JP5962228B2 - 湯水混合水栓装置 - Google Patents
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Description
従来、このような課題を解決する為には、湯水混合水栓内部に溜まった湯水を予め抜くことによって、内部に蓄積した水分の凍結による湯水混合水栓装置の破壊を防止することが行われている。
このように構成された本発明においては、通水孔、通湯孔内部に水分が蓄積した状態で気温が低下し、凍結・膨張することでシール部材にかかる圧力が増大した場合であっても、湯水混合バルブユニットと通水孔、通湯孔との間をシールしているシール部材の少なくとも一部が圧抜きスペースへ移動して非シール状態となる為に、水の膨張による圧力が抜けることでき、通水孔、通湯孔を有する本体部材や、湯水混合バルブユニットが破損してしまうことを防止することが可能となる。
また、このように構成された本発明においては、Oリングや複数のOリングが連なったような異形のパッキンを用い、本体や湯水混合バルブユニットの耐久圧力よりも、弾性部材の変形に要する力を小さく設定することで、確実に非シール状態とすることが可能となる。
このように構成された本発明においては、シール部材の移動・変形にとって文字通り障壁となる部材が存在しないため、より確実に非シール状態へ移行することが可能となる。
このように構成された本発明においては、通水孔、通湯孔内部に水分が蓄積した状態で気温が低下し、凍結・膨張することでシール部材にかかる圧力が増大した場合であっても、湯水混合バルブユニットと通水孔、通湯孔との間をシールしているシール部材の少なくとも一部が圧抜きスペースへ移動して非シール状態となる為に、水の膨張による圧力が抜けることでき、通水孔、通湯孔を有する本体部材や、湯水混合バルブユニットが破損してしまうことを防止することが可能となる。
また、このように構成された本発明においては、シール部材の移動・変形にとって文字通り障壁となる部材が存在しないため、より確実に非シール状態へ移行することが可能となる。
このように構成された本発明においては、一般的な湯水混合バルブユニットを用いながら、寒冷地などで使用した場合であっても、本体部材や湯水混合バルブユニットの破損を抑制することが可能となる。
このように構成された本発明においては、通水孔、通湯孔内部に水分が蓄積した状態で気温が低下し、凍結・膨張することでシール部材にかかる圧力が増大した場合であっても、湯水混合バルブユニットと通水孔、通湯孔との間をシールしているシール部材の少なくとも一部が圧抜きスペースへ移動して非シール状態となる為に、水の膨張による圧力が抜けることでき、通水孔、通湯孔を有する本体部材や、湯水混合バルブユニットが破損してしまうことを防止することが可能となる。
また、このように構成された本発明においては、二つある立壁のうち、短いほうの側に圧抜きスペースが設けられることになるため、より非シール状態へ移行しやすくなり、本体部材や湯水混合バルブユニットの破損を抑制しやすくなる。
このように構成された本発明においては、Oリングや複数のOリングが連なったような異形のパッキンを用い、本体や湯水混合バルブユニットの耐久圧力よりも、弾性部材の変形に要する力を小さく設定することで、確実に非シール状態とすることが可能となる。
このように構成された本発明においては、二つある立壁のうち、短いほうの側に圧抜きスペースが設けられることになるため、より非シール状態へ移行しやすくなり、本体部材や湯水混合バルブユニットの破損を抑制しやすくなる。
まず、図1は、本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置を斜め前方から見た概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置1は、給湯源(図示せず)から供給される湯と給水源(図示せず)から供給される水を混合し、1つの操作ハンドル2を操作することにより湯水の流量と温度を調整した湯水をスパウト4の吐水口4aから吐止水することができる、いわゆる、シングルレバー式の湯水混合水栓装置である。
