JP5961356B2 - 液面レベル検出装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液面レベル検出装置に関し、より詳細には、自動車、航空機などの輸送用燃料タンクの内部に貯留した液体の残量を液面の位置から自動的に検出する液面レベル検出装置及びその製造方法に関する。
従来、例えば自動車の燃料タンクの液面高さを検出する液面レベル検出装置として、液面レベルに応じて上下移動するフロートによってフロートアームを抵抗板上で摺動させ、液面レベルを電位差に変換して液面高さを検出するようにした液面レベル検出装置が知られている。
ここで、液面レベル検出装置の一例について説明する。図1は、本発明及び従来の液面レベル検出装置に用いられるセンサの構造例を説明するための電気ブロック図である。図2は、本発明及び従来の液面レベル検出装置の構造例を説明するための説明図である。図3は、本発明及び従来のセンサ内部の可変抵抗器の構造例を説明するための説明図である。
液面レベル検出装置1のセンサ2は、耐密容器内部Tの液体面の高さ推移に連動して後述する接点19,20が移動する過程で抵抗値を変化させる可変抵抗器3を備え、この可変抵抗器3は固定抵抗器7に直列につながれ、可変抵抗器3と固定抵抗器7に所定の電圧を印加する電源回路4に接続されている。
そして、センサ2は、図2および図3に示したように、本体フレーム12に取り付けられた抵抗板13と、液体の浮力で液面に浮動するフロート10が先端に取り付けられたフロートアーム11の他端に連結される摺動体接触子14とを備えている。センサ2の抵抗板13には、第1導電パターン15及び第2導電パターン16が設けられており、これら二つの導電パターン15,16はフロートアーム11の回転軸21を中心に円弧状に互いに並行した形態で配置されている。そして第1導電パターン15の一端には入出力用導電部17が、第2導電パターン16の一端には入出力用導電部18がそれぞれ接続されている。
第1導電パターン15は、その円弧状の円周方向に所定の間隔をおいて配置された複数の導電セグメント15aと、これら複数の導電セグメント15aを互いに電気的に接続している抵抗体15bとで構成されている。また第2導電パターン16は、その円弧状の円周方向に所定の間隔をおいて配置された複数の導電セグメント16aと、これら複数の導電セグメント16aを互いに電気的に接続している連結体16bとで構成されている。
摺動体接触子14には、互いに電気的に接続されている二つの接点19,20が設けられている。また、摺動体接触子14には、フロートアーム11の他端に位置する回転軸21が連結される。フロートアーム11は、液面に浮くフロート10が満タン時の液面の位置から消費した量に応じて下方向へ移動することによって回転軸21を支点として図3の矢印Y方向へ旋回するが、このフロートアーム11の旋回に伴い、摺動体接触子14も図3の矢印Y方向へ回動する。この摺動体接触子14の回動運動で各接点19,20が、第1導電パターン15、第2導電パターン16に配置された各導電セグメント15a,16aの上を摺動しながら電気的に接触する。それにより、第1導電パターン15に接続された入出力用導電部17から第2導電パターン16に接続された入出力用導電部18の間の回路に介在する抵抗体15bの長さが変化し、その回路の抵抗値が変化する(つまり、図1の可変抵抗器3の抵抗値が変化する。)。このように、前記第1導電パターン15、第2導電パターン16及び摺動体接触子14により可変抵抗器3が構成されている。
可変抵抗器3に印加された電圧は、入出力用導電部17,18間の電位差をセンサ2が検出しその出力信号を処理回路5に出力し、処理回路5は前記センサ2の出力信号に基づき液体の残量をメータ6などの表示器にアナログ又はバーグラフ表示される仕組みになっている。尚、メータ6内には処理回路5との配線上に固定抵抗器を配置してもよい。
このような液面レベル検出装置において、接点の材質は一般に、銀パラジウム(AgPd)合金、銀銅(AgCu)合金、銀ニッケル(AgNi)合金等が使用されている。また導電セグメントは、例えば銀パラジウム(AgPd)粉末とガラスとの混合体からなり、銀粉末とパラジウム粉末とガラス粉末とを混ぜてペースト化したものを抵抗板に印刷し、これを乾燥後に焼成して得られる。
ところで、液面レベル検出装置は、エタノール、メタノール、等といった電解液(アルコール)そのもの、或いは該電解液を含有するガソリンを燃料とする自動車の燃料タンクに用いられる場合がある。銀(Ag)は電気抵抗が小さく導電性に優れるが、燃料中の硫黄分、水分、アルコール分等によって接点や導電セグメントが劣化もしくは腐食して導通不良により、測定ができなくなる、誤った値となる等の障害が発生することがある。また、昨今の世界の燃料事情により、様々な配合の燃料が使用される機会が多く、上記の障害を防止して信頼性のある燃料計を提供する必要がある。そこで、このような導電セグメントや接点の劣化や腐食を防ぐため、導電セグメントの接点が摺動する部分を金(Au)を含んだ合金で覆ったり、導電セグメントに金(Au)を含んだ合金を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−287456号公報 特開2009−162694号公報 特開2003−287457号公報
