直列に接続され、コンデンサ22の他端は接地され、定電流源回路24とコンデンサ22との間の点の電圧が増幅器(AMP)23に入力端子に入力され、その入力端子にダイオード25のアノードが接続し、ダイオード25のカソードが接地している。
定電流源回路24の電流を微小電流とすることで、大きな時定数が調整できる。
図2の温度補償キャンセル回路11では、定電流源回路24を流れる電流を調整することにより、また、コンデンサ22の容量を調整することにより、時定数の調整を実現し、AMP23のゲインを調整することにより、電圧レベルを調整するものである。
[水晶補償回路12/発振回路特性補償回路14:図3]
次に、水晶補償回路12及び発振回路特性補償回路14について図3を参照しながら説明する。図3は、水晶補償回路及び発振回路特性補償回路の回路図である。
水晶補償回路12及び発振回路特性補償回路14は、図3に示すように、定電流源回路34とコンデンサ32が直列に接続され、コンデンサ32の他端は接地され、定電流源回路34とコンデンサ32との間の点の電圧が増幅器(AMP)33に入力端子に入力され、その入力端子にダイオード35のアノードが接続し、ダイオード35のカソードが接地している。
水晶補償回路12及び発振回路特性補償回路14では、AMP33が温度補償キャンセル回路11のAMP23と異なり、反転出力するものとなっている。
そして、定電流源回路34の電流を微小電流とすることで、大きな時定数が調整できる。
また、図3の補償回路では、定電流源回路34を流れる電流を調整することにより、また、コンデンサ32の容量を調整することにより、時定数の調整を実現し、AMP33のゲインを調整することにより、電圧レベルを調整するものである。
[温度補償キャンセル回路の出力電圧:図4]
次に、温度補償キャンセル回路11の出力電圧VICについて図4を参照しながら説明する。図4は、温度補償キャンセル回路の起動時の出力電圧VICを示す図である。尚、縦軸が電圧[V]をLinearで示し、横軸が経過時間(Time)をLinearで示している。
図4に示すように、実線が温度センサ3からの出力電圧VT であり、破線がその電圧VT をキャンセルするための温度補償キャンセル回路11から出力される温度補償キャンセル電圧VICである。
電圧VT を打ち消す温度補償キャンセル電圧VICを温度補償キャンセル回路11から出力するよう調整しておく。
[水晶補償回路の出力電圧:図5]
次に、水晶補償回路12の出力電圧VX について図5を参照しながら説明する。図5は、水晶補償回路の出力電圧VX を示す図である。尚、縦軸が温度[℃]と電圧[V]をLinearで示し、横軸が経過時間(Time)をLinearで示している。
図5に示すように、実線が水晶の温度を示しており、破線が水晶補償回路12から出力される水晶補償電圧VX を示している。
水晶補償電圧VX は、水晶周波数ドリフト特性を補償するための電圧であり、起動時の温度センサの出力電圧と同じ下降カーブとなる電圧である。従って、そのような水晶補償電圧VX を水晶補償回路12から出力するよう調整しておく。
[発振回路特性補償回路の出力電圧:図6]
次に、発振回路特性補償回路14の出力電圧Vo について図6を参照しながら説明する。図6は、発振回路特性補償回路の出力電圧Vo を示す図である。尚、縦軸が電圧[V]をLinearで示し、横軸が経過時間(Time)をLinearで示している。
図6に示すように、実線が温度センサ3からの出力電圧VT であり、破線が発振回路特性補償回路14から出力される発振回路特性補償電圧Vo である。
発振回路特性補償電圧Vo は、発振回路(IC)の特性を補償するための電圧であり、起動時の温度センサの出力電圧と同じ下降カーブとなる電圧である。従って、そのような発振回路特性補償電圧Vo を発振回路特性補償回路14から出力するよう調整しておく。
[温度補償回路出力電圧:図7]
次に、温度補償回路1の出力電圧Vc について図7を参照しながら説明する。図7は、温度補償回路出力電圧を示す図である。尚、縦軸が電圧[V]をLinearで示し、横軸が温度(Temp)[℃]をLinearで示している。
図7に示すように、温度補償回路1から出力される温度補償電圧Vc は、水晶振動子温度特性を補償するため、その温度特性を3次以上のn次関数で近似したn次近似関数の変曲点において点対称の特性カーブとなる。
[周波数可変特性:図8]
そして、加算回路4の出力電圧VOUT に対する周波数特性について図8を参照しながら説明する。図8は、周波数可変特性を示す図である。尚、縦軸が周波数(Freq.)をLinearで示し、横軸が電圧[V]をLinearで示している。
図8に示すように、加算回路4の出力電圧VOUT に対する周波数特性は、電圧に比例して直線的に増大するようになっている。
[温度補償周波数ドリフト特性のキャンセル:図9]
次に、温度補償周波数ドリフト特性のキャンセル特性について図9を参照しながら説明する。図9は、温度補償周波数ドリフト特性のキャンセル特性を示す図である。尚、縦軸が周波数(Freq)をLinearで示し、横軸が経過時間(Time)をLinearで示している。
