JPH104318A - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

温度補償型水晶発振器

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JPH104318A
JPH104318A JP8289559A JP28955996A JPH104318A JP H104318 A JPH104318 A JP H104318A JP 8289559 A JP8289559 A JP 8289559A JP 28955996 A JP28955996 A JP 28955996A JP H104318 A JPH104318 A JP H104318A
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temperature
voltage
voltage signal
crystal oscillator
compensated crystal
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JP8289559A
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English (en)
Inventor
Shigemitsu Watanabe
重光 渡辺
Hiromi Kato
裕美 加藤
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Mitsumi Electric Co Ltd
Original Assignee
Mitsumi Electric Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L1/00Stabilisation of generator output against variations of physical values, e.g. power supply
    • H03L1/02Stabilisation of generator output against variations of physical values, e.g. power supply against variations of temperature only
    • H03L1/022Stabilisation of generator output against variations of physical values, e.g. power supply against variations of temperature only by indirect stabilisation, i.e. by generating an electrical correction signal which is a function of the temperature
    • H03L1/023Stabilisation of generator output against variations of physical values, e.g. power supply against variations of temperature only by indirect stabilisation, i.e. by generating an electrical correction signal which is a function of the temperature by using voltage variable capacitance diodes
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03BGENERATION OF OSCILLATIONS, DIRECTLY OR BY FREQUENCY-CHANGING, BY CIRCUITS EMPLOYING ACTIVE ELEMENTS WHICH OPERATE IN A NON-SWITCHING MANNER; GENERATION OF NOISE BY SUCH CIRCUITS
    • H03B5/00Generation of oscillations using amplifier with regenerative feedback from output to input
    • H03B5/30Generation of oscillations using amplifier with regenerative feedback from output to input with frequency-determining element being electromechanical resonator
    • H03B5/32Generation of oscillations using amplifier with regenerative feedback from output to input with frequency-determining element being electromechanical resonator being a piezoelectric resonator

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  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度を有し、乾電池2本程度の低い電圧
(3V)で動作し、小型かつ低コストで、量産化が可能
な温度補償型水晶発振器を提供すること。 【解決手段】 定電圧を供給する安定化電源回路1と、
水晶振動子21及びバリキャップ22を備えた発振回路
2と、発振回路2の近傍に設けられた温度検出素子の温
度電圧特性を利用して発振部温度に対応した検出電圧信
号VTempを出力する温度検出回路3と、バリキャップ2
2に印加すべきバリキャップ制御電圧信号VVRを検出電
圧信号VTempからアナログ処理により生成する温度特性
補償部4とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度安定度の要求
の厳しい通信機器の基準クロックとして用いられる温度
補償型水晶発振器(TCXO)に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル携帯電話やGPS受信機などの
デジタル通信機器において、基準クロックとして用いら
れる水晶発振器は、発振周波数偏差(中心周波数に対す
る発振周波数の変化率Δf/f0)が中心周波数(所定
周波数)の±2〜3ppm以内という高い周波数安定度
を要求されている。
【0003】また、この種の水晶発振器に用いられてい
るATカット水晶振動子は、図36に示される様な温度
周波数変化特性を有している。即ち、ATカット水晶振
動子は、種々の温度において、夫々の固有共振周波数を
中心に振動するものであり、特に、所定温度における固
有共振周波数として、所定固有共振周波数を有してい
る。また、ATカット水晶振動子は、所定固有共振周波
数に対する温度変化に応じた固有共振周波数の変化率
が、所定温度において変曲点を持つ3次曲線状の曲線で
あって、且つ、正の3次係数をもつ3次曲線状の曲線で
表されるように変化する温度周波数変化特性を有してい
る。尚、図36の各曲線は、ATカット中心角度(35
度0分15秒)に対して夫々−2分から+16分迄2分
おきに切り出した水晶振動子の温度周波数変化特性を示
すものである。
【0004】図36を参照すると、温度依存性が非常に
小さいATカット水晶を用いた水晶発振器であっても、
温度を補償しない場合には、発振周波数の温度依存性を
±5ppm以下に抑える事は非常に困難であると理解す
ることができる。
【0005】一方、PHSなどのデジタル携帯電話やG
PS受信機などのデジタル通信機器の基準クロック用発
振器では、使用温度範囲での周波数変化率の許容範囲が
±2〜3ppm程度であるため、何らかの手段を用いて
周波数の温度変動を補償しなければならない。
【0006】そこで、従来、ATカット水晶振動子を有
した温度補償型水晶発振器(TCXO)として、以下に
示す直接補償方式の温度補償型水晶発振器と間接補償方
式の温度補償型水晶発振器の2つがあった。
【0007】直接補償方式の温度補償型水晶発振器は、
図37に示される様に、発振回路の中にサーミスタ(感
温抵抗素子)やコンデンサなどの温度検出のための温度
検出素子を有しており、その温度検出素子の温度特性を
直接利用して発振回路の温度特性を制御するものであ
る。
【0008】現在、市販されている温度補償型水晶発振
器としては、一般にこの直接補償方式のものが用いられ
ている。
【0009】一方、間接補償方式の温度補償型水晶発振
器は、温度検出素子が発振回路から独立しており、ま
た、発振回路の中の負荷容量の一つを温度補償素子とし
て用いており、発振回路の容量周波数変化特性が既知で
あるものである。ここで、温度補償用の負荷容量は電圧
制御型の可変容量ダイオード(以下、バリキャップ)に
なっており、このバリキャップに加える電圧を変化させ
る事によって負荷容量を制御して、即ち、発振回路全体
の容量を変化させ発振回路の発振周波数を制御するもの
である。
【0010】この間接補償方式の温度補償型水晶発振器
としては、現在、図38に示される様な、デジタル演算
処理によって制御するものが知られている。
【0011】このデジタル演算処理による間接補償方式
の温度補償型水晶発振器は、予め周波数温度特性を測定
された水晶振動子を備えた温度検出用発振回路と、周波
数を計測する周波数カウンターと、A/Dコンバータ
と、EPROMと、D/Aコンバータとを有している。
【0012】ここで、EPROMには、温度検出用の水
晶発振回路の周波数温度特性データと、予め測定されて
いる出力用発振回路の温度特性に対応したバリキャップ
の制御電圧であるバリキャップ制御電圧の変換データが
書き込まれている。
【0013】このような構成からなるデジタル演算処理
による間接補償方式の温度補償型水晶発振器は、EPR
OMに格納されているデータに基づいて、温度検出用発
振回路の発振周波数からバリキャップに印加するバリキ
ャップ制御電圧を割り出して、バリキャップにそのバリ
キャップ制御電圧を印加しバリキャップの容量を調整し
て出力用発振回路の発振周波数の制御を行うものであ
る。
【0014】このように温度補償にデジタル演算処理を
用いた温度補償型水晶発振器は、DTCXO(デジタル
TCXO)と呼ばれている。また、このDTCXOの
内、温度周波数変化特性が0.1ppm以下のDTCX
Oが、デジタル通信システムの基地局や高精度の測定機
器の基準発振器など超高精度が要求される分野において
使用されるものとして、市販されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記2
つの方式の温度補償型水晶発振器は、いずれも種々の問
題を有していた。
【0016】例えば、直接補償方式の温度補償型水晶発
振器の場合には、発振回路に使用する抵抗、サーミス
タ、コンデンサの温度特性を厳密に管理して組み合わせ
ないと、発振回路の温度周波数変化特性を±3ppm程
度の精度にすることはできない。
【0017】しかしながら、現実の量産工程でこれらの
部品1個1個の温度特性を管理して組み立てることは非
常にコストがかかる上、必要な温度特性の組み合わせの
部品を入手することさえ困難な場合があり、低コスト
化、大量生産化の点で問題があった。
【0018】一方、間接補償方式の温度補償型水晶発振
器の場合には、2つの水晶発振回路を必要とするために
使用部品点数が増えることになり、製造工程も複雑にな
るという問題があった。
【0019】また、EPROMやデジタル演算処理用の
IC、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ等の高価な
部品が必要であるという問題もあった。
【0020】更に、図39に示されている様にEPRO
Mに格納されているデータに載っている温度点に対して
の補正しかできないので、図40に示される様な温度周
波数変化特性となり、ある制御中心値となる温度点とそ
の隣の制御中心値となる温度点とで挟まれた領域におい
て、不連続が生じるという問題があった。
【0021】この不連続が生じるという問題を解決する
ために、制御温度点毎に制御温度ステップ幅を変える、
即ち、発振周波数の変化が大きい温度領域においては、
制御温度ステップ幅を小さくし、発振周波数の変化が小
さい温度領域においては、制御温度ステップ幅を大きく
するという方法がある。
【0022】しかしながら、このような方法をとると、
更なるコストアップに繋がることになり、いずれにして
も問題があった。
