以下、図1〜図18を用いて、本発明の実施形態を説明する。そして、本説明では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複合機100の概要)
まず、図1を用いて、実施形態に係る複合機100の概要を説明する。図1は、複合機100の構造を示す図である。
図2に示すように、本実施形態の複合機100は、前面に取り付けられた操作パネル2(操作部に相当)を有する。そして、複合機100は上部に原稿搬送部3aと画像読取部3bからなる読取部3を有する。又、複合機100は、内部に、印刷部10として、給紙部4a、第1搬送部4b、画像形成部5a、定着部5b、第2搬送部4cを含む。
まず、操作パネル2は、複合機100の状態や各種メッセージや設定用画面を表示する表示部21を備える。また、表示部21に対し、各種操作を受け付けるためのタッチパネル部22(操作部に相当)やハードキー23が設けられる。操作パネル2は、送信方法、送信先のアドレス、用紙のサイズ及び種類、原稿のサイズ及び種類のような送信や印刷の条件などの設定を受け付ける。
原稿を搬送して読み取るとき、原稿搬送部3aは、原稿トレイに載置された原稿を1枚ずつ読取位置に向けて搬送する。画像読取部3bは、搬送される原稿や原稿台に載置された原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する。
給紙部4aは、複数枚の用紙を収容し、印刷のとき、用紙を送り出す。第1搬送部4bは、給紙部4aから供給された用紙を画像形成部まで搬送する。画像形成部5aは、印刷する画像データに基づき、トナー像を形成し、用紙にトナー像を転写する。定着部5bは、トナー像が転写された用紙を加熱・加圧して、用紙にトナー像を定着させる。第2搬送部4cは、定着部5bを通過した用紙を排出トレイ41まで搬送する。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図2は、複合機100のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る複合機100は、制御部1を含む。制御部1は、複合機100に含まれる各部を制御する。制御部1は、CPU11や、印刷や送信(ファクシミリ通信を含む)に用いる画像データを生成する画像処理部12や、その他の電子回路や素子を含む。CPU11は、記憶部6に格納される制御プログラムや制御用データに基づき複合機100の各部の制御や演算を行う。記憶部6は、ROM、フラッシュROM、HDDのような不揮発性と記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置の組み合わせで構成される。
そして、制御部1は、用紙搬送や、トナー像形成、転写、定着により印刷を行う印刷部10(給紙部4a、第1搬送部4b、画像形成部5a、定着部5b、第2搬送部4cなど)と読取部3の動作を制御する。そして、制御部1は、コンピューター300から受信した印刷用データや読取部の原稿読み取りで得られた画像データに基づき印刷部10に印刷を行わせる(コピー機能、プリンター機能)。
又、制御部1には、通信部7が接続される。制御部1は通信部7の動作、通信処理を制御する。通信部7は、パーソナルコンピューターやサーバーのようなコンピューター300やファクシミリ装置400と通信を行うためのインターフェイスである。また、通信部7は、無線により携帯通信装置200と通信を行う。そして、複合機100と携帯通信装置200によって、通信システム500が形成される。尚、携帯通信装置200の詳細は後述する。
又、制御部1は、操作パネル2の表示等の動作を制御する。又、制御部1は、操作パネル2でなされた設定内容を認識し、設定内容や印刷の実行指示を認識する。
(携帯通信装置200)
次に、図3に基づき、携帯通信装置200を説明する。図3は、携帯通信装置200のハードウェア構成を示す図である。
以下の説明では、携帯通信装置200として、スマートフォンを用いる例を説明する。尚、携帯通信装置200は、スマートフォンに限られず、タブレット端末などでもよく、複合機100と無線通信可能で、使用者が携帯可能であればよい。
携帯通信装置200は、携帯制御部201、ROM202、RAM203、フラッシュメモリー204、ディスプレイ205、タッチパネルユニット206、I/F部207、撮像部208、音声処理部209、マイクロフォン210、再生処理部211、スピーカー212、電話/データ回線通信部213、無線通信部(便宜上、以下の説明では、「第2無線通信部214」と称する)等を含む。
携帯制御部201は、携帯通信装置200の動作を制御する。ROM202、フラッシュメモリー204は、携帯通信装置200の制御プログラムや制御データを記憶する。携帯制御部201は、ROM202やフラッシュメモリー204に記憶されるOS、制御プログラム、制御データ、アプリケーション8などに従って、携帯通信装置200の動作を制御する。タッチパネルユニット206を通じた使用者のアプリケーション8の起動要求に応じ、携帯制御部201は、フラッシュメモリー204からアプリケーション8やプログラムを起動させる。
ディスプレイ205は、携帯制御部201からの要求に従い、各種情報を表示する。携帯制御部201は、タッチパネルユニット206の出力に基づき、タッチされた位置を認識する。タッチパネルユニット206は、ディスプレイ205の上面に設けられるタッチパネルと、タッチパネルでのタッチ位置検知用のICのような回路を含む。そして、携帯制御部201は、タッチパネルユニット206の出力に基づき、表示位置がタッチされたアイコンやボタンやキーを認識する。このように、アイコンやボタンやキーの表示位置をタッチすることにより、所望するアプリケーション8を起動させることや、電話をかけることができる。
I/F部207は、携帯型メモリーを接続する部分であり、各種規格に基づくコネクタやソケットや通信用チップを実装する。撮像部208は、携帯通信装置200に設けられたカメラである。音声処理部209は、マイクロフォン210から入力された音声に対して、電話/データ回線通信部213から送信できる形態への信号処理を行う。再生処理部211は、電話/データ回線通信部213で受信した相手型の音声データを再生し、スピーカに再生させる。第2無線通信部214は、比較的近距離の携帯通信装置200や複合機100と通信を行う部分である(第2無線通信部214の詳細は後述)。
本実施形態の通信システム500では、複合機100は、携帯通信装置200に向けて、予め定められた特定情報iを送信する。この送信された特定情報iを受信するためのアプリケーション8が携帯通信装置200のフラッシュメモリー204に予めインストールされる。携帯通信装置200は、ダウンロード等によりアプリケーション8を取得できる。アプリケーション8による処理によって、携帯通信装置200は、自機宛てに複合機100から送信された特定情報iを受信する。また、アプリケーション8による処理によって、携帯通信装置200のディスプレイ205は、受信した特定情報iの内容を表示する。これにより、携帯通信装置200の所持者は、特定情報iの内容を携帯通信装置200で確認することができる。
(複合機100と携帯通信装置200間での無線通信)
次に、図4を用いて、複合機100と携帯通信装置200間での無線通信を説明する。図4は、複合機100と携帯通信装置200間の無線通信を説明するための図である。
複合機100の通信部7は、第1無線通信部71と、ネットワーク通信部70を含む。ネットワーク通信部70は、ネットワークを介し、コンピューター300やファクシミリ装置400と通信を行うためのネットワークインターフェイスである。ネットワーク通信部70は、IPネットワークのようなネットワークでの信号の送受信や信号処理を行うためのネットワーク通信処理回路70aと、コネクタ、ソケットなどの信号線が接続される通信I/F部70bを含む。尚、公衆電話回線を介してファクシミリ装置400とファクシミリ通信を行えるように、モデムなどの通信回路を更に通信部7に含めても良い。
また、複合機100の第1無線通信部71は、携帯通信装置200の第2無線通信部214と無線により通信を行う部分である。第1無線通信部71と第2無線通信部214はそれぞれ、無線(電磁波)の送受信を行うためのアンテナ71a、214aや、搬送波と信号波の合成や、受信した電磁波からの信号の復号などの無線通信に関する信号処理を行う無線通信処理回路71b、214b(無線通信用のコントローラーやチップ)を含む。
例えば、第1無線通信部71と第2無線通信部214は、Bluetooth(登録商標)の規格や、Wi−Fiのような無線LANの規格に基づき、無線通信を行う。第1無線通信部71と第2無線通信部214の無線通信処理回路71b、214bは、準拠する規格で送受信可能なような回路構成とされる。また、第1無線通信部71と第2無線通信部214は、赤外線通信方式のものでもよい。第1無線通信部71と第2無線通信部214は、1又は複数の規格に準拠して、相手型の無線通信部7と無線通信を行うことができる。
