JP5965689B2 - 壁装用コーナー材及びその成形方法 - Google Patents

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Description

この発明は、建物の出隅部や入隅部のコーナー部を壁装材にて仕上げ施工する際、そのコーナー部を良好な状態に施工する際に用いられる壁装用コーナー材及びその成形方法に関する。
従来、上述のコーナー部を仕上げ施工する際、例えば石膏ボード等で構成される壁材の表面に、壁紙や布地、合成樹脂クロス等の壁装材を貼着する施工方法が主として用いられている。この場合、壁材である石膏ボードのつなぎ部分等の表面は凹凸が多いので、上述の壁装材を貼着する場合、予めパテ等で平坦な表面に仕上げてから貼着するが、出隅部や入隅部のコーナー部は、尖った稜線部分があるため、パテ等により仕上げ施工することが困難であった。
そこで、コーナー部を平坦に仕上げるために工夫がなされた下記特許文献1のコーナー材が提案されている。
特許文献1のコーナー材は、合成樹脂で形成した帯状シートの幅方向中央部に、該帯状シートに沿って長手方向に蝶番部が成形されている。即ち、このコーナー材を蝶番部に沿って屈曲させ、2つの壁面が交わるコーナー部に沿って両面粘着テープや接着剤等によって貼着し、その上から壁紙やクロス等の壁装材を壁面に貼着してコーナー部の仕上げ施工を行なっていた。
しかし、特許文献1のコーナー材は不透明であるため、コーナー材をコーナー部に貼着した際、例えばコーナー材の一部がコーナー部の壁面から剥離したり、浮き上がったりする等の貼着不良が発生しても、コーナー材のコーナー部に対する貼着具合を作業者の目で確認することできない。
このため、例えば壁紙や布地、合成樹脂クロス等の壁装材を、コーナー材の上からコーナー部に貼着した際、壁装材の貼着位置がずれてしまったり、コーナー部の角部と対応する部分に皺が寄ったりする等の貼着不良が発生しやすいという問題があった。
特許第2882751号公報
この発明は、建物の出隅部や入隅部のコーナー部を良好な状態に施工することができる壁装用コーナー材及びその成形方法を提供することを目的とする。
この発明は、2つの壁面が交わる出隅部又は入隅部のコーナー部に沿って貼着される壁装用コーナー材であって、前記壁装用コーナー材を、透視が許容される透明性を有する帯状のプラスチックシートで構成するとともに、前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面の幅方向中央部に配置され、該プラスチックシートに沿って長手方向に連続して付設した溝条の折り曲げ罫線と、該折り曲げ罫線の両側部に形成され、該折り曲げ罫線に沿って表裏両方向に対して折り曲げ可能に連設した左右一対の平板とを備え、前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面に付設した折り曲げ罫線の底部に、該底部に形成した凸状部と該凸状部よりも低い凹状部とを該折り曲げ罫線に沿って長手方向に配列したことを特徴とする。
この発明によれば、出隅部や入隅部のコーナー部を良好な状態に施工することができる。
詳述すると、本発明の壁装用コーナー材をコーナー部に貼着する際、壁装用コーナー材の幅方向中央部を、コーナー部の角部と対応する角度に折り曲げるとともに、その折り曲げた壁装用コーナー材の角部と、コーナー部の角部とを真っ直ぐに一致させて、コーナー部の壁面に対して仮貼着する。
次に、例えば壁装用のパテを、壁装用コーナー材の上からコーナー部に塗り付けるとともに、コーナー部の表面をパテにて平坦に下地仕上げすることで、コーナー部を鋭角に出すことができる。下地仕上げ後、例えば壁紙や布地、合成樹脂クロス等の壁装材をコーナー部に貼着する。また、パテ以外の壁装用接着剤を用いて、壁装用コーナー材をコーナー部に貼着してもよい。
本発明の壁装用コーナー材をコーナー部に仮貼着した際、透明性を有する壁装用コーナー材の表面側から、該壁装用コーナー材が貼着されたコーナー部の壁面を透視することができる。これにより、壁装用コーナー材がコーナー部の壁面に対して密着した状態に貼着されているか否かを、作業者の目で確認することできる。
これにより、例えば壁装用コーナー材の一部がコーナー部の壁面から剥離したり、浮き上がったりする等の貼着不良が発生しても、壁装材を貼着するまえに、コーナー部に仮貼着した壁装用コーナー材の貼着具合を、コーナー部の壁面に対してぴったりと密着した状態に貼着修正することができる。
この結果、壁装材を、出隅部や入隅部のコーナー部に沿って綺麗に貼着することができるとともに、該コーナー部を良好な状態に仕上げ施工することができる。
また、壁装材を、壁装用コーナー材の上からコーナー部に貼着する際、壁装材の貼着位置がずれたり、コーナー部の角部と対応する部分に皺が寄ったりする等の貼着不良が発生することを防止できる。
しかも、壁装用コーナー材の表側に向けて折り曲げられたた折り曲げ罫線上に貼着される壁装材に破れが生じることを防止できる。
例えば特許文献1のコーナー材の蝶番部を表側に向けて折り曲げると、そのコーナー材の上に貼着される壁装材が、蝶番部の表側に露出する滑らかな面に沿って密着され、その密着した面全体にパテや接着剤等の接着力が作用するため、蝶番部の上に貼着された壁装材の角部分に大きな引っ張り力が付与される。
したがって、蝶番部と対応する壁装材の角部分に、例えば破れや皺等が発生しやすく、壁装材をコーナー部に沿って良好な状態に貼着することができないという問題があった。また、蝶番部のR面が後述する半径0.2mmであっても、上述のような問題が起きる。
これに対して、本発明の壁装用コーナー材は、折り曲げ罫線の底部と凸状部とを長手方向に向けて凹凸状に配列しているため、出隅部のコーナー部等に折り曲げ罫線が表側となるように折り曲げた際、その壁装用コーナー材の上に貼着される壁装材が、折り曲げ罫線の凹凸状を有するR面に対して部分的に接触することになる
この結果、壁装材に付与される引っ張り力が小さく、折り曲げ罫線上に貼着される壁装材に、例えば破れや皺等が発生することを防止できるとともに、壁装材をコーナー部に沿って良好な状態に貼着することができる。
上述の透明性とは、透明及び半透明を含むものであり、例えば出隅部や入隅部のコーナー部に貼着した壁装用コーナー材を介して、コーナー部をなす壁面の透視が許容される透明度である。
また、上述のプラスチックシートは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、アモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル(PVC)、生分解性プラスチック等のプラスチックで形成した単体シート、あるいは、上述のプラスチック以外の材料で形成したプラスチックシートやフィルムを複合した複合シートで構成することができる。
また、プラスチックシートを、上述のポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とするプラスチックにて構成すれば、燃焼時において、例えば有毒ガスや刺激臭、有害なガス等が発生することがなく、自然環境に及ぼす影響を少なくすることできる。
また、折り曲げ罫線を、プラスチックシートの表裏両面のうちいずれか一方の面に付設すれば、壁装用コーナー材の表裏両方向への折り曲げ可能な柔軟性が得られるが、プラスチックシートの表裏両面に付設すれば、表裏両方向に対して同等の柔軟性及び折り曲げ性が得られるだけでなく、一方の面に付設するよりも、折り曲げ前の状態に復帰しようとする復元力が低下するので、特許文献1のコーナー材よりも柔軟性がさらに向上する。