【0023】本発明の目的は、民生用デジタル通信機器
などの通信機器に使用される温度補償型水晶発振器であ
って、十分な高精度を有し、乾電池2本程度の低い電圧
(3V)で動作し、小型かつ低コストで、量産化が可能
な温度補償型水晶発振器を提供することにある。
【0024】また、本発明の目的は、上記温度補償型水
晶発振器であって、更に、設計後における各部バラつき
を調整することが容易な温度補償型水晶発振器を提供す
ることにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために以下に述べるような温度補償型水晶発
振器を提供する。
【0026】即ち、本発明によれば、水晶振動子及びバ
リキャップを有する発振回路と、該発振回路近傍の温度
である発振部温度に対応する電圧を検出電圧として検出
すると共に該検出電圧を検出電圧信号として出力するた
めの温度検出回路と、前記検出電圧信号からアナログ処
理により前記バリキャップに印加すべきバリキャップ制
御電圧を生成すると共に該バリキャップ制御電圧をバリ
キャップ制御電圧信号として出力するための温度特性補
償部とを備えており、前記バリキャップ制御電圧信号を
前記バリキャップに加えることにより、前記バリキャッ
プの容量を調整して前記発振回路の発振周波数を所定周
波数に制御することのできる温度補償型水晶発振器であ
って、前記水晶振動子の温度周波数変化特性は既知であ
り、前記バリキャップの電圧容量特性は既知であり、前
記発振回路の容量周波数変化特性は既知であり、前記温
度検出回路は、前記発振回路の近傍に配置された温度検
出素子であって、温度電圧特性の既知である前記温度検
出素子を有しており、該温度検出素子の前記温度電圧特
性を利用して、前記発振部温度に対応した電圧を前記検
出電圧として検出し、該検出電圧を検出電圧信号として
出力するためのものであり、前記温度特性補償部は、前
記発振回路の発振周波数を前記所定周波数に制御するた
めに、前記水晶振動子の温度周波数変化特性、前記バリ
キャップの電圧容量特性、及び前記発振回路の容量周波
数変化特性の関係から前記発振部温度に応じて決定され
る前記バリキャップに印加すべきバリキャップ制御電圧
を前記検出電圧信号から前記アナログ処理により生成
し、該バリキャップ制御電圧を前記バリキャップ制御電
圧信号として前記バリキャップに対して出力するための
ものであることを特徴とする温度補償型水晶発振器が得
られる。
【0027】また、本発明によれば、前記温度補償型水
晶発振器において、前記水晶振動子は、所定温度におけ
る固有共振周波数として所定固有共振周波数を有してお
り、前記水晶振動子は、前記所定固有共振周波数に対す
る温度変化に応じた前記固有共振周波数の変化率が、前
記所定温度において変曲点を持つ3次曲線状の曲線であ
って、且つ、正の3次係数を持つ3次曲線状の曲線で表
される様に変化する前記温度周波数変化特性を有してお
り、前記バリキャップは、前記バリキャップの容量が、
前記バリキャップ制御電圧の変化に応じて、反比例状の
曲線で表される様に変化する前記電圧容量特性を有して
おり、前記発振回路は、前記所定周波数に対する発振周
波数の変化率が、前記発振回路の容量の変化に応じて、
反比例状の曲線で表される様に変化する前記容量周波数
変化特性を有しており、前記発振回路は、前記発振部温
度が前記所定温度である場合に、前記所定周波数を発振
することを特徴とする温度補償型水晶発振器が得られ
る。
【0028】更に、本発明によれば、前記温度補償型水
晶発振器において、前記温度検出回路の出力である検出
電圧信号は、前記発振部温度が前記所定温度のときに、
所定検出電圧を示すものであり、且つ、前記発振部温度
の変化に1次比例して変化するものであり、前記バリキ
ャップ制御電圧信号は、前記発振部温度が前記所定温度
のときに、所定バリキャップ制御電圧を示すものであ
り、且つ、前記発振部温度の変化に応じて、所定の負の
3次係数をもつ3次曲線状の曲線であって、前記所定バ
リキャップ制御電圧を変曲点とした3次曲線状の曲線で
表されるように変化する前記バリキャップ制御電圧を有
するものであることを特徴とする温度補償型水晶発振器
が得られる。
【0029】また、本発明によれば、前記温度補償型水
晶発振器において、前記温度特性補償部は、前記検出電
圧信号を受けて変換電圧信号を生成するための変換電圧
信号生成手段と、基準電圧信号を生成するための基準電
圧信号生成手段と、設定電圧信号を生成するための設定
電圧信号生成手段と、前記バリキャップ制御電圧信号を
生成するためのバリキャップ制御電圧信号生成手段とを
備えており、前記変換電圧信号は、前記検出電圧信号が
前記所定検出電圧を示している場合に、0電圧を呈する
ものであり、且つ、前記検出電圧信号の示す電圧変化に
対応して、極値を持たない3次曲線状の曲線であって、
前記0電圧点を変曲点とする3次曲線状の曲線で表され
るように変化する電圧である変換電圧を有するものであ
り、前記基準電圧信号は、所望とする前記所定バリキャ
ップ制御電圧に対応した一定の基準電圧を有するもので
あり、前記設定電圧信号は、前記所定検出電圧に等しい
予め設定された設定電圧を有するものであり、前記バリ
キャップ制御電圧信号生成手段は、前記検出電圧信号と
前記設定電圧信号とを比較して電圧差信号を生成すると
共に、該電圧差信号と前記変換電圧信号と前記基準電圧
信号とを合成して、前記所定バリキャップ制御電圧とし
て前記基準電圧と等しい電圧値を有する前記バリキャッ
プ制御電圧信号を生成するためのものであることを特徴
とする温度補償型水晶発振器が得られる。
【0030】ここで、前記バリキャップ制御電圧信号生
成手段は、前記負の3次係数を前記所定の負の3次係数
にするために、前記変換電圧信号と前記電圧差信号との
少なくとも一方を増幅して合成することにより、前記バ
リキャップ制御電圧信号を生成するものとしても良い。
【0031】また、前記変換電圧信号は、正の3次係数
を持つ3次曲線状の曲線で表されるように変化する変換
電圧を有するものとしても良いし、負の3次係数を持つ
3次曲線状の曲線で表されるように変化する変換電圧を
有するものとしても良い。
【0032】更に、前記変換電圧信号が、前記負の3次
係数を持つ3次曲線状の曲線で表されるように変化する
変換電圧を有するものとした場合、本発明によれば、前
記温度補償型水晶発振器において、前記変換電圧信号生
成手段は、第1及び第2のトランジスタを有しており、
該第1及び第2のトランジスタの夫々のベースを2つの
入力端子とし、前記所定検出電圧より低い電圧を示す第
1の参照電圧信号を前記第1のトランジスタのベースに
対する入力とし、前記検出電圧信号を前記第2のトラン
ジスタのベースに対する入力とする第1の差動増幅器
と、第3及び第4のトランジスタを有しており、該第3
及び第4のトランジスタの夫々のベースを2つの入力端
子とし、前記所定検出電圧より高い電圧を示す第2の参
照電圧信号を前記第3のトランジスタのベースに対する
入力とし、前記検出電圧信号を前記第4のトランジスタ
のベースに対する入力とする第2の差動増幅器と、前記
第1のトランジスタのコレクタと前記第4のトランジス
タのコレクタとに接続され、前記第1のトランジスタの
コレクタ電流である第1のコレクタ電流と前記第2のト
ランジスタのコレクタ電流である第2のコレクタ電流と
を、第1のコレクタ電流から第2のコレクタ電流を引く
ようにして合成して、前記変換電圧信号と同様の変化を
有する電流合成信号を出力するための電流合成手段と、
該電流合成信号を受けて、前記変換電圧信号を生成する
ための電流電圧変換用抵抗とを備えたことを特徴とする
温度補償型水晶発振器が得られる。
【0033】ここで、前記電流合成手段は、少なくとも
2以上のトランジスタを有するカレントミラー回路を備
えているものとしても良い。
【0034】また、本発明によれば、前記温度補償型水
晶発振器において、前記温度検出回路は、前記発振部温
度の変化に応じて負の1次係数を持つ直線で表されるよ
うに変化する電圧を示す前記検出電圧信号を出力するこ
とを特徴とする温度補償型水晶発振器が得られる。
【0035】ここで、前記温度検出回路は、前記所定検
出電圧が前記所定バリキャップ制御電圧の値に等しくな
るように調整されているものとしても良い。
【0036】また、前記基準電圧信号生成手段は、前記
設定電圧信号生成手段を兼ねており、前記設定電圧信号
は、前記基準電圧信号生成手段の基準電圧信号として得
られるものとしても良い。
【0037】更に、各部の構成に含まれる抵抗は、夫
々、可変抵抗を用いることとしても良い。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明するに
あたって、本発明における水晶振動子の温度補償の原理
について説明する。
【0039】ATカットの水晶振動子は、その切出角度
に応じて、夫々、図1に示される様な温度周波数特性を
有している。尚、図1には、原理の説明のために、理想
的な温度周波数特性が示されているが、実際の水晶振動
子の温度周波数特性は、固着方法、接着材料、及び熱処
理条件等の振動子片の搭載条件、並びに振動子片の形状
等の影響により、図1に示される温度周波数特性とは、
微妙に異なるものである。
【0040】図1を参照すれば理解される様に、ATカ
ット水晶振動子は、種々の温度において、それぞれの固
有共振周波数を中心に振動するものであり、特に、所定
温度(ここでは、約25℃とする。)における固有共振
周波数として、所定固有共振周波数(ここでは、f0
する)を有しているものである。また、ATカット水晶
振動子は、所定固有共振周波数f0 に対する温度変化に
応じた固有共振周波数の変化率(ここでは、周波数偏差
Δf/f0 として説明する。)が、所定温度において変
曲点を持つ3次曲線状の曲線であって、且つ、正の3次
係数を持つ3次曲線状の曲線で表されるように変化する
温度周波数特性を有している。
【0041】また、図1を参照して理解される様に、A
Tカットの水晶振動子の温度周波数特性は、水晶振動子
の主面の切り出し角度によって異なる。
【0042】以下、一例として、主面の切り出し角度が
+2分のATカットの水晶振動子を用いて説明する。主
面の切り出し角度が+2分のATカットの水晶振動子の
温度周波数変化特性は、図2に示される様な正の3次係
数をもつ3次曲線状の曲線により示される。
【0043】一方、図3に示される様なコルピッツ型発
振回路は、バリキャップの可変容量CVRを含む発振回路
全体の容量値と、所定周波数(中心周波数)に対する発
振周波数の変化率Δf/f0 との関係として、図4に示
される様な容量周波数変化特性を有している。
【0044】このような容量周波数変化特性は、夫々の
発振回路に固有なものであり、発振回路を設計する際に
知ることができるものである。
【0045】また、バリキャップは、バリキャップの制
御電圧と、バリキャップの容量値との関係として、図5
に示される様な電圧容量特性を有している。
【0046】ここで、バリキャップの電圧容量特性は、
選択されたバリキャップ固有のものであり、発振回路を
設計する際に既知のものである。
【0047】図2において、例えば温度が80度の場
合、温度補償をしなければ、水晶振動子の温度周波数変
化特性の影響による発振回路の発振周波数の所定周波数
に対する変化率Δf/f0 は、約+6ppm 程度ある。こ
の場合において、図4から発振回路の全体の容量値を発
振周波数の変化率Δf/f0 が0の場合(発振周波数が
所定周波数の場合)に比べ大きい値(約23pF程度)
として、発振回路の容量周波数変化特性による発振周波
数の変化率Δf/f0 を約−6ppm 程度とすれば、発振
回路の内部で発振周波数の変化率を相殺することができ
る。従って、発振回路全体として発振周波数の変化を0
に近づけることができる。
【0048】ここで、発振回路の容量値を所望の値にす
るためには、発振回路の負荷容量の一つであるバリキャ
ップの可変容量CVRを変化させて、発振回路の容量値を
調整すれば良いことが理解される。
【0049】また、図5を参照すると、バリキャップの
可変容量CVRを大きくするためには、バリキャップに印
加すべきバリキャップ制御電圧を、所定周波数の場合に
バリキャップに印加される電圧と比較して、低い値にし
なければならないことが理解される。
【0050】以上説明した様にして、図2における各温
度点について考えると、図2に示される様な水晶振動子
の正の3次係数をもつ3次曲線状の曲線で表される温度
周波数変化特性を打ち消すためには、図3に示される発
振回路の有しているバリキャップに対して、図6に示さ
れる様なバリキャップ制御特性に従えば良いことが分か
る。換言すると、バリキャップ制御特性に従うことによ
り、即ち、温度の変化に応じて負の3次係数をもった3
次曲線状の曲線で表されるように変化するバリキャップ
制御電圧を発振回路の有するバリキャップに対して印加
することにより、水晶発振回路の温度補償を行うことが