複合機100の通信部7(第1無線通信部71)は、携帯通信装置200の検出動作(検索処理)を行う。この検索処理により、第1無線通信部71は、通信エリア内(電磁波が届く範囲)で、発見可能状態の携帯通信装置200を検出する。そして、第1無線通信部71は、携帯通信装置200の検出を周期的に行う。これにより、第1無線通信部71が送信可能な範囲に携帯通信装置200が入っていると第1無線通信部71はその携帯通信装置200を検出し続け、第1無線通信部71が送信可能な範囲から携帯通信装置200が外れると、第1無線通信部71は、その携帯通信装置200を検出しなくなる。
(特定情報iの印刷指示)
次に、図2、図5を用いて、特定情報iの印刷を説明する。図5は、第1無線通信部71が送信可能な携帯通信装置200を検出していないときの情報印刷指示画面S1を示す。
本実施形態の複合機100の記憶部6には、読取部の読み取りで得られた画像データや、制御用データなど、様々なデータを不揮発的に記憶させることができる。また、記憶部6は、操作パネル2に操作を行って印刷部10に印刷させることができる特定情報iを記憶する。
本実施形態の複合機100での特定情報iとしては、ステータス情報i1、ネットワークステータス情報i2、収録フォント情報i3、アドレス帳情報i4、ジョブ履歴情報i5がある(図2参照)。尚、特定情報iは、上記のものに限られず、例えば、印刷ジョブの画像データなど、他種の情報を特定情報iと扱っても良い。
ステータス情報i1は、複合機100の状態に関する情報である。ステータス情報i1には、現在の設定内容(各種設定の現在の設定値)の情報や、装着メモリーのサイズや種類を示す情報や、複合機100に装着されているオプション装置(原稿搬送部や後処理装置など)の情報が含まれる。制御部1は、操作パネル2がサービスマンや管理者による設定変更やハードウェア構成の変更がなされたとき、記憶部6にステータス情報i1を更新させる。
ネットワークステータス情報i2は、複合機100の通信に関する情報である。ネットワークステータス情報i2は、ファームウェアのバージョン情報や、複合機100のネットワークアドレスや、通信で用いているプロトコルを示す情報を含む。制御部1は、ファームウェアのバージョンアップや、ネットワークアドレスの変更や、通信プロトコルの変更があったとき、記憶部6にネットワークステータス情報i2を更新させる。
収録フォント情報i3は、複合機100に搭載されている(記憶部6に記憶されている)フォントを示す情報である。制御部1は、記憶部6のフォントが追加や削除があったとき、記憶部6に収録フォント情報i3を更新させる。
アドレス帳情報i4は、各送信相手先の名称や、送信宛先(ネットワークアドレスやFAX番号など)の情報の束(データベース)である。操作パネル2はアドレス帳を表示し、使用者はアドレス帳から送信先を選択する操作をおこなうことで、送信のたびに相手型の宛先を入力すること無く、送信先を設定することができる。操作パネル2は、アドレス帳への新たな送信先情報(宛先名やアドレス)を入力する操作や、登録内容を変更する入力操作や、アドレス帳から特定の送信先を削除する操作を受け付ける。制御部1は、アドレス帳への新たな送信先の追加や、登録内容の変更や、送信先を削除する操作がなされると、記憶部6にアドレス帳情報i4を更新させる。
ジョブ履歴情報i5は、複合機100が行った印刷や送信ジョブの履歴に関する情報である。ジョブ履歴情報i5には、各ジョブの実行開始日時や、各ジョブの実行完了日時や、実行されたジョブの種類や、ジョブを実行した使用者、各ジョブのデータサイズといった項目の情報が含まれる。制御部1は、ジョブが実行されるとジョブ履歴情報i5を記憶部6に更新させる。
これらの情報は、サービスマンや管理者にとって、複合機100の状態を知るうえで有益である。そのため、本実施形態の複合機100では、特定情報iの印刷を行えるようになっている。特定情報iを印刷するには、表示部21に情報印刷指示画面S1(指示画面に相当)を表示させる。操作パネル2で所定の操作がなされると、制御部1は、情報印刷指示画面S1を表示部21に表示させる。
表示部21は、情報印刷指示画面S1内に、複数の印刷キーK1を表示する。操作パネル2(制御部1)は、タッチパネル部22の出力に基づき、いずれかの印刷キーK1への操作を受け付ける。そして、制御部1は、この操作を、操作された印刷キーK1に対応する種類の特定情報iの印刷指示と認識する。そして、制御部1は、操作された印刷キーK1に対応する特定情報iが記された印刷物を印刷部10に出力させる。
具体的に、ステータス情報i1の印刷指示がなされたとき、複合機100の状態に関する情報がレポートとして印刷出力される。また、ネットワークステータス情報i2の印刷指示がなされたとき、複合機100の通信に関する情報がレポートとして印刷出力される。また、収録フォント情報i3の印刷指示がなされたとき、サンプル文字付きの収録フォントのリストがレポートとして印刷出力される。アドレス帳情報i4の印刷指示がなされたとき、アドレス帳含まれる宛先名や送信先情報のリストがレポートとして印刷される。ジョブ履歴情報i5の印刷指示がなされたとき、実行されたジョブの実行に関する時間やジョブの内容が記されたリストがレポートとして印刷される。
(携帯通信装置200の検出と特定情報iの送信)
次に、図6に基づき、携帯通信装置200の検出と特定情報iの送信について説明する。図6は、携帯通信装置200を検出している状態での情報印刷指示画面S1を示す。
図6に示すように、第1無線通信部71が、送信可能な携帯通信装置200を検出していると、情報印刷指示画面S1には、何れかの特定情報i(ステータス情報i1、ネットワークステータス情報i2、収録フォント情報i3、アドレス帳情報i4、ジョブ履歴情報i5)の携帯通信装置200への送信を指示するための送信キーK2が表示される。
一方、図5に示すように、複合機100の第1無線通信部71が携帯通信装置200を検出していない状態では、情報印刷指示画面S1を表示させても、送信キーK2は表示されない。そのため、複合機100の第1無線通信部71が携帯通信装置200を検出していない状態では、情報印刷指示画面S1では、所望の特定情報iの印刷は行えるが送信はできない。
このように、第1無線通信部71が送信可能な携帯通信装置200を検出しているときと検出していないときでは、情報印刷指示画面S1の表示が変化する。そして、第1無線通信部71が携帯通信装置200を検出していれば、表示部21は、携帯通信装置200への特定情報iの送信が選択可能となる表示に変化する。
操作パネル2(制御部1)は、タッチパネル部22の出力に基づき、送信キーK2の表示位置のタッチ操作を認識する。そして、制御部1は、この操作をタッチされた送信キーK2に対応する特定情報iの携帯通信装置200への送信指示として受け付ける。そして、制御部1は、表示位置がタッチされた送信キーK2に対応する特定情報iを第1無線通信部71から検出中の携帯通信装置200に送信出力させる。尚、制御部1は、第1無線通信部71から携帯通信装置200に向けて送信された情報については、送信のみ行い、送信にあわせた印刷を印刷部10に行わせない。
具体的に、ステータス情報i1の送信指示がなされたとき、複合機100の状態に関する情報が送信出力される。また、ネットワークステータス情報i2の送信指示がなされたとき、複合機100の通信に関する情報が送信出力される。また、収録フォント情報i3の送信指示がなされたとき、サンプル文字付きの収録フォントのリストが送信出力される。アドレス帳情報i4の送信指示がなされたとき、アドレス帳含まれる宛先名や送信先情報のリストが送信される。ジョブ履歴情報i5の送信指示がなされたとき、実行されたジョブの実行に関する時間やジョブの内容が記されたリストが送信される。
(印刷待ちのジョブの確認)
次に、図7に基づき、本実施形態の複合機100での印刷待ちのジョブの確認について説明する。図7は、印刷待ちの印刷ジョブを一覧表示するジョブリスト画面S2を示す。
複合機100では、1つずつ印刷ジョブが実行される。そのため、複数の印刷ジョブがあるとき、1つの印刷ジョブ以外は実行待ち(待機中)となる。尚、複合機100で実行される印刷ジョブとしては、特定情報iをレポートとして印刷するレポート印刷ジョブの他、コピージョブ(読取部での原稿読み取りで得られた画像データに基づく印刷)、プリンタージョブ(コンピューター300から受信した画像データに基づく印刷)、ボックス印刷ジョブ(記憶部6に記憶された画像データを再利用した印刷)、ファクシミリ受信印刷ジョブ(相手型ファクシミリ装置400から受信した画像データに基づく印刷)などがある。
印刷ジョブがどれほど溜まっているか、どの印刷ジョブが実行中であるか、自分の印刷ジョブは何番目であるか、といった点が確認できれば、印刷物を得るまでの待ち時間を推測できて有益である。そのため、本実施形態の複合機100では、印刷ジョブの実行状況や、蓄積状況を確認できるようになっている。印刷ジョブの実行状況や、蓄積状況を示す画面としてジョブリスト画面S2(指示画面に相当)が用意される。操作パネル2で所定の操作がなされると、制御部1は、ジョブリスト画面S2を表示部21に表示させる。
表示部21は、ジョブリスト画面S2内に、実行中、及び、待機中(実行待ち)の印刷ジョブを一覧表示する。表示部21は、実行順が上位のものほど(早く印刷される印刷ジョブほど)上方の位置となるように、リストに印刷ジョブを表示する。また、表示部21は、リスト内に、各ジョブの受け付け番号や、各ジョブの種類や、各ジョブの実行状況を表示する。ジョブリスト画面S2で操作を行うことにより、印刷を停止させたり、特定の印刷ジョブの実行を中止させたり、特定の印刷ジョブの実行順位を変更することができる。
