JP5966110B1 - 履物用緩衝組成物及び履物用緩衝部材 - Google Patents

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Abstract

柔軟性、軽量性、透明性及び接着性に優れ、さらに耐熱性にも優れた成形体を形成する履物用緩衝組成物及びそれを用いた履物用緩衝部材を提供する。履物用緩衝組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)及び軟化剤(B)を含み、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、少なくとも、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)、アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(a3)を含有してなり、a1〜a3のブロック共重合体の重量平均分子量Mwは、それぞれ50000〜200000であり、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)又はアミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)のスチレン含有量が、20〜55重量%であり、a1〜a3のブロック共重合体の配合割合が、重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8かつ、a3/a1=0.35〜3.5であり、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の配合割合が、重量比で、B/(A+B)=0.5〜0.7である。

Description

本発明は、例えば、靴底や靴の中敷き等に適用される履物用緩衝組成物とそれにより形成された履物用緩衝部材に関する。
近年、主にスポーツシューズやウォーキングシューズ、コンフォートシューズ等の機能性が求められる分野のシューズ設計において、樹脂等で形成されたソールに、緩衝性に優れた緩衝部材を組み込むことが行われている。緩衝部材は、使用者の動きを妨げないよう、軽量であることが求められる。また、この種の緩衝部材は、その機能性を需要者に訴求できるよう外部から視認できる態様でソールに組み込まれるため、外観が透明であるなど、高い意匠性も求められている。それゆえ、低比重であり、透明性も有するスチレン系熱可塑性エラストマーからなる緩衝部材が種々提案されてきた(特許文献1、2)。
緩衝部材は、EVA等からなるゴム弾性を有するソール部材に接着されてソールに組み込まれるところ、運動時に掛かる衝撃や応力により、緩衝部材及びソール部材は共に応力変形する。その際、緩衝部材とソール部材の接着面も伸縮変形することから、両者の接着面における接着状態の保持は重要である。しかしながら、緩衝部材とソール部材との接着は、緩衝部材の透明性を損なわないように行わなくてはならず、用いられる接着剤、プライマーや接着方法が制限されている。さらに、緩衝部材は、外部から視認できるよう、その一部が露出した状態でソールに組み込まれるため、緩衝部材とソール部材との接着領域も制限されている。それゆえ、接着されていない露出部と接着されたソール内部との境界、すなわち、露出部周縁から接着状態の剥離が生じやすい。この露出部周縁の剥離は、僅かの剥離であっても直接視認されることから、商品の機能と品質を確保するためには、きわめて高い信頼性の接着が要求される。この接着性の観点において、特許文献1、2に記載のスチレン系熱可塑性エラストマーから形成された緩衝部材には改善の余地があった。
そこで、上述のような問題を解消するべく、透明性と緩衝性を維持しつつ、接着性に優れる緩衝部材を形成する組成物として、1〜2種類の変性SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)とゴム用軟化剤とからなるスチレン系熱可塑性エラストマーが提案されている(特許文献3)。
特開2003−12886号公報 特開2000−281850号公報 特開2012−36300号公報 特開2000−139503号公報
緩衝部材をソールに組み込む際には、緩衝部材とソール部材との接着を確実に行うため、接着剤を介した加熱及び加圧が行われる。そのため、緩衝部材には加熱による変形や物性変化が生じないことが求められるが、文献3に記載のスチレン系熱可塑性エラストマーは耐熱性に乏しく、改善の余地があった。
また、耐熱性を有するスチレン系熱可塑性エラストマーとして、SEEPS(スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体)、ポリプロピレン及びゴム用軟化剤からなる靴底用熱可塑性樹脂組成物(特許文献4)も提案されているが、当該組成物の成形体はそもそも外観の透明性が乏しく、接着性も不十分であった。
本発明は上述した点に鑑み案出されたもので、その目的は、柔軟性、軽量性、透明性及び接着性に優れ、さらに耐熱性にも優れた成形体を形成する履物用緩衝組成物及びそれを用いた履物用緩衝部材を提供することにある。
なお、緩衝部材における緩衝作用に寄与する柔軟性は、緩衝部材を形成する組成物にパラフィンオイル等の軟化剤を含有させることにより得られるところ、軟化剤の添加量を多くすると容易に柔軟性は向上するが、軟化剤の表出による接着性の低下と引裂強度等の機械強度の低下が生じ、これらの物性を両立することは難しいとされている。それゆえ、本発明の他の目的としては、軽量性、透明性及び接着性に優れ、さらに耐熱性、柔軟性及び機械強度にも優れた成形体を形成する履物用緩衝組成物及びそれを用いた履物用緩衝部材を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の履物用緩衝組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)及び軟化剤(B)を含有する組成物であって、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、少なくとも、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)、アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(a3)を含有してなり、a1〜a3のブロック共重合体の重量平均分子量Mwは、それぞれ50000〜200000であり、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)又はアミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)のスチレン含有量が、20〜55重量%であり、a1〜a3のブロック共重合体の配合割合が、重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8かつ、a3/a1=0.35〜3.5であり、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の配合割合が、重量比で、B/(A+B)=0.5〜0.7である。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)の各ブロック共重合体(a1〜a3)の重量平均分子量Mwを50000〜200000とすることにより、優れた接着性、すなわち、他部材との接着剤を介した接着状態が十分に保持され、接着状態の剥離が生じ難い成形体を形成でき、透明性、柔軟性、機械強度及び軽量性も備えた成形体を形成できる組成物が得られる。また、射出成型時の流動性も良好であり、成形品(緩衝部材)の製造にも有用な組成物が得られる。また、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)又はアミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)のスチレン含有量が、20〜55重量%とすることにより、引裂強さ等の機械強度に優れ、外観の透明性にも優れた成形体を形成する組成物が得られる。さらに、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)の各ブロック共重合体(a1〜a3)の配合割合を重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8かつ、a3/a1=0.35〜3.5とすることにより優れた接着性と耐熱性と機械強度とを備えた成形体を形成する組成物が得られる。そして、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の配合割合をB/(A+B)=0.5〜0.7とすることにより、緩衝性能に寄与する優れた柔軟性が得られると共に、接着性、機械強度、耐熱性も備えた成形体を形成する組成物が得られる。
また、本発明の履物用緩衝組成物は、軟化剤(B成分)は、分子量が400〜1200のパラフィン系オイルであることも好ましい。これにより、透明性や機械強度、剥離接着強さ、射出成型時の流動性を向上させることのできる好適な構成成分が選択される。