また、操作ハンドル2を図1に示されている右方向(図1に示されている矢印「C」の方向)に回動操作した場合には、スパウト4の吐水口4aから吐出される湯水の温度を低温側に設定することができるようになっている。一方、操作ハンドル2を図1に示されている左方向(図1に示されている矢印「H」の方向)に回動操作した場合には、スパウト4の吐水口4aから吐出される湯水の温度を高温側に設定することができるようになっている。
図2は本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置を示す背面断面図であり、図3は本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置を示す側面断面図であり、図4は本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置を示す分解斜視図である。
図2〜図4に示すように、湯水混合水栓装置1は、カウンター6を上下方向に貫く取付穴6aの上縁に密封して取り付けられるシートパッキン12と、このシートパッキン12の上面に取り付けられた金属製の台座部材8と、馬蹄形状の固定金具14と、この固定金具14に締結される締付金具16と、台座部材8の上方に取り付けられる樹脂製の通水路形成部材10と、この通水路形成部材10を台座部材8上に固定する一対のねじ部材18と、この通水路形成部材10の上方に取り付けられる湯水混合バルブユニット20と、この湯水混合バルブユニット20の外周を取り囲む円筒部材22と、この円筒部材22の内側に取り付けられるほぼ円環状の押さえ部材24と、この押さえ部材24の3箇所に形成された取付孔24aのそれぞれに取り付けられるビス部材26と、円筒部材22の外周を取り囲む本体カバー28とを備えている。
図2〜図5に示すように、湯水混合水栓装置1の台座部材8は、カウンター6の取付穴6aの表側(上側)に取り付けられたシートパッキン12を介して常時カウンター6の上面よりも上側に位置し、カウンター6の取付穴6aの上方を覆っている。また、台材部材8は、カウンター6の裏側(下側)から取り付けられた固定金具14と共にカウンター6を挟み込んだ状態で締付金具16を締め付けることにより、カウンター6上に固定されるようになっている。また、万一、樹脂製の通水路形成部材10が破損して漏水した場合であっても、台座部材8とカウンター6の取付穴6aとの間がシートパッキン12により密封されているため、漏水をカウンター6上のみに留め、漏水がカウンターの取付穴から台座部材8の下方に漏出することを防ぐことができ、早期に漏水を発見しやすくすることができるようになっている。
図2〜図8に示すように、湯水混合水栓装置1の樹脂製の通水路形成部材10は、台座部材8の上方に取り付けられた状態で台座部材8の通湯孔8a及び通水孔8bのそれぞれと連通する通湯路10a及び通水路10bを内部にそれぞれ形成すると共に、これらの通湯路10a及び通水路10bのそれぞれを通過させて湯水混合バルブユニット20の湯水混合室20a内で混合された湯水をスパウト4に流出させる湯水混合路10cを内部に形成している。
図6〜図10に示すように、通水路形成部材10の外周には、樹脂製のナットホルダ部材38が着脱可能に取り付けられている。このナットホルダ部材38は、その一部に切欠き38aが形成されたほぼ円環形状であり、三箇所に金属製のナット40が固定されている。
また、ナットホルダ部材38は、通水路形成部材10にナットホルダ部材38を着脱する際、切欠き38aの水平方向の幅が伸縮するように弾性変形可能であり、ナットホルダ部材38の全体について、樹脂製の通水路形成部材10に対して着脱可能な弾性を保持しつつ、剛性を備えた材料で形成されている。なお、図9に示すナットホルダ部材38においては、弾性変形前後のそれぞれの状態を実線及び破線でそれぞれ示している。
さらに、通水路形成部材10の外周にナットホルダ部材38が取り付けられた状態では、通水路形成部材10の上面の三箇所から下方に延びるように形成された3つのビス取付孔10eのそれぞれが、ナットホルダ部材38のナット40の取付孔40aのそれぞれと上下方向に対向して互いに一致するようになっている。
