以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
図1は、本実施形態に係るシステム100の概略図である。図1に示されるシステム100は、複合機10A、10B(以下、これらを総称して、「複合機10」と表記することがある。)と、携帯端末50と、サーバ80とで構成される。複合機10、携帯端末50、及びサーバ80は、通信ネットワークを介して相互に通信可能とされている。通信ネットワークの具体例は特に限定されないが、例えば、インターネット101、有線LAN、無線LAN102、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
複合機10及び携帯端末50は、無線LAN102に属している。すなわち、複合機10及び携帯端末50は、無線LAN102の不図示のアクセスポイントを経由して、相互に通信することができる。また、無線LAN102は、ルータ102Aを通じてインターネット101に接続されている。さらに、サーバ80は、インターネット101に接続されている。すなわち、複合機10及び携帯端末50は、ルータ102Aからインターネット101を経由して、サーバ80と通信することができる。
複合機10は、図2(A)に示されるように、プリンタ11と、スキャナ12と、ディスプレイ23と、入力I/F24と、NFC通信I/F25と、Wi−Fi(Wi-Fi Allianceの登録商標)通信I/F26と、CPU31と、メモリ32と、通信バス33とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。複合機10A、10Bの構成は同様であってもよいし、異なっていてもよい。複合機10は、画像処理装置の一例である。また、プリンタ11及びスキャナ12は、動作部の一例である。
プリンタ11は、画像データで示される画像をシートに記録するプリント動作を実行する。プリンタ11の記録方式としては、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ12は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データ(以下、「スキャンデータ」と表記する。)を生成するスキャン動作を実行する。なお、複合機10は、FAX送信動作及びFAX受信動作を実行可能なFAX部をさらに備えていてもよい。また、複合機10は、プリンタ11及びスキャナ12の一方のみを備え、他方を備えていなくてもよい。
プリント動作は、画像データを出力する出力動作の一例である。但し、出力動作の具体例はプリント動作に限定されず、例えば、外部装置に画像データをFAX送信するFAX送信動作等であってもよい。スキャン動作は、画像データを生成する入力動作の一例である。但し、入力動作の具体例はスキャン動作に限定されず、外部装置から画像データをFAX受信するFAX受信動作等であってもよい。
入力I/F24は、ユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースである。具体的には、入力I/F24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、入力I/F24は、ディスプレイ23の表示面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。ディスプレイ23の表示面に表示されたオブジェクトを指定する操作、文字列或いは数字列を入力する操作は、ユーザ操作の一例である。「オブジェクト」とは、例えば、ディスプレイ23に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク等である。
タッチセンサとして実現される入力I/F24は、ユーザがタッチした表示面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示面に接触させる操作全般を含む。また、入力媒体が表示面に触れていなくても、表示面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させる「ホバー」或いは「フローティングタッチ」を、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。ディスプレイ23に表示されたアイコンの位置のタップするユーザ操作は、当該アイコンを指定する指定操作の一例である。
NFC通信I/F25は、外部装置との間で無線信号を送受信することが可能な第1通信インタフェースの一例である。すなわち、複合機10は、NFC通信I/F25を通じて携帯端末50に各種情報を送信し、NFC通信I/F25を通じて携帯端末50から各種情報を受信する。なお、NFC通信I/F25を通じた無線通信(以下、「NFC通信」と表記する。)の通信範囲は、Wi−Fi通信I/F26を通じた無線通信(以下、「Wi−Fi通信」と表記する。)の通信範囲より狭い。また、NFC通信の通信速度は、Wi−Fi通信の通信速度より遅い。
NFC通信I/F25は、近接無線方式で無線通信を行うためのインタフェースである。NFC通信I/F25は、NFC規格に準拠した無線通信を行う。NFC規格は、例えば、ISO/IEC21481または18092の規格である。本明細書において、NFC規格に準拠した手順で通信可能な機器を「NFC機器」と表記し、NFC規格に準拠した手順でする通信を「NFC通信」と表記する。NFC通信は、近接無線通信の一例である。NFC通信I/F25には、外部装置との間で受け渡すための情報を記憶するメモリを有するICチップが搭載されている。NFC規格は、近接無線通信プロトコルの一例である。また、NFC規格に代えて、TransferJet(TransferJet コンソーシアムの登録商標)規格を採用してもよい。