できる。
【0051】更に、同様にして、前述の図1に示される
様な水晶振動子を備えた発振回路に対しては、夫々の水
晶振動子の主面の切り出し角度毎に、図7に示される様
な曲線で示されるようにして補償すれば良い。尚、図7
においては、バリキャップ制御特性を、発振回路の周波
数偏差としての補償量(単位はppm )に換算して表示し
てある。
【0052】本発明の温度補償型水晶発振器は、以上説
明してきた様な原理に基づき、バリキャップに印加すべ
きバリキャップ制御電圧VVRを生成することのできる温
度特性補償部を有している。この温度特性補償部は、後
述する様に、温度に対応して変化する電圧(検出電圧)
から、アナログ処理により、温度の変化に応じて負の3
次係数をもった3次曲線状の曲線で表されるように変化
する電圧を生成すると共に、その電圧に対して増幅など
の処理をしてバリキャップ制御電圧VVRを生成するため
のものである。このように、本発明の温度補償型水晶発
振器は、温度特性補償部において生成されたバリキャッ
プ制御電圧VVRをバリキャップに印加することにより、
バリキャップの可変容量を変化させ、もって発振回路の
発振周波数を所望の基準周波数に制御することを特徴と
するものである。
【0053】以下に、上述した原理を実現するための一
例として、本発明の実施の形態の温度補償型水晶発振器
を図1乃至図31を用いて説明する。まず、本実施の形
態の温度補償型水晶発振器全体の構成について説明する
こととし、その後、デバイス条件等による設計値からの
微調整に関して、様々な場合について説明することとす
る。
【0054】本実施の形態の温度補償型水晶発振器は、
図8に示される様に、定電圧を供給するための安定化電
源回路1と、水晶振動子21及びバリキャップ22とを
有する発振回路2と、温度検出回路3と、発振回路2及
び温度検出回路3に接続された温度特性補償部4とを備
えている。
【0055】更に詳しくは、発振回路2は、容量周波数
特性を既知として設計されたものである。また、水晶振
動子21は、温度周波数特性が既知なものであり、バリ
キャップ22は、容量電圧特性が既知なものである。
【0056】また、本実施の形態において、特に、水晶
振動子21、バリキャップ22、及び発振回路2の各特
性は、次の様なものとする。即ち、水晶振動子21の温
度周波数変化特性は、温度変化に応じた固有共振周波数
の変化率Δf/f0 が、所定温度における所定固有共振
周波数f0 を変曲点とし、正の3次係数をもつ3次曲線
状の曲線で表されるように変化するものである(図1又
は図2参照)。また、バリキャップ22の電圧容量特性
は、バリキャップ制御電圧VVRの変化に応じて、反比例
状の曲線で表せるように変化するものである(図5参
照)。また、発振回路2の容量周波数変化特性は、所定
周波数に対する発振周波数の変化率が、発振回路2の容
量の変化に応じて、反比例状の曲線で表せるように変化
するものである(図4参照)。
【0057】更に、このような各特性を有した各素子等
で構成された発振回路2は、発振部温度が所定温度のと
きに所定周波数を発振する。
【0058】温度検出回路3は、発振回路2の近傍に配
置された温度検出素子を備えている。ここで、温度検出
素子は、温度電圧特性の既知なものである。従って、温
度検出回路3は、この温度検出素子の温度電圧特性を利
用して、発振部温度に対応した電圧を検出電圧として検
出すると共に、温度により変化する該検出電圧を検出電
圧信号VTempとして出力することができる。特に、本実
施の形態において、温度検出回路3は、発振部温度が所
定温度のときに所定検出電圧VNTemp を示しており、且
つ、発振部温度の変化に応じて、負の1次係数を持つ直
線で表される様に変化する検出電圧信号VTempを出力す
る。尚、発振部温度とは、発振回路2近傍の温度のこと
を意味する。また、上記より理解される様に、所定検出
電圧VNT emp とは、発振部温度が所定温度のときに検出
される検出電圧(即ち、所定温度の場合の検出電圧信号
Tempの示す電圧値を有する検出電圧)のことを意味す
る。
【0059】また、温度特性補償部4は、発振回路2の
発振周波数を所望の周波数である所定周波数にするため
に、温度検出回路3の出力である検出電圧信号VTemp
応じて変化する電圧であって、バリキャップ22に印加
すべきバリキャップ制御電圧をアナログ処理により生成
し、バリキャップ制御電圧信号VVRとして出力するもの
である。
【0060】更に詳しくは、温度特性補償部4は、変換
電圧信号生成手段と、基準電圧信号生成手段と、設定電
圧信号生成手段と、バリキャップ制御信号生成手段とを
備えている。
【0061】変換電圧信号生成手段は、検出電圧信号V
Tempを入力とし、変換電圧を有する変換電圧信号VLOAD
を出力とするためのものである。ここで、変換電圧信号
LO ADとは、検出電圧信号VTempに応じて、以下に示す
様な変換電圧を有する信号である。即ち、検出電圧信号
Tempが所定検出電圧VNTemp を示すときには(即ち、
発振部温度が所定温度のときには)、変換電圧として0
電圧を有しており、また、検出電圧信号VTempの変化に
対応して(即ち、発振部温度の変化に応じて)、変換電
圧が0電圧を示す点を変曲点とする3次曲線状の曲線で
あって、且つ、正の3次係数を有する極値を持たない3
次曲線状の曲線で表されるように変化する変換電圧を有
するものである。
【0062】また、基準電圧信号生成手段は、発振部温
度が所定温度であるときにバリキャップ22に印加すべ
き電圧値(即ち、所定温度の場合のバリキャップ制御電
圧信号VVRの示す電圧値)に対応した一定の電圧である
基準電圧を生成し、基準電圧信号Voffsetとして出力す
るためのものである。
【0063】また、設定電圧信号生成手段は、所定検出
電圧VNTemp に等しい電圧値を有する電圧であって、予
め設定された電圧である設定電圧を生成し、設定電圧信
号として出力するためのものである。
【0064】バリキャップ制御電圧信号生成手段は、変
換電圧信号VLOADや基準電圧信号Voffset及び設定電圧
信号などを用いて、バリキャップ制御電圧信号VVRを生
成するためのものである。ここで、バリキャップ制御電
圧信号VVRとは、変化する温度に対応して、以下に示す
様な、バリキャップ22に印加すべきバリキャップ制御
電圧を有する信号である。即ち、バリキャップ制御電圧
信号VVRは、発振部温度が所定温度のときに、所定バリ
キャップ制御電圧を有し、発振部温度の変化に応じて、
所定バリキャップ制御電圧を変曲点とした3次曲線状の
曲線であって、負の3次係数をもつ3次曲線状の曲線で
表されるように変化するバリキャップ制御電圧を有する
ものである。尚、所定バリキャップ制御電圧とは、所定
温度においてバリキャップ制御電圧信号VVRの示すバリ
キャップ制御電圧であって、基準電圧信号Voffsetと同
じ電圧値を有する電圧である。
【0065】このような構成を備えた本実施の形態の温
度補償型水晶発振器は、前述した原理に基づき、発振部
温度を検出電圧として検出して、該検出電圧を伝達する
検出電圧信号VTempに対してアナログ処理を施して、該
発振部温度のときにバリキャップ22に印加すべきバリ
キャップ制御電圧を生成し、該バリキャップ制御電圧を
バリキャップ制御電圧信号VVRとしてバリキャップ22
に出力することにより、温度補償を行うことができる。
【0066】次に、本実施の形態の温度検出回路3及び
温度特性補償部4の動作をより詳細に説明する。
【0067】温度検出回路3は、本実施の形態において
は、例えば、図9に示されるように、夫々ダイオード接
続をした2つのトランジスタQ1及びQ2と、抵抗Rと
を備えている。
【0068】一般に、トランジスタのエミッタ・ベース
間の順方向電圧VBEは、温度の上昇に対して、負の1次
係数をもつ直線で表される。この温度変化に対応するV
BEの変化特性は、経時安定性や再現性に優れていること
が良く知られている。従って、本実施の形態において
は、ダイオード接続をしたトランジスタを温度検出素子
として用いることにした。
【0069】また、ダイオード接続がされたトランジス
タを一つだけ用いて温度検出回路を構成した場合に比較
して、ダイオード接続されたトランジスタを複数個用い
て温度検出回路を構成した方が、温度に対応した検出電
圧の変化率として大きい変化率を得ることができる。更
に、一般に、検出電圧信号VTempの温度に応じた電圧変
化の変化率が大きいほど温度検出の精度は良くなるが、
一方で、該変化率は電源電圧に制限されるものである。
従って、本実施の形態では、電源電圧が約3Vの場合を
念頭におきトランジスタを2つ用いることにした。
【0070】このような構成を有した温度検出回路3の
出力である検出電圧信号VTempは、図10に示されるよ
うに、温度の変化に応じて負の1次係数をもつ直線で表
されるように変化する。
【0071】尚、図10に示される直線の傾きである負
の1次係数は、温度特性素子(ここでは、2つのトラン
ジスタ)により決まるものであるが、図10に示される
直線の切片となるものは、温度検出回路3に組み込まれ
た抵抗等により調整することができる。
【0072】即ち、本実施の形態においては、発振部温
度に対する検出電圧信号VTempの電圧変化は温度特性素
子により決まるものであり、各発振部温度に対応する検
出電圧信号VTempの示す電圧値は温度検出回路3に組み
込まれた抵抗により調整することができるものである。
【0073】また、検出電圧信号VTempに関して、その
特性を示す負の1次係数が温度特性素子により決まるも
のであることは、前述した通りであるが、この検出電圧
信号VTempを利用する場合において、1次係数を変化さ
せたい場合は、その都度、検出電圧信号VTempを増幅な
どすれば良いことは言うまでもない。
【0074】次に、本実施の形態の温度特性補償部4に
ついて詳細に説明する。
【0075】本実施の形態の温度特性補償部は、前述し
たように、変換電圧信号生成手段と、基準電圧信号生成
手段と、設定電圧信号生成手段と、バリキャップ制御電
圧信号生成手段とを備えているものである。
【0076】ここでは、特に、変換電圧信号生成手段に
ついて、その構成及び動作を詳細に説明する。
【0077】本実施の形態において、変換電圧信号生成
手段は、図11に示されているように、第1及び第2の
差動増幅器Amp1及びAmp2、第1のカレントミラ
ー回路CM1、並びに、抵抗RLOADを備えている。
【0078】図示された第1の差動増幅器Amp1は、
1対のトランジスタQ3及びQ4を有している。また、
第1の差動増幅器Amp1は、第1の入力電圧信号V
in1 をトランジスタQ3のベースに対する入力とし、第
1の参照電圧信号VRef1をトランジスタQ4のベースに
対する入力としている。ここで、第1の参照電圧信号V
Ref1とは、所定検出電圧VNTemp より低い電圧である第
1の参照電圧を有するものである。この第1の差動増幅
器Amp1において、2つのトランジスタQ3、Q4の
特性及びそれらの温度が等しいと考えると、トランジス
タQ4のコレクタ電流I1は、(1)式のように表さ
れ、第1の入力電圧信号Vin1 の電圧変化に応じて、図
12に示されるように変化する。
【0079】
【数1】 ここで、αはベース接地電流増幅率である。
【0080】また、第2の差動増幅器Amp2は、1対
のトランジスタQ7及びQ8を有している。また、第2
の差動増幅器Amp2は、第2の入力電圧信号Vin2
トランジスタQ7のベースに対する入力とし、第2の参
照電圧信号VRef2をトランジスタQ8のベースに対する
入力としている。ここで、第2の参照電圧信号VRef2
は、所定検出電圧VNTemp より高い電圧である第2の参
照電圧を有するものである。この第2の差動増幅器Am
p2においても、第1の差動増幅器Amp1と同様にし
て、トランジスタQ7、Q8の特性及びそれらの温度が
等しいと考えると、トランジスタQ7のコレクタ電流I
2は、(2)式のように表され、第2の入力電圧信号V
in2 の変化に応じて、図13に示されるように変化す
る。
【0081】
【数2】
【0082】尚、第1及び第2の差動増幅器Amp1、
Amp2において、トランジスタQ4、Q3、Q7、Q
8のそれぞれのエミッタに挿入した抵抗RE1、RE2、R
E3、RE4を小さくすると、図12及び図13に示される
曲線の傾斜部分が小さくなり、また、RCom1、RCom2
小さくすると、トランジスタQ4及びQ7の夫々のコレ
クタに流れる電流I1及びI2に関して、最大電流(即
ち、コレクタ飽和電流)が大きくなる。また、通常はR
E1=RE2、及びRE3=RE4として設計するが、RE1≠R
E2及び/又はRE3≠RE4として設計した場合にも、基本
的に同じ動作が得られることは言うまでもない。
【0083】また、第1の差動増幅器Amp1のコレク
タ電流I1は、第1のカレントミラー回路CMを介し
