JP5961905B2 - 点検システム及び点検方法 - Google Patents
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Description
機械設備の点検を行う際、従来は、点検者が点検対象を目視で確認し、点検記録票に手書きで機器の検出値などを書き込み、点検終了後にExcel(登録商標)などを用いて転記し、データの蓄積を行っていた。このような流れで点検を行うと、点検記録票への記入ミスや、データの転記ミスなどのヒューマンエラーを起こす可能性があった。
なお、前記巡視点検方法において点検者は、目視で読み取った機器の点検値を携帯情報端末に書き込む際、当該機器の特定情報と照合して最新の点検値をRFIDタグにも書き込む。
特許文献2に記載の設備管理方法において前記管理サーバは、点検結果に異常があった場合、予め定められた原因究明手順に沿って携帯情報端末に点検指示を送信する。
なお、詳細については、発明を実施するための形態において説明する。
図1は、本実施形態に係る点検システムを含む構成図である。点検システムAの構成を説明する前に、その前提について説明する。
点検システムAは、機械設備(例えば、図1に示す機械設備211a)の巡回点検を担当する点検者(図8参照)が、適切に点検業務を遂行するためのシステムである。点検システムAは、ネットワーク上に存在するサーバ群が提供するサービスを、それらのサーバ群を意識することなしに利用できるクラウド・コンピューティングのシステムとなっている。
点検者は、点検用端末4を携帯し、予め定められた点検スケジュールに従って機械設備が有する複数の機器を巡回点検し、その点検結果を記録する。なお、点検用端末4を用いた点検業務の流れについては、後記する。
機械設備211aは、例えば水処理設備であり、複数の機器(ポンプ、タンク、検出器、制御盤など:図示せず)を有している。
制御装置213aは、インタフェース212aを介して所定の指令信号を各機器(ポンプなど:図示せず)に出力し、機械設備211aを稼働させる。また、制御装置213aには、所定時間毎に検出器(圧力計など:図示せず)から検出信号が入力される。
ちなみに、前記した稼働情報及び警報情報には、対応する機器の識別情報と、前記情報が取得された時刻を示す時刻情報と、が含まれている。
なお、図1は一例であり、1つの拠点に存在する機械設備の数や拠点数に制限はない。
以下では、任意の拠点、機械設備、制御装置、通信手段などに関して言及する場合、符号を付さずに、単に「拠点」などと記す。
なお、図1(及び図2)では、ユーザPC3を1つだけ図示しているが、実際には、各拠点の中央操作室に設置されたパソコンや、無線の通信カードを用いて使用するパソコンなど、複数個存在する。
図1に示すように、点検システムAは、稼働監視サーバ11と、設備管理サーバ12と、点検用サーバ13と、点検用端末4と、を備えている。稼働監視サーバ11、設備管理サーバ12、及び点検用サーバ13は、統括管理センタ1に設置されている。
統括管理センタ1は、予めユーザPC3から入力される各機械設備の機器情報、各拠点から受信する稼働情報及び警報情報、点検用端末4から入力される点検履歴情報などを一括管理する。なお、統括管理センタ1の詳細については後記する。
なお、点検用端末4の詳細については後記する。
稼働監視サーバ11は、稼働情報記憶手段111と、警報情報記憶手段112と、監視情報管理手段113と、を備えている。
図3(a)に示すように、稼働情報記憶手段111には、制御装置から出力される稼働情報が、各機器の識別情報(機器ID)と、前記稼働情報が出力された日付時刻と、に対応付けて格納されている。
また、図3(b)に示すように、警報情報記憶手段112には、制御装置から出力される警報情報が、各機器の識別情報(機器ID)と、前記警報情報が出力された日付時刻と、に対応付けて格納されている。
監視情報取得部113aは、ネットワークN1を介して各機械設備の制御装置から監視情報を取得する(監視情報取得処理)。ここで、「監視情報」には、前記した稼働情報と、警報情報と、が含まれる。監視情報取得部113aは、取得した監視情報のうち、稼働情報を稼働情報記憶手段111に格納し、警報情報を警報情報記憶手段112に格納する。