Wi−Fi通信I/F26は、外部装置と通信可能な第2通信インタフェースの一例である。複合機10は、Wi−Fi通信I/F26を通じて携帯端末50に各種情報を出力し、Wi−Fi通信I/F26を通じて携帯端末50から各種情報を受信する。なお、Wi−Fi通信の通信距離は、NFC通信の通信距離より長い。また、Wi−Fi通信の通信速度は、NFC通信の通信速度より速い。
Wi−Fi通信I/F26は、Wi−Fi規格に準拠した無線通信を行う。Wi−Fi通信I/F26は、通信ネットワークを通じて外部装置と無線通信する間接無線通信が可能である。より詳細には、Wi−Fi通信I/F26は、アクセスポイント等の中継装置を経由して、外部装置と無線通信することができる。また、Wi−Fi通信I/F26は、中継装置を経由せずに外部装置と無線通信する直接無線通信が可能であってもよい。直接無線通信は、例えば、Wi−Fi Direct(Wi-Fi Allianceの登録商標)規格に準拠した無線通信である。Wi−Fi通信のうち中継装置を経由しない無線通信を、「Wi−Fiダイレクト通信」と表記する。Wi−Fi通信I/F26の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、間接無線通信にWi−Fiを採用し、直接無線通信にWi−Fiダイレクトを採用してもよい。
CPU31は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU31は、入力I/F24から出力される各種情報、通信I/F25、26を通じて外部装置から受信した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムをメモリ32から取得して実行する。CPU31及びメモリ32は、コントローラの一例を構成する。
メモリ32は、OS34と、装置プログラム35とを記憶している。装置プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。また、メモリ32は、装置プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報等を記憶する。メモリ32は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、複合機10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
メモリ32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット101上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。後述する携帯端末50のメモリ62についても同様である。
メモリ32は、例えば図3(A)に示されるように、動作ID及び能力情報を含む装置情報を記憶することができる。装置情報は、対応する動作ID及び能力情報のセットを1つ以上含む。図3(A)は、複合機10Aの装置情報の例である。複合機10Bの装置情報の図示は省略するが、複合機10Aと同一であってもよいし、異なっていてもよい。装置情報は、例えば、複合機10の製造メーカによって出荷前に設定される。
動作IDは、複合機10が実行可能な動作を識別する動作識別情報の一例である。本実施形態において、プリント動作は“プリント”で識別され、スキャン動作は“スキャン”で識別される。能力情報は、対応する動作IDで識別される動作の実行条件のバリエーションを示す。サイズ情報は、プリント動作で画像を記録するシートのサイズを示す。色情報は、プリント動作でシートに記録する画像の色を示す。解像度情報は、スキャン動作で生成するスキャンデータの解像度を示す。形式情報は、スキャン動作で生成するスキャンデータの形式を示す。
すなわち、図3(A)の例において、複合機10Aは、“A4”、“A3”、“L版”のいずれかのシートに“モノクロ”、“カラー”のいずれかで画像を記録するプリント動作と、解像度が“300dpi”、“600dpi”のいずれかのスキャンデータを“TIFF”、“PDF”のいずれかのファイル形式で生成するスキャン動作とを実行可能である。なお、能力情報で示される実行条件は、前述の例に限定されない。
携帯端末50は、図2(B)に示されるように、ディスプレイ53と、入力I/F54と、NFC通信I/F55と、Wi−Fi通信I/F56と、CPU61と、メモリ62と、通信バス63とを主に備える。携帯端末50に含まれるディスプレイ53、入力I/F54、NFC通信I/F55、Wi−Fi通信I/F56、CPU61、メモリ62、及び通信バス63は、複合機10に含まれるディスプレイ23、入力I/F24、NFC通信I/F25、Wi−Fi通信I/F26、CPU31、メモリ32、及び通信バス33と同様の構成であるので、説明は省略する。CPU61及びメモリ62は、コントローラの一例である。
携帯端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、或いはタブレット端末等である。より詳細には、携帯端末50のディスプレイ53は、表示画面のサイズが12インチ以下、より好ましくは8インチ以下であるのが望ましい。また、携帯端末50の入力I/F54は、ディスプレイ53の表示画面に重ねられたタッチセンサであるのが望ましい。
メモリ62は、OS64と、端末プログラム65とを記憶している。OS64は、例えば、Android(Google inc.の登録商標) OS、iOS(Cisco Systems,Inc.の登録商標)、Windows Phone(Microsoft Corporationの登録商標) Operating System等であってもよい。
メモリ62は、例えば図3(B)に示されるように、WFリストを含むことができる。WFリストは、1以上のWFレコードを含む。WFレコードは、互いに対応付けられたWF−IDと、装置IDと、動作IDと、条件情報とを含む。但し、WFレコードは、装置IDを含んでいなくてもよい。端末プログラム65のインストール時において、メモリ62にWFレコードは記憶されていない。端末プログラム65は、後述するWF登録処理において、ユーザの指示に従って生成したWFレコードを、WFリストに登録する。
