以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従ってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける遠隔制御システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、遠隔制御システム1は、それぞれがネットワーク3に接続された複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、情報処理装置200と、無線局5と、を含む。このため、MFP100,100A,100C各々は、ネットワーク3を介して互いに通信可能である。
なお、図ではネットワーク3に、画像処理装置の一例として3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、画像を処理する機能を備えた装置であれば、例えば、コンピュータ、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク3は、インターネットに接続されている。このため、MFP100,100A,100B各々は、インターネットに接続されたサーバー等のコンピュータと通信が可能である。
情報処理装置200は、電子ペーパー、またはスマートホン等の通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistants)である。ここでは、情報処理装置200を、スマートホンとする場合を例に説明する。情報処理装置200は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。また、情報処理装置200は、無線LAN機能を備えている。
ネットワーク3には無線局5がさらに接続される。無線局5は、ネットワーク3の中継装置であり、無線LAN通信機能を備えた情報処理装置200と通信して、情報処理装置200をネットワーク3に接続する。このため、情報処理装置200は、ネットワーク3に接続された、MFP100,100A,100Bとデータの送受信が可能である。
本実施の形態における遠隔制御システム1においては、情報処理装置200と、MFP100,100A,100Bのいずれかと、が通信し、データが送受信される。データを送受信するプロトコルは、特に限定されることはなく、任意のプロトコルを用いることが可能である。
また、情報処理装置200は、MFP100,100A,100Bそれぞれを遠隔操作するための複数種類のアプリケーションプログラムをインストール可能である。情報処理装置200に、アプリケーションプログラムを実行させることによって、MFP100,100A,100Bそれぞれに種々の処理を実行させることができる。アプリケーションプログラムは、MFP100,100A,100Bそれぞれに、画像を形成させる処理を実行させるアプリケーションプログラム、原稿を読み取らせる処理を実行させるアプリケーションプログラム、MFP100,100A,100Bそれぞれが記憶するデータに対する処理を実行させるアプリケーションプログラム、を含む。情報処理装置200がMFP100,100A,100Bのいずれかを遠隔操作する処理は、すべて同じなので、以下の説明では、特に言及しない限り、情報処理装置200が、MFP100を遠隔操作する場合を例に説明する。
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有しているとし、特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
図2は、MFPのハードウエア構成の概要を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160と、第1電源回路171と、第2電源回路173と、スイッチ175と、を含む。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部163は、表示部161の表示面で、ユーザーにより指示された位置を検出するタッチパネル165をさらに含む。タッチパネル165は、表示部161の上面または下面に設けられ、ユーザーにより指示された位置の座標をCPU111に出力する。
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像が形成された用紙を後処理部155に排出する。
後処理部155は、用紙を蓄積するための複数のビンを備え、画像形成部140から搬送される1以上の用紙に対して後処理を実行する。後処理は、1以上の用紙を複数のビンに順に搬送することによって複数のセットに分類するソート処理、用紙にパンチ穴加工するパンチ処理、用紙にステープル針を打ち込むステープル処理を含む。なお、後処理は、これらに限定されるものではなく、1以上の用紙を、搬送または加工する処理であれば、他の処理を含むようにしてもよい。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してネットワーク3に接続された他のMFP100A,100Bまたは無線局5との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、ファクシミリデータを送受信する。ファクシミリ部117は、原稿読取部130により読み取られた画像データまたはHDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。また、ファクシミリ部117は、受信されたファクシミリデータをHDD116に記憶するか、画像形成部140にファクシミリデータの画像を用紙に形成させる。
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置119に装着されたCD−ROM119Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワークに接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