これによって、ユーザは、自身が管理する機械設備の監視情報をリアルタイムで閲覧することができる。
F/W(Fire Wall)115,116は、統括管理センタ1の各記憶手段に格納されているデータを、第三者に不正に取得されないようにするためのセキュリティ機能を果たしている。
設備管理サーバ12は、機器情報記憶手段121と、運用情報記憶手段122と、点検履歴記憶手段123と、設備情報管理手段124と、制御手段125と、を備えている。
図4(a)に示すように、機器情報記憶手段121には、機器ID、機器名称、機器コード、型式、機器仕様に関する情報などが格納されている。ちなみに、図4(a)では図示を省略したが、拠点と、拠点に設置される機械設備と、機械設備が備える機器とに関する情報が、データベースとして階層的に管理されている。
設備情報取得部124aは、情報閲覧サービスの登録時などにおいてユーザPC3から送信される機器情報を、ネットワークN3を介して取得し、機器IDと対応付けて機器情報記憶手段121に格納する。
また、設備情報取得部124aは、機械設備の点検終了時などにおいて点検用端末4から送信される点検履歴情報を、ネットワークN2を介して取得し、機器IDと対応付けて点検履歴記憶手段123に格納する。
例えば、ユーザPC3から機械設備の点検履歴情報を取得する指令信号を受信した場合、設備情報公開部124bは、ユーザIDに対応する機械設備の点検履歴情報を点検履歴記憶手段123から読み出す。そして、設備情報公開部124bは、読み出した点検履歴情報を、ネットワークN3を介してユーザPC3に送信する。これによって、ユーザは、自身が管理する機械設備の点検履歴を閲覧することができる。
例えば、制御手段125は、機器の稼働情報を稼働情報記憶手段111から読み出し、当該稼働情報に基づいて稼働時間(稼働回数)を算出する。そして、制御手段125は、算出した稼働時間を、機器の識別情報及び更新時の日付時刻と対応付けて運用情報記憶手段122に格納する(図4(b)参照)。
通信手段127、F/W128,129は、前記した稼働監視サーバ11が備える通信手段114、F/W115,116と同様であるから説明を省略する。
点検用サーバ13は、機器形状DB(Data Base)131と、点検ナビDB132と、点検スケジュール記憶手段133と、点検対象ナビDB取得手段134と、点検対象ナビDB135と、通信制御手段136と、を備えている。
図5(a)に示すように、機器形状DB131には、機械設備が有する機器を特定するための形状情報が、当該機器の識別情報と対応付けて格納されている。なお、前記した「形状情報」とは、例えば、CADデータや点群データ(機器表面を特定する多数の位置座標に関するデータであり、予めレーザを用いた3次元スキャナによって取得される。)である。ちなみに、図5(a)に示す形状情報1〜nは、n個の点群データで表される形状情報を示している。
また、機器形状DB131には、機器名称が機器IDと対応付けて格納されている。
(1)点検対象ナビDB取得手段134が、点検対象となる機器の監視情報を、稼働情報記憶手段111及び警報情報記憶手段112から取得する際の参照先を示す情報。
(2)点検対象ナビDB取得手段134が、点検対象となる機器の形状情報を機器形状DB131から取得する際の参照先を示す情報。
(3)点検対象となる機器の位置を特定する位置情報。
(4)機械設備が有する複数の機器を点検する際の点検順序を特定する点検順序情報。
図2に示す点検スケジュール記憶手段133には、点検すべき機械設備(又は機械設備のうち一部のエリア)及び点検予定日が、機械設備の識別情報と対応付けて格納されている。
図6は、点検対象ナビDB取得手段の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101において点検対象ナビDB取得手段134は、次回の点検対象を検索する。すなわち、点検対象ナビDB135は、点検スケジュール記憶手段133を参照し、次回に点検すべき機械設備を特定する。
ステップS103において点検対象ナビDB取得手段134は、機器ごとの識別情報を参照し、機器形状DB131から機器の形状情報等を取得する。ちなみに、形状情報等とは、機器の形状情報と機器名称とを含んでいる。
