以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
図1は、本実施形態に係るシステム100の概略図である。図1に示されるシステム100は、複合機10と、端末装置50とで構成されている。なお、システム100は、複数の複合機10を含んでもよい。また、システム100は、複合機10に代えて、プリンタ単能機、スキャナ単能機、或いはFAX単能機等を含んでもよい。複合機10及び端末装置50は、通信ネットワーク101を通じて通信可能に構成されている。通信ネットワーク101は、例えば、有線LAN、無線LAN、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
複合機10は、図1に示されるように、プリンタ11と、スキャナ12と、FAX部13と、表示部23と、操作部24と、通信部25と、CPU31と、メモリ32と、通信バス33とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。複合機10は、画像処理装置の一例である。
プリンタ11は、画像データで示される画像をシートに記録する記録動作を実行する。プリンタ11の記録方式としては、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ12は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン動作を実行する。FAX部13は、FAXプロトコルに従って画像データをFAX送信するFAX送信動作と、FAXプロトコルに従って画像データをFAX受信するFAX受信動作とを実行する。
また、複合機10は、スキャン動作で生成した画像データをプリント動作でシートに記録するコピー動作を実行可能であってもよいし、スキャン動作で生成した画像データを指定された出力先(例えば、端末装置50、不図示のサーバ等)に出力する動作を実行可能であってもよい。プリント動作、スキャナ動作、コピー動作、FAX送信動作、及びFAX受信動作は、画像処理装置の動作の一例である。プリント動作及びFAX送信動作は、出力動作の一例である。
表示部23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示面を備える。
操作部24は、ユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースである。具体的には、操作部24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、操作部24は、表示部23の表示面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。表示部23の表示面に表示されたオブジェクトを指定する操作、文字列或いは数字列を入力する操作は、ユーザ操作の一例である。「オブジェクト」とは、例えば、表示部23に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンメニュー等である。
タッチセンサとして実現される操作部24は、ユーザがタッチした表示面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示面に接触させる操作全般を含む。また、入力媒体が表示面に触れていなくても、表示面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させる「ホバー」或いは「フローティングタッチ」を、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。表示部23に表示されたアイコンの位置のタップするユーザ操作は、当該アイコンを指定する指定操作の一例である。
通信部25は、通信ネットワーク101を通じて外部装置と通信を行うためのインタフェースである。すなわち、複合機10は、通信部25を通じて端末装置50に各種情報を出力し、通信部25を通じて端末装置50から各種データ又は各種情報を受信する。通信部25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi−Fi(Wi-Fi Allianceの登録商標)を採用することができる。但し、通信部25の具体例は上記の例に限定されず、例えば、LANケーブル或いはUSBケーブルが着脱されるインタフェース等であってもよい。
CPU31は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU31は、操作部24から出力される各種信号、及び通信部25を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムをメモリ32から取得して実行する。すなわち、CPU31及びメモリ32は、制御部の一例を構成する。
メモリ32は、プログラム記憶領域32Aと、データ記憶領域32Bとを有する。領域32Aには、OS34と、装置プログラム35とが格納される。なお、装置プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。領域32Bには、装置プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。メモリ32は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、複合機10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
メモリ32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。後述する端末装置50のメモリ62についても同様である。
装置プログラム35は、通信部25を通じて端末装置50から送信要求情報を受信したことに応じて、送信要求情報の応答としてステータス情報を通信部25を通じて端末装置50に送信する。ステータス情報は、複合機10の状態を示す情報である。より詳細には、ステータス情報は、複合機10が各種動作の実行が可能な状態か否かを示す情報である。ステータス情報は、例えば、以下に示すような項目の一部又は全部を含む。ステータス情報に含まれる各種情報は、メモリ32に記憶されていてもよいし、周知のセンサによって検出されてもよい。
本実施形態に係るステータス情報は、インク情報と、シート情報とを含む。インク情報は、プリンタ11に装着されたインクカートリッジ内のインクの残量を示す。本実施形態に係るインク情報は、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクそれぞれの残量を示す。シート情報は、プリンタ11に装着された給紙トレイに収容されているシートの量を示す。
また、ステータス情報は、シートの両面に画像を記録可能か否かの能力を示す両面可否情報を含んでもよい。また、ステータス情報は、N(N=1、2、4、9、・・・等)個の画像を1枚のシートに集約して記録可能か否かの能力を示す集約可否情報を含んでもよい。また、ステータス情報は、給紙トレイに収容されているシートのサイズを示すサイズ情報を含んでもよい。さらに、ステータス情報は、プリンタ11が電子写真方式を採用している場合に、プリンタ11に装着されたトナーカートリッジ内のトナー残量を示すトナー情報を含んでもよい。
