WO2020067341A1 - 温度補償回路及び温度補償水晶発振器 - Google Patents
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Abstract
温度補償回路は、温度センサで検知した温度信号に基づいて、第1温度で極小となり、第1温度より高い第2温度で極大となる補償信号を生成する、補償回路と、第1温度以上、且つ、第1温度と基準温度との間の第3温度以下の第1温度範囲、及び、基準温度と第2温度との間の第4温度以上、且つ、第2温度以下の第2温度範囲において補償信号を補正する補正信号を生成する、補正回路と、補正信号により補正された後の補償信号である補正後補償信号に基づいて、周波数可変型の水晶発振器に制御信号を印加する、温度補償信号回路と、を含む。
Description
本発明は、温度補償回路及び温度補償水晶発振器に関する。
水晶発振器(Crystal Oscillator)に含まれる水晶振動素子(Crystal Resonator)は、温度に応じて共振周波数が変化する。温度補償型水晶発振器(Temperature Compensated crystal Oscillator、以下、「TCXO」と称する場合がある)は、温度に応じて、電圧制御水晶発振器(Voltage Contorolled crystal Oscilator、以下、「VCXO」と称する場合がある)に印加する電圧を生成する温度補償回路を有する。この温度補償回路により、温度が変化しても、温度補償型水晶発振器の発振周波数が一定になるよう制御できる。
下記の特許文献1には、アナログ回路方式の、温度補償型圧電発振器が記載されている。
第1の温度で極大値を有し、第1の温度より高い第2の温度で極小値を有する、三次曲線に類似した周波数温度特性を有する水晶振動素子を含む温度補償型水晶発振器において、水晶振動素子の周波数温度特性の理想的な波形(以下、「モデル波形」と称する場合がある)を相殺する信号を周波数可変型の水晶発振器に印加する。その結果、発振周波数が一定になるよう制御される。
実際の水晶振動素子の周波数温度特性の波形に対するモデル波形への近似度合いを高めるために、より高次の数式を用いて近似することが考えられる。近似式の次数を高くすれば波形を原理的には近似できる。しかしながら、アナログ回路方式において、高次式を実現するためには、より多くの回路構成が必要となる。回路構成数が増加すれば、各回路の誤差が積み重なり、アナログ回路全体の誤差が拡大することが起こり得る。
本発明は上記課題を鑑みて発明されたものであって、本発明の目的は発振周波数の温度変化を好適に抑制することを目的とする。
本発明の一側面の温度補償回路は、第1温度で共振周波数が極大となり、第1温度より高い第2温度で共振周波数が極小となる周波数温度特性を有する水晶振動素子を含む、周波数可変型の水晶発振器の温度補償を行う回路であって、第1温度より低い温度範囲において実質的に変化する電流を、第1補償信号として出力する、低温補償回路と、第1温度以上且つ第2温度以下において実質的に変化する電流を、第2補償信号として出力する、中温補償回路と、第2温度より高い温度範囲において実質的に変化する電流を、第3補償信号として出力する、高温補償回路と、を含み、温度センサの温度信号に基づいて、第1温度で極小となり、第2温度で極大となる補償信号を生成する、補償回路と、第1温度以上、且つ、第1温度と基準温度との間の第3温度以下の第1温度範囲において第1補償信号を補正する第1補正信号を出力する第1補正回路、及び、基準温度と第2温度との間の第4温度以上、且つ、第2温度以下の第2温度範囲において第3補償信号を補正する第2補正信号を出力する第2補正回路のみから成る、補正回路と、第1補正信号及び第2補正信号により補正された後の補償信号である補正後補償信号に基づいて、周波数可変型の水晶発振器に制御信号を印加する、温度補償信号回路と、を備え、基準温度は、周波数可変型の水晶発振器の発振周波数の基準となる温度であり、第1補正回路は、ベースに第1閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第1トランジスタと、ベースに温度信号が入力され、エミッタが第1トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから第1補正信号を出力する第2トランジスタと、第1トランジスタのエミッタ電流と第2トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、を含み、第2補正回路は、ベースに第2閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第3トランジスタと、ベースに温度信号が入力され、エミッタが第3トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから第2補正信号を出力する第4トランジスタと、第3トランジスタのエミッタ電流と第4トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、を含む。
本発明によれば、発振周波数の温度変化を好適に抑制することが可能となる。
以下に、本発明の温度補償回路及び温度補償水晶発振器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。第2の実施の形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
図1は、実施の形態の温度補償水晶発振器(TCXO)1の構成を示す図である。TCXO1は、周波数可変型の水晶発振器2と、温度センサ3と、温度補償回路4と、を含む。周波数可変型の水晶発振器2は、電圧制御水晶発振器(VCXO)2とする。
VCXO2は、水晶振動素子11と、帰還抵抗である抵抗12と、増幅回路であるインバータ(反転)回路13と、可変容量回路14と、コンデンサ15と、を含む。水晶振動素子11は、ATカットされた水晶片と、水晶片の両主面に設けられた励振電極とを含むものとする。可変容量回路14は、可変容量ダイオード(バリキャップ)とする。本開示は可変容量ダイオードに限定されない。具体的には、可変容量回路14は、複数のコンデンサで構成され、後述する制御電圧V2に基づいて1つ又は複数のコンデンサの接続状態が選択されても良い。
水晶振動素子11、抵抗12及びインバータ回路13は、並列に接続されている。可変容量回路14は、水晶振動素子11の一端と基準電位との間に接続されている。基準電位は、接地電位が例示されるが、本開示はこれに限定されない。コンデンサ15は、水晶振動素子11の他端と基準電位との間に接続されている。なお、コンデンサ15を可変容量回路に置き換えてもよい。この場合、置き換えた可変容量回路は、温度補償回路4に接続される。