て、図11に示される抵抗RLOADに流れるに対して、第
2の差動増幅器Amp2のコレクタ電流I2は、何も介
さずに抵抗RLOADに流れることになる。即ち、図11に
示される第1のカレントミラー回路CM1と、該第1の
カレントミラー回路CM1とトランジスタQ7との接続
点とは、コレクタ電流I1からコレクタ電流I2を引く
ようにして、コレクタ電流I1とコレクタ電流I2とを
合成する電流合成手段を構成している。尚、電流合成手
段は、本実施の形態の構成に限られるものではなく、同
様の処理を行うものであれば、他に、例えば、抵抗など
を備えていてもよい。また、図11に示されるカレント
ミラー回路CM1は、2つのトランジスタQ5及びQ6
で構成されたものであるが、3つ以上のトランジスタで
構成したものとしても良い。その場合、トランジスタの
個数の比により、伝達する電流の変換比を変えることが
できる。
【0084】また、本実施の形態においては、抵抗R
LOADに流れる電流の方向について、第1のカレントミラ
ー回路CM1を介して流れ込むコレクタ電流I1の方向
を正とする。従って、コレクタ電流I2に対応して抵抗
LOADに流れる電流は、図14に示される様に−I2と
なる。結果として、抵抗RLOADには、これらの合成され
た電流値を有する電流I=I1−I2が流れることにな
る。
【0085】ここで、第1及び第2の入力電圧信号V
in1 及びVin2 を共に前述の検出電圧信号VTempとし、
更に、検出電圧信号VTempが所定検出電圧VNTemp を示
すときに、第1の差動増幅器のコレクタ電流I1から第
2の差動増幅器のコレクタ電流I2を引いた値が0にな
る様に、第1及び第2の参照電圧信号VRef1及びVRef2
の電圧値を設定すると、図11に示される抵抗RLOAD
流れる電流I=I1−I2は、次のようになる。
【0086】即ち、図12及び図14に示される曲線か
ら理解されるように、第1の参照電圧信号VRef1<所定
検出電圧VNTemp <第2の参照電圧信号VRef2となる様
に、且つ、検出電圧信号VTemp=所定検出電圧VNTemp
のときに、電流I=I1−I2=0となる様に、第1及
び第2の参照電圧信号VRef1及びVRef2が設定されてい
るため、抵抗RLOADを流れる電流I=I1−I2は、検
出電圧信号VTempの電圧変化に応じて図15に示される
ような曲線で示されるように変化することとなる。
【0087】更に、図15においては横軸が検出電圧信
号VTempであるが、図10に示される検出電圧信号V
Tempと発振部温度の関係を考慮して、横軸を発振部温度
とした特性に変換すると、抵抗RLOADを流れる電流I=
I1−I2は、図16に示される様な特性を示すことに
なる。即ち、抵抗RLOADを流れる電流I=I1−I2
は、発振部温度が所定温度であるときに、電流値が0で
あり、発振部温度の変化に応じて、この0電流値の点を
変曲点とする3次曲線状の曲線であって、正の3次係数
を有する極値を持たない3次曲線状の曲線で表されるよ
うに変化する。
【0088】ここで、第1及び第2の参照電圧信号V
Ref1及びVRef2として、上述した条件を満たすものとし
て、図17乃至図19に示される3種類の例を示してお
く。図17乃至図19に示されるいずれのグラフにおい
ても、横軸は発振部温度であり、×で示されるものは第
1の差動増幅器Amp1のコレクタ電流I1であり、+
で示されるものは第2の差動増幅器Amp2のコレクタ
電流I2を反転した電流−I2であり、○で示されるも
のは抵抗RLOADに流れる電流I=I1−I2である。
【0089】図17は、第1及び第2の差動増幅器Am
p1及びAmp2において、動作温度領域(出力である
コレクタ電流が立ち上がる領域)が重ならない場合に、
抵抗RLOADに流れる電流I=I1−I2を示したもので
ある。また図18は、第1及び第2の差動増幅器Amp
1及びAmp2において、動作温度領域が重なる場合
に、抵抗RLOADに流れる電流I=I1−I2を示したも
のである。また、図19は、第1及び第2の差動増幅器
Amp1及びAmp2において、双方の動作開始温度
(出力であるコレクタ電流が立ち上がる際の温度)が等
しい場合に、抵抗RLOADに流れる電流I=I1−I2を
示したものである。
【0090】尚、図16乃至図19のいずれにおいて
も、縦軸は抵抗RLOADを流れる電流I=I1−I2であ
ったが、これに図11に示される抵抗RLOADを掛ける
と、図11に示される変換電圧信号VLOADの有する変換
電圧を示すことになることは言うまでもない。即ち、横
軸を発振部温度とし縦軸を変換電圧信号VLOADとした場
合の特性は、夫々、図16乃至図19に示される曲線と
同じ形状の曲線で示されることが理解される。
【0091】このように本実施の形態においては、第1
及び第2の差動増幅器Amp1及びAmp2の立ち上が
り特性を利用して、発振部温度の変化に応じて、正の3
次係数を有する極値を持たない3次曲線状の曲線で表さ
れるように変化する電流(又は変換電圧)を得ている。
【0092】ここで、差動増幅器は、一般に入力される
2つの電圧にある程度以上の電圧差があると、出力とな
るコレクタ電流は、飽和してしまい、一定値となる。ま
た、本実施の形態において、夫々の差動増幅器に入力さ
れる2つの電圧の電圧差は、参照電圧の示す温度と発振
部温度との温度差を意味している。
【0093】従って、コレクタ電流が飽和しないような
電圧差の範囲が、温度補償できる温度範囲であると言え
る。
【0094】この温度補償できる温度範囲を広くするた
めには、第1の差動増幅器Amp1を2つの差動増幅器
Amp1a及びAmp1bを用いて構成し、第2の差動
増幅器Amp2も同様に2つの差動増幅器Amp2a及
びAmp2bを用いて構成すれば良い。
【0095】但し、2つの差動増幅器Amp1a及びA
mp1bに関して、差動増幅器Amp1aの立ち上がり
特性を利用できることになる検出電圧の電圧範囲と、差
動増幅器Amp1bの立ち上がり特性を利用できること
になる検出電圧の電圧範囲とが、連続する様に、夫々に
入力する参照電圧を設定する。その上で、2つの差動増
幅器Amp1a及びAmp1bのコレクタ電流を合成す
る。そのように構成すると、見掛上、立ち上がり特性の
利用できる検出電圧の電圧範囲が広い第1の差動増幅器
Amp1が得られることになる。第2の差動増幅器につ
いても同様に構成する。
【0096】その上で、前述の第1及び第2の差動増幅
器として用い、変換電圧信号生成手段を形成すると、該
変換電圧信号生成手段は、広い温度補償可能な温度範囲
を有することになる。
【0097】尚、当然のことながら、同様の原理に基づ
いて、第1及び第2の差動増幅器Amp1及びAmp2
を夫々3つ以上の差動増幅器にて構成しても良い。その
場合、温度補償のできる範囲が広くなる一方で、回路面
積が大きくなるため、必要に応じて選択することにな
る。
【0098】次に、図11において、例えば、Vbで示
される端子に基準電圧信号Voffsetを供給すると、出力
端子Vaから出力される電圧信号は、図20に曲線で示
される様に変化するものとなる。即ち、端子Vaから出
力される電圧信号は、発振部温度の変化に応じて、基準
電圧信号Voffsetの基準電圧から各発振部温度に応じた
各変換電圧信号VLOADの示す変換電圧を引くように、基
準電圧信号Voffsetと変換電圧信号VLOADとを合成した
ものとなる。
【0099】更に、下記のようにして、検出電圧信号V
Temp、設定電圧、及び図20に示される様な電圧信号を
処理すると、発振部温度の変化に応じて、図21に示さ
れる様な曲線で表される様に変化する電圧を有する電圧
信号が得られることになる。即ち、まず、検出電圧信号
Tempの示す検出電圧から設定電圧(電圧値は所定検出
電圧VNTemp 同じ)を引くようにして、検出電圧信号V
Tempと設定電圧信号とを合成し、図22に示されるよう
な、電圧差信号を得る。次に、図20に曲線で示される
ような変化をする電圧信号の電圧値から、図22に示さ
れる様な該電圧差信号の電圧値を引くようにして、図2
0に示された電圧信号と図22に示された電圧差信号と
を合成する。この様な処理を行うと、図21に示される
ように、発振部温度の変化に応じて、負の3次係数をも
つ3次曲線状の曲線で表されるように変化する電圧を有
する電圧信号が得られることになる。
【0100】ここで、前述したように、水晶振動子21
の温度周波数特性が既知であり、バリキャップ22の容
量電圧特性が既知であり、発振回路2の容量周波数特性
が既知であるため、任意の温度において必要とされるバ
リキャップ制御電圧信号VVRは既知であると言い換える
ことができる。
【0101】従って、図21に示されるような、発振部
温度の変化に応じて、負の3次係数をもつ3次曲線状の
曲線で表されるように変化する電圧信号を、所定の増幅
率で増幅するなどして変換し、その変換された電圧信号
をバリキャップ制御電圧信号VVRとすれば良いことが理
解される。
【0102】尚、本実施の形態においては、基準電圧信
号Voffsetから変換電圧信号VLOADを引いた後、更に、
検出電圧信号VTempと設定電圧信号(電圧値は所定検出
電圧VNTemp に同じ)の差電圧(VTemp−VNTemp )で
ある電圧差信号を引くことにより、発振部温度の変化に
応じて負の3次係数をもつ3次曲線状の曲線で表される
変化をする電圧信号を得ていたが、基本的には(3)式
の関係を満たせば、処理の順序は変更されても良い。
【0103】
【数3】
【0104】尚、以上説明してきた例においては、設定
電圧信号(電圧値は所定検出電圧VNTemp に同じ)を生
成する設定電圧信号生成手段が必要である。この設定電
圧信号生成手段は、温度検出回路3及び温度特性補償回
路4のいずれかに含まれても良いし、温度検出回路3及
び温度特性補償回路4とは別に設けても良い。
【0105】また、発振部温度の変化に応じて負の3次
係数をもつ3次曲線状の曲線で表されるように変化する
電圧信号を、バリキャップ22に印加するバリキャップ
制御電圧信号VVRに変換するための増幅などは、(3)
式の右辺第2項の全てに対して行っても良いし、一部に
対して行っても良く、設計する発振回路2により任意に
選択できるものである。
【0106】また、温度検出回路3の出力する検出電圧
信号VTempであって、任意の負の1次係数を有する検出
電圧信号VTempに関して、前述したように、各温度に対
する検出電圧信号VTempの電圧値は、温度検出回路3に
含まれる抵抗などにより調整することが可能である。
【0107】そこで、温度検出回路3に含まれる素子を
調整して、所定検出電圧VNTemp を所定バリキャップ制
御電圧(電圧値は基準電圧Voffsetの示す基準電圧に同
じ)と同じ値にしたとすると(即ち、VNTemp =V
offsetとすると)、設定電圧(電圧値は所定検出電圧V
NTemp に同じ)を生成するための設定電圧信号生成手段
が必要なくなり、回路の小型化に寄与できる。
【0108】尚、設定電圧信号(電圧値は所定検出電圧
NTemp に同じ)を所定バリキャップ制御電圧(即ち基
準電圧信号Voffsetの示す電圧値)と同じ電圧値に調整
した場合、(3)式は(4)式のように書き替えること
ができる。
【0109】
【数4】 この場合も増幅等の変換に関することは(3)式の場合
と同様である。
【0110】尚、例えば、図23に示される様に、バリ
キャップ制御電圧信号VVRに変換する際の増幅回路のゲ
インを変更することにより、バリキャップ22の容量電
圧特性やその他素子及び回路の特性等のバラつきを調整
することができる。
【0111】また、例えば、水晶振動子の角度のバラつ
きに対応するためには、以下に示す様な調整を行えば良
い。
【0112】+2分のATカット水晶振動子の有する温
度特性は、図24に示される様に、ある傾きを有する直
線成分と、極値を持たない3次曲線状の曲線成分とに、
分離することができる。
【0113】ここで、直線成分については、温度特性を
約25℃付近で微分した際に得られる傾きで近似するこ
とができる。また、3次曲線上の曲線成分については、
異常スプリアス等の不具合のない水晶振動子の場合、+
2分のATカット水晶振動子に対して、±2分程度の角
度ずれを有する範囲内であれば、いずれの角度を有する
ATカット水晶振動子でもほぼ同じ曲線を描くものであ
る。
【0114】このような+2分のATカット水晶振動子
の温度特性から得られた直線成分と曲線成分とに基づい
て、直線成分のみを次のように変化させて、夫々を曲線
成分と合成することにより得られる3次曲線状の曲線
は、図25に示される様に変化する。即ち、各切出角度
を有するATカット水晶振動子について、夫々のATカ
ット水晶振動子の室温近傍における温度特性曲線の傾き
(室温近傍で温度特性曲線を微分した際に得られる傾
き)を有する様な直線成分を導き出す。次に、夫々の傾
きを有する直線成分に対して、極値を持たない3次曲線