また、ステータス情報は、管理情報を含んでもよい。管理情報は、複合機10の管理者のみが閲覧可能な情報であって、例えば、プリンタ11の動作実績を示す実績情報、プリンタ11に設定されたセキュリティの内容を示すセキュリティ情報等を含んでもよい。実績情報は、例えば、プリンタ11に装着されたドラムの累積回転数、プリンタ11が画像を記録したシートの累積枚数等を示してもよい。セキュリティ情報は、例えば、特定のユーザのみに使用を許可する所謂SFL(Secure Function Lockの略)が複合機10に設定されているか否かを示してもよい。
なお、前述のステータス情報の具体例は、プリンタ11がプリント動作を実行可能か否かを示す項目であるが、ステータス情報に含まれる項目はこれらに限定されず、スキャナ12がスキャン動作を実行可能か否かを示す項目を含んでもよいし、FAX部13がFAX送信動作或いはFAX受信動作を実行可能か否かを示す項目を含んでもよい。
端末装置50は、図1に示されるように、表示部53と、操作部54と、通信部55と、CPU61と、メモリ62と、通信バス63とを主に備える。端末装置50に含まれる表示部53、通信部55、CPU61、メモリ62、及び通信バス63は、複合機10に含まれる表示部23、通信部25、CPU31、メモリ32、及び通信バス33と同様の構成なので、説明は省略する。CPU61及びメモリ62は、制御部の一例を構成する。端末装置50の具体例は特に限定されないが、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、或いはPC等である。
表示部53は、各種画面を表示する表示面を備える。表示面は、例えば、端末装置50の表面に露出された板状の透明な部材(例えば、ガラス板等)を指してもよい。「表示面に各種画面を表示する」とは、例えば、表示部53が表示させた画面が表示面を通してユーザに視認可能な状態を指す。
操作部54は、ユーザによる各種操作を受け付ける入力インタフェースである。本実施形態に係る操作部54は、表示部53の表示面に重畳された膜状の圧力センサ54A及び位置センサ54Bを有する。すなわち、表示部23がタッチパネルディスプレイとして構成されている。圧力センサ54A及び位置センサ54Bは、表示部53の表示面、すなわち、端末装置50の表面に露出されたガラス板に対するタッチ操作に応じた操作信号を出力するタッチセンサの一例である。
圧力センサ54Aは、入力媒体によって表示面に加えられた圧力に応じた圧力信号をCPU61に出力する。圧力センサ54Aは、第1圧力未満の押圧力で表示面が押されたことに応じて、第1圧力信号を出力する。また、圧力センサ54Aは、第1圧力以上で且つ第2圧力未満の押圧力で表示面が押されたことに応じて、第2圧力信号を出力する。さらに、圧力センサ54Aは、第2圧力以上の押圧力で表示面が押されたことに応じて、第3圧力信号を出力する。なお、第2圧力は、第1圧力より大きい。または、圧力センサ54Aは、表示面に加えられた圧力値を示す圧力信号を、CPU61に出力してもよい。この場合、圧力信号で示される圧力値と閾値との比較は、CPU61によって行われる。
位置センサ54Bは、入力媒体によって圧力が加えられた表示面上の位置に応じた位置信号をCPU61に出力する。位置信号は、例えば、表示面の左上端を原点とし、右向きをx軸の正の向き、下向きをy軸の正の向きとしたx−y平面上の座標(x,y)を示す。また、位置センサ54Bは、表示面に対するタッチ操作が継続してなされている場合に、所定の検知周期(例えば、10msec)毎に位置信号を繰り返し出力する。
なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示面に接触させる操作全般を含む。すなわち、前述のタップ操作、後述するピーク操作、ポップ操作、スライド操作、及びフリック操作の他、ロングタッチ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作等は、タッチ操作の一例である。ピーク操作は第1操作の一例であり、ポップ操作は第2操作の一例であり、スライド操作或いはフリック操作は第3操作の一例であり、タップ操作は第4操作の一例である。
より詳細には、操作部54は、第1圧力信号が圧力センサ54Aから出力されたことに応じて、位置センサ54Bから出力される位置信号で示される位置に対するタップ操作が実行されたことを検出する。操作部54は、第2圧力信号が圧力センサ54Aから出力されたことに応じて、位置センサ54Bから出力される位置信号で示される位置に対するピーク操作が実行されたことを検出する。操作部54は、第3圧力信号が圧力センサ54Aから出力されたことに応じて、位置センサ54Bから出力される位置信号で示される位置に対するポップ操作が実行されたことを検出する。操作部54は、位置センサ54Bから出力された位置信号で示される位置が連続的に変化したことに応じて、スライド操作或いはフリック操作が実行されたことを検出する。
領域62Bは、例えば図2(A)に示されるように、指定装置IDを記憶することができる。指定装置IDは、ユーザによって指定された画像処理装置(以下、「指定装置」と表記する。)を識別する装置識別情報である。指定装置IDは、例えば、端末プログラム65のインストール時には領域62Bに記憶されず、後述するS13、S46等で端末プログラム65によって領域62Bに記憶される。また、領域62Bは、通信ネットワーク101内で指定装置を特定する通信情報(例えば、IPアドレス、MACアドレス、SSID等)、指定装置が実行可能な動作を識別する動作ID等を、指定装置IDと対応付けてさらに記憶してもよい。
また、領域62Bは、例えば図2(B)に示されるように、プリント動作の実行条件を示す条件情報を記憶することができる。条件情報は、例えば、端末プログラム65のインストール時には領域62Bに記憶されず、S46、S56、S62等で端末プログラム65によって領域62Bに記憶される。本実施形態に係る条件情報は、トレイ情報と、色情報と、記録面情報と、レイアウト情報とを含む。また、前述の指定装置IDは、条件情報に含まれていてもよい。さらに、領域62Bは、スキャン動作、FAX送信動作、及びFAX受信動作それぞれの実行条件を示す条件情報をさらに記憶していてもよい。
トレイ情報は、プリント動作で画像を記録するシートの給紙元のトレイを特定する情報である。色情報は、プリント動作に用いる色(例えば、“モノクロ”、“カラー”)を示す情報である。記録面情報は、画像を記録するシートの面(例えば、“片面”、“両面”)を示す情報である。レイアウト情報は、1枚のシートに集約して記録する画像の数N(例えば、“集約なし”、“2in1”、“4in1”等)を示す情報である。すなわち、図2(B)に示される条件情報は、トレイ1に収容されたシートの片面に、2つの画像を集約してカラーで記録することを示す。トレイ情報、色情報、記録面情報、及びレイアウト情報は、条件情報に含まれる項目の一例である。