ステップS105において点検対象ナビDB取得手段134は、点検対象となる機械設備の識別情報を参照し、当該機械設備に含まれる機器の点検順序情報を点検ナビDB132から取得する。機器の点検順序は、例えば、次に点検すべき機器のIDによって特定できる。
図2に示す通信制御手段136は、点検対象ナビDB135の情報を、ネットワークN2を介して点検用端末4に送信する際の通信制御を行う。当該情報は、前記した機器を含む機械設備に対応する点検用端末4に送信される(データ提供処理)。
なお、ネットワークN2を介して点検用端末4に点検対象ナビDB135の情報を送信する「データ提供手段」は、点検対象ナビDB取得手段134と、通信制御手段136と、通信手段137と、を含んで構成される。
図8は、点検者が点検用端末を用いて機器の点検を行う様子を示す説明図である。図8では、一例として、点検対象が、水処理設備の稼働状態を表示する表示盤210である場合を示している。
本実施形態では、点検用端末4として、タッチパネル式の携帯情報端末を用いる。点検用端末4には、点検対象を撮像するための撮像手段41(例えば、CCDカメラ:図9参照)が設置されている。
点検者は、点検用端末4に表示される撮影ボタンに触れることによって点検対象を撮像する。ちなみに、図8に示す例では、表示盤210の圧力計211、温度計212、稼働ランプ213などが撮像され、それぞれ圧力計画像211p、温度計画像212p、稼働ランプ画像213pとして点検用端末4に表示される。
点検用端末4は、撮像手段41と、操作手段42と、表示手段43と、制御手段44と、を備えている。
撮像手段41は、前記したように、点検対象を撮像するCCDカメラなどであり、点検者が表示手段43に表示される画像を見つつ点検対象を撮像できる所定位置に設置されている。
操作手段42は、点検用端末4がタッチパネル式である場合、タッチ検出用のセンサである。
表示手段43は、撮像手段41による撮像結果や点検用の画面を表示するためのもの(例えば、液晶ディスプレイ)である。
制御手段44は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェースなどの電子回路(図示せず)を含んで構成され、設定されたプログラムに従って各種処理を実行する。
次に、制御手段44の構成について詳細に説明する。
操作制御手段441は、操作手段42を介したユーザの操作に従って、通信制御手段443、表示制御手段450、及び点検結果登録手段451の動作を制御する。
通信手段442は、統括管理センタ1の設備管理サーバ12又は点検用サーバ13との間で無線通信を行う。
前記したように、点検用サーバ13(図2参照)では、点検スケジュール記憶手段133に格納される点検スケジュールに従って、点検対象となる機器の点検対象ナビDB135(図2参照)が取得される。そして、点検用サーバ13では、当該機器に対応する点検用端末4に対して点検対象ナビDB135の情報を送信し、同期処理を実行する。
図9に示す通信制御手段443は、点検用サーバ13からの同期処理を受け付け、点検用端末4が備える点検対象ナビDB444の内容を更新する。
画像情報取込手段445は、撮像手段41から入力されるVGA画像の情報を、ピクセル数で特定される位置情報(画像内でのX座標、Y座標)と、画素値とを含む画像情報に変換し、画像情報記憶手段446に格納する。
画像情報記憶手段446には、撮像手段41による撮像が実行される度に、当該撮像によって取得される画像情報が格納される。
監視情報取得手段449は、点検対象指定手段448によって指定された点検対象の監視情報を点検対象ナビDB444から取得し、表示制御手段450に出力する。前記したように、当該監視情報には、点検対象である機器の稼働情報が含まれている。
なお、撮像手段41から入力される画像情報に対応する機器を特定する「点検対象特定手段」は、比較手段447と、点検対象指定手段448と、監視情報取得手段449と、を含んで構成される。
このように、本実施形態では、AR(Augmented Reality:拡張現実)の技術を用いることによって実世界の画像に仮想的な情報を付加し、点検業務を支援する。
検出値等読取手段453は、点検対象ナビDB444に監視情報が格納されていない場合、画像情報記憶手段446に格納される画像情報を用いて、検出値等(機器の検出値及び状態)を自動的に読み取る。なお、検出値読取手段の詳細については、後記する。