さらにまた、本発明の壁装用コーナー材は、冬期の低温時でも折り曲げ性が殆ど変化しない利点がある。
つまり、本実施形態における折り曲げ罫線は、市販のプラスチック製コーナー材に付設した折り曲げ罫線よりも強度及び折り曲げ性に優れおり、折り曲げ前の状態に復帰する復元力が小さいため、コーナー部と対応する角度に折り曲げた状態を維持することができる。かつ、表裏両面のいずれの方向にも折り曲げ可能であるので、出隅部や入隅部のいずれのコーナー部にも貼着することができる。
この発明の態様として、前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面の幅方向中央部付近に配置され、前記折り曲げ罫線に沿って長手方向に付設された視認可能な色を有する可視線部を備えることができる。
この発明によれば、壁装用コーナー材をコーナー部に貼着した際、該壁装用コーナー材がコーナー部に沿って真っ直ぐに貼着されているか否かを、作業者の目で即確認することができる。
詳述すると、例えば透明なコーナーテープをコーナー部に貼着する際、コーナーテープをコーナー部の角部と対応する角度に折り曲げて貼着する。しかし、その折り曲げたコーナーテープの角部が湾曲していても、コーナーテープの全体及び角部が透明であるため、コーナーテープの角部が湾曲しているか否かを作業者の目で確認することが非常に難しい。
このため、上述の壁装材を貼着した後、コーナー部に貼着されたコーナーテープの角部が湾曲していることを発見する場合が多く、コーナー部を鋭角に施工することができない。また、コーナー部の施工作業をやり直さなければならず、作業に手間が掛かる。
本発明の壁装用コーナー材によれば、該壁装用コーナー材をコーナー部に貼着した際、コーナー部と対応する角度に折り曲げた壁装用コーナー材の角部が湾曲していれば、壁装用コーナー材に付設した可視線部にも湾曲が生じるため、壁装用コーナー材の可視線部を作業者の目で目視するだけで、壁装用コーナー材の角部が湾曲しているか否かを即確認することができる。
これにより、上述の壁装材を貼着するまえに、壁装用コーナー材を、コーナー部に沿って真っ直ぐに貼着した状態に貼着修正することができる。
この結果、出隅部や入隅部のコーナー部を鋭角に出すことができ、施工精度の向上を図ることができる。
なお、上述の可視線部を付設する付設方法としては、例えば赤色、青色、黒色等のインキで印刷する方法、油性インキをペンや刷毛で塗布する方法、所定の色に着色されたテープを貼着する方法、サンドペーパーやサンドブラストにて表面に微細なキズを加工する方法等が挙げられる。
この発明の態様として、前記平板に、該平板の厚み方向に貫通する多数の孔部を形成するとともに、該各孔部を前記平板に沿って長手方向に所定間隔を隔てて配列することができる。
この発明によれば、壁装用コーナー材を、コーナー部の壁面に対して強固に貼着することができる。
詳述すると、例えばパテを、コーナー部に貼着した壁装用コーナー材の上から塗り付けた際、平板の孔部に入り込んだパテが、コーナー部の壁面にも塗り付けられるので、そのパテの接着力によって、壁装用コーナー材を、コーナー部をなす2つの壁面に対して強固に貼着することができる。
この結果、壁装用コーナー材を、建物の出隅部や入隅部のコーナー部に沿って鋭角に貼着することができる。
また、この発明の態様として、前記平板の表裏両面のうち少なくとも一方の面に、多数の微細な凹部と凸部のうちいずれか一方、あるいは、多数の微細な凹部及び凸部の両方を付設することができる。
この発明によれば、壁装用コーナー材の貼着状態を保つのに必要な大きな接着力が得られる。
詳述すると、平板に付設した凹部や凸部に、例えばパテや接着剤等の壁装用接着剤が絡み付きやすいので、その壁装用接着剤を平坦な面に塗布するよりも、平板に対する壁装用接着剤の接着性が高く、壁装用コーナー材や壁装材の貼着状態を保つのに必要な大きな接着力が得られる。
上述の凹部や凸部を付設する付設方法としては、例えばワイヤーブラシにて平板表面を引っ掻くようにして加工する方法と、40番〜100番程度のサンドペーパーにて平板表面を擦るようにして加工する方法と、硬質の粒子を吹き付けるサンドブラストにて平板表面を削るようにして加工する方法と、多数の凸部が周面に設けられたローラにて平板表面を押圧するようにして加工する方法等が挙げられる。これらの方法を機械的に行えば、凹部や凸部を容易に加工することができる。
つまり、上述の方法から選択したいずれか一つの方法にて凹部や凸部を平板表面に加工すれば、その凹部や凸部の表面に上述の壁装用接着剤が絡み付きやすく、該壁装用接着剤による接着性が向上する。
上述の凹部は、例えば溝部や穴部、窪み部等で構成することができる。凸部は、例えばバリや突起等で構成することができる。
また、この発明の態様として、前記凹部と前記凸部の付設面積を、単位面積当り10%以上となるように設定することができる。
この発明によれば、壁装用コーナー材の貼着状態を保つのに必要な接着力が得られる。
詳述すると、凹部や凸部の付設面積を、例えば1cmを単位面積として、該単位面積当り10%以下に設定すると、例えばパテや接着剤等の壁装用接着剤が絡み付きにくくなるので、壁装用コーナー材や壁装材の貼着状態を保つのに必要な接着力が得られない。
ところが、凹部や凸部の付設面積を10%以上に設定すれば、上述の壁装用接着剤が絡み付きやすくなり、壁装用接着剤の接着力が凹部や凸部を付設した部分全体に作用するため、接着性が向上し、壁装用コーナー材や壁装材の貼着状態を保つのに必要な大きな接着力が得られる。
また、この発明の態様として、前記孔部の内周面を、前記平板の前記壁面に貼着される一方の面から該平板の他方の面に向けて徐々に内径が大きくなるテーパ面に形成することができる。
この発明によれば、壁装材を、コーナー部に沿って綺麗に貼着することができ、該コーナー部を良好な状態に仕上げ施工することができる。
詳述すると、平板に形成した孔部は、壁面と対向する一方の面から他方の面に向けて徐々に内径が大きくなるテーパ形状を有しているので、パテ等の壁装用接着剤が孔部の奥まで入り込みやすく、また、孔部内に入り込んだ状態に保持されるため、壁装用接着剤による接着力が平板と壁面とが分離される方向に対して積極的に付与されることになる。
これにより、平板が壁面から剥がれたり、浮き上がったりすることを防止できるとともに、コーナー部に対する壁装用コーナー材の接着性が向上する。また、壁装用コーナー材に対する壁装材の接着性も向上する。
この結果、上述の壁装材をコーナー部に貼着する際、該コーナー部に貼着した壁装用コーナー材の貼着位置が変位することを確実に防止できる。
なお、テーパ面の傾斜角度は、5度〜80度の範囲に含まれる角度に設定することが好ましい。
また、この発明の態様として、前記平板の前記壁面に貼着される面に、該平板を該壁面に対して接着する接着手段を備えることができる。
この発明によれば、コーナー部の下地仕上げ時において、コーナー部に貼着された壁装用コーナー材の貼着位置が変位することを防止できる。
詳述すると、壁装用コーナー材を、コーナー部に沿って貼着する際、左右の平板を、コーナー部をなす2つの壁面に対して押し付けるとともに、その平板と壁面との対向面を、例えば感圧性接着剤や粘着剤、両面粘着テープ等の接着手段にて仮貼着する。
この結果、コーナー部の表面を、壁装用接着剤にて平坦に下地仕上げする施工作業が完了するまで、壁装用コーナー材をコーナー部に対して仮貼着しおくことができる。
また、この発明の態様として、前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面に、該プラスチックシートに沿って長手方向に所定間隔を隔てて目盛り線を付設することができる。