また図示は省略するが、領域62Bには、データフォルダが設けられていてもよい。データフォルダには、例えば、写真データ、文書データ、プレゼンテーションデータ、表計算データ等が格納されていてもよい。なお、データフォルダに記憶されるデータは、1以上のページデータを含む。ページデータは、レイアウト情報“集約なし”のときに1枚のシートに記録される画像を示すデータである。さらに図示は省略するが、領域62Bは、端末プログラム65が実行する処理に必要な情報(例えば、継続フラグ)を記憶する。
図3〜図6を参照して、本実施形態に係るシステム100の動作を説明する。
本明細書のフローチャートは、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU31、61の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「算出」、「選択」、「制御」等の処理は、CPU31、61の処理を表している。CPU61による処理は、OS64を介したハードウェア制御も含む。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
端末装置50の端末プログラム65は、ユーザによって起動されたことに応じて、図3に示されるメイン処理を実行する。まず、端末プログラム65は、図7(A)に示されるメイン画面を表示部53に表示させる(S11)。メイン画面は、動作アイコン111、112、113、114と、ステータスアイコン115と、デバイスアイコン116とを含む。そして、端末プログラム65は、メイン画面に対するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付ける(S12)。
動作アイコン111はプリント動作に対応し、動作アイコン112はスキャン動作に対応し、動作アイコン113はコピー動作に対応し、動作アイコン114はFAX送信動作及びFAX受信動作に対応する。ステータスアイコン115は、指定装置の状態を示すステータス画面を表示させる指示に対応する。デバイスアイコン116は、指定装置を切り替える指示に対応する。また、図7(A)に示されるデバイスアイコン116には、領域62Bに記憶されている指定装置ID“MFP−A”が記述されている。
次に、端末プログラム65は、デバイスアイコン116の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S12:デバイスアイコン)、指定装置を指定或いは変更するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付ける(S13)。より詳細には、端末プログラム65は、通信ネットワーク101に接続された画像処理装置を検索し、発見した画像処理装置の一覧を表示部53に表示させ、一覧表示された画像処理装置の1つを指定するユーザ操作を操作部54を通じて受け付け、指定された画像処理装置の装置IDを指定装置IDとして領域62Bに記憶させる。そして、端末プログラム65は、S11以降の処理を再び実行する。S13で指定装置が変更された場合、メイン画面のデバイスアイコン116には、新たな指定装置IDが記述される。
次に、端末プログラム65は、ステータスアイコン115の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S12:ステータスアイコン)、図7(B)に示されるステータス画面を表示部53に表示させる(S14)。ステータス画面は、指定装置IDと、通信状態と、シート残量と、インク残量と、[OK]アイコン121とを含む。より詳細には、端末プログラム65は、指定装置である複合機10に通信部55を通じて送信要求情報を送信し、送信要求情報の応答として複合機10から送信されたステータス情報を通信部55を通じて受信する。そして、端末プログラム65は、受信したステータス情報で示される複合機10の状態を、ステータス画面に表示する。
装置IDは、領域62Bに記憶された指定装置IDである。通信状態は、指定装置と通信可能か否かを示すものであって、例えば、ステータス情報を受信した場合に“オンライン”と表示され、ステータス情報を受信しなかった場合に“オフライン”と表示される。また、オフラインの場合はステータス情報が受信されないので、シート残量及びインク残量は、項目名のみがステータス画面に表示される。シート残量は、ステータス情報に含まれるシート情報で示されるシートの残量である。インク残量は、ステータス情報に含まれるインク情報で示されるインクの残量である。そして、端末プログラム65は、[OK]アイコン121の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて、S11以降の処理を再び実行する。
次に、端末プログラム65は、例えば動作アイコン111の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S12:プリントアイコン)、プリント動作を指定動作に決定する。以下、プリント動作が指定動作に決定されたことを前提として、ステップS15以降の処理を説明するが、他の動作が指定動作に決定された場合には、各動作に応じた処理が実行される。そして、端末プログラム65は、データ選択処理を実行する(S15)。データ選択処理は、プリント動作の対象となるデータ(以下、「指定データ」と表記する。)をユーザに選択させる処理である。図4(A)を参照して、データ選択処理の詳細を説明する。
まず、端末プログラム65は、図8(A)に示されるデータ選択画面を表示部53に表示させる(S21)。ステップS21の処理は、第1表示処理の一例である。データ選択画面は、複数のデータアイコン131、132、133を含む。データアイコン131〜133は、例えば、データフォルダに格納された各種データ、或いはインターネット上の不図示のサーバに記憶された各種データに対応するデータオブジェクトの一例である。そして、端末プログラム65は、データ選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S22)。
次に、端末プログラム65は、例えばデータアイコン133の位置に対するピーク操作を操作部54が検出したことに応じて(S22:ピーク)、3Dタッチ処理を実行する(S23)。3Dタッチとは、押圧力の異なるタッチ操作(例えば、タップ操作、ピーク操作、ポップ操作)に、異なる処理を割り当てることができる機能を指す。3Dタッチ処理は、アイコンに対するタッチ操作の種類に応じて、様々な情報を表示し且つ様々な操作を受け付ける処理である。図5を参照して、3Dタッチ処理の詳細を説明する。
まず、端末プログラム65は、指定装置である複合機10に通信部55を通じて送信要求情報を送信し、送信要求情報の応答として複合機10から送信されたステータス情報を通信部55を通じて受信する(S41)。次に、端末プログラム65は、図8(B)に示される条件報知画面を表示部53に表示させる(S42)。本実施形態に係る条件報知画面は、データ選択画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。S41の処理は受信処理の一例であり、S42の処理は第2表示処理の一例である。そして、端末プログラム65は、条件報知画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S43)。
