JP2002026658A - 水晶発振回路 - Google Patents

水晶発振回路

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JP2002026658A
JP2002026658A JP2000209589A JP2000209589A JP2002026658A JP 2002026658 A JP2002026658 A JP 2002026658A JP 2000209589 A JP2000209589 A JP 2000209589A JP 2000209589 A JP2000209589 A JP 2000209589A JP 2002026658 A JP2002026658 A JP 2002026658A
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temperature
circuit
voltage
compensation
linear function
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JP2000209589A
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Hiroyuki Oba
浩幸 大場
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度で発振周波数の温度補償を行え、しか
も構成が簡素で、安価、かつ安定性の高い水晶発振回路
を実現する。 【解決手段】 水晶発振回路2では、中心切断角度に対
する切断角度偏差が+40分であるATカット水晶振動
子を用いているので、発振周波数は温度変化に対して大
きく変化するもの、発振周波数は広い温度範囲において
おおむね直線的に変化する。したがって、温度にほぼ比
例して変化する補償電圧14を可変容量コンデンサ8に
供給することで、周波数温度特性を高い精度で補償する
ことができ、そのため温度補償回路10は、1回路の1
次関数発生回路16によって簡単に構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水晶発振回路に関
し、特に温度変化に対して発振周波数が安定化された水
晶発振回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】温度変化に対して発振周波数が安定化さ
れた水晶発振回路は温度補償型水晶発振回路(TCX
O)として、携帯電話機などの通信機器で特に周波数の
安定度が要求される回路に使用されている。図10はT
CXOに用いられるATカット水晶振動子の周波数温度
特性を示すグラフであり、横軸は周囲温度を表し、縦軸
は周波数偏差を表している。各曲線は、切断角度を中心
切断角度を基準に−10分から+20分まで5分ピッチ
で変化させた場合の各温度特性を示している。図10か
ら分かるように、この種の水晶振動子の周波数温度特性
は切断角度により変化し、そして従来のTCXOでは、
温度変化に対する周波数変化をできるだけ抑えるため
に、切断角度がATカットの中心切断角度である水晶振
動子、または切断角度が中心切断角度に対してわずかに
偏差を有する水晶振動子を用いていた。
【0003】図11は、ATカット水晶振動子の温度補
償を説明するグラフである。ATカット水晶振動子の周
波数温度特性101は3次関数と1次関数の合成で近似
することができるため、従来のTCXOでは、水晶振動
子の周波数温度特性を打ち消すべく、温度変化に対して
3次関数で表される補償特性102を生成し、同補償特
性を用いて発振周波数の安定化を図っていた。
【0004】また、通信機器の低価格化や低消費電力化
にともない、従来、ディスクリート電子部品で構成され
ていた間接補償型TCXOも、より安価で、かつより低
電圧で動作することが通信機器メーカーから要求されて
いる。この、要求に応えるため、水晶振動子以外のディ
スクリート電子部品を半導体集積回路に搭載することに
より、安価なTCXOを実現する技術が活発に研究され
ている。
【0005】特開平10−4318号公報やWO985
6105には、半導体集積回路に水晶振動子以外のディ
スクリート電子部品を搭載した例が開示されている。図
12はこの種の従来の水晶発振回路の一例を示すブロッ
ク図である。図12に示した水晶発振回路104は、共
振回路に水晶振動子106および可変容量コンデンサ1
08を含む発振回路109と、温度補償回路110とか
ら成り、発振回路109、可変容量コンデンサ108、
ならびに温度補償回路110は半導体集積回路111に
搭載されている。そして、温度補償回路110は、温度
センサー112、1次関数発生回路114、3次関数発
生回路116、加算回路118などにより構成されてい
る。この水晶発振回路104では、温度センサー112
が出力する、温度にほぼ比例して変化する電圧に対し