WF−IDは、WFレコードを識別するWF識別情報の一例である。装置IDは、複合機10を識別する装置識別情報の一例である。本実施形態において、複合機10Aは“MFP−A”で識別され、複合機10Bは“MFP−B”で識別される。条件情報は、対応する動作IDで識別される動作の実行条件を示す情報である。
WFレコードは、複合機10に実行させる動作(以下、「ワークフロー」と表記する。)の内容を定義するワークフロー情報の一例である。ワークフローは、条件情報で示される実行条件に従って実行される動作IDで識別される動作を指す。一例として、WF−ID“001”を含むWFレコードは、A4サイズの用紙にモノクロの画像を記録するプリント動作がワークフローとして定義されている。他の例として、WF−ID“002”を含むWFレコードは、解像度600dpiのスキャンデータをTIFF形式で生成するスキャン動作がワークフローとして定義されている。
また、出力動作の動作IDを含むWFレコードは第1ワークフロー情報(以下、「出力WFレコード」と表記する。)の一例であり、出力WFレコードで定義されるワークフローを「出力WF」と表記する。一方、入力動作の動作IDを含むWFレコードは第2ワークフロー情報(以下、「入力WFレコード」と表記する。)の一例であり、入力WFレコードで定義されるワークフローを「入力WF」と表記する。
図3(B)の例において、WF−ID“001”、“003”、“004”を含むWFレコードは出力WFレコードであり、WF−ID“002”を含むWFレコードは入力WFレコードである。本実施形態に係るWFリストには、同一の装置IDを含む出力WFレコードを1つだけ登録でき、同一の装置IDを含む入力WFレコードを1つだけ登録できるものとする。但し、この構成に限定されない。
さらに図示は省略するが、メモリ62には、データフォルダが設けられていてもよい。データフォルダには、例えば、写真データ、文書データ、プレゼンテーションデータ、表計算データ等が格納されていてもよい。データフォルダに記憶されている各種データは、指定データとなり得るデータである。
サーバ80は、所謂ストレージサーバである。より詳細には、サーバ80は、例えば、外部装置から受信したデータをサーバメモリに記憶させ、外部装置によって指定されたデータをサーバメモリから読み出して携帯端末50に送信する。本実施形態において、サーバ80は装置ID“サーバC”で識別される。サーバ80は、例えば、「Evernote(Evernote Corporationの登録商標)」、「Dropbox(DropBox, Inc.の登録商標)」、「Google Drive(Googleは、Google, Inc.の登録商標)」等のサービスを提供するものであってもよい。
本実施形態における携帯端末50のNFC通信I/F55は、Poll動作を実行する。Poll動作とは、所定の時間間隔でポーリング信号を繰り返し出力し、当該ポーリング信号の応答であるレスポンス信号を監視する動作である。一方、本実施形態における複合機10のNFC通信I/F25は、Listen動作を実行する。Listen動作とは、ポーリング信号を監視し、ポーリング信号を受信したことを条件としてレスポンス信号を出力する動作である。
複合機10と携帯端末50とが接近したことによって、携帯端末50のNFC通信I/F55が出力したポーリング信号を複合機10のNFC通信I/F25が受信し、複合機10のNFC通信I/F25が出力したレスポンス信号を携帯端末50のNFC通信I/F55が受信する。これにより、NFC規格に従った所定の手順で、複合機10と携帯端末50との間にNFC方式の通信リンク(以下、「NFCリンク」と表記する)が確立される。以降、複合機10と携帯端末50とは、このNFCリンクを通じて情報等を送受信する。なお、複合機10がPoll動作を実行し、携帯端末50がListen動作を実行してもよい。
[システム100の動作]
図4〜図7を参照して、本実施形態に係るシステム100の動作を説明する。なお、図4に示される処理の開始時点において、複合機10のNFC通信I/F25はListen動作を既に実行しており、携帯端末50のNFC通信I/F55はPoll動作を実行しているものとする。
本明細書のフローチャートは、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU31、61の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「制御」等の処理は、CPU31、61の処理を表している。CPU61による処理は、OS64を介したハードウェア制御も含む。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
まず、端末プログラム65は、図8(A)に示されるメイン画面をディスプレイ53に表示させる(S11)。メイン画面は、「アイコンをタップするか、装置にかざして下さい。」とのメッセージと、[出力WF]アイコン111と、[入力WF]アイコン112と、[登録]アイコン113とを含む。[出力WF]アイコン111は出力WF決定処理の実行指示に対応し、[入力WF]アイコン112は入力WF決定処理の実行指示に対応し、[登録]アイコン113はWF登録処理の実行指示に対応する。そして、端末プログラム65は、メイン画面に対するユーザ操作を、入力I/F54或いはNFC通信I/F55を通じて受け付ける(S12)。
端末プログラム65は、例えば、ユーザが複合機10Aに携帯端末50を近づけたことによって、Poll動作を実行中のNFC通信I/F55を通じて複合機10Aからレスポンス信号を受信する(S12:装置にかざす)。次に、端末プログラム65は、レスポンス信号の送信元である複合機10Aとの間にNFCリンクを確立する。複合機10Aからレスポンス信号を受信すること、或いはNFCリンクが確立されたことは、NFC通信I/F55と複合機10Aとが近接無線接続されたことの一例である。