また、本発明の履物用緩衝部材は、少なくとも、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)、アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(a3)を含むスチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、軟化剤(B)を含有し、a1〜a3のブロック共重合体の重量平均分子量Mwが、それぞれ50000〜200000であり、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)又はアミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)のスチレン含有量が、20〜55重量%であり、a1〜a3のブロック共重合体の配合割合が、重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8かつ、a3/a1=0.35〜3.5であり、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の配合割合が、重量比で、B/(A+B)=0.5〜0.7である履物用緩衝組成物を成形してなる履物用緩衝部材であって、ヘイズ値(JIS K7136:2000準拠)が15%以下であり、硬度がアスカーC50以下(SRIS 0101規格)である。
履物用緩衝部材を形成する履物用緩衝組成物における、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)の各ブロック共重合体(a1〜a3)の重量平均分子量Mwを50000〜200000とすることにより、優れた接着性、すなわち、他部材との接着剤を介した接着状態が十分に保持され、接着状態の剥離が生じ難い緩衝部材を形成でき、透明性、柔軟性、機械強度及び軽量性も備えた緩衝部材が得られる。また、組成物の射出成型時の流動性も良好であるため、緩衝部材の成形も容易である。また、組成物中のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)又はアミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)のスチレン含有量を20〜55重量%とすることにより、引裂強さ等の機械強度に優れ、外観の透明性にも優れた緩衝部材が得られる。さらに、組成物におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)の各ブロック共重合体(a1〜a3)の配合割合を重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8かつ、a3/a1=0.35〜3.5とすることにより優れた接着性と耐熱性と機械強度とを備えた緩衝部材が得られる。また、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の配合割合をB/(A+B)=0.5〜0.7とすることにより、緩衝性能に寄与する優れた柔軟性が得られると共に、接着性、機械強度、耐熱性も備えた緩衝部材が得られる。
また、本発明の履物用緩衝部材は、軟化剤(B成分)は、分子量が400〜1200のパラフィン系オイルであることも好ましい。これにより、緩衝部材の透明性や機械強度、剥離接着強さ、成型時の流動性を向上させることのできる好適な構成成分が選択される。
また、本発明の履物用緩衝部材は、少なくとも一部の表面が直接またはプライマー処理層を介して、ウレタン系コート剤により形成された、鉛筆硬度が9B〜Fの略透明の保護層で被覆されていることも好ましい。これにより、緩衝部材の柔軟性及び透明性が維持されつつ、保護層表面を被接着面としてソール部材等との接着性がさらに向上した緩衝部材が得られる。
また、本発明の履物用緩衝部材は、保護層により被覆された部分の剥離接着強さが4kgf/20mm以上(JIS K6854−3)であることも好ましい。これにより、好適な剥離接着強さを備えた緩衝部材が選択される。
また、本発明の履物は、上述の履物用緩衝部材がソールに配置されている。これにより、優れた緩衝性をソールに付与することができる。
また、本発明の履物は、上述の履物用緩衝部材は外部から視認可能な状態で配置されていることも好ましい。これにより、外観が透明であり、意匠性にも優れた緩衝性部材の存在を訴求することができる。
また、本発明の履物用緩衝組成物の製造方法は、上述した履物用緩衝組成物において、a1〜a3のブロック共重合体の少なくとも1成分に、予め軟化剤(B)を分散させる予備分散工程と、予備分散工程を経たa1〜a3のブロック共重合体を混合し、加熱混練させる混練工程を有している。これにより、混練工程において構成成分が均一分散されやすくなるため、透明性が高く、緩衝性能に寄与する優れた柔軟性を有すると共に、接着性、機械強度、耐熱性も備えた成形体を形成する組成物が得られる。
また、本発明の履物用緩衝組成物の製造方法は、上述の予備分散工程における軟化剤(B)の分散が、a1〜a3のブロック共重合体の各成分に対してそれぞれ行われ、同一温度における溶融粘度が高い成分ほど、単位重量当たりの軟化剤(B)の配合量を多くすることが好ましい。これにより、混合工程において各構成成分がより均一に混練分散されるので、上述の各性能が一層安定した組成物が得られる。
また、本発明の履物用緩衝組成物の製造方法は、上述の予備分散工程における軟化剤(B)の分散は、a1〜a3のブロック共重合体の各成分に対してそれぞれ行われ、a1〜a3のブロック共重合体の各成分に対する軟化剤(B)の分散は、軟化剤(B)が分散された状態における各成分の溶融粘度(メルトマスフローレート、MFR:JIS K7210−1B法 190℃、で表わした値)について、最も高い成分と最も低い成分の溶融粘度の差が、108(g/10min)以下となるように軟化剤(B)の配合量を調整することが好ましい。これにより、軟化剤(B)を吸収したa1〜a3の各溶融粘度の差が小さくなり、加熱混練時にさらに均一に混練分散されるので、上述の各性能がさらに一層安定した組成物が得られる。
また、本発明の履物用緩衝部材の製造方法は、上述の履物用緩衝組成物を成形して成形体を得る工程と、成形体の少なくとも一部の表面にプライマー剤を塗布してプライマー処理層を形成する工程と、プライマー処理層が形成された部分にウレタン系コート剤を塗布する工程と、ウレタン系コート剤を硬化させて保護層を形成する工程とを有し、ウレタン系コート剤は、光硬化型コート剤であって、反応性カーボネート系ウレタン(c1)と光重合開始剤(c2)と増粘剤(c3)と水(c4)とを含有し、反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する光重合開始剤(c2)の配合割合c2/c1は、重量比で、0.01〜0.1であり、反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する水(c4)の配合割合c4/c1は、重量比で、1.9〜3.0である。これにより、緩衝部材の保護層を形成するウレタン系コート剤による塗工性が向上し、外観不良、すなわち、はじき不良や気泡不良を低減することができ、緩衝部材の保護層が好適に形成される。ここで、気泡不良とは、コート剤塗布時にコート剤の塗布層の内部又は表面に生じる気泡が硬化後にも残存して、外観上の不良となる現象である。
さらに、本発明の履物用緩衝部材の製造方法は、ウレタン系コート剤における増粘剤(c3)は、脂肪族アルコール、グリコール及びエチレングリコールモノエチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物であり、反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する増粘剤(c3)の配合割合c3/c1は重量比で、0.3〜3.5であることも好ましい。これにより、緩衝部材の保護層を形成するウレタン系コート剤による気泡不良を低減する好適な増粘剤が選択される。また、粘度が調整されるため、より塗工性が向上する。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する履物用緩衝組成物及び履物用緩衝部材を提供することができる。
(1)軽量性、透明な意匠性、緩衝性及び耐久性に優れた履物用緩衝組成物及び緩衝部材が得られる。
(2)履物の製造工程における接着性や耐熱性に優れるので、品質が安定し、生産性に優れる。
本発明の履物用緩衝部材の一実施形態として、(A)履物用緩衝部材が組み込まれたスポーツシューズを概略的に示す斜視図、(B)組み込まれた履物用緩衝部材の構成を概略的に示す斜視図及び平面図及び(C)図1(B)の平面図のD−D線部分断面図である。 本発明の履物用緩衝部材の一実施形態における一部の層構成を概略的に示す断面図である。 実施例及び比較例における履物用緩衝部材の耐熱性試験の方法を説明する図である。 実施例及び比較例における履物用緩衝部材の剥離接着強さ試験のために作製した試験片の構成を概略的に示す(A)平面図及び(B)正面図である。 図4の試験片を用いて行った剥離接着強さ試験の方法を説明する図である。