て、1次関数発生回路114および3次関数発生回路1
16はそれぞれ1次関数的および3次関数的に変化する
電圧を出力し、加算回路118はこれらの電圧を加算
し、結果を補償電圧として可変容量コンデンサ108に
出力する。
【0006】しかし、このような温度補償回路110で
は、3次関数発生回路116はあくまでも擬似的に3次
関数特性を実現するものであり、その精度は1次関数発
生回路114に比べて大きく劣るため、高い精度で水晶
振動子106の周波数温度特性を補償することは困難で
ある。また、3次関数特性は、半導体集積回路に搭載で
きる能動素子や受動素子単独では実現できず、そのた
め、バイポーラトランジスタまたはMOSトランジスタ
による差動対回路を多段接続するといった構成が必要と
なり、回路は非常に複雑になる。さらに、3次関数特性
の誤差を抑えるためには、各差動対回路の入力電圧や回
路動作点電圧の変動を抑制しなければなず、回路はさら
に複雑かつコスト高になる。
【0007】一方、特開平6−85537号公報には、
ダイオードを用いた折線近似により水晶振動子の周波数
温度特性を補償する技術が開示されている。図13はこ
のダイオードを用いて折線近似特性を得る温度補償回路
の一例を示す回路図である。この温度補償回路120
は、図13に示したように、ダイオード122、12
4、オペアンプ126、ならびに抵抗136、138、
140、142、144、146により構成され、入力
端子128より温度センサーの出力電圧を供給すると、
温度変化に対して3次関数的に変化する補償電圧がオペ
アンプ126より出力端子130を通じて出力される。
図14はこの温度補償回路による水晶振動子の温度補償
を説明するグラフである。図中、横軸は周囲温度、縦軸
は周波数偏差を表している。このグラフにおいて、曲線
123は切断角度の偏差が中心切断角度に対して0分で
ある水晶振動子の温度特性を、折線121は、補償特性
を示しており、室温近辺で周波数温度特性123は補償
特性121により近似されている。
【0008】しかし、この温度補償回路120では十分
な温度補償を行うことは困難である。図15は、図13
に示した温度補償回路120を用いて水晶振動子の温度
補償を行った場合の周波数の変化をシミュレーションに
より求めた結果を示すグラフである。図中、横軸は周囲
温度を表し、縦軸は周波数偏差を表してる。このグラフ
から分かるように、ダイオードによる折線近似補償特性
121の変曲点に相当する0°Cおよび50°C近辺で
発振周波数が急激に変化している。このような急激な周
波数の変化は、通信機器の安定性を損なう原因となる。
また、この温度補償回路120では、温度センサーの出
力電圧はダイオードの順方向降下電圧の2倍以上のダイ
ナミックレンジが必要であるため、TCXOの低電圧化
には適していない。
【0009】特開平6−276020号公報には1次関
数発生回路のみを用いて温度補償を行う技術が開示され
ている。図16は、この技術にもとづく従来の水晶発振
回路の一例を示す回路図である。図中、図12と同一の
要素には同一の符号が付されている。図16に示したよ
うに、この水晶発振回路132は、異なる複数の温度区
間にそれぞれ対応する5つの1次関数発生回路114を
備え、それらの出力電圧を加算回路134によりすべて
加算することで、上記温度区間ごとに直線近似した補償
特性が得られるように構成されている。
【0010】しかし、このような水晶発振回路では、最
低でも3回路以上の1次関数発生回路が必要であり、温
度補償の精度を高めようとすると、さらに多数の1次関
数発生回路を設けなければならない。そのため、回路規
模が大きくなってしまう。また、1次関数発生回路11
4の数を増やすと、1回路当たりの出力電圧範囲が狭く
なるため、補償特性の調整作業が難しくなり、高い精度
を確保することが困難になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決するためになされたもので、その目的は、高い
精度で発振周波数の温度補償を行え、しかも構成が簡素
で、安価、かつ安定性の高い水晶発振回路を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、中心切断角度に対する切断角度偏差が正の値
であるATカット水晶振動子と、前記水晶振動子を共振
回路に含む発振回路と、前記発振回路の前記共振回路を
構成し、印加された補償電圧により容量が変化して、前
記補償電圧におおむね比例して前記発振回路の発振周波
数を変化させる可変容量コンデンサと、温度にほぼ比例
して変化する前記補償電圧を発生して前記可変容量コン
デンサに供給する温度補償回路とを備えたことを特徴と
する。
【0013】本発明の水晶発振回路では、中心切断角度
に対する切断角度偏差が正の値であるATカット水晶振
動子を用いるので、発振周波数は温度変化に対して大き
く変化するもの、発振周波数は広い温度範囲においてお