状の曲線成分を合成する。このようにして得られた3次
曲線状の曲線は、各切出角度のATカット水晶振動子の
有する温度特性とほぼ一致することになる。
【0115】言い換えれば、+2分のATカット水晶振
動子を念頭に設計した発振器において、ATカット水晶
振動子に角度ずれ等のバラつきが生じていた場合、直線
成分の傾きのみを増幅などにて変化させることにより、
該バラつきに対応することができる。 更に理解を深め
るために、図26及び図27を用いて、上述したことを
他の側面から説明する。図26は、+2分付近のATカ
ット各水晶振動子の温度特性を各サンプルごとにプロッ
トしたものである。また、この図26は、+2分のAT
カットで切出した各水晶振動子のバラつきを有する温度
特性を示すものと捕らえることもできる。一方、図26
に示された各切出角度の平均値を求め、各サンプルごと
に該平均値からのずれをプロットしたものが図27に示
されている。図27を参照すると理解される様に、各サ
ンプル毎の平均値からのずれは、ほぼ直線で示されてい
る。言い換えると、直線の傾きを調整してしまえば、平
均値からのずれを補正することができる。ここでは、平
均値からのずれとして説明したが、同様の理由から、所
望の角度(+2分)を基準としたずれを補正することが
できることは言うまでもない。
【0116】以上のことから理解される様に、図28に
示される様な傾き成分、即ち、(3)式及び(4)式に
おける検出電圧信号VTempに対して増幅などを施すこと
により、図29に示される様に、水晶振動子の角度バラ
つきに対応することができる。尚、図29は、+2分の
ATカット水晶振動子を念頭におき設計された発振器に
おいて、検出電圧信号VTempの増幅率のみ変化させたと
きのバリキャップ制御電圧の特性を周波数変化率(ppm
表示)で示したものである。
【0117】更に、上述した温度検出回路3の素子調整
により、設定電圧信号(電圧値は所定検出電圧VNTemp
に同じ)を所定バリキャップ制御電圧(電圧値は基準電
圧信号Voffsetの示す基準電圧に同じ)と同じ電圧値へ
調整することをより確実なものにするために、可変抵抗
などの検出温度オフセット調整素子51を備えた検出温
度オフセット調整回路5を温度検出回路3に接続しても
良い。
【0118】この検出温度オフセット調整回路5を備え
た場合、温度検出回路3の素子のバラつきによる影響を
抑えることができる。
【0119】また、本実施の形態の温度補償型水晶発振
器において、基準電圧信号生成手段の生成した基準電圧
信号Voffsetをより正確なものにするために、可変抵抗
などの制御電圧オフセット調整素子61を備えた制御電
圧オフセット調整回路6を基準電圧信号生成手段に接続
しても良い。
【0120】更に、この制御電圧オフセット調整回路6
を用いると、以下に示す様に、発振周波数が所定周波数
からずれた場合にも、発振周波数を所定周波数に調整す
ることができる。
【0121】即ち、基準電圧信号Voffsetを変化させた
場合、バリキャップ制御電圧信号VVRは、図30に示さ
れる様に変化する。図30から理解される様に、基準電
圧信号Voffsetを変化させることによって、バリキャッ
プ制御電圧信号VVRを一定電圧分だけ平行移動すること
ができる。これに伴い、発振回路2に対する温度補償の
補償量(ppm 表示)も図31に示される様に、一律に一
定量だけ増減することができる。従って、発振回路2の
発振周波数が設計当初の所定周波数からずれた場合に
も、基準電圧信号Voffsetを制御電圧オフセット調整回
路6にて調整することにより、該発振周波数を所定周波
数に合わせることができる。
【0122】尚、同様の効果は、前述の検出温度オフセ
ット調整回路にても行えることは言うまでもない。即
ち、検出温度オフセット調整回路にて、所定温度におけ
る所定検出電圧VNTemp を一定量だけ増減するようにし
て調整しても、検出電圧信号VTempの傾き自体は変化し
ないため、同様の効果が得られることになる。
【0123】また、本実施の形態の温度補償型水晶発振
器において、安定化電源回路1並びに第1の差動増幅器
Amp1及び第2の差動増幅器Amp2に接続された参
照電圧生成手段7を更に備えていてもよい。この参照電
圧生成手段7は、第1の参照電圧と第2の参照電圧とを
生成して、夫々、第1の参照電圧信号VRef1及び第2の
参照電圧信号VRef2として、出力するためのものであ
る。
【0124】該参照電圧生成手段7の最も簡単な例とし
て、例えば、安定化電源回路1とグランドとの間に設け
られた電圧分割回路を備えているものが挙げられる。例
えば、2つの参照電圧信号が必要な場合、この電圧分割
回路は、少なくとも3つ以上の抵抗を備えており、少な
くとも2つの接続点から2つの異なる電圧を出力するも
のであれば良い。また、その場合、2つの異なる電圧の
内、他方に比べ大きい電圧値を有する電圧である一方を
前述した第2の参照電圧とし、小さい方の他方を前述の
第1の参照電圧とすれば良い。尚、必要とする参照電圧
信号の数が増えた場合、同様の原理にて、更に複数の抵
抗を用いて、電圧分割回路を構成すれば良いことは、言
うまでもない。
【0125】このような参照電圧生成手段7を備えてい
ると、例えば、水晶振動子の主面の切出角度が多少ずれ
ていたとしても、第1及び第2の参照電圧VRef1、V
Ref2を簡単に変更できるため、水晶発振器の設計後に容
易に調整することができる。
【0126】尚、以上説明してきた温度補償型水晶発振
器の各構成要素に含まれる抵抗の全てについて、概念的
に可変抵抗とすると(抵抗値を連続的に変化させること
のできる可変抵抗、例えばボリュームつまみを有する可
変抵抗はもちろんのこと、それ以外の可変抵抗も含むこ
ととすると)、設計後のテストにて判明したバラつきで
あって、可変抵抗を有する構成要素に起因するバラつき
を容易に調整することができる。
【0127】この種の可変抵抗の一例としては、薄膜抵
抗等が挙げられる。回路を集積化した場合に一般的に用
いられている該薄膜抵抗は、レーザトリミング、陽極化
成トリミング、及びスクライブトリミングなどにより、
容易に抵抗値を調整することができるものである。
【0128】また、可変抵抗の他の例としては、複数の
抵抗からなる抵抗合成回路が挙げられる。この抵抗合成
回路に含まれる抵抗について、抵抗を付け替えたり、配
線途中へ抵抗を挿入したり、又は抵抗の端子の両端を短
絡させたり、抵抗の端子の一端の接続を切断したりなど
の処理を施すことにより、抵抗値を変更することができ
る。また、該抵抗合成回路に、例えば、予め一端のみを
接続して他端を解放した抵抗を含ませておき、抵抗値を
調整する際に、該他端を接続して、抵抗値を変更しても
良い。
【0129】尚、本実施の形態において、抵抗RLOAD
流れる電流は、第1の差動増幅器のコレクタ電流I1か
ら第2の差動増幅器のコレクタ電流I2を引いた電流I
=I1−I2であったが、逆に、第2の差動増幅器のコ
レクタ電流I2から第1の差動増幅器のコレクタ電流I
1を引いた電流I=I2−I1としても良い。
【0130】その場合、当然のことながら、バリキャッ
プ制御電圧信号VVR又はその基となる電圧信号、即ち、
発振部温度が所定温度のときに、所定バリキャップ制御
電圧を有し、発振部温度の変化に応じて、所定バリキャ
ップ制御電圧を変曲点とした3次曲線状の曲線であっ
て、負の3次係数を持つ3次曲線状の曲線で表される信
号を生成する際の手順は、異なるものになる。
【0131】例えば、該手順としては、まず、発振部温
度の変化に応じて変化する電流I=I2−I1を、抵抗
などにて、次のような電圧信号に変換する。この際、生
成される電圧信号は、発振部温度が所定温度のときに0
電圧を呈し、極値を持たない3次曲線状の曲線であっ
て、負の3次係数を持つ3次曲線状の曲線(以下、第1
の3次曲線状の曲線)で表される様に変化するものであ
る。
【0132】次に、この第1の3次曲線状の曲線に対し
て、一律に基準電圧信号Voffsetを加える。ここで生成
される曲線は、発振部温度が所定温度のときに、基準電
圧信号Voffsetの示す電圧値を呈し、極値を持たない3
次曲線状の曲線であって、負の3次係数を持つ3次曲線
状の曲線(第2の3次曲線状の曲線)で表される様に変
化するものである。
【0133】次に、この第2の3次曲線状の曲線から検
出電圧信号VTempを引く。このようにすると、本実施の
形態においてバリキャップ制御電圧信号生成手段の出力
する信号と同じ変化をする信号が得られる。
【0134】ここで、バリキャップ制御電圧信号を生成
する際の増幅などは、本実施の形態本文におけるものと
同様であることは言うまでもないことである。
【0135】また、本実施の形態においては、バイポー
ラ・トランジスタを用いて各部回路を構成した例を挙げ
て説明してきたが、バイポーラ・トランジスタに替えて
MOSトランジスタ等のFET(電界効果型トランジス
タ)を用いて各部回路を構成し、信号処理動作をさせる
ものとしても良い。
【0136】
【実施例】以下に、本発明の温度補償型水晶発振器に関
する理解をより確実なものにするために、実施例として
図32及び図33に示される様な回路を用いて説明す
る。
【0137】(第1の実施例)本発明の第1の実施例
は、図32に示される様な回路構成を有している。
【0138】ここで、安定化電源回路1は、図面の簡略
化のため省略した。但し、安定化電源回路1により供給
される電圧は、図32において、VReg で示してある。
【0139】図32において、温度検出回路3は、抵抗
101と、トランジスタQ1と、トランジスタQ2とを
備えている。また、温度検出回路3には、可変抵抗R
Trimin g1からなる検出温度オフセット調整素子51と、
抵抗102とを備えた検出温度オフセット調整回路5が
接続されている。
【0140】ここで、検出温度オフセット調整回路5
は、温度検出回路3の出力である検出電圧信号V
Tempを、所定検出電圧VNTemp が、基準電圧信号V
offsetの有する基準電圧となるように、調整するもので
ある。尚、所定検出電圧VNTemp は、前述の通り、所定
温度(本実施例では25℃)における検出電圧信号V
Tempの有する電圧である。
【0141】このような構成を備えた温度検出回路3
は、実施の形態にて説明したものと基本的に同様の動作
を行う(図10参照)。
【0142】この温度検出回路3の出力である検出電圧
信号VTempは、第1の差動増幅器Amp1のトランジス
タQ3のベースと、第2の差動増幅器Amp2のトラン
ジスタQ7のベースとに入力されている。また、検出電
圧信号VTempは、電圧ホロワを構成するオペアンプOP
1の非反転入力端子にも入力されている。
【0143】更に、第1の差動増幅器Amp1のトラン
ジスタQ4のベースには、第1の参照電圧信号VRef1
与えられ、第2の差動増幅器Amp2のトランジスタQ
8のベースには、第2の参照電圧信号VRef2が与えられ
ている。
【0144】ここで、第1の参照電圧信号VRef1と第2
の参照電圧信号VRef2とは、夫々、実施の形態において
説明したような条件を満たすように設定されている(V
Ref1<VNTemp <VRef2;VTemp=VNTemp において、
抵抗RLOADに流れる電流I=I1−I2=0)。
【0145】尚、抵抗103、104、106、107
は、実施の形態において抵抗RE1、RE2、RE3、RE4
して説明したものと同じものであり、また、抵抗10
5、108は、実施の形態において抵抗RCom1、RCom2
として説明したものと同じものである。
【0146】更に、トランジスタQ4のコレクタ電流I
1と、トランジスタQ7のコレクタ電流I2とが、電流
I=I1−I2となるようにして合成され、抵抗RLOAD
に導かれている。具体的には、コレクタ電流I1は、2
つのトランジスタQ5及びQ6で構成された第1のカレ
ントミラー回路CM1を介して、抵抗RLOADに導入され
ており、コレクタ電流I2は、そのまま抵抗RLOADに導
入されている。この際、実施の形態においてした説明と
同様に、抵抗RLOADに流れる電流は、コレクタ電流I1
の方向を正としたため、電流I=I1−I2となる。
【0147】ここで、電流I=I1−I2は、発振部温
度が所定温度であるときに、電流値が0であり、発振部
温度の変化に応じて、この0電流値の点を変曲点とする
3次曲線状の曲線であって、正の3次係数を有する極値
を持たない3次曲線状の曲線で表されるように変化する
ものである(図16参照)。
【0148】この電流I=I1−I2を抵抗RLOADに流
すことにより、変換電圧信号VLOADに変換し、更に、検
出電圧信号VTempと変換電圧信号VLOADを合成している
(VTemp+VLOAD)。
【0149】制御電圧オフセット調整回路6は、可変抵
抗RTriming2からなる制御電圧オフセット調整素子61
と、抵抗109と、110とを備えており、基準電圧信