本発明の履物用緩衝組成物を構成するスチレン系熱可塑性エラストマー(A)についてまず説明する。スチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)、アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(a3)の3種のブロック共重合体を含有している。このうち、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)、すなわちSEBSには、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体も含まれる。また、アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)、すなわち、アミン変性SEBSには、アミン変性スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物も含まれる。また、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(a3)、すなわち、SEEPSには、スチレン−エチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物も含まれる。これらa1〜a3のブロック共重合体の重量平均分子量Mwはそれぞれ、機械強度の観点から50000以上であることが好ましく、接着性及び成形時の流動性の観点から200000未満であることが好ましく、すなわち、50000〜200000が好ましい。a1〜a3のブロック共重合体の重量平均分子量Mwをこの範囲とすることにより、優れた剥離接着性、すなわち、他部材との接着剤を介した接着状態が十分に保持され、接着状態の剥離が生じ難い成形体を形成でき、成形時にも良好な流動性が得られる。なお、本発明における分子量とは、重量平均分子量Mwであり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定された値をいう。
本発明の履物用緩衝組成物を構成するスチレン系熱可塑性エラストマー(A)の配合割合は、接着性、耐熱性及び機械強度の観点から、各ブロック共重合体(a1〜a3)の配合割合を重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8かつ、a3/a1=0.35〜3.5とすることが好ましく、a2/(a1+a2+a3)=0.1〜0.7かつ、a3/a1=0.45〜2.5とすることがより好ましい。配合割合a2/(a1+a2+a3)は、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)のうちのアミン変性SEBS(a2)の配合割合であるが、0.08未満であると接着性に劣り、0.8を超えると機械強度及び接着性が低下し、耐熱性も低下する傾向にある。また、配合割合a3/a1は、SEBS(a1)に対するSEEPS(a3)の配合割合であるが、0.35未満であると接着性に劣り、耐熱性も低下する傾向にあり、3.5を超えると機械強度及び接着性が低下するなど物性が不安定となる。よって、各ブロック共重合体の配合割合を上記の範囲とすることにより、接着性、機械強度及び耐熱性に優れた成形体を形成する組成物が得られる。
また、a1〜a3のブロック共重合体のスチレン含有量は、透明性及び機械強度を向上させる観点から、SEBS系ブロック共重合体である、a1のSEBS又はa2のアミン変性SEBSのスチレン含有量が20〜55重量%であることが好ましく、25〜45重量%であることがより好ましい。スチレン含有量が20重量%未満では、機械強度が不十分であり、55重量%を超えると外観の透明性が低下する。それゆえ、スチレン含有量をこの範囲とすることにより、機械強度に優れ、外観の透明性にも優れた組成物が得られる。なお、a3のSEEPSのスチレン含有量については、特に限定されないが、一例として、25〜35重量%が好ましい。
次に、本発明の履物用緩衝組成物を構成する軟化剤(B)について説明する。軟化剤は、おもに組成物に柔軟性を付与する目的で添加される。軟化剤(B)の配合割合については、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の和に対する軟化剤(B)の配合割合が、重量比で、0.5〜0.7であることが好ましく、0.55〜0.65であることがより好ましい。B/(A+B)の値が0.5未満であると十分な柔軟性が得られず、0.7を超えると耐熱性及び機械強度が低下すると共に軟化剤の滲み出し(ブリード)による接着性の低下が生じる。よって、軟化剤の配合割合を上述の範囲とすることにより、他の物性を低下させずに、柔軟性を調整することができる。
本実施形態においては、軟化剤としては、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル又は芳香族系オイル等のプロセスオイル、液状ポリブテン又は低分子量ポリブタジエン等の合成樹脂系軟化剤、ロジン等が用いられる。このうち、外観の透明性の観点からプロセスオイルの中でもパラフィン系オイルが好適に用いられ、重量平均分子量が400〜1200のパラフィン系オイルが特に好適に用いられる。剥離接着強さ及び機械強度の観点から重量平均分子量が400以上であることが好ましく、成形時の流動性の観点から重量平均分子量が1200以下であることが好ましい。よって、重量平均分子量が400〜1200のパラフィン系オイルを用いることにより、剥離接着強さ、機械強度、成形時流動性がより良好な組成物を得ることができる。
さらに、本発明の履物用緩衝組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、他の添加剤を含有させることも可能である。添加剤としては、顔料や着色剤、滑剤、離型剤、酸化防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤又は耐熱剤等が挙げられる。これらは単独でも複数を組み合わせて使用することもできる。
本発明の履物用緩衝組成物の成形体のヘイズ値(JIS K7136:2000準拠)は15%以下であり、硬度はアスカーC(SRIS 0101規格)50以下の物性を示す。それゆえ、本発明の組成物は、外観の透明性が高く、緩衝性に寄与する十分な柔軟性を備えた緩衝部材を形成する組成物として有用である。さらに、本発明の履物用緩衝組成物の成形体は、JIS K6252−1 B法(切込み無しアングル形試験片)準拠における引裂強さが6kN/m以上の物性を示し、応力変形に対して損傷しにくい。
本発明の履物用緩衝組成物は、公知の樹脂組成物の製造方法により製造される。具体的には、一例として、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー又は加熱ロール等の溶融混練機を用いて、A成分及びB成分等の配合成分を所定の割合で添加し、配合成分を加熱し溶融状態にて各成分を均一に混練することにより得られる。具体的な製造工程としては、特に限定されないが、各構成成分を所定の配合割合に秤量する秤量工程と、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成する成分の少なくとも一部に軟化剤(B)を吸収させる予備分散工程と、軟化剤(B)が吸収されたスチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成する成分を混合し、加熱混練する混練工程を有することが好ましい。これにより混練時に各構成成分がより均一に分散された組成物が得られる。また、この予備分散工程において、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成するブロック共重合体であるa1成分、a2成分、a3成分の各成分に対し、同一温度における溶融粘度が高い順に、単位重量当たりの軟化剤(B)の分配割合を大きくすることが好ましい。これにより、軟化剤(B)を吸収したa1〜a3成分の溶融粘度が近接し、混練時に各構成成分がより均一に分散された組成物が得られる。さらに、上述した予備分散工程において、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成するブロック共重合体であるa1成分、a2成分、a3成分の各成分に対する軟化剤(B)の分散は、軟化剤(B)を吸収した状態における各成分のメルトマスフローレート(MFR:JIS K7210−1B法 190℃)について、MFRが最も高い成分とMFRが最も低い成分のMFRの値の差が108(g/10min)以下となるように軟化剤(B)の分配量が調整されることが特に好ましい。これにより、混練工程における各成分の均一分散性が一段と向上し、透明性、機械強度、硬度といった特性に優れ、またこれらの特性のばらつきも低減され、さらには溶融成形性も向上する。
本発明の履物用緩衝組成物は、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形又はカレンダー成形等の公知の方法により、ペレット状、シート状、チップ状の形状物とすることができる。また、以下詳述するように、各種成形体に成形することももちろん可能である。