そして、端末プログラム65は、近接無線接続された複合機10Aを、指定装置として特定する。より詳細には、端末プログラム65は、近接無線接続された複合機10AからNFC通信I/Fを通じて装置ID“MFP−A”受信し、受信した装置IDを指定装置IDとしてメモリ62に記憶させる。この処理は、特定処理の一例である。指定装置IDは、指定装置識別情報の一例である。複合機10AとのNFC通信が可能な範囲に携帯端末50を近づける操作は、NFC通信I/F55を通じて複合機10Aを指定装置に指定する操作の一例である。
また、端末プログラム65は、NFC決定処理を実行する(S13)。NFC決定処理は、近接無線接続された指定装置に実行させるワークフローを定義するWFレコード(以下、「指定WFレコード」と表記する。)を決定する処理である。図5を参照して、NFC決定処理の詳細を説明する。
まず、端末プログラム65は、近接無線接続された複合機10AからNFC通信I/F55を通じて接続情報を受信する。接続情報は、複合機10AとWi−Fiダイレクト接続するために必要な情報である。接続情報は、例えば、IPアドレス、MACアドレス、或いはSSID等であってもよい。そして、端末プログラム65は、受信した接続情報を用いて複合機10AとWi−Fiダイレクト接続する(S31)。
次に、端末プログラム65は、Wi−Fiダイレクト接続されたWi−Fi通信I/F56を通じて複合機10Aから装置情報を受信する(S32)。そして、端末プログラム65は、受信した装置情報を指定装置IDと対応付けてメモリ62に一時記憶させる。なお、端末プログラム65は、S31において、接続情報及び装置情報の両方を、NFC通信I/F55を通じて複合機10Aから受信してもよい。接続情報及び装置情報を受信する処理は、受信処理の一例である。
次に、端末プログラム65は、WFリストに含まれるWFレコードのうち、第1条件に合致するWFレコードを抽出する(S33)。そして、端末プログラム65は、S33で抽出したWFレコードの数を判断する(S34)。端末プログラム65は、第1条件に合致するWFレコードがないと判断したことに応じて(S34:0)、他の検索条件が存在するか否かを判断する(S35)。そして、端末プログラム65は、第2検索条件が存在すると判断したことに応じて(S35:Yes)、当該第2条件に合致するWFレコードを抽出する(S36→S33)。さらに、端末プログラム65は、第2条件に合致するWFレコードがないと判断したことに応じて(S34:0)、第3条件に合致するWFレコードを抽出する(S35:Yes→S36→S33)。S33の処理は、抽出処理の一例である。
本実施形態に係る第1条件は、WFレコードが指定装置IDを含むという条件である。また、本実施形態に係る第2条件は、WFレコードが装置IDを含まず、且つS32で受信した装置情報に含まれる動作IDを含むという条件である。本実施形態に係る第3条件は、WFレコードが指定装置IDと異なる装置IDを含み、且つS32で受信した装置情報に含まれる動作IDを含むという条件である。
但し、各抽出条件を用いた抽出処理の実行順序は、前述の例に限定されない。例えば、最初のS33で第2条件に合致するWFレコードを抽出してもよい。また、この場合において、第1条件及び第3条件を用いた抽出処理は、省略されてもよい。さらに、S33における抽出条件は、前述の例に限定されない。一例として、S76で実行するNFC決定処理でのS33における抽出条件は、WFレコードが指定装置IDと出力動作の動作IDとを含むことであってもよい。他の例として、S86で実行するNFC決定処理でのS33における抽出条件は、WFレコードが指定装置IDと入力動作の動作IDとを含むことであってもよい。
図3(B)に示されるWFリストにおいて、指定装置ID“MFP−A”とすると、WF−ID“001”、“002”を含むWFレコードは第1条件に合致し、WF−ID“003”を含むWFレコードは第2条件に合致し、WF−ID“004”を含むWFレコードは第3条件に合致する。一方、装置ID“MFP−C”で識別される不図示の複合機10Cを新たに設置し、携帯端末50を複合機10Cにかざした場合、いずれの抽出条件にも合致しない。本実施形態では、WF−ID“001”、“002”を含むWFレコードが抽出されたものとして、以下の説明を継続する。
端末プログラム65は、S33で複数のWFレコードを抽出したと判断したことに応じて、換言すれば、S33で出力WFレコード及び入力WFレコードの両方を抽出したと判断したことに応じて(S34:複数)、指定データIDがメモリ62に記憶されているか否かと、出力先IDがメモリ62に記憶されているか否かとを判断する(S38&S40)。S38、S40の処理は、判断処理の一例である。なお、S38、S40の実行順序は、図5の例に限定されず、逆順であってもよい。
指定データIDは、出力動作の対象となる指定データを識別するデータ識別情報の一例である。指定データIDは、後述するS72でメモリ62に記憶される。すなわち、端末プログラム65は、S38において、S72の処理が実行済か否かを判断する。出力先IDは、入力動作で生成された生成データの出力先である指定出力先を識別する出力先識別情報である。出力先IDは、後述するS82でメモリ62に記憶される。すなわち、端末プログラム65は、S40において、S82の処理が実行済か否かを判断する。
そして、端末プログラム65は、指定データIDがメモリ62に記憶されていると判断したことに応じて、換言すれば、S72の処理が実行済であると判断したことに応じて(S38:Yes)、S33で抽出した出力WFレコードを指定WFレコードに決定する(S39)。すなわち、端末プログラム65は、指定WFレコードのWF−ID“001”をメモリ62に一時記憶させる。なお、端末プログラム65は、S33で複数の出力WFレコードを抽出した場合、後述する出力WF選択画面を通じて、指定WFレコードをユーザ操作に従って決定してもよい。