(携帯通信装置200の検出と印刷の実行指示がなされた特定情報iの送信)
次に、図8に基づき、携帯通信装置200の検出と印刷の実行指示がなされた特定情報iの送信について説明する。図8は、携帯通信装置200を検出している状態でのジョブリスト画面S2を示す。
図8に示すように、第1無線通信部71が送信可能な携帯通信装置200を検出している状態のとき、ジョブリスト画面S2には、携帯通信装置200に、待機中の各印刷ジョブ印刷ジョブの内容(印刷ジョブに含まれる情報)の送信を指示するための送信キーK3が表示される。
尚、図8では、情報印刷指示画面S1で印刷実行指示がなされたレポート印刷ジョブ以外のジョブについても送信キーK3を付して表示する例を示している。この場合、コピージョブやプリンタージョブの印刷内容(画像データ)を特定情報iとして扱っている。しかし、情報印刷指示画面S1で印刷実行指示がなされたレポート印刷ジョブについてのみ、送信キーK3を付すようにしてもよい。
一方で、図7に示すように、複合機100の第1無線通信部71が携帯通信装置200を検出していない状態でジョブリスト画面S2を表示させたときでは、送信キーK3は表示されない。そのため、複合機100の第1無線通信部71が携帯通信装置200を検出していない状態では、携帯端末への送信指示を行えない。
このように、第1無線通信部71が送信可能な携帯通信装置200を検出しているときと検出していないときでは、ジョブリスト画面S2の表示が変化する。そして、送信可能な第1無線通信部71を携帯通信装置200が検出していれば、表示部21は、印刷実指示済みの情報を、携帯通信装置200に送信する選択が可能となる表示に変化する。
操作パネル2(制御部1)は、タッチパネル部22の出力に基づき、送信キーK3の表示位置のタッチ操作を認識する。制御部1は、この操作を送信する印刷ジョブを選択し、選択した印刷ジョブに含まれる情報を携帯通信装置200に送信する指示として受け付ける。そして、制御部1は、表示位置がタッチされた送信キーK3に対応する印刷ジョブの内容を第1無線通信部71から検出中の送信可能な携帯通信装置200に送信出力させる。
そして、制御部1は、第1無線通信部71から携帯通信装置200に向けて情報が送信された印刷ジョブを印刷部10に印刷させない。また、制御部1は、表示部21に送信キーK3の表示位置がタッチされ、携帯通信装置200に向けて情報が送信された印刷ジョブをジョブリスト画面S2から削除させる。尚、制御部1は、携帯通信装置200に向けて情報を送信した印刷ジョブを削除せず、印刷させてもよい。
(特定情報iの送信先の設定)
次に、図9を用いて、特定情報iの送信先について説明する。図9は、特定情報iの送信が指示されたときの送信先を設定するための送信先設定画面S3を記す。図10は、検出中の携帯通信装置200の中から特定情報iの送信先を選択する送信先選択画面S4を示す。図11は、使用者や携帯通信装置200の登録用入力画面S5を示す。図12は、使用者の認証の流れを示す図である。
本実施形態の複合機100では、送信キーK2、K3の表示位置をタッチすることにより、印刷に替えて送信が指示された特定情報iを検出中の携帯通信装置200に送信することができる。ここで、検出中の携帯通信装置200に無差別に特定情報iを送信したくない場合がある。そこで、本実施形態の複合機100では、どのような携帯通信装置200を特定情報iの送信先とするか、図9に示す送信先設定画面S3で設定することができる。
操作パネル2の表示部21は、タッチパネル部22に所定の操作がなされると、図9に示すような送信先設定画面S3を表示する。送信先設定画面S3には、特定情報iの送信先を定めるためのキーとして、第1選択キーK4、第2選択キーK5、第3選択キーK6、第4選択キーK7の4つのキーが配される。
第1選択キーK4は、第1無線通信部71が検出中の携帯通信装置200のうち特定情報iを送信する携帯通信装置200を選択したうえで、特定情報iを送信する設定とするためのキーである。これにより、使用者が所望する特定の携帯通信装置200に向けて、特定情報iを送信することができる。
第2選択キーK5は、第1無線通信部71が検出中の携帯通信装置200のうち、複合機100に記憶部6に予めアドレスなどが登録されている携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定とするためのキーである。これにより、部外者の携帯通信装置200に特定情報iを送信しないようにすることができる。
第3選択キーK6は、複合機100を使用するために、現在ログインしている使用者の携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定とするためのキーである。これにより、特定情報iの送信を指示する入力を操作パネル2に行ったログイン中の使用者の携帯通信装置200にのみ特定情報iを送信することができる。
第4選択キーK7は、第1無線通信部71が検出中の携帯通信装置200のうち、全ての携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定とするためのキーである。これにより、送信を指示した特定情報iを、検出中の携帯通信装置200に漏れなく送信することができる。
〈第1選択キーK4〉
次に、第1選択キーK4の設定がされたときの送信処理について説明する。
送信先設定画面S3で、タッチパネル部22は、第1選択キーK4の表示位置のタッチを受け付ける。そして、制御部1は、この操作がなされると、第1無線通信部71が検出中の携帯通信装置200のうち、特定情報iを送信する携帯通信装置200を使用者が選択したうえで特定情報iを送信する設定がなされたと認識する。
この設定がなされている状態では、何れかの送信キーK2、K3の表示位置がタッチされると、制御部1は、表示部21に図10に示す送信先選択画面S4を表示させる。制御部1は、図10に示す送信先選択画面S4内に、第1無線通信部71が検索を行うことにより携帯通信装置200から取得した情報の一部として、携帯通信装置200ごとに、端末名、MACアドレス、メールアドレスといった情報を表示部21に表示させる。尚、制御部1は、他種の携帯通信装置200に関する情報を送信先選択画面S4に表示させてもよい。携帯通信装置200にインストールされたアプリケーション8は、第1無線通信部71から検索の無線(電磁波)を受信すると、端末名や、各種アドレス情報などを複合機100の第1無線通信部71に向けて、自機の情報を返信する所定の返信処理を携帯制御部201や第2無線通信部214に行わせても良い。
そして、使用者は、送信したい携帯通信装置200に割り当てられた表示エリアをタッチすることにより、特定情報iを送信する携帯通信装置200を選択できる。制御部1は、タッチパネル部22の出力に基づき、選択された携帯通信装置200と、OKキーK8の表示位置のタッチを認識する。そして、制御部1は、選択された携帯通信装置200に向けて、第1無線通信部71に特定情報iを送信させる。
このとき、選択された携帯通信装置200で特定情報iが取得され、内容を閲覧できるようにするため、第1無線通信部71は、選択された携帯通信装置200を示す信号を送信波に含めたり、選択された携帯通信装置200でのみ解読可能な暗号化を行ったりして、特定情報iを送信するようにしてもよい。これにより、選択された携帯通信装置200で特定情報iの内容を閲覧して確認でき、特定情報iの印刷は不要となる。
〈第2選択キーK5〉
次に、第2選択キーK5の設定がされたときの送信処理について説明する。
送信先設定画面S3で、タッチパネル部22は、第2選択キーK5の表示位置のタッチを受け付ける。そして、制御部1は、この操作がなされると、タッチパネル部22の出力に基づき、複合機100に記憶部6に予めアドレスなどが登録されている携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定がなされたと認識する。
ここで、図11を用いて、使用者や使用者が所持する携帯通信装置200の登録について説明する。図11に示す登録用入力画面S5は、タッチパネル部22などに所定の操作を行うことにより、表示部21に表示させることができる。
登録用入力画面S5では、使用者について、ユーザー名や、ログインユーザー名や、メールアドレスや、携帯通信装置200名や、携帯通信装置200のアドレスや、携帯通信装置200と無線通信を行うためのパスワードや、所属部門など複数の項目を設定することができる。
これらの項目を設定するため、変更キーK9a〜K9hが設けられる。変更キーK9のうち設定、変更を所望する項目に対応するキーの表示位置をタッチすることで、項目の設定、登録を行うことができる。タッチパネル部22は、変更キーK9a〜K9hの表示位置をタッチする操作を受け付け、制御部1は、表示部21に設定入力用のソフトウェアキーボード(不図示)を表示させる。ソフトウェアキーボードに入力を行うことによって、各種項目について設定することができる。