第1電源回路171は、商用電源と接続され、平滑回路とDC(直流)/DCコンバータと、を含む。第1電源回路171は、商用電源から供給される交流を直流に変換し、スイッチ175および第2電源回路173に出力する。
第2電源回路173は、二次電池174を含む。二次電池174は、第1電源回路171から供給される電力を蓄電し、蓄電した電力をスイッチ175に出力する。二次電池174は、リチウムイオン電池、ニッカド電池、鉛蓄電池等である。なお、二次電池174に代えて、リチウムイオンキャパシター、電気二重層キャパシターを用いるようにしてもよい。
第1電源回路171および第2電源回路173は、メイン回路110、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160に電力を供給する電力供給源である。
スイッチ175は、CPU111により制御され、メイン回路110、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160に電力を供給する電力を、第1電源回路171から出力される電力と第2電源回路173から出力される電力とのいずれかに切り換える。なお、スイッチ175が第2電源回路173から出力される電力に切り換えている間は、第1電源回路171から第2電源回路173に電力を供給しないようにしてもよい。
後述するように、MFP100は、動作モードを通常モードと、通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードのいずれかに切り換える。自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160は、通常モードの場合に第1電源回路173または第2電源回路173のいずれかから電力の供給を受けて駆動し、電力を消費するが、省電力モードの場合に駆動することなく電力の消費を低くする。なお、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160が駆動しない状態は、機能を実行しない状態を含む。機能を実行しない状態とは、通電するが、機能を実行するための準備のための待機状態を含む。例えば、画像形成部140が転写ローラーの温度を所定の温度に維持する処理を実行する状態であり、トナーを用紙に転写する機能を実行しない状態である。待機状態においては、通常モードよりも消費電力が小さい。メイン回路110は、省電力モードおよび通常モードのいずれの場合においても第1電源回路173または第2電源回路173のいずれかから電力の供給を受けて駆動し、電力を消費する。なお、ここでは、動作モードを通常モードと省電力モードとの2つにしたが、通常モードは、消費電力の異なる複数あってもよい。例えば、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160のうち一部が駆動し、他の部分は駆動しない動作モードを含んでもよい。
第1電源回路171は、MFP100が通常モードで駆動する場合の最大消費電力(第1の電源回路の出力電力)における電力変換効率が最適となるように設計されている。このため、MFP100の動作モードが通常モードの場合における第1電源回路171の電力変換効率は、省電力モードの場合における第1電源回路171の電力変換効率よりも高い。従って、MFP100の動作モードが省電力モードの場合に、第2電源回路173から電力を供給すれば、第1電源回路171から電力を供給する場合に発生する電力変換損失をなくすことができ、無駄な電力の消費を低減することができる。
図3は、情報処理装置のハードウエア構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、情報処理装置200は、情報処理装置200の全体を制御するためのCPU211と、カメラ212と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ213と、通話部215と、通話部215と接続された無線通信部214と、情報を表示する表示部216と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部217と、無線LANインターフェース(I/F)218と、を含む。
無線通信部214は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部214は、情報処理装置200を電話通信網に接続し、通話部215を用いた通話を可能とする。無線通信部214は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部215に出力する。また、無線通信部214は、通話部215から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部215は、マイクおよびスピーカを備え、無線通信部214から入力される音声をスピーカから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部214に出力する。さらに、無線通信部214は、CPU211により制御され、携帯電話用基地局を介してデータを送受信し、例えば、情報処理装置200をインターネットに接続する。
カメラ212は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサーに結像し、CMOSセンサーは受光した光を光電変換して画像データをCPU211に出力する。
表示部216は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや,外部から受信されたデータ等を表示する。操作部217は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。