図9に示すように、実線が温度補償周波数ドリフト特性(温度補償周波数特性)で、破線が温度補償周波数特性をキャンセルする温度補償周波数ドリフト特性のキャンセル特性(温度補償周波数キャンセル特性)である。
温度補償周波数特性は、時間の経過に伴って周波数は徐々に低下して一定となっている。
従って、温度補償キャンセル回路11は、温度補償周波数特性を打ち消すような温度補償周波数キャンセル特性となる温度補償周波数ドリフト特性補償制御電圧VICを出力するよう設定されている。
[水晶周波数ドリフト特性の補償:図10]
次に、水晶周波数ドリフト特性の補償特性について図10を参照しながら説明する。図10は、水晶周波数ドリフト特性の補償特性を示す図である。尚、縦軸が周波数(Freq)をLinearで示し、横軸が経過時間(Time)をLinearで示している。
図10に示すように、実線が水晶周波数ドリフト特性(水晶周波数特性)で、破線が水晶周波数特性を補償する水晶周波数ドリフト特性の補償特性(水晶周波数補償特性)である。
水晶周波数特性は、時間の経過に伴って周波数が徐々に上昇して一定となっている。
従って、水晶補償回路12は、水晶周波数特性を補償するような水晶周波数補償特性となる水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧VX を出力するよう設定されている。
[発振回路周波数ドリフト特性の補償:図11]
次に、発振回路周波数ドリフト特性の補償特性について図11を参照しながら説明する。図11は、発振回路周波数ドリフト特性の補償特性を示す図である。尚、縦軸が周波数(Freq)をLinearで示し、横軸が経過時間(Time)をLinearで示している。
図11に示すように、実線が発振回路周波数ドリフト特性(発振回路周波数特性)で、破線が発振回路周波数特性を補償する発振回路周波数ドリフト特性の補償特性(発振回路周波数補償特性)である。
発振回路周波数特性は、時間の経過に伴い、周波数は徐々にわずかながら上昇して時間T1 では一定となっている。
従って、発振回路特性補償回路14は、発振回路周波数特性を補償するような発振回路周波数補償特性となる発振回路周波数特性補償制御電圧Vo を出力するよう設定されている。
[発振器周波数ドリフト特性:図12]
次に、本実施の形態に係る発振器全体の周波数ドリフト特性について図12を参照しながら説明する。図12は、発振器周波数ドリフト特性を示す図である。尚、縦軸が周波数(Freq)をLinearで示し、横軸が経過時間(Time)をLogで示している。
図12に示すように、実線が本実施の形態に係る発振器全体の周波数ドリフト特性(発振器周波数ドリフト特性)である。
発振器周波数ドリフト特性は、時間経過の当初に周波数が急激に減少するものの、その後の周波数は一定で安定的に推移する。
これは、温度補償キャンセル回路11により温度補償周波数ドリフト特性がキャンセルされ、水晶補償回路12により水晶周波数ドリフト特性が補償され、発振回路特性補償回路14により発振回路周波数ドリフト特性が補償された結果である。
[本実施の形態の効果]
本発振器によれば、温度補償キャンセル回路11で温度補償周波数ドリフト特性をキャンセルし、水晶補償回路12で水晶周波数ドリフト特性を補償し、発振回路特性補償回路14で発振回路周波数ドリフト特性を補償するための電圧をそれぞれ印加するので、温度補償周波数ドリフト特性、水晶周波数ドリフト特性、発振回路周波数ドリフト特性に基づく周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制でき、良好な周波数起動特性を実現できる効果がある。
[別の実施に係る温度補償型水晶発振器]
次に、本発明の別の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器について説明する。
[別の実施の形態の概要]
別の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器(別の温度補償型水晶発振器)は、水晶振動子の周波数温度特性を補償する温度補償回路としてn(n≧3)次関数生成回路と、n次関数を微分した(n−1)次関数を生成する(n−1)次関数生成回路と、(n−1)次関数に基づいて温度変化に伴う発振器出力の周波数ドリフト特性を補償する水晶周波数ドリフト補償回路、IC周波数ドリフトキャンセル回路、発振回路周波数ドリフト補償回路とを備え、温度補償特性をn次関数で近似して、それに基づく温度補償制御電圧によって精度の高い温度補償を行うと共に、温度補償特性の微分関数に基づく電圧を用いて各周波数ドリフト特性の補償を精度よく行うことができ、良好な周波数起動特性を実現できるものである。
[別の温度補償型水晶発振器の構成:図13]
別の温度補償型水晶発振器の構成について図13を用いて説明する。図13は、別の温度補償型水晶発振器の構成図である。
図13に示すように、別の温度補償型水晶発振器は、VCXOと温度補償制御回路部とを備えている。