この発明によれば、壁装用コーナー材を、コーナー部と対応する長さに正確に切って使用することができる。
詳述すると、例えば巻尺や物差等の計測工具を使わなくても、壁装用コーナー材に付設した目盛り線を利用して、コーナー部の寸法を正確に計測することができる。その計測した目盛り線の位置で、壁装用コーナー材を、例えばハサミやナイフ、カッター等の切断具にてコーナー部と対応する長さに切って貼着するので、壁装用コーナー材を無駄なく有効に使用することができる。
この結果、コーナー部の施工時において、壁装用コーナー材の廃棄量が少なくて済み、施工コストの低減を図ることができる。
また、この発明の態様として、前記折り曲げ罫線を、前記プラスチックシートに付設される折り曲げ罫線の深さより低い凸状部を、該折り曲げ罫線の底部に沿って長手方向に配列し、該折り曲げ罫線の肉厚が最も薄い部分を基準として、該部分から離れるに従って徐々に浅くなる溝形状に形成し、前記折り曲げ罫線の幅を、前記プラスチックシートの肉厚を基準として、1.5倍〜5倍の範囲に含まれる幅に設定し、前記折り曲げ罫線の深さを、前記プラスチックシートの肉厚を基準として、0.4倍〜0.95倍の範囲に含まれる深さに設定し、前記凸状部の高さを、前記折り曲げ罫線の深さを基準として、5%〜95%の範囲に含まれる高さに設定することができる。
この発明によれば、強度及び折り曲げ性が良好な折り曲げ罫線が付設された折り曲げ罫線入りシートを得ることができる。
詳述すると、プラスチックシートに付設される折り曲げ罫線を、該折り曲げ罫線の肉厚が最も薄い部分を基準として、該部分から離れるに従って徐々に浅くなる溝形状に形成する。かつ、折り曲げ罫線の深さより低い凸状部を、折り曲げ罫線の底部に形成するとともに、該折り曲げ罫線の底部に沿って長手方向に配列する。
折り曲げ罫線の幅は、プラスチックシートの肉厚を基準として1.5倍〜5倍の範囲に含まれる幅に形成する。折り曲げ罫線の深さは、プラスチックシートの肉厚を基準として0.4倍〜0.95倍の範囲に含まれる深さに形成する。凸状部の高さは、折り曲げ罫線の深さより低く、折り曲げ罫線の深さを基準として5%〜95%の範囲に含まれる高さに形成する。
折り曲げ罫線の幅及び深さはプラスチックシートの肉厚によって異なるが、プラスチックシートの肉厚を基準として、1.5倍〜5倍の範囲に含まれる幅と、0.4倍〜0.95倍の範囲に含まれる深さに設定するのが望ましい。
つまり、折り曲げ罫線の幅は、プラスチックシートの肉厚を基準として、1.5倍〜5倍の範囲に含まれる幅に設定することができる。
折り曲げ罫線の幅を1.5倍以下に狭く設定すると、プラスチックシートを、折り曲げ罫線が表側となるようにして折り曲げた際、折り曲げ罫線の曲率半径(アール)が小さくなるので、例えばヒビや割れ等が発生しやすくなる。
折り曲げ罫線の深さは、プラスチックシートの肉厚を基準として、0.4倍〜0.95倍の範囲に含まれる深さに設定することができる。
折り曲げ罫線の深さを0.4倍以下に浅く設定すると、上述とは反対に折り曲げ罫線の肉厚が最も薄い部分に形成される残厚部の肉厚が厚くなるので、プラスチックシート自体の復元力や反発力が大きくなり、折り曲げ罫線の折り曲げ性が悪くなる。
また、折り曲げ罫線の深さを0.95倍以上に深く設定すると、折り曲げ罫線の肉厚が最も薄い部分に形成される残厚部の肉厚が薄くなるので、プラスチックシート自体の復元力や反発力が小さくなる。
このため、プラスチックシートを所望する方向及び曲率に折り曲げ易くすることができるが、例えば破れや穴等が発生する確率が高くなる。
折り曲げ罫線の肉厚が最も薄い部分に形成される残厚部の平均肉厚は、プラスチックシートの肉厚によって左右されるが、その残厚部の肉厚は、プラスチックシートの肉厚を基準として、15%〜40%の範囲に含まれる肉厚に設定することが望ましい。
残厚部の肉厚を15%以下の薄さに設定すると、残厚部の剛性が弱くなるので、その部分から破れやすくなり、加工精度の関係で穴が発生する確率が高くなる。
また、残厚部の肉厚を40%以上の厚さに設定すると、残厚部の剛性が強くなるので、折り曲げ罫線の折り曲げ性が悪くなる。
凸状部は、折り曲げ罫線の肉厚が薄い部分を補強するために設けられており、折り曲げ罫線の肉厚が薄い底部に沿って長手方向に対して連続的又は間欠的に設けている。
凸状部の幅や高さ、ピッチは、折り曲げ性に優れた折り曲げ罫線を得る上で重要である。つまり、凸状部の例えば幅、長さ等の割合を調整することで、折り曲げ罫線の肉厚が薄い部分の曲げ強度の強弱を調整することができる。
すなわち、凸状部は、折り曲げ罫線の長手方向の平均肉厚を厚くして、折り曲げ罫線が柔らかく曲がり、折り曲げ性に優れた強度の罫線構造を得るものである。
凸状部の高さは、折り曲げ罫線の深さを基準として、5%〜95%の範囲に含まれる高さに形成することが望ましい。
凸状部の高さを5%以下に低く設定すると、折り曲げ罫線の肉厚が薄い部分の曲げ強度を調整する効果が大幅に低下する。
凸状部の幅は、折り曲げ罫線の長手方向に配列される凸状部のピッチによって変化するが、プラスチックシートの肉厚を基準として、1倍〜10倍の範囲に含まれる幅に形成することが望ましい。また、凸状部を、折り曲げ罫線の長手方向に対して15度〜90度の範囲に含まれる角度に交差してもよい。
また、この発明の態様として、前記壁装用コーナー材を前記折り曲げ罫線が表側となるように折り曲げた部分に形成されるR面部を、半径0.2mm以上に設定することができる。
この発明によれば、壁装材を、壁装用コーナー材の表側に露出する折り曲げ罫線が覆われるように施工した際、該折り曲げ罫線と対応する部分に破れが生じることを防止できる。
詳述すると、壁装用コーナー材を、例えば出隅部のコーナー部に貼着する際、壁装用コーナー材を折り曲げ罫線が表側となるように折り曲げて貼着するが、その折り曲げ罫線の表側に露出するR面部を半径0.2mm以上に設定しているので、壁装用コーナー材の表側に露出する折り曲げ罫線と対応する壁装材の貼着部分に破れが生じることを防止できる。
この結果、壁装材を、コーナー部に貼着された壁装用コーナー材に沿って綺麗に貼着することができる。
また、この発明の態様として、前記プラスチックシートの肉厚を、0.2mm〜0.8mm程度の範囲に含まれる肉厚に設定することができる。
この発明によれば、強度及び折り曲げ性が良好な折り曲げ罫線をプラスチックシートに付設することができる。
詳述すると、プラスチックシートの肉厚を0.2mm以下に設定すると、剛性が弱くなるためコーナー部の補強に適さない。また、プラスチックシートの肉厚を0.8mm以上に設定すれば、剛性が強くなるので、折り曲げ罫線の折り曲げ性が悪くなるだけでなく、上述の壁装材を貼着した際に段差ができるため、コーナー部の見栄えが悪くなる。
したがって、プラスチックシートの肉厚は、0.2mm〜0.8mm程度の範囲に含まれる肉厚に設定するのか好ましい。
また、この発明は、2つの壁面が交わる出隅部又は入隅部のコーナー部に沿って貼着される壁装用コーナー材の成形方法であって、透視が許容される透明性を有する帯状のプラスチックシートを厚み方向に加圧する上下一対の成形ローラのうち少なくとも一方のローラの周面に、該プラスチックシートに対して溝条の折り曲げ罫線を付設するための罫線刃を周設し、前記成形ローラの罫線刃を前記プラスチックシートの厚み方向に押し付けるとともに、前記上下一対の成形ローラにて前記プラスチックシートを長手方向に搬送しながら、前記折り曲げ罫線を前記プラスチックシートの幅方向中央部に対して長手方向に連続して付設し、前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面に付設した折り曲げ罫線の底部に、該底部に形成した凸状部と該凸状部よりも低い凹状部とを該折り曲げ罫線に沿って長手方向に配列することを特徴とする。