水晶振動素子11は、温度に応じ共振周波数が変化する特性を有する。周波数温度特性の示す理想的な波形100を以下、「モデル波形」と称する場合がある。VCXO2に用いられる水晶振動素子11の周波数温度特性、具体的には図2に示すように、ATカットの水晶振動素子11の温度変化に対する共振周波数偏差の変化を示す波形は、極大を示す温度T1と、温度T1より高く極小を示す温度T5と、が存在する三次曲線に類似した波形である。
そこで、温度補償回路4は、水晶振動素子11の周波数温度特性の変化を相殺して、周波数温度特性を安定化させる制御電圧V2をVCXO2に印加する。制御電圧V2は、極小を示す温度T1と、極大を示す温度T5と、が存在する三次曲線に類似した入出力の波形を有する。なお、温度補償回路4において周波数温度特性を一定に制御するため、共振周波数の増加に対してVCXO2に印加する制御電圧V2を減少させている。制御電圧V2の制御波形は、図2に示したモデル波形と比較して、縦軸方向に波形を反転して図示している。温度T1が、本開示の「第1温度」に対応し、温度T5が、本開示の「第2温度」に対応する。温度T1は、-20℃以上-10℃以下の温度、例えば-15℃が例示されるが、本開示はこれに限定されない。温度T5は、65℃以上75℃以下の温度、例えば70℃が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
可変容量回路14は、静電容量が変化する。可変容量回路14の静電容量が変化すると、VCXO2の時定数が変化するので、VCXO2の発振周波数が変化する。温度補償回路4は、VCXO2の発振周波数の温度変化を、VCXO2の時定数の変化により打ち消す。温度補償回路4は、水晶振動素子11における温度の変化に対する共振周波数の変化の理想波形を再現したアナログ回路を含み、この理想波形に基づきVCXO2の発振周波数の温度変化を抑制する信号を生成する。温度補償回路4によって、VCXO2の発振周波数が一定になるよう制御することができる。
温度センサ3は、水晶振動素子11の近傍に配置されて温度を検出し、温度状態を表す電圧Vtempを温度補償回路4に出力する。電圧Vtempが、本開示の「温度信号」に対応する。
温度補償回路4は、補償回路5と、補正回路6と、温度補償信号回路7と、を含む。なお、温度補償回路4は、アナログ素子により構成されている。
補償回路5は、低温補償回路21と、中温補償回路22と、高温補償回路23と、を含む。本開示において、低温とは、温度T1よりも低い温度範囲とする。中温とは、温度T1以上且つ温度T5以下の温度範囲とし、基準温度T3を含むものとする。基準温度T3は、VCXO2の発振周波数の基準となる温度であり、25℃以上30℃以下の温度が例示されるが、本開示はこれに限定されない。例えば、基準温度T3は、27℃(300ケルビン)であっても良い。基準温度T3は、温度T1以上且つ温度T5以下の温度範囲の中央の温度であっても良い。本開示において、高温とは、温度T5よりも高い温度範囲とする。なお、基準温度T3は、図2で示した波形100の変曲点の温度に対応する。
低温補償回路21は、低温でのVCXO2の温度補償を行う信号である電流I1を出力する。電流I1が、本開示の「第1補償信号」に対応する。
中温補償回路22は、中温でのVCXO2の温度補償を行う信号である電流I2を出力する。電流I2が、本開示の「第2補償信号」に対応する。
高温補償回路23は、高温でのVCXO2の温度補償を行う信号である電流I3を出力する。電流I3が、本開示の「第3補償信号」に対応する。
低温補償回路21、中温補償回路22及び高温補償回路23の出力端子は、配線接続されている。従って、電流I1、電流I2及び電流I3は、加算されて、電流ISUM1となる。電流ISUM1が、本開示の「補償信号」に対応する。
補正回路6は、第1補正回路31と、第2補正回路32と、のみから成る。
第1補正回路31は、温度T1以上且つ温度T2以下の温度の範囲で、電流ISUM1を補正する信号である電流I4を出力する。ここで、温度T2は、温度T1より高く且つ基準温度T3より低い温度である。温度T2については、後で説明する。温度T2が、本開示の「第3温度」に対応する。電流I4が、本開示の「第1補正信号」に対応する。
第2補正回路32は、温度T4以上且つ温度T5以下の温度の範囲で、電流ISUM1を補正する信号である電流I5を出力する。ここで、温度T4は、基準温度T3より高く且つ温度T5より低い温度である。温度T4については、後で説明する。温度T4が、本開示の「第4温度」に対応する。電流I5が、本開示の「第2補正信号」に対応する。
第1補正回路31及び第2補正回路32の出力端子は、配線接続されている。従って、電流I4及び電流I5は、加算されて、電流ISUM2となる。電流ISUM2が、本開示の「補正信号」に対応する。電流ISUM1及び電流ISUM2は、配線接続により加算されて、電流ISUM3となる。電流ISUM3は、温度補償信号回路7に入力される。電流ISUM3が、本開示の「補正後補償信号」に対応する。
なお、実施の形態では、理解の容易のために、電流I1、電流I2及び電流I3が加算されて電流ISUM1となり、電流I4及び電流I5が加算されて電流ISUM2となり、電流ISUM1及び電流ISUM2が加算されて電流ISUM3となることとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、低温補償回路21、中温補償回路22、高温補償回路23、第1補正回路31及び第2補正回路32の出力端子が、配線接続されても良い。つまり、電流I1、電流I2、電流I3、電流I4及び電流I5が、一度に加算されて、電流ISUM3となっても良い。
温度補償信号回路7は、電流-電圧変換回路41と、調整回路42と、を含む。
図3は、実施の形態の温度補償水晶発振器の電流-電圧変換回路の構成を示す図である。電流-電圧変換回路41は、オペアンプ41aと、定電圧源41bと、抵抗41c及び41dと、を含む。
オペアンプ41aの非反転入力端子には、定電圧が定電圧源41bから入力される。抵抗41cの一端は、オペアンプ41aの反転入力端子に接続されている。抵抗41cの他端には、電流ISUM3が入力される。抵抗41dは、オペアンプ41aの反転入力端子と出力端子との間に接続されている。つまり、電流-電圧変換回路41は、反転増幅回路である。オペアンプ41aの出力端子からは、電流-電圧変換後の電圧V1が、調整回路42に出力される。
調整回路42は、予め定められたゲインKを電圧V1に乗じた制御電圧V2を可変容量回路14に出力する、増幅回路である。ゲインKについては、後で説明する。なお、調整回路42は、増幅回路に限定されない。調整回路42は、ゲインKを電圧V1に乗じることに加えて、電圧V1に他の処理を実施しても良い。