一方、端末プログラム65は、出力先IDがメモリ62に記憶されていると判断したことに応じて、換言すれば、S82の処理が実行済であると判断したことに応じて(S40:Yes)、S33で抽出した入力WFレコードを指定WFレコードに決定する(S41)。すなわち、端末プログラム65は、指定WFレコードのWF−ID“002”をメモリ62に一時記憶させる。なお、端末プログラム65は、S33で複数の入力WFレコードを抽出した場合、後述する入力WF選択画面を通じて、指定WFレコードをユーザ操作に従って決定してもよい。
また、端末プログラム65は、指定データID及び出力先IDの両方がメモリ62に記憶されていないと判断したことに応じて、換言すれば、S72、S82の処理のどちらも実行済でないと判断したことに応じて(S38:No&S40:No)、図8(B)に示されるWF選択画面をディスプレイ53に表示させる(S42)。そして、端末プログラム65は、WF選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S43)。S43の処理は、第3受付処理の一例である。
WF選択画面は、S33で抽出した複数のWFレコードのうちの1の選択を促す画面である。WF選択画面は、S33で抽出したWFレコードに対応するWFアイコン121、122を含む。WFアイコン121はWF−ID“001”を含むWFレコードに対応し、WFアイコン122はWF−ID“002”を含むWFレコードに対応する。また、WFアイコン121、122には、対応するWFレコードで定義されたワークフローの内容が記述されている。
そして、端末プログラム65は、WFアイコン121、122の1つを指定するユーザ操作を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S43:Yes)、指定されたWFアイコンに対応するWFレコードを、指定WFレコードに決定する(S44)。すなわち、端末プログラム65は、指定WFレコードのWF−IDをメモリ62に一時記憶させる。
一方、端末プログラム65は、S33で抽出したWFレコードが1つだと判断したことに応じて(S34:1)、当該WFレコードを指定WFレコードに決定する(S37)。すなわち、端末プログラム65は、指定WFレコードのWF−IDをメモリ62に一時記憶させる。また、端末プログラム65は、複数の抽出条件のいずれに合致するWFレコードもWFリストに登録されていないと判断したことに応じて(S35:No)、WF登録処理を実行する(S45)。WF登録処理は、新たなWFレコードをWFリストに登録する処理である。図6を参照して、WF登録処理の詳細を説明する。
まず、端末プログラム65は、指定装置IDがメモリ62に記憶されているか否かを判断する(S51)。そして、端末プログラム65は、指定装置ID“001”がメモリ62に記憶されていると判断したことに応じて(S51:Yes)、当該指定装置ID“MFP−A”を、新たなWFレコードに含める装置IDに決定する(S52)。
一方、端末プログラム65は、指定装置IDがメモリ62に記憶されていないと判断したことに応じて(S51:No)、図9(A)に示されるデバイス選択画面をディスプレイ53に表示させる(S53)。デバイス選択画面は、新たなWFレコードに含める装置IDの指定を促す画面である。デバイス選択画面は、デバイスアイコン131、132と、[スキップ]アイコン133とを含む。そして、端末プログラム65は、デバイス選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S54)。
デバイスアイコン131、132は、指定装置となり得る複合機10A、10Bに対応する。端末プログラム65は、無線LAN102に属する複合機10をSNMP等のプロトコルを用いて検索し、Wi−Fi通信I/F26を通じて発見した複合機10から装置ID及び装置情報を受信すればよい。また、[スキップ]アイコン133は、指定装置を指定しない指示に対応する。
次に、端末プログラム65は、例えばデバイスアイコン131の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S54:デバイスアイコン)、指定されたデバイスアイコン131に対応する複合機10Aの装置ID“MFP−A”を、新たなWFレコードに含める装置IDに決定する(S55)。すなわち、端末プログラム65は、複合機10Aの装置ID及び装置情報をメモリ62に一時記憶させる。一方、端末プログラム65は、[スキップ]アイコン133の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S54:スキップアイコン)、新たなWFレコードに装置IDを含めないと決定する(S56)。
次に、端末プログラム65は、新たなWFレコードに含めると決定した装置IDに対応付けてメモリ62に記憶されている装置情報に、動作IDがいくつ含まれているかを判断する(S57)。そして、端末プログラム65は、装置情報に動作IDが1つだけ含まれていると判断したことに応じて(S57:1)、当該装置IDを、新たなWFレコードに含める動作IDに決定する(S58)。
一方、端末プログラム65は、装置情報に複数の動作IDが含まれていると判断したことに応じて(S57:複数)、図9(B)に示される動作選択画面をディスプレイ53に表示させる(S59)。動作選択画面は、新たなWFレコードに含める動作IDの指定を促す画面である。動作選択画面は、装置情報に含まれる動作IDに対応する動作アイコン141、142を含む。動作アイコン141はプリント動作に対応し、動作アイコン142はスキャン動作に対応する。また、端末プログラム65は、S56で装置情報が一時記憶されなかったことに応じて(S57:0)、予め定められた動作に対応する複数の動作アイコンを含む動作選択画面をディスプレイ53に表示させる(S59)。そして、端末プログラム65は、動作選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S60)。