VCXOは、図1の構成とほぼ同様であり、図1と同様の部分として、AFC回路2と、水晶振動子5と、インバータIC(Integrated Circuit)6と、電圧可変容量素子7a,7bと、バッファ(Buff)8と、出力端子(OUTPUT)9とを備えており、別の温度補償型水晶発振器の特徴部分として、抵抗118a,118bと、コンデンサ119a,119bとを備えている。
そして、並列接続された抵抗118aとコンデンサ119aの一端が、ダイオード7aのアノード側に接続され、他端が接地されている。
同様に、並列接続された抵抗118bとコンデンサ119bの一端が、ダイオード7bのアノード側に接続され、他端が接地されている。
また、温度補償制御回路部は、図1と同様の温度センサ(Tsensor)3と、別の温度補償型水晶発振器の特徴部分である0次〜5次のn次関数発生回路100〜105と、乗算回路110a〜110f′と、加算回路A(112)と、加算回路B(113)と、基準電圧(Vco)生成部114と、メモリ111と、水晶周波数ドリフト補償回路115と、IC周波数ドリフトキャンセル回路116と、時定数生成回路117とを備えている。
上記構成部分の内、図1と同一の符号を付した部分については、上述した実施の形態に係る温度補償型水晶発振器と同様の構成及び動作であるため、説明は省略する。
尚、n次関数発生回路100〜105は、特許文献6と同様に、それぞれ、n次成分を生成する関数発生回路である。
別の温度補償型水晶発振器の特徴部分について具体的に説明する。
別の温度補償型水晶発振器では、特許文献6と同様に、水晶振動子の周波数温度特性の補償を、温度の5次関数で表される補償特性関数に基づく補償電圧で行うと共に、別の温度補償型水晶発振器の特徴として、当該5次関数を微分した4次関数に基づく電圧によって、水晶周波数ドリフト補償回路115、IC周波数ドリフトキャンセル回路116、時定数生成回路117がそれぞれ、周波数ドリフト特性を補償する制御電圧を生成するものである。
尚、5次に限らず、3次以上のn次関数によって近似する構成としてもよい。
[関数を用いた周波数温度特性の補償:図13]
まず、温度補償制御回路部の内、図25に示した従来の温度補償型水晶発振器と同様に水晶振動子の周波数温度特性の補償を行う構成部分について図13を用いて説明する。
一般に、水晶周波数温度特性(F(T))は、3次以上のn次関数で近似され、各関数の変曲点となる温度点T0(約30℃)を基準として、温度Tのn次関数で表される。
例えば、5次関数で近似する場合、水晶周波数温度特性F(T)は、
F(T)=X5(T−T0)5+X4(T−T0)4+X3(T−T0)3+X1(T−T0)+X0 (式1)
と表される。
そして、この水晶周波数温度特性F(T)を補償するための補償電圧をVA(T)とすると、
VA(T)=A5(T−T0)5+A4(T−T0)4+A3(T−T0)3+A1(T−T0)+A0 (式2)
と近似される。
別の温度補償型水晶発振器では、図13に示すように、温度の5次関数を用いて水晶周波数温度特性を補償する補償電圧を生成する構成として、0次関数発生回路100と、1次関数発生回路101と、3次関数発生回路103と、4次関数発生回路104と、5次関数発生回路105と、各関数発生回路105〜100に接続されたアンプ(乗算器)110a,110b,110c,110e,110fとを備えている。
上記構成部分は、請求項に記載したn次関数生成部に相当している。
そして、各次数の関数発生回路100〜105と、各関数発生回路100〜105に接続されたアンプ110a〜110fによって、水晶振動子の周波数温度特性を補償する式2の5次関数(補償特性関数)の各次数の項を生成し、加算回路A112に出力する。
具体的には、5次関数発生回路105は、図25の従来の温度補償型水晶発振器と同様に、温度センサ出力(Vt)の5乗を算出して出力する。尚、温度センサ出力(Vt)は、(式2)における(T−T0)に相当する電圧値であり、式2はVtの5次関数としても表すことができる。
同様に、4次関数発生回路104は、温度センサ出力(Vt)の4乗を算出して出力する。
3次関数発生回路103は、温度センサ出力(Vt)の3乗を算出し、2次関数発生回路103は2乗を算出して出力し、1次関数発生回路102は1乗を出力し、0次関数発生回路100は0乗を出力する。
また、アンプ110a、110b、110c、110e、110fには、それぞれ、ゲインG5,G4,G3,G1,G0が設定されており、各関数発生回路から出力された補償電圧の次数成分を、対応するゲインによって重み付けして出力する。
アンプ110a〜110fのゲインの値は、各次数成分が適切な値となるよう調整され、メモリ111に設定されている。
これにより、式2で示した補償関数の各次数の項が生成される。
例えば、5次成分の調整について説明する。
5次関数発生回路105では、温度センサ出力(Vt)の5乗を算出し、5次成分電圧VR5を出力する。
そして、アンプ110aは、5次関数発生回路105の出力VR5に、ゲインG5を乗算して、重み付けされた5次成分V5=VR5G5を出力する。