例えば、調整回路42は、基準温度T3での電圧V1の値を中心として、電圧V1の波形を回転させても良い。これは、調整回路42が、VCXO2の温度が基準温度T3から離れるほど大きなゲインを電圧V1に乗じることで、実現可能である。また、例えば、調整回路42は、電圧V1の波形を周波数方向にオフセットさせたり、電圧V1の波形を温度方向にオフセットさせたりしても良い。調整回路42は、少なくとも、ゲインKを電圧V1に乗じることができれば良い。調整回路42は、これらの処理を実施することにより、VCXO2に個体差(例えば、ATカットのカット角度の製造ばらつき)があっても、共振周波数の変動を好適に制御できる。
図4は、実施の形態の温度補償水晶発振器の補償回路及び補正回路の構成を示す図である。低温補償回路21は、Nチャネル型のトランジスタTr1及びTr2と、回路51と、を含む。
トランジスタTr1のコレクタは、電源電位VDDに接続されている。トランジスタTr1のベースには、閾値電圧Vth1が入力される。トランジスタTr1のエミッタは、トランジスタTr2のエミッタに接続されている。
トランジスタTr2のコレクタは、電流I1を出力する。なお、トランジスタTr2の実際のコレクタ電流は、コレクタに流入する向きである。しかし、先に説明したように、電流-電圧変換回路41は、反転増幅回路である。そこで、理解の容易のため、電流I1の向きは、トランジスタTr2のコレクタから流出する向きとした。電流I1の向きをトランジスタTr2のコレクタから流出する向きとすると、電流-電圧変換回路41は、非反転増幅回路に置き換えて考えることができる。
トランジスタTr2のベースには、VCXO2の温度を表す電圧Vtempが入力される。トランジスタTr2のエミッタは、トランジスタTr1のエミッタに接続されている。
なお、本開示において、各トランジスタは、バイポーラトランジスタとしたが、本開示はこれに限定されない。各トランジスタは、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)であっても良い。但し、FETは、バイポーラトランジスタよりも、位相ノイズが多い。従って、位相ノイズを抑制する観点からは、バイポーラトランジスタが好ましい。しかし、コスト、実装面積、及び、低消費電力を抑制する観点からは、FETが好ましい。
回路51は、Nチャネル型のトランジスタ51aと、抵抗51bと、定電圧源51cと、を含む。
トランジスタ51aのコレクタは、トランジスタTr1及びTr2のエミッタに接続されている。トランジスタ51aのベースには、定電圧が定電圧源51cから入力される。抵抗51bは、トランジスタ51aのエミッタと基準電位との間に接続されている。つまり、回路51は、一定の電流を流す定電流回路である。従って、回路51は、トランジスタTr1のエミッタ電流と、トランジスタTr2のエミッタ電流と、の和を一定に維持する。
つまり、低温補償回路21は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)である。
低温補償回路21は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)であるので、電流I1は、次の式(1)で表される。式(1)において、αFは、トランジスタTr1及びTr2の電流増幅率(ベース接地)である。IEEは、トランジスタTr1のエミッタ電流と、トランジスタTr2のエミッタ電流と、の和である。VTは、熱電圧である。低温補償回路21では、Vid=Vth1-Vtempである。
電流I1は、閾値電圧Vth1を中心として、Vidが概ね-4VTから4VTの範囲内で、実質的に変化する。電流I1は、Vidが概ね-4VT以下の範囲では、実質的に一定となる。電流I1は、Vidが概ね4VT以上の範囲では、実質的にゼロとなる。
図5は、実施の形態の温度補償水晶発振器の低温補償回路の特性を示す図である。波形101は、電流I1を表す。電流I1は、正規化して示している。閾値電圧Vth1は、電流I1が温度T1以上で実質的にゼロになるように、設定されている。つまり、電流I1は、実質的に、低温で変化し、中温及び高温では変化しない。
再び図4を参照すると、中温補償回路22は、Nチャネル型のトランジスタTr3及びTr4と、回路51と、を含む。
トランジスタTr3のコレクタは、電源電位VDDに接続されている。トランジスタTr3のベースには、閾値電圧Vth2が入力される。トランジスタTr3のエミッタは、トランジスタTr4のエミッタに接続されている。
トランジスタTr4のコレクタは、電流I2を出力する。なお、電流I2の向きは、電流I1と同様に、トランジスタTr4のコレクタから流出する向きとした。
トランジスタTr4のベースには、VCXO2の温度を表す電圧Vtempが入力される。トランジスタTr4のエミッタは、トランジスタTr3のエミッタに接続されている。
つまり、中温補償回路22は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)である。
中温補償回路22は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)であるので、電流I2は、次の式(2)で表される。中温補償回路22では、Vid=Vth2-Vtempである。
電流I2は、閾値電圧Vth2を中心として、Vidが概ね-4VTから4VTの範囲内で、実質的に変化する。電流I2は、Vidが概ね-4VT以下の範囲では、実質的にゼロとなる。電流I2は、Vidが概ね4VT以上の範囲では、実質的に一定となる。
図6は、実施の形態の温度補償水晶発振器の中温補償回路の特性を示す図である。波形102は、電流I2を表す。電流I2は、正規化して示している。電流I2の波形102(右肩上がり)は、電流I1の波形101(右肩下がり)と比較して、反転している。閾値電圧Vth2は、電流I2が温度T1以下で実質的にゼロになるとともに、電流I2が温度T5以上で実質的に一定となるように、設定されている。つまり、電流I2は、実質的に、中温で変化し、低温及び高温では変化しない。閾値電圧Vth2で表される温度は、例えば、基準温度T3であっても良い。
再び図4を参照すると、高温補償回路23は、Nチャネル型のトランジスタTr5及びTr6と、回路51と、を含む。
トランジスタTr5のコレクタは、電源電位VDDに接続されている。トランジスタTr5のベースには、閾値電圧Vth3が入力される。トランジスタTr5のエミッタは、トランジスタTr6のエミッタに接続されている。
トランジスタTr6のコレクタは、電流I3を出力する。なお、電流I3の向きは、電流I1と同様に、トランジスタTr6のコレクタから流出する向きとした。
トランジスタTr6のベースには、VCXO2の温度を表す電圧Vtempが入力される。トランジスタTr6のエミッタは、トランジスタTr5のエミッタに接続されている。