おむね直線的に変化する。したがって、温度にほぼ比例
して変化する補償電圧によって周波数温度特性を高い精
度で補償することができ、温度補償回路は、たとえば1
つの1次関数発生回路のみによって構成することができ
る。その結果、温度補償回路はきわめて簡素となり、小
型かつ安価に構成できるとともに、複雑な調整なども不
要であることから高い安定性が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明による水晶発
振回路の一例を示すブロック図、図2は図1の温度補償
回路を詳しく示す回路図である。図1に示した水晶発振
回路2は、中心切断角度に対する切断角度偏差が+40
分であるATカット水晶振動子4と、水晶振動子4を共
振回路に含む発振回路6とを備え、さらに、発振回路6
の共振回路を構成し、印加された補償電圧により容量が
変化して、補償電圧におおむね比例して発振回路6の発
振周波数を変化させる可変容量コンデンサ8と、温度に
ほぼ比例して変化する補償電圧を発生して可変容量コン
デンサ8に供給する温度補償回路10とを備えている。
そして水晶振動子4を除く各要素はすべて半導体集積回
路5に搭載されている。
【0015】温度補償回路10は、より詳しくは、温度
にほぼ比例して変化する電圧を出力する温度センサー1
2と、温度センサー12の出力電圧を増幅するとともに
同出力電圧にバイアス電圧を加えて補償電圧14として
出力する1次関数発生回路16と、EEPROM17と
(電気的書換可能ROM)により構成されている。
【0016】1次関数発生回路16は、図2に示したよ
うに、オペアンプ18、抵抗20、22、ならびに上記
バイアス電圧を生成する電源24により構成された反転
増幅回路となっている。電源24の正極はオペアンプ1
8の非反転入力端子に接続され、電源24の負極はグラ
ンドに接続されている。また、抵抗20、22の一端は
ともにオペアンプ18の反転入力端子に接続され、抵抗
22の他端はオペアンプ18の出力端子に接続されてい
る。電源24の電圧および抵抗22の抵抗値は、それぞ
れEEPROMから与えられるデジタルデータにより設
定可能であり、したがって、温度センサー12の出力電
圧に加えるバイアス電圧、および1次関数発生回路16
の増幅度はEEPROMからのデータにより設定され
る。
【0017】温度センサー12は、本実施の形態例では
直列接続された2つのPN接合のダイオード26、28
とダイオード26、28に電流を供給する直流電流源3
0とにより構成されている。ダイオード28のカソード
はグランドに、アノードはダイオード26のカソードに
それぞれ接続され、ダイオード26のアノードは直流電
流源30の出力端子に接続されている。そして、2つの
ダイオードの順方向降下電圧を加算した電圧が、ダイオ
ード26のアノードから、温度にほぼ比例して変化する
電圧として出力される。
【0018】次に、このように構成された水晶発振回路
2の動作について説明する。図3は水晶振動子の周波数
温度特性、および温度補償回路10が出力する補償電圧
14によって決まる発振周波数の温度変化を示すグラフ
である。図中、横軸は周囲温度を、縦軸は周波数偏差を
表し、曲線32が水晶振動子の周波数温度特性、直線3
4が補償電圧14により決まる発振周波数の温度変化を
示している。なお、曲線32で表された周波数温度特性
は以下に説明する[数1]により算出したものであり、
一方、直線34は、温度と補償電圧14との関係、およ
び補償電圧14と周波数との関係が既知であることにも
とづいて算出したものである。
【0019】温度センサー12は、温度にほぼ比例して
降下する電圧を出力する。1次関数発生回路16はこの
温度センサー12からの電圧を反転させて、EEPRO
Mからのデータで決まる増幅度で増幅し、またEEPR
OMからのデータで決まるバイアス電圧を、温度センサ
ー12からの電圧に加える。その結果、温度補償回路1
0は、あるバイアスを持ち、温度に比例して上昇する補
償電圧14を可変容量コンデンサ8に印加し、発振回路
6が出力端子36より出力する信号の周波数は、仮に補
償電圧14の影響だけを受けるとした場合、図3に示し
た直線34のように直線的に変化する。この直線34の
勾配は、1次関数発生回路16の増幅度により決まり、
したがってEEPROMに保持させるデータにより調整
できる。
【0020】一方、本実施の形態例では、上述のように
中心切断角度に対する切断角度偏差が+40分であるA
Tカット水晶振動子を用いているので、発振周波数は、
図3に曲線32で示したように、温度変化に対して大き
く変化するもの、広い温度範囲においておおむね直線的
に変化する。これについて詳しく説明すると、ATカッ
ト水晶振動子の、25°Cを基準とした周囲温度に対す
る周波数変化率は、次式により近似的に表されることが
知られている。
【0021】
【数1】Δf/f={(0.00002×μ+0.01
165)×(T−25)3+(0.0083×μ−0.