本発明の履物用緩衝部材は、履物用緩衝組成物を上述した射出成型等の方法により所定の形状に成形して得られる。図1には、本発明の履物用緩衝部材の一実施形態として、スポーツシューズ40のソール部の踵部41及び側縁部42にそれぞれ外部から視認可能に組み込まれた履物用緩衝部材10及び11が示されている。本発明の組成物により得られた履物用緩衝部材は、ヘイズ値(JIS K7136:2000準拠)は15%以下であり、硬度はアスカーC(SRIS 0101規格)50以下の物性を示す。それゆえ、外観が透明であり、緩衝性に寄与する十分な柔軟性を備えた緩衝部材として有用である。また、本発明の履物用緩衝部材10、11は、引裂強さに優れるため、履物として使用したときの応力変形に対して損傷しにくい。
図1に示すように、得られた履物用緩衝部材10は靴のソール部の踵部41に組み込まれて使用されるが、履物用緩衝部材10とソール部材41との接着性をより高めるため、履物用緩衝部材10の少なくとも一部の表面、例えば、両者の接着性を向上させる必要のある部分10a等の表面は、図1(C)に示すように、ウレタン系コート剤により形成された略透明の保護層3で被覆されていることも好ましい。
この保護層3は、履物用緩衝組成物の成形品1の表面にウレタン系コート剤を塗布することにより形成されるものであり、ウレタン系コート剤としては、例えば、光硬化型、熱硬化型、湿気硬化型のものが挙げられるが、室温環境で短時間に硬化でき生産性に優れるという理由から、紫外線等の光を照射することにより硬化する光硬化型ウレタンコート剤が好適に用いられる。光硬化型ウレタンコート剤の反応性ウレタンの種類としては、エーテル系ウレタン、エステル系ウレタン、カーボネート系ウレタン、ポリカプロラクトン系ウレタンなど公知の略透明な反応性ウレタンが適用でき、特に耐溶剤性と柔軟性、耐加水分解性の観点からカーボネート系ウレタンが好ましい。カーボネート系ウレタンを適用した光硬化型ウレタンコート剤の組成としては、反応性カーボネート系ウレタン(c1)、光重合開始剤(c2)、増粘剤(c3)及び水(c4)を含有している。反応性カーボネート系ウレタン(c1)としては、特に限定されないが、例えば、少なくともポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとを原料として反応させて得られた重合性不飽和結合を有するカーボネート系ウレタンなどが用いられる。また、光重合開始剤(c2)としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6,−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン又は2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタノン等が挙げられる。中でも、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。また、増粘剤(c3)としては、エタノールをはじめとする脂肪族アルコール、グリコール又はエチレングリコールモノエチルエーテルのいずれか又はこれらの組合せが好適に用いられる。また、水(c4)は、c1〜c3の分散媒として機能し、水系エマルジョン形態の光硬化型ウレタンコート剤が得られる。
光硬化型ウレタン系コート剤を構成する各成分の配合割合としては、光硬化型ウレタン系コート剤の硬化性の観点から、反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する光重合開始剤(c2)の配合割合c2/c1が重量比で、0.01〜0.1であり、0.025〜0.075であることがより好ましい。c2/c1が0.01未満であると、十分な硬化反応が進まずに硬化不良となり、0.1を超えると、硬化性が阻害されて硬化不良を起こしたり、硬化後の臭気も残る場合があるため、好ましくない。また、反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する水(c4)の配合割合c4/c1が、重量比で、1.9〜3.0とすることが好ましく、2.1〜2.7であることがより好ましい。c4/c1が1.9未満であると、光硬化型ウレタン系コート剤のエマルジョン状態が保てないため、均一な塗工が困難となり、3.0を超えると、光硬化型ウレタン系コート剤の粘度が低くなり過ぎて塗工表面に弾かれて均一な塗工が困難となり、ともに均質な保護層が形成できないため、好ましくない。また、反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する増粘剤(c3)の配合割合c3/c1は、コート剤を適切な粘度とし、保護層を形成する際の塗工性を向上させる観点から、重量比で、0.3〜3.5であることが好ましく、0.6〜1.7であることがより好ましい。
上述したウレタン系コート剤は、履物用緩衝組成物の成形体1の少なくとも一部の表面に塗布されて保護層3を形成するところ、履物用緩衝組成物の成形体1の表面に直接ウレタン系コート剤を塗布してもよいが、図1(C)及び図2に示すように、プライマー処理層2を介して塗布することがより好ましい。プライマー処理層2とは、予め表面処理剤等のプライマー剤で成形体1の表面を処理して形成された層のことをいう。これにより、成形体1の表面に強固に密着した状態の保護層3を有する履物用緩衝部材10が得られるため、履物用緩衝部材10、11とソール部材41、42との高い接着信頼性が実現できる。成形体表面に予め施されるプライマー処理としては、公知の表面処理手段が適用されるが、ポリオール末端ウレタンプレポリマーとイソシアネートと溶剤とを主成分として含むプライマー剤を塗布して成形体表面を溶解し、溶解した成形体の成分をプライマー剤に混在させつつ溶剤を乾燥して、ポリオール末端ウレタンプレポリマーとイソシアネートとの反応物と成形体(履物用緩衝組成物)1の成分とが混在する不可分一体な層を含むプライマー処理層2を形成することが好ましい(特許第5631689号参照)。これにより、溶解した成形体(履物用緩衝組成物)の成分とプライマー剤の反応物とが混在したプライマー処理層2がウレタン系コート剤との反応性を有するため、このプライマー処理層2を介することにより、成形体1とウレタン系コート剤から形成された保護層3とを実質的に一体化して強固に接着させることができる。
上述のようにして得られた保護層で被覆された履物用緩衝部材は、ポリウレタン系接着剤やクロロプレンゴム用接着剤など製靴用の接着剤によって接着された靴素材(部材)に対して、4kgf/20mm以上(JIS K6854−3)と高い剥離接着強さを呈することができる。これにより、この履物用緩衝部材が靴のソール部材に接着されて、靴のソール部に組込まれた際においても、運動時の応力変形にも耐えることができ、高い接着信頼性が実現される。他方、この保護層は、履物用緩衝部材に透明な意匠性が求められる観点から、保護層自体にも履物用緩衝組成物の成形体1と同程度の透明性を有することが好ましく、より具体的には、ヘイズ値(JIS K7136:2000準拠)が15%以下となるように形成されることが好ましい。また、保護層は、履物用緩衝組成物の成形体が呈する緩衝性、すなわち、柔軟性に追従可能な柔軟性を有することが好ましく、例えば、引張試験における引張伸び(JIS K6251に準拠)が100%以上となるように形成されることが好ましい。これにより、保護層が履物用緩衝組成物の成形体の変形に追従して変形できるので、履物用緩衝組成物の成形体の柔軟性を損なわず、優れた緩衝性を備えた履物用緩衝部材が得られる。さらに、履物用緩衝部材の表面を衝撃や摩擦等から保護する観点から、保護層は一定程度の硬さを有することが好ましく、例えば、鉛筆硬度(JIS K5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準拠)が9B〜Fとなるように形成されることがより好ましい。上述したような物性をウレタン系コート剤から形成される保護層が備えることにより、本発明の履物用緩衝組成物の成形体による透明性、緩衝性、機械強度等の優れた物性を損なわず、優れた接着性と表面保護性を備えた履物用緩衝部材が得られる。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。以下の実施例及び比較例における履物用緩衝組成物の評価方法は下記の通りである。
(1)ヘイズ値(透明性)
JIS K7136:2000に準拠して、ヘーズメーター(スガ試験機株式会社製ヘーズメーター、HZ−1)を用いて各試験片のヘイズ測定を行った。試験片としては、実施例及び比較例における各履物用緩衝組成物を縦50mm×横50mm×厚み3mmにそれぞれ成形したものを用いた。ヘイズ値が15%以下の場合を優良「○」、15%を超える場合を不可「×」とした。
(2)硬度
JIS K6253に準拠するアスカー Cデュロメータ(SRIS 0101規格)を用いて、各試験片の硬度測定を行った。試験片としては、実施例及び比較例における各履物用緩衝組成物を縦60mm×横60mm×厚み12mmにそれぞれ成形したものを用いた。アスカーC50以下を良好「○」、50を超えた場合を不適「×」と判定した。
(3)引裂強さ(強度)