つまり、高温補償回路23は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)である。
高温補償回路23は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)であるので、電流I3は、前述した式(1)で表される。高温補償回路23では、Vid=Vth3-Vtempである。電流I3は、閾値電圧Vth3を中心として、Vidが概ね-4VTから4VTの範囲内で、実質的に変化する。電流I3は、Vidが概ね-4VT以下の範囲では、実質的に一定となる。電流I3は、Vidが概ね4VT以上の範囲では、実質的にゼロとなる。
なお、実施の形態では、低温補償回路21、中温補償回路22及び高温補償回路23の各々をエミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)としたが、本開示はこれに限定されない。低温補償回路21、中温補償回路22及び高温補償回路23の各々は、他の増幅回路であっても良いし、増幅回路以外の回路であっても良い。
図7は、実施の形態の温度補償水晶発振器の高温補償回路の特性を示す図である。波形103は、電流I3を表す。電流I3は、正規化して示している。閾値電圧Vth3は、電流I3が温度T5以下で実質的に一定になるように、設定されている。つまり、電流I3は、実質的に、高温で変化し、低温及び中温では変化しない。
図8は、実施の形態の温度補償水晶発振器の補償回路の特性を示す図である。波形104は、電流ISUM1を表す。
低温(温度T1よりも低い温度範囲)では、電流I2(波形102)は、実質的にゼロであり、電流I3(波形103)は、実質的に「1」である。従って、電流ISUM1(波形104)は、電流I1(波形101)を正方向に「1」だけシフトしたものとなる。
中温(温度T1以上且つ温度T5以下の温度範囲)では、電流I1(波形101)は、実質的にゼロであり、電流I3(波形103)は、実質的に「1」である。従って、電流ISUM1(波形104)は、電流I2(波形102)を正方向に「1」だけシフトしたものとなる。
高温(温度T5よりも高い温度範囲)では、電流I1(波形101)は、実質的にゼロであり、電流I2(波形102)は、実質的に「1」である。従って、電流ISUM1(波形104)は、電流I3(波形103)を正方向に「1」だけシフトしたものとなる。
つまり、電流ISUM1(波形104)は、温度T1で極小となり、温度T5で極大となる。
なお、TCXO1の温度補償範囲は、温度T0以上且つ温度T6以下の範囲である。温度T0は、温度T1より低く、且つ、電流I1(波形101)が変化している範囲とすることが例示されるが、本開示はこれに限定されない。温度T6は、温度T5より高く、且つ、電流I3(波形103)が変化している範囲とすることが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
TCXO1の温度補償範囲を温度T0以上且つ温度T6以下の範囲とすることにより、以下のことが可能になる。低温補償回路21は、温度T0より低い温度を考慮しなくても良いので、各種の値(パラメータ、例えば、トランジスタTr1及びTr2のゲイン等)を調整することにより、低温において、波形104をモデル波形に高精度で合わせることができる。同様に、高温補償回路23は、温度T6より高い温度を考慮しなくても良いので、各種の値を調整することにより、高温において、波形104をモデル波形に高精度で合わせることができる。
但し、低温及び高温において、波形104をモデル波形に高精度で合わせると、中温において、波形104とモデル波形との間に差分(誤差)が生じることが見出された。詳しくは、中温の範囲内の低温側端部、即ち、温度T1以上且つ温度T2以下の第1温度範囲111において、電流ISUM1の波形とモデル波形との間に差分(誤差)が生じることが見出された。同様に、中温の範囲内の高温側端部、即ち、温度T4以上且つ温度T5以下の第2温度範囲112において、電流ISUM1の波形とモデル波形との間に差分(誤差)が生じることが見出された。
そこで、第1温度範囲111において、電流ISUM1を補正すべく、第1補正回路31を設けた。同様に、第2温度範囲112において、電流ISUM1を補正すべく、第2補正回路32を設けた。温度T2は、電流ISUM1の波形とモデル波形とを比較することにより、予め定められる。また、電流I4の大きさは、第1温度範囲111での、電流ISUM1の波形とモデル波形との差分(誤差)の大きさに応じて、予め定められる。
同様に、温度T4は、電流ISUM1の波形とモデル波形とを比較することにより、予め定められる。また、電流I5の大きさ、即ち、トランジスタTr9及びTr10のサイズは、第2温度範囲112での、電流ISUM1の波形とモデル波形との差分(誤差)の大きさに応じて、予め定められる。
なお、実施の形態では、補正回路6が、第1補正回路31及び第2補正回路32の両方を含むこととしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、TCXO1の温度補償範囲の上限が温度T4よりも低い場合には、第2温度範囲112で電流ISUM1を補正する必要がないので、第2補正回路32は不要である。また、例えば、TCXO1の温度補償範囲の下限が温度T2よりも高い場合には、第1温度範囲111で電流ISUM1を補正する必要がないので、第1補正回路31は不要である。即ち、補正回路6は、第1補正回路31及び第2補正回路32の内の少なくとも一方を含んでいれば良い。
再び図4を参照すると、第1補正回路31は、Nチャネル型のトランジスタTr7及びTr8と、回路51と、を含む。
トランジスタTr7のコレクタは、電源電位VDDに接続されている。トランジスタTr7のベースには、閾値電圧Vth4が入力される。トランジスタTr7のエミッタは、トランジスタTr8のエミッタに接続されている。
トランジスタTr8のコレクタは、電流I4を出力する。なお、電流I4の向きは、電流I1と同様に、トランジスタTr8のコレクタから流出する向きとした。
トランジスタTr8のベースには、VCXO2の温度を表す電圧Vtempが入力される。トランジスタTr8のエミッタは、トランジスタTr7のエミッタに接続されている。
つまり、第1補正回路31は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)である。
トランジスタTr7が、本開示の「第1トランジスタ」に対応する。トランジスタTr8が、本開示の「第2トランジスタ」に対応する。閾値電圧Vth4が、本開示の「第1閾値電圧」に対応する。