号Voffsetを、反転増幅器の非反転入力端子に対して出
力するためのものである。ここで、基準電圧信号V
offsetとは、前述の通り、所定温度におけるバリキャッ
プ制御電圧である所定バリキャップ制御電圧と同じ電圧
値を有する信号である。このような構成を備えた制御電
圧オフセット調整回路6により、基準電圧信号Vof fset
の示す電圧値を変化させることにより、発振回路2の発
振周波数を所望周波数に調整することができる(図30
及び図31参照)。
【0150】また、反転増幅器は、オペアンプOP2
と、抵抗RG1及びRG2とを備えたものである。また、反
転増幅器の反転入力端子には、抵抗RG1を介して、検出
電圧信号VTempと変換電圧信号VLOADとが合成された電
圧信号(VTemp+VLOAD)が入力されている。
【0151】ここで、反転増幅器の反転入力端子は、反
転増幅器の出力端子と抵抗RG2を介して接続されている
ため、この反転増幅器は、負帰還がかかっている。
【0152】したがって、反転増幅器の2つの入力端子
間(非反転入力端子と反転入力端子との間)には仮想短
絡が適用できるため、点P1の電位は基準電圧信号V
offsetの示す基準電圧となる。
【0153】以上より、反転増幅器の出力するバリキャ
ップ制御電圧信号VVRは(5)式のように示される。
【0154】
【数5】
【0155】ここで、RG2/RG1は増幅率である。尚、
この増幅率を調整するることにより、前述の様に、バリ
キャップの容量電圧特性のバラつきに対応することがで
きる(図23参照)。
【0156】この様にして、発振部温度の変化に応じ
て、負の3次係数をもつ3次曲線状の曲線で描かれるよ
うに変化するバリキャップ制御電圧信号VVR(図21参
照)が出力され、抵抗111を介してバリキャップ22
に印加されている。
【0157】また、このバリキャップ制御電圧信号VVR
がバリキャップ22に印加されることにより、バリキャ
ップの容量値は所望の容量値となり、その結果、水晶振
動子21の周波数温度特性を補償することができる。
【0158】ここで、抵抗111は、発振回路2側から
見たときの温度特性補償部4側のインピーダンスを高く
して、温度特性補償部4側のリアクタンス成分を無視で
きるようにするためのものである。
【0159】尚、本実施例においては、可変抵抗R
Triming1からなる検出温度オフセット調整素子51及び
可変抵抗RTriming2からなる制御電圧オフセット調整素
子61とを備えているため回路設計後に微調整を行うこ
とが可能である。
【0160】しかしながら、この検出温度オフセット調
整素子51及び制御電圧オフセット調整素子61は、各
部の素子特性のばらつきによる影響を抑えるためのもの
であるから、各部の素子特性のばらつきがない場合はも
ちろんのこと、各部の素子特性のばらつきによる影響を
考慮しない場合も、検出温度オフセット調整素子51及
び/又は制御電圧オフセット調整素子61を必要とする
かどうかは、任意に選択することができるものである。
【0161】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
例は、図33に示されるような回路構成を有している。
【0162】ここで、第1の実施例と同様に安定化電源
回路1は、簡略化のため省略し、安定化電源回路1によ
り供給される電圧は図33においてVReg で示した。
【0163】更に、第1の実施例と同様の動作を行う素
子については、同じ参照符号を付した。
【0164】従って、図33から理解されるように、本
実施例において、温度検出回路3、検出温度オフセット
調整回路5、第1の差動増幅器Amp1、第2の差動増
幅器Amp2、2つのトランジスタQ5、Q6からなる
第1のカレントミラー回路CM1、制御電圧オフセット
調整回路6、オペアンプOP1からなる電圧ホロワ、及
び抵抗111の動作は同じであるため説明を省略する。
【0165】即ち、第2の実施例の温度補償型水晶発振
器は、第1の実施例と比較すると、検出電圧信号VTemp
と基準電圧信号Voffsetと変換電圧信号VLOADとを用い
て、バリキャップ制御電圧信号VVRを生成する手段が異
なっている。
【0166】本実施例においても、第1の実施例と同様
に、反転増幅器は、オペアンプOP2と、抵抗RLOAD
び抵抗RTempとを備えている。このような構成を備えた
反転増幅器において、オペアンプOP2の出力端子と反
転入力端子とが抵抗RLOADを介して接続されているた
め、反転入力端子と非反転入力端子との間には仮想短絡
が適用される。
【0167】従って、点P1の電位は、非反転入力端子
に入力される基準電圧信号Voffsetの示す電圧値と同じ
電圧値となる。ここで、基準電圧信号Voffsetは、第1
の実施例と同様、制御電圧オフセット調整回路6により
調整することができる。従って、発振回路2の発振周波
数のバラつきにも対応することができる(図30及び図
31参照)。
【0168】また、変換電圧信号VLOADが抵抗RLOAD
電流I=I1−I2との積であることをふまえた上で、
反転増幅器により生じる出力電圧に注目し、重ね合わせ
の原理を適用すると、(6)式の関係が導かれる。
【0169】
【数6】 ここで、RLOAD/RTempは反転増幅器全体の増幅率であ
る。
【0170】また、抵抗RTempの抵抗値を変化させる
と、検出電圧信号Vtempの増幅率を変えることができ、
もって検出電圧信号Vtempの傾きを調整することができ
る。従って、抵抗RTempの抵抗値を調整することによ
り、前述の通り、水晶振動子の角度バラつきに対応する
ことができる(図24乃至図29参照)。
【0171】更に、反転増幅器全体の増幅率を変化させ
ると、第1の実施例と同様、バリキャップの容量電圧特
性のバラつきに対応することができる(図23参照)。
【0172】このようにして、第2の実施例において
も、負の3次係数をもつ3次曲線状の曲線で描かれるバ
リキャップ制御電圧信号VVR(図21参照)が出力さ
れ、抵抗111を介してバリキャップ22に印加されて
いる。
【0173】また、このバリキャップ制御電圧信号VVR
がバリキャップ22に印加されることにより、バリキャ
ップ22の容量値は所望の容量値となり、その結果、水
晶振動子21の周波数温度特性を補償することができ
る。
【0174】尚、本実施例においても、第1の実施例と
同様に、可変抵抗RTriming1からなる検出温度オフセッ
ト調整素子51及び可変抵抗RTriming2からなる制御電
圧オフセット調整素子61とを備えているため回路設計
後に微調整を行うことが可能である。
【0175】しかしながら、この検出温度オフセット調
整素子及51び制御電圧オフセット調整素子61は、各
部の素子特性のばらつきによる影響を抑えるためのもの
であるから、各部の素子特性のばらつきがない場合はも
ちろんのこと、各部の素子特性のばらつきによる影響を
考慮しない場合も、検出温度オフセット調整素子51及
び/又は制御電圧オフセット調整素子61を必要とする
かどうかは、任意に選択することができるものである。
【0176】(第3の実施例)本発明の第3の実施例
は、図34に示される様な回路構成をしている。本実施
例は、第1の実施例の変形である。従って、第1の実施
例と同様の動作を行うものについては、同じ符号を付し
てある。
【0177】本実施例の温度補償型水晶発振器は、第1
の実施例における第1及び第2の差動増幅器Amp1及
びAmp2が、夫々2つの差動増幅器Amp1a及びA
mp1b並びにAmp2a及びAmp2bにより構成さ
れたものである。その上で、夫々に入力される参照電圧
を適当に定めることにより、前述のように、温度補償が
できる温度範囲の広い温度補償型水晶発振器が得られ
る。
【0178】更に、同様にして、第2の実施例の変形を
示す回路例を図35に示す。
【0179】尚、第1及び第2の差動増幅器Amp1及
びAmp2は、実施の形態において説明した通り、夫々
複数の差動増幅器にて構成しても良く、選択可能なもの
である。
【0180】尚、以上説明してきた本発明の温度補償型
水晶発振器は、その構成から容易に理解できるようにI
C化が可能なものである。
【0181】
【発明の効果】以上、説明してきたように、本発明によ
れば、高価な機器を用いずに、且つアナログ処理により
水晶振動子の温度周波数特性による発振周波数の変化を
補償できる温度補償型水晶発振器を提供することができ
る。
【0182】また、本発明によれば、温度特性回路を構
成する温度特性素子の数を任意に選択できるため、低い
電圧で動作させることも可能である。
【0183】また、本発明によれば、例えば、可変抵抗
などからなる検出温度オフセット調整素子や制御電圧オ
フセット調整素子を備えているため、回路設計後に回路
動作の微調整を行うことができる。
【0184】従って、素子選択におけるコストを低減で
きると共に量産化が可能な温度補償型水晶発振器を提供
することができる。
【0185】また、本発明によれば、その構成をICに
て実現することが可能であるため、小型化された温度補
償型水晶発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の切出角度のATカット水晶振動子の温度
周波数変化特性を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態において、本発明の温度補
償型水晶発振器の原理を説明するために用いた主面切り
出し角度がATカット中心角度+2分の水晶振動子の温
度周波数特性を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態において、本発明の温度補
償型水晶発振器の原理を説明するために用いた発振回路
の例であるコルピッツ型発振回路を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態において、本発明の温度補
償型水晶発振器の原理を説明するために用いた発振回路
の容量周波数特性を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態において、本発明の温度補
償型水晶発振器の原理を説明するために用いたバリキャ
ップの電圧容量特性を示す図である。
【図6】本発明の温度補償型水晶発振器の原理において
得られたバリキャップ制御電圧と発振部温度との関係を
示す図である。
【図7】図6と同様の原理において得られたバリキャッ
プ制御電圧信号(補償量)であって、図1の各特性に対
応するバリキャップ制御電圧信号を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態の温度補償型水晶発振器の
構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態の温度検出回路の例を示す
図である。
【図10】図9に示した温度検出回路の出力する検出電
圧と温度(発振部温度)との関係を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態において、温度特性補償
部に備えられた第1及び第2の差動増幅器Amp1、A
mp2の動作を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態において、第1の差動増
幅器Amp1のトランジスタQ4のコレクタ電流I1を
示す図である。
【図13】本発明の実施の形態において、第2の差動増
幅器Amp2のトランジスタQ7のコレクタ電流I2を
示す図である。
【図14】コレクタ電流I2を反転した電流−I2を示
す図である。
【図15】変換電圧信号生成手段において、コレクタ電
流I1とコレクタ電流I2から得られる電流I=I1−
I2を示す図である。
【図16】図15に示した電流I=I1−I2の温度
(発振部温度)に対する変化を示す図である。
【図17】第1の差動増幅器Amp1と第2の差動増幅
器Amp2との動作温度領域が重ならない様にして、第
1の参照電圧VRef1と第2の参照電圧VRef2とを設定し
た場合の電流I=I1−I2を示す図である。
【図18】第1の差動増幅器Amp1と第2の差動増幅
器Amp2との動作温度領域が重なる様にして、第1の
参照電圧VRef1と第2の参照電圧VRef2とを設定した場
合の電流I=I1−I2を示す図である。
【図19】第1の差動増幅器Amp1と第2の差動増幅
器Amp2との動作開始温度が等しくなる様にして、第
1の参照電圧VRef1と第2の参照電圧VRef2とを設定し
た場合の電流I=I1−I2を示す図である。
【図20】図11に示される回路の端子Vbに基準電圧
信号Voffsetを入力した場合の端子Vaに出力される電
圧信号の変化を示す図である。
【図21】図20においてVaで示される曲線から、電
圧差信号を引いた電圧を示す図である。
【図22】検出電圧信号VTempから所定検出電圧V