このとき、異形パッキン39は湯水混合バルブユニット20の下面に形成された異形パッキン保持部(図示せず)に保持された状態となる。上方より湯水混合バルブユニット20を接続することで、通水路形成部材10のパッキン載置部10fに異形パッキン39が載る形となり、両者の間は液密的にシールされることになる。本実施例においては、パッキン載置部10fは一様に平面として構成されているが、パッキン載置部10fに異形パッキン39を位置決めするための壁面を設けることも出来る。この場合、壁面の高さは異形パッキン39の厚みや通水路形成部材10と湯水混合バルブユニット20との距離よりも低いことが好ましい。
内部の水分が凍結していない、通常の状態においては、図12(a)に示すように異形パッキン39は通水路形成部材10の通湯路10a、通水路10b、湯水混合路10cの周囲にそれぞれ載った状態で位置している。通湯路10aおよび通水路10bは、通常の使用状態においては常に湯・水で満たされた状態となっており、異形パッキン39には常に外側へ水圧が掛かる状態となっているが、通水路形成部材10と湯水混合バルブユニット20との締結により上下から挟みこまれることで、脱落しないように保持されている。
内部の水分が凍結した状態の模式図を図12(b)に示す。内部の水分が凍結することで膨張し、異形パッキン39にはそれぞれの中心から、貫通孔10dの方向へ拡張しようとする力が作用することになる。異形パッキン39は、自身に作用する力によって外方向へ拡経され、その一部が貫通孔10d(圧抜きスペース)へ脱落する状態となる。この状態に達すると、通湯路10a及び通水路10bと湯水混合バルブユニット20との間のシールは破られ、内部の水分は貫通孔10dへとはみ出すことが可能になる。これにより、通湯路10a、通水路10dを形成する通水路形成部材10や湯水混合バルブユニット20に水分の凍結・膨張の圧力が作用することで破壊されるという問題を回避することが出来る。
本実施例においては、圧抜きスペースを通水路形成部材10に設けたが、湯水混合バルブユニット20側に圧抜きスペースを設けてもよく、通水路形成部材10と湯水混合バルブユニット20の双方に設けてもよい。
湯水混合水栓装置1を使用する際、図1に示すように、操作ハンドル2を矢印「開」の方向に引き上げ、必要に応じて、操作ハンドル2を矢印H又は矢印Cの方向に回動操作を行うと、通水路形成部材10の通湯路10a及び通水路10bのそれぞれと湯水混合路10cとが連通するように可動弁体44が摺動及び又は回転移動し、通水路形成部材10の通湯路10a及び通水路10bのそれぞれから湯と水が流出し、固定弁体保持部材50の通湯路50a及び通水路50bを経て湯水混合室20a内に流入する。そして、この湯水混合室20a内で混合されて所定の流量で所定の温度に調整された湯水は、固定弁体保持部材50の湯水混合路50cを経て通水路形成部材10の湯水混合路10cからスパウト4の流入口4cに流入し、吐水口4aから吐水される。
また、スパウト4の吐水口4aの水平方向の位置を変更したい場合には、スパウト4のカバー部4bを湯水混合水栓装置1の中心軸線Aを中心に図1に示されている右方向(図1に示されている矢印「R」の方向)又は図1に示されている左方向(図1に示されている矢印「L」の方向)に回動させ、スパウト4の全体を湯水混合水栓装置1の中心軸線Aを中心に旋回させる。
2 操作ハンドル
2a 軸受部
4 スパウト
4a 吐水口
4b カバー部(カバー部材)
4c 流入口
6 カウンター
6a カウンターの取付穴
8 台座部材
8a 通湯孔
8b 通水孔
8c 雌ねじ孔
8d 台座中心部材
8e 台座周辺部竿
8f 給湯ホース貫通孔
8g 給水ホース貫通孔
10 通水路形成部材
10a 通湯路
10b 通水路
10c 湯水混合路
10d 貫通孔(圧抜きスペース)
10e ビス取付孔
12 シートパッキン
14 固定金具
16 締付金具
18 ねじ部材
20 湯水混合バルブユニット
20a 湯水混合室
22 円筒部材
22a 保持部
22b 保持部の内周縁
22c キー溝
24 押さえ部材
24a 取付孔