0873)×(T−25)2+(8.582×μ−1.
826)×(T−25)}×10-8 ただし、Δf/fは25°Cを基準として周波数変化
率、μは水晶振動子の切断角度(単位は分)、Tは周囲
温度(単位は°C)である。
【0022】このようにATカット水晶振動子の周波数
温度特性は3次関数により表されるが、水晶振動子の切
断角度μを正側に増加させると、図10に示したよう
に、周波数温度特性は周囲温度25°Cを中心に直線に
より近似できる範囲が拡大する。切断角度偏差を本実施
の形態例のように+40分にした場合には、図3に示し
たように、いっそう広い範囲で周波数温度特性(曲線3
2)は直線的となる。
【0023】そして、図3に示したように、曲線32お
よび直線34は互いに逆の勾配を有し、直線34の勾配
の絶対値は、曲線32の勾配の絶対値に一致するように
1次関数発生回路16の増幅度により調整できるので、
温度変化による水晶振動子の周波数の変化は、温度補償
回路10が出力する補償電圧14による周波数変化によ
って高精度に打ち消すことができる。
【0024】図4は、図1の水晶発振回路2の発振周波
数の温度変化をシミュレーションにより求めた結果を示
すグラフである。図中、横軸は周囲温度を表し、縦軸は
周波数偏差を表している。このグラフから分かるよう
に、広い温度範囲において周波数偏差は狭い領域に収ま
っており、発振周波数は効果的に安定化されている。
【0025】本実施の形態例では、このような温度補償
を、1つの1次関数発生回路16と、ダイオードによる
簡単な温度センサー12により実現でき、回路はきわめ
て簡素であって、小型かつ安価に構成できるとともに、
複雑な調整なども不要であることから高い安定性が得ら
れる。また、水晶振動子の周波数温度特性は上記[数
1]により表されるので、1次関数発生回路16の増幅
度は[数1]にもとづいて算出することができる。した
がって、恒温槽を使用して周波数温度特性を実測する必
要はなく、1次関数発生回路16の増幅度は容易に設定
することができる。なお、本実施の形態例では水晶振動
子の切断角度の偏差を+40分としたが、これはあくま
でも一例であり、この値より小さい偏差であっても、あ
るいは大きい偏差であっても同様の効果を得ることがで
きる。
【0026】次に、本発明の第2の実施の形態例につい
て説明する。図5は第2の実施の形態例の水晶発振回路
を示すブロック図である。図中、図1と同一の要素には
同一の符号が付されている。この水晶発振回路38は、
上記水晶発振回路2の温度補償回路10に1次関数発生
回路40、電圧切り換え回路42、ならびに温度比較回
路44を追加した構成となっている。上記1次関数発生
回路40は、温度センサー12の出力電圧を増幅すると
ともに同出力電圧にバイアス電圧を加えて補償電圧とし
て出力する。1次関数発生回路40の増幅度は1次関数
発生回路16より若干低く設定されている。そして、電
圧切り換え回路42は、切り換え信号46にもとづい
て、1次関数発生回路16、40のいずれかの出力電圧
を選択し補償電圧14として可変容量コンデンサ8に出
力する。温度比較回路44は、温度センサー12の出力
電圧が表す温度が基準の温度より高いか否かに応じて1
次関数発生回路16、40のいずれかの出力電圧を選択
すべく切り換え信号46を電圧切り換え回路42に供給
する。上記基準の温度は、本実施の形態例では一例とし
て0°Cであり、周囲温度が0°Cより高い場合は、1
次関数発生回路16が出力する補正電圧が可変容量コン
デンサ8に供給され、一方、周囲温度が0°C以下の場
合は、1次関数発生回路40が出力する補正電圧が可変
容量コンデンサ8に供給される。
【0027】図6は、水晶振動子の周波数温度特性、お
よび温度補償回路が出力する補償電圧によって決まる水
晶発振回路の発振周波数の温度変化を示すグラフであ
る。図中、横軸は周囲温度、縦軸は周波数偏差を表して