次に、制御手段44の処理の流れを、図10〜図12を参照しつつ説明する。図10、図11は、点検用端末の制御手段が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図10に示す「START」において、点検者は点検用端末に表示される地図(図12(e)参照)に従って移動し、点検対象となる表示盤210(図8参照)の前に到着しているものとする。
撮像手段41によって撮像処理が実行され画像情報が入力された場合(S201→Yes)、制御手段44の処理はステップS202に進む。一方、撮像手段41から画像情報が入力されない場合(S201→No)、制御手段44はステップS201の処理を繰り返す。
ステップS203において制御手段44は、ステップS202において画像情報記憶手段446に格納した画像情報と、点検対象ナビDB444に格納されている複数の機器の形状情報と、の比較処理を実行する。
ステップS204において制御手段44は、点検対象ナビDB444に格納されている複数の機器のうち、撮像手段41によって取得された画像情報に対応する(形状が類似又は一致する)機器が存在するか否かを判定する(点検対象特定処理)。図12(a)に示す例では、前記機器が表示盤210(図8参照)である場合を示している。
ステップS205において制御手段44は、点検対象指定処理を実行する。すなわち、制御手段44は、撮像手段41によって取得された画像情報に対応する機器の識別情報及び機器名称を点検対象ナビDB444から取得する。図12(b)に示す例において前記機器とは、圧力計211、温度計212、及び稼働ランプ213である。
次に、ステップS206において制御手段44は、点検対象表示処理を実行する。つまり、制御手段44は、表示手段43において当該機器が表示されている箇所に重なるように機器の名称を表示させる。
図12(b)に示す例では、圧力計画像211pの下側に「圧力計」と表示され、温度計画像212pの下側に「温度計」と表示され、稼働ランプ画像213pの下側に「稼働ランプ」と表示されている。
なお、点検すべき機器の表示は前記した方法に限定されず、他の機器と区別できるように表示できればよい。
ステップS208において制御手段44は、操作手段42を介した選択操作があったか否かを判定する。なお、前記した選択操作とは、点検対象となる複数の機器画像のうち、太枠線で囲まれた機器画像(図12(b)では、圧力計画像211p)を選択する操作を意味している。
ちなみに、点検対象となる全ての機器の稼働情報が、前記した稼働監視サーバ11(図2参照)によって取得されるとは限らない。
稼働情報が取得されない機器を点検する場合については、撮像手段41から入力された画像情報に基づいて自動的に検出値などを読み取る(後記するステップS212)。
ステップS210において制御手段44は、監視情報取得処理を実行する。すなわち、制御手段44は、ステップS208で選択された機器の識別情報を参照し、点検対象ナビDB444から前記機器の監視情報を読み出す。
例えば、図12(b)で圧力計画像211pが選択されると、制御手段44は圧力計211の監視情報(圧力12.3MPa)を点検対象ナビDB444から読み出す。
なお、図12(c)に示すように、選択された機器である圧力計を部分的に拡大して表示することが好ましい。これによって、点検者は、表示画面に表示された画像を用いて点検対象の数値などを容易に読み取る(確認する)ことができる。
ステップ212において制御手段44は、検出値等読取処理を実行する。すなわち、制御手段44は、撮像手段41によって取得された画像情報に基づいて、アナログ計器又はデジタル計器の検出値、表示ランプの点灯/消灯などの状態を自動的に読み取る。当該読取処理は、エッジ抽出やパターンマッチングによって実行できる。
このように、監視情報が取得されない機器については点検用端末4で自動的に読み取ることによって、点検者による計器等の読み間違いや、読み取り誤差をなくすことができる。
(A)前記したステップS210の処理によって取得された監視情報。つまり、ネットワークN1を介して稼働監視サーバ11(図2参照)により取得され、その後、点検対象ナビDB取得手段134によって選択的に取得された監視情報。