ここで、アンプ110aからの出力V5が、式2に示した5次の成分と一致するよう、ゲインG5の値が設定される。
以下同様に、アンプ110bからの出力V4=VR4G4が式2の4次成分と一致し、アンプ110cからの出力V3=VR3G3が3次成分と一致し、アンプ110eの出力V3=VR3G3が1次成分と一致し、アンプ110fの出力V0=VR0G0が0次成分と一致するよう、各ゲインの値が調整される。
基準電圧生成部114は、基準電圧(Vco)を出力するものである。Vcoは、バリキャップダイオード7a,7bに入力する補償電圧の基準値である。
加算回路A112は、アンプ110a、110b、110c、110e、110fの出力と、基準電圧生成部114の出力Vcoとを加算して、温度補償された制御電圧(温度補償制御電圧)Vaを出力する。
つまり、Va=VA(T)+Vco となる。
温度補償制御電圧Vaは、水晶振動子の周波数温度特性を補償する制御電圧であり、バリキャップダイオード7a,7bのアノード側に印加される。
これにより、別の温度補償型水晶発振器は5次関数を用いて精度良く温度補償を行うことができるものである。
[微分関数を用いた周波数ドリフト特性の補償]
また、発振器の発熱温度ΔTを微小とみなせば、図21に示した周波数ドリフト特性のうねりの大きさは、n次近似関数の微分となる(n−1)次関数で表すことができる。n=5の場合、うねりの大きさは5次近似関数を微分した4次関数で表すことができる。
そこで、別の温度補償型水晶発振器の特徴として、水晶周波数温度特性の補償特性の微分関数となる4次関数を生成する4次関数生成部を備えている。4次関数生成部は、請求項に記載した(n−1)次関数生成部に相当している。
(n−1)次関数生成部は、0次関数発生回路100と、2次関数発生回路102と、3次関数発生回路103と、4次関数発生回路104と、各関数発生回路104〜100に接続されたアンプ110b′,110c′、110d′、110f′とを備えている。
つまり、別の温度補償型水晶発振器では、従来と同様のn次関数生成部と、その微分関数を生成する(n−1)次関数生成部において、各次数成分を生成する回路を共通として、回路規模の増大を抑えている。
特に、別の温度補償型水晶発振器では、補償電圧を微分した関数の主成分となる2次関数を生成するため、2次関数発生回路102と、重み付け用のアンプ110d′とを備えている点が、従来の温度補償型水晶発振器とは異なっている。
具体的には、式2の5次関数で表される補償電圧VA(T)の微分関数VA′(T)は、4次関数であり、
VA′(T)=5A5(T−T0)4+4A4(T−T0)3+3A3(T−T0)2+A1 (式3)
と表される。
ここで、式2には2次成分が含まれないため、その微分である式3には1次成分が含まれない。つまり、(n−1)次関数生成部は、1次関数生成回路及びそれに接続されるアンプは備えていない。
式3の係数を簡略化してVB(T)として書き直すと、
VB(T)=B4(T−T0)4+B3(T−T0)3+B2(T−T0)2+B0 (式4)
となる。
式3と式4は同等であり、各係数の関係は、
B4=5A5
B3=4A4
B2=3A3
B0=A1
となっている。
そして、アンプ110b′、110c′、110d′、110f′には、それぞれ、ゲインG4f,G3f,G2f,G0fが設定されており、各関数発生回路から出力された微分電圧の次数成分を、対応するゲインによって重み付けして出力する。
アンプ110b′〜110f′のゲインの値は、各次数成分が適切な値となるよう調整され、メモリ111に設定されている。
これにより、式4で示した微分関数の各次数の項が生成される。
加算回路B113は、アンプ110b′〜110f′の出力と、基準電圧生成部114の出力Vcoとを加算して、加算電圧Vbを出力する。
つまり、Vb=VB(T)+Vco となる。
加算電圧Vbは、周波数ドリフト特性を補償する制御電圧である。
そして、別の温度補償型水晶発振器では、n次関数(ここでは5次関数)の微分関数の値を用いて発振器の周波数ドリフト特性を補償する回路を備えている。
水晶周波数ドリフト補償回路115は、水晶振動子5による水晶周波数ドリフト特性を補償する制御電圧を生成し、それを微分関数を用いて調整して、調整後の制御電圧(調整後水晶補償制御電圧)VA1又はVA2を出力する。
調整後水晶補償制御電圧VA2は、バリキャップダイオード7a及び7bのカソード側に印加され、VA1は、アノード側と並列接続の抵抗118及びコンデンサ119との間に印加される。
水晶周波数ドリフト補償回路115の具体的な構成及び動作は後述する。また、水晶周波数ドリフト補償回路115は、請求項に記載した水晶補償回路に相当している。
IC周波数ドリフトキャンセル回路116は、温度センサ電圧の起動時の変動による温度補償周波数ドリフト特性を補償する制御電圧を生成し、それを微分関数を用いて調整して、調整後の制御電圧(調整後温度補償キャンセル制御電圧)VB1又はVB2を出力する。