そして、登録用入力画面S5で登録キーの表示位置がタッチされると、制御部1は、登録用入力画面S5で入力された内容を記憶部6に不揮発的に記憶させる。これにより、使用者に関する情報や、使用者の所持する携帯通信装置200に関する情報の登録がなされる。
第2選択キーK5により、登録されている携帯通信装置200に送信を行う設定がなされている状態で、特定情報iを送信するための何れかの送信キーK2、K3の表示位置がタッチされると、制御部1は、検出中の携帯通信装置200のうち、携帯通信装置200の名前や、携帯通信装置200のアドレスに基づき、記憶部6に登録されている携帯通信装置200を認識する。そして、制御部1は、検出中の携帯通信装置200のうち、記憶部6に登録のある携帯通信装置200に向けて、第1無線通信部71に特定情報iを送信させる。
このとき、複合機100の記憶装置に登録された携帯通信装置200でのみ特定情報iが取得され、内容を閲覧できるようにするため、第1無線通信部71は、登録された携帯通信装置200を示す信号を送信波に含めたり、登録された携帯通信装置200でのみ解読可能な暗号化を行ったりして、特定情報iを送信するようにしてもよい。これにより、予め、複合機100に登録された携帯通信装置200で特定情報iの内容を閲覧して確認できる。そして、特定情報iの印刷は不要となる。
尚、検出中の携帯通信装置200が無いとき、及び、検出中の携帯通信装置200のなかに登録された携帯通信装置200が無いとき、制御部1は、第1無線通信部71に送信を行わせず、送信可能な携帯通信装置200が無い旨を表示部21に表示させる。
ここで、本実施形態の通信システム500の携帯通信装置200には、複合機100と無線通信するためのアプリケーション8がインストールされる。そこで、アプリケーション8により、携帯通信装置200のディスプレイ205に図11と同様の内容を設定する設定画面を表示させてもよい。そして、携帯通信装置200の携帯制御部201は、タッチパネルユニット206の出力に基づき、各項目の設定内容を認識する。そして、携帯制御部201は、各項目の設定内容を第1無線通信部71に向けて送信する。制御部1は、携帯通信装置200の第2無線通信部214から第1無線通信部71が受信した内容を認識し、携帯通信装置200で設定された内容を記憶部6に記憶させる。このように、使用者や使用者の所持する携帯通信装置200の登録を携帯通信装置200で行えるようにしてもよい。
〈第3選択キーK6〉
次に、第3選択キーK6の設定がされたときの送信処理について説明する。
送信先設定画面S3で、タッチパネル部22は、第3選択キーK6の表示位置のタッチを受け付ける。そして、制御部1は、この操作がなされると、ログイン中の使用者の携帯通信装置200にのみ特定情報iを送信する設定がなされたと認識する。
ここで、図12を用いて、使用者の認証について説明する。まず、本実施形態の複合機100では、使用者の認証を受けてログインしなければ、複合機100の使用や操作パネル2への入力が受け付けられないようにすることができる。尚、使用者の認証無しに、誰でも利用できる状態とすることもできる。複合機100の使用に、使用者の認証が必要か否かは、操作パネル2で設定することができる。
使用者の認証をすると(ログインすると)複合機100が使用できる設定では、ログインしていない間では、複合機100は、基本的にログアウトの状態である。ログアウト状態では、操作パネル2では、使用者が認証を受けるための入力のみが受け付けられ、印刷や送信に関する設定を行えない。また、認証を受けてログインした後、複合機100に対する操作や実行するジョブが無くなってから、一定時間を経過すると、制御部1は複合機100(操作パネル2)を自動的にログアウト状態とする(オートログアウト)。
使用者が認証を受け、ログインするには、ログアウト状態の複合機100の操作パネル2に、識別用入力を行う。予め登録されたユーザー名や、ログインユーザー名の入力が識別用入力として求められる。操作パネル2の表示部21は、識別用入力を行うためのログイン画面(不図示)や識別用に有力のためのソフトウェアキーボードを表示する。又、タッチパネル部22は、識別用入力を受け付ける(図12の(1))。
識別用入力の内容は、制御部1に入力される(図12の(2))。制御部1は、識別用入力の内容を認識する。そして、制御部1は、記憶部6に記憶された認証用データD1と、識別用入力の内容を比較して、使用者を認証する。認証用データD1は、予め、図11の登録用入力画面S5を用いて記憶部6に登録された(記憶された)各使用者のユーザー名やログインユーザー名の束である。制御部1は、認証用データD1と識別用入力の内容を照合し、認証用データD1の中に、識別用入力と一致する使用者がいるか否かを確認する(図12の(3))。
一致する使用者がいると、制御部1は、認証用データD1のうち、一致した使用者を操作パネル2に識別用入力を行った者と認証する。そして、表示部21の一部の領域に認証した使用者名を表示し、操作パネル2は、各種設定を受け付ける状態となる(ログイン状態)。一方、認証用データD1のなかに一致する使用者がいなければ、制御部1は、操作パネル2に識別用入力を行った者は予め登録された者では無く、認証できない旨を表示部21に表示させる(図12の(4))。
第3選択キーK6により、ログイン中の使用者の携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定がなされている状態で、特定情報iを送信するための何れかの送信キーK2、K3の表示位置がタッチされると、制御部1は、検出中の携帯通信装置200のうち、認証中の使用者の携帯通信装置200に向けて、第1無線通信部71に特定情報iを送信させる。
具体的には、認証用データD1の中には、各使用者に関連付けて、各使用者の所持する携帯通信装置200を示すデータ(携帯通信装置200の名前やアドレス情報)が含まれる。制御部1は、認証用データD1に含まれる情報に基づき、認証中の携帯通信装置200の認証中の使用者の携帯通信装置200に向けて第1無線通信部71に特定情報iを送信させる。
このとき、認証された使用者の携帯通信装置200でのみ特定情報iが取得され、内容を閲覧できるようにするため、第1無線通信部71は、認証された使用者(ログイン中の使用者)の携帯通信装置200を示す信号を送信波に含めたり、登録された携帯通信装置200でのみ解読可能な暗号化を行ったりして、特定情報iを送信するようにしてもよい。これにより、ログイン中の使用者の携帯通信装置200でのみ特定情報iの内容を閲覧することができる。そのため、特定情報iの印刷は不要となる。
〈第4選択キーK7〉
最後に、第4選択キーK7の設定がされたときの送信処理について説明する。
送信先設定画面S3で、タッチパネル部22は、第4選択キーK7の表示位置のタッチを受け付ける。そして、制御部1は、この操作がなされると、特定情報iを、検出中の携帯通信装置200に漏れなく送信する設定がなされたと認識する。
第4選択キーK7に基づく設定がなされている状態で、特定情報iを送信するための何れかの送信キーK2、K3の表示位置がタッチされると、制御部1は、検出中の携帯通信装置200の全てに向けて、第1無線通信部71に特定情報iを送信させる。
尚、本実施形態の通信システム500の携帯通信装置200には、複合機100と無線通信するためのアプリケーション8がインストールされる。そこで、アプリケーション8により、携帯通信装置200のディスプレイ205に図9と同様の内容を設定する設定画面を表示させてもよい。そして、携帯通信装置200の携帯制御部201は、タッチパネルユニット206の出力に基づき、どのような携帯通信装置200を特定情報iの送信先とするかの設定内容を認識する。そして、携帯制御部201は、第2無線通信部214に、設定内容を第1無線通信部71に向けて送信させる。制御部1は、携帯通信装置200の第2無線通信部214からの受信内容を認識し、携帯通信装置200で設定された内容を記憶部6に記憶させる。このように、どのような携帯通信装置200を特定情報iの送信先とするかの設定を携帯通信装置200への入力により行えるようにしてもよい。
(特定情報iの送信の流れ)
次に、図13を用いて、特定情報iの送信の流れを説明する。図13は、特定情報iの送信の流れを説明するためのフローチャートである。
図13のスタートは、複合機100の電源が投入されたときや、省電力モードでない状態(省電力モードから通常モードに復帰した状態)が始まったときである。
まず、制御部1は、第1無線通信部71に、スマートフォンやタブレット端末のような携帯通信装置200を検索させる(ステップ♯11)。そして、制御部1は、携帯通信装置200を認識する(ステップ♯12)。
そして、制御部1は、情報印刷指示画面S1やジョブリスト画面S2のような特定情報iの印刷用の指示画面の表示を行う操作を操作パネル2(タッチパネル部22)が受け付けたか否かを確認する(ステップ♯13)。特定情報iの印刷指示用の画面を表示するための操作がなされていないとき(ステップ♯13のNo)、フローはステップ♯11に戻る。