NTemp と同じ電圧値を有する設定電圧信号を引いて得ら
れる電圧差信号を示す図である。
【図23】バリキャップ制御電圧信号全体を増幅した場
合の変化を示す図である。
【図24】+2分ATカット水晶振動子の温度周波数変
化特性を、直線成分と曲線成分とに分離した状態を示す
図である。
【図25】図24に示される直線成分のみを変化させ
て、図24に示される曲線成分に合成した状態を示す図
である。
【図26】+2分付近の切出角度を有するATカット水
晶振動子の実測温度周波数変化特性を示す図である。
【図27】図26において、平均値からの各サンプルの
ずれを示す図である。
【図28】+2分ATカット水晶振動子に対する補償量
を直線成分と曲線成分とに分離した状態を示す図であ
る。
【図29】図28における直線成分のみを変化させて、
図28における曲線成分に合成した状態を示す図であ
る。
【図30】基準電圧信号Voffsetを変化させた場合のバ
リキャップ制御電圧信号の変化を示す図である。
【図31】図30に対応して補償される補償量を示す図
である。
【図32】本発明の第1の実施例の温度補償型水晶発振
器の構成を示す回路略図である。
【図33】本発明の第2の実施例の温度補償型水晶発振
器の構成を示す回路略図である。
【図34】本発明の第1の実施例の変形である第3の実
施例の温度補償型水晶発振器の構成を示す回路略図であ
る。
【図35】本発明の第2の実施例の変形である温度補償
型水晶発振器の構成を示す回路略図である。
【図36】様々な主面切り出し角度で切り出したATカ
ット水晶振動子の温度周波数特性を示す図である。
【図37】従来の直接補償方式の温度補償型水晶発振器
の構成を示す図である。
【図38】従来の間接補償方式の温度補償型水晶発振器
の構成を示すブロック図である。
【図39】従来の間接補償方式の温度補償型水晶発振器
の動作を示す図である。
【図40】図39に示される従来の間接補償方式の温度
補償型水晶発振器の動作から理解される従来の間接補償
方式の温度補償型水晶発振器の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 安定化電源回路 2 発振回路 21 水晶振動子 22 バリキャップ 3 温度検出回路 4 温度特性補償部 5 検出温度オフセット調整回路 51 検出温度オフセット調整素子 6 制御電圧オフセット調整回路 61 制御電圧オフセット調整素子 7 参照電圧生成手段 Amp1 第1の差動増幅器 Amp2 第2の差動増幅器 101 抵抗 102 抵抗 103 抵抗 104 抵抗 105 抵抗 106 抵抗 107 抵抗 108 抵抗 109 抵抗 110 抵抗 111 抵抗 RLOAD 抵抗 RG1 抵抗 RG2 抵抗 RTemp 抵抗 RTriming1 可変抵抗 RTriming2 可変抵抗 Q1 トランジスタ Q2 トランジスタ Q3 トランジスタ Q4 トランジスタ Q5 トランジスタ Q6 トランジスタ Q7 トランジスタ Q8 トランジスタ OP1 オペアンプ OP2 オペアンプ VTemp 検出電圧信号 VNTemp 所定検出電圧 VRef1 第1の参照電圧信号 VRef2 第2の参照電圧信号 Voffset 基準電圧信号 VVR バリキャップ制御電圧信号

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶振動子及びバリキャップを有する発
    振回路と、該発振回路近傍の温度である発振部温度に対
    応する電圧を検出電圧として検出すると共に該検出電圧
    を検出電圧信号として出力するための温度検出回路と、
    前記検出電圧信号からアナログ処理により前記バリキャ
    ップに印加すべきバリキャップ制御電圧を生成すると共
    に該バリキャップ制御電圧をバリキャップ制御電圧信号
    として出力するための温度特性補償部とを備えており、
    前記バリキャップ制御電圧信号を前記バリキャップに加
    えることにより、前記バリキャップの容量を調整して前
    記発振回路の発振周波数を所定周波数に制御することの
    できる温度補償型水晶発振器であって、 前記水晶振動子の温度周波数変化特性は既知であり、 前記バリキャップの電圧容量特性は既知であり、 前記発振回路の容量周波数変化特性は既知であり、 前記温度検出回路は、前記発振回路の近傍に配置された
    温度検出素子であって、温度電圧特性の既知である前記
    温度検出素子を有しており、該温度検出素子の前記温度
    電圧特性を利用して、前記発振部温度に対応した電圧を
    前記検出電圧として検出し、該検出電圧を検出電圧信号
    として出力するためのものであり、 前記温度特性補償部は、前記発振回路の発振周波数を前
    記所定周波数に制御するために、前記水晶振動子の温度
    周波数変化特性、前記バリキャップの電圧容量特性、及
    び前記発振回路の容量周波数変化特性の関係から前記発
    振部温度に応じて決定される前記バリキャップに印加す
    べきバリキャップ制御電圧を前記検出電圧信号から前記
    アナログ処理により生成し、該バリキャップ制御電圧を
    前記バリキャップ制御電圧信号として前記バリキャップ
    に対して出力するためのものであることを特徴とする温
    度補償型水晶発振器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の温度補償型水晶発振器
    において、 前記水晶振動子は、所定温度における固有共振周波数と
    して所定固有共振周波数を有しており、 前記水晶振動子は、前記所定固有共振周波数に対する温
    度変化に応じた前記固有共振周波数の変化率が、前記所
    定温度において変曲点を持つ3次曲線状の曲線であっ
    て、且つ、正の3次係数を持つ3次曲線状の曲線で表さ
    れる様に変化する前記温度周波数変化特性を有してお
    り、 前記バリキャップは、前記バリキャップの容量が、前記
    バリキャップ制御電圧の変化に応じて、反比例状の曲線
    で表される様に変化する前記電圧容量特性を有してお
    り、 前記発振回路は、前記所定周波数に対する発振周波数の
    変化率が、前記発振回路の容量の変化に応じて、反比例
    状の曲線で表される様に変化する前記容量周波数変化特
    性を有しており、 前記発振回路は、前記発振部温度が前記所定温度である
    場合に、前記所定周波数を発振することを特徴とする温
    度補償型水晶発振器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の温度補償型水晶発振器
    において、 前記温度検出回路の出力である検出電圧信号は、前記発
    振部温度が前記所定温度のときに、所定検出電圧を示す
    ものであり、且つ、前記発振部温度の変化に1次比例し
    て変化するものであり、 前記バリキャップ制御電圧信号は、前記発振部温度が前
    記所定温度のときに、所定バリキャップ制御電圧を示す
    ものであり、且つ、前記発振部温度の変化に応じて、所
    定の負の3次係数をもつ3次曲線状の曲線であって、前
    記所定バリキャップ制御電圧を変曲点とした3次曲線状
    の曲線で表されるように変化する前記バリキャップ制御
    電圧を有するものであることを特徴とする温度補償型水
    晶発振器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の温度補償型水晶発振器
    において、 前記温度特性補償部は、前記検出電圧信号を受けて変換
    電圧信号を生成するための変換電圧信号生成手段と、基
    準電圧信号を生成するための基準電圧信号生成手段と、
    設定電圧信号を生成するための設定電圧信号生成手段
    と、前記バリキャップ制御電圧信号を生成するためのバ
    リキャップ制御電圧信号生成手段とを備えており、 前記変換電圧信号は、前記検出電圧信号が前記所定検出
    電圧を示している場合に、0電圧を呈するものであり、
    且つ、前記検出電圧信号の示す電圧変化に対応して、極
    値を持たない3次曲線状の曲線であって、前記0電圧点
    を変曲点とする3次曲線状の曲線で表されるように変化
    する電圧である変換電圧を有するものであり、 前記基準電圧信号は、所望とする前記所定バリキャップ
    制御電圧に対応した一定の基準電圧を有するものであ
    り、 前記設定電圧信号は、前記所定検出電圧に等しい予め設
    定された設定電圧を有するものであり、 前記バリキャップ制御電圧信号生成手段は、前記検出電
    圧信号と前記設定電圧信号とを比較して電圧差信号を生
    成すると共に、該電圧差信号と前記変換電圧信号と前記
    基準電圧信号とを合成して、前記所定バリキャップ制御
    電圧として前記基準電圧と等しい電圧値を有する前記バ
    リキャップ制御電圧信号を生成するためのものであるこ
    とを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の温度補償型水晶発振器
    において、 前記バリキャップ制御電圧信号生成手段は、前記負の3
    次係数を前記所定の負の3次係数にするために、前記変
    換電圧信号と前記電圧差信号との少なくとも一方を増幅
    して合成することにより、前記バリキャップ制御電圧信
    号を生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5のいずれかに記載
    の温度補償型水晶発振器において、 前記変換電圧信号は、正の3次係数を持つ3次曲線状の
    曲線で表される様に変化する前記変換電圧を有すること
    を特徴とする温度補償型水晶発振器。
  7. 【請求項7】 請求項4又は請求項5のいずれかに記載
    の温度補償型水晶発振器において、 前記変換電圧信号は、負の3次係数を持つ3次曲線状の
    曲線で表される様に変化する前記変換電圧を有すること
    を特徴とする温度補償型水晶発振器。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の温度補償型水晶発振器
    において、 前記変換電圧信号生成手段は、 第1及び第2のトランジスタを有しており、該第1及び
    第2のトランジスタの夫々のベースを2つの入力端子と
    し、前記所定検出電圧より低い電圧を示す第1の参照電
    圧信号を前記第1のトランジスタのベースに対する入力
    とし、前記検出電圧信号を前記第2のトランジスタのベ
    ースに対する入力とする第1の差動増幅器と、 第3及び第4のトランジスタを有しており、該第3及び
    第4のトランジスタの夫々のベースを2つの入力端子と
    し、前記所定検出電圧より高い電圧を示す第2の参照電
    圧信号を前記第3のトランジスタのベースに対する入力
    とし、前記検出電圧信号を前記第4のトランジスタのベ
    ースに対する入力とする第2の差動増幅器と、 前記第1のトランジスタのコレクタと前記第4のトラン
    ジスタのコレクタとに接続され、前記第1のトランジス
    タのコレクタ電流である第1のコレクタ電流と前記第2
    のトランジスタのコレクタ電流である第2のコレクタ電
    流とを、第1のコレクタ電流から第2のコレクタ電流を
    引くようにして合成して、前記変換電圧信号と同様の変
    化を有する電流合成信号を出力するための電流合成手段
    と、 該電流合成信号を受けて、前記変換電圧信号を生成する
    ための電流電圧変換用抵抗とを備えたことを特徴とする
    温度補償型水晶発振器。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の温度補償型水晶発振器
    において、 前記電流合成手段は、 少なくとも2以上のトランジスタを有するカレントミラ
    ー回路を備えていることを特徴とする温度補償型水晶発
    振器。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9のいずれかに記
    載の温度補償型水晶発振器において、 前記温度検出回路は、前記発振部温度の変化に応じて負
    の1次係数をもつ直線で表されるように変化する電圧を
    示す前記検出電圧信号を出力することを特徴とする温度
    補償型水晶発振器。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記温度検出回路は、前記所定検出電圧が前記所定バリ
    キャップ制御電圧の値と等しくなるように調整されてい
    ることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記基準電圧信号生成手段は、前記設定電圧信号生成手