いる。図6は図3と同種の図面であり、曲線32が水晶
振動子の周波数温度特性を示し、実線で表された直線4
8は1次関数発生回路16が出力する補償電圧により決
まる発振周波数の温度変化を、点線で表された直線50
は1次関数発生回路40が出力する補償電圧により決ま
る発振周波数の温度変化をそれぞれ示している。
【0028】本実施の形態例では、1次関数発生回路4
0の増幅度が、上述のように1次関数発生回路16より
若干低いことから直線50の勾配はやや小さくなってい
る。したがって、周囲温度が低い範囲で水晶振動子の周
波数温度特性(曲線32)の勾配がやや小さくなってい
ることに対応して、低い温度において、水晶発振回路2
より良好に周波数温度特性が補償され、水晶発振回路3
8の発振周波数はより広い範囲で安定化される。
【0029】図7は第2の実施の形態例における周波数
温度特性を示すグラフである。図中、横軸は周囲温度、
縦軸は周波数偏差を表している。図4と比較して分かる
ように、第2の実施の形態例では、低い温度領域におい
ても発振周波数が十分に安定化されている。また、本実
施の形態例では、周波数温度特性の補償の調整は低温側
と高温側とに分けて行えばよく、したがって、1次関数
発生回路16、40の増幅度やバイアスの調整は水晶発
振回路2の場合より容易に行うことができる。
【0030】次に、本発明の第3の実施の形態例につい
て説明する。図8は第3の実施の形態例の水晶発振回路
を示すブロック図である。図中、図1と同一の要素には
同一の符号が付されている。図8に示した水晶発振回路
52は、水晶発振回路の温度補償回路10に1次折線関
数発生回路54および加算回路56を追加した構成とな
っている。1次折線関数発生回路54は、温度センサー
12の出力電圧が表す温度が基準の温度より高いか否か
に応じて、温度にほぼ比例して変化する電圧および一定
の電圧のいずれかを出力する。そして、加算回路56
は、1次折線関数発生回路54の出力電圧と1次関数発
生回路16の出力電圧とを加算し補償電圧14として可
変容量コンデンサ8に出力する。
【0031】図9は、温度補償回路10が出力する補償
電圧14によって決まる水晶発振回路52の発振周波数
の温度変化を示すグラフである。図中、横軸は周囲温
度、縦軸は周波数偏差を表している。そして、直線51
は、仮に1次関数発生回路16が出力する補償電圧のみ
を可変容量コンデンサ8に印加した場合の発振周波数の
温度変化を表し、折線58は、仮に1次折線関数発生回
路54が出力する補償電圧のみを可変容量コンデンサ8
に印加した場合の発振周波数の温度変化を表している。
そして、折線60は、1次関数発生回路16および1次
折線関数発生回路54が出力する補償電圧を、加算回路
56により加算して可変容量コンデンサ8に印加した場
合の発振周波数の温度変化を表している。
【0032】1次折線関数発生回路54は、温度センサ
ー12の出力電圧にもとづき、本実施の形態例では周囲
温度が0°C以下の場合には、温度が下がるほど、比較
的小さい勾配で周波数が直線的に高くなるようなるよう
な補償電圧を出力し、周囲温度が0°Cを超えた領域で
は、温度に関係なく周波数を若干低下させる補償電圧を
出力する。一方、1次関数発生回路16は、図1の水晶
発振回路2の場合と同様、温度とともに周波数が直線的
に上昇するような補償電圧を出力する。ただし、バイア
ス電圧は図1の水晶発振回路2の場合とは異なってい
る。
【0033】1次関数発生回路16および1次折線関数
発生回路54がこのような補償電圧を出力し、加算回路
56はそれらを加算して可変容量コンデンサ8に供給す
るので、補償電圧14による発振周波数の変化は折線6
0のようなものとなり、この折線60は、図6に示した
直線48、50を連結したものにほぼ一致している。し
たがって、第3の実施の形態例の水晶発振回路52で