次に、端末プログラム65は、例えば動作アイコン141の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S60:Yes)、指定された動作アイコン141に対応するプリント動作の動作ID“プリント”を、新たなWFレコードに含める動作IDに決定する(S61)。すなわち、端末プログラム65は、動作ID“プリント”をメモリ62に一時記憶させる。S57〜S61の処理は、新たなWFレコードに含める動作IDを決定する決定処理の一例である。
次に、端末プログラム65は、図10(A)に示される設定画面をディスプレイ53に表示させる(S62)。設定画面は、S57〜S61で決定した動作IDで識別される動作の実行条件の指定を促す画面である。設定画面は、各々が実行条件の1つに対応するチェックボックス151、152、153、154、155と、[決定]アイコン156とを含む。そして、端末プログラム65は、設定画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S63)。
図10(A)は、S52、S55で装置ID“MFP−A”を新たなWFレコードに含めると決定した場合の設定画面の例である。チェックボックス151〜155は、装置ID“MFP−A”に対応付けてメモリ62に記憶されている装置情報の能力情報で示される実行条件に対応する。すなわち、S52、S55の処理を実行した場合のS62、S63では、能力情報の範囲内で実行条件の指定を受け付けることができる。一方図示は省略するが、S56の処理を実行した場合の設定画面は、予め定められた実行条件に対応するチェックボックスが表示される。[決定]アイコン156は、WFレコードの登録指示に対応する。
そして、端末プログラム65は、[決定]アイコン156の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S63:Yes)、チェックされたチェックボックスに対応する実行条件を示す条件情報を、新たなWFレコードに含めると決定する。すなわち、端末プログラム65は、当該条件情報をメモリ62に一時記憶させる。
そして、端末プログラム65は、新たに採番したWF−IDと、S52、S53で決定した装置IDと、S58、S61で決定した動作IDと、S63で決定した条件情報とを含むWFレコードを、WFリストに登録する(S64)。一方、端末プログラム65は、S56の処理を実行した場合のS64において、動作ID及び条件情報を含み且つ装置IDを含まないWFレコードを、WFリストに登録する。S64の処理は、記憶処理の一例である。
また、端末プログラム65は、WF登録指定処理がどのような契機で実行されたかを判断してもよい。そして、端末プログラム65は、WF登録処理がS45で実行されたと判断した場合に、S64でWFリストに登録したWFレコードを、指定WFレコードに決定してもよい。一方、端末プログラム65は、WF登録処理がS23で実行されたと判断した場合に、指定WFレコードに決定しなくてもよい。また、端末プログラム65は、WF登録処理がS23で実行されたと判断し、且つS64でWFリストに登録したWFレコードに装置IDが含まれていると判断した場合に、S64でWFリストに登録したWFレコードを指定WFレコードに決定してもよい。さらに、端末プログラム65は、S64でWFリストに登録したWFレコードを指定WFレコードにするか否かを、入力I/F54を通じてユーザ操作に従って決定してもよい。
次に図4に戻って、端末プログラム65は、NFC決定処理(S13)において、出力WFレコード及び入力WFレコードのどちらを指定WFレコードに決定したかを判断する(S14)。端末プログラム65は、出力WFレコードを指定WFレコードに決定したと判断したことに応じて(S14:出力)、図10(B)に示されるデータ選択画面をディスプレイ53に表示される(S15)。データ選択画面は、指定データの指定を促す画面である。データ選択画面は、データアイコン161、162、163を含む。データアイコン161〜163は、例えば、データフォルダに記憶されたデータ或いはサーバ80のサーバメモリに記憶されたデータに対応する。そして、端末プログラム65は、データ選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S16)。
次に、端末プログラム65は、例えばデータアイコン161の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S16:Yes)、データアイコン161に対応するデータ“写真.JPEG”を指定データに決定する。すなわち、端末プログラム65は、指定データ“写真.JPEG”のデータIDを、指定データIDとしてメモリ62に一時記憶させる。S16の処理は、第1受付処理の一例である。そして、端末プログラム65は、Wi−Fiダイレクト接続されたWi−Fi通信I/F56を通じて、指定装置である複合機10Aに実行指示情報を送信する(S17)。この場合の実行指示情報は、指定WFレコードで定義された出力WFの実行を指示するための情報である。この処理は、第1実行指示処理の一例である。
WF−ID“001”を含む出力WFレコードが指定WFレコードである場合において、実行指示情報は、指定データ“写真.JPEG”で示される画像を、A4サイズのシートにモノクロ画像として記録する出力WFの実行を、指定装置に指示するための情報である。この場合の実行指示情報は、指定データと、指定WFレコードに含まれる動作ID及び条件情報とを含む。一方図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、Wi−Fiダイレクト接続されたWi−Fi通信I/F56を通じて携帯端末50から実行指示情報を受信する。そして、前述の実行指示情報を受信した装置プログラム35は、当該実行指示情報に従ってプリンタ11に出力WFを実行させる。