また、操作部217は、タッチパネル217Aを含む。タッチパネル217Aは、表示部216の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。タッチパネル217Aは、表示部216の上面または下面に設けられ、ユーザーにより指示された位置の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、マルチタッチスクリーンパネルであり、同時に複数の位置がユーザーにより指示される場合、ユーザーにより指示された複数の位置にそれぞれ対応する複数の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、表示部216の表示面と同じまたはそれ以上のサイズであるのが好ましい。タッチパネル217Aは、表示部216に重畳して設けられるので、タッチパネル217Aは、ユーザーが表示部216の表示面を指示すれば、表示部216の表示面中でユーザーが指示した1以上の位置にそれぞれ対応する1以上の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
無線LANI/F218は、無線局5と通信し、情報処理装置200をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。情報処理装置200は、無線LANI/F218を介してMFP100,100A、100Bと通信することができ、データの送受信が可能である。
図4は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。図4を参照して、CPU111は、操作状態検出部51と、通信制御部53と、動作モード切換部55と、電源切換部57と、を含む。
操作状態検出部51は、操作パネル160の操作状態を検出する。操作状態は、ユーザーが操作パネル160を操作する操作中状態と、ユーザーが操作パネル160を操作していない非操作状態と、を含む。操作状態検出部51は、操作部163が備えるハードキーが押下される場合、または、タッチパネル165がユーザーにより指示される場合に、ユーザーが入力する操作を検出する。操作状態検出部51は、ユーザーが入力する操作を検出してから所定時間の間を、操作中状態に決定する。所定時間経過する前にユーザーが入力する別の操作を検出する場合、操作中状態を継続させ、別の操作を検出した時点を所定時間を計時する起算時とする。操作状態検出部51は、操作中状態以外の期間を非操作状態とし、操作状態を動作モード切換部55および電源切換部57に出力する。
通信制御部53は、通信I/F部112を制御し、情報処理装置200と通信する。通信制御部53は、動作モード切換指令受信部61と、供給源切換指令受信部63と、通信状態検出部65と、を含む。通信状態検出部65は、通信I/F部112が情報処理装置200と通信を開始してから通信が切断されるまでの通信状態を検出する。通信状態検出部65は、通信I/F部112が情報処理装置200から通信を開始する要求を受信すると、通信中状態を検出する。通信状態検出部65は、通信I/F部112が情報処理装置200から通信を終了する要求を受信する場合、または、通信I/F部112が通信中状態を検出していた情報処理装置200と通信できなくなる場合に、通信が切断したと判断し、非通信状態を検出する。通信状態検出部65は、通信状態を電源切換部57に出力する。
動作モード切換指令受信部61は、通信I/F部112が情報処理装置200から動作モード切換指令を受信すると、その動作モード切換指令を取得し、動作モード切換部55に出力する。動作モード切換指令は、動作モードを通常モードに切り換える指令と、動作モードを省電力モードに切り換える指令と、を含む。
供給源切換指令受信部63は、通信I/F部112が情報処理装置200から供給源切換指令を受信すると、その供給源切換指令を取得し、電源切換部57に出力する。供給源切換指令は、電力供給源を第1電源回路171に切り換える指令と、電力供給源を第2電源回路173に切り換える指令と、を含む。
動作モード切換部55は、操作状態検出部51から操作状態が入力され、動作モード切換指令受信部61から動作モード切換指令が入力される。動作モード切換部55は、MFP100の動作モードを通常モードと省電力モードとのいずれかに切り換える。なお、ここでの省電力モードは、通常モードよりも消費電力が低い動作モードであり、1つであってもよいし、消費電力の異なる複数の動作モードを含んでもよい。ここでは説明のために省電力モードが1つ動作モードの場合を例に説明する。
動作モード切換部55は、操作状態検出部51から入力される操作状態が操作中状態の間は動作モードを通常モードに切り換える。操作状態検出部51から入力される操作状態が非操作状態の間は、動作モード切換指令に従って動作モードを切り換える。動作モード切換部55は、操作状態検出部51から入力される操作状態が操作中状態から非操作状態に切り換わると、動作モードを省電力モードに切り換える。なお、操作中状態から非操作状態に切り換わってからユーザーにより定められた時間が経過した後に動作モードを通常モードから省電力モードに切り換えるようにしてもよい。
動作モード切換部55は、操作状態検出部51から非操作状態が入力されている間は、動作モード切換指令受信部61から通常モードに切り換える指令である動作モード切換指令が入力されると、動作モードを通常モードに切り換え、動作モード切換指令受信部61から省電力モードに切り換える指令である動作モード切換指令が入力されると、動作モードを省電力モードに切り換える。
電源切換部57は、操作状態検出部51から操作状態が入力され、供給源切換指令受信部63から供給源切換指令が入力され、通信状態検出部65から通信状態が入力される。電源切換部57は、スイッチ175を制御して、電力供給源を、第1電源回路171と第2電源回路173とのいずれかに切り換える。
電源切換部57は、操作状態検出部51から非操作状態を示す操作状態が入力されており、かつ、通信状態検出部65から通信中状態が入力されている場合に、第1電源回路171に切り換える供給源切換指令が入力されると、電力供給源を第1電源回路171に切り換え、第2電源回路173に切り換える供給源切換指令が入力されると、電力供給源を第2電源回路173に切り換える。
電源切換部57は、操作状態検出部51から非操作状態を示す操作状態が入力されており、電力供給源を第2電源回路173に切り換えている時に、通信状態検出部65から入力される通信状態が通信中状態から非通信状態に変化すると、電力供給源を第1電源回路171に切り換える。