特許文献1、2の技術のように、金(Au)を含んだ合金で覆った構造では、導電セグメントの耐劣化性、耐腐食性の効果はあるが、被覆層が経時的に薄くなるため、効果の有効性が十分ではないおそれがある。また、金(Au)を含んだ合金で覆った複数層構造であると、導電セグメントの膜厚にバラツキが生じ、このバラツキによって導電セグメントにおける金(Au)やガラスの含有率にもバラツキが生じてしまう。このような金(Au)やガラスの含有率のバラツキは、導電セグメントを単一層とした場合と比較して大きく、このため、材料の仕様選定や製造膜厚の管理が困難になるばかりか、耐硫化性や耐腐食性が不安定となってしまう。
また、十分な耐劣化性、耐腐食性を確保するためには、金(Au)を多量に含有させる必要があり(例えば導電セグメントにおいて約40質量%以上)、コストアップとなるという問題があった。特に、特許文献3の技術のように、電極及び回路部を含む導電セグメントの全体に金(Au)を含んだ合金を用いると、高価な金(Au)の使用量が多くなり、大幅なコストアップが免れなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、通常の環境での使用はもちろん、ガソリンなどの硫黄成分存在下での使用であっても、耐劣化性、耐腐食性を確保し、かつ製造コストを抑制した液面レベル検出装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(4)により達成される。
(1)複数の長尺状の導電セグメントを配置した抵抗板と、測定すべき液面レベルの変位に応じて上下移動するフロートと、一端を該フロートに取付けられ、他端を前記フロートの上下移動に伴い回転するように回動自在に支持されたフロートアームと、前記液面レベルに応じた前記フロートアームの回転に連動して前記複数の導電セグメント上を摺動する接点と、を備えた液面レベル検出装置であって、
前記複数の導電セグメントは、金(Au)を主成分とする第1金属材料からなる焼成体であり前記接点が摺動接触する接点側電極、及び、少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とを含む第2金属材料からなる焼成体であり前記接点が摺動接触しない配線側電極を有すると共に、前記接点側電極と前記配線側電極とが、前記第1金属材料及び前記第2金属材料の焼成合金である結合部を介して結合されている、
ことを特徴とする液面レベル検出装置。
(2)前記第1金属材料が、金(Au)を40質量%以上含有することを特徴とする前記(1)に記載の液面レベル検出装置。
(3)前記第1金属材料が、ガラス成分を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の液面レベル検出装置。
(4)複数の長尺状の導電セグメントを配置した抵抗板と、測定すべき液面レベルの変位に応じて上下移動するフロートと、一端を該フロートに取付けられ、他端を前記フロートの上下移動に伴い回転するように回動自在に支持されたフロートアームと、前記液面レベルに応じた前記フロートアームの回転に連動して前記複数の導電セグメント上を摺動する接点と、を備えた液面レベル検出装置の製造方法であって、
前記抵抗板の前記導電セグメントの形成位置における少なくとも前記接点と摺動接触する範囲に塗布された金(Au)を主成分とする第1金属材料と、前記抵抗板の前記導電セグメントの形成位置における前記接点との摺動接触範囲以外に塗布された少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とを含む第2金属材料と、の一部分同士が重なった塗布体を形成する工程、及び、前記抵抗板を前記塗布体と共に焼成して前記第1金属材料からなる部位と前記第2金属材料からなる部位とが前記第1金属材料及び前記第2金属材料の焼成合金からなる結合部を介して結合された前記導電セグメントを形成する工程、を含むことを特徴とする液面レベル検出装置の製造方法。
本発明によれば、抵抗板を構成する複数の導電セグメントが、金(Au)を主成分とする第1金属材料からなり接点が摺動接触する接点側電極と、少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とを含む第2金属材料からなる配線側電極と、これらの配線側電極及び接点側電極の一部分同士を結合させた結合部とから構成されているので、硫黄成分を多量に含有するガソリンや、様々な配合処方を有する燃料の使用であっても十分な耐劣化性、耐腐食性を有する液面レベル検出装置を提供することができる。すなわち、接点側電極および接点は両者の摺動により微少な摩耗が進行するが、前記第1金属材料の摩耗により遊離した金(Au)は、摺動面に転移する。このように、耐硫化性、耐腐食性が強く求められる摺動面に金(Au)が転移することにより、硫黄成分による硫化劣化、腐食、酸化等を防止し、接点側電極と接点との接触導通性及び接触安定性が良好に保たれ、接点接触障害を防止することができる。