条件報知画面は、領域62Bに記憶された条件情報で示されるプリント動作の実行条件を報知する画面である。また、端末プログラム65は、条件報知画面において、領域62Bに記憶された条件情報で示される複数の実行条件のうち、S41で受信したステータス情報で示される状態でのプリント動作の実行を阻害する実行条件(以下、「阻害条件」と表記する。)に、[×]画像141を対応付けて表示する。一方、阻害条件が存在しない場合には、条件報知画面に[×]画像141が表示されない。
一例として、端末プログラム65は、ステータス情報に含まれるインク情報で示されるシアンインクの残量が閾値(例えば、10%)未満であることに応じて、図8(B)に示されるように、色情報“カラー”が阻害条件であると判断し、当該阻害条件に対応付けて[×]画像141を表示する。マゼンタインク或いはイエローインクの残量が閾値未満の場合も同様である。他の例として、端末プログラム65は、ステータス情報に含まれるシート情報で示されるトレイ1のシート残量が0%であることに応じて、トレイ情報“トレイ1”が阻害条件であると判断する。
[×]画像141を表示することは、阻害条件の明示の一例である。但し、阻害条件を明示する具体的な方法はこれに限定されない。一例として、端末プログラム65は、阻害条件をハイライト表示してもよい。他の例として、端末プログラム65は、条件報知画面において、阻害条件を他の実行条件より上に表示させてもよい。さらに他の例として、端末プログラム65は、条件報知画面に阻害条件のみを表示させ、阻害条件でない実行条件を非表示にしてもよい。
次に、端末プログラム65は、S22で検出したピーク操作がスライド操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S43:スライド)、図9(A)に示される条件変更画面を、条件報知画面に代えて表示部53に表示させる(S44)。本実施形態に係る条件変更画面は、データ選択画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。S44の処理は第3表示処理の一例である。なお、操作部54は、第2圧力信号が圧力センサ54Aから出力されている状態で、位置センサ54Bから出力された位置信号で示される位置が連続的に変化したことに応じて、ピーク操作がスライド操作に変化したことを検出する。そして、端末プログラム65は、条件変更画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S45)。
条件変更画面は、阻害条件の変更を促す画面である。図9(A)に示される条件変更画面は、「色設定をモノクロに変更しますか?」とのメッセージと、[YES]アイコン142と、[NO]アイコン143とを含む。すなわち、図9(A)に示される条件変更画面は、領域62Bに記憶された条件情報の色情報を、“カラー”から“モノクロ”に変更することを促す画面である。なお、条件変更画面に表示される内容は、どの実行条件が阻害条件となるかによって異なる。
次に、端末プログラム65は、[YES]アイコン142の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S45:Yes)、条件変更画面を通じて促された内容で、領域62Bに記憶された条件情報を更新する(S46)。すなわち、本実施形態に係る端末プログラム65は、領域62Bに記憶された条件情報のうち、色情報を“カラー”から“モノクロ”に変更する。[YES]アイコン142に対するタップ操作は、実行条件の変更を指示するタッチ操作の一例である。一方、端末プログラム65は、[NO]アイコン143の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S45:No)、S46の処理をスキップする。
次に、端末プログラム65は、S41で受信したステータス情報で示される状態の指定装置が、領域62Bに記憶された条件情報で示される実行条件に従ったプリント動作を、実行可能か否かを判断する(S47)。なお、S46で実行条件が変更された場合、端末プログラム65は、変更後の実行条件に従ったプリント動作を、指定装置が実行可能か否かを判断する。S47の処理は、第1判断処理の一例である。
端末プログラム65は、例えばステップS47において、S41でステータス情報を受信したか否か、受信したステータス情報に含まれるインク情報で示されるインク残量が閾値以上か否か、受信したステータス情報に含まれるシート情報で示されるシート残量が0%より多いか否か等を判断すればよい。また、端末プログラム65は、領域62Bに記憶された色情報“モノクロ”の場合はブラックのインク残量のみを閾値と比較すればよく、色情報“カラー”の場合は全色のインク残量を閾値と比較すればよい。
そして、端末プログラム65は、前述の全ての条件を満たすことに応じて、指定装置がプリント動作を実行可能と判断する(S47:Yes)。そして、端末プログラム65は、継続フラグに第1値“ON”を設定して(S48)、3Dタッチ処理を終了する。一方、端末プログラム65は、前述の条件のうちの少なくとも1つを満たさないことに応じて、指定装置がプリント動作を実行不能と判断する(S47:No)。そして、端末プログラム65は、継続フラグに第2値“OFF”を設定して(S49)、3Dタッチ処理を終了する。
一方、端末プログラム65は、S22で検出したピーク操作がポップ操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S43:ポップ)、S44〜S46の処理を実行することなく、S47以降の処理を実行する。また、阻害条件が存在しないときにスライド操作がなされた場合も、S44〜S46の処理をスキップしてもよい。さらに、端末プログラム65は、ピーク操作中の入力媒体が表示面から離間したことを操作部54が検出したことに応じて(S43:離間)、S44〜S48の処理を実行することなく、S49の処理を実行する。
次に図4(A)に戻って、端末プログラム65は、継続フラグの設定値を判断する(S24)。そして、端末プログラム65は、継続フラグに第1値“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S24:ON)、ピーク操作を検出した位置のデータアイコン133に対応するデータ“プレゼン.PPT”を、指定データに決定する(S25)。すなわち、端末プログラム65は、データアイコン133に対応付けられたデータ“プレゼン.PPT”のデータIDを、指定データIDとして領域62Bに一時記憶させる。S25の処理は決定処理の一例である。