一方、特定情報iの印刷用の指示画面を表示するための操作がなされたとき(ステップ♯13のYes)、制御部1は、第1無線通信部71が携帯通信装置200を検出していなければ、送信キーK2、K3を表示せず、携帯通信装置200を検出していれば、送信キーK2、K3を表示部21に表示させる(ステップ♯14)。尚、携帯通信装置200が検出されていても、登録された携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定のときに登録された携帯通信装置200を検出していないときや、ログイン中の使用者の携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定のときにログイン中の使用者の携帯通信装置200を検出していないときは、制御部1は、送信キーK2、K3を特定情報iの印刷用の指示画面に表示させないようにしてもよい。
そして、制御部1は、タッチパネル部22、操作パネル2の出力に基づき何れかの送信キーK2、K3が押されたことにより、特定情報iの送信の指示がなされたか否かを確認する(ステップ♯15)。もし、特定情報iの送信の指示が無ければ(ステップ♯15のNo)、フローは、ステップ♯11に戻る。一方、操作パネル2で特定情報iの送信の指示が受け付けられると(ステップ♯15のYes)、制御部1は、予め送信先設定画面S3で選択された方法に応じて送信対象となる携帯通信装置200を検出しているか否かを確認する(ステップ♯16)。
全く携帯通信装置200を検出していない、登録された者の携帯通信装置200が検出されていない、ログイン中の使用者の携帯通信装置200が検出されていないなど、送信先設定画面S3での送信先の設定に応じた携帯通信装置200を検出できていなければ(ステップ♯16のNo)、制御部1は、表示部21に送信すべき携帯通信装置200が無い旨を報知させる(ステップ♯17)。
一方、送信先設定画面S3での送信先の設定に応じた携帯通信装置200を検出できていれば(ステップ♯16のYes)、制御部1は、その携帯通信装置200に向けて、送信が指示された特定情報iを第1無線通信部71から送信させる。そして、制御部1は、送信が指示された特定情報iの印刷は行わず、送信のみ行わせる(ステップ♯18)。これにより、携帯通信装置200は、所定の操作がなされることによって、受信した特定情報iの内容を表示する(ステップ♯19)。使用者は携帯通信装置200の表示内容を確認がなされる。そして、フローは、ステップ♯11に戻る。本フローは、複合機100が省電力モードになるまで、あるいは、主電源が落とされるまで続けられる。
(自動的な特定情報iの送信)
次に、図14、図15を用いて、印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信について説明する。図14は、自動的な特定情報iの送信を行うときの特定情報iの送信の流れを示すフローチャートである。図15は、印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信の設定を行うための自動送信条件設定画面S6を示す。
本実施形態の複合機100では、送信可能な携帯通信装置200が検出されると、特定情報iの印刷実行用の指示画面(図6に示す情報印刷指示画面S1や、図8に示すジョブリスト画面S2)で送信キーK2、K3が表示される。しかし、送信キーK2、K3が表示されていても、印刷キーK1の表示位置がタッチされると、制御部1は、特定情報iを印刷部10に印刷させる。特定情報iが印刷されれば、用紙のような資源の消費の削減を削減できない。
そこで、本実施形態の複合機100では、特定情報iの印刷の実行を指示する画面で印刷キーK1の表示位置がタッチされると、自動的に特定情報iを検出中の携帯通信装置200に送信するように設定することができる。
使用者は、図15に示す自動送信条件設定画面S6で、印刷キーK1の表示位置のタッチ(特定情報iの印刷の実行指示)に伴って特定情報iの検出中の携帯通信装置200への自動的な送信を行うか否かの設定や自動送信に関する設定を行える。制御部1は、操作パネル2やタッチパネル部22に所定の操作がなされると、自動送信条件設定画面S6を表示部21に表示させる。
具体的に、自動送信条件設定画面S6には、印刷実行指示に伴う特定情報iの自動的な送信に関する設定のため、実行キー10、不実行キー11、及び3つのチェックボックスC1、C2、C3が配される。各チェックボックスについては、チェックボックスの表示位置のタッチを繰り返すことで、チェックを入れたり、外したりすることができる。
実行キー10は、複合機100の設定を、印刷実行指示に伴って自動的な特定情報iの送信を行う設定とするためのキーである。不実行キー11は、使用者の意思を優先し、複合機100の設定を、特定情報iの印刷実行指示があっても、自動的な特定情報iの送信を行わない設定とするためのキーである。
次に、実行キー10への操作によって、印刷実行指示がなされると、特定情報iを自動的に送信する設定がなされているときの送信処理について説明する。自動送信条件設定画面S6で、タッチパネル部22は、実行キー10の表示位置のタッチを受け付ける。そして、制御部1は、この操作がなされると、印刷実行指示に伴って自動的な特定情報iの送信を行う設定を行う設定がなされたと認識する。
実行キー10に基づく設定がなされている状態で、何れかの特定情報iに対応する印刷キーK1の表示位置がタッチされると、制御部1は、検出中の携帯通信装置200に向けて、特定情報iを送信する。特定情報iを送信したとき、制御部1は、印刷の実行指示がなされてはいるものの、印刷の実行指示がなされた特定情報iを印刷部10に印刷させない。
尚、自動送信条件設定画面S6で、タッチパネル部22は、不実行キー11の表示位置のタッチを受け付ける。そして、制御部1は、この操作がなされると、印刷実行指示に伴って自動的な特定情報iの送信を行わない設定がなされたと認識する。印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行わない設定のとき、制御部1は、特定情報iの印刷の実行指示がなされたときは、印刷の実行指示がなされた特定情報iを印刷部10に印刷させる。また、制御部1は、自動的な特定情報iの送信を行わない。
チェックボックスC1、チェックボックスC2により、印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行う条件を設定することができる。言い換えると、チェックボックスC1、チェックボックスC2による設定は、実行キー10により、印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行う場合にのみ関連する。尚、チェックボックスC1とチェックボックスC2には、両方共にチェックを入れることができる。チェックボックスC1、C2にチェックが入っていると、チェックボックスC1、C2による条件が満たされなければ、印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信は行われない。
使用者は、チェックボックスC1にチェックを入れるか否かにより、エラーによって、印刷が停止しており、特定情報iが直ちに印刷されないという条件が満たされているときのみ印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行うか否かを設定できる。
実行キー10により、印刷指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行う設定がなされている状態で、チェックボックスC1による条件が設定されていると、特定情報iの印刷の実行指示がなされたとき(いずれかの印刷キーK1のタッチがあったとき)、エラーで印刷停止の状態のときという条件が満たされていれば、制御部1は、印刷実行指示がなされた特定情報iを自動的に検出中の携帯通信装置200に送信させる。
また、使用者は、チェックボックスC2にチェックを入れるか否かにより、印刷ジョブが重なり、特定情報iの印刷ジョブの前に他の印刷ジョブがあり、特定情報iが直ちに印刷されないという条件が満たされているときに印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行うか否かを設定できる。
実行キー10により、印刷指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行う設定がなされている状態で、チェックボックスC2による条件が設定されていると、特定情報iの印刷の実行指示がなされたとき(いずれかの印刷キーK1のタッチがあったとき)、特定情報iの印刷ジョブの前に他の印刷ジョブがあるときに、制御部1は、印刷実行指示がなされた特定情報iを自動的に検出中の携帯通信装置200に送信させる。
チェックボックスC3により、印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行ったときに、特定情報iを印刷するか否かを設定することができる。言い換えると、チェックボックスC3による設定は、実行キー10により、印刷実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行う場合にのみ関連する。