調整後温度補償キャンセル制御電圧VB2は、バリキャップダイオード7a及び7bのアノード側と並列接続の抵抗118及びコンデンサ119との間に印加され、VB1は、カソード側に印加される。
IC周波数ドリフトキャンセル回路116の具体的な構成及び動作については後述する。また、IC周波数ドリフトキャンセル回路116は、請求項に記載した温度補償キャンセル回路に相当している。
時定数生成回路117は、発振回路周波数ドリフト特性を補償する制御電圧(発振回路周波数ドリフト補償電圧)VC1を出力する。
尚、時定数生成回路117は、請求項に記載した発振回路特性補償回路に相当し、発振回路周波数ドリフト補償電圧VC1は、請求項の発振回路周波数ドリフト特性補償制御電圧に相当している。
メモリ111は、外部から設定される各種パラメータを記憶しており、乗算器110a〜110fの係数、乗算器110b′〜110f′の係数の他、後述する水晶周波数ドリフト補償回路115、IC周波数ドリフトキャンセル回路116、時定数生成回路117からの出力電圧を調整するパラメータを記憶している。これらのパラメータについては後述する。
[加算回路出力電圧:図14]
次に、加算回路A112からの出力Va、加算回路B113からの出力Vbについて図14を用いて説明する。図14(a)は、加算回路A112からの温度補償制御電圧Va及び加算回路B113からの加算電圧Vbの温度特性を示す説明図であり、(b)は加算電圧Vbについて縦軸を拡大して示したものである。
図14(a)(b)に示すように、加算回路A112からの温度補償制御電圧Vaの温度特性は温度TLで極大、温度THで極小となるn次曲線であり、加算回路B113からの加算電圧Vbは、Vaを微分した特性となる。
Vcoは、バリキャップダイオード7a,7bに印加する補償電圧の基準電圧であり、図14において、Vaの曲線の点対称中心となる温度点の電圧である。
また、図14(b)に示すように、加算電圧Vbは、温度補償制御電圧Vaのn次曲線が極大、極小となる温度(TL,TH)において微分値が0(ゼロ)となり、Vcoと交わる。
[VCXOの周波数可変特性:図15]
次に、別の恒温槽付水晶発振器におけるVCXOの周波数可変特性について図15を用いて説明する。図15は、VCXOの周波数可変特性を示す説明図である。横軸はバリキャップダイオードの両端子間に印加される電圧(Vd)、縦軸は周波数ズレ(ΔF/F)(図ではFrequencyと記載)を示している。
図15に示すように、VCXOの出力周波数は、バリキャップダイオードに印加される電圧が基準電圧Vcoのときに、所望の周波数からの周波数ズレが0となる。
[水晶周波数ドリフト補償回路の構成:図16]
次に、水晶周波数ドリフト補償回路115の構成について図16を用いて説明する。図16は、水晶周波数ドリフト補償回路115の構成ブロック図である。
図16に示すように、水晶周波数ドリフト補償回路115は、時定数生成回路(水晶時定数生成回路、水晶周波数補償回路)121と、絶対値回路122と、コンパレータ123と、可変利得増幅器124と、スイッチ回路125とを備えている。
各構成部分について説明する。
時定数生成回路121は、図3に示した水晶補償回路12と同様に、定電流源回路とコンデンサとが直列に接続され、コンデンサの他端が接地され、定電流源回路とコンデンサとの間の点から出力を得る構成であり、水晶振動子5による水晶周波数ドリフト特性を補償する制御電圧(水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧)Vx′を出力する。
絶対値回路122は、基準電圧生成回路114からの基準電圧Vcoと、加算回路B113からの加算電圧Vbとを入力し、両者の差分の絶対値を算出し、可変利得増幅器124のゲインを調整するゲイン調整電圧Vgを出力する。
可変利得増幅器124は、ゲイン調整電圧Vgによって調整されたゲインGで時定数生成回路121からの水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧Vx′を増幅し、調整された制御電圧を出力する。調整された水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧を、調整後水晶補償制御電圧VAとする。
ここで、可変利得増幅器124のゲインGは、G=Gx・Vg …式(1)で決定される。Gxは可変利得増幅器124の初期設定値であり、メモリ111から設定される。
Vx′の大きさをVmとすると、時定数回路121の出力Vx′は、
Vx′=Vm(1−e(-t/τ)) で表される。τは時定数である。
Vx′の大きさVmはゲインGで調整され、調整後水晶補償制御電圧VAが出力される。
A=Vm・G(1−e(-t/τ)) …式(2)
式(2)に式(1)を代入して、
A=Vm・Gx・Vg(1−e(-t/τ)) が得られる。
つまり、VAは、メモリ111からの初期設定値Gxと、絶対値回路122からのゲイン調整電圧Vgに基づいて調整されるものである。
コンパレータ123は、基準電圧Vcoと加算電圧Vbの大きさを比較し、判定結果をスイッチ回路125に出力する。