一方、端末プログラム65は、継続フラグに第2値“OFF”が設定されていると判断したことに応じて(S24:OFF)、S21以降の処理を再び実行する。すなわち、端末プログラム65は、S42、S44で表示させた画面を非表示にすることによって、S25以降の処理に進まずに、データ選択画面を表示部53に表示させる。このとき、端末プログラム65は、「指定されたデータに対するプリント動作を実行できません。」等のメッセージを、表示部53に表示させてもよい。また、端末プログラム65は、データアイコン133の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S22:タップ)、S23、S24の処理を実行することなく、S25の処理を実行する。
次に図3に戻って、端末プログラム65は、プレビュー処理を実行する(S16)。プレビュー処理は、指定データに対するプリント動作の実行結果のイメージをユーザに確認させる処理である。図4(B)を参照して、プレビュー処理の詳細を説明する。
まず、端末プログラム65は、図9(B)に示されるプレビュー画面を表示部53に表示させる(S31)。S31の処理は、第1表示処理の一例である。プレビュー画面は、プレビュー画像151、152、153、154、155、156と、[スタート]アイコン157とを含む。また、図9(B)に破線で示されるプレビュー領域158は、プレビュー画像151〜156と、プレビュー画像が表示されていない背景領域とを含む。そして、端末プログラム65は、プレビュー画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S32)。
プレビュー画像151〜156は、指定データに含まれるページデータの1つに対応するデータオブジェクトの一例である。[スタート]アイコン157は、指定データに対する指定動作を、実行条件に従って指定装置に実行させる指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。また、プレビュー画像151〜156それぞれの左上隅に付加されたチェックボックスは、プレビュー画像151〜156に対応するページデータをプリント動作の対象にするか否かを示す。
すなわち、図9(B)の例では、プレビュー画像151、154、155に対応するページデータがプリント動作の対象となり、プレビュー画像152、153、156に対応するページデータがプリント動作の対象とならないことを示している。換言すれば、チェックされたプレビュー画像151、154、155に対応するページデータが指定データである。プレビュー画像151〜156に対応付けられたチェックボックスは、後述するように、プレビュー画像151〜156の位置に対するポップ操作等によって、チェックされ或いはチェックが解除される。
次に、端末プログラム65は、プレビュー領域158に対するピーク操作を操作部54が検出したことに応じて(S32:プレビュー領域のピーク)、条件変更処理を実行する(S36)。条件変更処理は、領域62Bに記憶された条件情報を、ユーザに確認させ、且つユーザの指示に従って変更する処理である。図6を参照して、条件変更処理の詳細を説明する。
端末プログラム65は、S32で検出したピーク操作がプレビュー画像152の位置でなされたことに応じて(S51:プレビュー画像)、図10(A)に示される個別報知画面を表示部53に表示させる(S52)。本実施形態に係る個別報知画面は、プレビュー画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。個別報知画面は、プレビュー画像152に対応するページデータに固有の実行条件を報知する画面である。図10(A)に示される個別報知画面は、トレイ情報“トレイ1”及び色情報“カラー”を表示し、記録面情報及びレイアウト情報を表示しない。そして、端末プログラム65は、個別報知画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S53)。
なお、「ページデータに固有の実行条件」とは、例えば、複数のページデータのうちの1つに対してのみ適用される実行条件を指す。すなわち、トレイ情報及び色情報には、指定データに含まれる複数のページデータそれぞれに対して、異なる値を設定することができる。但し、S52の処理が実行される前において、全てのページデータには、例えば図2(B)に示されるように、共通のトレイ情報及び色情報が対応付けられる。一方、記録面情報及びレイアウト情報には、例えば図2(B)及び図2(C)に示されるように、指定データに含まれる全てのページデータに共通の値が設定される。
次に、端末プログラム65は、S32で検出したピーク操作がスライド操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S53:スライド)、図10(B)に示される個別変更画面を、個別報知画面に代えて表示部53に表示させる(S54)。ステップS54の処理は、第3表示処理の一例である。本実施形態に係る個別変更画面は、プレビュー画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。個別変更画面は、プレビュー画像152に対応するページデータに固有の実行条件の変更を促す画面である。そして、端末プログラム65は、個別変更画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S55)。
図10(B)に示される個別変更画面は、ラジオボタン161、162、163、164と、[変更]アイコン165と、[キャンセル]アイコン166とを含む。ラジオボタン161、162はトレイ情報に設定される実行条件“トレイ1”、“トレイ2”の1つに対応し、ラジオボタン163、164は色情報に設定される実行条件“モノクロ”、“カラー”の1つに対応する。[変更]アイコン165は、ページデータに固有の実行条件を変更する指示に対応する。[キャンセル]アイコン166は、実行条件を変更しない指示に対応する。
次に、端末プログラム65は、[変更]アイコン165の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S55:Yes)、チェックされたラジオボタン161〜164に対応する実行条件を、プレビュー画像152に対応するページデータに固有の実行条件として、領域62Bに記憶された条件情報に含める(S56)。ステップS56の処理は、第1記憶処理の一例である。
例えばラジオボタン161、163がチェックされた場合、端末プログラム65は、図2(B)に示される条件情報を、図2(C)のように更新する。図2(C)に示される条件情報において、プレビュー画像152に対応するページデータ“ページ2”に色情報“モノクロ”が対応付けられ、その他のページデータ“ページ1、4、5”に色情報“カラー”が対応付けられている。一方、トレイ情報、記録面情報、及びレイアウト情報は、全てのページデータに対して同一の値が対応付けられている。