も、上記第2の実施の形態例の水晶発振回路38のと同
様の効果を得ることができる。さらに、第3の実施の形
態例では、電圧切り換え回路42を使用していないた
め、切り換え時にスイッチングノイズが発生する虞がな
く、ノイズを含まないより安定な発振出力を得ることが
できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の水晶発振回
路は、中心切断角度に対する切断角度偏差が正の値であ
るATカット水晶振動子と、前記水晶振動子を共振回路
に含む発振回路と、前記発振回路の前記共振回路を構成
し、印加された補償電圧により容量が変化して、前記補
償電圧におおむね比例して前記発振回路の発振周波数を
変化させる可変容量コンデンサと、温度にほぼ比例して
変化する前記補償電圧を発生して前記可変容量コンデン
サに供給する温度補償回路とを備えたことを特徴とす
る。
【0035】本発明の水晶発振回路では、中心切断角度
に対する切断角度偏差が正の値であるATカット水晶振
動子を用いるので、発振周波数は温度変化に対して大き
く変化するもの、発振周波数は広い温度範囲においてお
おむね直線的に変化する。したがって、温度にほぼ比例
して変化する補償電圧によって周波数温度特性を高い精
度で補償することができ、温度補償回路は、たとえば1
つの1次関数発生回路のみによって構成することができ
る。その結果、温度補償回路はきわめて簡素となり、小
型かつ安価に構成できるとともに、複雑な調整なども不
要であることから高い安定性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水晶発振回路の一例を示すブロッ
ク図である。
【図2】図1の温度補償回路を詳しく示す回路図であ
る。
【図3】水晶振動子の周波数温度特性、および温度補償
回路が出力する補償電圧によって決まる発振周波数の温
度変化を示すグラフである。
【図4】図1の水晶発振回路の発振周波数の温度変化を
シミュレーションにより求めた結果を示すグラフであ
る。
【図5】第2の実施の形態例の水晶発振回路を示すブロ
ック図である。
【図6】水晶振動子の周波数温度特性、および温度補償
回路が出力する補償電圧によって決まる水晶発振回路の
発振周波数の温度変化を示すグラフである。
【図7】第2の実施の形態例における周波数温度特性を
示すグラフである。
【図8】第3の実施の形態例の水晶発振回路を示すブロ
ック図である。
【図9】温度補償回路が出力する補償電圧によって決ま
る水晶発振回路の発振周波数の温度変化を示すグラフで
ある。
【図10】TCXOに用いられるATカット水晶振動子
の周波数温度特性を示すグラフである。
【図11】ATカット水晶振動子の温度補償を説明する
グラフである。
【図12】従来の水晶発振回路の一例を示すブロック図
である。
【図13】ダイオードを用いて折線近似特性を得る温度
補償回路の一例を示す回路図である。
【図14】図13に示した温度補償回路による水晶振動
子の温度補償を説明するグラフである。
【図15】図13に示した温度補償回路を用いて水晶振
動子の温度補償を行った場合の周波数の変化をシミュレ
ーションにより求めた結果を示すグラフである。
【図16】従来の水晶発振回路の他の例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
2……水晶発振回路、4……水晶振動子、6……発振回
路、8……可変容量コンデンサ、10……温度補償回
路、12……温度センサー、14……補償電圧、16…
…1次関数発生回路、18……オペアンプ、20……抵
抗、22……抵抗、24……電源、26……ダイオー
ド、28……ダイオード、30……直流電流源、36…
…出力端子、38……水晶発振回路、40……1次関数
発生回路、42……電圧切り換え回路、44……温度比
較回路、46……切り換え信号、52……水晶発振回