JIS K6252−1 B法に準拠し、実施例及び比較例における各履物用緩衝組成物を切り込み無しアングル形状(ダンベルB型)に形成した試験片5枚について、引っ張り試験機(株式会社島津製作所製オートグラフ(登録商標)、AT−100N)で引っ張り速度500mm/minにて破断に至る最大荷重値F[N]を測定し、試験片の厚さt[m]で除して引裂強さを算出した。試験片5枚の引裂強さの中央値を挟む2つの値の平均値を引裂強さ(kN/m)とした。引裂強さの値が6kN/m以上の場合を優良「○」、6kN/m未満の場合を不可「×」と判定した。
(4)耐熱性
図3を用いて耐熱性の試験方法について説明する。実施例及び比較例における各履物用緩衝組成物を35mm×10mm×厚さ3mmの短冊状に成形し、耐熱性試験用の試験片を得た。図3(A)に示すように、試験片60を鉛直方向から30°傾斜させて、試験片60の片端30mm部分を露出させた状態で片梁状に試験片把持具61に取り付けた。この状態で試験片を治具と共にオーブン(ヤマト科学製 DKN602)内に入れ、温度85℃で10分間加熱した。加熱後、オーブンから治具ごと試験片60を取り出して室温まで冷却した。冷却後、図3(B)に示すように、側面視における試験片60の表面側の稜線について、試験片把持具61に固定されていた部分Pの直線状の稜線を延長した線と、試験片60が熱変形して湾曲した外側の自由端Qの接線との交差角度θtを測定顕微鏡(ニコン社製MM−800/LFA)を用いて測定した。同様に、側面視における試験片60のもう一方の面(裏面)側の稜線について、試験片把持具61に固定されていた部分Pの直線状の稜線を延長した線と、試験片60が熱変形して湾曲した内側の自由端Qの接線との交差角度θtを測定した。測定された交差角度θtのうち、測定値が大きい方を熱変形角度θtとした。熱変形角度θtが90°以下の場合を優良「○」、90°超〜125°の場合を良「△」、125°を超えた場合を不適「×」と判定した。
また、以下の実施例及び比較例におけるウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の評価方法は下記の通りである。
(1)ヘイズ値(透明性)
JIS K7136:2000に準拠して、ヘーズメーター(スガ試験機株式会社製ヘーズメーター、HZ−1)を用いて各試験片のヘイズ測定を行った。試験片としては、実施例及び比較例における各履物用緩衝組成物を縦50mm×横50mm×厚み3mmにそれぞれ成形し、その表面をウレタン系コート剤で処理したものを用いた。ヘイズ値が15%以下の場合を優良「○」、15%を超える場合を不可「×」とした。
(2)硬度
JIS K6253に準拠するアスカー Cデュロメータ(SRIS 0101規格)を用いて、各試験片の硬度測定を行った。試験片としては、実施例及び比較例における各履物用緩衝組成物を縦60mm×横60mm×厚み12mmにそれぞれ成形し、その表面をウレタン系コート剤で処理したものを用いた。アスカーC50以下を良好「○」、50を超えた場合を不適「×」と判定した。
(3)表面外観
硬度試験に用いた試験片について、商品価値の観点から、目視にて、傷、気泡、曇り及びムラの有無を確認し、表面外観を評価した。傷、気泡、曇り及びムラが無い場合を優良「〇」、傷、気泡、曇り及びムラのうち、少なくとも一つが確認されるが商品価値が許容される場合を良「△」、商品価値が無い場合を不可「×」と判断した。
(4)剥離接着強さ(表3〜7においては、「接着強さ」と記載)
JIS K6854−3に準拠して、各試験片の剥離接着強さの測定を行った。図4及び図5を用いて剥離接着強さの試験方法について具体的に説明する。図4は試料片50の構成を概略的に示しており、図5は試料片の剥離接着強さ試験方法を図示している。図4に示す試料片50は次のようにして作製した。実施例及び比較例における各履物用緩衝組成物をストリップ状(幅20mm×長さ60mm×厚さ3mm)にそれぞれ成形し、ストリップ表面をウレタン系コート剤で処理して試験片51とした。この試験片51を同じくストリップ状に作製したウレタン片52(株式会社クラレ製 クラミロンU2195、幅20mm×長さ60mm×厚さ3mm)と接着剤53によって接着し、試料片50を得た。より詳しくは、試験片51及びウレタン片52の表面をメチルエチルケトン(MEK)に浸したキムワイプ(登録商標)で拭いた後、60℃で3分間乾燥させた。試験片51のウレタン系コート剤で処理された面及びウレタン片52の片面にプライマー(ノーテープ工業株式会社製、G−6626)を塗布し、60℃で5分間乾燥させた。その上に接着剤(ノーテープ工業株式会社製、No.4950)を塗布し、60℃で5分間乾燥した後、速やかに試験片51及びウレタン片52を貼り合わせた。試験片51側を上にした状態で載置し、ハンドローラにて2〜3kgf/cmの力を加えて圧着させることによって、試料片50を得た。この試料片50を12時間養生した後、図5(A)及び(B)に示すように、引っ張り試験機(株式会社島津製作所製オートグラフ(登録商標)、AT−100N)により、試料片50の試験片51とウレタン片52とを剥離させ、剥離接着強さを測定した。なお、図5において、54は固定側引張り治具、55は可動側引張り治具である。ロードセルは1kN(100kgf)であり、試験スピードは50mm/分、固定側引張り治具54及び可動側引張り治具55間の初期間隙は20mmであった。
(5)接着状態
剥離接着強さ試験を行った後の各試料片の剥離状態について、目視または顕微鏡観察により、各試験片の接着状態を評価した。材料破壊(被着体破壊)が生じていた場合を「AF」とし、履物用緩衝組成物の成形体とウレタン系コート剤による保護層との界面で界面剥離が生じた場合を「IP1」とし、ウレタン系コート剤による保護層とウレタン片52(被着材)との界面で界面剥離が生じた場合を「IP2」とした。
接着性の評価としては、剥離接着強さが4kgf/20mm以上かつ材料破壊した試験片は接着性が優良「○」と評価し、剥離接着強さが4kgf/20mm未満または界面剥離した試験片は、接着性が不良「×」と評価した。
また、以下の実施例及び比較例におけるウレタン系コート剤からなる保護層の評価方法は下記の通りである。
(1)ヘイズ値(透明性)
実施例及び比較例におけるウレタン系コート剤をガラス板(平岡特殊硝子製作株式会社製 ソーダガラス:200mm×100mm×厚さ2.8mm)に塗布して室温で12時間以上静置後、70℃で2時間以上乾燥させ、次いで紫外線を照射(高圧水銀灯、積算光量2000mJ/cm)して硬化させてからガラス板から剥離して、厚さ50μmのシートをそれぞれ形成した。このシートを一辺50mmの正方形状に切り取り、試験片とした。JIS K7136:2000に準拠して、ヘーズメーター(スガ試験機株式会社製ヘーズメーター、HZ−1)を用いて、各試験片のヘイズ測定を行った。ヘイズ値が15%以下の場合を優良「○」、15%を超える場合を不可「×」、として透明性を評価した。
(2)硬度
実施例及び比較例におけるウレタン系コート剤をガラス板(平岡特殊硝子製作株式会社製 ソーダガラス:200mm×100mm×厚さ2.8mm)に塗布して室温で12時間以上静置後、70℃で2時間以上乾燥させ、次いで紫外線を照射(高圧水銀灯、積算光量2000mJ/cm)して硬化させて、厚さ50μmのウレタン系コート剤を硬化させた保護層を試験片としてそれぞれ形成した。JIS K5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して、鉛筆硬度試験器(株式会社 安田精機製作所製 モデル553−M1、鉛筆:三菱鉛筆社製 Uni(登録商標)シリーズ)を用いて、試験片の硬度を測定した。鉛筆硬度が9B〜Fの場合を優良「○」、それ以外の場合を不可「×」と判定した。
(3)柔軟性
実施例及び比較例におけるウレタン系コート剤をガラス板に塗布して室温で12時間以上静置後、70℃で2時間以上乾燥させ、次いで紫外線を照射(高圧水銀灯、積算光量2000mJ/cm)して硬化させてからガラス板から剥離して、厚さ50μmのシートをそれぞれ形成した。このシートを3号ダンベル形状に切り取り、各試験片とした。JIS K6251に準拠し、各試験片3枚について、引っ張り試験機(株式会社島津製作所製オートグラフ(登録商標)、AT−100N)にて引張り速度500mm/minの条件での引張伸び(破断伸度)[%]を測定した。引張伸びの値が100%以上の場合を優良「○」、100%未満の場合を不可「×」と判定した。
(4)耐溶剤性
有機溶剤としてエタノールとメチルエチルケトンのそれぞれに対する各試験片の耐溶剤性を評価した。実施例及び比較例におけるウレタン系コート剤をガラス板に塗布して室温で12時間以上静置後、70℃で2時間以上乾燥させ、次いで紫外線を照射(高圧水銀灯、積算光量2000mJ/cm)して硬化させてからガラス板から剥離して、厚さ50μmのシートをそれぞれ形成して試験片とした。この試験片の重量M0を測定した後、有機溶剤に1分間浸漬してから取り出し、室温で12時間以上静置した。次いで70℃で2時間以上乾燥させた後の重量M1を測定した。そして、重量M0に対する重量M1の比率が90%以上の場合を耐溶剤性有りとした。メチルエチルケトンに対する耐溶剤性がある場合を優良「○」とし、メチルエチルケトンに対する耐溶剤性はないがエタノールに対する耐溶剤がある場合を良「△」と判定した。