次に、端末プログラム65は、プレビュー画像152に対応するページデータを、プリント動作の対象に含める、或いはプリント動作の対象から除外する(S57)。より詳細には、端末プログラム65は、チェックされていないプレビュー画像152の位置に対するピーク操作をS32、S51で検出したことに応じて、当該プレビュー画像152に対応するページデータをプリント動作の対象に含める。一方、端末プログラム65は、チェックされたプレビュー画像151の位置に対するピーク操作をS32、S51で検出したことに応じて、当該プレビュー画像151に対応するページデータをプリント動作の対象から除外する。S57の処理は、決定処理の一例である。
一方、端末プログラム65は、[キャンセル]アイコン166の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S55:No)、S56の処理を実行することなく、S57の処理を実行する。また、端末プログラム65は、S32で検出したピーク操作がポップ操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S53:ポップ)、S54〜S56の処理を実行することなく、S57の処理を実行する。
また、端末プログラム65は、S32で検出したピーク操作が背景領域でなされたことに応じて(S51:背景領域)、図11(A)に示される全体報知画面を表示部53に表示させる(S58)。本実施形態に係る全体報知画面は、プレビュー画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。全体報知画面は、全てのページデータに共通の実行条件を報知する画面である。図11(A)に示される全体報知画面は、記録面情報“片面”及びレイアウト情報“2in1”を表示し、トレイ情報及び色情報を表示しない。そして端末プログラム65は、全体報知画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S59)。
次に、端末プログラム65は、S32で検出したピーク操作がスライド操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S59:スライド)、図11(B)に示される全体変更画面を、全体報知画面に代えて表示部53に表示させる(S60)。ステップS60の処理は、第4表示処理の一例である。本実施形態に係る全体変更画面は、プレビュー画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。全体変更画面は、全てのページデータに共通の実行条件の変更を促す画面である。そして、端末プログラム65は、全体変更画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S61)。
図11(B)に示される全体変更画面は、ラジオボタン171、172、173、174、175と、[変更]アイコン176と、[キャンセル]アイコン177とを含む。ラジオボタン171、172は記録面情報に設定される実行条件“片面”、“両面”の1つに対応し、ラジオボタン173〜175はレイアウト情報に設定される実行条件“集約なし”、“2in1”、“4in1”の1つに対応する。[変更]アイコン176は、ページデータに共通の実行条件を変更する指示に対応する。[キャンセル]アイコン177は、実行条件を変更しない指示に対応する。
次に、端末プログラム65は、[変更]アイコン176の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S61:Yes)、チェックされたラジオボタン171〜165に対応する実行条件を、全てのページデータに共通の実行条件として、領域62Bに記憶させる(S62)。例えばラジオボタン171、173がチェックされた場合、端末プログラム65は、図2(B)に示される条件情報のレイアウト情報を、“2in1”から“集約なし”に上書きする。ステップS62の処理は、第2記憶処理の一例である。
一方、端末プログラム65は、[キャンセル]アイコン177の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S61:No)、S62の処理を実行することなく、条件変更処理を終了する。端末プログラム65は、ピーク操作中の入力媒体が表示面から離間したことを操作部54が検出したことに応じて(S59:離間)、S60〜S62の処理を実行することなく、条件変更処理を終了する。
次に図4(B)に戻って、端末プログラム65は、S31以降の処理を再び実行する。ここで表示されるプレビュー画面では、プレビュー画像152に対応するチェックボックスがチェックされている点において、図9(B)に示されるプレビュー画面と相違する。一方、S57でページデータがプリント動作の対象から除外された場合、当該ページデータに対応するプレビュー画像のチェックボックスのチェックが解除される。
次に、端末プログラム65は、[スタート]アイコン157の位置に対するピーク操作を操作部54が検出したことに応じて(S32:スタートアイコン&S33:ピーク)、3Dタッチ処理を実行する(S34)。S34で実行される3Dタッチ処理は、S23と共通するが、表示部53に表示される画面が異なる。以下、S23との共通点の詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
端末プログラム65は、S34で実行される3Dタッチ処理において、図12に示されるスタース報知画面を表示部53に表示させる(S42)。本実施形態に係るステータス報知画面は、プレビュー画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。ステータス報知画面は、S41で受信したステータス情報で示される複合機10の状態を報知する画面である。そして、端末プログラム65は、ステータス報知画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S43)。
図12(A)に示されるステータス報知画面は、指定装置ID“MFP−A”と、「[OK]プリントできます。」とのメッセージとを含む。図12(A)に示されるステータス画面は、指定装置である複合機10がプリント動作を実行可能な状態であることを示す。端末プログラム65は、例えば、S41でステータス情報を受信し、インク情報で示されるインク残量が閾値以上であり、且つシート情報で示されるシート残量が閾値以上であることに応じて、図12(A)に示されるステータス報知画面を表示する。
一方、図12(B)に示されるステータス報知画面は、指定装置ID“MFP−A”と、「[NG]オフライン状態です。」とのメッセージを含む。図12(B)に示されるステータス画面は、複合機10と通信できない状態であることを示す。端末プログラム65は、例えば、S41で送信要求情報を送信してから閾値時間が経過しても、ステータス情報を受信できないことに応じて、図12(B)に示されるステータス報知画面を表示する。図12(B)は、ステータス情報で示される複数の項目のうち、プリント動作の実行を阻害する項目“通信状態”を明示したステータス報知画面の一例である。