第1補正回路31は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)であるので、電流I4は、上記した式(2)で表される。第1補正回路31では、Vid=Vth4-Vtempである。電流I4は、閾値電圧Vth4を中心として、Vidが概ね-4VTから4VTの範囲内で、実質的に変化する。電流I4は、Vidが概ね-4VT以下の範囲では、実質的にゼロとなる。電流I4は、Vidが概ね4VT以上の範囲では、実質的に一定となる。
第2補正回路32は、Nチャネル型のトランジスタTr9及びTr10と、回路51と、を含む。
トランジスタTr9のコレクタは、電源電位VDDに接続されている。トランジスタTr9のベースには、閾値電圧Vth5が入力される。トランジスタTr9のエミッタは、トランジスタTr10のエミッタに接続されている。
トランジスタTr10のコレクタは、電流I5を出力する。なお、電流I5の向きは、電流I1と同様に、トランジスタTr10のコレクタから流出する向きとした。
トランジスタTr10のベースには、VCXO2の温度を表す電圧Vtempが入力される。トランジスタTr10のエミッタは、トランジスタTr9のエミッタに接続されている。
つまり、第2補正回路32は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)である。
トランジスタTr9が、本開示の「第3トランジスタ」に対応する。トランジスタTr10が、本開示の「第4トランジスタ」に対応する。閾値電圧Vth5が、本開示の「第2閾値電圧」に対応する。
第2補正回路32は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)であるので、電流I5は、前述した式(1)で表される。第2補正回路32では、Vid=Vth5-Vtempである。電流I5は、閾値電圧Vth5を中心として、Vidが概ね-4VTから4VTの範囲内で、実質的に変化する。電流I5は、Vidが概ね-4VT以下の範囲では、実質的に一定となる。電流I5は、Vidが概ね4VT以上の範囲では、実質的にゼロとなる。
なお、トランジスタTr7からTr10は、トランジスタTr1からTr6と比較して、サイズが小さい。つまり、電流I4及びI5の各々は、電流I1からI3の各々と比較して、小さい。各トランジスタのサイズは、例えば、フィンガー数を変えることで調整できる。
トランジスタTr7及びTr8のサイズ、即ち、電流I4の大きさは、第1温度範囲111での、電流ISUM1の波形とモデル波形との差分(誤差)の大きさに応じて、予め定められる。
トランジスタTr9及びTr10のサイズ、即ち、電流I5の大きさは、第2温度範囲112での、電流ISUM1の波形とモデル波形との差分(誤差)の大きさに応じて、予め定められる。
なお、実施の形態では、第1補正回路31及び第2補正回路32の各々をエミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)としたが、本開示はこれに限定されない。第1補正回路31及び第2補正回路32の各々は、他の増幅回路であっても良いし、増幅回路以外の回路であっても良い。
以下においては、第1補正回路31が、第1温度範囲111において、電流ISUM1を補正する場合について、説明する。第2補正回路32が、第2温度範囲112において、電流ISUM1を補正する場合は、第1補正回路31が第1温度範囲111において電流ISUM1を補正する場合と同様であるので、図示及び説明を省略する。
図9は、実施の形態の温度補償水晶発振器の補償回路及び補正回路の特性を示す図である。波形105は、電流I4を表す。波形108は、電流ISUM3を表す。先に説明したように、第1補正回路31は、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路)であるので、電流I4の波形105は、右肩上がりとなる。
電流I4は、温度T1より低い温度範囲(低温)では、実質的にゼロとなる。電流I4は、温度T2より高い温度範囲では、実質的に一定となる。つまり、閾値電圧Vth4は、第1温度範囲111の中央に、設定されている。
電流I4は、温度T1より低い温度範囲(低温)では、実質的にゼロであるので、電流ISUM1の波形の形状に影響を与えない。つまり、低温では、波形108(電流ISUM3)は、波形104(電流ISUM1)と一致する。
電流I4は、温度T1以上且つ温度T2以下の第1温度範囲111では、実質的に変化するので、電流ISUM1の波形の形状に影響を与える。つまり、第1温度範囲111では、波形108(電流ISUM3)の形状は、波形104(電流ISUM1)の形状と異なる。
電流I4は、温度T2以上の温度範囲では、実質的に一定である。つまり、温度T2以上の温度範囲では、波形108(電流ISUM3)の形状は、波形104(電流ISUM1)の形状と同じである。但し、波形108は、波形104を正方向にオフセット量121だけオフセットしたものとなる。オフセット量121は、電流I4と同じである。
なお、理解の容易のため、電流I4は強調して、大きく図示している。電流I4の実際の値は、図示した値よりも小さい。
温度T2以上の温度範囲では、波形108(電流ISUM3)は、波形104(電流ISUM1)を正方向にオフセット量121だけ、オフセットしたものとなる。本発明者は、調整回路42で電圧V1(電流ISUM3)にゲインKを乗じることにより、オフセット量121の影響を抑制できることを見出した。
以下、電圧V1(電流ISUM3)にゲインKを乗ずることにより、オフセット量121の影響を抑制できる原理を説明する。
図10から図13は、実施の形態の温度補償水晶発振器の補正原理を簡略化して説明する図である。図10において、モデル波形131は、水晶振動素子11の周波数温度特性を簡略化した波形の一例である。補償波形132は、補償回路の波形の一例である。図10において、x0は、温度T1に対応し、x2は、温度T2に対応する。
モデル波形131の関数を、次の式(3)で表す。
y=f(x) [x0≦x≦x2] ・・・(3)
補償波形132の関数を、簡略化のため1次関数として、次の式(4)で表す。
y=g(x)=x [x0≦x≦x2] ・・・(4)
モデル波形131と補償波形132との差分をΔyとする。
y=f(x) [x0≦x≦x2] ・・・(3)
補償波形132の関数を、簡略化のため1次関数として、次の式(4)で表す。
y=g(x)=x [x0≦x≦x2] ・・・(4)
モデル波形131と補償波形132との差分をΔyとする。
y0=g(x0)=x0であり、y1=g(x1)=x1であり、y2=g(x2)=x2である。
図11において、差分波形133は、モデル波形131と補償波形132との差分Δyである。Δyは、x0において、0であり、x1の近傍(x1よりも若干正方向)において、極大であり、x2において、0である。