この発明によれば、接着性及び折り曲げ性に優れた壁装用コーナー材を安価に製造することができる。
詳述すると、例えば成形ローラに設けた折り曲げ罫線と対応する刃先形状の罫線刃を、透明性を有する帯状のプラスチックシートの厚み方向に押し付けるとともに、上下一対の成形ローラにて長手方向に搬送しながら、溝条の折り曲げ罫線をプラスチックシートの幅方向中央部に対して長手方向に連続して付設する。
これにより、折り曲げ罫線を、プラスチックシートの一方の面に付設すれば、壁装用コーナー材の表裏両方向への折り曲げ可能な柔軟性が得られるが、プラスチックシートの両方の面に付設すれば、表裏両方向に対して同等の柔軟性及び折り曲げ性が得られる。
この結果、出隅部又は入隅部のコーナー部を鋭角に出す壁装作業の両方に用いることができる。
この発明によれば、出隅部や入隅部のコーナー部を良好な状態に施工することができる。
第1実施形態の壁装用コーナー材の拡大平面図。 第1実施形態の壁装用コーナー材の構成説明図。 第1実施形態の折り曲げ罫線の構成説明図。 図3に示す折り曲げ罫線のX2−X2端面断面図。 平板に付設した溝部の構成説明図。 第1実施形態の壁装用コーナー材を出隅部に貼着した斜視図。 出隅部のコーナー部を鋭角に出すための施工方法の説明図。 入隅部のコーナー部を鋭角に出すための施工方法の説明図。 出隅部と入隅部とが近接している際の施工方法の説明図。 第2実施形態の壁装用コーナー材の構成説明図。 ローラ型成形機による折り曲げ罫線の表裏付設方法の説明図。 第3実施形態の壁装用コーナー材の構成説明図。 溝部を他のパターンに形成した他の例の説明図。 折り曲げ罫線が表側となるように折り曲げた状態の説明図。
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は第1実施形態の壁装用コーナー材1の拡大平面図である。また、図2は第1実施形態の壁装用コーナー材1の構成説明図であって、図2[a]は図1に示す壁装用コーナー材1の部分拡大平面図、図2[b]は[a]に示す壁装用コーナー材1のY−Y端面断面図である。
図3は第1実施形態の折り曲げ罫線4の構成説明図であって、図3[a]は折り曲げ罫線4の部分拡大平面図、図3[b]は[a]に示す折り曲げ罫線4のX1−X1線中央断面図である。図4は図3[a]に示す折り曲げ罫線4のX2−X2線断面図である。
第1実施形態の壁装用コーナー材1は、出隅部20や入隅部30のコーナー部40(図7、図8参照)に沿って貼着される壁装用のコーナー材であって、透明性を有する帯状のプラスチックシート2と、該プラスチックシート2の幅方向Bの中央部に付設した折り曲げ罫線4と、該折り曲げ罫線4によって表裏両方向に対して折り曲げ可能に連設された左右の平板3と、左右の平板3に形成した多数の孔部5とで構成している。
プラスチックシート2の全体は、透視が許容される透明性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)にて形成している。すなわち、出隅部20や入隅部30のコーナー部40に貼着した壁装用コーナー材1を介して、コーナー部40をなす壁面40aの透視が許容される透明度に形成している。
なお、壁面40aの透視が可能であれば、透けて見える程度の透明度であってもよく、また、半透明に形成したプラスチックシート2を用いてもよい。
また、プラスチックシート2の表面には、プラスチックシート2を厚み方向に加圧してなる溝条の折り曲げ罫線4を、該プラスチックシート2の幅方向Bにおける幅方向中央部に付設するとともに、該プラスチックシート2に沿って長手方向Aに連続して付設している。
左右の平板3は、折り曲げ罫線4の幅方向両側に、該折り曲げ罫線4を中心として左右対称に形成している。また、平板3には、平板3の厚み方向に貫通する多数の孔部5を、該平板3に沿って長手方向Aに所定間隔を隔てて配列している。
孔部5の内周面は、平板3の後述するコーナー部40の壁面40aに貼着される裏面から、該平板3の表面に向けて徐々に内径が大きくなるテーパ面に形成している。
また、平板3の表面全体には、多数の微細な溝部8を不規則な間隔に隔てて付設している。その平板3に付設する溝部8の付設面積は、1cmを単位面積として、平板3の表面に対して単位面積当り10%以上となるように設定している(図1〜図5参照)。
なお、溝部8の付設面積は、壁装用コーナー材1を介してコーナー部40をなす壁面40aの透視が許容される程度に設定する。
また、平板3の裏面、すなわち、後述するコーナー部40の壁面40aに貼着される裏面には、該平板3を壁面40aに対して接着するための接着剤6を、プラスチックシート2に形成した折り曲げ罫線4を中心として左右対称に塗布している。
さらに、平板3に塗布した接着剤6の接着面には、帯状の離型紙を剥離可能に貼着するとともに、プラスチックシート2に沿って長手方向Aに連続して貼着している。
また、プラスチックシート2の表裏両面における幅方向中央部には、上述の折り曲げ罫線4に沿って、壁装用コーナー材1を、出隅部20や入隅部30のコーナー部40と対応する長さに切断する際に目安となる目盛り線7Xを付設している。
詳述すると、目盛り線7Xは、平板3の折り曲げ罫線4が形成された折り曲げ側縁部に沿って配置され、該折り曲げ側縁部に沿って長手方向Aに対して所定間隔を隔てて1cm〜10cm単位で付設している。
また、プラスチックシート2の表裏両面における幅方向中央部には、上述の折り曲げ罫線4に沿って、作業者の目によって視認が許容される色に配色(具体的には、黒色)した可視線部7Yを配置している。
詳述すると、可視線部7Yは、平板3の折り曲げ罫線4が形成された折り曲げ側縁部に沿って配置され、該折り曲げ側縁部に沿って長手方向Aに連続して付設している。
なお、可視線部7Yを、上述の折り曲げ罫線4に沿って、プラスチックシート2の長手方向Aに対して部分的に付設してもよい。
上述のプラスチックシート2は、図3、図4に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)にて0.2mm〜0.8mmの範囲に含まれる肉厚Tに形成している。
また、プラスチックシート2に付設した折り曲げ罫線4は、該プラスチックシート2の長手方向Aから見て滑らかな曲面形状に形成した断面半円形状の曲面部4aと、曲面部4aの底部中央に形成した幅方向Bから見て滑らかな断面半円形状の凸状部4b(図3[a],[b]参照)とで構成している。
凸状部4bの前後には、折り曲げ罫線4の深さDと同一の第1溝部4cを形成している。また、凸状部4bの上方には、第1溝部4cよりも浅い第2溝部4dを形成している。第1溝部4cと第2溝部4dは、折り曲げ罫線4の底部に沿って長手方向Aに対して交互に配列している。
曲面部4aは、折り曲げ罫線4の幅方向中央部に設定した仮想中心点Pを中心として滑らかな曲率半径に形成するとともに、折り曲げ罫線4の肉厚が最も薄い部分に形成される残厚部4eを基準として、残厚部4eから離れるに従って徐々に浅くなるようにプラスチックシート2の長手方向Aから見て滑らかな断面半円形状に形成している。
すなわち、曲面部4aの曲率半径が小さいと、折り曲げ罫線4の内側にヒビが発生しやすいので、曲率半径が大きい折り曲げ罫線4を加工することが望ましい。
凸状部4bは、折り曲げ罫線4の長手方向Aと直交して幅方向Bに向けて形成するとともに、折り曲げ罫線4の底部に沿って長手方向Aに対して所定間隔を隔てて多数配列している。
折り曲げ罫線4の幅Wは、プラスチックシート2の肉厚Tを基準として、1.5倍〜5倍の範囲に含まれる幅に形成している(図4参照)。