電源切換部57は、操作状態検出部51から操作中状態を示す操作状態が入力されている場合は、電力供給源を第1電源回路171に切り換え、通信状態検出部65から入力される通信状態および供給源切換指令受信部63から入力される供給源切換指令に係わらず、電力供給源を第1電源回路171に切り換えた状態を維持する。
図5は、情報処理装置が備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図5に示す機能は、情報処理装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶され、MFP100を遠隔制御するためのアプリケーションプログラムを実行することにより、CPU211に形成される機能である。
図5を参照して、CPU211は、遠隔制御部251と、動作モード選択部253と、動作モード切換指令送信部255と、電力供給源決定部257と、供給源切換指令送信部259と、を含む。
遠隔制御部251は、アプリケーションプログラムを選択するアプリ選択部261と、選択されたアプリケーションプログラムを実行するアプリ実行部263と、アプリ実行部263の遠隔操作状態を検出する状態検出部265と、を含む。アプリ選択部261は、情報処理装置200を操作するユーザーによる操作に従ってアプリケーションプログラムを選択する。ここでは、情報処理装置200に、予めMFP100を遠隔制御するためのアプリケーションプログラムとして、MFP100に、画像を形成する処理を実行させる画像形成アプリと、原稿を読み取る処理を実行させるスキャンアプリと、MFP100のHDD116に記憶されているデータを電子メールで送信する処理を実行させるデータ出力アプリが、インストールされている場合を例に説明する。ユーザーが、操作部217に、画像形成アプリ、スキャンアプリおよびデータ出力アプリのいずれかを選択する操作を入力すれば、操作により特定されるアプリケーションプログラムを選択する。そして、アプリ選択部261は、選択されたアプリケーションプログラムを実行する実行指示をアプリ実行部263および動作モード選択部253に出力する。ここでは、3つのアプリケーションプログラムである画像形成アプリ、スキャンアプリおよびデータ出力アプリがインストールされているので、画像形成アプリ、スキャンアプリおよびデータ出力アプリのいずれかが選択される。
アプリ実行部263は、アプリ選択部261から実行指示が入力されることに応じて、実行指示で特定されるアプリケーションプログラムを実行する。アプリ実行部263は、アプリケーションプログラムを実行することに応じて、遠隔操作状態が変化する。遠隔操作状態は、遠隔操作によってMFP100に処理を実行させるための条件を設定する設定状態と、遠隔操作によってMFP100に設定条件に従って処理を実行させる実働状態と、を含む。遠隔操作状態は、アプリ実行部263がMFP100を遠隔操作のために送信するコマンドによって定まる。従って、遠隔操作状態は、遠隔操作によって制御されるMFP100が実行する処理の状態とも言える。アプリ実行部263が画像形成アプリを実行する場合、画像形成条件を設定する設定状態からMFP100に画像形成処理を実行させる実働状態に遠隔操作状態が変化する。アプリ実行部263がスキャンアプリを実行する場合、スキャン条件を設定する設定状態からMFP100にスキャン処理を実行させる実働状態に遠隔操作状態が変化する。アプリ実行部263がデータ出力アプリを実行する場合、データの出力条件を設定する設定状態からMFP100にデータを出力する処理を実行させる実働状態に遠隔操作状態が変化する。
状態検出部265は、アプリ実行部263の遠隔操作状態を検出し、検出した遠隔操作状態を動作モード選択部253に出力する。
動作モード選択部253は、アプリ選択部261から実行指示が入力され、状態検出部265から遠隔操作状態が入力される。動作モード選択部253は、アプリケーションプログラムに対応して予め定められた動作モードを選択する。また、動作モード選択部253は、選択されたアプリケーションプログラムのみから動作モードを選択できない場合には、アプリケーションプログラムと状態検出部265から入力される遠隔操作状態との組に対して予め定められた動作モードを選択する。具体的には、EEPROM115に、アプリケーションプログラムと遠隔操作状態との組に対応して動作モードを関連付けた対応テーブルを記憶しており、動作モード選択部253は、対応テーブルを参照して動作モードを選択する。動作モード選択部253は、動作モードを選択するごとに、選択された動作モードを動作モード切換指令送信部255および電力供給源決定部257に出力する。
図6は、対応テーブルの一例を示す図である。図6を参照して、対応テーブルは、アプリケーションおよび遠隔操作状態の組に対して動作モードを対応付ける対応レコードを含む。具体的には、1行目の対応レコードは、画像形成アプリと設定状態との組に対して通常モードを対応付け、2行目の対応レコードは、画像形成アプリと実働状態との組に対して通常モードを対応付ける。画像形成アプリは、MFP100に画像を形成する処理を実行させるため、画像形成アプリを実行するアプリ実行部263が実働状態の間、メイン回路110および画像形成部140が駆動する。画像形成アプリを実行するアプリ実行部263が設定状態の間、メイン回路110が駆動していれば十分である。しかしながら、画像形成部140は、電源が投入されてから画像形成可能となるまでに所定の時間を必要とする。こたのめ、画像形成アプリを実行するアプリ実行部263が設定状態の間、画像形成部140を駆動しておくことにより、画像形成アプリを実行するアプリ実行部263が稼動状態に変化した後に、画像形成部140が駆動可能となるまでの時間をできるだけ短くすることができる。
対応テーブルの3行目の対応レコードは、スキャンアプリと設定状態との組に対して省電力モードを対応付け、4行目の対応レコードは、スキャンアプリと実働状態との組に対して通常モードを対応付ける。スキャンアプリは、MFP100に原稿を読み取る処理を実行させるため、スキャンアプリを実行するアプリ実行部263が実働状態の間、メイン回路110、原稿読取部130、必要に応じてADF120が駆動する。スキャンアプリを実行するアプリ実行部263が設定状態の間、メイン回路110が駆動していれば十分である。また、原稿読取部130およびADF120は、電源が投入されてから駆動可能となるまでの時間が画像形成部140に比較して短い。このため、スキャンアプリを実行するアプリ実行部263が設定状態の間に、原稿読取部130およびADF120を駆動する必要がない。従って、スキャンアプリと設定状態との組に対して省電力モードを対応付け、4行目の対応レコードは、スキャンアプリと実働状態との組に対して通常モードを対応付ける。