また、導電セグメントのすべてに金(Au)を用いず、接点との摺動箇所のみに局部的に金(Au)を用いることにより、金(Au)を従来よりも少ない使用量とすることができるので、材料費を削減することができ、これにより液面レベル検出装置の製造コストを安くすることができる。
また、接点側電極及び配線側電極の一部分同士が互いに結合されているので、接点側電極と配線側電極とを、硫黄成分による硫化劣化、腐食、酸化等を防止しつつ電気的及び機械的に良好に結合させた状態とすることができる。
本発明及び従来の液面レベル検出装置に用いられるセンサの構造例を説明するための電気ブロック図である。 本発明及び従来の液面レベル検出装置の構造例を説明するための説明図である。 本発明及び従来のセンサ内部の可変抵抗器の構造例を説明するための説明図である。 本発明の液面レベル検出装置における実施形態の導電セグメントの構造例を説明するための図であり、(a)は拡大平面図、(b)は(a)のIVb−IVb断面図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。本発明の液面レベル検出装置に関する基本的な構造については本明細書の従来技術の説明の中で図1、図2および図3を参照して詳述した通りであるが、再度説明する。
図1に示したように、液面レベル検出装置1のセンサ2は、耐密容器内部Tの液体面の高さ推移に連動して後述する接点19,20が移動する過程で抵抗値を変化させる可変抵抗器3を備え、この抵抗器3は固定抵抗器7に直列につながれ、可変抵抗器3と固定抵抗器7に所定の電圧を印加する電源回路4に接続されている。
センサ2は、図2および図3に示したように、本体フレーム12と、該本体フレーム12に取り付けられた抵抗板13と摺動体接触子14とを備え、該摺動体接触子14には液体の浮力で液面を浮動するフロート10が先端に取り付けられたフロートアーム11の基端部が連結されている。センサ2の抵抗板13には、第1導電パターン15及び第2導電パターン16が設けられており、これら二つの導電パターン15,16はフロートアーム11の回転軸21を中心に円弧状に互いに並行した形態で配置されている。そして、一方の第1導電パターン15の一端には入出力用導電部17が、もう一方の第2導電パターン16の一端には入出力用導電部18がそれぞれ接続されている。
第1導電パターン15は、その円弧状の円周方向に所定の間隔をおいて配置された複数の長尺状の導電セグメント15aと、これらの導電セグメント15aを互いに電気的に接続している抵抗体15bとで構成されている。また第2導電パターン16は、その円弧状の円周方向に所定の間隔をおいて配置された長尺状の複数の導電セグメント16aと、これらの導電セグメント16aを互いに電気的に接続している連結体16bとで構成されている。この第1導電パターン15と第2導電パターン16は、互いに離間して配設されている。
摺動体接触子14はフロートアーム11の基端部を中心とした同心円状の2つの枠体を備え、その2つの枠体にはそれぞれ、接点19,20が設けられ、互いに電気的に接続されている。そして、摺動体接触子14には、フロートアーム11の基端部に位置する回転軸21が連結されている。
フロートアーム11は、液面に浮くフロート10が満タン時の液面の位置から消費した量に応じて下方向へ移動することによって回転軸21を支点として図3の矢印Y方向へ旋回するが、このフロートアーム11の旋回に伴い、摺動体接触子14もまた図3の矢印Y方向へ回動する。この摺動体接触子14の回動運動で接点19は第1導電パターン15に配置された導電セグメント15aの上を摺動しながら電気的に接触し、接点20は第2導電パターン16に配置された導電セグメント16aの上を摺動しながら電気的に接触する。それにより、第1導電パターン15に接続された入出力用導電部17から第2導電パターン16に接続された入出力用導電部18の間の回路に介在する抵抗体15bの長さが変化し、その回路の抵抗値が変化する(つまり、図1の可変抵抗器3の抵抗値が変化する。)。このように、前記第1導電パターン15、第2導電パターン16及び摺動体接触子14により可変抵抗器3が構成されている。
可変抵抗器3に印加された電圧は、入出力用導電部17,18間の電位差をセンサ2が検出しその出力信号を処理回路5に出力し、処理回路5は前記センサ2の出力信号に基づき液体の残量をメータ6などの表示器にアナログ又はバーグラフ表示する。尚、メータ6内には処理回路5との配線上に固定抵抗器を配置してもよい。
図4は、本発明の液面レベル検出装置における実施形態の導電セグメントの構造例を説明するための図であり、(a)は拡大平面図、(b)は(a)のIVb−IVb断面図である。
本発明の実施形態において、抵抗板13に設けられた第1導電パターン15を構成する複数の導電セグメント15aは、金(Au)を主成分とする第1金属材料からなる複数の接点側電極152と、少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とを含む第2金属材料からなる複数の配線側電極154と、これらの配線側電極154と接点側電極152とを結合する結合部153とで構成されている。図4(a)に示したように、配線側電極154と接点側電極152とは、直線的に配置されて結合部153で結合されており、全体として長尺の直線状に形成されている。