折り曲げ罫線4の幅Wを1.5倍以下に狭く設定すると、プラスチックシート2を、折り曲げ罫線4が表側となるように折り曲げた際、折り曲げ罫線4の曲率半径(アール)が小さくなるので、例えばヒビや割れ等が発生しやすくなる。
また、プラスチックシート2を、折り曲げ罫線4が内側となるように折り曲げた際、折り曲げ罫線4の幅方向両角部が互いに当接するので、プラスチックシート2の折り曲げ性が悪くなる。
折り曲げ罫線4の幅W1を5倍以上に広く設定すると、罫線加工用の罫線刃(図示せず)をプラスチックシート2に押圧する際の圧力が多大となるため、折り曲げ罫線4の加工精度が悪くなる。
また、折り曲げ罫線4の幅W1が広いと、折り曲げ罫線4が外部に露呈してしまうため、折り曲げ部分の体裁が見苦しくなる。さらに、折り曲げ罫線4の折り曲げ位置が幅方向に変位しやすく、プラスチックシート2を折り曲げ罫線4に沿って精度よく折り曲げることができない。
折り曲げ罫線4の深さDは、プラスチックシート2の肉厚Tを基準として、0.4倍〜0.95倍の範囲に含まれる深さに形成している(図4参照)。
折り曲げ罫線4の深さDを0.4倍以下に浅く設定すると、上述とは反対に折り曲げ罫線4の肉厚が最も薄い部分に形成される残厚部4eの肉厚Tが厚くなるので、プラスチックシート2自体の復元力や反発力が大きくなり、折り曲げ罫線4の折り曲げ性が悪くなる。
折り曲げ罫線4の深さDを0.95倍以上に深く設定すると、折り曲げ罫線4の肉厚が最も薄い部分に形成される残厚部4eの肉厚Tが薄くなるので、プラスチックシート2自体の復元力や反発力が小さくなる。
残厚部4eの肉厚Tは、プラスチックシート2の肉厚Tを基準として、0.05倍〜0.5倍の範囲に含まれる肉厚に形成している(図4参照)。
残厚部4eの肉厚Tを0.05倍以下の薄さに設定すると、残厚部4eの剛性が弱くなるので、その部分から破れやすくなり、加工精度の関係で穴が発生する確率が高くなる。
また、残厚部4eの肉厚Tを0.5倍以上の厚さに設定すると、残厚部4eの剛性が強くなるので、折り曲げ罫線4の折り曲げ性が悪くなる。
凸状部4bの高さHは、折り曲げ罫線4の深さDを基準として、5%〜95%の範囲に含まれる高さに形成している。
凸状部4bの高さHを5%以下に低く設定すると、折り曲げ罫線4の肉厚Tが薄い部分の曲げ強度を調整する効果が大幅に低下する。
凸状部4bの幅Wは、折り曲げ罫線4の長手方向Aに配列される凸状部4bのピッチによって変化するが、プラスチックシート2の肉厚Tを基準として、1倍〜10倍の範囲に含まれる幅Wに形成している。
また、凸状部4bは、折り曲げ罫線4の長手方向Aに対して15度〜90度の範囲に含まれる角度に交差してもよく、その交差角度を小さくすれば、折り曲げ時の反発力が弱くなる利点がある。
凸状部4bの幅Wを1倍以下に狭く設定すると、残厚部4eの幅が広くなるので、凸状部4bによる補強効果が低くなり、プラスチックシート2自体の強度が著しく低下する。
凸状部4bの幅Wを10倍以上に広く設定すると、残厚部4eの幅が狭くなるので、凸状部4bによる補強効果が高くなり、プラスチックシート2自体の復元力や反発力が大きくなるため、折り曲げ罫線4の折り曲げ性が悪くなる。
上述の結果、凸状部4bと残厚部4eの幅は、1対1に設定することが望ましいが、プラスチックシート2の肉厚Tや、折り曲げ罫線4の強度及び折り曲げ性に応じて調整することができる。
また、凸状部4bの突出側角部r1は、0.01mm以上の滑らかなR面に形成している(図3[b]参照)。
凸状部4bの突出側角部r1を、0.01mm以上のR面に形成すれば、プラスチックシート2を折り曲げ罫線4に沿って折り曲げた際、その凸状部4bに、例えば欠けやヒビ等が発生することを抑える効果が得られる。
また、プラスチックシート2を折り曲げ罫線4が表側となるように折り曲げた際、凸状部4bの突出側に角張った部分がなく、指先が引っ掛かりにくくなるので、良好な手触り感が得られる。
また、折り曲げ罫線4の幅方向両角部r2は、0.01mm以上の滑らかなR面に形成している(図4参照)。
折り曲げ罫線4の幅方向両角部r2を、0.01mm以上のR面に形成すれば、プラスチックシート2を折り曲げ罫線4に沿って折り曲げた際、折り曲げ罫線4の肉厚が薄い部分に、例えばヒビや割れ、粉末等が発生することを防止できる。
次に、図5を用いて、上述の溝部8を平板3の表面に付設する付設方法を説明する。
図5は平板3に付設された溝部8の構成説明図であって、図5[a]は平板3に付設された溝部8の拡大断面図、図5[b]は溝部8が付設された平板3の部分拡大平面図、図5[c]は溝部8の加工方法を説明する側面図である。
つまり、図5[c]に示すように、折り曲げ罫線4をプラスチックシート2の表面に付設してから、平板3の表面を、プラスチックシート2より硬質のワイヤーブラシ10にて引っ掻くようにして加工するので、凹部となる多数の微細な溝部8を不規則な向き及び間隔に隔てて加工することができる。
また、引っ掻き時において、凸部となるバリ8aが溝部8の一側縁部や両側縁部、周縁部に突出する(図5[a]参照)。
上述の方法で加工した溝部8の深さD2は、0.01mm〜0.1mm程度の範囲に含まれる深さに形成している。また、溝部8の幅W3は、0.01mm〜0.2mm程度の範囲に含まれる幅に形成している。
また、バリ8aの高さH2は、0.005mm〜0.15mm程度の範囲に含まれる高さに形成している(図5[a]参照)。
なお、上述の溝部8を、平板3の表面に加工してから折り曲げ罫線4を付設してもよい。また、溝部8を、平板3の表面全体に対してほぼ均等な間隔を隔てて付設してもよい。さらにまた、溝部8を、平板3の裏面全体に付設してもよい。
加えて、バリ8aは、平板3の一部のみに設けてもよく、例えばパテ50等を塗布する必要がある部分のみでもよい。
次に、上述の壁装用コーナー材1を用いて、図7に示す出隅部20のコーナー部40を鋭角に出すための施工方法を説明する。
先ず、図6、図7に示すように、壁装用コーナー材1の折り曲げ罫線4を、出隅部20における2つの壁面40aが交わるコーナー部40の角度に合わせて表側に向けて突出するように折り曲げる。
コーナー部40と対応する角度に折り曲げてなる壁装用コーナー材1の角部と、コーナー部40の角部とを真っ直ぐに一致させて、左右の平板3を、コーナー部40をなす2つの壁面40aに対して押し付けるとともに、該平板3の裏面に塗布した接着剤6(図2参照)にて2つの壁面40aに沿って仮貼着する。
これにより、出隅部20のコーナー部40を鋭角に出すことができる。また、コーナー部40の表面をパテ50にて平坦に下地仕上げする施工作業が完了するまで、壁装用コーナー材1の貼着位置が変位することを防止できる。
仮貼着した壁装用コーナー材1は、透明性を有するプラスチックシート2で構成しているため、壁装用コーナー材1の表面側からコーナー部40の壁面40aを透視することができる。これにより、壁装用コーナー材1がコーナー部40の壁面40aに対して密着した状態に貼着されているか否かを、作業者の目で確認することできる(図6参照)。
例えば壁装用コーナー材1の一部がコーナー部40の壁面40aから剥離したり、浮き上がったりする等の貼着不良が発生しても、例えば壁紙や布地、合成樹脂クロス等の壁装材(図示せず)を貼着するまえに、コーナー部40に仮貼着した壁装用コーナー材1の貼着具合を、コーナー部40の壁面40aに対してぴったりと密着した状態に貼着修正することができる。
また、壁装用コーナー材1をコーナー部40に貼着した際、コーナー部40と対応する角度に折り曲げた壁装用コーナー材1の角部が湾曲していれば、壁装用コーナー材1に付設した可視線部7Yにも湾曲が生じるため、壁装用コーナー材1の可視線部7Yを作業者の目で目視するだけで、壁装用コーナー材1の角部が湾曲しているか否かを即確認することができる。