スイッチ回路125は、コンパレータ123からの判定結果に基づいて、出力をSW(1)又はSW(2)に切り替え、調整後水晶補償制御電圧VA1又はVA2のいずれかを出力する。SW(1)からはVA1が出力され、SW(2)からはVA2が出力される。
スイッチを切り替える条件は、後述するように、加算電圧Vbが基準電圧Vcoよりも大きい場合にはSW(1)に切り替えて、調整後水晶補償制御電圧VA1を出力し、加算電圧Vbが基準電圧Vco以下の場合にはSW(2)に切り替えて、調整後水晶補償制御電圧VA2を出力する。
加算電圧Vbと基準電圧Vcoの大小関係は、図17に示すように温度によって決定され、温度(Temp)の値が、図14に示した温度TL,THと比較して、Temp<TL又はTemp>TMの場合には、スイッチ回路125をSW1に切り替え、TL≦Temp≦THの場合には、SW2に切り替える。
そして、別の温度補償型水晶発振器では、時定数生成回路121における定電流源回路の電流、コンデンサの容量、可変利得増幅器124のゲインの初期値がパラメータとしてメモリ111に記憶されており、各構成部分は設定されたパラメータに基づいて動作する。
定電流源回路の電流及びコンデンサの容量を調整することにより、時定数(τ)の調整を実現し、可変利得増幅器124のゲインを調整することにより、電圧レベルを調整するものである。
[加算電圧Vbとゲイン調整電圧Vg:図17]
次に、水晶周波数ドリフト補償回路115におけるゲイン調整電圧Vgについて図17を用いて説明する。図17は、加算電圧Vbとゲイン調整電圧Vgの特性を示す説明図である。図17では、横軸は温度(℃)、縦軸は電圧(V)を示している。
図17に示すように、加算電圧Vbは、図14に示したように、温度TLと温度THで基準電圧Vcoと交わり、下に凸の曲線で示される。
図16の絶対値回路122から出力されるゲイン調整電圧Vgは、加算電圧Vbと基準電圧Vcoとの差分の絶対値であり、太線で示した特性となっている。
つまり、Vgは、温度がTL以上TH以下の範囲では、加算電圧Vbを基準電圧Vcoに対して反転させた特性となっている。
尚、特性をわかり易く示すために、ここではVgをVb,Vcoと重ねて記載しているが、Vgでは縦軸のVcoの位置が0(ゼロ)となる。
[時定数生成回路の出力:図18]
次に、図16に示した水晶周波数ドリフト補償回路115の時定数生成回路121の出力について図18を用いて説明する。図18は、時定数回路121から出力される水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧Vx′の特性を示す説明図である。図18では、横軸に時間(s)、縦軸に電圧(V)を示す。
図18に示すように、水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧Vx′は、起動後に増加し、一定時間経過後にはほぼ一定値となる。これは、図5に示した水晶補償回路出力電圧Vxを反転させた特性となっている。
別の温度補償型水晶発振器では、時定数回路121からの出力を反転させずに出力している。
[IC周波数ドリフトキャンセル回路116の構成:図19]
IC周波数ドリフトキャンセル回路116の構成について図19を用いて説明する。図19は、IC周波数ドリフトキャンセル回路116の構成ブロック図である。
図19に示すように、IC周波数ドリフトキャンセル回路116は、図16に示した水晶周波数ドリフト補償回路115とほぼ同様の構成であり、IC時定数生成回路131と、絶対値回路132と、コンパレータ133と、可変利得増幅器134と、スイッチ回路135とを備えている。
但し、IC周波数ドリフトキャンセル回路116は、水晶周波数ドリフト補償回路115とは異なるパラメータがメモリ111に設定されており、設定された定数に基づいて動作を行う。
絶対値回路132、コンパレータ133は、上述した水晶周波数ドリフト補償回路115における構成と同じである。
IC時定数生成回路131は、温度補償回路ICの周波数ドリフト特性をキャンセルする温度補償キャンセル電圧VICを出力する。
可変利得増幅器134は、ゲインGによって温度補償キャンセル電圧VICを増幅して調整し、調整後温度補償キャンセル電圧VBを出力する。ゲインの初期値は、メモリ111から設定されるGICであり、水晶周波数ドリフト補償回路115と同様に、絶対値回路132からのゲイン調整電圧Vgによって調整される。
スイッチ回路135は、コンパレータ133からの判定結果に基づいて、出力をSW(1)又はSW(2)に切り替え、調整後温度補償キャンセル電圧VB1又はVB2のいずれかを出力する。SW(1)からはVB1が出力され、SW(2)からはVB2が出力される。
スイッチ回路135は、加算電圧Vbが基準電圧Vcoよりも大きい場合(Vb−Vco>0の場合)にはSW(1)に切り替え、加算電圧Vbが基準電圧Vco以下の場合(Vb−Vco≦0の場合)にはSW(2)に切り替える。