接点側電極152は、少なくとも導電セグメント15aにおける接点19が摺動しながら接触する摺動接触範囲Aを含んだ部分である。また、配線側電極154は、導電セグメント15aにおける接点19が摺動しながら接触する摺動接触範囲A以外、つまり、接点側電極152以外の部分である。
接点側電極152を形成する第1金属材料は、金(Au)を主成分とするものであり、金(Au)が40質量%以上の割合で含まれるのが好ましい。
第1金属材料中、金(Au)を40質量%以上含有することにより、耐劣化性、耐腐食性を十分に高めることができる。
また、第1金属材料は、ガラス成分を含有するのが好ましい。ガラス成分の存在により、導電セグメントの硬度が高まるという効果が奏される。ガラス成分としては、硼珪酸鉛ガラス、酸化ビスマス等が挙げられる。
本発明において、第1金属材料には、本発明の効果を妨げない限り、その他の金属材料を含有させても良い。その他の金属材料としては、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)および白金(Pt)等を挙げることができる。その他の金属材料は、1種を単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。その他の金属材料は、第1金属材料中、5質量%以下の割合で含有するのが好ましい。
配線側電極154を形成する第2金属材料を少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とで構成することで、配線側電極154の硬度を高め磨耗耐久性を確保するとともに、導電性に優れる導電パターンを形成することができる。
本発明において、第2金属材料は、金(Au)を配合してもよい。第2金属材料に金(Au)を配合させることで、ガソリン等の燃料に対してより耐劣化性、耐腐食性を備えた液面レベル検出装置とすることができる。
尚、第2金属材料には、本発明の効果を妨げない限り、その他の金属材料を含有させても良い。その他の金属材料としては、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)および白金(Pt)等を挙げることができる。その他の金属材料は、1種を単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
結合部153は、図4(b)に示したように、接点側電極152の端部152aと配線側電極154の端部154a同士が互いに積層している。接点側電極152の端部152aと配線側電極154の端部154aとを積層した状態で焼成することにより、結合部153は接点側電極152を構成する第1金属材料及び配線側電極154を構成する第2金属材料の焼成合金とされている。そして、この結合部153で、接点側電極152と配線側電極154とが電気的及び機械的に結合され、接点側電極152と配線側電極154とで、櫛歯状に配置された導電セグメント15aが構成されている。
次に、導電パターンの形成方法について説明する。
まず、第2金属材料の粉末をバインダーとともに溶剤に混ぜてペースト状にし、これをスクリーン印刷などの手段によって、アルミナ基板等からなる抵抗板13における配線側電極154及び結合部153の形成位置に間隔をあけて印刷して塗布し、乾燥処理を行う。
次に、第1金属材料の粉末をバインダーとともに溶剤に混ぜてペースト状にし、同じくスクリーン印刷などの手段によって抵抗板13における接点側電極152及び結合部153の形成位置に間隔をあけて印刷して塗布し、乾燥処理を行う。
この第2金属材料のペースト及び第1金属材料のペーストを印刷して塗布する際には、これらの第2金属材料のペーストと第1金属材料のペーストの一部分が互いに重なるようにする。
そして最後に、抵抗板13全体を焼成することにより、第1導電パターン15の導電セグメント15aが形成される。また、第1導電パターン15の導電セグメント15aでは、第1金属材料のペーストと第2金属材料のペーストとの重なり部分も焼成され、接点側電極152を構成する第1金属材料及び配線側電極154を構成する第2金属材料が焼成合金とされた結合部153が形成される。これにより、接点側電極152と配線側電極154とが、焼成合金とされた結合部153で電気的及び機械的に確実に結合される。
なお、第1導電パターン15の導電セグメント15aにおける配線側電極154には、抵抗体15bを重ねて印刷する。