これにより、壁装材を貼着するまえに、壁装用コーナー材1を、コーナー部40に沿って真っ直ぐに貼着された状態に貼着修正することができる。
この結果、出隅部20や入隅部30のコーナー部40を鋭角に出すことができ、施工精度の向上を図ることができる。
次に、パテ50を、壁装用コーナー材1の上からコーナー部40に塗布するとともに、壁装用コーナー材1の平板3の表面全体に対してほぼ均等に塗り付ける。また、左右の平板3に形成した多数の孔部5にも塗り込むと同時に、平板3の端部と壁面40aの段差部分にも塗り付けて、平坦な状態に下地仕上げする。
この後、上述の壁装材(図示せず)を、コーナー部40に貼着した壁装用コーナー材1の上から、コーナー部40をなす2つの壁面40aに沿って貼着するので、出隅部20のコーナー部40を鋭角に仕上げ施工することができる。
さらに、孔部5に入り込んだパテ50は、壁面40aに塗り付けられたパテ50と一体的に結合するため、壁装用コーナー材1を、コーナー部40をなす2つの壁面40aに対して強固に貼着することができる。
また、パテ50にて下地仕上げる際に、パテ50を何回も塗り直す手間が省け、パテ塗布作業の短縮を図ることができる。
さらにまた、孔部5に流入したパテ50は、平板3に表面に塗り付けられるパテ50と一体的に結合するため、壁装材を、平板3の表面に対して強固に貼着することができる。
以上のように、壁装用コーナー材1を、出隅部20のコーナー部40と対応する角度に折り曲げるとともに、コーナー部40と対応する角度に折り曲げてなる壁装用コーナー材1の角部と、コーナー部40の角部とを真っ直ぐに一致させて、該壁装用コーナー材1をコーナー部40に沿って仮貼着するので、コーナー部40を鋭角に出すことができる。
なお、壁装用コーナー材1は、ロール状に巻回して施工現場等に持ち運ぶことができる。
また、壁装用コーナー材1の折り曲げ罫線4は、該壁装用コーナー材1の表裏両方向への折り曲げが許容される構造を有しているので、壁装用コーナー材1の用途が、図7に示す出隅部20のみに限定されず、図8に示す入隅部30のコーナー部40を鋭角に出す作業の両方に用いることができる。
また、壁装用コーナー材1の折り曲げ罫線4は、折り曲げ前の状態に復帰しようとする復元力が特許文献1のコーナー材よりも弱いので、壁装用コーナー材1を、出隅部20や入隅部30のコーナー部40をなす2つの壁面40aに沿った折り曲げ角度に折り曲げられた状態に保つことができる。
つまり、特許文献1のコーナー材のように、例えばパテ50や接着剤等が硬化するまで、壁装用コーナー材1の折り曲げ状態を保持しておく必要がなく、壁装材をコーナー部40に貼着する際の作業効率が大幅に向上し、施工期間の短縮を図ることができる。
さらに、上述の壁装材を、コーナー部40に貼着した壁装用コーナー材1の上から、コーナー部40に沿って鋭角に貼着するので、コーナー部40を良好な状態に施工することができる。
また、平板3に形成した孔部5は、壁面40aと対向する一方の裏面から他方の表面に向けて徐々に内径が大きくなるテーパ形状を有しているので、パテ50が孔部5の奥まで入り込みやすく、また、孔部5に入り込んだパテ50と、壁面40aに塗り付けられたパテ50とが一体的に結合した際、パテ50による貼着抵抗が平板3と壁面40aとが分離される方向に対して積極的に付与されることになる。
これにより、平板3が壁面40aから剥がれたり、浮き上がったりすることを防止できるとともに、コーナー部40に対する壁装用コーナー材1の接着性が向上する。
この結果、壁装材をコーナー部40に貼着する際、壁装用コーナー材1の貼着位置が変位することを確実に防止でき、壁装材を、コーナー部40に沿って綺麗に貼着することができる。
また、例えば巻尺や物差等の計測工具を使わなくても、壁装用コーナー材1に付設した目盛り線7Xを利用して、コーナー部40の寸法を正確に計測することができるので、上述のように計測した目盛り線7Xに沿って、壁装用コーナー材1を例えばハサミやナイフ、カッター等の切断具にて幅方向に切断すれば、壁装用コーナー材1を無駄なく有効に使用することができる。
したがって、壁装用コーナー材1を、コーナー部40と対応する長さや幅に正確に切って使用することができる。また、コーナー部40の施工時において、壁装用コーナー材1の廃棄量が少なくて済み、施工コストの低減を図ることができる。
また、壁装用コーナー材1を、出隅部20のコーナー部40に貼着する際、壁装用コーナー材1を折り曲げ罫線4が表側となるように折り曲げて貼着するが、その折り曲げ罫線4の表側に露出するR面部9を半径0.2mm以上に設定しているので(図14参照)、壁装材を、コーナー部40に貼着した壁装用コーナー材1が覆われるように施工しても、壁装材の前記R面部9と対応する部分に破れが生じることを防止できる。
したがって、壁装材を、コーナー部40に貼着した壁装用コーナー材1のR面に沿って綺麗に貼着することができる。
さらに、折り曲げ罫線4の凹状を有する曲面部4aの底部と凸状部4bとを長手方向Aに向けて凹凸状に配列しているので、折り曲げ罫線4が表側となるように折り曲げた際、その壁装用コーナー材1の上に貼着される壁装材が、折り曲げ罫線4の凹凸状を有するR面部9に対して部分的に接触することになる(図14参照)。
このため、壁装材に付与される引っ張り力が小さく、折り曲げ罫線4と対応する壁装材の角部分に、例えば破れや皺等が発生することを防止できるとともに、壁装材をコーナー部40に沿って良好な状態に貼着することができる。
次に、上述の壁装用コーナー材1を用いて、図8に示す入隅部30のコーナー部40を鋭角に出すための施工方法を説明する。
先ず、壁装用コーナー材1の折り曲げ罫線4を、入隅部30における2つの壁面40aが交わるコーナー部40の角度に合わせて裏側に向けて突出するように折り曲げる。
コーナー部40と対応する角度に折り曲げてなる壁装用コーナー材1の角部と、コーナー部40の角部とを真っ直ぐに一致させて、左右の平板3を、コーナー部40をなす2つの壁面40aに対して押し付けるとともに、該平板3の裏面に塗布した接着剤6にて2つの壁面40aに沿って仮貼着する。
仮貼着した壁装用コーナー材1は、透明なプラスチックシート2で構成しているため、壁装用コーナー材1の表面側からコーナー部40の壁面40aを透視することができる。これにより、壁装用コーナー材1がコーナー部40の壁面40aに対して密着した状態に貼着されているか否かを、作業者の目で確認することできる。
例えば壁装用コーナー材1の一部がコーナー部40の壁面40aから剥離したり、浮き上がったりする等の貼着不良が発生しても、壁装材を貼着するまえに、コーナー部40に仮貼着した壁装用コーナー材1の貼着具合を、コーナー部40の壁面40aに対してぴったりと密着した状態に貼着修正することができる。
また、壁装用コーナー材1をコーナー部40に貼着した際、コーナー部40と対応する角度に折り曲げた壁装用コーナー材1の角部が湾曲していれば、壁装用コーナー材1に付設した可視線部7Yにも湾曲が生じるため、壁装用コーナー材1の可視線部7Yを作業者の目で目視するだけで、壁装用コーナー材1の角部が湾曲しているか否かを即確認することができる。
これにより、壁装材を貼着するまえに、壁装用コーナー材1を、コーナー部40に沿って真っ直ぐに貼着された状態に貼着修正することができる。
この結果、出隅部20や入隅部30のコーナー部40を鋭角に出す施工作業の精度向上を図ることができる。
次に、パテ50を、壁装用コーナー材1の上からコーナー部40に塗布するとともに、左右の平板3の表面全体に対してほぼ均等に塗り付ける。また、平板3に形成した多数の孔部5にも塗り込むと同時に、平板3の端部と壁面40aの段差部分にも塗り付けて、平坦な状態に下地仕上げする。