(B)前記したステップS212の処理によって読み取られた検出値等。つまり、点検用端末4の検出値等読取手段453によって自動的に読み取られた検出値等。
なお、図12(c)に示す例では、ユーザが表示手段43に表示される「OK」ボタンに触れることが、前記した一致入力に相当する。また、前記した「一致」とは、ユーザが読み取った検出値等と、表示手段43に表示された値とが完全に一致している場合の他、所定範囲内での誤差を有する場合も含んでいる。
ステップS216において制御手段44は、コメント入力が完了したか否かを判定する。例えば、ユーザが読み取った圧力計の値が、圧力計の監視情報(図12(b)では、12.3MPa)と大きく異なる場合があり得る。
ユーザによって「履歴表示」が選択された場合、制御手段44は、ネットワークN2を介して設備管理サーバ12に履歴情報の取得指令信号を送信する。なお、前記指令信号は、点検対象である機器の識別情報(機器ID)と、点検用端末4の識別情報と、を含んでいる。
図13は、点検用端末に表示される履歴情報の説明図である。例えば、設備情報公開部124bは機器IDを参照し、機器情報記憶手段121から前記機器の機器名称、機器コード、型式を読み出す。同様に、設備情報公開部124bは、運用情報記憶手段122から前記機器の使用時間、寿命時間、警報履歴、前回交換日、次回交換予定日、在庫数を読み出す。また、設備情報公開部124bは、点検履歴記憶手段123から前回点検日、前回点検結果を読み出す。
ちなみに、図13を用いて説明した履歴情報はこれに限定されず、適宜変更することができる。
これによって、点検者は、点検対象となる機器(太枠:温度計)と、点検が完了した機器(二重枠:圧力計)と、点検が完了していない機器(機器名称のみ:稼働ランプ)と、を容易に把握することができる。制御手段44は、このような表示制御処理を、点検対象である機器について一致入力がある度に実行する。
例えば、制御手段44は、図12(e)に示すように、水処理設備(機械設備)に設置されている複数の機器の配置、点検順序(矢印を参照)、及び点検者の現在位置(▲印を参照)を示す地図を点検用端末4の表示手段43に表示させる。これによって、点検者は、次に点検すべき機器を容易に把握することができる。なお、当該地図情報は、点検対象ナビDB444に格納される機器の位置情報に含まれる。
このように点検者は、点検用端末4に表示される地図に従って移動し、表示手段43に表示される点検順序(図12(b)の太枠線を参照)に従って点検作業を進めていく。
このように、本実施形態では、EAM(Enterprise Asset Management)、つまり、コンピュータを利用した設備情報の一元管理を行うことによってセキュリティ対策を行いつつ、低コストで設備情報を管理できる。
本実施形態に係る点検システムAによれば、点検すべき機器とは異なる機器を点検することや、点検値の読み間違い・記入値の書き間違いなどのヒューマンエラーを確実に防止できる。
機械設備の巡回点検を行う際、従来は、点検者が点検対象を目視で確認し、点検記録票に手書きで数値や状態を書き込み、点検終了時には事務所にてExcel(登録商標)などのソフトウェアを用いて転記し、データの集計及び蓄積を行っていた。
前記した流れで点検を行うと、以下のようなヒューマンエラーが生じる可能性があった。
(2)点検者が、点検対象である機器の検出値等を読み間違える。
(3)点検者が、読み取った検出値等を点検記録票に記入する際、誤った値を記入してしまう。
(4)点検者が、読み取った検出値等を点検記録票に記入する際、記入欄を間違える。
(5)点検終了時にデータの転記を行う際、転記を行う者が、誤った値を転記してしまう。
したがって、点検すべき機器とは異なる機器を点検してしまうこと(前記(1)を参照)を確実に防止できる。
点検者は、点検用端末4の表示手段43のうち点検対象である機器に重なるように表示される監視情報と、目視で確認した検出値等とが一致しているかを確認しさえすればよい。したがって、本実施形態によれば、検出値等の読み間違い(前記(2)を参照)を確実に防止できる。また、点検者が、点検業務に熟練していない場合でも、ヒューマンエラーを生じることなくスムーズかつ正確に点検作業を進めることができる。