このような本発明の実施形態によれば、抵抗板13を構成する複数の導電セグメント15aが、金(Au)を主成分とする第1金属材料からなり接点19が摺動接触する接点側電極152と、少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とを含む第2金属材料からなる配線側電極154と、これらの接点側電極152及び配線側電極154の一部分同士を結合させた結合部153とから構成されているので、硫黄成分を多量に含有するガソリンや、様々な配合処方を有する燃料の使用であっても十分な耐劣化性、耐腐食性を得ることができる。すなわち、接点側電極152および接点19は両者の摺動により微少な摩耗が進行するが、第1金属材料の摩耗により遊離した金(Au)は、摺動面に転移し、接点19の摺動面には、3質量%以上の金(Au)が付着する。このように、耐硫化性、耐腐食性が強く求められる摺動面に金(Au)が転移することにより、硫黄成分による硫化劣化、腐食、酸化等を防止し、接点側電極152と接点19との接触導通性及び接触安定性が良好に保たれ、接点接触障害を防止することができる。
また、導電セグメント15aのすべてに金(Au)を用いず、接点19との摺動箇所のみに局部的に金(Au)を用いることにより、金(Au)を従来よりも少ない使用量とすることができるので、材料費を削減することができ、これにより製造コストを安くすることができる。
また、接点側電極152及び配線側電極154の一部分同士が焼成されて焼成合金となって互いに結合されているので、接点側電極152と配線側電極154とを、硫黄成分による硫化劣化、腐食、酸化等を防止しつつ電気的及び機械的に良好に結合させた状態とすることができる。
なお、本発明では第2導電パターン16を構成する導電セグメント16aについても、少なくとも接点20が摺動接触する摺動接触範囲を金(Au)を主成分とする第1金属材料で形成し、接点20との摺動接触範囲以外を少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とを含む第2金属材料で形成することが好ましく、このようにすれば、液面レベル検出装置の耐劣化性、耐腐食性をさらに向上させることができる。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
1 液面レベル検出装置
2 センサ
3 可変抵抗器
4 電源回路
5 処理回路
6 メータ
7 固定抵抗器
10 フロート
11 フロートアーム
12 本体フレーム
13 抵抗板
14 摺動体接触子
15 第1導電パターン
15a 導電セグメント
15b 抵抗体
16 第2導電パターン
16a 導電セグメント
17,18 入出力用導電部
19,20 接点
152 接点側電極
152a 端部
153 結合部
154 配線側電極
154a 端部

Claims (4)

  1. 複数の長尺状の導電セグメントを配置した抵抗板と、測定すべき液面レベルの変位に応じて上下移動するフロートと、一端を該フロートに取付けられ、他端を前記フロートの上下移動に伴い回転するように回動自在に支持されたフロートアームと、前記液面レベルに応じた前記フロートアームの回転に連動して前記複数の導電セグメント上を摺動する接点と、を備えた液面レベル検出装置であって、
    前記複数の導電セグメントは、金(Au)を主成分とする第1金属材料からなる焼成体であり前記接点が摺動接触する接点側電極、及び、少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とを含む第2金属材料からなる焼成体であり前記接点が摺動接触しない配線側電極を有すると共に、前記接点側電極と前記配線側電極とが、前記第1金属材料及び前記第2金属材料の焼成合金である結合部を介して結合されている、
    ことを特徴とする液面レベル検出装置。
  2. 前記第1金属材料が、金(Au)を40質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の液面レベル検出装置。
  3. 前記第1金属材料が、ガラス成分を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液面レベル検出装置。
  4. 複数の長尺状の導電セグメントを配置した抵抗板と、測定すべき液面レベルの変位に応じて上下移動するフロートと、一端を該フロートに取付けられ、他端を前記フロートの上下移動に伴い回転するように回動自在に支持されたフロートアームと、前記液面レベルに応じた前記フロートアームの回転に連動して前記複数の導電セグメント上を摺動する接点と、を備えた液面レベル検出装置の製造方法であって、
    前記抵抗板の前記導電セグメントの形成位置における少なくとも前記接点と摺動接触する範囲に塗布された金(Au)を主成分とする第1金属材料と、前記抵抗板の前記導電セグメントの形成位置における前記接点との摺動接触範囲以外に塗布された少なくとも銀(Ag)とパラジウム(Pd)とを含む第2金属材料と、の一部分同士が重なった塗布体を形成する工程、及び、前記抵抗板を前記塗布体と共に焼成して前記第1金属材料からなる部位と前記第2金属材料からなる部位とが前記第1金属材料及び前記第2金属材料の焼成合金からなる結合部を介して結合された前記導電セグメントを形成する工程、を含むことを特徴とする液面レベル検出装置の製造方法。
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