路、54……1次折線関数発生回路、56……加算回
路、102……補償信号、104……水晶発振回路、1
06……水晶振動子、108……可変容量コンデンサ、
110……温度補償回路、112……温度センサー、1
14……1次関数発生回路、116……3次関数発生回
路、118……加算回路、120……温度補償回路、1
22……ダイオード、124……ダイオード、126…
…オペアンプ、128……入力端子、130……出力端
子、132……水晶発振回路、134……加算回路、1
36、138、140、142、144、146……抵
抗。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心切断角度に対する切断角度偏差が正
    の値であるATカット水晶振動子と、 前記水晶振動子を共振回路に含む発振回路と、 前記発振回路の前記共振回路を構成し、印加された補償
    電圧により容量が変化して、前記補償電圧におおむね比
    例して前記発振回路の発振周波数を変化させる可変容量
    コンデンサと、 温度にほぼ比例して変化する前記補償電圧を発生して前
    記可変容量コンデンサに供給する温度補償回路とを備え
    たことを特徴とする水晶発振回路。
  2. 【請求項2】 前記温度補償回路は、温度にほぼ比例し
    て変化する電圧を出力する温度センサーと、前記温度セ
    ンサーの出力電圧を増幅するとともに同出力電圧にバイ
    アス電圧を加えて前記補償電圧として出力する第1の1
    次関数発生回路とを備えたことを特徴とする請求項1記
    載の水晶発振回路。
  3. 【請求項3】 前記バイアス電圧、および前記第1の1
    次関数発生回路の増幅度はデジタルデータにより設定可
    能であり、前記デジタルデータは不揮発性メモリーから
    供給されることを特徴とする請求項2記載の水晶発振回
    路。
  4. 【請求項4】 前記温度センサーは、1つ、または直列
    に接続された複数のダイオードと同ダイオードに電流を
    供給する直流電流源とを含み、前記ダイオードの順方向
    降下電圧を、前記温度にほぼ比例して変化する電圧とし
    て出力することを特徴とする請求項2記載の水晶発振回
    路。
  5. 【請求項5】 前記第1の1次関数発生回路はオペアン
    プによる反転増幅回路により構成されていることを特徴
    とする請求項2記載の水晶発振回路。
  6. 【請求項6】 前記温度補償回路は、前記温度センサー
    の出力電圧を増幅するとともに同出力電圧に前記バイア
    ス電圧を加えて前記補償電圧として出力する第2の1次
    関数発生回路と、切り換え信号にもとづいて、第1およ
    び第2の1次関数発生回路のいずれかの出力電圧を選択
    し前記補償電圧として前記可変容量コンデンサに出力す
    る電圧切り換え手段と、前記温度センサーの出力電圧が
    表す温度が基準温度より高いか否かに応じて第1および
    第2の1次関数発生回路のいずれかの出力電圧を選択す
    べく前記切り換え信号を前記電圧切り換え手段に供給す
    る温度比較回路とを備えたことを特徴とする請求項2記
    載の水晶発振回路。
  7. 【請求項7】 前記温度補償回路は、前記温度センサー
    の出力電圧が表す温度が基準温度より高いか否かに応じ
    て、温度にほぼ比例して変化する電圧および一定の電圧
    のいずれかを出力する1次折線関数発生回路と、前記1
    次折線関数発生回路の出力電圧と前記第1の1次関数発
    生回路の出力電圧とを加算し前記補償電圧として前記可
    変容量コンデンサに出力する加算回路とを備えたことを
    特徴とする請求項2記載の水晶発振回路。
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