5行目の対応レコードは、データ出力アプリと設定状態との組に対して省電力モードを対応付け、6行目の対応レコードは、データ出力アプリと実働状態との組に対して省電力モードを対応付ける。データ出力アプリは、MFP100のHDD116に記憶されているデータを電子メールで送信する処理を実行させるため、データ出力アプリを実行するアプリ実行部263が実働状態の間、メイン回路110が駆動する。スキャンアプリを実行するアプリ実行部263が設定状態の間、メイン回路110が駆動していれば十分である。メイン回路110は、MFP100が省電力モードで駆動している。こたのめ、データ出力アプリを実行するアプリ実行部263が設定状態の間に、MFP100の動作モードは、省電力モードで十分である。従って、データ出力アプリと設定状態との組、およびデータ出力アプリと実働状態との組、それぞれに対して省電力モードを対応付ける。
図6に示す対応テーブルは、アプリケーションプログラムがインストールされる段階で、そのアプリケーションプログラムおよび遠隔操作状態の組と動作モードとを関連付けた対応レコードが追加される。
図5に戻って、動作モード選択部253は、アプリ選択部261から実行指示が入力される段階で、対応テーブルを参照し、実行指示で特定されるアプリケーションプログラムに対応する対応レコードのすべてを抽出する。そして、抽出された1以上の対応レコードの動作モードの項目に設定されている動作モードがすべて同じか否かを判断する。動作モードがすべて同じならば、アプリケーションプログラムのみから動作モードを選択可能と判断するが、動作モードがすべて同じでなければアプリケーションプログラムのみから動作モードを選択不可能と判断する。
動作モード選択部253は、アプリケーションプログラムのみから動作モードを選択可能と判断する場合、抽出された対応レコードの動作モードの項目に設定されている動作モードを選択し、選択された動作モードを動作モード切換指令送信部255および電力供給源決定部257に出力する。
動作モード選択部253は、アプリケーションプログラムのみから動作モードを選択不可能と判断する場合、状態検出部265から遠隔操作状態が入力されるごとに、動作モードを選択する。具体的には、実行指示で特定されるアプリケーションプログラムに対応する対応レコードのうちから、遠隔操作状態の項目に状態検出部265から入力される遠隔操作状態と同じ遠隔操作状態が設定されている1つの対応レコードを抽出し、抽出された対応レコードの動作モードの項目に設定されている動作モードを選択し、選択された動作モードを動作モード切換指令送信部255および電力供給源決定部257に出力する。動作モード選択部253は、状態検出部265から遠隔操作状態が入力されるごとに、動作モードを選択し、選択された動作モードを動作モード切換指令送信部255および電力供給源決定部257に出力する。
より具体的には、アプリ選択部261から画像形成アプリを実行する実行指示が入力される場合、アプリケーションプログラムのみから動作モードを選択可能と判断し、動作モードとして通常モードを選択する。動作モード選択部253は、アプリ選択部261からスキャンアプリを実行する実行指示が入力される場合、アプリケーションプログラムのみから動作モードを選択不可能と判断する。この場合、状態検出部265から設定状態が入力された段階で、動作モードとして省電力モードを選択する。次に、状態検出部265から実働状態が入力された段階で、動作モードとして通常モードを選択する。動作モード選択部253は、アプリ選択部261からデータ出力アプリを実行する実行指示が入力される場合、アプリケーションプログラムのみから動作モードを選択可能と判断し、動作モードとして省電力モードを選択する。
動作モード切換指令送信部255は、動作モード選択部253から動作モードが入力されることに応じて、動作モードに切り換える指令を含む動作モード切換指令を、無線LANI/F218を介してMFP100に送信する。
電力供給源決定部257は、動作モード選択部253から動作モードが入力され、第1電源回路171と第2電源回路173のうち動作モードに対して予め定められた一方を、MFP100の電力供給源に決定する。電力供給源決定部257は、決定された電力供給源を識別するための供給源識別情報を、供給源切換指令送信部259に出力する。
供給源切換指令送信部259は、電力供給源決定部257から供給源識別情報が入力されることに応じて、供給源識別情報を含み、電力供給源を切り換える指令である供給源切換指令を、無線LANI/F218を介してMFP100に送信する。
図7は、切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。切換処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された切換プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。なお、切換処理が実行される前の段階、換言すれば、MFP100に電源が投入された直後の段階では、スイッチ177が第1電源回路171の出力に切り換え、メイン回路110、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160は駆動した状態である。
図7を参照して、CPU111は、動作モードを通常モードに切り換える(ステップS01)。メイン回路110、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160が第1電源回路171から電力の供給を受けて駆動した状態を維持する。
次のステップS02においては、電力供給源を第1電源回路171に切り換える。スイッチ175を制御して、第2電源回路173の出力線を遮断し、第1電源回路171の出力線を接続した状態を維持する。