また、以下の実施例及び比較例で使用した各構成成分の仕様を表1及び表2に示す。ここで、表1中の分子量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定された重量平均分子量である。具体的には、分子量Mwは、測定装置としてSHODEX(登録商標)GPC−104(昭和電工株式会社製品)[分離カラムLF−404(3本連結)、ガードカラムLF−G、RI検出器RI−74S(いずれも昭和電工株式会社製品)]を用いて、溶離液をテトラヒドロフランとして、サンプル濃度10mg/4ml、溶離液流量0.3ml/min及びカラム温度40℃の条件で測定した。
Figure 0005966110
Figure 0005966110
[実施例1]
以下の手順で本実施例の履物用緩衝組成物を製造し、その効果の評価を行った。表1に示すスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)のうち、SEBS(a1)として、スチレン含有量42%、重量平均分子量150000のSEBS(A104)を615g(20.5重量%)、アミン変性SEBS(a2)として、スチレン含有量30%、重量平均分子量67000のアミン変性SEBS(A201)を210g(7重量%)、SEEPS(a3)として、スチレン含有量30%、重量平均分子量85000のSEEPS(A301)を330g(11重量%)それぞれ個別に秤量した。次に、表1に示す軟化剤(B成分)のうち、重量平均分子量1200のパラフィンオイル(B103)を1845g(61.5重量%)秤量した。このパラフィンオイルのうち、1020g(34重量%)をa1成分に、210g(7重量%)をa2成分に、615g(20.5重量%)をa3成分に、それぞれ添加した。各ブロック共重合体とパラフィンオイルとを室温でそれぞれ混合した後、100℃で12時間加熱し、a1〜a3の各成分にパラフィンオイルをそれぞれ分散させた(予備分散工程)。パラフィンオイルを吸収させたa1〜a3のブロック共重合体を手攪拌でドライブレンドした後、バッチ式の二軸混練機(株式会社トーシン製 TD3‐10MDX型)で160〜180℃、回転数40rpmで15分間混練し(混練工程)、3kgの履物用緩衝組成物を得た。この組成物を上述した履物用緩衝組成物の各評価方法で用いる所定の試験片形状に150〜170℃の条件下で射出成形し、得られた試験片を用いて物性等の評価を行った。
他方、得られた履物用緩衝組成物を、上述したウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の各評価方法で用いる所定の試験片形状に150〜170℃の条件下で射出成型し、各成形体を得た。得られた成形体表面にプライマー剤(ノーテープ工業株式会社製、G−6626)を塗布し、70℃で乾燥させて略15μmのプライマー処理層を形成した。また、表2に示すウレタン系コート剤の構成成分のうち、ウレタンエマルジョン液(c1及びc4)としてポリカーボネート系ウレタン(C101)、光重合開始剤(c2)としてアルキルフェノン系とベンゾフェノン系の混合物(C201)、増粘剤(c3)としてエタノール(C301)を用い、重量比でc2/c1=0.04、c4/c1=2.3、c3/c1=0.83の配合比にて混合して、ウレタン系コート剤を得た。このウレタン系コート剤を成形体のプライマー処理層上に塗布し、室温で20分及び70℃で7分乾燥させ、次いで紫外線を照射(高圧水銀灯、積算光量2000mJ/cm)して硬化させ、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の試験片を得た。この試験片を用いて物性等の評価を行った。
[実施例2〜8]
履物用緩衝組成物の構成成分である、スチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)と軟化剤(B成分)及びその配合比を以下表3に示すように夫々変更した以外は、実施例1と同様にして、各実施例の履物用緩衝組成物を得た。実施例1と同様に、得られた履物用緩衝組成物を用いて物性評価用の試験片を成形し、物性等の評価を行った。さらに、実施例1と同様にして、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の試験片を作製し、物性等の評価を行った。
実施例1〜8の結果を表3に示す。ここで、表3における「予備分散後のMFR差」とは、軟化剤(B)が分散された状態における成分a1〜a3の溶融粘度(MFR:メルトマスフローレート)について、溶融粘度が最も高い成分と最も低い成分の溶融粘度の値の差のことである。具体的には、予備分散処理後のa1〜a3成分について、JIS K7210−1B法に準拠して190℃におけるメルトマスフローレートを測定し、溶融粘度が最も高い値の成分と最も低い値の成分の溶融粘度の差を算出した値である(以降の表4〜7も同じ)。
Figure 0005966110
[実施例9〜16]
履物用緩衝組成物の構成成分である、スチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)と軟化剤(B成分)及びその配合比を以下表4に示すように夫々変更した以外は、実施例1と同様にして、各実施例の履物用緩衝組成物を得た。実施例1と同様に、得られた履物用緩衝組成物を用いて物性評価用の試験片を成形し、物性等の評価を行った。さらに、実施例1と同様にして、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の試験片を作製し、物性等の評価を行った。実施例9〜16の結果を表4に示す。
Figure 0005966110
[実施例17〜24]
履物用緩衝組成物の構成成分である、スチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)と軟化剤(B成分)及びその配合比を以下表5に示すように夫々変更した以外は、実施例1と同様にして、各実施例の履物用緩衝組成物を得た。実施例1と同様に、得られた履物用緩衝組成物を用いて物性評価用の試験片を成形し、物性等の評価を行った。さらに、実施例1と同様にして、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の試験片を作製し、物性等の評価を行った。実施例17〜24の結果を表5に示す。
Figure 0005966110
[比較例1〜4]
スチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)と軟化剤(B成分)及びその配合比を以下表6に示すように夫々変更した以外は、実施例1と同様にして、各比較例の組成物を得た。実施例1と同様に、得られた組成物を用いて物性評価用の試験片を成形し、物性等の評価を行った。さらに、実施例1と同様にして、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された緩衝部材の試験片を作製し、物性等の評価を行った。比較例1〜4の結果を表6に示す。
Figure 0005966110
[比較例5〜10]
スチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)と軟化剤(B成分)及びその配合比を以下表7に示すように夫々変更した以外は、実施例1と同様にして、各比較例の組成物を得た。実施例1と同様に、得られた組成物を用いて物性評価用の試験片を成形し、物性等の評価を行った。さらに、実施例1と同様にして、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された緩衝部材の試験片を作製し、物性等の評価を行った。比較例5〜10の結果を表7に示す。
Figure 0005966110
表3〜表5に示した実施例1〜24の結果から、本発明の組成物の構成とすることによって、透明性、柔軟性、機械的強度及び耐熱性に優れた成形体を形成する履物用緩衝組成物が得られることがわかった。さらに、これらの履物用緩衝組成物を用いて形成された、ウレタン系コート剤による保護層でコーティングした履物用緩衝部材は、他部材との接着性に優れていることがわかった。