図11において、補正波形134は、補正回路の波形の一例である。補正波形134の関数を、次の式(5)で表す。
y=Δg(x) [x0≦x≦x2] ・・・(5)
ここで、Δg(x)を、次の式(6)及び式(7)で、簡略化する。
y=Δg(x)=x [x0≦x<x1] ・・・(6)
y=Δg(x)=x1 [x1≦x≦x2] ・・・(7)
y=Δg(x) [x0≦x≦x2] ・・・(5)
ここで、Δg(x)を、次の式(6)及び式(7)で、簡略化する。
y=Δg(x)=x [x0≦x<x1] ・・・(6)
y=Δg(x)=x1 [x1≦x≦x2] ・・・(7)
図12において、合成波形135は、補償波形132に補正波形134を加えた合成波形の一例である。
合成波形135の関数は、次の式(8)で表される。
y=g(x)+Δg(x) [x0≦x≦x2] ・・・(8)
合成波形135の関数は、次の式(8)で表される。
y=g(x)+Δg(x) [x0≦x≦x2] ・・・(8)
y=g(x)+Δg(x)は、次の式(9)及び式(10)で表される。
y=g(x)+Δg(x)=2x [x0≦x<x1] ・・・(9)
y=g(x)+Δg(x)=x+x1 [x1≦x≦x2] ・・・(10)
y=g(x)+Δg(x)=2x [x0≦x<x1] ・・・(9)
y=g(x)+Δg(x)=x+x1 [x1≦x≦x2] ・・・(10)
ここで、合成波形135とモデル波形131とのx2における偏差をなくすため、合成波形135に、ゲインKを乗じて、制御信号Refを得る。つまり、制御信号Refは、次の式(11)で表される。
Ref=K(g(x)+Δg(x)) ・・・(11)
Ref=K(g(x)+Δg(x)) ・・・(11)
ここで、任意の座標x3(x3≧x2)において、f(x3)=K(g(x3)+Δg(x3))となるように、ゲインKが予め定められる。つまり、ゲインKは、次の式(12)で予め定められる。
K=f(x3)/(g(x3)+Δg(x3)) ・・・(12)
K=f(x3)/(g(x3)+Δg(x3)) ・・・(12)
例えば、f(x3)=x3である。また、g(x3)+Δg(x3)=x3+x1である。従って、ゲインKは、次の式(13)の値となる。
K=x3/(x3+x1) ・・・(13)
K=x3/(x3+x1) ・・・(13)
例えば、f(x1)=2x1・K=2x3x1/(x3+x1)である。
図13において、制御波形136は、制御信号Refの波形の原理を説明する波形の一例である。つまり、制御波形136は、合成波形135にゲインKを乗じた後の制御信号Refの波形生成の原理を説明する波形の一例である。つまり、補償波形132に補正波形134を加えた合成波形135にゲインKを乗じた制御波形136が得られる。図13に示されるように、制御波形136とモデル波形131との差分は、補償波形132とモデル波形131との差分より、小さくなることが分かる。すなわち、制御波形136の形状が、補償波形132の形状よりも、モデル波形131に近似していることが分かる。
以上簡略化して説明した温度補償に用いる制御信号の生成原理を適応すれば、第1補正回路31が、電流I4(図11の補正波形134で原理を説明)を出力し、調整回路42が、電流ISUM3の電流-電圧変換後の値にゲインKを乗じる。これにより、温度補償回路4は、図13に示すように、第1温度範囲111において、制御電圧V2の原理を簡略化して説明した波形の一例である制御波形136と水晶振動素子11における周波数温度特性を簡略化して説明した波形の一例であるモデル波形131との間の差分(誤差)を好適に低減し、水晶振動素子11の共振周波数の変化を好適に抑制することができる。また、第1補正回路31は、エミッタ結合増幅回路(図4参照)という簡易な回路構成で、電流I4を出力することができる。
なお、上記では、第1補正回路31が、電流I4を出力することにより、第1温度範囲111において電流ISUM1を補正する場合について、説明した。これと同様に、第2補正回路32が、電流I5を出力することにより、第2温度範囲112において電流ISUM1を補正する。電流I5は、第2温度範囲112において実質的に変化し、その他の温度範囲において実質的に変化しない。つまり、閾値電圧Vth5は、第2温度範囲112の中央に、設定されている。そして、上記と同様に、調整回路42が、電流ISUM3の電流-電圧変換後の値にゲインKを乗じる。これにより、温度補償回路4は、第2温度範囲112において、制御電圧V2の波形とモデル波形との間の差分(誤差)を好適に抑制し、VCXO2の発振周波数の変化を好適に抑制することができる。また、第2補正回路32は、エミッタ結合増幅回路(図4参照)という簡易な回路構成で、電流I5を出力することができる。
また、低温補償回路21、中温補償回路22、高温補償回路23、第1補正回路31及び第2補正回路32の各々を同じ回路構成(実施の形態では、エミッタ結合増幅回路(ソース結合増幅回路))とすることにより、温度補償回路4を半導体集積回路装置上にアナログ回路の構成で実現することが容易となる。
なお、上記した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
1 温度補償水晶発振器
2 周波数可変型の水晶発振器
3 温度センサ
4 温度補償回路
5 補償回路
6 補正回路
7 温度補償信号回路
11 水晶振動素子
12、41c、41d、51b 抵抗
13 インバータ回路
14 可変容量回路
15 コンデンサ
21 低温補償回路
22 中温補償回路
23 高温補償回路
31 第1補正回路
32 第2補正回路
41 電流-電圧変換回路
41a オペアンプ
41b、51c 定電圧源
42 調整回路
51a、Tr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr5、Tr6、Tr7、Tr8、Tr9、Tr10 トランジスタ
2 周波数可変型の水晶発振器
3 温度センサ
4 温度補償回路
5 補償回路
6 補正回路
7 温度補償信号回路
11 水晶振動素子
12、41c、41d、51b 抵抗
13 インバータ回路
14 可変容量回路
15 コンデンサ
21 低温補償回路
22 中温補償回路
23 高温補償回路
31 第1補正回路
32 第2補正回路
41 電流-電圧変換回路
41a オペアンプ
41b、51c 定電圧源
42 調整回路
51a、Tr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr5、Tr6、Tr7、Tr8、Tr9、Tr10 トランジスタ
Claims (14)
- 第1温度で共振周波数が極大となり、前記第1温度より高い第2温度で共振周波数が極小となる周波数温度特性を有する水晶振動素子を含む、周波数可変型の水晶発振器の温度補償を行う回路であって、