次のステップS03においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作部163が備えるハードキーの押下、またはタッチパネル165による表示面の指示を検出したならば操作を受け付けたと判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS08に進める。
ステップS04においては、操作状態を操作中状態に設定し、処理をステップS05に進める。ステップS05およびステップS06は、ステップS01およびステップS02とそれぞれ同じである。従って、ステップS06が実行された後の段階で、メイン回路110、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160が第1電源回路171から電力の供給を受けて駆動する。
次のステップS07においては、ステップS03において受け付けられた操作に対応する直接処理を実行し、処理をステップS03に戻す。直接処理は、ユーザーが操作部163に入力する操作に基づいて、実行される処理である。
一方、ステップS08においては、所定時間経過したか否かを判断する。最後に操作が受け付けられてからの経過時間が処理時間以上になれば、所定時間経過したと判断する。所定時間経過したならば処理をステップS09に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に進める。ステップS09においては、操作状態を非操作状態に設定し、処理をステップS10に進める。ステップS10においては、動作モードを省電力モードに切り換え、処理をステップS03に戻す。これにより、メイン回路110は、第1電源回路171または第2電源回路173のいずれかから電力の供給を受けて駆動し、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160は、駆動することなく電力の消費を低くする。なお、電力供給源は、ステップS02、ステップS06において第1電源回路171に切り換えられる他、後述するステップS12において、第1電源回路171または第2電源回路173のいずれかに切り換えられる。従って、ステップS10が実行される段階で、電力供給源が第2電源回路173に切り換えられている場合もあり得る。
ステップS11においては、情報処理装置200との間で通信が確立しているか否かを判断する。通信が確立しているならば処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。ステップS12においては、遠隔操作コマンド実行処理を実行し、処理をステップS03に戻す。
図8は、遠隔コマンド実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔コマンド実行処理は、図7のステップS12において実行される処理であり、情報処理装置200との間で、通信が確立している状態で実行される処理である。図8を参照して、操作状態によって処理を分岐する(ステップS21)。操作状態が操作中状態に設定されているならば処理をステップS22に進め、操作状態が非操作状態に設定されているならば処理をステップS30に進める。
ステップS22においては、通信I/F部112が情報処理装置200から供給源切換指令を受信したか否かを判断する。供給源切換指令を受信したならば処理をステップS23に進めるが、そうでなければ処理をステップS24に進める。ステップS23においては、受信された供給源切換指令を無視し、処理をステップS24に進める。操作中状態の場合は、電力供給源が常に第1電源回路171に切り換えられているからである。
ステップS24においては、通信I/F部112が情報処理装置200から動作モード切換指令を受信したか否かを判断する。動作モード切換指令を受信したならば処理をステップS25に進めるが、そうでなければ処理をステップS26に進める。ステップS25においては、受信された動作モード切換指令を無視し、処理をステップS26に進める。操作中状態の場合は、動作モードが常に通常モードに切り換えられているからである。
ステップS26においては、通信I/F部112が情報処理装置200から遠隔操作指令を受信したか否かを判断する。遠隔操作指令を受信したならば処理をステップS27に進めるが、そうでなければ処理を切換処理に戻す。ステップS27においては、受信された遠隔操作指令に従って処理を実行し、処理を切換処理に戻す。
一方、ステップS30においては、通信I/F部112が情報処理装置200から供給源切換指令を受信したか否かを判断する。供給源切換指令を受信したならば処理をステップS31に進めるが、そうでなければ処理をステップS33に進める。ステップS31においては、供給源切換指令によって処理を分岐する。供給源切換指令が第1電源回路171への切り換えを示す場合は処理をステップS32に進め、供給源切換指令が第2電源回路173への切り換えを示す場合は処理をステップS33に進める。ステップS32においては、スイッチ175を制御して、電力供給源を第1電源回路171に切り換え、処理をステップS34に進める。ステップS33においては、スイッチ175を制御して、電力供給源を第2電源回路173に切り換え、処理をステップS34に進める。
ステップS34においては、通信I/F部112が情報処理装置200から動作モード切換指令を受信したか否かを判断する。動作モード切換指令を受信したならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければ処理をステップS38に進める。ステップS35においては、動作モード切換指令によって処理を分岐する。動作モード切換指令が省電力モードへの切り換えを示す場合は処理をステップS36に進め、動作モード切換指令が通常モードへの切り換えを示す場合は処理をステップS37に進める。ステップS36においては、動作モードを省電力モードに切り換え、処理をステップS38に進める。ステップS37においては、動作モードを通常モードに切り換え、処理をステップS38に進める。