24b 中央穴
26 ビス部材
28 本体カバー
28a 係止突起
28b 開口部
30 給湯ホース(給湯源)
30a 接続部
32 給水ホース(給水源)
32a 接続部
34、35 平パッキン
36、37 Oリング
38 ナットホルダ部材
38a 切欠き
39 異形パッキン
40 ナット
40a 取付孔
42 ケーシング部材
42a 段部
44 可動弁体
46 操作軸部材
48 固定弁体
50 固定弁体保持部材
50a 通湯路
50b 通水路
50c 湯水混合路
Claims (7)
- シングルレバー式の湯水混合水栓装置であって、
供給された湯・水を混合、通・止水する湯水混合バルブユニットと、
前記湯水混合バルブユニットへ湯・水を送水する通水孔、通湯孔を有する本体と、
前記湯水混合バルブユニットと、前記通水孔、前記通湯孔との間を水密にシールするシール部材と、
前記通水孔、前記通湯孔の周囲に形成され、前記通水孔、前記通湯孔からの圧力が一定以上となった場合に、前記シール部材が移動して非シール状態となる為の圧抜きスペースと、を備え、
前記シール部材は、弾性部材により構成されており、
前記通水孔、前記通湯孔からの圧力が一定以上となった場合に、
前記シール部材が変形して、前記通水孔、前記通湯孔の外方向に拡径され、前記シール部材の少なくとも一部が前記圧抜きスペースへ移動して非シール状態となることを特徴とする湯水混合水栓装置。 - 前記本体又は前記湯水混合バルブユニットの何れか一方に圧抜きスペースが設けられており、
前記本体および前記湯水混合バルブユニットの前記シール部材と接する面の周囲に立壁が設けられており、
前記圧抜きスペースが設けられている部材に設けられた立壁のほうが短いことを特徴とする請求項1に記載の湯水混合水栓装置。 - シングルレバー式の湯水混合水栓装置であって、
供給された湯・水を混合、通・止水する湯水混合バルブユニットと、
前記湯水混合バルブユニットへ湯・水を送水する通水孔、通湯孔を有する本体と、を備え、
前記湯水混合バルブユニットと、前記通水孔、前記通湯孔との間をシール部材によって水密にシールし、
前記通水孔、前記通湯孔の周囲に、前記通水孔、前記通湯孔からの圧力が一定以上となった場合に、前記シール部材が移動して非シール状態となる為の圧抜きスペースを、前記本体又は前記湯水混合バルブユニットの何れか一方に有し、
前記本体および前記湯水混合バルブユニットの前記シール部材と接する面の周囲に立壁が設けられており、
前記圧抜きスペースが設けられている部材に設けられた立壁のほうが短いことを特徴とする湯水混合水栓装置。 - 前記圧抜きスペースが前記本体に設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の湯水混合水栓装置。
- シングルレバー式の湯水混合水栓装置であって、
供給された湯・水を混合、通・止水する湯水混合バルブユニットと、
前記湯水混合バルブユニットへ湯・水を送水する通水孔、通湯孔を有する本体と、を備え、
前記湯水混合バルブユニットと、前記通水孔、前記通湯孔との間をシール部材によって水密にシールし、
前記通水孔、前記通湯孔の周囲に、前記通水孔、前記通湯孔からの圧力が一定以上となった場合に、前記シール部材が移動して非シール状態となる為の圧抜きスペースを有し、 前記本体又は前記湯水混合バルブユニットの何れか一方のみの前記シール部材と接する面の周囲に立壁が設けられていることを特徴とする湯水混合水栓装置。 - 前記シール部材が弾性部材により構成されており、前記通水孔、前記通湯孔からの圧力が一定以上となった場合に変形することによって、非シール状態となることを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の湯水混合水栓装置。
- 前記本体又は前記湯水混合バルブユニットの何れか一方のみの前記シール部材と接する面の周囲に立壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の湯水混合水栓装置。
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