この後、上述の壁装材を、コーナー部40に貼着した壁装用コーナー材1の上から、コーナー部40をなす2つの壁面40aに貼着するので、入隅部30のコーナー部40を鋭角に仕上げ施工することができる。
次に、幅広の壁装用コーナー材1を貼着するためのスペースが確保できない際の施工方法を説明する。図9は出隅部20と入隅部30とが近接している際の施工方法の説明図である。
図9に示すように、出隅部20が近接する入隅部30のコーナー部40に、幅広の壁装用コーナー材1を貼着するためのスペースが確保できない場合、上述の切断具により、壁装用コーナー材1に連設された一方又は両方の平板3を部分的に切除して、壁装用コーナー材1を、入隅部30のコーナー部40に対して貼着が許容される寸法に幅調整する。
次に、幅調整した壁装用コーナー材1を、入隅部30のコーナー部40と対応する角度に折り曲げるとともに、コーナー部40と対応する角度に折り曲げてなる壁装用コーナー材1の角部と、コーナー部40の角部とを真っ直ぐに一致させて、該壁装用コーナー材1をコーナー部40に沿って仮貼着する。
仮貼着した際、透明性を有する壁装用コーナー材1を介して、該壁装用コーナー材1がコーナー部40の壁面40aに対して密着した状態に貼着されているか否かを、作業者の目で確認する。もし、上述のような貼着不良が発生しても、壁装材を貼着するまえに、壁装用コーナー材1の貼着具合を、コーナー部40の壁面40aに対してぴったりと密着した状態に貼着修正することができる。
また、壁装用コーナー材1の可視線部7Yを作業者の目で目視するだけで、壁装用コーナー材1の角部が湾曲しているか否かを即確認することができる。もし、上述のような湾曲が壁装用コーナー材1の角部に生じても、壁装材を貼着するまえに、壁装用コーナー材1を、コーナー部40に沿って真っ直ぐに貼着された状態に貼着修正することができる。
この結果、入隅部30のコーナー部40を鋭角に出すことができ、良好な状態に仕上げ施工することができる。
(第2実施形態)
次に、図10を用いて、折り曲げ罫線4を、プラスチックシート2の表裏両面に付設した第2実施形態の壁装用コーナー材1について説明する。
図10は第2実施形態の壁装用コーナー材1の構成説明図であって、折り曲げ罫線4を表裏両面に付設した壁装用コーナー材1の端面断面図である。
なお、第2実施形態において、前記第1実施形態と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
前記実施形態の折り曲げ罫線4を、プラスチックシート2の表面のみに付設すれば、壁装用コーナー材1の表裏両方向への折り曲げ可能な柔軟性が得られるが、図10示すように、同一構成の折り曲げ罫線4をプラスチックシート2の表裏両面に付設すれば、表裏両方向に対して同等の柔軟性及び折り曲げ性が得られるだけでなく、一方の表面のみに付設するよりも、折り曲げ前の状態に復帰しようとする復元力が低下するので、特許文献1のコーナー材よりも柔軟性がさらに向上する。
この結果、壁装用コーナー材1の用途が、図7に示す出隅部20のみに限定されず、図8に示す入隅部30のコーナー部40を鋭角に出す作業の両方に用いることができるとともに、前記第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
上述の折り曲げ罫線4をプラスチックシート2の表裏両面に付設する際には、図11に示すローラ型成形機11を用いて付設する。
図11はローラ型成形機11による折り曲げ罫線2の表裏付設方法の説明図である。なお、図示のローラ方式だけでなく帯状の罫線刃(図示せず)を押し付けて付設するもよい。
詳述すると、帯状に連続する長尺のプラスチックシート2を、折り曲げ罫線4と対応する刃先形状の罫線刃12aが設けられた上下一対の成形ローラ12の間に挟み込みながら長手方向Aに連続搬送するとともに、成形ローラ12の周面中央部に設けた罫線刃12aを、プラスチックシート2の表裏両面の幅方向中央部に押し付ける。
上下成形ローラ12の罫線刃12aによって、プラスチックシート2の幅方向中央部を肉厚が薄くなるように加圧して、図3、図4に示すような溝条の折り曲げ罫線4を、プラスチックシート2の表裏両面に沿って長手方向Aに連続して付設する。
なお、折り曲げ罫線4を、プラスチックシート2の表面のみに付設する場合(図2[b]参照)、プラスチックシート2の裏面側を、罫線刃12aがない成形ローラ12にて支持する。また、折り曲げ罫線4を付設する工程の前段又は後段にて、孔部5と溝部8をプラスチックシート2に加工してもよい。
(第3実施形態)
次に、図12を用いて、凹状の窪み部4fを、折り曲げ罫線2の肉厚が薄い部分と対応してプラスチックシート2の裏面側に付設した第3実施形態の壁装用コーナー材1について説明する。
図12は第3実施形態の壁装用コーナー材1の構成説明図であって、図12[a]は窪み部4fを付設した折り曲げ罫線4の中央断面図、図12[b]は[a]に示す窪み部4fを付設した折り曲げ罫線4のX3−X3線断面図である。
なお、第3実施形態において、前記第1実施形態と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
上述の窪み部4fは、折り曲げ罫線2を付設する際、上述のローラ型成形機11にてプラスチックシート2を残厚部4eの肉厚が薄くなるように厚み方向に加圧して、プラスチックシート2の折り曲げ罫線2と対応する部分の組成物を高密度に圧縮した際に生じる該プラスチックシート2自体の歪によって形成する。
また、窪み部4fは、0.1mm程度の深さDに形成するとともに、折り曲げ罫線2の肉厚が薄い第1溝部3と対応する反対側の裏面側に形成している。
折り曲げ罫線2の幅W1は、プラスチックシート2の肉厚T1を基準として、1.5倍〜5倍の範囲に含まれる幅に形成している(図4参照)。
つまり、折り曲げ罫線2の幅W1を1.5倍以下に狭く設定すると、壁装用コーナー材1を、折り曲げ罫線2が外側となるように折り曲げて、出隅部20のコーナー部40に貼着した際(図7参照)、折り曲げ罫線2の曲率半径(アール)が小さくなるので、例えばヒビや割れ等が発生しやすくなる。
また、壁装用コーナー材1を、折り曲げ罫線2が内側となるように折り曲げて、入隅部30のコーナー部40に貼着した際(図8参照)、折り曲げ罫線2の幅方向両角部が互いに当接するので、壁装用コーナー材1の折り曲げ性が悪くなる。
したがって、折り曲げ罫線2の幅W1を、上述の範囲に含まれる幅に形成すれば、壁装用コーナー材1を、折り曲げ罫線2が外側となるように折り曲げた際、窪み部4fによって、壁装用コーナー材1自体の復元力や反発力が弱められる。
また、壁装用コーナー材1を、折り曲げ罫線2が内側となるように折り曲げた際、窪み部4fが内側に向けて引っ張られるため、例えばヒビや割れ、粉末等が発生することを防止できる。
これにより、壁装用コーナー材1を、出隅部20や入隅部30のコーナー部40の角部と対応する角度に折り曲げ易くすることができるとともに、その折り曲げた壁装用コーナー材1の角部と、コーナー部40の角部とを一致させて真っ直ぐに貼着することができる。
この結果、コーナー部40を鋭角に出すことができるとともに、コーナー部40を良好な状態に仕上げ施工することができるので、前記第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
次に、図13を用いて、上述の溝部8を、図5[b]に示すパターン以外のパターンに形成した他の実施例について説明図する。
なお、他の実施例において、前記実施形態と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