実行キー10により、印刷指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行う設定がなされている状態で、チェックボックスC3による条件が設定されていると、印刷の実行指示(いずれかの印刷キーK1のタッチ)がなされた特定情報iを自動的に検出中の携帯通信装置200に送信したとき、制御部1は、印刷実行指示がなされた特定情報iの印刷を印刷部10に行わせない。
尚、本実施形態の通信システム500の携帯通信装置200には、複合機100と無線通信するためのアプリケーション8がインストールされる。そこで、アプリケーション8により、携帯通信装置200のディスプレイ205に図15と同様の内容を設定する設定画面を表示させてもよい。そして、携帯通信装置200の携帯制御部201は、タッチパネルユニット206の出力に基づき、特定情報iの検出中の携帯通信装置200への自動的な送信の設定内容を認識する。そして、携帯制御部201は、第2無線通信部214に設定内容を第1無線通信部71に向けて送信させる。制御部1は、携帯通信装置200の第2無線通信部214からの受信内容を認識し、携帯通信装置200で設定された内容を記憶部6に記憶させる。このように、特定情報iの印刷の実行指示)に伴って特定情報iの検出中の携帯通信装置200への自動的な送信を行うか否かの設定や自動送信を行ううえでの条件の設定を携帯通信装置200で行えるようにしてもよい。
次に、図14を用いて、実行キー10の表示位置のタッチにより、特定情報iの印刷の実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行う設定がなされているときの処理の流れを説明する。尚、特定情報iの印刷の実行指示に伴う自動的な特定情報iの送信を行わない設定がなされていないときは、本フローは実行されず、特定情報iの印刷がなされる。
図14のスタートは、複合機100の電源が投入されたときや、省電力モードでない状態(省電力モードから通常モードに復帰した状態)が始まったときである。
まず、制御部1は、第1無線通信部71に、スマートフォンやタブレット端末のような携帯通信装置200を検索させる(ステップ♯21)。そして、制御部1は、携帯通信装置200を認識する(ステップ♯22)。
そして、制御部1は、タッチパネル部22、操作パネル2の出力に基づき、情報印刷指示画面S1やジョブリスト画面S2のような特定情報iの印刷を指示するための画面で、特定情報iの印刷の実行指示がなされたか否かを確認する(ステップ♯23)。特定情報iの印刷実行指示がなされていないとき(ステップ♯23のNo)、フローはステップ♯11に戻る。
一方、特定情報iの印刷を指示するための画面で、特定情報iの印刷の実行指示がなされたとき(ステップ♯23のYes)、制御部1は、設定されている条件が無いか、あるいは、設定されている条件が満たされていて、自動送信を行って良いか否かを確認する(ステップ♯24)。
条件が満たされず、印刷実行指示に伴う特定情報iの自動送信を行うべきで無ければ(ステップ♯24のNo)、制御部1は、印刷の実行が指示された特定情報iを印刷部10に印刷させる(ステップ♯25)。そして、フローはステップ♯21に戻る。
一方、印刷実行指示に伴う特定情報iの自動送信を行うべきとき(ステップ♯24のYes)、制御部1は、予め送信先設定画面S3で選択された方法に応じて送信対象となる携帯通信装置200を検出しているか否かを確認する(ステップ♯26)。
具体的に、第1無線通信部71が全く携帯通信装置200を検出していないとき、制御部1は、送信対象となる携帯通信装置200を検出していないと判断する。また、図9の送信先設定画面S3で、登録されている携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定がなされていて、第1無線通信部71が登録された携帯通信装置200を検出していないとき、送信対象となる携帯通信装置200を検出していないと判断する。また、図9の送信先設定画面S3で、ログイン中の使用者の携帯通信装置200に特定情報iを送信する設定がなされていて、ログイン中の使用者の携帯通信装置200を検出していないとき、送信対象となる携帯通信装置200を検出していないと判断する。
送信対象となる携帯通信装置200を検出していないとき(ステップ♯26のNo)、制御部1は、印刷の実行が指示された特定情報iを印刷部10に印刷させる(ステップ♯26)。そして、フローはステップ♯21に戻る。
一方、送信対象となる携帯通信装置200を検出しているとき(ステップ♯26のYes)、制御部1は、送信対象となる携帯通信装置200の第2無線通信部214に向けて、印刷の実行が指示された特定情報iを第1無線通信部71に送信させる(ステップ♯27)。そして、制御部1は、実行指示に伴い自動的に携帯通信装置200に送信された特定情報iを印刷しない設定がなされていれば、その特定情報iを印刷部10に印刷させない(ステップ♯28)。また、携帯通信装置200は、所定の操作がなされることによって、受信した特定情報iの内容を表示する(ステップ♯29)。これにより、使用者は携帯通信装置200の表示内容(特定情報i)を確認する。そして、フローは、ステップ♯21に戻る。本フローは、複合機100が省電力モードになるまで、あるいは、主電源が落とされるまで続けられる。
(特定情報iの送信中の通信切断)
次に、図17、図16を用いて、特定情報iの送信中の通信切断について説明する。図16は、携帯通信装置200でのアプリケーション8の切断時送信先設定画面S7を示す図である。図17は、通信切断時の送信設定画面S8を示す図である。
第1無線通信部71が送信可能な距離(エリア)には限界がある。そのため、第1無線通信部71が携帯通信装置200に向けた特定情報iの送信中に、使用者が第1無線通信部71の送信可能なエリア外に移動してしまうことがある。例えば、自分の机で電話が鳴ったときや、呼び出しがあったときなどは、使用者の移動にあわせて、エリアから携帯通信装置200が外れる場合がある。特に、特定情報iの送信データ量が大きいとき、第1無線通信部71から携帯通信装置200へ特定情報iの送信中に、携帯通信装置200が第1無線通信部71の通信可能エリアから外れやすくなる。
そうすると、第1無線通信部71から携帯通信装置200への特定情報iの送信は完了せずに、第1無線通信部71と携帯通信装置200の第2無線通信部214間の通信が切断される場合がある。
ここで、図16に示すように、複合機100と特定情報iの通信を行うためのアプリケーション8に基づき、携帯通信装置200では、Eメールアドレスや代替送信先を設定することができる。携帯通信装置200の携帯制御部201は、タッチパネルユニット206に所定の操作がなされると、図16の切断時送信先設定画面S7を携帯通信装置200のディスプレイ205に表示させる。切断時送信先設定画面S7には、メールアドレス設定欄L1、第1代替送信先設定欄L2、第2代替送信先設定欄L3が設けられる。各欄の表示位置がタッチされると、携帯制御部201は、ソフトウェアキーボードをディスプレイ205に表示させる。タッチパネルユニット206は、ソフトウェアキーボードに含まれる各キーの表示位置をタッチし、メールアドレスのような送信先の設定を受け付ける。
そして、第1無線通信部71は、検索した携帯通信装置200から予めEメールアドレスや代替送信先の情報を取得する。これにより、複合機100の通信部7は、通信切断があっても、Eメールアドレスや代替送信先に切断により通信未完了の特定情報iを送信して、携帯通信装置200又は代替装置に特定情報iを到達させることができる。
ここで、本実施形態の複合機100では、予め携帯通信装置200を記憶部6に登録しておくことができる。そのため、予め、操作パネル2やタッチパネル部22に入力して、記憶部6に各携帯通信装置200のEメールアドレスや代替送信先を登録、記憶させておいてもよい。
そして、本実施形態の複合機100では、特定情報iの送信中に第1無線通信部71と第2無線通信部214の通信の切断があったときの再送信の処理について設定を行うことができる。図17は、その設定を行うために表示部21に表示される通信切断時の送信設定画面S8を示す。
使用者は、所定の操作を行うことにより、通信切断時の送信設定画面S8を表示させることができる。通信切断時の送信設定画面S8には、メール送信キーK12や、代替送信先送信キーK13や、再検出時送信キーK14が配される。また、通信切断により送信未完了となったときに表示部21にその旨を表示させるためのチェックボックスC4と、通信切断により送信未完了となったときに送信中であった特定情報iの印刷を行うためのチェックボックスC5も配される。
メール送信キーK12は、通信切断により送信未完了となった特定情報iを、通信切断された携帯通信装置200のEメールアドレス宛てに送信する設定とするためのキーである。制御部1は、タッチパネル部22の出力に基づき、メール送信キーK12の表示位置のタッチにより、通信切断時に送信未完了の特定情報iを携帯通信装置200のEメールアドレスに送信する設定がなされたことを認識する。
通信切断時にEメールアドレスに送信する設定がなされていると、制御部1は、通信切断が生じたとき、携帯通信装置200に向けて(通信切断した携帯通信装置200のEメールアドレスを宛先として)、切断時の特定情報iを含むEメールを通信部7に送信させる。これにより、使用者の携帯通信装置200は、送信未完了の特定情報iをEメールとして受信する。そして、使用者は、Eメールの中身を確認することで、特定情報iを認識できる。