温度条件で示すと、温度(Temp)の値が、Temp<TL又はTemp>THの場合には、スイッチ回路125をSW1に切り替えて、調整後温度補償キャンセル電圧VB1を出力し、TL≦Temp≦THの場合には、SW2に切り替えて、調整後温度補償キャンセル電圧VB2を出力する。
[時定数生成回路117の構成]
時定数生成回路117は、図2に示した温度補償キャンセル回路と同様の構成及び動作であり、発振回路の周波数ドリフト特性を補償する発振回路周波数ドリフト補償電圧VC1を出力する。
そして、時定数生成回路117の定電流源回路の電流、コンデンサの容量、AMPのゲインがメモリ111に記憶されている。
[各制御電圧のバリキャップダイオードへの入力:図13]
次に、VCXOに入力される温度補償制御電圧と、周波数ドリフト特性を補償する3種類の制御電圧のバリキャップダイオードへの入力について図13を用いて説明する。
図13に示すように、発振器の周波数温度特性を補償する温度補償制御電圧Vaは、バリキャップダイオード7a,7bのアノード側に入力される。
また、図9,図10を用いて示したように、水晶周波数ドリフト特性と、温度補償周波数ドリフト特性とは、反対の特性であるため、それらを補償するための調整後水晶補償制御電圧VAの特性と、調整後温度補償周波数ドリフトキャンセル電圧VBの特性も反対となる。
そのため、VAとVBのバリキャップダイオード7a,7bへの入力方向を反対とする。
つまり、温度(Temp)の値が、Temp<TL又はTemp>THの場合には、スイッチ回路125,135はいずれもSW(1)に切り替わり、水晶周波数ドリフト補償回路115からは調整後水晶補償制御電圧VA1が出力されてバリキャップダイオード7a,7bのアノード側に印加され、IC周波数ドリフトキャンセル回路116からは調整後温度補償キャンセル電圧VB1が出力されてバリキャップダイオード7a,7bのカソード側に印加される。
また、TL≦Temp≦THの場合には、スイッチ回路125,135はいずれもSW(2)に切り替わり、水晶周波数ドリフト補償回路115からは調整後水晶補償制御電圧VA2が出力されてバリキャップダイオード7a,7bのカソード側に印加され、IC周波数ドリフトキャンセル回路116からは調整後温度補償キャンセル電圧VB2が出力されてバリキャップダイオード7a,7bのアノード側に印加される。
別の温度補償型水晶発振器では、基準電圧Vcoと、微分関数を用いて求められた加算電圧Vbとの大小に応じて、状況によって調整後水晶補償制御電圧VA及び調整後温度補償周波数ドリフトキャンセル電圧VBをバリキャップダイオード7a,7bのカソード側又はアノード側のいずれかに印加するようにしている。
これにより、別の温度補償型水晶発振器では、n次関数を用いた温度補償に加えて、n次関数の微分関数を用いた周波数ドリフト特性の補償が行われるものである。
発振回路周波数ドリフト特性は、温度によらず一方向の特性であるため、時定数生成回路117の出力である発振回路周波数ドリフト補償電圧VC1は、温度にかかわらず常にアノード側に入力される。
[別の温度補償型水晶発振器の周波数ドリフト特性:図20]
別の温度補償型水晶発振器の周波数ドリフト特性について図20を用いて説明する。図20は、別の温度補償型水晶発振器の周波数ドリフト特性を示す説明図である。
図20では、低温〜高温に亘る広い温度範囲におけるVoutの周波数ドリフト特性を示している。
図20に示すように、別の温度補償型水晶発振器では、図21の従来の温度補償型水晶発振器と比較して、電源投入直後のうねりがほとんど見られず、周波数ドリフト特性が大幅に改善されていることがわかる。
[別の実施の形態の効果]
本発明の別の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器によれば、水晶振動子の周波数温度特性を補償する温度補償回路として5次関数発生回路100〜105と、アンプ110a〜110f、110a′〜110f′により、5次関数を生成する5次関数生成回路と、その微分である4次関数を生成する4次関数生成回路を備え、5次関数に基づく温度補償制御電圧Vaで発振器の周波数温度特性を補償すると共に、水晶周波数ドリフト補償回路115、IC周波数ドリフトキャンセル回路116、時定数生成回路117が、4次関数に基づく加算電圧Vbを用いて、それぞれ、温度変化に伴う水晶周波数ドリフト特性、温度補償周波数ドリフト特性、発振回路周波数ドリフト特性を補償する制御電圧を出力して各周波数ドリフト特性を補償するので、精度の高い温度補償に加えて、各周波数ドリフト特性の補償を精度よく行うことができ、起動時の周波数の変動(うねり)を抑え、周波数ドリフト特性を改善し、良好な周波数起動特性を実現できる効果がある。
本発明は、温度補償による周波数ドリフト特性をキャンセルでき、更に、水晶振動子及び発振回路の周波数ドリフト特性までも補償して周波数ドリフト特性のうねり特性を抑制する温度補償型水晶発振器に好適である。