このように、本実施形態によれば、機械設備の点検に伴うヒューマンエラーを、従来と比較して大幅に低減することができる。また、点検者が非熟練者であっても点検作業をスムーズかつ正確に遂行できる。
したがって、本実施形態によれば、既存の機械設備に大きな変更を加えることなく、低コストで点検作業を行うことができる。
以上、本発明に係る点検システムAについて前記実施形態により説明したが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記実施形態では、点検用端末4に撮像手段41を設置し、点検対象ナビDB444から読みされる監視情報などを点検用端末4に表示する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、ヘッドマウントディスプレイ(図示せず)を点検者の頭部に装着し、このヘッドマウントディスプレイに設置される撮像手段(図示せず)によって点検対象を撮像してもよい。
ちなみに、点検者の指先にマーカ(図示せず))を付け、ヘッドマウントディスプレイに各種選択ボタンを表示させ、点検者の視界における前記マーカの位置に応じて選択操作の有無を判定してもよい。
また、前記実施形態では、点検対象となる機器がアナログ計器や表示ランプである場合について説明したが、検出対象がデジタル計器やスイッチ類である場合でも同様の方法で対応できる。
1 統括管理センタ
11 稼働監視サーバ
111 稼働情報記憶手段
112 警報情報記憶手段
113 監視情報管理手段
113a 監視情報取得部(監視情報取得手段)
113b 監視情報公開部
12 設備管理サーバ
121 運用情報記憶手段(設備情報記憶手段)
122 機器情報記憶手段(設備情報記憶手段)
123 点検履歴記憶手段(設備情報記憶手段)
124 設備情報管理手段
124a 設備情報取得部(点検履歴情報取得手段)
124b 設備情報公開部(点検履歴情報公開手段、設備情報公開手段)
13 点検用サーバ
131 機器形状DB
132 点検ナビDB
133 点検スケジュール記憶手段
134 点検対象ナビDB取得手段(点検対象ナビデータベース提供手段)
135 点検対象ナビDB(点検対象ナビデータベース)
136 通信制御手段(点検対象ナビデータベース提供手段)
137 通信手段(点検対象ナビデータベース提供手段)
21,22,23 拠点
211a,211b,221,231 機械設備
3 ユーザPC(ユーザのコンピュータ)
4 点検用端末
41 撮像手段
42 操作手段
43 表示手段
44 制御手段
444 点検対象ナビDB(点検対象ナビデータベース)
445 画像情報取込手段
446 画像情報記憶手段
447 比較手段(点検対象特定手段)
448 点検対象指定手段(点検対象特定手段)
449 監視情報取得手段(点検対象特定手段)
450 表示制御手段
451 点検結果登録手段(登録手段)
452 点検結果記憶手段
453 検出値等読取手段
N1 ネットワーク(第1ネットワーク)
N2 ネットワーク(第2ネットワーク)
N3 ネットワーク(第3ネットワーク)
Claims (6)
- 1つ又は複数の拠点に設置され、拠点毎に少なくとも1つ存在する機械設備の稼働情報を含む監視情報を、第1ネットワークを介して取得する監視情報取得手段を有する稼働監視サーバと、
点検対象となる機械設備が有する機器毎の前記監視情報と、前記機器毎の形状情報と、前記機器毎の識別情報と、を含むデータを、予め設定された点検スケジュールに従って、前記機械設備に対応する点検用端末に第2ネットワークを介して送信するデータ提供手段を有する点検用サーバと、を備えるとともに、
点検対象を撮像する撮像手段と、
前記データが格納される点検対象ナビデータベースと、
前記データ提供手段によって提供される前記形状情報を用いて、前記撮像手段から入力される画像情報に対応する機器を特定する点検対象特定手段と、
前記点検対象特定手段によって特定される前記機器の前記監視情報を前記点検対象ナビデータベースから取得し、表示手段において当該機器が表示されている箇所に重なるように前記監視情報を表示させる表示制御手段と、
点検者の操作に応じて、前記表示手段に表示される前記機器の点検結果を当該機器の識別情報と対応付けて、点検履歴情報として登録する登録手段と、