代替送信先送信キーK13は、通信切断により送信未完了となった特定情報iを、通信切断された携帯通信装置200の代替送信先に送信する設定とするためのキーである。制御部1は、タッチパネル部22の出力に基づき、代替送信先送信キーK13の表示位置のタッチにより、通信切断時に送信未完了の特定情報iを携帯通信装置200の代替送信先送信に送信する設定がなされたことを認識する。
通信切断時に代替送信先に送信する設定がなされていると、制御部1は、通信切断が生じたとき、携帯通信装置200のから代替送信先のアドレスに向けて(通信切断した携帯通信装置200の代替送信先を宛先として)、切断時に送信中であった特定情報iを通信部7に送信させる。代替送信先としては、使用者に割り当てられたコンピューター300や、データサーバーなどを設定することができる。これにより、使用者は、代替送信先に送信された特定情報iを確認できる。
再検出時送信キーK14は、通信切断により送信未完了となった特定情報iを、再度、携帯通信装置200を検出したとき送信する設定とするためのキーである。複合機100は部署やフロアに設けられるので、いずれ、通信切断された携帯通信装置200の所持者が複合機100の第1無線通信部71の通信エリアに戻ってくる可能性は高い。
そして、通信切断した携帯通信装置200を再検出したときに特定情報iを再送信する設定がなされていると、制御部1は、通信切断が生じたとき、切断時に送信中であった特定情報iを記憶部6に記憶させる。そして、制御部1は、切断時に送信中であった特定情報iを、通信切断した携帯通信装置200を再検出したとき自動的に第1無線通信部71に送信させる。これにより、使用者は、受信未完了であって特定情報iを最終的に確認できる。
尚、メール送信キーK12、代替送信先送信キーK13、再検出時送信キーK14は択一的ではない。言い換えると、通信切断があったとき、特定情報iをEメールで送信する設定、代替送信先に送信する設定、再検出時に送信する設定は、何れか1つ、又は、複数組み合わせることができる。
次に、各チェックボックスについて説明する。まず、各チェックボックスについては、チェックボックスの表示位置のタッチを繰り返すことで、チェックを入れたり、外したりすることができる。
使用者は、通信切断により送信未完了となった場合、表示部21にその旨を表示させるとき、チェックボックスC4にチェックを入れる。チェックボックスC4にチェックが入れられ、通信切断時、表示部21に表示を行う設定がなされている状態で、特定情報iを送信中の携帯通信装置200との通信が切断されると、制御部1は、切断により送信未完了である旨を表示部21に表示させる。
また、使用者は、通信切断により送信未完了となった場合、送信未完了の特定情報iを印刷させるとき、チェックボックスC5にチェックを入れる。チェックボックスC5にチェックが入れられ、通信切断時、送信未完了の特定情報iの印刷を行う設定がなされている状態で、特定情報iを送信中の携帯通信装置200との通信が切断されると、制御部1は、切断により送信未完了である特定情報iを印刷部10に印刷させる。
(通信中断時の処理の流れ)
次に、図18を用いて、通信切断時の処理の流れを説明する。図18は、特定情報iの送信中に、携帯通信装置200との通信が切断したときの処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図18のスタートは、一定時間以上、特定情報iの送信中の携帯通信装置200の存在を検出できなくなり、特定情報iの送信中の携帯通信装置200との通信が切断された時点である。
まず、制御部1は、携帯通信装置200のEメールアドレスに向けて、特定情報iをEメールで送信すべきか否か(Eメール送信を行う設定がなされているか否か)を確認する(ステップ♯31)。Eメール送信を行う設定がなされているとき(ステップ♯31のYes)、制御部1は、送信中に通信が切断した携帯通信装置200のEメールアドレスに、送信未完了部分の特定情報i、又は、切断により送信未完了となった特定情報iの全てを含むEメールを通信部7に送信させる(ステップ♯32)。
Eメール送信を行う設定がなされていないとき(ステップ♯31のNo)、及び、ステップ♯32の後、制御部1は、携帯通信装置200の切断時の代替送信先のアドレスに向けて、特定情報iを送信すべきか否か(代替送信先に送信を行う設定がなされているか否か)を確認する(ステップ♯33)。代替送信先に送信未完了の特定情報iの送信を行う設定がなされているとき(ステップ♯33のYes)、制御部1は、送信中に通信が切断した携帯通信装置200の代替送信先(複数あるときは複数の代替送信先)に、送信未完了部分の特定情報i、又は、切断により送信未完了となった特定情報iの全てを通信部7に送信させる(ステップ♯34)。
代替送信先に送信を行う設定がなされていないとき(ステップ♯33のNo)、及び、ステップ♯34の後、制御部1は、特定情報iの送信中に通信切断された携帯通信装置200を再検出したとき、自動的に特定情報iを送信すべきか否か(携帯通信装置200の再検出に送信を行う設定がなされているか否か)を確認する(ステップ♯35)。切断により特定情報iの送信未完了の携帯通信装置200を再検出したとき、再送信を行う設定がなされているとき(ステップ♯35のYes)、制御部1は、送信中に通信が切断した携帯通信装置200を示す情報(携帯通信装置200の名称やMACアドレス)を記憶部6に記憶させる(ステップ♯36)。これにより、再検出したとき、送信中に通信が切断した携帯通信装置200に、送信未完了部分の特定情報i、又は、切断により送信未完了となった特定情報iの全てを自動的に特定情報iの再送信を行う設定がなされる。
そして、制御部1は、チェックボックスC4、チェックボックスC5のチェックの有無を確認し、チェックの有無に応じ(必要に応じ)、制御部1は、特定情報iの送信中に通信が切断された旨の表示や、送信未完了部分の特定情報i、又は、切断により送信未完了となった特定情報iの全ての印刷を行わせる(ステップ♯37→エンド)。
このようにして、本実施形態の画像形成装置(複合機100)は、用紙に印刷を行う印刷部10と、情報、データを記憶する記憶部6と、携帯通信装置200と無線により通信し、通信エリア内の送信可能な携帯通信装置200を自動的に検出する通信部7と、を含み、通信部7は、携帯通信装置200を検出したとき、検出中の携帯通信装置200に、記憶部6に記憶された情報のうち、予め定められた情報であり使用者の指示に基づき印刷される特定情報iを送信する。これにより、今までならば使用者の指示や入力に基づいて印刷されていた情報を携帯通信装置200に出力する。そのため、今までならば使用者の指示や入力に基づいて印刷されていた情報を使用者の携帯通信装置200で確認することができる。従って、使用者の指示や入力に基づいた情報の印刷をせずに済ますことができる場合があり、用紙、トナー、電力などの資源の消費を削減することができる。また、普段、普段あまり携帯通信装置200を活用していない使用者に、携帯通信装置200の活用を促すことができる。
又、本実施形態の画像形成装置(複合機100)は、特定情報iを、印刷部10に印刷させる指示を行うための指示画面(情報印刷指示画面S1)を表示する表示部21と、指示画面を表示させる操作と表示された指示画面での操作を受け付ける操作部(タッチパネル部22、操作パネル2)と、を含み、通信部7が携帯通信装置200を検出しているとき、表示部21は、特定情報iを検出中の携帯通信装置200に送信するため送信キー(送信キーK2)を指示画面に表示し、携帯通信装置200を検出していないとき送信キーを表示せず、操作部は、送信キーへの操作による検出中の携帯通信装置200への特定情報iの送信指示を受け付け、通信部7は、送信指示がなされると検出中の携帯通信装置200に特定情報iを送信し、送信指示がなされなければ、携帯通信装置200を検出していても特定情報iを携帯通信装置200に送信せず、印刷部10は、送信指示がなされた特定情報iを印刷しない。これにより、携帯通信装置200の未検出状態では、特定情報iを携帯通信装置200に送信できないような表示がなされ、携帯通信装置200を検出中であると、表示は、特定情報iの携帯通信装置200への送信を選択できるような表示に自動的に切り替わる。これにより、表示部21の画面を見れば、携帯通信装置200に特定情報iを送信できるか否か、瞬時に認識することができる。