    段を兼ねており、 前記設定電圧信号は、前記基準電圧信号生成手段の基準
    電圧信号として得られることを特徴とする温度補償型水
    晶発振器。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記バリキャップ制御電圧信号生成手段は、 前記変換電圧と前記検出電圧とを足した電圧を前記基準
    電圧から引くように、前記変換電圧信号と前記検出電圧
    信号と前記基準電圧信号とを合成して第1の合成電圧信
    号を出力する第1の信号合成手段と、 前記第1の合成電圧信号を所定の増幅率で増幅して増幅
    電圧信号として出力する信号増幅手段と、 該増幅電圧信号の示す電圧と前記基準電圧とを足すよう
    に、前記増幅電圧信号と前記基準電圧信号を合成して前
    記バリキャップ制御電圧信号を出力する第2の信号合成
    手段とを備えることを特徴とする温度補償型水晶発振
    器。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記バリキャップ制御電圧信号生成手段は、 前記変換電圧と前記検出電圧とを足すように、前記変換
    電圧信号と前記検出電圧信号とを合成して第1の合成電
    圧信号を出力する第1の信号合成手段と、 第1及び第2の抵抗とオペアンプを有しており、前記オ
    ペアンプの反転入力端子が前記オペアンプの出力端子と
    前記第1の抵抗を介して接続されており、前記反転入力
    端子に前記第1の合成電圧信号が前記第2の抵抗を介し
    て入力されており、前記オペアンプの非反転入力端子に
    前記基準電圧信号が入力されており、前記バリキャップ
    制御電圧信号を前記出力端子から出力する反転増幅器を
    備えたことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  15. 【請求項15】 請求項12に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記バリキャップ制御電圧信号生成手段は、 前記基準電圧から前記検出電圧を引くように、前記基準
    電圧信号と前記検出電圧信号とを合成して第1の合成電
    圧信号を出力する第1の信号合成手段と、 前記第1の合成電圧信号を所定の増幅率で増幅して増幅
    電圧信号を出力する信号増幅手段と、 前記基準電圧と前記増幅信号の示す電圧とを足した電圧
    から前記変換電圧を引くように、前記基準電圧信号と前
    記増幅電圧信号と前記変換電圧信号とを合成して前記バ
    リキャップ制御電圧信号を出力する第2の信号合成手段
    とを備えることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記バリキャップ制御電圧信号生成手段は、 第1及び第2の抵抗とオペアンプとを有しており、前記
    オペアンプの反転入力端子が前記オペアンプの出力端子
    と前記第1の抵抗を介して接続されており、前記反転入
    力端子に前記検出電圧信号が前記第2の抵抗を介して入
    力されており、前記オペアンプの非反転入力端子に前記
    基準電圧信号が入力されており、前記出力端子から反転
    増幅電圧を示す反転増幅電圧信号を出力する反転増幅器
    と、 前記反転増幅電圧から前記変換電圧を引くように、前記
    反転増幅電圧信号と前記変換電圧信号を合成して前記バ
    リキャップ制御電圧信号を出力する信号合成手段とを備
    えたことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記第1の抵抗は、前記電流電圧変換用抵抗を兼ねるよ
    うに構成されていることを特徴とする温度補償型水晶発
    振器。
  18. 【請求項18】 請求項14又は請求項16のいずれか
    に記載の温度補償型水晶発振器において、 前記第1の抵抗又は前記第2の抵抗の内、少なくとも一
    方は、複数の抵抗からなる合成抵抗であることを特徴と
    する温度補償型水晶発振器。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記合成抵抗の内、少なくとも1つは、可変抵抗であ
    り、 該可変抵抗の抵抗値を変更することにより、前記反転増
    幅器の増幅率を調整することができることを特徴とする
    温度補償型水晶発振器。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記可変抵抗は、 少なくとも2つ以上の抵抗を備えた抵抗合成回路として
    構成されており、 該2つ以上の抵抗の内、少なくとも1つ以上の抵抗につ
    いての接続を切断することにより、該抵抗合成回路の合
    成抵抗値を可変とすることを特徴とする温度補償型水晶
    発振器。
  21. 【請求項21】 請求項18に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記合成抵抗の内、少なくとも1つは、抵抗値を連続的
    に変化させることのできる可変抵抗であり、 該可変抵抗の抵抗値を変更することにより、前記反転増
    幅器の増幅率を調整することができることを特徴とする
    温度補償型水晶発振器。
  22. 【請求項22】 請求項12乃至請求項21のいずれか
    に記載の温度補償型水晶発振器において、 定電圧を出力するための安定化電源回路と、 該安定化電源回路に接続された検出温度オフセット調整
    回路であって、前記所定検出電圧を調整することができ
    る検出温度オフセット調整回路とを更に備えることによ
    り、 前記温度検出回路を構成する素子のバラつきにより、前
    記所定検出電圧が基準電圧からずれた場合においても、
    前記所定検出電圧を前記基準電圧に調整することができ
    ることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記検出温度オフセット調整回路は、前記所定検出電圧
    を調整するための検出温度オフセット調整素子として、
    可変抵抗を備えていることを特徴とする温度補償型水晶
    発振器。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記可変抵抗は、 少なくとも2つ以上の抵抗を備えた抵抗合成回路として
    構成されており、 該2つ以上の抵抗の内、少なくとも1つ以上の抵抗につ
    いての接続を切断することにより、該抵抗合成回路の合
    成抵抗値を可変とすることを特徴とする温度補償型水晶
    発振器。
  25. 【請求項25】 請求項23に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記可変抵抗は、抵抗値を連続的に変化させることがで
    きるものであることを特徴とする温度補償型水晶発振
    器。
  26. 【請求項26】 請求項4乃至請求項21のいずれかに
    記載の温度補償型水晶発振器において、 定電圧を出力するための安定化電源回路と、 該安定化電源回路に接続された制御電圧オフセット調整
    回路であって、前記基準電圧を調整することができる制
    御電圧オフセット調整回路とを更に備えることにより、 前記基準電圧生成手段を構成する素子のバラつきによ
    り、前記基準電圧の電圧値が前記所望とする所定バリキ
    ャップ制御電圧の電圧値からずれた場合においても、前
    記基準電圧の電圧値を前記所望とする所定バリキャップ
    制御電圧の電圧値に調整することができることを特徴と
    する温度補償型水晶発振器。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記制御電圧オフセット調整回路は、前記基準電圧を調
    整するための制御電圧オフセット調整素子として、可変
    抵抗を備えていることを特徴とする温度補償型水晶発振
    器。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記可変抵抗は、 少なくとも2つ以上の抵抗を備えた抵抗合成回路として
    構成されており、 該2つ以上の抵抗の内、少なくとも1つ以上の抵抗につ
    いての接続を切断することにより、該抵抗合成回路の合
    成抵抗値を可変とすることを特徴とする温度補償型水晶
    発振器。
  29. 【請求項29】 請求項27に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記可変抵抗は、抵抗値を連続的に変化させることがで
    きるものであることを特徴とする温度補償型水晶発振
    器。
  30. 【請求項30】 請求項8乃至請求項21のいずれかに
    記載の温度補償型水晶発振器において、 定電圧を出力するための安定化電源回路と、 該安定化電源回路並びに前記第1の差動増幅器及び前記
    第2の差動増幅器に接続され、第1の参照電圧と第2の
    参照電圧とを生成して、該第1の参照電圧を前記第1の
    参照電圧信号として前記第1の差動増幅器に出力し、該
    第2の参照電圧を前記第2の参照電圧信号として前記第
    2の差動増幅器に出力するための参照電圧生成手段とを
    更に備えていることを特徴とする温度補償型水晶発振
    器。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記参照電圧生成手段は、前記第1の参照電圧と前記第
    2の参照電圧との電圧差を変更することができる機能を
    有しており、 該電圧差を変更することにより、 前記第1のトランジスタのコレクタ電流が立ち上がる温
    度である第1の動作開始温度と、前記第2のトランジス
    タのコレクタ電流が立ち上がる温度である第2の動作開
    始温度との温度差を変更して、 結果として、前記変換電圧信号の有する前記変換電圧の
    電圧変化を示す前記3次曲線状の曲線について、該曲線
    の形状を変更することにより、 前記バリキャップ制御電圧信号の有する前記バリキャッ
    プ制御電圧の電圧変化を調整することができることを特
    徴とする温度補償型水晶発振器。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記参照電圧生成手段は、前記安定化電源回路とグラン
    ドとの間に設けられた電圧分割回路を備えており、 該電圧分割回路は、少なくとも3つ以上の抵抗を備え、
    少なくとも異なる2つの電圧を出力するものであり、 前記2つの電圧は、夫々、接地電圧、及び前記安定化電
    源の出力である前記定電圧、並びに前記所定検出電圧の
    いずれの電圧とも異なる電圧値を有するものであり、 前記2つの電圧の内、他方に比べ大きい電圧値を有する
    電圧である一方を前記第2の参照電圧とし、該一方に比
    べ小さい電圧値を有する電圧である他方を前記第1の参
    照電圧とすることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記電圧分割回路を構成する前記抵抗の内、少なくとも
    1つ以上の抵抗は、前記温度特性補償部及び/又は前記
    安定化電源回路を備えた集積回路に内蔵される抵抗であ
    ることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  34. 【請求項34】 請求項32又は請求項33のいずれか
    に記載の温度補償型水晶発振器において、 前記電圧分割回路を構成する前記抵抗の内、少なくとも
    1つ以上の抵抗は、可変抵抗であることを特徴とする温
    度補償型水晶発振器。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の温度補償型水晶発
    振器において、 前記可変抵抗は、 少なくとも2つ以上の抵抗を備えた抵抗合成回路として
    構成されており、 該2つ以上の抵抗の内、少なくとも1つ以上の抵抗につ
    いての接続を切断することにより、該抵抗合成回路の合
    成抵抗値を可変とすることを特徴とする温度補償型水晶
    発振器。
  36. 【請求項36】 請求項32又は請求項33のいずれか
    に記載の温度補償型水晶発振器において、 前記電源分割回路を構成する前記抵抗の内、少なくとも
    1つ以上の抵抗は、抵抗値を連続的に変化させることが
    できる可変抵抗であることを特徴とする温度補償型水晶
    発振器。
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