図13[a]は線状の溝部8bを斜め交差して左右に配列したパターンである。また、図13[b]は線状の溝部8b縦横に交差して格子状に配列したパターンである。また、図13[c]は溝部8bに代えて微細な穴部8cをサンドブラストにて形成したパターンである。また、図13[d]は線状の溝部8bをプラスチックシート2の長手方向Aと平行して並列に配列したパターンである。また、図13[e]は凹状の窪み部8dを等間隔に隔てて配列したパターンである。あるいは、窪み部8dに代えて凸状の突起(図示せず)を配列してもよい。
つまり、溝部8bや穴部8c、窪み部8dを、上述のようなパターンに配列してもよく、壁装用コーナー材1に対するパテ50の接着性が高くなり、前記第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。なお、上述のパターン以外のパターンに配列してもよい。
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の凹部は、実施形態の溝部8,8b、穴部8c、窪み部8dに対応し、
以下同様に、
凸部は、バリ8aや突起等に対応し、
凹状部は、凹状を有する曲面部4aの底部に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、例えば平板に孔部がないもの等の請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
本実施形態では、プラスチックシート2の幅方向B全体を透明に形成した構成を説明したが、プラスチックシート2の幅方向Bの少なくとも一部を透明に形成してもよい。例えばプラスチックシート2の幅方向中央部、幅方向右側部、幅方向左側部のうちいずれか一つの部分、あるいは、中央部と右側部、右側部と左側部等の複数部分を透明に形成してもよい。
また、孔部5を、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、星形、菱形等の形状に形成してもよく、丸形状に比べて孔内周の表面積が大きくなるので、パテ50の接着性が高くなり、壁装用コーナー材1を、コーナー部40に対して強固に貼着することができる。
1…壁装用コーナー材
2…プラスチックシート
3…平板
4…折り曲げ罫線
4a…曲面部
4b…凸状部
4c…第1溝部
4d…第2溝部
4e…残厚部
4f…窪み部
5…孔部
6…接着剤
7X…目盛り線
7Y…可視線部
8…溝部
8a…バリ
8b…溝部
8c…穴部
8d…窪み部
9…R面部
10…ワイヤーブラシ
11…ローラ型成形機
12…成形ローラ
12a…罫線刃
20…出隅部
30…入隅部
40…コーナー部
40a…壁面
50…パテ

Claims (12)

  1. 2つの壁面が交わる出隅部又は入隅部のコーナー部に沿って貼着される壁装用コーナー材であって、
    前記壁装用コーナー材を、
    透視が許容される透明性を有する帯状のプラスチックシートで構成するとともに、
    前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面の幅方向中央部に配置され、該プラスチックシートに沿って長手方向に連続して付設した溝条の折り曲げ罫線と、
    該折り曲げ罫線の両側部に形成され、該折り曲げ罫線に沿って表裏両方向に対して折り曲げ可能に連設した左右一対の平板とを備え
    前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面に付設した折り曲げ罫線の底部に、該底部に形成した凸状部と該凸状部よりも低い凹状部とを該折り曲げ罫線に沿って長手方向に配列した
    壁装用コーナー材。
  2. 前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面の幅方向中央部付近に配置され、前記折り曲げ罫線に沿って長手方向に付設された視認可能な色を有する可視線部を備えた
    請求項1に記載の壁装用コーナー材。
  3. 前記平板に、
    該平板の厚み方向に貫通する多数の孔部を形成するとともに、該各孔部を前記平板に沿って長手方向に所定間隔を隔てて配列した
    請求項1又は2に記載の壁装用コーナー材。
  4. 前記平板の表裏両面のうち少なくとも一方の面に、多数の微細な凹部と凸部のうちいずれか一方、あるいは、多数の微細な凹部及び凸部の両方を付設した
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の壁装用コーナー材。
  5. 前記凹部と前記凸部の付設面積を、単位面積当り10%以上となるように設定した
    請求項4に記載の壁装用コーナー材。
  6. 前記孔部の内周面を、
    前記平板の前記壁面に貼着される一方の面から、該平板の他方の面に向けて徐々に内径が大きくなるテーパ面に形成した
    請求項3に記載の壁装用コーナー材。
  7. 前記平板の前記壁面に貼着される面に、該平板を該壁面に対して接着する接着手段を備えた
    請求項1〜6のいずれか一つに記載の壁装用コーナー材。
  8. 前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面に、該プラスチックシートに沿って長手方向に所定間隔を隔てて目盛り線を付設した
    請求項1〜7のいずれか一つに記載の壁装用コーナー材。
  9. 前記折り曲げ罫線を、
    前記プラスチックシートに付設される折り曲げ罫線の深さより低い凸状部を、該折り曲げ罫線の底部に沿って長手方向に配列し、
    該折り曲げ罫線の肉厚が最も薄い部分を基準として、該部分から離れるに従って徐々に浅くなる溝形状に形成し、
    前記折り曲げ罫線の幅を、前記プラスチックシートの肉厚を基準として、1.5倍〜5倍の範囲に含まれる幅に設定し、
    前記折り曲げ罫線の深さを、前記プラスチックシートの肉厚を基準として、0.4倍〜0.95倍の範囲に含まれる深さに設定し、
    前記凸状部の高さを、前記折り曲げ罫線の深さを基準として、5%〜95%の範囲に含まれる高さに設定した
    請求項1〜8のいずれか一つに記載の壁装用コーナー材。
  10. 前記壁装用コーナー材を前記折り曲げ罫線が表側となるように折り曲げた際に形成されるR面部を、半径0.2mm以上のR面に設定した
    請求項1〜9のいずれか一つに記載の壁装用コーナー材。
  11. 前記プラスチックシートの肉厚を、0.2mm〜0.8mm程度の範囲に含まれる肉厚に設定した
    請求項1〜10のいずれか一つに記載の壁装用コーナー材。
  12. 2つの壁面が交わる出隅部又は入隅部のコーナー部に沿って貼着される壁装用コーナー材の成形方法であって、
    透視が許容される透明性を有する帯状のプラスチックシートを厚み方向に加圧する上下一対の成形ローラのうち少なくとも一方のローラの周面に、該プラスチックシートに対して溝条の折り曲げ罫線を付設するための罫線刃を周設し、
    前記成形ローラの罫線刃を前記プラスチックシートの厚み方向に押し付けるとともに、前記上下一対の成形ローラにて前記プラスチックシートを長手方向に搬送しながら、前記折り曲げ罫線を前記プラスチックシートの幅方向中央部に対して長手方向に連続して付設し、
    前記プラスチックシートの表裏両面のうち少なくとも一方の面に付設した折り曲げ罫線の底部に、該底部に形成した凸状部と該凸状部よりも低い凹状部とを該折り曲げ罫線に沿って長手方向に配列した
    壁装用コーナー材の成形方法。
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