前記第1温度より低い温度範囲において実質的に変化する電流を、第1補償信号として出力する、低温補償回路と、前記第1温度以上且つ前記第2温度以下において実質的に変化する電流を、第2補償信号として出力する、中温補償回路と、前記第2温度より高い温度範囲において実質的に変化する電流を、第3補償信号として出力する、高温補償回路と、を含み、温度センサの温度信号に基づいて、前記第1温度で極小となり、前記第2温度で極大となる補償信号を生成する、補償回路と、
前記第1温度以上、且つ、前記第1温度と基準温度との間の第3温度以下の第1温度範囲において前記第1補償信号を補正する第1補正信号を出力する第1補正回路、及び、前記基準温度と前記第2温度との間の第4温度以上、且つ、前記第2温度以下の第2温度範囲において前記第3補償信号を補正する第2補正信号を出力する第2補正回路のみから成る、補正回路と、
前記第1補正信号及び前記第2補正信号により補正された後の前記補償信号である補正後補償信号に基づいて、前記周波数可変型の水晶発振器に制御信号を印加する、温度補償信号回路と、
を備え、
前記基準温度は、
前記周波数可変型の水晶発振器の発振周波数の基準となる温度であり、
前記第1補正回路は、
ベースに第1閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第1トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第1トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから前記第1補正信号を出力する第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのエミッタ電流と前記第2トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含み、
前記第2補正回路は、
ベースに第2閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第3トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第3トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから前記第2補正信号を出力する第4トランジスタと、
前記第3トランジスタのエミッタ電流と前記第4トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含む、
温度補償回路。 - 請求項1に記載の温度補償回路であって、
前記第1補正回路は、
前記第1温度範囲で実質的に変化し、前記第1温度範囲の範囲外で実質的に変化しない電流を、前記第1補正信号として出力する、
温度補償回路。 - 請求項2に記載の温度補償回路であって、
前記第1補正回路は、
増幅回路である、
温度補償回路。 - 請求項3に記載の温度補償回路であって、
前記第1補正回路は、
エミッタ結合増幅回路である、
温度補償回路。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の温度補償回路であって、
前記第2補正回路は、
前記第2温度範囲で実質的に変化し、前記第2温度範囲の範囲外で実質的に変化しない電流を、前記第2補正信号として出力する、
温度補償回路。 - 請求項5に記載の温度補償回路であって、
前記第2補正回路は、
増幅回路である、
温度補償回路。 - 請求項6に記載の温度補償回路であって、
前記第2補正回路は、
エミッタ結合増幅回路である、
温度補償回路。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の温度補償回路であって、
前記低温補償回路、前記中温補償回路及び前記高温補償回路の各々は、
ベースに各々の閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第5トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第5トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから補償信号を出力する第6トランジスタと、
前記第5トランジスタのエミッタ電流と前記第6トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含む、
温度補償回路。 - 請求項8に記載の温度補償回路であって、
前記低温補償回路、前記中温補償回路及び前記高温補償回路の各々は、増幅回路である、
温度補償回路。 - 請求項9に記載の温度補償回路であって、
前記低温補償回路、前記中温補償回路及び前記高温補償回路の各々は、エミッタ結合増幅回路である、
温度補償回路。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の温度補償回路であって、
前記温度補償信号回路は、
少なくとも、予め定められたゲインを、前記補正後補償信号に乗ずることにより、前記制御信号を出力する、調整回路を含む、
温度補償回路。 - 第1温度で共振周波数が極大となり、前記第1温度より高い第2温度で共振周波数が極小となる周波数温度特性を有するATカットの水晶振動素子を含む周波数可変型の水晶発振器の温度補償を行う回路であって、
前記第1温度より低い温度範囲において実質的に変化する電流を、第1補償信号として出力する、低温補償回路と、前記第1温度以上且つ前記第2温度以下において実質的に変化する電流を、第2補償信号として出力する、中温補償回路と、前記第2温度より高い温度範囲において実質的に変化する電流を、第3補償信号として出力する、高温補償回路と、を含み、温度センサの温度信号に基づいて、前記第1温度で極小となり、前記第2温度で極大となる補償信号を生成する、補償回路と、
前記第1温度以上、且つ、前記第1温度と基準温度との間の第3温度以下の第1温度範囲において前記第1補償信号を補正する第1補正信号を出力する第1補正回路、及び、前記基準温度と前記第2温度との間の第4温度以上、且つ、前記第2温度以下の第2温度範囲において前記第3補償信号を補正する第2補正信号を出力する第2補正回路のみから成る、補正回路と、
前記第1補正信号及び前記第2補正信号により補正された後の前記補償信号である補正後補償信号に基づいて、前記周波数可変型の水晶発振器に制御信号を印加する、温度補償信号回路と、
を備え、
前記基準温度は、
前記周波数可変型の水晶発振器の発振周波数の基準となる温度であり、
前記第1補正回路は、