次に、端末プログラム65は、S33で検出したピーク操作がスライド操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S43:スライド)、図13(A)に示されるデバイス変更画面を、図12(B)に示されるステータス報知画面に代えて表示部53に表示させる(S44)。本実施形態に係るデバイス変更画面は、プレビュー画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。そして、端末プログラム65は、デバイス変更画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S45)。
デバイス変更画面は、通信部55を通じて通信可能な画像処理装置のうち、プリント動作を実行させる画像処理装置の指定を促す画面である。図13(A)に示されるデバイス変更画面は、通信ネットワーク101に接続された不図示の画像処理装置“MFP−B”、“MFP−C”に対応するデバイスアイコン181、182を含む。
次に、端末プログラム65は、例えばデバイスアイコン181の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S45:Yes)、領域62Bに記憶された指定装置ID“MFP−A”を、指定されたデバイスアイコン181に対応付けられた装置ID“MFP−B”で上書きする(S46)。デバイスアイコン181、182の位置に対するタップ操作は、指定装置を指定するタッチ操作の一例である。そして、端末プログラム65は、新たな指定装置がプリント動作を実行可能か否かを判断する(S47)。すなわち、端末プログラム65は、通信部55を通じて新たな指定装置からステータス情報を受信し、受信したステータス情報に基づいてS47の処理を実行する。
他の例として、端末プログラム65は、S41でステータス情報を受信し、且つインク情報で示されるシアンインクの残量が閾値未満であることに応じて、「シアンインクがロー状態です。」とのメッセージを含むステータス報知画面を表示部53に表示させてもよい(S42)。そして、端末プログラム65は、S33で検出したピーク操作がスライド操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S43:スライド)、図9(A)に示される条件変更画面を、ステータス報知画面に代えて表示部53に表示させてもよい(S44)。
または、端末プログラム65は、S33で検出したピーク操作がスライド操作に変化したことに応じて(S43:スライド)、図13(B)に示されるヘルプ画面を、ステータス報知画面に代えて表示部53に表示させてもよい。ヘルプ画面は、画像処理装置でプリント動作を実行可能にするための手順を示す画面である。本実施形態に係るヘルプ画面は、「シアンインクのカートリッジを交換して下さい。/カートリッジID:C−001」とのメッセージと、[OK]アイコン183とを含む。そして、端末プログラム65は、[OK]アイコン183の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて、指定装置からステータス情報を受信し、受信したステータス情報に基づいてS47の処理を実行してもよい。
再び図4(B)に戻って、端末プログラム65は、継続フラグに第1値“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S35:ON)、プレビュー処理を終了する。また、端末プログラム65は、[スタート]アイコン157の位置に対するタップ操作を操作部54が検出したことに応じて(S32:スタートアイコン&S33:タップ)、S34、S35の処理を実行することなく、プレビュー処理を終了する。
一方、端末プログラム65は、継続フラグに第2値“OFF”が設定されていると判断したことに応じて(S35:OFF)、S31以降の処理を再び実行する。すなわち、端末プログラム65は、S42、S44で表示させた画面を非表示にすることによって、S17の処理に進まずに、プレビュー画面を表示部53に表示させる。このとき、端末プログラム65は、「指定装置はプリント動作を実行不能な状態です。」等のメッセージを、表示部53に表示させてもよい。または、端末プログラム65は、継続フラグに第2値“OFF”が設定されていると判断したことに応じて(S35:OFF)、実行条件の変更を受け付ける設定画面を表示部53に表示させ、操作部54を通じて受け付けた実行条件の変更を領域62Bに記憶された条件情報に反映させてもよい。
再び図3に戻って、端末プログラム65は、通信部55を通じて指定装置にプリント指示情報を送信する(S17)。プリント指示情報は、条件情報で示される実行条件に従って、指定データに対するプリント動作を実行することを指示する情報である。プリント指示情報は、例えば、S25、S57で指定された指定データと、領域62Bに記憶された条件情報とを含む。なお、S46、S56、S62のいずれかが実行された場合、端末プログラム65は、変更後の条件情報をプリント指示情報に含める。S17の処理は、実行指示処理の一例である。
一方、図示は省略するが、複合機10の装置プログラム35は、通信部25を通じて端末装置50からプリント指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、受信したプリント指示情報に従ったプリント動作をプリンタ11に実行させる。すなわち、プリンタ11は、プリント指示情報に含まれる条件情報で示される実行条件に従って、プリント指示情報に含まれる指定データで示される画像をシートに記録する。
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、[スタート]アイコン157に対するピーク操作によってステータス情報が受信され、当該ピーク操作がポップ操作に変化したことによってプリント動作の実行可否が判断される。また、指定装置の状態がステータス報知画面を通じて、端末装置50のユーザにも報知される。そして、プリント動作を実行可能と判断されたことに応じて、プリント指示情報が指定装置に送信される。すなわち、端末装置50のユーザは、[スタート]アイコン157に対してピーク操作及びポップ操作を順番に行うというシンプルな操作によって、指定装置の状態を確認してからプリント動作の実行を指示することができる。
また、上記の実施形態によれば、データオブジェクト或いはプレビュー画像に対するピーク操作によって報知画面が表示され、当該ピーク操作がポップ操作に変化したことによって対応するデータが指定データに決定される。すなわち、端末装置50のユーザは、ピーク操作及びポップ操作を順番に行うというシンプルな操作によって、実行条件を確認してから指定データを指定することができる。
さらに、上記の実施形態によれば、プレビュー画像に対するピーク操作及びスライド操作によって、対応するページデータに固有の実行条件が変更される。一方、背景領域に対するピーク操作及びスライド操作によって、全てのページデータに共通の実行条件が変更される。これにより、端末装置50のユーザは、ページデータ毎に適切な実行条件を、シンプルな操作によって設定することができる。