又、本実施形態の画像形成装置(複合機100)は、特定情報iを、印刷部10に印刷させる指示を行うための指示画面(ジョブリスト画面S2)を表示する表示部21と、指示画面を表示させる操作と表示された指示画面での操作を受け付ける操作部(タッチパネル部22、操作パネル2)と、を含み、表示部21は、印刷待ちの印刷ジョブの一覧をリストとして表示するとともに、通信部7が携帯通信装置200を検出しているとき、リストのうち、指示画面での印刷の実行指示を操作部で受け付けたことによる特定情報iを印刷する印刷ジョブの表示箇所に付して送信キー(送信キーK3)を表示し、通信部7が携帯通信装置200を検出していないとき、リストに送信キーを表示せず、操作部は、送信キーへの操作による検出中の携帯通信装置200への印刷待ちの特定情報iの送信指示を受け付け、通信部7は、送信指示がなされた印刷待ちの特定情報iを、検出中の携帯通信装置200に送信し、送信指示がなされなければ、携帯通信装置200を検出していても特定情報iを携帯通信装置200に送信せず、印刷部10は、送信指示がなされた印刷待ちの特定情報iを印刷しない。これにより、一旦、特定情報iの印刷が指示された後に、印刷を取りやめて、携帯通信装置200への送信出力への切り替えを事後的に行うことができる。また、携帯通信装置200の未検出状態では、特定情報iを携帯通信装置200に送信できないような表示がなされ、携帯通信装置200を検出中であると、特定情報iの携帯通信装置200への送信を選択できるような表示に切り替わる。従って、表示部21の画面を見れば特定情報iの印刷を取りやめて、携帯通信装置200への特定情報iの送信に切り替えられるか否か、瞬時に認識することができる。
又、本実施形態の画像形成装置(複合機100)は、特定情報iを、印刷部10に印刷させる指示を行うための指示画面(情報印刷指示画面S1、ジョブリスト画面S2)を表示する表示部21と、指示画面を表示させる操作と表示された指示画面での特定情報iの印刷実行の指示を受け付ける操作部(タッチパネル部22、操作パネル2)と、を含み、通信部7は、指示画面での特定情報iの印刷実行の指示の操作がなされると、印刷実行指示がなされるまで特定情報iを送信せず、指示画面での特定情報iの印刷実行の指示の操作がなされると、検出中の携帯通信装置200に特定情報iを送信し、印刷部10は、送信指示がなされた特定情報iを印刷しない。これにより、携帯通信装置200に特定情報iを自動的に送信することができる。そして、使用者に特定情報iの印刷を行わないように仕向け、資源消費の抑制を強化することができる。
又、操作部(タッチパネル部22、操作パネル2)が指示画面(情報印刷指示画面S1、ジョブリスト画面S2)での特定情報iの印刷実行の指示を受け付けたとき、通信部7は、予め定められた条件が満たされているときのみ、印刷の実行が指示された特定情報iを検出中の携帯通信装置200に送信し、予め定められた条件は、エラーにより印刷が停止していることと、特定情報iの印刷ジョブの前に実行待ちの印刷ジョブがあることの何れか一方、又は、両方とする。これにより、特定情報iが印刷されるまで時間がかかるときに、携帯通信装置200に特定情報iを送信するよう設定することができる。従って、使用者が特定情報iを得るまでの時間を短くすることができる。
又、通信部7は、検出した携帯通信装置200から携帯通信装置200のメールアドレスを取得し、携帯通信装置200への特定情報iの送信が完了する前に通信が切断されたとき、特定情報iのうち切断による送信未完了部分の特定情報i、又は、切断により送信未完了となった特定情報iの全てを含むメールを、所得しておいたメールアドレスに送信する。これにより、通信部7と携帯通信装置200との通信が切断しても、使用者の携帯通信装置200に、特定情報iの全てを到達させることができる。従って、無線通信の切断があっても、使用者(携帯通信装置200)は、欠損が無い特定情報iを得られる。
又、通信部7は、検出した携帯通信装置200から1又は複数の代替送信先を取得し、携帯通信装置200への特定情報iの送信が完了する前に通信が切断されたとき、特定情報iのうち切断による送信未完了部分の特定情報i、又は、切断により送信未完了となった特定情報iの全てを、1つの又はそれぞれの代替送信先に送信する。通信部7と携帯通信装置200との通信が切断しても、使用者が特定情報iを確認できるような代替送信先に特定情報iを送信することができる。そして、使用者に代替送信先で受信された特定情報iを閲覧できるようにすることができる。
又、、記憶部6は、携帯通信装置200への特定情報iの送信が完了する前に通信が切断されたとき、切断により送信未完了の特定情報iを記憶しておき、通信部7は、特定情報iの送信が未完了の携帯通信装置200を再検出したとき、送信未完了の特定情報iを再検出した携帯通信装置200に再送信する。これにより、通信部7と携帯通信装置200との通信が切断しても、先の通信で送信しようとした特定情報iの全てが最終的に携帯通信装置200で受信される。従って、使用者は、特定情報iの内容の全てを最終的には必ず確認することができる。
又、印刷部10は、携帯通信装置200への特定情報iの送信が完了する前に通信が切断されたとき、特定情報iのうち切断による送信未完了部分の特定情報i、又は、切断により送信未完了となった特定情報iの全てを、印刷する。これにより、携帯通信装置200への送信がなされたものの到達しなかった場合に、特定情報iが印刷される。従って、特定情報iの内容の確認漏れを防ぐことができる。しかも、特定情報iが印刷されるのは、通信切断の場合に限られる。
又、携帯通信装置200への特定情報iの送信が完了する前に通信が切断されたとき、表示部21は、特定情報iの送信が未完了である旨を表示する。これにより、表示により、特定情報iの送信が未完了であることを使用者に報知することができる。
又、操作部(タッチパネル部22、操作パネル2)は、携帯通信装置200を登録する設定を受け付け、記憶部6は、登録された携帯通信装置200を示すデータを記憶し、通信部7は、検出中の携帯通信装置200のうち、予め登録された携帯通信装置200に向けて特定情報iを送信する。これにより、予め登録され、特定情報iを送信しても問題がない携帯通信装置200に対してのみ、特定情報iを送信することができる。従って、必要のない携帯通信装置200で特定情報iが受信、表示されないようにすることができる。
又、操作部(タッチパネル部22、操作パネル2)は、複数の検出された携帯通信装置200のなかから何れの携帯通信装置200に特定情報iを送信するかを選択する入力を受け付け、通信部7は、複数の検出中の携帯通信装置200のうち、選択された携帯通信装置200に特定情報iを送信する。これにより、使用者が所望する携帯通信装置200に特定情報iを送信することができる。
又、記憶部6は、使用者が所持する携帯通信装置200を示すデータを含みログインのため使用者を認証するための複数人分の認証用データD1を記憶し、操作部(タッチパネル部22、操作パネル2)は、使用者を識別するための識別用入力を受け付け、通信部7は、入力された識別用入力の内容と、認証用データD1を照合することでログイン中の使用者が所持する携帯通信装置200を認識し、認識した携帯通信装置200に向けて特定情報iを送信する。これにより、特定情報iを出力する操作を行った使用者の携帯通信装置200に特定情報iを送信することができる。従って、関係ない使用者の携帯通信装置200に向けて特定情報iを送信しないようにすることができる。
又、特定情報iは、画像形成装置(複合機100)の状態を示す情報、画像形成装置のジョブの履歴を示す情報、若しくは、画像データの送信先として記憶部6に記憶された複数の送信先情報の何れか1つ、又は、複数である。これにより、従来であれば、使用者が印刷指示の操作を行うことにより印刷により出力されていた情報を、携帯通信装置200に向けて出力することができる。従って、従来、用紙に印刷されていた情報を携帯通信装置200で確認するようにすることができ、資源の無駄を無くすことができる。また、携帯通信装置200を有効活用することができる。
又、通信システム500は、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)と、画像形成装置の通信部7と送信可能な携帯通信装置200を含む。今までならば使用者の指示や入力に基づいて印刷されていた情報を、携帯通信装置200に送信出力することで、資源の削減を図ることができる通信システム500を提供することができる。また、従来よりも、画像形成装置(複合機100)と携帯通信装置200の連携を図ることで、携帯通信装置200の活用を促すことができる通信システム500を提供することができる。
又、本実施形態の発明は携帯通信装置200の制御方法の発明として捉えることもできる。具体的に、携帯通信装置200の制御方法は、携帯通信装置200に、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)から特定情報iを受信させ、受信した特定情報iを携帯通信装置200のディスプレイ205に表示させる。従って、画像形成装置(複合機100)から送信された特定情報iを携帯通信装置200で受信し、携帯通信装置200で特定情報iの内容を確認することができる。従って、特定情報iを印刷する手間が省け、消費される資源を抑制することができる。また、携帯通信装置200を有効活用することができる。
又、本実施形態の携帯通信装置200の制御方法は、携帯通信装置200の受付部に、画像形成装置(複合機100)に特定情報iの送信の条件を受け付けさせ、画像形成装置に向けて、受け付けた条件の内容を携帯通信装置200に送信させ、画像形成装置に送信した条件が満たされたとき特定情報iを携帯通信装置200に送信させる。これにより、特定情報iを送信先などの条件を携帯通信装置200で設定することができる。
又、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。