実施例4〜5と比較例1〜2との結果を比較すると、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成する成分a1〜a3の分子量の範囲が50000〜200000の範囲を外れると、保護層でコートされた緩衝部材の接着性が低下することがわかった。また、実施例7〜8と比較例3〜4との結果を比較すると、a1とa2のブロック共重合体のスチレン含有量が20〜55%の範囲を外れて低くなると引裂強さが低下し、スチレン含有量が20〜55%の範囲を外れて高くなると透明性が低下することがわかった。また、表4に示す実施例9〜16と表7に示す比較例5〜8との比較から、a1〜a3のブロック共重合体の配合割合が重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8またはa3/a1=0.35〜3.5のいずれかの範囲外となると保護層で被覆された履物用緩衝部材の接着性が低下すること、a2/(a1+a2+a3)の値が0.8を超える場合(比較例6)やa3/a1の値が3.5を超える場合(比較例8)には引裂強さも低下すること、a2/(a1+a2+a3)の値が0.8を超える場合(比較例6)やa3/a1の値が0.35未満の場合(比較例7)には、成分a3の配合量が少なくなるため、履物用緩衝組成物の成形体の耐熱性が劣ることがわかった。さらに、表5の実施例17〜22と表7の比較例9〜10との比較から、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の配合割合について、重量比でA/(A+B)の値が0.5未満では硬度が高くなり柔軟性に乏しく、0.7を超えると軟化剤(B)が過剰添加のため、保護層で被覆された履物用緩衝部材の接着性が低下すると共に耐熱性も低下することから、A/(A+B)=0.5〜0.7の範囲が有効であることがわかった。なお、表1の実施例1と表5の実施例23及び24の結果から、軟化剤(B)としてパラフィンオイルを適用した場合には、パラフィンオイルの分子量が少なくとも400〜1200の範囲において本発明の効果を有することが確認された。
[実施例25]
以下の手順で本実施例のウレタン系コート剤からなる保護層及びこの保護層でコートされた履物用緩衝部材を製造し、その効果の評価を行った。表2に示すウレタン系コート剤の構成成分のうち、ウレタンエマルジョン液(c1及びc4)としてポリカーボネート系ウレタン(C101)、光重合開始剤(c2)としてアルキルフェノン系とベンゾフェノン系の混合物(C201)、増粘剤(c3)としてエタノール(C301)を用い、以下表8に示す配合比にてよく混合し、本実施例のウレタン系コート剤を得た。得られたウレタン系コート剤をガラス板に塗布して、上述した保護層の各評価方法で用いる所定の試験片を作製し、得られた試験片を用いて物性等の評価を行った。他方、上記実施例1〜24で得られた履物用緩衝組成物について、上述したウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の各評価方法で用いる所定の試験片形状に、150〜170℃の条件下でそれぞれ射出成型して各成形体を得た。得られた各成形体表面にプライマー剤(ノーテープ工業株式会社製、G−6626)を塗布し、70℃で乾燥させて略15μmのプライマー処理層を形成した。本実施例で得たウレタン系コート剤を各成形体のプライマー処理層上に塗布し、室温で20分及び70℃で7分乾燥させ、次いで紫外線を照射(高圧水銀灯、積算光量2000mJ/cm)して硬化させ、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の試験片を得た。この試験片を用いて物性等の評価を行った。
[実施例26〜33]
ウレタン系コート剤の配合を以下表8に示すように夫々変更した以外は、実施例25と同様にして、各実施例のウレタン系コート剤を得た。実施例25と同様に、得られたウレタン系コート剤を用いて物性評価用の試験片を成形し、物性等の評価を行った。さらに、実施例25と同様にして、実施例1〜24で得られた履物用緩衝組成物の成形体を用いて、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の試験片を作製し、物性等の評価を行った。
実施例25〜33の結果を表8に示す。
Figure 0005966110
[実施例34〜37]
ウレタン系コート剤の配合を以下表9に示すように夫々変更した以外は、実施例25と同様にして、各実施例のウレタン系コート剤を得た。実施例25と同様に、得られたウレタン系コート剤を用いて物性評価用の試験片を成形し、物性等の評価を行った。さらに、実施例25と同様にして、実施例1〜24で得られた履物用緩衝組成物の成形体を用いて、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の試験片を作製し、物性等の評価を行った。実施例34〜37の結果を表9に示す。
Figure 0005966110
[比較例11〜15]
ウレタン系コート剤の配合を以下表10に示すように夫々変更した以外は、実施例25と同様にして、各比較例のウレタン系コート剤を得た。実施例25と同様に、得られたウレタン系コート剤を用いて物性評価用の試験片を成形し、物性等の評価を行った。さらに、実施例25と同様にして、実施例1〜24で得られた履物用緩衝組成物の成形体を用いて、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された緩衝部材の試験片を作製し、物性等の評価を行った。比較例11〜15の結果を表10に示す。
Figure 0005966110
表8〜9の実施例25〜37と表10の比較例11〜15との比較から、ウレタン系コート剤の各構成成分の重量比での配合割合について、良好な保護層が得られる範囲が明らかとなった。また、表8の実施例30〜31と実施例32〜33との比較から、増粘剤(c3)と反応性ポリカーボネート系ウレタン(c1)の配合割合c3/c1の値を重量比で0.3〜3.5の範囲とすることで、保護層で被覆された履物用緩衝部材の表面には気泡等の発生が無くなり、より優れた外観性を有するようになることがわかった。また、表9の実施例34〜35の結果から、増粘剤(c3)をエタノール以外の成分とした場合にも、同様の効果が得られることがわかった。さらに、表8の実施例25と表9の実施例36〜37との比較から、保護層の耐溶剤性や柔軟性の観点から、反応性ウレタン(c1)成分としては、ポリカーボネート系ウレタンが特に好適であることがわかった。
[実施例38〜40]
実施例1において、予備分散工程でスチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成する成分a1〜a3それぞれに対して個々に吸収させる軟化剤(B)の分配割合を表11の通りとした以外は、実施例1と同様にして各実施例の履物用緩衝組成物を得た。表11中におけるBi/ai(ここでi=1,2,3)の値は、a1〜a3の各成分に対する軟化剤(B)の配合割合を示している。また、表中のMFRは190℃における各a1〜a3成分の溶融粘度(メルトマスフローレート、JIS K7210−1B法)であり、軟化剤(B)を分散させる前(処理前)と分散させた後(処理後)のa1〜a3成分それぞれの溶融粘度を測定した。また、分散処理後の溶融粘度(MFR)について、a1〜a3成分のうち、最も高い値の成分と最も低い値の成分の溶融粘度の差を算出した。得られた履物用緩衝組成物を用いて、混練工程後の組成物の分散性(外観)について評価を行った。分散性の評価は目視による外観評価とし、分散が不十分な不均一相が無い場合を良好「○」、不均一相を含んでいたり白濁して透明性が著しく悪い場合を不適「×」とした。また、この履物用緩衝組成物を上述した履物用緩衝組成物の各評価方法で用いる所定の試験片形状に150〜170℃の条件下で射出成形し、得られた試験片を用いて物性等の評価を行った。さらに、実施例1と同様にして、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された履物用緩衝部材の試験片を作製し、接着性の評価を行った。
[比較例16]
実施例1において、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成する成分a1〜a3をよく混合してから、その混合物に対して軟化剤(B)を添加して分散させた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様にして本比較例の組成物を得た。すなわち、本比較例では、軟化剤(B)を予めスチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成する成分a1〜a3に分散させる工程(予備分散工程)を経ていない。実施例38〜40と同様に、得られた組成物を用いて混練工程後の組成物の分散性(外観)について評価を行った。また、この組成物を上述した履物用緩衝組成物の各評価方法で用いる所定の試験片形状に150〜170℃の条件下で射出成形し、得られた試験片を用いて物性等の評価を行った。さらに、実施例1と同様にして、ウレタン系コート剤による保護層で被覆された緩衝部材の試験片を作製し、接着性の評価を行った。
実施例38〜40及び比較例16の結果を実施例1の結果とともに表11に示す。
Figure 0005966110