一方、端末プログラム65は、入力WFレコードを指定WFレコードに決定したと判断したことに応じて(S14:入力)、図11(A)に示される出力先選択画面をディスプレイ53に表示させる(S18)。出力先選択画面は、指定出力先の指定を促す画面である。出力先選択画面は、出力先アイコン171、172、173を含む。出力先アイコン171は携帯端末50のメモリ62に対応し、出力先アイコン172はサーバ80に対応し、出力先アイコン173は複合機10Bに対応する。そして、端末プログラム65は、出力先選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54を通じて受け付ける(S19)。
次に、端末プログラム65は、例えば出力先アイコン172の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S19:Yes)、出力先アイコン172に対応するサーバ80を指定出力先に決定する。すなわち、端末プログラム65は、指定出力先の装置ID“サーバC”を、出力先IDとしてメモリ62に一時記憶させる。S19の処理は、第2受付処理の一例である。そして、端末プログラム65は、Wi−Fiダイレクト接続されたWi−Fi通信I/F56を通じて、指定装置である複合機10Aに実行指示情報を送信する(S17)。この場合の実行指示情報は、指定WFレコードで定義された入力WFの実行を指示するための情報である。この処理は、第2実行指示処理の一例である。
WF−ID“002”を含む入力WFレコードが指定WFレコードである場合において、実行指示情報は、600dpiでTIFF形式のスキャンデータを、指定出力先であるサーバ80送信する入力WFの実行を、指定装置に指示するための情報である。この場合の実行指示情報は、指定WFレコードに含まれる動作ID及び条件情報と、出力先IDとを含む。一方図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、Wi−Fiダイレクト接続されたWi−Fi通信I/F56を通じて携帯端末50から実行指示情報を受信する。そして、前述の実行指示情報を受信した装置プログラム35は、当該実行指示情報に従ってスキャナ12に入力WFを実行させる。
一方、端末プログラム65は、メイン画面に含まれる[出力WF]アイコン111の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S12:タップ操作&S20:出力WFアイコン)、出力WF決定処理を実行する(S21)。出力WF決定処理は、WFリストに登録された出力WFレコードの1つを、指定WFレコードに決定する処理である。図7(A)を参照して、出力WF決定処理の詳細を説明する。
まず、端末プログラム65は、図10(B)に示されるデータ選択画面をディスプレイ53に表示させる(S71)。そして、端末プログラム65は、例えばデータアイコン162の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S72:Yes)、データアイコン162に対応するデータ“見積書.PDF”を、指定データに決定する。すなわち、端末プログラムは、データ“見積書.PDF”のデータIDを、指定データIDとしてメモリ62に一時記憶させる。S71、S72の処理は、S15、S16と同様であってもよい。
次に、端末プログラム65は、図11(B)に示される出力WF選択画面をディスプレイ53に表示させる(S73)。出力WF選択画面は、出力WFレコードの1つの指定を促す画面である。出力WF選択画面は、「アイコンをタップするか、装置にかざして下さい。」とのメッセージと、動作IDを含む出力WFレコードに対応するWFアイコン181、182とを含み、入力WFレコードに対応するWFアイコンを含まない。WFアイコン181はWF−ID“001”を含む出力WFレコードに対応し、WFアイコン182はWF−ID“004”を含む出力WFレコードに対応する。そして、端末プログラム65は、出力WF選択画面に対するユーザ操作を、入力I/F54或いはNFC通信I/F55を通じて受け付ける(S74)。
次に、端末プログラム65は、例えばWFアイコン181の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S74:WFアイコン)、WFアイコン181に対応する出力WFレコードを、指定WFレコードに決定する(S75)。また、端末プログラム65は、指定WFレコードに含まれる装置IDを、指定装置IDに決定する。すなわち、端末プログラム65は、指定WFレコードのWF−IDをメモリ62に一時記憶させる。
一方、端末プログラム65は、例えば、ユーザが複合機10Aに携帯端末50を近づけたことによって、Poll動作を実行中のNFC通信I/F55を通じて複合機10Aからレスポンス信号を受信する(S74:装置にかざす)。次に、端末プログラム65は、レスポンス信号の送信元である複合機10Aとの間にNFCリンクを確立する。そして、端末プログラム65は、近接無線接続された複合機10Aを、指定装置として特定する。これらの処理は、S12で複合機10Aと近接無線接続された場合と同様であってもよい。そして、端末プログラム65は、NFC決定処理を実行する(S76)。
また、端末プログラム65は、メイン画面に含まれる[入力WF]アイコン112の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S12:タップ操作&S20:入力WFアイコン)、入力WF決定処理を実行する(S22)。入力WF決定処理は、WFリストに登録された入力WFレコードの1つを、指定WFレコードに決定する処理である。図7(B)を参照して、入力WF決定処理の詳細を説明する。