1…温度補償回路、 2…AFC回路、 3…温度センサ、 4…加算回路、 5…水晶振動子、 6…インバータIC、 8…バッファ、 9…出力端子、 11…温度補償キャンセル回路、 12…水晶補償回路、 13…加算回路、 14…発振回路特性補償回路、 21,31…抵抗、 22,32…コンデンサ、 23,33…増幅器(AMP)、 24,34…定電流源回路、 25,35…ダイオード、 100〜105…関数発生回路、 110a〜110f′…アンプ(乗算器)、 111…メモリ、 112…加算回路A、 113…加算回路B、 114…基準電圧生成部、 115…水晶周波数ドリフト補償回路、 116…IC周波数ドリフトキャンセル回路、 117…時定数生成回路、 118…抵抗、 119…コンデンサ、 121,131…時定数生成回路、 122,132…絶対値回路、 123,133…コンパレータ、 124,134…可変利得増幅器、 125,135…スイッチ回路、 200…近似5次関数発生装置、 210…温度検出回路、 230…VCXO、 201…1次成分発生部、 203…3次成分発生部、 204…4次成分発生部、 205…5次成分発生部、 206…0次成分発生部、 207…加算回路

Claims (6)

  1. 水晶振動子と、水晶振動子に並列に接続される増幅器と、前記増幅器の入力側と出力側に接続される電圧可変容量素子と、温度補償を行う制御電圧を出力する温度補償回路とを有する温度補償型水晶発振器であって、
    前記水晶振動子の周辺温度を検出し、検出した温度に対応した電圧を出力する温度センサと、
    前記温度センサで検出された温度に基づいて前記温度補償回路で温度補償された場合の温度補償周波数ドリフト特性をキャンセルするための電圧を出力する温度補償キャンセル回路と、
    前記水晶振動子の周波数ドリフト特性を補償するための電圧を出力する水晶補償回路と
    記温度センサから出力された電圧と、前記温度補償キャンセル回路から出力された電圧と、前記水晶補償回路から出力された電圧を加算して前記温度補償回路に出力する第1の加算回路とを有することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  2. 温度補償キャンセル回路は、定電流源回路とコンデンサが直列に接続され、前記定電流源回路と前記コンデンサの間の電圧を増幅する増幅器を備え、前記増幅器の入力段にダイオードのアノードが接続され、前記ダイオードのカソードが接地され、温度補償回路における温度補償周波数ドリフト特性を打ち消す温度補償周波数キャンセル特性となる温度補償周波数ドリフト特性補償制御電圧を第1の加算回路に出力することを特徴とする請求項1記載の温度補償型水晶発振器。
  3. 水晶補償回路は、定電流源回路とコンデンサが直列に接続され、前記定電流源回路と前記コンデンサの間の電圧を増幅する増幅器を備え、前記増幅器の入力段にダイオードのアノードが接続され、前記ダイオードのカソードが接地され、水晶振動子における水晶周波数ドリフト特性を補償する水晶周波数補償特性となる水晶周波数ドリフト特性補償制御電圧を第1の加算回路に出力することを特徴とする請求項1又は2記載の温度補償型水晶発振器。
  4. 水晶振動子と、水晶振動子に並列に接続される増幅器と、前記増幅器の入力側と出力側に接続される電圧可変容量素子と、温度補償を行う制御電圧を出力する温度補償回路とを有する温度補償型水晶発振器であって、
    前記水晶振動子の周辺温度を検出し、検出した温度に対応した電圧を出力する温度センサと、
    前記温度センサで検出された温度に基づいて前記温度補償回路で温度補償された場合の温度補償周波数ドリフト特性をキャンセルするための電圧を出力する温度補償キャンセル回路と、
    前記増幅器を含む発振回路の周波数ドリフト特性を補償するための電圧を出力する発振回路特性補償回路と、
    前記温度センサから出力された電圧と、前記温度補償キャンセル回路から出力された電圧を加算して前記温度補償回路に出力する第1の加算器と、
    前記温度補償回路から出力された電圧と前記発振回路特性補償回路から出力された電圧を加算して前記電圧可変容量素子に出力する第2の加算回路とを有することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  5. 出力周波数を可変にするための制御電圧を出力する周波数制御回路を設け、
    第2の加算回路は、温度補償回路から出力された電圧と発振回路特性補償回路から出力された電圧と前記周波数制御回路から出力された電圧とを加算して前記電圧可変容量素子に出力することを特徴とする請求項4記載の温度補償型水晶発振器。
  6. 発振回路特性補償回路は、定電流源回路とコンデンサが直列に接続され、前記定電流源回路と前記コンデンサの間の電圧を増幅する増幅器を備え、前記増幅器の入力段にダイオードのアノードが接続され、前記ダイオードのカソードが接地され、発振回路における発振回路周波数ドリフト特性を補償する発振回路周波数補償特性となる発振回路周波数ドリフト特性補償制御電圧を第2の加算回路に出力することを特徴とする請求項4又は5記載の温度補償型水晶発振器。
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