表11の実施例38〜40の履物用緩衝組成物は、分散性が良好であり、透明性、引裂強さ及び硬度も良好な結果であった。一方、比較例16の組成物は、混練後の組成物にマクロな不均一相が生じており、その不均一相によって透明性等の全ての物性値においてばらつきが大きく、品質の安定性の観点から不適であることがわかった。このことから、予備分散工程において、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成する各成分に軟化剤(B)を予め分散させておくことにより、混練工程で均一に分散されやすくなって、各特性に優れ、品質が安定した履物用緩衝組成物が得られることがわかった。また、実施例1、38及び39と実施例40との比較から、予備分散工程でスチレン系熱可塑性エラストマー(A)を構成するa1〜a3成分それぞれに軟化剤(B)を吸収させるにあたり、同一温度における各成分a1〜a3の溶融粘度が高いものほど、単位重量当たりの軟化剤(B)の分配割合を大きくした配合とすることにより、各特性に優れた履物用緩衝組成物が得られることがわかった。これは、上述のような配合とすることにより、成分a1〜a3固有の溶融粘度の差が小さくなり、加熱混練工程で均一に各成分が分散されやすくなるためと考えられる。なお、表3〜7にはa1〜a3成分の予備分散処理前の溶融粘度の値は記載していないが、実施例2〜24において、a1〜a3成分の溶融粘度の大小関係は、実施例4だけa2≦a1<a3であるが、他の実施例はa2成分の溶融粘度が比較的小さく、a1成分とa3成分の溶融粘度は共に大きい(すなわち、a2<a3≦a1またはa2<a1≦a3)であり、実施例4以外は、各成分の溶融粘度の大小関係と単位重量当たりの軟化剤(B)の分配量とを対応させた配合としている。さらに、実施例1及び38と、実施例39との比較から、A成分の構成が同じであれば、軟化剤(B)を吸収させた後の成分a1〜a3の各MFR(g/10min)について、最も高い成分と最も低い値の成分のMFRの差が108以下になるように調整すると、ヘイズ値がより小さくなり、透明度が向上することがわかった。このことより、分散後の各a1〜a3成分のMFRの値が上述の範囲に収まるように軟化剤(B)の分配分散量を調整することにより、特に混練工程での均一分散性が一層向上し、透明性をはじめとした各物性に優れる組成物が得られることがわかった。
本発明は、上記の実施形態又は実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態も技術的範囲に含まれるものである。
1 履物用緩衝組成物の成形体
10、11 履物用緩衝部材
10a 接着性を向上させる必要のある部分
2 プライマー処理層
3 保護層
40 スポーツシューズ
41 ソール部の踵部
42 ソール部の側縁部
50 試料片
51 試験片(実施例又は比較例の緩衝部材)
52 ウレタン片
53 接着剤
54 固定側引張り治具
55 可動側引張り治具
60 試験片(耐熱性試験用)
61 試験片把持具
62 治具(支持アーム)
θt 交差角度(熱変形角度)
P 試験片60の試験片把持具61に固定されている部分
Q 熱変形した試験片60の自由端部分

Claims (12)

  1. スチレン系熱可塑性エラストマー(A)及び軟化剤(B)を含有する組成物であって、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、少なくとも、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)、アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(a3)を含有してなり、
    前記a1〜a3のブロック共重合体の重量平均分子量Mwは、それぞれ50000〜200000であり、
    前記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)又は前記アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)のスチレン含有量が、20〜55重量%であり、
    前記a1〜a3のブロック共重合体の配合割合が、重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8かつ、a3/a1=0.35〜3.5であり、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の配合割合が、重量比で、B/(A+B)=0.5〜0.7であることを特徴とする履物用緩衝組成物。
  2. 前記軟化剤(B成分)は、分子量が400〜1200のパラフィン系オイルであることを特徴とする請求項1に記載の履物用緩衝組成物。
  3. 少なくとも、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)、アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(a3)を含むスチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、軟化剤(B)を含有し、
    前記a1〜a3のブロック共重合体の重量平均分子量Mwが、それぞれ50000〜200000であり、
    前記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a1)又は前記アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(a2)のスチレン含有量が、20〜55重量%であり、
    前記a1〜a3のブロック共重合体の配合割合が、重量比で、a2/(a1+a2+a3)=0.08〜0.8かつ、a3/a1=0.35〜3.5であり、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と軟化剤(B)の配合割合が、重量比で、B/(A+B)=0.5〜0.7である履物用緩衝組成物を成形してなる履物用緩衝部材であって、
    ヘイズ値(JIS K7136:2000準拠)が15%以下であり、硬度がアスカーC50以下(SRIS 0101規格)であることを特徴とする履物用緩衝部材。
  4. 前記軟化剤(B成分)は、分子量が400〜1200のパラフィン系オイルであることを特徴とする請求項3に記載の履物用緩衝部材。
  5. 少なくとも一部の表面が直接またはプライマー処理層を介して、ウレタン系コート剤により形成された、鉛筆硬度が9B〜Fの略透明の保護層で被覆されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の履物用緩衝部材。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の履物用緩衝部材がソールに配置されていることを特徴とする履物。
  7. 前記履物用緩衝部材は外部から視認可能な状態で配置されていることを特徴とする請求項6に記載の履物。
  8. 前記a1〜a3のブロック共重合体の少なくとも1成分に、予め軟化剤(B)を分散させる予備分散工程と、
    前記予備分散工程を経たa1〜a3のブロック共重合体を混合し、加熱混練させる混練工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の履物用緩衝組成物の製造方法。
  9. 前記予備分散工程における前記軟化剤(B)の分散は、前記a1〜a3のブロック共重合体の各成分に対してそれぞれ行われ、同一温度における溶融粘度が高い成分ほど、単位重量当たりの軟化剤(B)の配合量を多くすることを特徴とする請求項8に記載の履物用緩衝組成物の製造方法。
  10. 前記予備分散工程における前記軟化剤(B)の分散は、前記a1〜a3のブロック共重合体の各成分に対してそれぞれ行われ、
    前記a1〜a3のブロック共重合体の各成分に対する前記軟化剤(B)の分散は、前記軟化剤(B)が分散された状態における各成分の溶融粘度(メルトマスフローレート、MFR:JIS K7210−1B法 190℃、で表わした値)について、最も高い成分と最も低い成分の溶融粘度の差が、108(g/10min)以下となるように軟化剤(B)の配合量を調整することを特徴とする請求項8に記載の履物用緩衝組成物の製造方法。
  11. 請求項1又は2に記載の履物用緩衝組成物を成形して成形体を得る工程と、
    前記成形体の少なくとも一部の表面にプライマー剤を塗布してプライマー処理層を形成する工程と、
    前記プライマー処理層が形成された部分にウレタン系コート剤を塗布する工程と、
    前記ウレタン系コート剤を硬化させて保護層を形成する工程とを有し、
    前記ウレタン系コート剤は、光硬化型コート剤であって、反応性カーボネート系ウレタン(c1)と光重合開始剤(c2)と増粘剤(c3)と水(c4)とを含有し、
    前記反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する前記光重合開始剤(c2)の配合割合c2/c1は、重量比で、0.01〜0.1であり、
    前記反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する前記水(c4)の配合割合c4/c1は、重量比で、1.9〜3.0であることを特徴とする履物用緩衝部材の製造方法。
  12. 前記ウレタン系コート剤における前記増粘剤(c3)は、脂肪族アルコール、グリコール及びエチレングリコールモノエチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物であり、
    前記反応性カーボネート系ウレタン(c1)に対する前記増粘剤(c3)の配合割合c3/c1は、重量比で、0.3〜3.5であることを特徴とする請求項11に記載の履物用緩衝部材の製造方法。
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