まず、端末プログラム65は、図11(A)に示される出力先選択画面をディスプレイ53に表示させる(S81)。そして、端末プログラム65は、例えば出力先アイコン173の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S82:Yes)、出力先アイコン173に対応する複合機10Bを、指定出力先に決定する。すなわち、複合機10Bの装置ID“MFP−B”を、出力先IDとしてメモリ62に一時記憶させる。S81、S82の処理は、S18、S19と同様であってもよい。
次に、端末プログラム65は、不図示の入力WF選択画面をディスプレイ53に表示させる(S83)。入力WF選択画面は、入力WFレコードの1つの指定を促す画面である。入力WF選択画面は、WFリストに含まれる入力WFレコードに対応するWFアイコンを含み、出力WFレコードに対応するWFアイコンを含まない点において、図11(B)に示される出力WF選択画面と相違し、その他の点において共通する。また、S84以降処理は、S74以降の処理と共通する。
すなわち、端末プログラム65は、[出力WF]アイコン111或いは[入力WF]アイコン112が指定されたことに応じて、S21、S22の一方を実行する。そして、端末プログラム65は、S21、S22の一方で決定した指定WFレコードに定義されたワークフローを、指定装置に実行させる。S17の処理は、実行指示処理の一例である。
さらに、端末プログラム65は、メイン画面に含まれる[登録]アイコン113の指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて(S12:タップ操作&S20:登録アイコン)、図6に示されるWF登録処理を実行する(S23)。そして、端末プログラム65は、WF登録処理(S23)が終了したことに応じて、S11以降の処理を実行する。
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、WFリストにWFレコードを予め登録しておくことにより、携帯端末50を複合機10にかざすだけで、当該複合機10に多様なワークフローを実行させることができる。すなわち、複合機10に同一のワークフローを繰り返し実行させる場合等に、特に有利な効果が期待できる。また、上記の実施形態によれば、同一の装置IDを含む複数のWFレコードが登録されている場合に、指定データ及び指定出力先のどちらが指定されているかによって、適切なWFレコードが選択される。
また、上記の実施形態によれば、第1条件に合致するWFレコードが存在しない場合に、第2条件に合致するWFレコードが抽出される。これにより、複合機10毎にWFレコードを登録しておかなくても、装置IDを含まないWFレコードに定義されたワークフローを、携帯端末50をかざした複合機10に実行させることができる。これにより、指定装置にワークフローを実行させるためのユーザ操作が、さらに簡素化される。
さらに、上記の実施形態によれば、第2条件に合致するWFレコードが存在しない場合に、第3条件に合致するWFレコードが抽出される。これにより、他の複合機10に対応付けられたWFレコードに定義されたワークフローを、一時的に指定装置に実行させることができる。なお、端末プログラム65は、第3条件に合致するWFレコードを抽出したことに応じて、実行指示処理及びWF登録処理のどちらを実行するかを、入力I/F54を通じてユーザに選択させてもよい。
これにより、別の複合機10に対応付けられたWFレコードに従って指定装置にワークフローを実行させるか、指定装置に対応付けられたWFレコードを新規に登録するかを、ユーザに選択させることができる。また、[登録]アイコン113の指定のみならず、実行可能なWFレコードが存在しない複合機10に携帯端末50をかざしたことに応じて、当該複合機10に対応付けられたWFレコードを登録することができるので、WF登録処理に必要なユーザ操作を簡素化することができる。
より詳細には、端末プログラム65は、実行指示処理の実行指示に対応する第1アイコンと、WF登録処理の実行指示に対応する第2アイコンとをディスプレイ53に表示させてもよい。そして、端末プログラム65は、第1アイコンの指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、抽出した第3条件に合致するWFレコードに定義されたワークフローを、指定装置に実行させればよい。一方、端末プログラム65は、第2アイコンの指定を入力I/F54を通じて受け付けたことに応じて、S12で特定した指定装置IDと、抽出した第3条件に合致するWFレコードに含まれる動作ID及び条件情報とを含むWFレコードを、WFリストに登録すればよい。
なお、上記の実施形態に係るワークフローは、動作識別情報の一例である動作IDと、動作IDに対応付けられた条件情報とによって定義されている。しかしながら、動作識別情報の具体例は前述の例に限定されず、ワークフローを実行させる動作部を識別する動作部識別情報と、前述の条件情報とを含んでもよい。すなわち、ワークフローは、動作識別情報のみによって定義されてもよい。
また、上記の実施形態の複合機10及び携帯端末50において、メモリ32、62に記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明のコントローラが実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、コントローラの構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路等のハードウェアで実現してもよい。
さらに、本発明は、複合機10及び携帯端末50として実現できるだけでなく、複合機10及び携帯端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワークを通じて複合機10及び携帯端末50に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット101等の通信ネットワークを通じて配信されてもよい。