なお、ピーク操作及びスライド操作によって表示されるポップアップウィンドウは、図8〜図13に示される画面に限定されない。以下、変形例に係る端末プログラム65の処理を説明する。但し、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
[変形例1]
変形例1に係る端末プログラム65は、[スタート]アイコン157の位置に対するピーク操作を操作部54が検出したことに応じて(S32:スタートアイコン&S33:ピーク)、図8(B)に示される条件報知画面を表示部53に表示させてもよい(S42)。そして、変形例1に係る端末プログラム65は、S33で検出したピーク操作がポップ操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S43:ポップ)、S17の処理を実行する。S17の処理は、[スタート]アイコン157に対応付けられた対応処理の一例である。
すなわち、[スタート]アイコン157の位置に対するピーク操作によって対応処理の実行条件が報知され、ピーク操作がポップ操作に変化したことによって対応処理(S17)が実行される。これにより、端末装置50のユーザは、[スタート]アイコン157に対してピーク操作及びポップ操作を順番に行うというシンプルな操作によって、実行条件を確認してから対応処理の実行を指示することができる。
また、変形例1に係る端末プログラム65は、S33で検出したピーク操作がスライド操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S43:スライド)、図9(A)に示される条件変更画面を、図8(B)に示される条件報知画面に代えて表示部53に表示させてもよい(S44)。すなわち、端末装置50のユーザは、[スタート]アイコン157に対するピーク操作及びスライド操作によって、対応処理の実行条件を変更することができる。
また、対応処理と実行条件との関係は、前述の例に限定されない。一例として、スキャン動作の実行を指示する[スキャン]アイコンに対するピーク操作によってスキャン動作の実行条件が報知され、当該ピーク操作がポップ操作に変化したことによって指定装置にスキャン動作が指示されてもよい。他の例として、FAX送信動作の実行を指示する[FAX送信]アイコンに対するピーク操作によってFAX送信動作の実行条件が報知され、当該ピーク操作がポップ操作に変化したことによって指定装置にFAX送信動作が指示されてもよい。
さらに、対応処理は、画像処理装置に動作を実行させる処理に限定されない。例えば、端末装置50は、カメラをさらに備えていてもよい。そして、端末プログラム65は、[シャッター]アイコンの位置に対するピーク操作を操作部54が検出したことに応じて、条件報知画面を通じて撮影条件を報知してもよい。また、端末プログラム65は、[シャッター]アイコンに対するピーク操作がポップ操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて、カメラに被写体を撮影させる対応処理を実行してもよい。なお、撮影条件とは、解像度、ホワイトバランス、フラッシュの有無等である。
[変形例2]
ステータス報知画面に表示される項目は、指定装置の動作モードに応じて異なってもよい。動作モードは、指定装置の管理者に割り当てられた認証情報が指定装置に入力された時の管理者モードと、前述の認証情報が指定装置に入力されていない時の一般モードとを含む。そして、変形例2に係る装置プログラム35は、複合機10が管理者モードであることに応じて、管理情報を含むステータス情報を端末装置50に送信する。一方、変形例2に係る装置プログラム35は、複合機10が一般モードであることに応じて、管理情報を含まないステータス情報を端末装置50に送信する。
また、認証情報は、指定装置ではなく、端末プログラム65に入力されてもよい。すなわち、変形例2に係る端末プログラム65が管理者モード或いは一般モードで動作してもよい。管理者モードで動作する端末プログラム65は、認証情報を含む送信要求情報を指定装置に送信する。一方、一般モードで動作する端末プログラム65は、認証情報を含まない送信要求情報を指定装置に送信する。変形例2に係る装置プログラム35は、認証情報を含む送信要求情報の応答として、管理情報を含むステータス情報を端末装置50に送信する。一方、変形例2に係る装置プログラム35は、認証情報を含まない送信要求情報の応答として、管理情報を含まないステータス情報を端末装置50に送信する。
さらに、端末プログラム65は、管理情報を含むステータス情報を受信したことに応じて、ステータス報知画面に管理情報を表示してもよい。一方、端末プログラム65は、管理情報を含まないステータス情報を受信したことに応じて、図12に示されるステータス報知画面を表示してもよい。すなわち、端末プログラム65は、指定装置或いは端末プログラム65が管理者モードである場合と、指定装置及び端末プログラム65が管理者モードでない場合とで、ステータス報知画面に表示させる項目を異ならせる。これにより、動作モードに応じて適切な情報をユーザに報知することができる。
[その他の変形例]
端末プログラム65は、データアイコン131〜133の位置に対するピーク操作を操作部54が検出したことに応じて(S22:ピーク→S23)、図12に示されるステータス報知画面を表示部53に表示させてもよい(S42)。また、端末プログラム65は、S23で実行される3Dタッチ処理において、ピーク操作がスライド操作に変化したことを操作部54が検出したことに応じて(S43:スライド)、図13(B)に示されるヘルプ画面を、図8(B)に示される条件報知画面に代えて表示部53に表示させてもよい(S44)。
また、上記の実施形態及び各変形例では、ピーク操作、ポップ操作、及びスライド操作を組み合わせて、各ポップアップウィンドウを表示させる例を説明したが、タッチ操作の組み合わせは上記の例に限定されない。例えば、ピーク操作に代えてロングタッチ操作を、ポップ操作に代えて入力媒体の離間を、スライド操作に代えてフリック操作を検出してもよい。この場合、圧力センサ54Aは、省略することができる。
また、上記の実施形態の複合機10及び端末装置50において、メモリ32、62のプログラム記憶領域32A、62Aに記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明の制御部が実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、制御部の構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路等のハードウェアで実現してもよい。
さらに、本発明は、複合機10及び端末装置50として実現できるだけでなく、複合機10及び端末装置50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワーク101を通じて複合機10及び端末装置50に接続可能なサーバに搭載されたメモリを含んでもよい。そして、サーバのメモリに記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク101を通じて配信されてもよい。