ステップS38においては、通信I/F部112が情報処理装置200から遠隔操作指令を受信したか否かを判断する。遠隔操作指令を受信したならば処理をステップS39に進めるが、そうでなければ処理をステップS40に進める。ステップS39においては、受信された遠隔操作指令に従って処理を実行し、処理をステップS40に進める。
ステップS40においては、通信I/F部112が情報処理装置200との間で確立している通信が切断したか否かを判断する。通信I/F部112が情報処理装置200から通信を終了する要求を受信する場合、または、通信I/F部112が情報処理装置200と通信できなくなる場合に、通信が切断したと判断する。通信が切断したならば処理をステップS41に進めるが、そうでなければ処理を切換処理に戻す。ステップS41においては、電力供給源を第1電源回路171に切り換え、処理を切換処理に戻す。
図9は、遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作処理は、情報処理装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶され、MFP100を遠隔制御するためのアプリケーションプログラムを実行することにより、CPU211により実行される処理である。図9を参照して、アプリケーションプログラムが選択されたか否かを判断する(ステップS101)。MFP100を遠隔制御するためのアプリケーションプログラムとして、予めインストールされているアプリケーションプログラムのうちから1つを、情報処理装置200を操作するユーザーが、操作部217を操作して、選択したか否かを判断する。ここでは、画像形成アプリと、スキャンアプリと、データ出力アプリが、インストールされている場合を例に説明する。アプリケーションプログラムが選択されるまで待機状態となり(ステップS101でNO)、アプリケーションプログラムが選択されたならば(ステップS101でYES)、処理をステップS102に進める。ステップS102においては、選択されたプリケーションプログラムを実行し、処理をステップS103に進める。
ステップS103においては、動作モードを、アプリケーションプログラムから判定可能か否かを判断する。具体的には、フラッシュメモリ213に記憶されている対応テーブルを参照する。対応テーブルは、アプリケーションプログラムと遠隔操作状態との組に対して動作モードを定義する。ステップS101において選択されたアプリケーションプログラムに対して、遠隔操作状態によらずに動作モードがすべて同じならばアプリケーションプログラムから判定可能と判断する。ここでは、画像形成アプリおよびデータ出力アプリが選択される場合、遠隔操作状態が設定状態と実働状態とで動作モードが同じなので、判定可能と判断するが、スキャンアプリが選択される場合、遠隔操作状態と設定状態とで動作モードが異なるので、判定不可能と判断する。動作モードを判定可能ならば処理をステップS104に進めるが、判定不可能であれば処理をステップS108に進める。
ステップS104においては、アプリケーションプログラムに対応する動作モードを選択し、処理をステップS105に進める。対応テーブルによって、ステップS101において選択されたアプリケーションプログラムに関連付けられた動作モードを選択する。画像形成アプリが選択される場合は通常モードを選択し、データ出力アプリが選択される場合は省電力モードを選択する。ステップS105においては、無線LANI/F218を介してMFP100に、動作モード切換指令を送信する。動作モード切換指令は、ステップS104において選択された動作モードに切り換えることを指示するコマンドである。
次のステップS106においては、ステップS104において選択された動作モードに対応する電力供給源を決定し、処理をステップS107に進める。動作モードとして通常モードが選択された場合は第1電源回路171を電力供給源に決定し、動作モードとして省電力モードが選択された場合は第2電源回路173を電力供給源に決定する。ステップS107においては、無線LANI/F218を介してMFP100に、供給源切換指令を送信し、処理を終了する。供給源切換指令は、ステップS106において決定された電力供給源に切り換えることを指示するコマンドである。供給源切換指令は、電力供給源として第1電源回路171が決定される場合は、第1電源回路171を識別するための供給源識別情報を含み、電力供給源として第2電源回路173が決定される場合は、第2電源回路173を識別するための供給源識別情報を含む。
一方、ステップS108においては、アプリケーションプログラムの遠隔操作状態を検出する。アプリケーションプログラムを実行するタスクが、MFP100に送信するコマンドに基づいて、アプリケーションプログラムを実行するタスクの遠隔操作状態を検出する。ここでは、遠隔操作状態は、MFP100に処理を実行させるためのパラメータを設定する設定状態と、設定されたパラメータに従って処理を実行させる実働状態と、を含む。
次のステップS109においては、遠隔操作状態が変化したか否かを判断する。遠隔操作状態の変化は、アプリケーションプログラムが実行されてから最初に遠隔操作状態が検出される場合に、遠隔操作状態が変化したと判断する。また、設定状態から稼動状態に変化する場合に遠隔操作状態が変化したと判断する。遠隔操作状態が変化すると(ステップS109でYES)、処理をステップS110に進めるが、遠隔操作状態が変化しなければ(ステップS109でNO)、処理をステップS118に進める。
ステップS110においては、ステップS101で選択されたアプリケーションプログラムと、ステップS108において検出された遠隔操作状態とに基づいて、動作モードを選択する。ここでは、ステップS101でスキャンアプリが選択され、ステップS108において設定状態が検出される場合、対応テーブルを参照して、スキャンアプリと設定状態との組に関連付けられた省電力モードを選択する。そして、遠隔操作状態が設定状態から稼動状態に変化すると、対応テーブルを参照して、スキャンアプリと稼動状態との組に関連付けられた通常モードを選択する。
次のステップS111においては、無線LANI/F218を介してMFP100に、動作モード切換指令を送信する。動作モード切換指令は、ステップS110において選択された動作モードに切り換えることを指示するコマンドである。