ベースに第1閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第1トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第1トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから前記第1補正信号を出力する第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのエミッタ電流と前記第2トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含み、
前記第2補正回路は、
ベースに第2閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第3トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第3トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから前記第2補正信号を出力する第4トランジスタと、
前記第3トランジスタのエミッタ電流と前記第4トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含む、
温度補償回路。 - 第1温度で共振周波数が極大となり、前記第1温度より高い第2温度で共振周波数が極小となる周波数温度特性を有する水晶振動素子を含む、周波数可変型の水晶発振器と、
温度信号を出力する温度センサと、
前記第1温度より低い温度範囲において実質的に変化する電流を、第1補償信号として出力する、低温補償回路と、前記第1温度以上且つ前記第2温度以下において実質的に変化する電流を、第2補償信号として出力する、中温補償回路と、前記第2温度より高い温度範囲において実質的に変化する電流を、第3補償信号として出力する、高温補償回路と、を含み、前記温度信号に基づいて、前記第1温度で極小となり、前記第2温度で極大となる補償信号を生成する、補償回路と、
前記第1温度以上、且つ、前記第1温度と基準温度との間の第3温度以下の第1温度範囲において前記第1補償信号を補正する第1補正信号を出力する第1補正回路、及び、前記基準温度と前記第2温度との間の第4温度以上、且つ、前記第2温度以下の第2温度範囲において前記第3補償信号を補正する第2補正信号を出力する第2補正回路のみから成る、補正回路と、
前記第1補正信号及び前記第2補正信号により補正された後の前記補償信号である補正後補償信号に基づいて、前記周波数可変型の水晶発振器に制御信号を印加する、温度補償信号回路と、
を備え、
前記基準温度は、
前記周波数可変型の水晶発振器の発振周波数の基準となる温度であり、
前記第1補正回路は、
ベースに第1閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第1トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第1トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから前記第1補正信号を出力する第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのエミッタ電流と前記第2トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含み、
前記第2補正回路は、
ベースに第2閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第3トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第3トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから前記第2補正信号を出力する第4トランジスタと、
前記第3トランジスタのエミッタ電流と前記第4トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含む、
温度補償水晶発振器。 - 第1温度で共振周波数が極大となり、前記第1温度より高い第2温度で共振周波数が極小となる周波数温度特性を有するATカットの水晶振動素子を含む、周波数可変型の水晶発振器と、
温度信号を出力する温度センサと、
前記第1温度より低い温度範囲において実質的に変化する電流を、第1補償信号として出力する、低温補償回路と、前記第1温度以上且つ前記第2温度以下において実質的に変化する電流を、第2補償信号として出力する、中温補償回路と、前記第2温度より高い温度範囲において実質的に変化する電流を、第3補償信号として出力する、高温補償回路と、を含み、前記温度信号に基づいて、前記第1温度で極小となり、前記第2温度で極大となる補償信号を出力する、補償回路と、
前記第1温度以上、且つ、前記第1温度と基準温度との間の第3温度以下の第1温度範囲において前記第1補償信号を補正する第1補正信号を出力する第1補正回路、及び、前記基準温度と前記第2温度との間の第4温度以上、且つ、前記第2温度以下の第2温度範囲において前記第3補償信号を補正する第2補正信号を出力する第2補正回路のみから成る、補正回路と、
前記第1補正信号及び前記第2補正信号により補正された後の前記補償信号である補正後補償信号に基づいて、前記周波数可変型の水晶発振器に制御信号を印加する、温度補償信号回路と、
を備え、
前記基準温度は、
前記周波数可変型の水晶発振器の発振周波数の基準となる温度であり、
前記第1補正回路は、
ベースに第1閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第1トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第1トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから前記第1補正信号を出力する第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのエミッタ電流と前記第2トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含み、
前記第2補正回路は、
ベースに第2閾値電圧が入力され、コレクタが電源電位に電気的に接続された第3トランジスタと、
ベースに前記温度信号が入力され、エミッタが前記第3トランジスタのエミッタに電気的に接続され、コレクタから前記第2補正信号を出力する第4トランジスタと、
前記第3トランジスタのエミッタ電流と前記第4トランジスタのエミッタ電流との和を一定にする定電流回路と、
を含む、
温度補償水晶発振器。
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