を有する前記点検用端末と、
を備えることを特徴とする点検システム。 - 前記点検用端末が有する前記点検対象ナビデータベースには、点検対象となる前記機械設備が有する機器のうち、前記監視情報取得手段によって前記監視情報が取得されない機器に関して、当該機器の検出値又は状態の表示位置と、前記検出値又は状態の読取方法と、を含む読取情報が、当該機器の識別情報と対応付けて格納され、
前記点検対象特定手段によって特定される機器が、前記監視情報が取得されない機器である場合、前記点検対象ナビデータベースに格納されている前記読取情報に基づいて、当該機器の検出値又は状態を読み取る検出値等読取手段を備え、
前記表示制御手段は、前記検出値等読取手段によって読み取られる前記機器の検出値又は状態を、前記表示手段において当該機器が表示されている箇所に重なるように表示させること
を特徴とする請求項1に記載の点検システム。 - 前記点検用端末が有する前記点検対象ナビデータベースには、点検対象となる前記機械設備が有する機器の点検順序を示す点検順序情報が、それぞれの機器の識別情報に対応付けて格納され、
前記表示制御手段は、前記登録手段が点検結果を登録する度に、前記点検対象ナビデータベースに格納されている前記点検順序情報を参照し、点検結果の登録対象となった機器の次に点検を行うべき機器を明示するように前記表示手段に表示させること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の点検システム。 - 前記点検用端末から、点検対象となった機械設備が有する機器の前記点検履歴情報が前記第2ネットワークを介して送信された場合、当該点検履歴情報を受信し、前記機器の識別情報及び点検日時と対応付けて点検履歴記憶手段に格納する点検履歴情報取得手段と、
ユーザのコンピュータから第3ネットワークを介して前記機器の前記点検履歴情報を取得する指令信号を受信した場合、当該指令信号に応じて前記点検履歴記憶手段から前記点検履歴情報を読み出し、前記第3ネットワークを介して前記ユーザのコンピュータに送信する点検履歴公開手段と、
を有する設備管理サーバを備えること
を特徴とする請求項1に記載の点検システム。 - 前記設備管理サーバは、
前記機械設備が有する前記機器の使用時間、前回交換日、次回交換予定日、在庫数、及び前記点検履歴情報を含む設備情報を格納する設備情報記憶手段と、
前記点検用端末から前記設備情報の送信指令信号を受信した場合、前記点検用端末の点検対象である前記機器の識別情報を参照し、当該機器に対応する前記設備情報を前記設備情報記憶手段から読み出し、前記第2ネットワークを介して前記点検用端末に送信する設備情報公開手段と、を備え、
前記点検用端末が有する前記表示制御手段は、
前記設備管理サーバから受信する前記設備情報を前記表示手段に表示させること
を特徴とする請求項4に記載の点検システム。 - 1つ又は複数の拠点に設置され、拠点毎に少なくとも1つ存在する機械設備の稼働情報を含む監視情報を、稼働監視サーバが、第1ネットワークを介して取得する監視情報取得処理と、
点検対象となる機械設備の前記監視情報と、当該機械設備が有する機器毎の形状情報と、前記機器毎の識別情報と、を含むデータを、点検用サーバが、予め設定された点検スケジュールに従って、前記機械設備に対応する点検用端末に第2ネットワークを介して送信するデータ提供処理と、を実行し、
点検用端末が、
点検対象を撮像する撮像処理と、
前記データを点検対象ナビデータベースに格納する処理と、
前記データ提供処理によって提供される前記形状情報を用いて、前記撮像処理によって取得される画像情報に対応する機器を特定する点検対象特定処理と、
前記点検対象特定処理によって特定される前記機器の前記監視情報を前記点検対象ナビデータベースから取得し、表示手段において当該機器が表示されている箇所に重なるように前記監視情報を表示させる表示制御処理と、
点検者の操作に応じて、前記表示手段に表示される前記機器の点検結果を当該機器の識別情報と対応付けて、点検履歴情報として登録する登録処理と、を実行すること
を特徴とする点検方法。
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