次のステップS112においては、ステップS110において選択された動作モードに対応する電力供給源を決定し、処理をステップS113に進める。動作モードとして通常モードが選択された場合は第1電源回路171を電力供給源に決定し、動作モードとして省電力モードが選択された場合は第2電源回路173を電力供給源に決定する。ステップS113においては、無線LANI/F218を介してMFP100に、供給源切換指令を送信し、処理をステップS114に進める。
ステップS114においては、ステップS102において実行されたアプリケーションプログラムが終了したか否かを判断する。アプリケーションプログラムが終了したならば処理を終了するが、終了していなければ処理をステップS109に戻す。遠隔操作状態が、変化する場合があるからである。
なお、上述した実施の形態においては、MFP100の動作モードを、通常モードと、省電力モードとにしたが、省電力モードを複数有するようにしてもよい。例えば、メイン回路110のみが駆動する第1の省電力モーと、メイン回路110に加えて画像形成部140、給紙部および後処理部155のみが駆動する画像形成用の第2の省電力モード、メイン回路110に加えて自動原稿搬送装置120および原稿読取部130のみが駆動するスキャン用の第3の省電力モードを含むようにしてもよい。この場合、情報処理装置200がMFP100に送信する動作モード切換指令は、省電力モードに切り換える指令として、第1〜第3の省電力モードのいずれかに切り換える指令を含む。画像形成アプリが選択された場合には、第2の省電力モードに切り換える指令である動作モード切換指令を送信し、スキャンアプリが選択された場合には、第3の省電力モードに切り換える指令である動作モード切換指令を送信し、データ出力アプリが選択された場合には、第1の省電力モードに切り換える指令である動作モード切換指令を送信する。これにより、消費電力を細かく制御することができる。
以上説明したように、本実施の形態における遠隔制御システム1は、情報処理装置200が、MFP100を遠隔操作するための1以上のアプリケーションプログラムのうちから選択された1つが実行されることに応じて、選択されたアプリケーションプログラムに対応して予め定められた動作モードを選択し、選択された動作モードに切り換える指令である動作モード切換指令を画像処理装置に送信する。このため、アプリケーションプログラムに対応する動作モードにMFP100が切り換えられるので、アプリケーションプログラムが定める処理に適した動作モードで画像処理装置を駆動することができる。さらに、情報処理装置200は、MFP100が電力供給源として備える第1電源回路171と第2電源回路173のうちから、動作モードに対して予め定められた電力供給源を決定し、決定された電力供給源に切り換えるための指令である供給源切換指令をMFP100に送信する。このため、MFP100は、動作モードに対応した電力供給源に切り換えられるので、MFP100の電力変換効率を最適にし、変換ロスを低減することができる。
また、情報処理装置200は、アプリケーションプログラムを実行してMFP100を遠隔制御するが、MFP100を遠隔制御している遠隔操作状態を検出し、アプリケーションプログラムと遠隔操作状態の組に対して予め定められた動作モードを選択する。このため、MFP100が遠隔制御されて実行する処理に対応する動作モードに切り換えることができる。
さらに、MFP100は、操作パネル160によってユーザーによる操作を受け付けていないことを条件に、情報処理装置200から受信される供給源切換指令に従って電力供給源を切り換える。このため、ユーザーにより操作パネル160から操作されている場合に、情報処理装置200から受信される供給源切換指令に係わらず、MFP100で電力供給源を切り換えないようにし、操作パネル160を操作するユーザーの操作を優先させることができる。
また、MFP100は、ユーザーにより操作パネル160が操作されていないことを条件に、情報処理装置200からの動作モード切換指令に従って動作モードを切り換える。このため、MFP100を情報処理装置200から遠隔操作する場合は、遠隔操作に対応した動作モードに切り換えることができる。また、ユーザーにより操作パネル160が操作されていないことが条件となるので、ユーザーにより操作パネル160が操作されている場合には、情報処理装置200から受信される動作モード切換指令に従って動作モードを切り換えないようにし、操作パネル160から直接操作するユーザーの操作を優先して、その操作に対応する動作モードに切り換えることができる。
また、MFP100は、情報処理装置200との通信が切断されると、電力供給源を第2電源回路173から第1電源回路171に切り換えるので、情報処理装置200と通信している間の電力変換効率を向上させることができる。
また、MFP100は、情報処理装置200と通信していることを条件に、電力供給源を第1電源回路171から第2電源回路173に切り換えるので、情報処理装置200と通信している間の電力変換効率を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態においては、遠隔制御システム1について説明したが、図7および図8に示した切換処理をMFP100に実行させ、図9に示した遠隔操作処理を情報処理装置200に実行させる遠隔制御方法として発明を捉えることができるのは言うまでもない。さらに、図7および図8に示した切換処理をMFP100が備えるCPU111に実行させるプログラム、図9に示した遠隔操作処理を情報処理装置200が備えるCPU211に実行させる遠隔操作プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記動作モード切換手段は、前記操作状態検出手段により前記操作中状態が検出されることに応じて前記動作モードを前記通常モードに切り換え、前記操作状態検出手段により前記操作中状態が検出されなくことに応じて動作モードを前記省電力モードに切り換える、請求項4または5に記載の遠隔制御システム。
(2) 前記蓄電手段は、前記第1の電源回路から供給される電力を蓄積する、請求項1〜6のいずれかに記載の遠隔制御システム。